(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155529
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】流量測定ユニット、流量測定システム、及び流量測定方法
(51)【国際特許分類】
G01F 1/7086 20220101AFI20241024BHJP
【FI】
G01F1/7086
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070315
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】新田 慎一
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035AA06
2F035AB06
2F035FA08
2F035FB01
(57)【要約】
【課題】液体の流量を測定する精度を向上させることができる流量測定ユニットを提供する。
【解決手段】流入通路(21)と、流出通路(29)と、液体が流入する入口部(24a)及び液体が流出する出口部(24b)を有し、容積が既知の所定容積である検定通路(24)と、液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応を示す所定物質を流入通路に注入する注入器(22)と、入口部に所定波長の光を照射して蛍光反応の第1強度を検出する第1検出器(30)と、出口部に所定波長の光を照射して蛍光反応の第2強度を検出する第2検出器(30)と、所定物質が注入されてから第1強度がピークになるまでの第1時間を、所定物質が注入されてから第2強度がピークになるまでの第2時間から引いた時間差で、所定容積を割って液体の流量を算出する第1コントローラ(38)と、を含む流量測定ユニット(20)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度がピークになるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度がピークになるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する第1コントローラと、
を含む流量測定ユニット。
【請求項2】
前記入口部と前記出口部とは所定方向に並んで配置され、
前記第1検出器及び前記第2検出器は1つの共通検出器により構成され、
前記共通検出器は、前記所定方向に沿って前記入口部及び前記出口部に前記所定波長の光を照射して前記第1強度及び前記第2強度を検出する、請求項1に記載の流量測定ユニット。
【請求項3】
前記検定通路はガラス製の毛細管により形成されている、請求項2に記載の流量測定ユニット。
【請求項4】
前記第1検出器は、前記所定波長の光を照射する第1検出ヘッドを有し、
前記第2検出器は、前記所定波長の光を照射する第2検出ヘッドを有し、
前記注入器、前記流入通路における前記注入器から前記入口部までの部分、前記第1検出ヘッド、前記検定通路、及び前記第2検出ヘッドの温度を所定温度に調節する温度調節装置を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の流量測定ユニット。
【請求項5】
前記所定物質は、第1波長の光を吸収して前記第1波長よりも長い第2波長の蛍光を発する前記蛍光反応を示す蛍光物質であり、
前記第1検出器は、前記入口部に前記所定波長としての前記第1波長の光を照射して、前記第1強度として前記第2波長の蛍光の強度を検出し、
前記第2検出器は、前記出口部に前記所定波長としての前記第1波長の光を照射して、前記第2強度として前記第2波長の蛍光の強度を検出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の流量測定ユニット。
【請求項6】
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度が第1閾値を超えるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度が第2閾値を超えるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する第1コントローラと、
を含む流量測定ユニット。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載の流量測定ユニットと、
前記液体を圧送するポンプと、
前記ポンプから前記流入通路へ圧送される前記液体の流量に相関する出力信号を出力する流量センサと、
前記流量センサにより出力される前記出力信号が目標出力信号になるように前記ポンプを制御する第2コントローラと、を含む送液ユニットと、
を備える流量測定システム。
【請求項8】
前記送液ユニットは、情報を記憶する記憶装置を含み、
前記第2コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号に順次なるように前記ポンプを制御し、
前記第1コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号にそれぞれなった状態で前記液体の流量を算出し、
前記第2コントローラは、複数の前記目標出力信号と、前記第1コントローラにより算出された前記液体の流量とをそれぞれ対応付けて前記記憶装置により記憶させる、請求項7に記載の流量測定システム。
【請求項9】
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
を用いて前記液体の流量を測定する流量測定方法であって、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度がピークになるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度がピークになるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する、流量測定方法。
【請求項10】
前記入口部と前記出口部とを所定方向に並べて配置し、
前記第1検出器及び前記第2検出器を1つの共通検出器により構成し、
前記共通検出器により、前記所定方向に沿って前記入口部及び前記出口部に前記所定波長の光を照射させて前記第1強度及び前記第2強度を検出させる、請求項9に記載の流量測定方法。
【請求項11】
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
を用いて前記液体の流量を測定する流量測定方法であって、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度が第1閾値を超えるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度が第2閾値を超えるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する、流量測定方法。
【請求項12】
前記液体を圧送するポンプと、
前記ポンプから前記流入通路へ圧送される前記液体の流量に相関する出力信号を出力する流量センサと、
情報を記憶する記憶装置と、を用いて、
前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の目標出力信号に順次なるように前記ポンプを制御し、
前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号にそれぞれなった状態で前記液体の流量を算出し、
複数の前記目標出力信号と、前記算出した前記液体の流量とをそれぞれ対応付けて前記記憶装置により記憶させる、請求項9~11のいずれか1項に記載の流量測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の流量を測定する流量測定ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、経路端に微小流量ポンプを設置し、経路にはサンプルインジェクタ、検定管及び検定管の両端に気泡検出部を設置すると共に、ポンプから一定流量でキャリア溶液を送液させつつサンプルインジェクにより気泡注入を行い、2つの気泡検出部間の通過時間により流量を得る微小流量測定方法がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の流量測定方法では、キャリア溶液の種類によっては気泡を形成する空気がキャリア溶液に溶け込むおそれがある。また、気泡が経路(検定管を含む)の内壁に付着したり内壁から摩擦抵抗を受けたりして、キャリア溶液の流速よりも気泡の流速が遅くなるおそれがある。このため、液体の流量を測定する精度が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、液体の流量を測定する精度を向上させることができる流量測定ユニットを提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、流量測定ユニットであって、
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度がピークになるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度がピークになるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する第1コントローラと、
を含む。
【0007】
上記構成によれば、検定通路は、前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有している。このため、流入通路から流入した液体が、入口部を介して検定通路に流入し、検定通路を流通した後に出口部を介して流出通路から流出する。検定通路の前記入口部から前記出口部までの容積は既知の所定容積である。
【0008】
注入器は、前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する。第1検出器は、前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する。このため、所定物質が入口部を通過する際には、第1検出器により検出される第1強度に所定物質の存在を示す変化が現れる。また、第2検出器は、前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する。このため、所定物質が出口部を通過する際には、第2検出器により検出される第2強度に所定物質の存在を示す変化が現れる。
【0009】
ここで、所定物質は前記液体に溶解可能であるため、気泡が液体に溶けたり溶けなかったりする場合と異なり、所定物質が前記液体に溶解するか否かで第1強度及び第2強度が影響を受けることを抑制することができる。さらに、所定物質は液体に溶解して流れるため、所定物質が通路の内壁に付着したり内壁から摩擦抵抗を受けたりしにくく、液体の流速よりも所定物質の流速が遅くなることを抑制することができる。そして、第1コントローラは、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度がピークになるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度がピークになるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する。したがって、液体への所定物質の溶解による影響及び所定物質が通路の内壁から受ける影響を抑制することができ、液体の流量を測定する精度を向上させることができる。さらに、第1時間及び第2時間として、それぞれ第1強度及び第2強度がピークになるまでの時間を測定している。このため、微小な第1強度及び第2強度を検出する必要がなく、第1時間及び第2時間を安定して測定することができる。
【0010】
第2の手段では、前記入口部と前記出口部とは所定方向に並んで配置され、前記第1検出器及び前記第2検出器は1つの共通検出器により構成され、前記共通検出器は、前記所定方向に沿って前記入口部及び前記出口部に前記所定波長の光を照射して前記第1強度及び前記第2強度を検出する。
【0011】
上記構成によれば、前記入口部と前記出口部とは所定方向に並んで配置されている。このため、所定方向に沿って前記所定波長の光を照射することにより、前記第1検出器及び前記第2検出器を1つの共通検出器により構成して、共通検出器により前記入口部と前記出口部とに前記所定波長の光を照射することができる。そして、前記共通検出器は、前記入口部及び前記出口部において、それぞれ前記第1強度及び前記第2強度を検出することができる。したがって、第1検出器及び第2検出器を1つの共通検出器にまとめることができ、流量測定ユニットの構成を簡素化することができる。
【0012】
第3の手段では、第2の手段を前提として、前記検定通路はガラス製の毛細管により形成されている。このため、前記入口部及び前記出口部の一方に照射された前記所定波長の光を他方まで容易に透過させることができる。こうした構成によれば、前記共通検出器は、前記所定方向に沿って前記入口部及び前記出口部に前記所定波長の光を照射して前記第1強度及び前記第2強度を検出する構成を、低コストで実現することができる。
【0013】
第4の手段では、前記第1検出器は、前記所定波長の光を照射する第1検出ヘッドを有し、前記第2検出器は、前記所定波長の光を照射する第2検出ヘッドを有し、前記注入器、前記流入通路における前記注入器から前記入口部までの部分、前記第1検出ヘッド、前記検定通路、及び前記第2検出ヘッドの温度を所定温度に調節する温度調節装置を備える。こうした構成によれば、流量測定ユニットにおいて所定物質が注入された部分から所定物質の検出が終わる部分までの温度が、ばらついたり変動したりすることを抑制することができる。したがって、液体の流量を測定する精度をさらに向上させることができる。さらに、温度調節装置は必要最低限の部分の温度を調節しているため、流量測定ユニットの大型化やランニングコストの上昇を抑制することができる。
【0014】
第5の手段では、前記所定物質は、第1波長の光を吸収して前記第1波長よりも長い第2波長の蛍光を発する前記蛍光反応を示す蛍光物質であり、前記第1検出器は、前記入口部に前記所定波長としての前記第1波長の光を照射して、前記第1強度として前記第2波長の蛍光の強度を検出し、前記第2検出器は、前記出口部に前記所定波長としての前記第1波長の光を照射して、前記第2強度として前記第2波長の蛍光の強度を検出する。
【0015】
上記構成によれば、前記蛍光反応を示す蛍光物質を前記所定物質として採用し、第2波長の蛍光を検出する蛍光検出器を前記第1検出器及び前記第2検出器として採用することができる。一般的に、蛍光検出器により蛍光の強度を検出する感度は、吸光度検出器により吸光度を検出する感度よりも高い。このため、液体の流量を測定する精度をさらに向上させることができる。
【0016】
第6の手段は、流量測定ユニットであって、
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度が第1閾値を超えるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度が第2閾値を超えるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する第1コントローラと、
を含む。
【0017】
上記構成によれば、所定物質が入口部を通過する際には、第1検出器により検出される第1強度が増大する。また、所定物質が出口部を通過する際には、第2検出器により検出される第2強度が増大する。そして、第1コントローラは、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度が第1閾値を超えるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度が第2閾値を超えるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する。なお、第2閾値は、第1閾値と同じ値でもよいし、第1閾値よりも小さい値でもよい。
【0018】
ここで、所定物質は前記液体に溶解可能であるため、気泡が液体に溶けたり溶けなかったりする場合と異なり、所定物質が前記液体に溶解するか否かで第1強度及び第2強度が影響を受けることを抑制することができる。さらに、所定物質は液体に溶解して流れるため、所定物質が通路の内壁に付着したり内壁から摩擦抵抗を受けたりしにくく、液体の流速よりも所定物質の流速が遅くなることを抑制することができる。したがって、上記構成によっても、液体への所定物質の溶解による影響及び所定物質が通路の内壁から受ける影響を抑制することができ、液体の流量を測定する精度を向上させることができる。
【0019】
第7の手段は、流量測定システムであって、
第1~第3のいずれか1つの手段の流量測定ユニットと、
前記液体を圧送するポンプと、
前記ポンプから前記流入通路へ圧送される前記液体の流量に相関する出力信号を出力する流量センサと、
前記流量センサにより出力される前記出力信号が目標出力信号になるように前記ポンプを制御する第2コントローラと、を含む送液ユニットと、
を備える。
【0020】
上記構成によれば、ポンプは前記液体を圧送し、流量センサは前記ポンプから前記流入通路へ圧送される前記液体の流量に相関する出力信号を出力する。そして、第2コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が目標出力信号になるように前記ポンプを制御する。したがって、前記流量センサにより出力される前記出力信号が目標出力信号になった状態において、流量測定ユニットにより液体の流量を算出することができる。すなわち、流量測定ユニットにより液体の流量を測定する際に、第2コントローラにより液体の流量を変更することができる。
【0021】
第8の手段では、前記送液ユニットは、情報を記憶する記憶装置を含み、前記第2コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号に順次なるように前記ポンプを制御し、前記第1コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号にそれぞれなった状態で前記液体の流量を算出し、前記第2コントローラは、複数の前記目標出力信号と、前記第1コントローラにより算出された前記液体の流量とをそれぞれ対応付けて前記記憶装置により記憶させる。
【0022】
上記構成によれば、前記第2コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号に順次なるように前記ポンプを制御する。この際に、前記第1コントローラは、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号にそれぞれなった状態で前記液体の流量を算出する。このため、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の目標出力信号にそれぞれなるようにポンプを制御した状態において、液体の流量を正確に算出することができる。すなわち、複数の目標出力信号にそれぞれ対応する液体の正確な流量を算出することができる。そして、前記第2コントローラは、複数の前記目標出力信号と、前記第1コントローラにより算出された前記液体の流量とをそれぞれ対応付けて前記記憶装置により記憶させる。このため、複数の前記目標出力信号と、それらに対応する液体の正確な流量との関係を求めて(校正して)、記憶装置に記憶させることができる。したがって、送液ユニットの校正を高精度かつ簡易に行うことができる。
【0023】
第9の手段は、
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
を用いて前記液体の流量を測定する流量測定方法であって、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度がピークになるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度がピークになるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する。
【0024】
上記工程によれば、第1の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
第10の手段では、前記入口部と前記出口部とを所定方向に並べて配置し、前記第1検出器及び前記第2検出器を1つの共通検出器により構成し、前記共通検出器により、前記所定方向に沿って前記入口部及び前記出口部に前記所定波長の光を照射させて前記第1強度及び前記第2強度を検出させる。
【0026】
上記工程によれば、第2の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【0027】
第11の手段は、
液体が流入する流入通路と、
前記液体が流出する流出通路と、
前記流入通路に接続されて前記液体が流入する入口部、及び前記流出通路に接続されて前記液体が流出する出口部を有し、前記入口部から前記出口部までの容積が既知の所定容積である検定通路と、
前記液体に溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応又は吸光反応を示す所定物質を前記流入通路に注入する注入器と、
前記入口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器と、
前記出口部に前記所定波長の光を照射して、前記蛍光反応又は前記吸光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器と、
を用いて前記液体の流量を測定する流量測定方法であって、
前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第1検出器により検出された前記第1強度が第1閾値を超えるまでの第1時間を、前記注入器により前記所定物質が注入されてから前記第2検出器により検出された前記第2強度が第2閾値を超えるまでの第2時間から引いた時間差で、前記所定容積を割って前記液体の流量を算出する。
【0028】
上記工程によれば、第6の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【0029】
第12の手段では、前記液体を圧送するポンプと、前記ポンプから前記流入通路へ圧送される前記液体の流量に相関する出力信号を出力する流量センサと、情報を記憶する記憶装置と、を用いて、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の目標出力信号に順次なるように前記ポンプを制御し、前記流量センサにより出力される前記出力信号が複数の前記目標出力信号にそれぞれなった状態で前記液体の流量を算出し、複数の前記目標出力信号と、前記算出した前記液体の流量とをそれぞれ対応付けて前記記憶装置により記憶させる。
【0030】
上記工程によれば、第8の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1実施形態の送液ユニット及び流量測定ユニットを示す模式図。
【
図2】時間と蛍光強度との関係を示す波形及びピーク時間差を示すタイムチャート。
【
図3】第1時間t11、第2時間t12、及び時間差Δt1の算出結果を示す表。
【
図5】流量測定ユニットの他の変更例を示す模式図。
【
図7】第2実施形態の流量測定システムを示す模式図。
【
図12】時間と蛍光強度との関係を示す波形及びピーク時間差の変更例を示すタイムチャート。
【
図13】第3実施形態の送液ユニット及び流量測定ユニットを示す模式図。
【
図14】時間と吸光度との関係を示す波形及びピーク時間差を示すタイムチャート。
【
図15】時間と吸光度との関係を示す波形及びピーク時間差の変更例を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
以下、送液ユニットにより送られる液体の流量を測定する流量測定ユニットに具現化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。送液ユニットは、微小流量(例えば1000[nL/min]未満)の液体クロマトグラフィに用いられ、微小流量の液体を送る。
【0033】
図1に示すように、送液ユニット10は、溶媒容器Aから溶媒Sを吸入して、流量測定ユニット20へ吐出する。溶媒S(液体)は、例えば純水、アセトニトリル、及びこれらの混合液等である。
【0034】
流量測定ユニット20は、流入通路21、インジェクタ22、検定管24、蛍光検出器30、データロガー35、第1コントローラ38、流出通路29等を含んでいる。
【0035】
流入通路21は、送液ユニット10に接続されており、溶媒Sが流入する。流入通路21には、インジェクタ22が設けられている。インジェクタ22(注入器)は、蛍光サンプルFを流入通路21に注入する。蛍光サンプルFは、溶媒Sに溶解可能であり所定波長の光を受けて蛍光反応を示す。蛍光サンプルFは、第1波長の光を吸収して第1波長よりも長い第2波長の蛍光を発する蛍光物質の溶液である。第1波長は、例えば紫外光や可視光である。例えば、蛍光物質(所定物質)は、クマリン誘導体(7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン)である。クマリン誘導体は、水系溶媒及び有機系溶媒のどちらにも溶けやすい性質を有している。インジェクタ22は、第1コントローラ38により制御される。
【0036】
検定管24(検定通路)は、ガラス製の毛細管により形成されている。検定管24の内径は例えば20~200[μm]であり、検定管24の長さは例えば200~2000[mm]である。検定管24は、上記第1波長の光及び上記第2波長の蛍光を透過させる。検定管24は、一方向へ延びた後に反対方向へ折り返した形状、例えば「C」字状や「U」字状に形成されている。検定管24は、入口部24a及び出口部24bを有している。入口部24aは、流入通路21に接続されており、流入通路21から溶媒Sが流入する。出口部24bは、流出通路29に接続されており、流出通路29へ溶媒Sが流出する。流出通路29は、流量測定ユニット20の外部へ溶媒Sを流出させる。入口部24aと出口部24bとは、所定方向(
図1では上下方向)に並んで配置されており、互いに対向している。
【0037】
検定管24の入口部24aから出口部24bまでの容積は既知の所定容積Vである。所定容積Vは、高精度(厳密)に管理された環境において、高精度の電子天秤により計量した液体の重量に基づいて予め測定しておくことができる。この際に、測定を行いやすい液体(例えば純水)を用いて、測定を行いやすい流量で所定容積Vを測定することにより、所定容積Vを正確に測定することができる。
【0038】
蛍光検出器30(共通検出器)は、検出ヘッド31、及び蛍光検出回路32等を有している。
【0039】
検出ヘッド31(第1検出ヘッド、第2検出ヘッド)は、光源からの光を分光した上記第1波長の光を投光(照射)し、蛍光サンプルFから発せられた上記第2波長の蛍光を受光する。検出ヘッド31は、出口部24bに対して入口部24aと反対側に配置されており、出口部24bに対向している。すなわち、検出ヘッド31と入口部24aとの間に出口部24bが配置されている。このため、検出ヘッド31から上記所定方向に沿って第2検出ヘッドとして出口部24bに第1波長の光を照射することにより、出口部24bを透過した第1波長の光を第1検出ヘッドとして入口部24aに照射することができる。そして、検出ヘッド31は、入口部24aを通過する蛍光サンプルFから発せられた第2波長の蛍光を第1検出ヘッドとして、及び出口部24bを通過する蛍光サンプルFから発せられた第2波長の蛍光を第2検出ヘッドとして受光する。
【0040】
蛍光検出回路32は、検出ヘッド31により受光した第2波長の蛍光の強度を検出する周知の蛍光検出回路である。蛍光検出回路32は、例えば分光器、光電子増倍管、A/D変換回路等を備えている。
【0041】
蛍光検出器30は、所定方向に沿って入口部24a及び出口部24bに第1波長の光を照射して、入口部24aからの第2波長の蛍光の強度である第1強度、及び出口部24bからの第2波長の蛍光の強度である第2強度を検出する。したがって、蛍光検出器30は、入口部24aに第1波長の光を照射して、蛍光反応の強度である第1強度を検出する第1検出器としての機能と、出口部24bに第1波長の光を照射して、蛍光反応の強度である第2強度を検出する第2検出器としての機能とを有している。
【0042】
データロガー35は、蛍光検出回路32により検出された第2波長の蛍光の強度のデータを逐次保存する。
【0043】
第1コントローラ38は、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース等を有するコンピュータとして構成されている。第1コントローラ38は、インジェクタ22を制御するとともに、データロガー35により保存されたデータを読み込み可能である。第1コントローラ38は、データロガー35から読み込んだデータと上記所定容積Vとに基づいて、溶媒Sの流量を算出する。
【0044】
上記構成を備えた流量測定ユニット20は、以下のように溶媒Sの流量を算出する。すなわち、流量測定ユニット20を用いて、以下の流量測定方法を実施することができる。
【0045】
送液ユニット10は、測定すべき溶媒Sの流量を一定流量で安定させた状態で、溶媒容器Aから溶媒Sを吸入して流量測定ユニット20へ吐出する。第1コントローラ38は、インジェクタ22を制御して蛍光サンプルFを流入通路21に注入させると同時に、時間の計測及びデータロガー35からのデータの読み込みを開始する。このとき、蛍光サンプルFに含まれる蛍光物質は溶媒Sに溶解する。すなわち、蛍光物質は、気泡と異なり、溶媒Sに溶解したりしなかったり変化せず、溶媒Sに常に溶解する。また、蛍光物質は、気泡と異なり、溶媒Sに溶解しているため、通路の内壁に付着しにくい。このため、蛍光物質の流速が溶媒Sの流速よりも遅くなることが抑制される。なお、蛍光検出器30は、蛍光サンプルFを流入通路21に注入するよりも前に蛍光の検出を開始していてもよいし、蛍光サンプルFを流入通路21に注入すると同時に蛍光の検出を開始してもよい。
【0046】
第1コントローラ38は、データロガー35から読み込んだデータに基づいて、
図2に示すように、インジェクタ22により蛍光サンプルFを注入してからの時間と、検出された蛍光強度との関係を示す波形を作成(取得)する。第1コントローラ38は、この波形に基づいて、蛍光サンプルFを注入してから波形が第1ピークP11になるまでの第1時間t11、及び蛍光サンプルFを注入してから波形が第2ピークP12になるまでの第2時間t12を算出する。第1コントローラ38は、第2時間t12から第1時間t11を引いて、時間差Δt1を算出する。
図3は、第1時間t11、第2時間t12、及び時間差Δt1を3回算出した結果を示す表である。ここでは、検定管24の内径は30[μm]であり、検定管24の長さは1000[mm]である。そして、第1コントローラ38は、上記所定容積Vを時間差Δt1の平均値で割って、流量Qを算出する。
【0047】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0048】
・蛍光物質は溶媒Sに溶解可能であるため、気泡が溶媒Sに溶けたり溶けなかったりする場合と異なり、蛍光物質が溶媒Sに溶解するか否かで第1強度及び第2強度が影響を受けることを抑制することができる。さらに、蛍光物質は溶媒Sに溶解して流れるため、蛍光物質が通路の内壁に付着したり内壁から摩擦抵抗を受けたりしにくく、溶媒Sの流速よりも蛍光物質の流速が遅くなることを抑制することができる。そして、第1コントローラ38は、インジェクタ22により蛍光物質が注入されてから第1検出器としての蛍光検出器30により検出された第1強度が第1ピークP11になるまでの第1時間t11を、インジェクタ22により蛍光物質が注入されてから第2検出器としての蛍光検出器30により検出された第2強度が第2ピークP12になるまでの第2時間t12から引いた時間差Δt1で、所定容積Vを割って溶媒Sの流量Qを算出する。したがって、溶媒Sへの蛍光物質の溶解による影響及び蛍光物質が通路の内壁から受ける影響を抑制することができ、溶媒Sの流量Qを測定する精度を向上させることができる。
【0049】
・第1時間t11及び第2時間t12として、それぞれ第1強度及び第2強度がピークP11,P12になるまでの時間を測定している。このため、微小な第1強度及び第2強度を検出する必要がなく、第1時間t11及び第2時間t12を安定して測定することができる。
【0050】
・入口部24aと出口部24bとは所定方向に並んで配置されている。このため、所定方向に沿って第1波長の光を照射することにより、第1検出器及び第2検出器を1つの蛍光検出器30により構成して、蛍光検出器30により入口部24aと出口部24bとに第1波長の光を照射することができる。そして、蛍光検出器30は、入口部24a及び出口部24bにおいて、それぞれ第1強度及び第2強度を検出することができる。したがって、第1検出器及び第2検出器を1つの蛍光検出器30にまとめることができ、流量測定ユニット20の構成を簡素化することができる。
【0051】
・検定管24はガラス製の毛細管により形成されているため、入口部24a及び出口部24bの一方に照射された第1波長の光を他方まで容易に透過させることができる。こうした構成によれば、蛍光検出器30は、所定方向に沿って入口部24a及び出口部24bに第1波長の光を照射して第1強度及び第2強度を検出する構成を、低コストで実現することができる。
【0052】
・一般的に、蛍光検出器により蛍光の強度を検出する感度は、吸光度検出器により吸光度を検出する感度よりも高い。このため、所定物質としてUV吸収反応(吸光反応)を示すUV吸収物質(吸光物質)を用いてUV検出器(吸光度検出器)によりUV吸光度(吸光度)を検出する構成と比較して、溶媒Sの流量Qを測定する精度を向上させることができる。
【0053】
なお、第1実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0054】
・
図4に示すように、流量測定ユニット20は、温度調節装置26を備えていてもよい。温度調節装置26は、例えば調温対象を収容するケース、ヒータ、チラー、及び送風機等を備える周知の温度調節装置である。温度調節装置26は、インジェクタ22、流入通路21におけるインジェクタ22から入口部24aまでの部分21a、蛍光検出器30の検出ヘッド31(第1検出ヘッド及び第2検出ヘッド)、及び検定管24の温度を所定温度Tに調節する。所定温度Tは、例えば微小流量の液体クロマトグラフィにおいて送液ユニット10が使用される使用温度、試験温度として標準的な標準温度(例えば25[℃])等である。温度調節装置26は、第1コントローラ38により制御される。
【0055】
上記構成によれば、流量測定ユニット20において蛍光物質が注入された部分(インジェクタ22)から蛍光物質の検出が終わる部分(検出ヘッド31)までの温度が、ばらついたり変動したりすることを抑制することができる。したがって、溶媒Sの流量を測定する精度をさらに向上させることができる。さらに、温度調節装置26は必要最低限の部分の温度を調節しているため、流量測定ユニット20の大型化やランニングコストの上昇を抑制することができる。なお、温度調節装置26により、流量測定ユニット20全体の温度を所定温度Tに調節することもできる。
【0056】
・
図5に示すように、流量測定ユニット20は、一方向へ延びたまま折り返さない形状に形成された検定管124、第1検出器130A、及び第2検出器130Bを備えていてもよい。検定管124(検定通路)は、ガラス製の毛細管により形成されている。検定管124の内径は例えば20~200[μm]であり、検定管124の長さは例えば200~2000[mm]である。検定管124は、上記第1波長の光及び上記第2波長の蛍光を透過させる。検定管124は、直線状に形成されている。検定管124は、入口部124a及び出口部124bを有している。入口部124aは、流入通路21に接続されており、流入通路21から溶媒Sが流入する。出口部124bは、流出通路29に接続されており、流出通路29へ溶媒Sが流出する。検定管124の入口部124aから出口部124bまでの容積は既知の所定容積Vである。なお、検定管124を折り返さない曲線状に形成することもできる。
【0057】
第1検出器130Aは、上記蛍光検出器30と同様の構成を備えており、上記検出ヘッド31と同様の第1検出ヘッド31A、及び上記蛍光検出回路32と同様の第1蛍光検出回路32Aを備えている。第1検出ヘッド31Aは、入口部124aに対向している。第2検出器130Bは、上記蛍光検出器30と同様の構成を備えており、上記検出ヘッド31と同様の第2検出ヘッド31B、及び上記蛍光検出回路32と同様の第2蛍光検出回路32Bを備えている。第2検出ヘッド31Bは、出口部124bに対向している。すなわち、蛍光検出器30の機能が、第1検出器130A及び第2検出器130Bにより実現されている。上記構成によっても、第1検出器130A及び第2検出器130Bを1つの蛍光検出器30にまとめることができる点を除いて、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
・
図6に示すように、送液ユニット10は、例えば送液ポンプ11、流量センサ12、及び第2コントローラ18を含んでいる。送液ポンプ11(ポンプ)は、吸入通路11aから溶媒Sを吸入して、溶媒Sを吐出通路11bへ圧送する。吐出通路11bには、流量センサ12が設けられている。流量センサ12は、例えば熱式の流量センサである。流量センサ12は、吐出通路11bを流れる溶媒S、すなわち送液ポンプ11から上記流入通路21へ圧送される溶媒Sの流量に相関する出力信号を出力する。出力信号は、例えばセンサ電圧[V]として出力される。第2コントローラ18は、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース等を有するコンピュータとして構成されている。第2コントローラ18は、流量センサ12により出力される出力信号が目標出力信号になるように、送液ポンプ11をフィードバック制御する。上記構成によれば、流量センサ12により出力される出力信号が目標出力信号になった状態において、流量測定ユニット20により溶媒Sの流量Qを算出することができる。すなわち、流量測定ユニット20により溶媒Sの流量Qを測定する際に、第2コントローラ18により溶媒Sの流量を変更することができる。
【0059】
(第2実施形態)
以下、流量測定ユニット及び送液ユニットを備える流量測定システムに具現化した第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。第1実施形態及びその変更例と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0060】
図7に示すように、流量測定システム90は、送液ユニット10、流量測定ユニット20、及びシリンジポンプ40等を備えている。
【0061】
本実施形態の送液ユニット10は、情報(データ)を記憶する記憶装置14を含んでいる。記憶装置14は、例えばユーザによる消去及び書込が可能なPROM(Programmable ROM)である。第2コントローラ18は、記憶装置14に情報を書き込むとともに、記憶装置14から情報を読み込む。
【0062】
インジェクタ22には、シリンジポンプ40が接続されている。シリンジポンプ40は、設定した一定量の蛍光サンプルFを、サンプル供給通路27を通じてインジェクタ22に注入する。シリンジポンプ40は、第1コントローラ38により制御される。なお、インジェクタ22からサンプル排出通路28を通じて蛍光サンプルFを排出することができる。
【0063】
第2コントローラ18には、パソコン50が接続されている。パソコン50は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース、キーボード、マウス等を有するコンピュータとして構成されている。パソコン50と第2コントローラ18とは、互いに情報を送受信する。第2コントローラ18には、第1コントローラ38が接続されている。第2コントローラ18と第1コントローラ38とは、互いに情報を送受信する。パソコン50と第1コントローラ38とは、第2コントローラ18を介して互いに情報を送受信する。
【0064】
図8は、第1コントローラ38及び第2コントローラ18により実施される流量測定方法の手順を示すフローチャートである。
【0065】
まず、第2コントローラ18は、パソコン50から測定条件を受信し、第1コントローラ38へ送信する(S10)。測定条件は、例えば溶媒Sの流量Qを測定する際に流量センサ12の出力信号を制御する目標である複数の目標出力信号、検定管24の所定容積V、温度調節装置26により調節する所定温度T等を含んでいる。
【0066】
続いて、第2コントローラ18は、n=1とし(S11)、流量センサ12により出力される出力信号がn番目の目標出力信号になるように送液ポンプ11を制御する(S12)。
【0067】
続いて、第1コントローラ38は、シリンジポンプ40によりインジェクタ22に蛍光サンプルFを補充させる(S13)。第1コントローラ38は、蛍光検出器30から蛍光強度の波形の取り込みを開始し(S14)、インジェクタ22により流入通路21に蛍光サンプルFを注入させ、時間の計測を開始する(S15)。
【0068】
続いて、第1コントローラ38は、蛍光サンプルFを注入してから波形が第1ピークP11になるまでの第1時間t11をIN側ピーク時間として計測する(S16)。すなわち、蛍光サンプルFを注入してから波形が最初にピークになるまでの時間を第1時間t11として計測する。第1コントローラ38は、蛍光サンプルFを注入してから波形が第2ピークP12になるまでの第2時間t12をOUT側ピーク時間として計測する(S17)。すなわち、蛍光サンプルFを注入してから波形が2番目にピークになるまでの時間を第2時間t12として計測する。
【0069】
続いて、第1コントローラ38は、OUT側ピーク時間とIN側ピーク時間との時間差を算出する(S18)。具体的には、第2時間t12から第1時間t11を引いた時間差Δt1を算出する。第1コントローラ38は、所定容積Vを時間差Δt1で割って流量Qを算出し(S19)、流量Qを第2コントローラ18へ送信する(S20)。
【0070】
続いて、第2コントローラ18は、nに1加えた値を新たなnとし(S21)、nが10よりも大きいか否か判定する(S21)。この判定において、nが10よりも大きくないと判定した場合(S22:NO)、S12の処理から再度実行する。すなわち、第1コントローラ38は、流量センサ12により出力される出力信号が複数の目標出力信号にそれぞれなった状態で溶媒Sの流量Qを算出する。
【0071】
一方、S22の判定において、nが10よりも大きいと判定した場合(S22:YES)、第2コントローラ18は、各目標出力信号に対する各流量Qを記憶装置14により記憶させる(S23)。すなわち、各目標出力信号と、算出された各流量Qとを対応付けて、記憶装置14により記憶させる。第2コントローラ18は、各目標出力信号及び各流量Qを対応付けてパソコン50へ送信する(S24)。その後、この一連の処理を終了する(END)。
【0072】
図9は、
図8の流量測定方法を実施して取得したセンサ電圧[V]と計測流量[nL/min]との関係を示す表である。センサ電圧は、溶媒Sの流量に対応(相関)して流量センサ12により出力される電圧(出力信号)である。計測流量は、センサ電圧が各値である状態で算出された各流量Qである。これにより、センサ電圧と溶媒Sの流量との正確な関係を取得することができ、送液ユニット10を校正することができる。そして、この関係を用いて、第2コントローラ18が、例えば流量センサ12により出力されるセンサ電圧が0.5[V]になるように送液ポンプ11を制御することにより、溶媒Sの流量を50[nL/min]に正確に制御することができる。
【0073】
図10は、センサ電圧と流量との関係を示すグラフである。パソコン50は、第2コントローラ18から受信した各目標出力信号(センサ電圧)及び各流量Qに基づいて、
図10に示すグラフを作成する。例えば、パソコン50は、センサ電圧及び流量Qで定まる複数の計測点を通る近似曲線を算出する。そして、パソコン50は、この近似曲線を用いて、目標流量に対応するセンサ電圧を目標出力信号として第2コントローラ18へ出力することにより、溶媒Sの流量を目標流量に正確に制御することができる。なお、パソコン50は、センサ電圧及び流量Qで定まる複数の計測点の間を直線で補間して、目標流量に対応するセンサ電圧を算出することもできる。
【0074】
以上詳述した本実施形態によれば、第2コントローラ18は、流量センサ12により出力される出力信号が複数の目標出力信号に順次なるように送液ポンプ11を制御する。この際に、第1コントローラ38は、流量センサ12により出力される出力信号が複数の目標出力信号にそれぞれなった状態で溶媒Sの流量Qを算出する。このため、流量センサ12により出力される出力信号が複数の目標出力信号にそれぞれなるように送液ポンプ11を制御した状態において、溶媒Sの流量Qを正確に算出することができる。すなわち、複数の目標出力信号(その時に検出された出力信号)にそれぞれ対応する溶媒Sの正確な流量Qを算出することができる。そして、第2コントローラ18は、複数の目標出力信号(その時に検出された出力信号)と、第1コントローラ38により算出された溶媒Sの流量Qとをそれぞれ対応付けて記憶装置14により記憶させる。このため、複数の目標出力信号と、それらに対応する溶媒Sの正確な流量Qとの関係を求めて(校正して)、記憶装置14に記憶させることができる。したがって、送液ユニット10の校正を高精度かつ簡易に行うことができる。
【0075】
なお、
図11に示すように、上記第1コントローラ38及び第2コントローラ18の機能を有するコントローラ19を、送液ユニット10が含んでいてもよい。こうした構成によっても、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、上記第1コントローラ38及び第2コントローラ18の機能を有するコントローラを、流量測定ユニット20が含んでいてもよい。こうした構成によっても、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0076】
なお、第1実施形態及びその変更例、第2実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。第1実施形態及びその変更例、第2実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0077】
・
図12に示すように、第1コントローラ38は、インジェクタ22により蛍光サンプルFを注入してからの時間と、検出された蛍光強度との関係を示す波形を作成(取得)する。第1コントローラ38は、この波形に基づいて、蛍光サンプルFを注入してから波形が閾値Vr(第1閾値)を下回る状態から最初に閾値Vrを超えるまでの第1時間t21、及び蛍光サンプルFを注入してから波形が閾値Vr(第2閾値)を下回る状態から2番目に閾値Vrを超えるまでの第2時間t22を算出する。第1コントローラ38は、第2時間t22から第1時間t21を引いて、時間差Δt2を算出する。そして、第1コントローラ38は、上記所定容積Vを時間差Δt2で割って、流量Qを算出する。上記構成によっても、溶媒Sへの蛍光物質の溶解による影響及び蛍光物質が通路の内壁から受ける影響を抑制することができ、溶媒Sの流量を測定する精度を向上させることができる。なお、第2時間t22を算出する際の第2閾値を、第1時間t21を算出する際の第1閾値よりも小さく設定することもできる。
【0078】
・第1コントローラ38は、流量測定ユニット20の外部に設けられたパソコン等により構成されていてもよい。
【0079】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、
図5の流量測定ユニット20との相違点を中心に説明する。第1実施形態及び
図5の流量測定ユニット20と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0080】
図13に示すように、流量測定ユニット220は、上記第1検出器130A及び第2検出器130Bに代えて、第1UV検出器230A及び第2UV検出器230Bを備えている。インジェクタ22は、インジェクタ22(注入器)は、吸光サンプルAbを流入通路21に注入する。吸光サンプルAbは、溶媒Sに溶解可能であり所定波長の光を受けて吸光反応を示す。吸光サンプルAbは、第1波長の光を吸収する吸光物質の溶液である。第1波長は、例えば紫外光(UV光)である。例えば、吸光物質(所定物質)は、ウラシルである。
【0081】
UV検出器230A,230Bは、光源からのUV光(紫外光)を分光した所定波長のUV光を投光(照射)し、吸光サンプルAbによる所定波長のUV光の吸光度を検出する周知のUV検出器である。第1UV検出器230Aは、検定管124の入口部124aに所定波長のUV光を照射する。第2UV検出器230Bは、検定管124の出口部124bに所定波長のUV光を照射する。UV検出器230A,230Bは、例えば光源、回折格子、フローセル、受光素子、データ処理装置等を備えている。光源のUV光は回折格子により所定波長のUV光に分光され、フローセルに入射後、通過する。フローセルを通過した所定波長のUV光は受光素子に入射し、光強度に比例した電気信号に変換され、吸光度にデータ処理される。
【0082】
データロガー35は、UV検出器230A,230Bにより検出された吸光度のデータを逐次保存する。第1コントローラ38は、データロガー35から読み込んだデータと上記所定容積Vとに基づいて、溶媒Sの流量を算出する。
【0083】
上記構成を備えた流量測定ユニット220は、以下のように溶媒Sの流量を算出する。すなわち、流量測定ユニット220を用いて、以下の流量測定方法を実施することができる。
【0084】
送液ユニット10は、測定すべき溶媒Sの流量を一定流量で安定させた状態で、溶媒容器Aから溶媒Sを吸入して流量測定ユニット220へ吐出する。第1コントローラ38は、インジェクタ22を制御して吸光サンプルAbを流入通路21に注入させると同時に、時間の計測及びデータロガー35からのデータの読み込みを開始する。このとき、吸光サンプルAbに含まれる吸光物質は溶媒Sに溶解する。すなわち、吸光物質は、気泡と異なり、溶媒Sに溶解したりしなかったり変化せず、溶媒Sに常に溶解する。また、吸光物質は、気泡と異なり、溶媒Sに溶解しているため、通路の内壁に付着しにくい。このため、吸光物質の流速が溶媒Sの流速よりも遅くなることが抑制される。なお、UV検出器230A,230Bは、吸光サンプルAbを流入通路21に注入するよりも前に吸光度の検出を開始していてもよいし、吸光サンプルAbを流入通路21に注入すると同時に吸光度の検出を開始してもよい。
【0085】
第1コントローラ38は、データロガー35から読み込んだデータに基づいて、
図14に示すように、インジェクタ22により吸光サンプルAbを注入してからの時間と、検出された吸光度との関係を示す波形を作成(取得)する。第1コントローラ38は、この波形に基づいて、吸光サンプルAbを注入してから波形が第1ピークP31になるまでの第1時間t31、及び吸光サンプルAbを注入してから波形が第2ピークP32になるまでの第2時間t32を算出する。第1コントローラ38は、第2時間t32から第1時間t31を引いて、時間差Δt3を算出する。そして、第1コントローラ38は、上記所定容積Vを時間差Δt3で割って、流量Qを算出する。上記構成によっても、
図5の流量測定ユニット20に準じた作用効果を奏することができる。
【0086】
なお、第3実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。第3実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0087】
・
図15に示すように、第1コントローラ38は、インジェクタ22により吸光サンプルAbを注入してからの時間と、検出された吸光度との関係を示す波形を作成(取得)する。第1コントローラ38は、この波形に基づいて、吸光サンプルAbを注入してから波形が第1閾値Vr41を下回る状態から第1閾値Vr41を超えるまでの第1時間t41、及び吸光サンプルAbを注入してから波形が第1閾値Vr41を超えた後に第2閾値Vr42を下回る状態から第2閾値Vr42を超えるまでの第2時間t42を算出する。第2閾値Vr42は、第1閾値Vr41よりも小さく設定されている。第1コントローラ38は、第2時間t42から第1時間t41を引いて、時間差Δt4を算出する。そして、第1コントローラ38は、上記所定容積Vを時間差Δt4で割って、流量Qを算出する。上記構成によっても、溶媒Sへの吸光物質の溶解による影響及び吸光物質が通路の内壁から受ける影響を抑制することができ、溶媒Sの流量を測定する精度を向上させることができる。なお、第1時間t41を算出する際の第1閾値Vr41を、第2時間t42を算出する際の第2閾値Vr42と同じ値に設定することもできる。
【0088】
また、第1~第3実施形態及びそれらの変更例を、以下のように変更して実施することもできる。第1~第3実施形態及びそれらの変更例と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0089】
・複数の送液ユニットから流量測定ユニット20へ液体が送られ、複数の送液ユニットから送られた液体の合計流量を流量センサが検出する構成を採用することもできる。
【0090】
・シリンジポンプ40によりインジェクタ22に蛍光サンプルF又は吸光サンプルAbを補充させることに代えて、ユーザがシリンジを操作してインジェクタ22に蛍光サンプルF又は吸光サンプルAbを補充してもよい。また、第1コントローラ38、第2コントローラ18、及びコントローラ19が実行する制御を、ユーザが実行することもできる。すなわち、流量測定ユニット20を用いてユーザが上記流量測定方法を実施してもよいし、流量測定ユニット20及び送液ユニット10を用いてユーザが上記流量測定方法を実施してもよい。
【0091】
・溶媒Sとして、純水、アセトニトリル以外の有機溶媒(例えばエタノール、メタノール)、又は、純水及び有機溶媒の混合液等を用いることもできる。
【0092】
・流量測定ユニット20は、液体クロマトグラフィ以外に用いられる送液ユニット(送液ポンプ、送液装置)の流量を測定することもできる。また、上記流量測定方法は、液体クロマトグラフィ以外に用いられる送液ユニット(送液ポンプ、送液装置)の流量を測定する流量測定方法として実施することもできる。
【0093】
なお、第1~第3実施形態及びそれらの変更例を、組み合わせ可能な範囲で組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0094】
10…送液ユニット、11…送液ポンプ、12…流量センサ、18…第2コントローラ、19…コントローラ、20…流量測定ユニット、21…流入通路、22…インジェクタ(注入器)、24…検定管(検定通路)、24a…入口部、24b…出口部、26…温度調節装置、29…流出通路、30…蛍光検出器(第1検出器、第2検出器)、38…第1コントローラ、90…流量測定システム、124a…入口部、124b…出口部、130A…第1検出器、130B…第2検出器、220…流量測定ユニット、230A…第1UV検出器(第1検出器)、230B…第2UV検出器(第2検出器)。