(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155538
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】射出成形機の表示装置、射出成形機、及び射出成形機の管理装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/17 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
B29C45/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070331
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】李 嘉傑
(72)【発明者】
【氏名】上遠野 智祐
(72)【発明者】
【氏名】劉 育鏡
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM14
4F206JA07
4F206JL09
4F206JP25
4F206JP27
4F206JP30
4F206JQ88
(57)【要約】
【課題】満足度の向上を図る。
【解決手段】一実施形態に係る射出成形機の表示装置は、当該射出成形機の提供元、又は当該射出成形機に関する部品若しくはサービスを提供する拠点における、稼働状況を示したカレンダー情報、又は当該カレンダー情報にアクセスするための表示情報を表示するように構成されている制御部を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該射出成形機の提供元、又は当該射出成形機に関する部品若しくはサービスを提供する拠点における、稼働状況を示したカレンダー情報、又は当該カレンダー情報にアクセスするための表示情報を表示するように構成されている制御部、
を備える射出成形機の表示装置。
【請求項2】
前記表示情報は、情報処理装置に設けられた撮像装置が撮像した場合に当該情報処理装置が当該カレンダー情報にアクセスするためのアドレス情報を含んでいる、又は前記射出成形機の操作装置から選択する操作を受け付けた場合に外部装置が記憶する前記カレンダー情報に前記射出成形機がアクセスするためのアドレス情報を含んだ表示ボタンとして表される、ように構成されている、
請求項1に記載の射出成形機の表示装置。
【請求項3】
前記カレンダー情報又は前記表示情報は、前記射出成形機に対して設定するための設定画面に表示されるように構成されている、
請求項1に記載の射出成形機の表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の前記表示装置を備える射出成形機。
【請求項5】
射出成形機に接続可能な接続インターフェースと、
前記射出成形機の提供元、又は当該射出成形機に関するサービスを提供する拠点における、稼働状況を示したカレンダー情報、又は当該カレンダー情報にアクセスするための表示情報を表示するように構成されている制御部と、
を備える射出成形機の管理装置。
【請求項6】
前記射出成形機に用いられる部品の発注を示した情報を、通信回線を介して、発注先に送信するための通信インターフェースを備え、
前記制御部は、前記発注を示した情報を前記通信インターフェースを介して送信する前に、前記発注先における、前記稼働状況を示した前記カレンダー情報を表示するように構成されている、
請求項5に記載の射出成形機の管理装置。
【請求項7】
前記表示情報は、情報処理装置に設けられた撮像装置が撮像した場合に当該情報処理装置が前記カレンダー情報に通信回線を介してアクセスして、当該カレンダー情報を表示可能に構成されている、又は前記射出成形機の操作装置から選択する操作を受け付けた場合に前記射出成形機が前記カレンダー情報に通信回線を介してアクセスして、当該カレンダー情報を表示可能にするように構成されている、
請求項5に記載の射出成形機の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機の表示装置、射出成形機、及び射出成形機の管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、射出成形機の表示装置では、射出成形機に関して様々な情報が表示される傾向にある。例えば、特許文献1には、射出成形機の生産状況を表示する技術が記載されている。例えば、工場内の生産スケジュールを読み込み、納期を算出し、納期を表示することで生産状況を管理できる。これにより、操作者は、各射出成形機の予想進捗状況をリアルタイムで把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、射出成形機の状況を表示するための技術であって、射出成形機以外の状況の表示については考慮されていない。例えば、射出成形機のユーザは、当該射出成形機の提供元、又は当該射出成形機に関する部品若しくはサービスを提供する拠点に対して連絡が必要な状況がある。当該ユーザは、当該提供元又は拠点の稼働状況を把握していないことが多い。このため、ユーザが、当該提供元又は拠点が休みであるにもかかわらず連絡した結果、当該提供元又は拠点の応答が休み明けとなることで、応答が遅いと不満を抱く可能性がある。
【0005】
本発明の一態様は、射出成形機の提供元、又は当該射出成形機に関する部品若しくはサービスを提供する拠点の稼働状況をユーザに把握させることで、稼働しているか否かがわからないことで生じる不満を抑制して、満足度の向上を図る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る射出成形機の表示装置は、当該射出成形機の提供元、又は当該射出成形機に関する部品若しくはサービスを提供する拠点における、稼働状況を示したカレンダー情報、又は当該カレンダー情報にアクセスするための表示情報を表示するように構成されている制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、射出成形機の提供元等が稼働しているか否かがわからないことで生じる不満を抑制して、満足度の向上を図る技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る射出成形機の利用環境を示した概念図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る射出成形機の制御装置の構成要素、及び、管理装置の構成要素を機能ブロックで示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る表示制御部が表示する第1営業拠点のカレンダー情報を表示した画面例を示した図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る携帯通信端末の表示装置に表示されるカレンダー情報の一例を示した図である。
【
図7】
図7は、変形例の射出成形機のメンテナンスメニュー画面を例示した図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る表示制御部が表示する、管理装置に接続されている各射出成形機のステータス表示画面の例を示した図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る管理装置の表示制御部が表示する第1営業拠点のカレンダー情報を表示した画面例を示した図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る管理装置の表示制御部が表示するアラーム履歴画面を例示した図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係るアラーム詳細画面を例示した図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係る表示制御部が表示する部品発注画面を例示した図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る表示制御部が表示する希望配達日選択画面を例示した図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態に係る表示制御部が表示する部品発注の確認画面を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。
図2は、第1の実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。本明細書において、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向およびY軸方向は水平方向を表し、Z軸方向は鉛直方向を表す。型締装置100が横型である場合、X軸方向は型開閉方向であり、Y軸方向は射出成形機10の幅方向である。Y軸方向負側を操作側と呼び、Y軸方向正側を反操作側と呼ぶ。
【0011】
図1~
図2に示すように、射出成形機10は、金型装置800を開閉する型締装置100と、金型装置800で成形された成形品を突き出すエジェクタ装置200と、金型装置800に成形材料を射出する射出装置300と、金型装置800に対し射出装置300を進退させる移動装置400と、射出成形機10の各構成要素を制御する制御装置700と、射出成形機10の各構成要素を支持するフレーム900とを有する。フレーム900は、型締装置100を支持する型締装置フレーム910と、射出装置300を支持する射出装置フレーム920とを含む。型締装置フレーム910および射出装置フレーム920は、それぞれ、レベリングアジャスタ930を介して床2に設置される。射出装置フレーム920の内部空間に、制御装置700が配置される。以下、射出成形機10の各構成要素について説明する。
【0012】
(型締装置)
型締装置100の説明では、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
【0013】
型締装置100は、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧および型開を行う。金型装置800は、固定金型810と可動金型820とを含む。型締装置100は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置100は、固定金型810が取付けられる固定プラテン110と、可動金型820が取付けられる可動プラテン120と、固定プラテン110に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる移動機構102と、を有する。
【0014】
固定プラテン110は、型締装置フレーム910に対し固定される。固定プラテン110における可動プラテン120との対向面に固定金型810が取付けられる。
【0015】
可動プラテン120は、型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置される。型締装置フレーム910上には、可動プラテン120を案内するガイド101が敷設される。可動プラテン120における固定プラテン110との対向面に可動金型820が取付けられる。
【0016】
移動機構102は、固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させることにより、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧、および型開を行う。移動機構102は、固定プラテン110と間隔をおいて配置されるトグルサポート130と、固定プラテン110とトグルサポート130を連結するタイバー140と、トグルサポート130に対して可動プラテン120を型開閉方向に移動させるトグル機構150と、トグル機構150を作動させる型締モータ160と、型締モータ160の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構170と、固定プラテン110とトグルサポート130の間隔を調整する型厚調整機構180と、を有する。
【0017】
トグルサポート130は、固定プラテン110と間隔をおいて配設され、型締装置フレーム910上に型開閉方向に移動自在に載置される。なお、トグルサポート130は、型締装置フレーム910上に敷設されるガイドに沿って移動自在に配置されてもよい。トグルサポート130のガイドは、可動プラテン120のガイド101と共通のものでもよい。
【0018】
なお、本実施形態では、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し固定され、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されるが、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し固定され、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されてもよい。
【0019】
タイバー140は、固定プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば4本)用いられてよい。複数本のタイバー140は、型開閉方向に平行に配置され、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられてよい。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出などに用いられる。
【0020】
なお、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪ゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
【0021】
トグル機構150は、可動プラテン120とトグルサポート130との間に配置され、トグルサポート130に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる。トグル機構150は、型開閉方向に移動するクロスヘッド151と、クロスヘッド151の移動によって屈伸する一対のリンク群と、を有する。一対のリンク群は、それぞれ、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク152と第2リンク153とを有する。第1リンク152は可動プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153はトグルサポート130に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させると、第1リンク152と第2リンク153とが屈伸し、トグルサポート130に対し可動プラテン120が進退する。
【0022】
なお、トグル機構150の構成は、
図1および
図2に示す構成に限定されない。例えば
図1および
図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
【0023】
型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられており、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させることにより、第1リンク152と第2リンク153とを屈伸させ、トグルサポート130に対し可動プラテン120を進退させる。型締モータ160は、運動変換機構170に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構170に連結されてもよい。
【0024】
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
【0025】
型締装置100は、制御装置700による制御下で、型閉工程、昇圧工程、型締工程、脱圧工程、および型開工程などを行う。
【0026】
型閉工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン120を前進させ、可動金型820を固定金型810にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や移動速度は、例えば型締モータエンコーダ161などを用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。
【0027】
なお、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、およびクロスヘッド151の移動速度を検出するクロスヘッド移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン120の位置を検出する可動プラテン位置検出器、および可動プラテン120の移動速度を検出する可動プラテン移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0028】
昇圧工程では、型締モータ160をさらに駆動してクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。
【0029】
型締工程では、型締モータ160を駆動して、クロスヘッド151の位置を型締位置に維持する。型締工程では、昇圧工程で発生させた型締力が維持される。型締工程では、可動金型820と固定金型810との間にキャビティ空間801(
図2参照)が形成され、射出装置300がキャビティ空間801に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。
【0030】
キャビティ空間801の数は、1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合、複数の成形品が同時に得られる。キャビティ空間801の一部にインサート材が配置され、キャビティ空間801の他の一部に成形材料が充填されてもよい。インサート材と成形材料とが一体化した成形品が得られる。
【0031】
脱圧工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を型締位置から型開開始位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、型締力を減少させる。型開開始位置と、型閉完了位置とは、同じ位置であってよい。
【0032】
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型開開始位置から型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、可動金型820を固定金型810から離間させる。その後、エジェクタ装置200が可動金型820から成形品を突き出す。
【0033】
型閉工程、昇圧工程および型締工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程および昇圧工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
【0034】
脱圧工程および型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、脱圧工程および型開工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置は、前側から後方に向けて、この順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型閉完了位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
【0035】
なお、クロスヘッド151の移動速度や位置などの代わりに、可動プラテン120の移動速度や位置などが設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
【0036】
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して可動プラテン120に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
【0037】
金型装置800の交換や金型装置800の温度変化などにより金型装置800の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型820が固定金型810にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
【0038】
型締装置100は、型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う。なお、型厚調整のタイミングは、例えば成形サイクル終了から次の成形サイクル開始までの間に行われる。型厚調整機構180は、例えば、タイバー140の後端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に且つ進退不能に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
【0039】
ねじ軸181およびねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転駆動力は、回転駆動力伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。なお、回転駆動力伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
【0040】
回転駆動力伝達部185は、例えば歯車などで構成される。この場合、各ねじナット182の外周に従動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の従動歯車および駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。なお、回転駆動力伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリなどで構成されてもよい。
【0041】
型厚調整機構180の動作は、制御装置700によって制御される。制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させる。その結果、トグルサポート130のタイバー140に対する位置が調整され、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lが調整される。なお、複数の型厚調整機構が組み合わせて用いられてもよい。
【0042】
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。なお、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、および間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0043】
型締装置100は、金型装置800の温度を調節する金型温調器を有してもよい。金型装置800は、その内部に、温調媒体の流路を有する。金型温調器は、金型装置800の流路に供給する温調媒体の温度を調節することで、金型装置800の温度を調節する。
【0044】
なお、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
【0045】
なお、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置100は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
【0046】
(エジェクタ装置)
エジェクタ装置200の説明では、型締装置100の説明と同様に、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
【0047】
エジェクタ装置200は、可動プラテン120に取付けられ、可動プラテン120と共に進退する。エジェクタ装置200は、金型装置800から成形品を突き出すエジェクタロッド210と、エジェクタロッド210を可動プラテン120の移動方向(X軸方向)に移動させる駆動機構220とを有する。
【0048】
エジェクタロッド210は、可動プラテン120の貫通穴に進退自在に配置される。エジェクタロッド210の前端部は、可動金型820のエジェクタプレート826と接触する。エジェクタロッド210の前端部は、エジェクタプレート826と連結されていても、連結されていなくてもよい。
【0049】
駆動機構220は、例えば、エジェクタモータと、エジェクタモータの回転運動をエジェクタロッド210の直線運動に変換する運動変換機構とを有する。運動変換機構は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
【0050】
エジェクタ装置200は、制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。突き出し工程では、エジェクタロッド210を設定移動速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、エジェクタプレート826を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータを駆動してエジェクタロッド210を設定移動速度で後退させ、エジェクタプレート826を元の待機位置まで後退させる。
【0051】
エジェクタロッド210の位置や移動速度は、例えばエジェクタモータエンコーダを用いて検出する。エジェクタモータエンコーダは、エジェクタモータの回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。なお、エジェクタロッド210の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド210の移動速度を検出するエジェクタロッド移動速度検出器は、エジェクタモータエンコーダに限定されず、一般的なものを使用できる。
【0052】
(射出装置)
射出装置300の説明では、型締装置100の説明やエジェクタ装置200の説明とは異なり、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
【0053】
射出装置300はスライドベース301に設置され、スライドベース301は射出装置フレーム920に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800にタッチし、シリンダ310内で計量された成形材料を、金型装置800内のキャビティ空間801に充填する。射出装置300は、例えば、成形材料を加熱するシリンダ310と、シリンダ310の前端部に設けられるノズル320と、シリンダ310内に進退自在に且つ回転自在に配置されるスクリュ330と、スクリュ330を回転させる計量モータ340と、スクリュ330を進退させる射出モータ350と、射出モータ350とスクリュ330の間で伝達される荷重を検出する荷重検出器360と、を有する。
【0054】
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の後部に形成される。シリンダ310の後部の外周には、水冷シリンダなどの冷却器312が設けられる。冷却器312よりも前方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータなどの加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
【0055】
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(例えばX軸方向)に複数のゾーンに区分される。複数のゾーンのそれぞれに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。複数のゾーンのそれぞれに設定温度が設定され、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
【0056】
ノズル320は、シリンダ310の前端部に設けられ、金型装置800に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
【0057】
スクリュ330は、シリンダ310内に回転自在に且つ進退自在に配置される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。その後、スクリュ330を前進させると、スクリュ330前方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置800内に充填される。
【0058】
スクリュ330の前部には、スクリュ330を前方に押すときにスクリュ330の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が進退自在に取付けられる。
【0059】
逆流防止リング331は、スクリュ330を前進させるときに、スクリュ330前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(
図2参照)までスクリュ330に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ330前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
【0060】
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(
図1参照)までスクリュ330に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ330の前方に成形材料が送られる。
【0061】
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
【0062】
なお、射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
【0063】
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプなどでもよい。
【0064】
射出モータ350は、スクリュ330を進退させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構などが設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラなどが設けられてよい。スクリュ330を進退させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
【0065】
荷重検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される荷重を検出する。検出した荷重は、制御装置700で圧力に換算される。荷重検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の荷重の伝達経路に設けられ、荷重検出器360に作用する荷重を検出する。
【0066】
荷重検出器360は、検出した荷重の信号を制御装置700に送る。荷重検出器360によって検出される荷重は、スクリュ330と成形材料との間で作用する圧力に換算され、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
【0067】
なお、成形材料の圧力を検出する圧力検出器は、荷重検出器360に限定されず、一般的なものを使用できる。例えば、ノズル圧センサ、又は型内圧センサが用いられてもよい。ノズル圧センサは、ノズル320に設置される。型内圧センサは、金型装置800の内部に設置される。
【0068】
射出装置300は、制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程および保圧工程などを行う。充填工程と保圧工程とをまとめて射出工程と呼んでもよい。
【0069】
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転速度で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。スクリュ330の回転速度は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。なお、スクリュ330の回転速度を検出するスクリュ回転速度検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0070】
計量工程では、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば荷重検出器360を用いて検出する。スクリュ330が計量完了位置まで後退し、スクリュ330の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
【0071】
計量工程におけるスクリュ330の位置および回転速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、計量開始位置、回転速度切換位置および計量完了位置が設定される。これらの位置は、前側から後方に向けてこの順で並び、回転速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、回転速度が設定される。回転速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。回転速度切換位置は、設定されなくてもよい。また、区間毎に背圧が設定される。
【0072】
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定移動速度で前進させ、スクリュ330の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置800内のキャビティ空間801に充填させる。スクリュ330の位置や移動速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切換(所謂、V/P切換)が行われる。V/P切換が行われる位置をV/P切換位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定移動速度は、スクリュ330の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
【0073】
充填工程におけるスクリュ330の位置および移動速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)、移動速度切換位置およびV/P切換位置が設定される。これらの位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。
【0074】
スクリュ330の移動速度が設定される区間毎に、スクリュ330の圧力の上限値が設定される。スクリュ330の圧力は、荷重検出器360によって検出される。スクリュ330の圧力が設定圧力以下である場合、スクリュ330は設定移動速度で前進される。一方、スクリュ330の圧力が設定圧力を超える場合、金型保護を目的として、スクリュ330の圧力が設定圧力以下となるように、スクリュ330は設定移動速度よりも遅い移動速度で前進される。
【0075】
なお、充填工程においてスクリュ330の位置がV/P切換位置に達した後、V/P切換位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切換が行われてもよい。V/P切換の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、およびスクリュ330の移動速度を検出するスクリュ移動速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0076】
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を前方に押し、スクリュ330の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置800に向けて押す。金型装置800内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば荷重検出器360を用いて検出する。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間などに応じて変更されてもよい。保圧工程における保持圧力および保持圧力を保持する保持時間は、それぞれ複数設定されてよく、一連の設定条件として、まとめて設定されてよい。
【0077】
保圧工程では金型装置800内のキャビティ空間801の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間801の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間801からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間801内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮を目的として、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
【0078】
なお、本実施形態の射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内には、スクリュが回転自在に且つ進退不能に配置され、またはスクリュが回転自在に且つ進退自在に配置される。一方、射出シリンダ内には、プランジャが進退自在に配置される。
【0079】
また、本実施形態の射出装置300は、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ310の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
【0080】
(移動装置)
移動装置400の説明では、射出装置300の説明と同様に、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
【0081】
移動装置400は、金型装置800に対し射出装置300を進退させる。また、移動装置400は、金型装置800に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。移動装置400は、液圧ポンプ410、駆動源としてのモータ420、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ430などを含む。
【0082】
液圧ポンプ410は、第1ポート411と、第2ポート412とを有する。液圧ポンプ410は、両方向回転可能なポンプであり、モータ420の回転方向を切換えることにより、第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。なお、液圧ポンプ410はタンクから作動液を吸引して第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
【0083】
モータ420は、液圧ポンプ410を作動させる。モータ420は、制御装置700からの制御信号に応じた回転方向および回転トルクで液圧ポンプ410を駆動する。モータ420は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
【0084】
液圧シリンダ430は、シリンダ本体431、ピストン432、およびピストンロッド433を有する。シリンダ本体431は、射出装置300に対して固定される。ピストン432は、シリンダ本体431の内部を、第1室としての前室435と、第2室としての後室436とに区画する。ピストンロッド433は、固定プラテン110に対して固定される。
【0085】
液圧シリンダ430の前室435は、第1流路401を介して、液圧ポンプ410の第1ポート411と接続される。第1ポート411から吐出された作動液が第1流路401を介して前室435に供給されることで、射出装置300が前方に押される。射出装置300が前進され、ノズル320が固定金型810に押し付けられる。前室435は、液圧ポンプ410から供給される作動液の圧力によってノズル320のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
【0086】
一方、液圧シリンダ430の後室436は、第2流路402を介して液圧ポンプ410の第2ポート412と接続される。第2ポート412から吐出された作動液が第2流路402を介して液圧シリンダ430の後室436に供給されることで、射出装置300が後方に押される。射出装置300が後退され、ノズル320が固定金型810から離間される。
【0087】
なお、本実施形態では移動装置400は液圧シリンダ430を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ430の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を射出装置300の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
【0088】
(制御装置)
制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、
図1~
図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)701と、メモリなどの記憶媒体702と、入力インターフェース703と、出力インターフェース704と、通信インターフェース705とを有する。制御装置700は、記憶媒体702に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置700は、入力インターフェース703で外部からの信号を受信し、出力インターフェース704で外部に信号を送信する。また、制御装置700は、通信インターフェース705で外部の装置に情報を送信する。
【0089】
制御装置700は、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し生産する。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」または「サイクル時間」とも呼ぶ。
【0090】
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の完了は型開工程の開始と一致する。
【0091】
なお、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。ノズル320の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320の流路を閉じていれば、ノズル320から成形材料が漏れないためである。
【0092】
なお、一回の成形サイクルは、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程以外の工程を有してもよい。
【0093】
例えば、保圧工程の完了後、計量工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された計量開始位置まで後退させる計量前サックバック工程が行われてもよい。計量工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を削減でき、計量工程の開始時のスクリュ330の急激な後退を防止できる。
【0094】
また、計量工程の完了後、充填工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)まで後退させる計量後サックバック工程が行われてもよい。充填工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を削減でき、充填工程の開始前のノズル320からの成形材料の漏出を防止できる。
【0095】
制御装置700は、作業者による入力操作を受け付ける操作装置750や画面を表示する表示装置760と接続されている。操作装置750および表示装置760は、例えばタッチパネル770で構成され、一体化されてよい。表示装置760としてのタッチパネル770は、制御装置700による制御下で、画面を表示する。タッチパネル770の画面には、例えば、射出成形機10の設定、現在の射出成形機10の状態等の情報が表示されてもよい。タッチパネル770は、表示された画面領域に操作を受け付け可能とする。また、タッチパネル770の画面領域には、例えば、作業者による入力操作を受け付けるボタン、入力欄等の操作部が表示されてもよい。操作装置750としてのタッチパネル770は、作業者による画面上の入力操作を検出し、入力操作に応じた信号を制御装置700に出力する。これにより、例えば、作業者は、画面に表示される情報を確認しながら、画面に設けられた操作部を操作して、射出成形機10の設定(設定値の入力を含む)等を行うことができる。また、作業者が画面に設けられた操作部を操作することにより、操作部に対応する射出成形機10の動作を行わせることができる。なお、射出成形機10の動作は、例えば、型締装置100、エジェクタ装置200、射出装置300、移動装置400等の動作(停止も含む)であってもよい。また、射出成形機10の動作は、表示装置760としてのタッチパネル770に表示される画面の切り替え等であってもよい。
【0096】
なお、本実施形態の操作装置750および表示装置760は、タッチパネル770として一体化されているものとして説明したが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。操作装置750および表示装置760は、型締装置100(より詳細には固定プラテン110)の操作側(Y軸負方向)に配置される。
【0097】
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係る射出成形機の利用環境を示した概念図である。
図3に示される例では、工場1300内に4台の射出成形機10が設置されている例とする。
【0098】
そして、工場1300内では、管理装置1200と、4台の射出成形機10と、通信回線を介して接続されている。
【0099】
4台の射出成形機10の各々は、ユーザ1311の操作によって成形品の成形が行われる。また、ユーザ1311は、携帯通信端末1000を有している。
【0100】
管理装置1200は、表示装置1201と、操作装置1202と、記憶媒体1203と、を備えている。管理装置1200は、4台の射出成形機10を管理するための装置であって、射出成形機10から受信した情報に基づいた画面を表示装置1201に表示する。これにより、表示装置1201は、射出成形機10の状況を表示できる。
【0101】
管理装置1200は、例えば、操作装置1202から表示する画面を切り替える操作を受け付けた場合に、表示装置1201に表示する画面を切り替える。
【0102】
記憶媒体1203は、射出成形機10から受信した情報を記憶するために用いられる。
【0103】
図3に示される例では、射出成形機10の納入元であって、射出成形機10の部品及びサービスを提供する事業者を表している。当該事業者は、本社HQ1と、第1営業拠点BRA1と、第2営業拠点BRA2と、第3営業拠点BRA3と、で構成されている。
【0104】
本社HQ1、第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2、及び第3営業拠点BRA3は、それぞれ異なる国に設けられてもよい。例えば、本社HQ1が国Aに設けられ、第1営業拠点BRA1が国Bに設けられ、第2営業拠点BRA2が国Cに設けられ、第3営業拠点BRA3が国Dに設けられてもよい。
【0105】
第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2、及び、第3営業拠点BRA3は、射出成形機10に関する事業を展開している拠点であって、例えば、射出成形機10の提供、販売、及び部品の供給を行う拠点とする。さらに、第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2、及び、第3営業拠点BRA3は、工場1300に対して、射出成形機10に関する保守サービスを提供する拠点であってもよいし、射出成形機10を生産又は修理する現地の拠点であってもよい。
【0106】
つまり、第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2、及び、第3営業拠点BRA3は、工場1300内で利用される射出成形機10に関する窓口として機能している。
【0107】
本社HQ1は、第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2、及び、第3営業拠点BRA3を取りまとめると共に、第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2、又は、第3営業拠点BRA3で対応できない射出成形機10に関する内容について対処する。
【0108】
図3に示される例では、工場1300内のうち、管理装置1200は、公衆回線NWを介して、第1営業拠点BRA1及び本社HQ1内に存在する(図示しない)情報処理装置と通信可能とする。
【0109】
工場1300内のうち、4台の射出成形機10は、管理装置1200と通信可能とし、第1営業拠点BRA1内に存在する(図示しない)情報処理装置とは通信できないものとする。
【0110】
そして、射出成形機10のユーザ、又は管理装置1200の管理者は、何か気になる点が生じた場合に、現地の営業拠点に連絡する。
図3では、射出成形機10のユーザ、又は管理装置1200の管理者は、第1営業拠点BRA1に対して連絡する例とする。管理装置1200の管理者は、管理装置1200から連絡を行う。射出成形機10のユーザは、射出成形機10を介さずに、例えば携帯通信端末1000から連絡を行う。
【0111】
しかしながら、工場1300の稼働日と、第1営業拠点BRA1の稼働日とが異なる可能性がある。これは、工場1300と、第1営業拠点BRA1と、が異なる国に存在する場合もあるし、同じ国内であっても稼働日が異なる場合もある。
【0112】
このため、射出成形機10のユーザ、又は管理装置1200の管理者が、第1営業拠点BRA1に連絡した際に、第1営業拠点BRA1では、連絡した日が稼働日ではない場合がある。この場合、第1営業拠点BRA1から、射出成形機10のユーザ、又は管理装置1200の管理者に対する応答が遅れる可能性がある。
【0113】
そこで、本実施形態に係る射出成形機10及び管理装置1200が、第1営業拠点BRA1及び本社HQ1の稼働日を提示することを可能とした。まず、射出成形機10及び管理装置1200の機能について説明する。
【0114】
図4は、本実施形態に係る射出成形機10の制御装置700の構成要素、及び、管理装置1200の構成要素を機能ブロックで示す図である。
図4に図示される各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。制御装置700の各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU701にて実行されるプログラムにて実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。
【0115】
図4に示すように、制御装置700のCPU701は、表示制御部711と、操作受付部712と、を備える。また、制御装置700は、記憶媒体702に、カレンダー情報記憶部721を備える。
【0116】
カレンダー情報記憶部721は、当該射出成形機10を提供元の営業拠点のカレンダー情報が格納されている。
【0117】
営業拠点のカレンダー情報には、通常のカレンダーと同様に、休日に関する情報を含んでいるほかに、第1営業拠点BRA1について日単位で稼働しているか否かを示した情報を含んでいる。さらには、営業拠点のカレンダー情報には、第1営業拠点BRA1の連絡先、及び、営業時間に関する情報を含んでいる。
【0118】
営業拠点のカレンダー情報は、例えば、第1営業拠点BRA1の保守員が、一年に一度、射出成形機10の各々に対して格納した情報でもよい。また、管理装置1200から射出成形機10の各々に対して提供された情報でもよい。管理装置1200は、例えば、第1営業拠点BRA1の情報処理装置、例えばWEBサーバから、営業拠点のカレンダー情報を取得してもよい。
【0119】
本実施形態においては、カレンダー情報記憶部721に、営業拠点のカレンダー情報を予め記憶することで、射出成形機10が公衆回線に接続していなくとも、工場1300より外部に存在する(換言すれば通信できない)営業拠点に関する情報を提示できる。
【0120】
表示制御部711は、表示装置760に情報を表示するための制御を行う。例えば、表示制御部711は、射出成形機10の設定を変更するための設定画面を表示するための制御を行う。
【0121】
操作受付部712は、操作装置750に対する入力操作を受け付ける。
【0122】
例えば、操作受付部712は、表示装置760に表示される設定画面に対する操作を受け付ける。表示制御部711は、受け付けた操作に従って更新された設定画面を表示する制御を行う。さらに、表示制御部711は、受け付けた操作に基づいて、設定画面から様々な情報を提供する画面に切り替えることができる。
【0123】
図5は、本実施形態に係る表示制御部711が表示する第1営業拠点BRA1のカレンダー情報を表示した画面例を示した図である。表示制御部711は、カレンダー情報記憶部721に記憶されている、営業拠点のカレンダー情報に基づいて、
図5に示される画面を表示する。
図5に示される画面では、射出成形機10の工程毎の設定画面に移動するためのアイコン一覧1515が示されている。このように、
図5に示される画面は、射出成形機10の設定を行うための設定画面の一つである。
【0124】
図5に示される画面は、操作受付部712が、当該画面の下欄1510にある"保守"ボタン1511の押下を受け付けた後、当該画面の上に存在するタブ一覧1520から"カレンダー"タブ1521の押下を受け付けたことで、表示制御部711が表示する画面である。
【0125】
タブ一覧1520は、"保守"ボタン1511が押下された場合に表示される一覧であって、"保守"に関する画面に移動するために表示されたタブの一覧とする。"定期点検"タブは、射出成形機10の点検に関する日時の確認、"保全管理"タブは、射出成形機10の保全状況の確認、"装置状態"タブは射出成形機10のステータスの確認、"電圧"タブは、射出成形機10に設けられた各種モータに流れる電圧に関する確認を行うための画面を表示するためのタブとする。
【0126】
"カレンダー"タブ1521は、射出成形機10の保守サービス等を提供している第1営業拠点BRA1の稼働日を確認するためのタブとする。
【0127】
このように、第1営業拠点BRA1の稼働日を確認するためのカレンダー情報は、射出成形機10の保守に関する項目の一つに含まれている。射出成形機10のユーザは、射出成形機10に関する保守対応(例えば、部品の交換、保守サービス対応など)が必要な場合に、"保守"を選択することで、保守対応を行っている窓口に関する"カレンダー"タブ1521を視認できる。換言すれば、本実施形態では、射出成形機10が表示するカレンダー情報は、射出成形機10の保守に関する一項目として定義されている。
【0128】
そして、"カレンダー"タブ1521を押下することで、第1営業拠点BRA1の稼働日を確認するためのカレンダー情報が表示される。カレンダー情報は、表示領域1550内に表される。
【0129】
当該表示領域1550には、第1営業拠点BRA1の名称、営業時間(
図5で示される例では、10am―5pm)、電話番号が示されている。営業時間は、工場1300の現地時間で表示される。
【0130】
図5に示されるように、表示領域1550には、一カ月分のカレンダー情報1551が表される。そして、一カ月前のカレンダー情報を表示するためのボタン1552と、一カ月後のカレンダー情報を表示するためのボタン1553と、が表される。また、カレンダー情報1551のうち枠1558で表される26日が本日であることを示されている。
【0131】
カレンダー情報1551では、土曜の枠内1554は第1の色1561で表し、日曜の枠内1555は第2の色1562で表し、祝日の枠内1556、1557は第3の色1563で表す。
【0132】
これによりカレンダー情報1551において、8月26日、9月2日、9日、16日、23日、30日が日曜のため拠点の休日であり、9月1日、8日、16日、22日、29日が土曜のため、拠点の休日であることが表されている。
【0133】
さらには、カレンダー情報1551において、9月17日、24日が祝日であることが表されている。これらの祝日のうち、17日は、斜線が示されているので拠点の休日であるが、24日は、斜線が示されていないので拠点の稼働日であることが認識できる。
【0134】
さらに、カレンダー情報1551において、9月28日が、平日であるにもかかわらず、斜線が示されているので、拠点の休日であることが認識できる。
【0135】
射出成形機10のユーザは、
図5に示される画面を参照することで、第1営業拠点BRA1の稼働日を認識できる。つまり、射出成形機10のユーザは、第1営業拠点BRA1に対して連絡する際に、
図5に示される画面を参照することで、第1営業拠点BRA1から応答がある日を予測できる。
【0136】
また、
図5に示される画面では、射出成形機10のユーザが通常利用する窓口である、第1営業拠点BRA1の稼働日のカレンダー情報を表す例について説明した。
【0137】
しかしながら、射出成形機10のユーザは、第1営業拠点BRA1が休日であるが急ぎの対応を要望する場合、又は、第1営業拠点BRA1の上の本社HQ1に連絡を取りたい場合がある。
図5に示される画面では、本社HQ1のカレンダー情報及び連絡先は記載されていない。
【0138】
このため、
図5に示される画面では、射出成形機10を提供元の本社HQ1のカレンダー情報にアクセスするための二次元バーコード(表示情報の一例)1571が表示されている。なお、本実施形態では、射出成形機10を提供元の本社HQ1のカレンダー情報にアクセスする手段として、二次元バーコード1571を用いる例について説明するが、アクセスする手段を2次元バーコードに制限するものではない。例えば、一次元バーコードでもよいし、本社HQ1のカレンダー情報のアドレスが示された文字列情報でもよい。
【0139】
本社HQ1のカレンダー情報は、本社HQ1の情報処理装置の一種である、WEBサーバ(外部装置の一例)等から提供されている。このため、当該WEBサーバにアクセスすれば、WEBサーバに記憶されている本社HQ1のカレンダー情報を参照できる。しかしながら、射出成形機10は、工場1300内などの環境によって公衆回線に接続できない場合がある。そこで、射出成形機10は、射出成形機10を提供元の本社HQ1のカレンダー情報にアクセスするための二次元バーコード1571を表示する。二次元バーコード1571には、WEBサーバが提供しているカレンダー情報が表されるWEBページにアクセスするためのアドレス情報が含まれている。
【0140】
そして、射出成形機10のユーザが、携帯通信端末1000に設けられた撮像装置で、二次元バーコード1571を撮像する。携帯通信端末1000は、二次元バーコード1571に示されたアドレス情報に公衆回線を介してアクセスする。これにより、携帯通信端末1000の表示装置が、本社HQ1のカレンダー情報を表示する。
【0141】
図6は、本実施形態に係る携帯通信端末1000の表示装置に表示されたカレンダー情報の一例を示した図である。
図6に示される画面では、カレンダー情報の表示対象を選択するためのタブ一覧1610と、表示する言語の選択欄1615と、が示されている。
【0142】
選択欄1615はプルダウンメニューとなっている。ユーザは、選択欄1615から表示したい言語を選択可能とする。
【0143】
タブ一覧1610は、"本社"タブ1611と、"第1営業拠点"タブ1612と、"第2営業拠点"タブ1613と、"第3営業拠点"タブ1614と、が表されている。
【0144】
つまり、携帯通信端末1000は、"本社"タブ1611の押下を受け付けた場合に、本社HQ1のカレンダー情報を表示し、"第1営業拠点"タブ1612の押下を受け付けた場合に、第1営業拠点BRA1のカレンダー情報を表示し、"第2営業拠点"タブ1613の押下を受け付けた場合に、第2営業拠点BRA2のカレンダー情報を表示し、"第3営業拠点"タブ1614の押下を受け付けた場合に、第3営業拠点BRA3のカレンダー情報を表示する。これにより、ユーザは、本社HQ1、第1営業拠点BRA1、第2営業拠点BRA2及び第3営業拠点BRA3のいずれか一つ以上のカレンダー情報を参照することで、稼働日を認識できる。換言すれば、ユーザは、自分の窓口である営業拠点と共に、窓口ではない営業拠点及び本社の稼働日も確認できる。例えば、自社に複数の工場があり、工場ごとに窓口となる営業拠点が異なる場合がある。このような場合に、各工場が利用する営業拠点の稼働日等も確認できるので、各工場が営業拠点に連絡した場合に応答が返ってくるまでの日程を把握できる。これにより利便性の向上を実現できる。
【0145】
図6に示される例は、"本社"タブ1611の押下された場合、換言すれば、本社HQ1のカレンダー情報を表示している例とする。カレンダー情報は、表示領域1650内に表される。
【0146】
当該表示領域1650には、本社HQ1の名称、営業時間、電話番号が示されている。営業時間は、携帯通信端末1000の設定を基準とした時間と、本社HQ1の現地時間と、が表されている。
【0147】
図6に示されるように、表示領域1650には、一カ月分のカレンダー情報1651が表される。そして、一カ月前のカレンダー情報を表示するためのボタン1652と、一カ月後のカレンダー情報を表示するためのボタン1653と、が表される。また、カレンダー情報1651のうち枠1658で表される26日が本日であることを示されている。
【0148】
カレンダー情報1651では、土曜の枠内1654は第1の色1661で表し、日曜の枠内1655は第2の色1662で表し、祝日は第3の色1663で表している。なお、
図6に示されるカレンダー情報1651は、本社HQ1の現地の暦に基づいている。当該現地の暦では祝日が存在しない例となる。本実施形態では、カレンダー情報1651が、本社HQ1の現地の暦に基づいて祝日等を表す例とするが、携帯通信端末1000に設定されている暦に基づいて祝日等を表してもよい。
【0149】
これによりカレンダー情報1651において、8月26日、9月2日、9日、16日、23日、30日が日曜のため拠点の休日であり、9月1日、8日、16日、22日、29日、10月6日が土曜のため、本社HQ1の休日であることが表されている。
【0150】
さらには、28日は、斜線が示されているので本社HQ1の休日であることが認識できる。
【0151】
ユーザは、携帯通信端末1000から、
図6に示される画面を参照することで、本社HQ1の稼働日を認識できる。つまり、ユーザは、本社HQ1に対して連絡する際に、
図6に示される画面を参照することで、本社HQ1から応答がある日を予測できる。
【0152】
このように
図6に示される画面は、
図5で示した2次元バーコードからアクセスすることができる。ところで、
図5の画面は、射出成形機10の表示装置760が、情報の提示に画像や図形を用いたGUI(Graphical User Interface)の場合を示している。設定画面にGUIが適用している場合、画面間のつながりが多層構造であっても、容易な操作で所望する画面に到達することができる。このため、上述したように下欄の"保守"ボタン1511の押下から容易にたどり着くことができる。
【0153】
しかしながら、現在は、GUIが適用される前の射出成形機も多く利用されている。このような射出成形機でも、営業拠点に連絡が必要な場合がある。このような場合のために当該射出成形機でも営業拠点のカレンダー情報ができる方が好ましい。
【0154】
そこで、変形例として、文字によるインターフェース(キャラクター・ユーザ・インターフェース)画面が表示される射出成形機10の場合について説明する。
図7は、変形例の射出成形機10のメンテナンスメニュー画面を例示した図である。
【0155】
図7に示されるメンテナンスメニュー画面は、変形例に係る射出成形機10の機種等を示すパラメータ群1701が表示される。表示領域1710内には、移動可能な画面が当該画面に対応する数値と共に表示される。メンテナンス番号入力欄1721は数値を入力する欄である。
【0156】
変形例に係る制御装置700は、ユーザから、メンテナンス番号入力欄1721に、表示領域1710内に示されている数値の入力を受け付けた場合に、表示する画面を切り替える処理を行う。
【0157】
図7に示される例では、表示領域1710に選択可能な画面として、各工程のパラメータ設定画面(例えば、パラメータ画面(射出)、パラメータ画面(回転)、パラメータ画面(型開閉)等)が示されている。
【0158】
図7に示される例では、表示領域1710に、各工程のパラメータ設定画面と並列して、カレンダー表示画面1711が示されている。このため、ユーザは、メンテナンス番号入力欄1721に"16"を入力した場合に、制御装置700は、表示装置760にカレンダー情報画面を表示する。つまり、本変形例に係る射出成形機10では、
図7に示される画面では、直接カレンダー表示画面に移動できるので、ユーザは簡単な操作で営業拠点の稼働日を確認できる。
【0159】
変形例に係る射出成形機10の表示装置760で表示されるカレンダー情報画面は、文字列で示されたカレンダー情報であり、射出成形機10に関する営業拠点について日単位で稼働しているか否かを示したカレンダー情報であればよい。これにより、上述した実施形態のカレンダー情報と同様の機能を実現できる。
【0160】
実施形態に戻り、次に管理装置1200について説明する。
図4に示されるように、管理装置1200は、表示装置1201と、操作装置1202と、記憶媒体1203と、CPU1204と、接続インターフェース1205と、通信インターフェース1207と、これらを接続するバス1206と、で構成されている。
【0161】
操作装置1202は、管理者から操作を受け付けるデバイスとする。接続インターフェース1205は、射出成形機10と接続するためのインターフェースとする。通信インターフェース1207は、管理装置1200が外部装置との間で情報を送信及び受信するためのインターフェースとする。
【0162】
管理装置1200は、記憶媒体1203に記憶されたプログラムをCPU1204に実行させることにより、各種の制御を行う。
【0163】
さらに、管理装置1200は、管理者による入力操作を受け付ける操作装置1202や画面を表示する表示装置1201とを含んでいる。
【0164】
管理装置1200の各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU1204にて実行されるプログラムにて実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。
【0165】
図4に示すように、管理装置1200のCPU1204は、表示制御部1241と、操作受付部1242と、を備える。また、管理装置1200は、記憶媒体1203に、カレンダー情報記憶部1231と、射出成形機情報記憶部1232と、を備える。
【0166】
カレンダー情報記憶部1231は、当該射出成形機10を提供元の営業拠点のカレンダー情報が格納されている。カレンダー情報記憶部1231に格納された情報は、制御装置700の記憶媒体702に記憶されているカレンダー情報記憶部721と同様として説明を省略する。
【0167】
なお、本実施形態においては、管理装置1200が、カレンダー情報を表示する際に、カレンダー情報記憶部1231に格納された情報を読み出す例について説明する。しかしながら、管理装置1200は、公衆回線によって、第1営業拠点BRA1と通信可能に接続されている。このため、管理装置1200は、第1営業拠点BRA1の情報処理装置(外部装置の一例)から、カレンダー情報を受信してもよい。
【0168】
射出成形機情報記憶部1232は、射出成形機10に関する情報を記憶する。例えば、射出成形機情報記憶部1232は、射出成形機10の各々のステータス情報を記憶してもよいし、射出成形機10で発生したアラームの履歴を示す情報を記憶してもよい。
【0169】
表示制御部1241は、表示装置1201に情報を表示するための制御を行う。例えば、表示制御部1241は、管理装置1200が管理している射出成形機10の現在の状況を表すための画面を表示するための制御を行う。
【0170】
操作受付部712は、操作装置750に対する入力操作を受け付ける。
【0171】
例えば、操作受付部1242は、表示装置1201に表示される画面に対する操作を受け付ける。表示制御部1241は、受け付けた操作に従って更新された画面を表示する制御を行う。
【0172】
図8は、本実施形態に係る表示制御部1241が表示する、管理装置1200に接続されている各射出成形機のステータス表示画面の例を示した図である。表示制御部1241は、射出成形機情報記憶部1232に記憶されている、射出成形機10に関する情報に基づいて、
図8に示される画面を表示する。
【0173】
本実施形態においては管理装置1200が4個の射出成形機10を管理しているので、
図8に示される画面では、管理装置1200が管理している4個の射出成形機10についてステータスが表示されている。
【0174】
図8に示されるように、射出成形機ステータス表示画面の表示領域1850には、成形機名と、機種名と、運転状態と、実績ショット数と、を対応付けて示している。成形機は、射出成形機10の識別情報とする。機種名は、射出成形機10の機種情報とする。運転状態は、射出成形機10の現在の運転状態とする。実績ショット数は、射出成形機10が成形した回数とする。
【0175】
管理者は、管理装置1200が表示された画面を参照することで、管理装置1200が管理している射出成形機10の状況を認識できる。
【0176】
さらに、
図8に示される画面では、射出成形機10の各々の状況を管理するための第1アイコン一覧1810と第2アイコン一覧1820が示されている。
【0177】
第1アイコン一覧1810及び第2アイコン一覧1820は、管理者が表示される画面を切り替えるために選択可能なアイコンを示している。第2アイコン一覧1820で示されるアイコン群は、第1アイコン一覧1810で示されたアイコンが選択される毎に切り替わる。つまり、第1アイコン一覧1810が上位階層のアイコン群であり、第2アイコン一覧1820が下位階層のアイコン群となる。
【0178】
次にカレンダー情報を表示するための操作手順について説明する。
図8で示される画面では、第1アイコン一覧1810のうち、分析ボタン1811を押下する。
【0179】
操作受付部1242が、分析ボタン1811の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241が、分析ボタン1811に対応する第2アイコン一覧1820を表示する。
【0180】
表示された第2アイコン一覧1820には、カレンダーアイコン1821が含まれている。操作受付部1242が、カレンダーアイコン1821の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241が、カレンダー情報を示した画面を表示する。
【0181】
図9は、本実施形態に係る管理装置1200の表示制御部1241が表示する第1営業拠点BRA1のカレンダー情報を表示した画面例を示した図である。表示制御部1241は、カレンダー情報記憶部1231に記憶されている、営業拠点のカレンダー情報に基づいて、
図9に示される画面を表示する。
【0182】
上述したように、カレンダーアイコン1821を押下することで、第1営業拠点BRA1の稼働日を確認するためのカレンダー情報が表示される。カレンダー情報は、表示領域1950内に表される。
【0183】
当該表示領域1950に表示される情報は、表示ボタン1961を除いて、
図5に示される表示領域1550に表示される情報と同様として、同一の符号を割り当て説明を省略する。
【0184】
表示ボタン1961は、本社HQ1のカレンダー情報を表示するためのボタンとする。管理装置1200は、公衆回線を介して本社HQ1のWEBサーバ(情報処理装置)に接続できる。このため、操作受付部1242が、表示ボタン1961の押下を受け付けた際に、管理装置1200は、本社HQ1のWEBサーバから、本社HQ1のカレンダー情報を受信する。そして、表示制御部1241が、受信した本社HQ1のカレンダー情報に基づいた画面を表示する。本社HQ1のカレンダー情報に基づいた画面は、
図6で示した画面と略同様として説明を省略する。
【0185】
また、本実施形態は、管理装置1200によるカレンダー情報の表示を、カレンダーアイコン1821を押下された場合に制限するものではない。例えば、営業拠点(発注先の一例)に対して発注を行う際にカレンダー情報を表示してもよい。そこで、次に、発注に伴うカレンダー情報の表示までの画面の移り変わりの例について説明する。なお、本実施形態は発注先の一例として営業拠点を示した例について説明する。しかしながら、本実施形態は、発注先を営業拠点に制限するものではなく、通信回線を介して発注可能であればよい。
【0186】
図10は、本実施形態に係る管理装置1200の表示制御部1241が表示するアラーム履歴画面を例示した図である。
図10に示されるアラーム履歴画面は、第2アイコン一覧2020に示されるアラーム履歴アイコン2021の押下を受け付けた場合に表示される。
【0187】
図10に示されるアラーム履歴画面では、アラームを出力した射出成形機10の情報2001が表されている。
【0188】
アラーム履歴画面では、アラーム履歴の検索欄2010が表されている。検索欄2010には、データ表示範囲の指定欄2011と、アラームの種別の指定欄2012と、最大表示件数の指定欄2013と、が示されている。データ表示範囲の指定欄2012では、検索対象となるアラームの日時を指定する。種別の指定欄2012では、検索対象となるアラームの種別を指定する。最大表示件数の指定欄2013は、最大検索数を指定する。
【0189】
操作受付部1242が、データ表示範囲の指定欄2011、アラームの種別の指定欄2012、及び、最大表示件数の指定欄2013のうちいずれか一つ以上の条件の入力を受け付けた後、検索ボタン2015の押下を受け付け可能とする。
【0190】
そして、表示制御部1241は、検索ボタン2015の押下を受け付けた場合に、検索結果を表示欄2050に表示する。
【0191】
表示欄2050には、入力された条件に合致するアラームの履歴が表される。表示欄2050には、アラーム番号と、内容と、発生日時と、解消日時と、アラームIDとが示される。アラーム番号は、発生したアラームを識別するためにユニークに割り当てられた番号とする。内容は、発生したアラームの概要とする。発生日時は、アラームが発生した日時とする。解消日時は、アラームが解消した日時とする。アラームIDは、発生したアラームの種類を識別するIDとする。
【0192】
また、アラーム番号の欄の各々には、当該アラーム番号で識別されるアラームの詳細を表示するためのアイコン(例えばアイコン2051)が示されている。操作受付部1242が、アイコン2051の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241が、アラーム番号で示されるアラームの詳細を示した画面を表示する。例えば、
図10に示される例では、表示欄2050に"[XXXX]クッション押切"が表わされている。管理者は、当該画面において、射出成形機10に押切現象が発生したのを確認したので、アイコン2051を押下して、具体的な内容を確認する。
【0193】
図11は、本実施形態に係る表示制御部1241が表示するアラーム詳細画面を例示した図である。
図11に示される画面例は、操作受付部1242が、
図10に示されるアイコン2051の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241が表示する画面例である。当該画面例では、
図10に示される画面に戻るための[アラーム履歴に戻る]ボタン2107が配置されている。
【0194】
図11に示される画面例は、"[XXXX]クッション押切"とタイトル2101が表されている。当該画面では、アラームの内容"[XXXX]クッション押切"についての詳細を表している。当該画面では、メッセージ欄2102に、当該アラームが発生した時に表示装置760に表されるメッセージを示している。
【0195】
当該画面では、異常内容2103に、当該アラームが発生したと判定した基準を表している。
【0196】
当該画面では、異常原因2104に、当該アラームが発生した原因を表している。
【0197】
当該画面では、対処方法2105に、当該原因を解消するための対処方法を示している。また、部品の交換等で当該原因を解消できる場合には、部品の発注画面に移動するための[部品確認・発注]ボタン2106が表されている。
図11で示される例では、クッション押切現象を解消するために部品の三点セットを発注するために、[部品確認・発注]ボタン2106が表されている例とする。また、対処方法は、部品の発注に制限するものではなく、サービスの発注又は保守の依頼等を行うためのボタンを表示してもよい。
【0198】
このため、操作受付部1242が、[部品確認・発注]ボタン2106の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241が、対処方法2105で提示した部品を発注するための画面を表示する。
【0199】
図12は、表示制御部1241が表示する部品発注画面を例示した図である。
図12に示される部品発注画面は、管理装置1200内の情報を用いて生成してもよいし、第1営業拠点BRA1の情報処理装置(外部装置の一例)から受信した画面情報でもよい。
【0200】
図12に示される部品発注画面では、部品の交換対象となる成形機名と、機種名と、交換対象となる部品の情報と、が表されている。なお、操作受付部1242が[戻る]ボタン2203の押下を受け付けた場合には、表示制御部1241が、
図11で示したアラーム詳細画面に戻る制御を行う。
【0201】
図12で示される例では、クッション押切現象を解消するために部品の三点セットの発注画面とする。
図12に示される例では、部品xxxxx、yyyy、zzの各々について発注する個数を設定可能とする。
【0202】
図12に示される例では、部品の発注先を確認するための[連絡先]ボタン2201と、部品の配達の日程を確認するための[カレンダー]ボタン2202と、を備えている。
【0203】
操作受付部1242が[連絡先]ボタン2201の押下を受け付けた場合には、表示制御部1241が、発注先の名称、メールアドレス、電話番号、及び当該発注先のカレンダー情報等が記載された画面を表示する。発注先のカレンダー情報は、
図9で示される同様として説明を省略する。
【0204】
操作受付部1242が[カレンダー]ボタン2202の押下を受け付けた場合には、表示制御部1241が、部品の希望配達日を設定する画面を表示する。
【0205】
図13は、本実施形態に係る表示制御部1241が表示する希望配達日選択画面を例示した図である。
図13に示される希望配達日選択画面は、管理装置1200内のカレンダー情報を用いて生成してもよいし、第1営業拠点BRA1の情報処理装置(外部装置の一例)から受信した画面情報でもよい。
【0206】
図13に示される例では、希望配達日を選択するために、第1営業拠点BRA1のカレンダー情報2351が表示される。
図13に示される例では、希望配達日を選択するために、一カ月後のカレンダー情報を表示するためのボタン2301と、が表される。当該カレンダー情報2351は、斜線が示されているか否かによって、第1営業拠点BRA1の稼働日であるか否かが表示される。
【0207】
カレンダー情報2351は、欄2361、欄2362を除いて、
図5に示される表示領域1550に表示される情報と同様として、同一の符号を割り当て説明を省略する。
【0208】
図13は、操作受付部1242が、26日欄2362の選択を受け付けた例とする。そして、表示制御部1241は、選択を受け付けた希望配達日(26日欄2362)に基づいて、希望配達日に配送可能な発送日を算出し、当該発送日である21日欄2361の枠を強調表示する。
【0209】
本実施形態においては、
図13に示されるように、カレンダー情報2351に、第1営業拠点BRA1の稼働日を表示している。このため、管理装置1200の管理者は、カレンダー情報2351を参照することで、部品を発注してから発送するまでの第1営業拠点BRA1の稼働日を把握できる。例えば、管理者が、発送日を本日以降になるように希望配達日を選択すると、予想よりも遅くなる場合がある。このような場合に、管理者が、カレンダー情報を参照することで、第1営業拠点BRA1の稼働日の関係で遅くなることを認識できる。本実施形態に係る管理装置1200では、管理者が配達希望日を選択する際に、
図13に示される画面のような、第1営業拠点BRA1の稼働日を表示する。これにより、管理者は適切に配達が行われることを認識できるので、配達日程に関する不満を低減させることができる。
【0210】
その後、表示制御部1241は、発送日の欄の枠を強調表示した後、確定ボタンと再選択ボタンとが表されたポップアップ画面を表示する。そして、操作受付部1242が、確定の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241が、部品発注の確認画面を表示する。
操作受付部1242が、再選択の押下を受け付けた場合に、表示制御部1241は、再び配達希望日の選択を受け付けるための画面を表示する。
【0211】
図14は、本実施形態に係る表示制御部1241が表示する部品発注の確認画面を例示した図である。
図14に示される希望配達日選択画面は、管理装置1200内の情報を用いて生成してもよいし、第1営業拠点BRA1の情報処理装置から受信した画面情報でもよい。
【0212】
図14に示される例では、部品の交換対象となる成形機名と、機種名と、交換対象となる部品の情報と、が表されている。
【0213】
部品の情報2410は、
図12で示された部品の情報と同様であって、
図11で表されたアラームが発生した原因を解消するために必要な部品とする。
【0214】
図14に示される画面では、
図13で選択された希望配達日と、当該希望配達日に対応する発送日と、が表される。さらには、発注日、換言すれば本日が表される。
【0215】
図14に示される画面では、[発注]ボタン2401と、[日程再選択]ボタン2402と、[キャンセル]ボタン2403と、が示されている。
【0216】
操作受付部1242が、[キャンセル]ボタン2403の押下を受け付けた場合、部品の発注をキャンセルし、表示制御部1241は、
図11に示されるアラーム詳細画面を再び表示する。
【0217】
操作受付部1242が、[日程再選択]ボタン2402の押下を受け付けた場合、表示制御部1241は、
図13に示される希望配達日選択画面を再び表示する。
【0218】
操作受付部1242が、[発注]ボタン2401の押下を受け付けた場合、第1営業拠点BRA1に対して、
図14で示された部品の情報で発注する制御を行う。その後、表示制御部1241は、(図示しない)発注完了画面を表示する。
【0219】
上述した例では、部品を発注するためにカレンダー情報が示された画面を表示する例について説明した。しかしながら、本実施形態は、部品以外の発注においてもカレンダー情報を表示してもよい。例えば、サービス(保守)を依頼する際にカレンダー情報を表示してもよい。さらには、射出成形機10の購入、又は、修理を依頼する場合にカレンダー情報を表示してもよい。本実施形態では、様々な状況でカレンダー情報を表示することで、拠点側の稼働状況を認識させることができる。
【0220】
上述した実施形態に係る射出成形機10は、第1営業拠点BRA1及び本社HQ1内に存在する(図示しない)情報処理装置と通信できないため、カレンダー情報記憶部721に記憶されたカレンダー情報等を表示する例について説明した。しかしながら、本実施形態は、射出成形機10が、第1営業拠点BRA1及び本社HQ1内に存在する(図示しない)のカレンダー情報を予め保持する手法に制限するものではない。射出成形機10が、第1営業拠点BRA1及び本社HQ1内の(図示しない)情報処理装置と通信可能であって、当該情報処理装置との通信結果に基づいてカレンダー情報を表示してもよい。
【0221】
上述した実施形態及び変形例では、日単位で稼働しているか否かを示したカレンダー情報を用いた例について説明した。しかしながら、上述した実施形態及び変形例に係るカレンダー情報は、日単位で稼働しているか否かを表す例に制限するものではなく、稼働状況を認識できればよい。つまり、カレンダー情報は、射出成形機10の提供元、又は当該射出成形機10に関する部品若しくはサービスを提供する拠点における、稼働状況として、1時間単位、又は、半日単位で稼働しているか否かを示してもよい。このように、ユーザが、提供元又は拠点に対して連絡を行う際に、提供元又は拠点が当該連絡に対して対処可能な予定(日程、又は時刻等)が推測できればよい。
【0222】
本実施形態においては、射出成形機10及び管理装置1200の各々は、第1営業拠点BRA1のカレンダー情報を表示する。これにより、管理者を含んだユーザが、射出成形機10の販売又は射出成形機10に関するサービス若しくは部品を提供する拠点が、稼働日なのか休日なのかを把握できる。このため、ユーザが当該拠点に対して連絡する際に、拠点が稼働しているか否を認識できるので、稼働しているか否がわからないことによる不満が生じることを抑制できる。さらには、拠点からの応答が遅い場合に、拠点が休日であることを認識させることで、心証が悪化することを抑制できる。
【0223】
上述した実施形態においては、射出成形機又は管理システムにおいて、作業者又は変更者毎に、射出成形機10に対して行った作業に要した時間(合計時間若しくは平均時間)、又は作業の回数が、画面に表わされた図形によって確認できる。これにより、各作業者又は各変更者が行った作業が適切か否かを判断できる。したがって、各作業者又は各変更者が行った作業が適切になるように見直しを行うことができるので、射出成形機10の稼働率の向上を実現できる。
【0224】
上述した実施形態では、射出成形機10の表示装置760及び制御装置700を組み合わせて、射出成形機の表示装置を実現する例について説明した。しかしながら、上述した射出成形機の表示装置を上述した態様に制限するものではなく、射出成形機のユーザが所持する情報処理装置で射出成形機の表示装置を実現してもよい。当該情報処理装置は、携帯可能であってもよい。
【0225】
以上、本発明に係る射出成形機の表示装置、射出成形機、及び射出成形機の管理装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0226】
10 射出成形機
300 射出装置
700 制御装置
701 CPU
711 表示制御部
712 操作受付部
702 記憶媒体
721 カレンダー情報記憶部
705 通信インターフェース
750 操作装置
760 表示装置
1200 管理装置
1201 表示装置
1202 操作装置
1203 記憶媒体
1231 カレンダー情報記憶部
1232 射出成形機情報記憶部
1204 CPU
1241 表示制御部
1242 操作受付部
1205 接続インターフェース
1206 バス
1207 通信インターフェース