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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155511
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】信号システム
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20241024BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20241024BHJP
   B61L 23/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B61B1/02
B61D37/00 G
B61L23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070288
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 雄太
【テーマコード(参考)】
3D101
5H161
【Fターム(参考)】
3D101AB01
3D101AB11
3D101AD11
5H161AA01
5H161MM01
5H161MM15
(57)【要約】
【課題】運行管理装置、車上装置、設備制御装置の間で相互に信号処理を行うことで、駅員等の操作によらず、ホームと車両の間にある隙間や高低差による不具合を解消するスロープ装置を自動的に設置できる技術を提供することを目的とすることができる。
【解決手段】代表的な本発明の信号システムの一つは、運行管理装置、駅の設備制御装置及び列車の車上装置を含む信号システムであって、前記運行管理装置は、前記設備制御装置及び前記車上装置に接続され、前記列車の車上ドアの開閉情報及び駅のホームドアの開閉情報を、前記車上装置及び前記設備制御装置に送信する。
また、前記設備制御装置は、前記運行管理装置及び前記ホームドアに接続され、前記ホームドアの開閉を制御し、前記車上装置は、前記運行管理装置、前記車上ドア及び落下防止用安全装置に接続され、前記落下防止用安全装置の展開・収納と、前記車上ドアの開閉を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運行管理装置、駅の設備制御装置及び列車の車上装置を含む信号システムであって、
前記運行管理装置は、
前記設備制御装置及び前記車上装置に接続され、
前記列車の車上ドアの開閉情報及び駅のホームドアの開閉情報を、前記車上装置及び前記設備制御装置に送信し、
前記設備制御装置は、前記運行管理装置及び前記ホームドアに接続され、前記ホームドアの開閉を制御し、
前記車上装置は、前記運行管理装置、前記車上ドア及び落下防止用安全装置に接続され、前記落下防止用安全装置の展開・収納と、前記車上ドアの開閉を制御し、
前記運行管理装置は、
前記列車の列車停止情報(第1の情報)を、前記車上装置から受信した後、前記設備制御装置に送信し、
前記落下防止用安全装置の落下防止用安全装置展開指示情報(第2の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、
前記車上ドアの車上ドア開扉指示情報(第3の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、
前記設備制御装置は、
前記第1の情報を、前記運行管理装置から受信した後、前記運行管理装置に前記第2の情報を送信し、
前記第2の情報を送信した後、前記第3の情報を前記運行管理装置に送信し、
前記車上装置は、
前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信し、
前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記落下防止用安全装置の展開を実行し、
前記運行管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて、前記車上ドアの開扉を実行する
信号システム。
【請求項2】
運行管理装置、駅の設備制御装置及び列車の車上装置を含む信号システムであって、
前記運行管理装置は、前記設備制御装置及び前記車上装置に接続され、前記列車の車上ドアの開閉情報と、駅のホームドアの開閉情報を前記車上装置と、前記設備制御装置とに送信し、
前記設備制御装置は、前記運行管理装置、前記ホームドア及び落下防止用安全装置に接続され、前記落下防止用安全装置の展開・収納と、前記ホームドアの開閉を制御し、
前記車上装置は、前記運行管理装置、前記車上ドアに接続され、前記車上ドアの開閉を制御し、
前記運行管理装置は、
前記列車の列車停止情報(第1の情報)を、前記車上装置から受信した後、前記設備制御装置に送信し、
前記車上ドアの車上ドア開扉指示情報(第3の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、
前記設備制御装置は、
前記第1の情報を、前記運行管理装置から受信した後、前記落下防止用安全装置の展開を実行し、
前記落下防止用安全装置の展開を実行した後、前記運行管理装置に前記第3の情報を送信し、
前記車上装置は、
前記第1の情報を前記運行管理装置に送信し、
前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて、前記車上ドアの開扉を実行する
信号システム。
【請求項3】
請求項1に記載の信号システムにおいて、
前記運行管理装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生したことを示す第4の情報を、前記車上装置から受信した後、前記第4の情報を前記設備制御装置に送信し、
前記車上装置から、前記落下防止用安全装置が再度正常に展開せず異常が発生したことを示す第5の情報を受信した場合であっても、故障警報が正常に報知されていれば、前記車上装置及び前記設備制御装置に、それぞれ前記車上ドア及び前記ホームドアの開扉指示を送信し、
前記車上装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生した場合に前記第4の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記落下防止用安全装置を再度展開し、
前記落下防止用安全装置が再度正常に展開せず異常が発生した場合に、前記第5の情報を前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から前記車上ドアの開扉指示を受信した場合には、前記車上ドアを開扉し、
前記設備制御装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生した場合であっても、前記運行管理装置から受信した第5の情報に基づいて、前記落下防止用安全装置に異常が発生していることを報知し、その後、前記運行管理装置から前記ホームドアの開扉指示を受信した場合には、前記ホームドアを開扉する
信号システム。
【請求項4】
請求項1に記載の信号システムにおいて、
前記運行管理装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に収納せず異常が発生したことを示す第6の情報を、前記車上装置から受信した後、第6の情報を前期設備制御装置に送信し、
前記車上装置に対して、再度、前記落下防止用安全装置の収納を指示する情報を送信し、
前記車上装置から、前記落下防止用安全装置が再度正常に展開せず、異常が発生したことを示す第7の情報を受信した場合には、異常対応の処置を講じ、
前記車上装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生した場合に、前記第6の情報を前期運行管理装置に送信し、その後、前記落下防止用安全装置について再度の収納を試み、
前記落下防止用安全装置が正常に収納されれば、前記車上ドアを閉扉し、
前記落下防止用安全装置が再度正常に収納せず、異常が発生した場合には、前記第7の情報を前期運行管理装置に送信し、
前記設備制御装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に収納されれば、前記ホームドアを開扉する
信号システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両がホームに進入して停止し、乗客の乗降を行う際、ホームと車両の間には隙間や高低差が発生していた。このような場合、隙間や高低差が原因で乗客の躓きによる事故や車椅子利用者の乗降に困難が生じていた。
このため、ホームと車両との間の隙間や高低差が存在しても、乗客が安全に移動できるよう、車両とホームの間にスロープを設置することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、「車体2の乗降用スライド式扉3の外側下部に設けられ、乗降口2aとプラットホームPHとの間にスロープ板5を掛け渡す鉄道車両の乗降口渡し板装置1は、起伏軸4に回動可能に取り付けられたスロープ板5と、乗降用スライド式扉3の下部に連設される起伏用ラック6と、起伏用ラック6に螺合する受動ピニオン11を有し起伏軸4を介してスロープ板5を倒伏可能な連動ギヤ機構7とを備えた」技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、「車椅子の乗り降りを可能とする鉄道車両用の車椅子スロープ装置2において、車椅子の走行を可能とするボーディングプレート10と、ボーディングプレート10を駅ホーム3と車両床4に渡って延びる展開位置と車両床4上に引き込まれる中継位置との間で移動可能に支持する車両内外移動支持機構20と、ボーディングプレート10をこの中継位置と乗降口1の側方に設けられる格納位置との間で移動可能に支持する車両内移動支持機構30とを備える」技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献3では、「側出入口2近傍における車両室内の壁面3部に縦軸Yを中心として回動する縦軸回転枠5を設ける。縦軸回転枠5の回転駆動手段31を設ける。縦軸回転枠5の下部とステップ9の一方の側枠の基部を横ピン10で回転可能に連結して該横ピン10を中心としてステップ9を起倒旋回可能に備える。縦軸回転枠5には前記ステップ9の起立状態を保持したりこれを解除する倒れ防止機構Bと、該倒れ防止機構Bを駆動する駆動手段32を設ける。側出入口2を挟んで前記縦軸回転枠5と反対の側には、ステップ9の他方の側枠に係合して駆動手段によりステップ9を起倒旋回させたり、この係合を駆動手段により解除するステップ起倒機構Eを設ける」技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-156239号公報
【特許文献2】特開2005-319886号公報
【特許文献3】特開2002-255029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1~3に記載された発明では、ホームと車両の間にある隙間や高低差による不具合は解消できるものの、ホームと車両の間にある隙間や高低差を埋めるためのスロープ装置が、駅員もしくは乗務員により展開、収納されることを前提としている。
このため、スロープ装置を適切なタイミングで自動的に設置することについては、検討されていない。
【0008】
そこで、本発明では、運行管理装置、車上装置、設備制御装置の間で相互に信号処理を行うことで、駅員等の操作によらず、ホームと車両の間にある隙間や高低差による不具合を解消するスロープ装置を自動的に設置できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明の信号システムの一つは、運行管理装置、駅の設備制御装置及び列車の車上装置を含む信号システムであって、前記運行管理装置は、前記設備制御装置及び前記車上装置に接続され、前記列車の車上ドアの開閉情報及び駅のホームドアの開閉情報を、前記車上装置及び前記設備制御装置に送信する。
また、前記設備制御装置は、前記運行管理装置及び前記ホームドアに接続され、前記ホームドアの開閉を制御し、前記車上装置は、前記運行管理装置、前記車上ドア及び落下防止用安全装置に接続され、前記落下防止用安全装置の展開・収納と、前記車上ドアの開閉を制御する。
さらに、前記運行管理装置は、前記列車の列車停止情報(第1の情報)を、前記車上装置から受信した後、前記設備制御装置に送信し、前記落下防止用安全装置の落下防止用安全装置展開指示情報(第2の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、前記車上ドアの車上ドア開扉指示情報(第3の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信する。
そして、前記設備制御装置は、前記第1の情報を、前記運行管理装置から受信した後、前記運行管理装置に前記第2の情報を送信し、前記第2の情報を送信した後、前記第3の情報を前記運行管理装置に送信し、前記車上装置は、前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信し、前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記落下防止用安全装置の展開を実行し、前記運行管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて、前記車上ドアの開扉を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運行管理装置、車上装置、設備制御装置の間で相互に信号処理を行うことで、駅員等の操作によらず、ホームと車両の間にある隙間や高低差による不具合を解消するスロープ装置を自動的に設置できる技術を提供することを目的とすることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態における信号システムの構成例を示す図である。
図2図2は、落下防止用安全装置の制御タイミングの推移を示すシーケンス図である。
図3図3は、落下防止用安全装置の展開制御処理の具体例について示すフローチャートである。
図4図4は、落下防止用安全装置の収納制御処理の具体例について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0013】
[実施形態]
まず、図1を参照して、実施形態の信号システム1について説明する。
図1は、実施形態における信号システム1の構成例を示す図である。
信号システム1は、駅のホームに停止した列車の車上ドアの開閉と駅のホーム上に設置されたホームドアの開閉と連携し、列車と駅のホームとの間に敷設されるスロープ装置などの落下防止用安全装置を安全に展開または収納するシステムである。
信号システム1は、主に、運行管理装置100と、車上装置120と、設備制御装置140と、を含む。運行管理装置100は、汎用LAN110を介して車上装置120と設備制御装置140と接続されている。また、車上装置120は、列車に設置された車上ドア130の開閉および落下防止用安全装置190の展開、収納を制御するための装置であり、汎用LAN110を介して運行管理装置100と接続している。更に、設備制御装置140は、駅のホームに設置されたホームドア150の開閉を制御することができ、運行管理装置100と接続している。
【0014】
<運行管理装置>
運行管理装置100は、列車情報および対象路線を走行する列車の運行状況を把握する装置である。また、運行管理装置100は、一般的には、中央指令室に設置されている。
本実施形態では、運行管理装置100は、車上装置120と設備制御装置140との間で通信される電文信号を相互に中継する。
また、運行管理装置100は、汎用LAN110を介して遠隔地にある車上装置120および設備制御装置140と接続されている。
また、運行管理装置100は、列車の車上ドア130の開閉情報及び駅のホームドア150の開閉情報を、車上装置120及び設備制御装置140との間で電文信号を用いて通信し、車上装置120および設備制御装置140が連携して、的確に作動するように制御している。
【0015】
具体的には、運行管理装置100は、列車が停止したこと通知する第1の情報を、車上装置120から受信した後、設備制御装置140に送信する。
また、列車の車上ドア130の開扉を指示する第2の情報を、設備制御装置140から受信した後、車上装置120に送信する。
更に、落下防止用安全装置190の展開を指示する第3の情報を、設備制御装置140から受信した後、車上装置120に送信する。
【0016】
<車上装置>
車上装置120は列車に搭載されており、中央指令室からの制御指令に基づいて、列車の運行を制御し、機能安全を実現する装置である。本実施形態では、車上装置120は、車上ドア130及び落下防止用安全装置190に接続され、落下防止用安全装置190の展開・収納と、車上ドア130の開閉を制御する。
車上装置120は、汎用LAN110を介して、運行管理装置100と接続しており、設備制御装置140が送信した設備制御情報を、運行管理装置100を介して受信する。また、車上装置120は、落下防止用安全装置190及び車上ドア130に関する情報を、運行管理装置100を介して設備制御装置140に送信する。
【0017】
<設備制御装置>
設備制御装置140は、駅ごとに設置された駅の設備の制御装置である。本実施形態では、設備制御装置140は、ホームドア150に接続され、ホームドア150の開閉を制御する。
設備制御装置140は、汎用LAN110を介して、運行管理装置100と接続しており、車上装置120が送信した落下防止用安全装置190及び車上ドア130に関する情報を、運行管理装置100を介して受信する。また、設備制御装置140は、設備制御情報を、運行管理装置100を介して車上装置120に送信する。
【0018】
<汎用LAN>
汎用LAN110は、複数の基地局で構成されており、運行管理装置100と車上装置120と設備制御装置140を相互に通信できるように接続するネットワークである。
汎用LAN110は、例えば、イーサネットであるが、互いに情報の送受信が可能であれば他の通信手段を用いてもよい。例えば、公衆網であってもよいし、公衆網と通信するネットワークであってもよい。
【0019】
<車上ドア>
車上ドア130は、列車の各車両のドアであり、乗客が列車の乗降に利用する出入り口に設置された開閉する可動式の開口部を有するドアである。
車上ドア130は、車上装置120と接続しており、車上装置120からの制御指令に基づいて、開閉する。
【0020】
<ホームドア>
ホームドア150は、駅のホームに設置されており、ホームの転落や列車との接触事故防止などを目的として、線路に面する部分に設置される開閉する可動式の開口部を有する仕切りである。
ホームドア150は、設備制御装置140と接続しており、設備制御装置140からの制御指令に基づいて開閉する。
【0021】
<落下防止用安全装置>
落下防止用安全装置190は、ホームと車両との間の存在する隙間や高低差をなくし、
乗客が安全に移動できるようにすることを目的として、車両の外側、つまり車上ドア130から見て、ホーム側に設置されて、展開・収納が可能なスロープなどの装置である。
このため、落下防止用安全装置190は、車上装置120と接続しており、車上装置120からの制御指令に基づいて、展開・収納される。
【0022】
<落下防止用安全装置の制御>
次に、図2を参照して、落下防止用安全装置190の制御について説明する。
図2は、落下防止用安全装置190の制御タイミングの推移を示すシーケンス図である。
図2は、左から右にかけて時間が経過し、それぞれ制御タイミングが異なる。
なお、図2では、実施形態で記載している電文信号の種類を説明するために必要な主たる電文信号のみを記載しており、その他の電文信号は省略している。
【0023】
図2で表示される落下防止用安全装置190の制御タイミングの推移は、大きく分けて3段階で構成される。つまり、列車が駅のホームに停止する前の制御タイミング(領域231)と、列車が駅のホームに停止している期間の制御タイミング(領域232)と、列車が駅のホームから出発した後の制御タイミング(領域233)である。
領域231で示される制御タイミングと、領域233で示される制御タイミングでは、列車が移動するタイミングであるため、車上ドア130、ホームドア150および落下防止用安全装置190は全て閉扉、収納された状態で固定されている。
【0024】
次に、図2の縦方向の3つの領域は、装置ごとの動作を記載している。領域241は、運行管理装置100が主体となる処理の制御タイミングを示す。同様に、領域242は、設備制御装置140が主体となる処理の制御タイミングを示し、領域243は、車上装置120が主体となる処理の制御タイミングを示す。
【0025】
以下、ホーム内に列車が停止している期間(領域232)における電文信号の発生とステータスの継続状態について説明する。
なお、図2の処理では、落下防止用安全装置190を展開した後に、ホームドア150を開扉し、車上ドア130を開扉することを前提として説明する。
【0026】
(ステータスS201)
まず、ホーム内に列車が停止している期間(領域232)における電文信号の発生とステータスの継続状態は、車上装置が列車の停止情報を発信するステージから開始される。
ステータスS201は、車上装置120が、「(1)列車停止情報(第1の情報)」を運行管理装置100に送信するステータスである。
なお、列車が駅のホームに停止している期間(領域232)においては、(9)ホームドア閉扉209及び(10)車上ドア閉扉の場合を除いては、ステータスを示す電文信号が、例えば、1秒毎に繰り返し発信されることによって、ステータスの継続を示すこととなる。
【0027】
(ステータスS202)
ステータスS202は、運行管理装置100が、「(2)列車停止情報(第1の情報)」を車上装置120から受信するステータスである。
【0028】
(ステータスS203)
ステータスS203は、設備制御装置140が、第1の情報を運行管理装置100から受信し、「(3)列車が停車域で停止したこと確認する」ステータスである。
なお、停車域とは、列車が駅の停止位置目標に合わせて停止した場合にホームを専有する場所である。
【0029】
(ステータスS204)
ステータスS204は、設備制御装置140が、「(4)落下防止用安全装置の展開指示情報(第2の情報)」を運行管理装置100に送信するステータスである。
【0030】
(ステータスS205)
ステータスS205は、車上装置120が、「(5)落下防止用安全装置の展開指示情報(第2の情報)」を運行管理装置100から受信し、落下防止用安全装置190を展開するステータスである。
【0031】
(ステータスS206)
ステータスS206は、設備制御装置140が、ホームドア150の開扉を実行するステージである。なお、ホームドア150の開扉は、後述するように、運行管理装置100からの指示に基づいて実行することとなる。
【0032】
(ステータスS207)
ステータスS207は、設備制御装置140が、ステージS206においてホームドア150の開扉を実行した後に「(7)車上ドアの開扉指示情報(第3の情報)」を運行管理装置100に送信するステータスである。
【0033】
(ステータスS208:車上ドア130の開扉)
ステータスS208は、車上装置120が、「(8)車上ドア130の開扉指示情報(第3の情報)」を運行管理装置100から受信し、車上ドア130を開扉するステータスである。
このとき、車上装置120は、運行管理装置100を介して設備制御装置140から受信した第3の情報に基づいて車上ドア130を開扉するため、車上ドア130の開扉について、車上装置120と設備制御装置140が連携することができる。
【0034】
(ステータスS209:ホームドア150の閉扉)
ステータスS209は、設備制御装置140が、ステータスS209で車上装置120が送信した情報に基づいて、ホームドア150を閉扉するステータスである。
【0035】
(ステータスS210:車上ドア130の閉扉)
ステータスS210は、車上装置120が落下防止用安全装置190を収納し、車上ドア130を閉扉し、運行管理装置100にその情報を送信するステータスである。
【0036】
落下防止用安全装置190の展開異常)
また、ステータスS205において、落下防止用安全装置190が正常に展開しなかった場合、車上装置120は、落下防止用安全装置展開異常情報(第4の情報(図示なし))を、運行管理装置100に送信し、運行管理装置100から設備制御装置140に送信する。
次に、車上装置120は、落下防止用安全装置190を再度展開する。落下防止用安全装置190が正常に展開した場合、そのまま通常の処理を継続する。
【0037】
落下防止用安全装置190が再度正常に展開しなかった場合、車上装置120は、落下防止用安全装置190が再度正常に展開せずに、異常が発生したことを示す第5の情報(図示なし)を、運行管理装置100に送信した後、落下防止用安全装置190を展開せず、車上ドア130を開扉する。
また、運行管理装置100は、落下防止用安全装置190が再度正常に展開せずに、異常が発生したことを示す落下防止用安全装置再度展開異常情報(第5の情報)を設備制御装置140に送信する落下防止用安全装置190に対して故障警報を発信する。なお。故障警報などの制御指令については後述する。
設備制御装置140は、上記の故障警報が正常に出力された場合にはホームドア150を開扉する。
これにより、落下防止用安全装置190に異常がある場合であっても、故障警報を発出した上で、車上ドア130と、ホームドア150を開扉することで、乗客の乗降を行うことができる。
【0038】
なお、落下防止用安全装置190の故障警報は、運行管理装置100に当該異常の情報を送信したり、落下防止用安全装置190に異常が発生していることを目視できるランプを備え付け、当該ランプの状態で示してもよい。これにより、落下防止用安全装置190が作動していないことを乗客に伝達して注意を促すことができる。
【0039】
<落下防止用安全装置190の収納異常>
落下防止用安全装置190が正常に収納しなかった場合、車上装置120は、落下防止用安全装置190の収納に異常が発生したことを示す第6の情報(図示なし)を、運行管理装置100に送信し、運行管理装置100から設備制御装置140に送信する。
次に、運行管理装置100は、落下防止用安全装置190の収納を再度指示する再度収納指示の情報を車上装置120に送信する。
【0040】
車上装置120は、再度収納指示の情報を受信すると、落下防止用安全装置190に異常が発生していることを報知する報知手段を作動させ、落下防止用安全装置190の再度収納を試みる。
これにより、落下防止用安全装置190に異常が発生したことを周囲に送信し、落下防止用安全装置190の再度収納を試みる。
【0041】
また、落下防止用安全装置190に異常を報知する報知手段としては、同様に、運行管理装置100に当該異常の情報を送信してもよいし、落下防止用安全装置190に異常が発生していることを目視できるランプを備え付け、当該ランプの状態で示してもよい。これにより、落下防止用安全装置190が作動していないことを乗客に伝達して注意をうながすことができる。
【0042】
<落下防止用安全装置の展開制御処理>
次に、図3を参照して、落下防止用安全装置190の展開制御処理の具体例について説明する。
図3は、運行管理装置100による落下防止用安全装置190の展開制御処理のフローチャートである。
なお、図3の処理では、列車が駅のホームに停止しており、設備制御装置140によって、列車が停車域で停止したことが確認できた状態以降の処理を示している。
【0043】
(ステップS301)
ステップS301は、車上装置120が落下防止用安全装置190の展開が正常に行なわれたことを判定するステップである。落下防止用安全装置190が正常に展開しなかった場合、ステップS302に進み、落下防止用安全装置190が正常に展開した場合、ステップS305に進む。
【0044】
(ステップS302)
ステップS302は、落下防止用安全装置190が正常に展開しなかった場合、運行管理装置100は、落下防止用安全装置190の再度の展開を指示する情報を車上装置120に送信し、落下防止用安全装置190を再度展開するように試みるステップである。
【0045】
(ステップS303)
ステップS303は、運行管理装置100が、車上装置120から落下防止用安全装置190が再度展開に異常が発生したことを示す落下防止用安全装置再度展開異常情報(第5の情報)を受信したか判定するステップである。第5の情報を受信した場合、つまり、落下防止用安全装置190が再度正常に展開しなかった場合、ステップS304に進み、第4の情報を受信していない場合、つまり、落下防止用安全装置190が正常に展開した場合、車上ドア130及びホームドア150の開扉ステップに進む。
【0046】
(ステップS304)
ステップS304は、落下防止用安全装置190が再度正常に展開しなかった場合の故障警報を報知するステップである。このとき、運行管理装置100は、落下防止用安全装置190が故障をしたことを示すため、例えば、中央指令室の端末に対して故障の通知を出力する。また、落下防止用安全装置190に対して故障をしていることが目視できるように、例えば、ランプを点灯させるなどの制御指令を送信してもよい。
【0047】
(ステップS305)
ステップS305は、落下防止用安全装置190が故障警報を正常に報知したか判定するステップである。落下防止用安全装置190が故障警報を正常に出力した場合、ステップS306に進み、報知手段等を用いて、警告を発生した状態で、車上ドア130及びホームドア150の開扉を行う。一方、落下防止用安全装置190が故障警報を正常に報知できなかった場合、ステップS413に進み、ホームドア150を開扉せず、異常対応307を講じることとなる。
【0048】
ここで、設備制御装置140が、落下防止用安全装置190の故障警報を正常に出力し、報知するとは、設備制御装置140が、運行管理装置100を介して、車上装置120に落下防止用安全装置190が故障していることを認識できるように、情報を送信する。もしくは、設備制御装置140が、ホームドア150に落下防止用安全装置190が故障している旨を表示する等である。
いずれの場合であっても、故障警報を正常に報知することによって、乗客が乗降を行う際、駅のホームと列車の車両の間に、隙間や高低差が発生していることを認識でき、隙間や高低差が原因の躓きによる事故を防ぐことができる。
【0049】
つまり、本実施態様の落下防止用安全装置190の展開制御においては、
運行管理装置100は、
落下防止用安全装置190が正常に展開せず異常が発生したことを示す第4の情報を、車上装置120から受信した後、第4の情報を設備制御装置140に送信し、
車上装置120に対して、再度落下防止用安全装置190の展開を指示する情報を送信し、
車上装置120から、落下防止用安全装置190が再度正常に展開せず異常が発生したことを示す第5の情報を受信した場合であっても、故障警報が正常に報知されていれば、車上装置120及び設備制御装置140に、それぞれ車上ドア130及びホームドア150の開扉指示を送信し、
車上装置120は、
落下防止用安全装置190が正常に展開せず異常が発生した場合に、第4の情報を運行管理装置100に送信し、その後、落下防止用安全装置190の再度の展開を試み、
落下防止用安全装置190が再度正常に展開せず異常が発生した場合には、第5の情報を運行管理装置100に送信し、その後、運行管理装置100から車上ドア130の開扉指示を受信した場合には、車上ドア130を開扉する。
設備制御装置140は、
落下防止用安全装置190が正常に展開せず異常が発生した場合であっても、運行管理装置100から受信した第5の情報に基づいて、落下防止用安全装置190に異常が発生していることを報知し、その後、運行管理装置100からホームドア150の開扉指示を受信した場合には、ホームドア150を開扉することとなる。
【0050】
(変形例)
なお、本実施態様の変形例として、落下防止用安全装置190が車上装置120ではなく、設備制御装置140に接続されている場合には、
運行管理装置は、
落下防止用安全装置190が正常に展開せず異常が発生したことを示す第4の情報を、設備制御装置140から受信した後、第4の情報を車上装置120に送信し、
設備制御装置140に再度落下防止用安全装置190の展開を指示する情報を送信し、
設備制御装置140から、落下防止用安全装置190が再度正常に展開せず異常が発生したことを示す第5の情報を受信した場合であっても、故障警報が正常に報知されていれば、設備制御装置140に対して、ホームドア150の開扉指示を送信し、車上装置120に車上ドア130の開扉指示を送信する。
前記設備制御装置は、
落下防止用安全装置190が正常に展開せず異常が発生した場合に、第4の情報を運行管理装置100に送信した後、前記落下防止用安全装置を再度展開し、
落下防止用安全装置190が再度正常に展開せず異常が発生した場合であっても、故障警報を報知し、運行管理装置からホームドア150の開扉指示を受信した場合には、ホームドア150を開扉する。
車上装置120は、
運行管理装置100から受信した第5の情報に基づいて、落下防止用安全装置190に異常が発生していることを報知し、運行管理装置から車上ドア130の開扉指示を受信した場合には、車上ドア130を開扉する。
【0051】
<落下防止用安全装置の収納制御処理>
次に、図4を参照して、落下防止用安全装置190の収納制御処理の具体例について説明する。
図4は、落下防止用安全装置190の収納制御処理のフローチャートである。
また、図4の処理では、落下防止用安全装置190を展開した後に、ホームドア150を開扉する場合を示しているが、本開示は、これに限定されるものではなくホームドア150を開扉した後に、落下防止用安全装置190を収納することとしてもよい。
【0052】
(ステップS401)
ステップS401は、車上装置120が落下防止用安全装置190の収納が正常に行なわれたことを判定するステップである。すなわち、運行管理装置100が、車上装置120から落下防止用安全装置190の収納に異常が発生したことを示す落下防止用安全装置収納異常情報(第6の情報)を受信したか判定するステップである。落下防止用安全装置190が正常に収納されなかった場合、ステップS402に進み、落下防止用安全装置190が正常に収納された場合、ステップS405に進む。
【0053】
(ステップS402)
ステップS402は、落下防止用安全装置190が正常に収納されず、運行管理装置100が、車上装置120から第6の情報を受信した場合、次に、運行管理装置100は、落下防止用安全装置190の再度の収納を指示する情報を車上装置120に送信し、落下防止用安全装置190の再度の収納を試みるよう指示する。
【0054】
(ステップS403)
ステップS403は、落下防止用安全装置190の再度の収納によって、落下防止用安全装置190が正常に収納されたか否かを判断するステップである。すなわち、運行管理装置100が、車上装置120から落下防止用安全装置190が再度収納に異常が発生したことを示す落下防止用安全装置再度収納異常情報(第7の情報)を受信したか判定するステップである。第7の情報を受信した場合、つまり、落下防止用安全装置190が再度の修正指示にもかかわらず、正常に収納しなかった場合には、ステップS407に進み、第7の情報を受信していない場合、つまり、落下防止用安全装置190が正常に収納された場合には、車上ドア130及びホームドア150の閉扉ステップS406に進む。
【0055】
ステップS407においては、再度の落下防止安全装の収納指示にもかかわらず正常に収納が行われなかったことから、明らかに故障が発生している虞がある。このため、そのまま車上ドア130及びホームドア150の閉扉ステップにS406に進むことはできず、何らかの異常動作の対応が必要となる。
【0056】
つまり、本実施態様の落下防止用安全装置190の収納制御においては、
運行管理装置100は、
落下防止用安全装置190が正常に収納せず異常が発生したことを示す第6の情報を、車上装置120から受信した後、第6の情報を設備制御装置140に送信し、
車上装置120に対して、再度落下防止用安全装置190の収納を指示する情報を送信し、
車上装置120から、落下防止用安全装置190が再度正常に展開せず異常が発生したことを示す第7の情報を受信した場合には、異常対応の処置を講じることとなる。
車上装置120は、
落下防止用安全装置190が正常に展開せず異常が発生した場合に、第6の情報を運行管理装置100に送信し、その後、落下防止用安全装置190の再度の収納を試み、
落下防止用安全装置190が正常に収納されれば、車上ドアを閉扉し、
落下防止用安全装置190が再度正常に収納せず異常が発生した場合には、第7の情報を運行管理装置100に送信する。
設備制御装置140は、
落下防止用安全装置190が正常に収納されれば、ホームドア150を開扉することとなる。
【0057】
以上、実施形態に係る信号システム1について説明した。
本開示の信号システム1は、運行管理装置100、車上装置120、設備制御装置140を主に有しており、運行管理装置100と車上装置120と設備制御装置140との間で連携して車上ドア130の開扉および落下防止用安全装置190の展開を対応できる。
更に、本開示の信号システム1では、一度、車上ドア130の開扉に異常が発生したとしても、再度、車上ドア130の開扉を試みる。車上ドア130の開扉を再度試みた結果、異常が生じていれば、公知の報知手段を講じて、異常を報知し、乗客等に注意を促しながら、列車の運行を計画通りに進めることができる。
しかし、報知手段が正常に稼働しない場合は、別途対応を行うこととなっている。
このため、軽微な異常については、柔軟に吸収しつつ、重大な異常の可能性がある場合は、厳格に対応することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、落下防止用安全装置190は、車上装置120と接続し、車上ドア130から見て、ホーム側に設置されており、車上ドアの開閉状態に関係なく、展開・収納可能なものであることを前提としているが、落下防止用安全装置190は、車上ドア130のから見て、車両の内側に設置されており、車上ドアが開扉している状態でのみ展開・収納可能なものであてもよい。この場合には、車上ドアが開扉している状態を確認した後に、落下防止用安全装置190の展開・収納を行うこととなる。
さらに、上記の実施形態では、落下防止用安全装置190は、車上装置120に接続され、列車に設置されているが、落下防止用安全装置190は、設備制御装置140と接続されており、駅のホームに設置されていてもよい。
この場合、設備制御装置140は、列車停止情報(第1の情報)を、運行管理装置100から受信した後、落下防止用安全装置190の展開を実行し、この後に、運行管理装置100に車上ドア開扉指示情報(第3の情報)を送信することとなる。
【0059】
さらに、上記の実施形態では、落下防止用安全装置190を展開した後に、ホームドア150を開扉し、車上ドア130を開扉する場合を示しているが、本開示は、これに限定されるものではなく、ホームドア150を開扉し、車上ドア130を開扉した後に、落下防止用安全装置190を展開することとしてもよい。
さらに、上記の実施形態では、車上ドア130の開扉は、ホームドア150の開扉実行後に、車上ドア130の開扉指示が発信されることによって実行しているが、運行管理装置100が落下防止用安全装置190の展開状態を確認した後に、ホームドア150と車上ドア130の開扉を並行して実行するように、落下防止用安全装置190から、設備制御装置140及び車上装置120にそれぞれの開扉指示を発信することとしてもうよい。
ホームドア150及び車上ドア130の閉扉についても同様である。
【0060】
また、本開示は以下のような態様も含んでいる。
(態様1)
運行管理装置、駅の設備制御装置及び列車の車上装置を含む信号システムであって、
前記運行管理装置は、
前記設備制御装置及び前記車上装置に接続され、
前記列車の車上ドアの開閉情報及び駅のホームドアの開閉情報を、前記車上装置及び前記設備制御装置に送信し、
前記設備制御装置は、前記運行管理装置及び前記ホームドアに接続され、前記ホームドアの開閉を制御し、
前記車上装置は、前記運行管理装置、前記車上ドア及び落下防止用安全装置に接続され、前記落下防止用安全装置の展開・収納と、前記車上ドアの開閉を制御し、
前記運行管理装置は、
前記列車の列車停止情報(第1の情報)を、前記車上装置から受信した後、前記設備制御装置に送信し、
前記落下防止用安全装置の落下防止用安全装置展開指示情報(第2の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、
前記車上ドアの車上ドア開扉指示情報(第3の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、
前記設備制御装置は、
前記第1の情報を、前記運行管理装置から受信した後、前記運行管理装置に前記第2の情報を送信し、
前記第2の情報を送信した後、前記第3の情報を前記運行管理装置に送信し、
前記車上装置は、
前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信し、
前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記落下防止用安全装置の展開を実行し、
前記運行管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて、前記車上ドアの開扉を実行する
信号システム。
(態様2)
運行管理装置、駅の設備制御装置及び列車の車上装置を含む信号システムであって、
前記運行管理装置は、前記設備制御装置及び前記車上装置に接続され、前記列車の車上ドアの開閉情報と、駅のホームドアの開閉情報を前記車上装置と、前記設備制御装置とに送信し、
前記設備制御装置は、前記運行管理装置、前記ホームドア及び落下防止用安全装置に接続され、前記落下防止用安全装置の展開・収納と、前記ホームドアの開閉を制御し、
前記車上装置は、前記運行管理装置、前記車上ドアに接続され、前記車上ドアの開閉を制御し、
前記運行管理装置は、
前記列車の列車停止情報(第1の情報)を、前記車上装置から受信した後、前記設備制御装置に送信し、
前記車上ドアの車上ドア開扉指示情報(第3の情報)を、前記設備制御装置から受信した後、前記車上装置に送信し、
前記設備制御装置は、
前記第1の情報を、前記運行管理装置から受信した後、前記落下防止用安全装置の展開を実行し、
前記落下防止用安全装置の展開を実行した後、前記運行管理装置に前記第3の情報を送信し、
前記車上装置は、
前記第1の情報を前記運行管理装置に送信し、
前記第1の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて、前記車上ドアの開扉を実行する
信号システム。
(態様3)
態様1または2に記載の信号システムにおいて、
前記運行管理装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生したことを示す第4の情報を、前記車上装置から受信した後、前記第4の情報を前記設備制御装置に送信し、
前記車上装置から、前記落下防止用安全装置が再度正常に展開せず異常が発生したことを示す第5の情報を受信した場合であっても、故障警報が正常に報知されていれば、前記車上装置及び前記設備制御装置に、それぞれ前記車上ドア及び前記ホームドアの開扉指示を送信し、
前記車上装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生した場合に前記第4の情報を、前記運行管理装置に送信した後、前記落下防止用安全装置を再度展開し、
前記落下防止用安全装置が再度正常に展開せず異常が発生した場合に、前記第5の情報を前記運行管理装置に送信した後、前記運行管理装置から前記車上ドアの開扉指示を受信した場合には、前記車上ドアを開扉し、
前記設備制御装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生した場合であっても、前記運行管理装置から受信した第5の情報に基づいて、前記落下防止用安全装置に異常が発生していることを報知し、その後、前記運行管理装置から前記ホームドアの開扉指示を受信した場合には、前記ホームドアを開扉する
信号システム。
(態様4)
態様1ないし3のいずれか一つに記載の信号システムにおいて、
前記運行管理装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に収納せず異常が発生したことを示す第6の情報を、前記車上装置から受信した後、第6の情報を前期設備制御装置に送信し、
前記車上装置に対して、再度、前記落下防止用安全装置の収納を指示する情報を送信し、
前記車上装置から、前記落下防止用安全装置が再度正常に展開せず、異常が発生したことを示す第7の情報を受信した場合には、異常対応の処置を講じ、
前記車上装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に展開せず異常が発生した場合に、前記第6の情報を前期運行管理装置に送信し、その後、前記落下防止用安全装置について再度の収納を試み、
前記落下防止用安全装置が正常に収納されれば、前記車上ドアを閉扉し、
前記落下防止用安全装置が再度正常に収納せず、異常が発生した場合には、前記第7の情報を前期運行管理装置に送信し、
前記設備制御装置は、
前記落下防止用安全装置が正常に収納されれば、前記ホームドアを開扉する
信号システム。
【符号の説明】
【0061】
100 運行管理装置
110 汎用LAN
120 車上装置
130 車上ドア
140 設備制御装置
150 ホームドア
図1
図2
図3
図4