(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015557
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】レーザ加工装置及びレーザ加工方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/382 20140101AFI20240130BHJP
B23K 26/142 20140101ALI20240130BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20240130BHJP
B23K 26/073 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B23K26/382
B23K26/142
B23K26/082
B23K26/073
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117680
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】515178535
【氏名又は名称】株式会社ワイヤード
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 龍
(72)【発明者】
【氏名】桐山 寛史
(72)【発明者】
【氏名】立原 博
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD12
4E168CB04
4E168CB07
4E168DA23
4E168DA24
4E168DA25
4E168DA26
4E168DA28
4E168DA36
4E168DA42
4E168EA11
4E168EA13
4E168EA15
4E168FC01
4E168FC04
4E168GA01
4E168GA02
4E168HA08
4E168JA02
4E168JA03
4E168JA04
4E168JA05
4E168JA06
(57)【要約】
【課題】長尺の薄板に多数の貫通孔を連続的に繰り返し形成する穿孔加工を行うに際し、加工幅に制約を受けることなく広幅の薄板に対して、穿孔不良を生じさせず、かつ、薄板の上下揺動の影響を受けずに安定して所望の開孔形状を低コストかつ高効率で実現する穿孔加工を行うことができるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供すること。
【解決手段】加工対象の薄板Wを薄板Wの板長手方向に移送させながら、レーザ発振部140から放出したパルス光Pが集光部150により薄板Wに集光するように構成されており、ガルバノスキャナ部160によってパルス光Pを薄板Wの表裏を貫通する方向に向くように反射して薄板Wを照射しながら薄板Wの板幅方向に掃引して、多数の貫通孔Hを連続して穿孔加工する際に、エアノズル体180から薄板Wの板幅方向にわたって加工領域PAに向けてガスを噴出するように制御部170が制御するレーザ加工装置100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象の長尺の薄板を該薄板の板長手方向に移送させる薄板移送部と、
パルス光を放出するレーザ発振部と、
前記パルス光を前記薄板に集光する集光部と、
前記パルス光を前記薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して前記薄板の板幅方向に掃引するガルバノスキャナ部と、
前記薄板移送部と前記レーザ発振部と前記ガルバノスキャナ部の動作をそれぞれ制御する制御部とを備え、
前記薄板を板長手方向に移送させつつ前記パルス光を照射して前記薄板に多数の貫通孔を連続的に繰り返し形成するレーザ加工装置であって、
前記薄板の板幅方向にわたって配列して加工領域に向けてガスを噴出する複数のエアノズルを有するエアノズル体を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記複数のエアノズルが、それぞれ開閉弁を備え、
前記制御部が、前記レーザ発振部によるパルス光の放出動作を制御するレーザ制御部と、前記開閉弁の開閉動作をそれぞれ制御する開閉弁制御部と、前記レーザ発振部によるパルス光の放出動作タイミングと前記開閉弁の開閉タイミングとを同期させるタイミング制御部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記開閉弁が、電磁弁であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記制御部が、前記薄板移送部による前記薄板の移送速度を制御する移送速度制御部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記集光部が、前記パルス光を前記薄板上にリング状に集光する光学系を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
薄板移送部が、加工対象の長尺の薄板を該薄板の板長手方向に移送させつつ、集光部が、レーザ発振部から放出されたパルス光を集光し、ガルバノスキャナ部が、前記パルス光を前記薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して前記薄板の板幅方向に掃引して貫通孔を連続的に繰り返し形成するレーザ加工方法において、
前記薄板の板幅方向にわたって配列している複数のエアノズルを有するエアノズル体が、加工領域に向けてガスを噴出することを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項7】
レーザ制御部が、前記レーザ発振部による前記パルス光の放出動作を制御し、
開閉弁制御部が、前記複数のエアノズルがそれぞれ備えている開閉弁の開閉動作をそれぞれ制御し、
タイミング制御部が、前記レーザ発振部によるパルス光の放出動作タイミングと前記開閉弁の開閉タイミングとを同期制御することを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工方法。
【請求項8】
前記開閉弁が、電磁弁であり、
前記開閉弁制御部が、前記開閉弁の開閉動作を電磁的に制御することを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工方法。
【請求項9】
移送速度制御部が、前記薄板移送部による前記薄板の移送速度を制御することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法。
【請求項10】
前記集光部が、前記パルス光をリング状に集光して前記薄板に照射することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺かつ広幅の薄板に対して多数の貫通孔を均一な開孔間隔で形成するレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属薄板等の被加工物に多数の貫通孔を形成する場合、エッチング処理、パンチング加工又はレーザ加工が行われている。
【0003】
これらの加工のうち、レーザ光による穿孔等の加工に際し、加工部位の空気を吸引してデブリ等の不要溶融物を除去するレーザ加工装置が知られている(特許文献1、特許文献2)
【0004】
また、レーザ光による切断加工又はパターニング加工において、射出光学系と一体になったノズルからアシストガスを噴出して、デブリ等の不要溶融物を除去するレーザ加工装置が知られている(特許文献3乃至特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021―109183号公報
【特許文献2】特開2018―114543号公報
【特許文献3】特開2021-133389号公報
【特許文献4】特開平7-100681号公報
【特許文献5】特開平9-239572号公報
【特許文献6】特開平9-271965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のレーザ加工装置は、レーザ加工時に発生したデブリを単に吸引して除去するものであって、穿孔加工自体の効率向上にはほとんど寄与せず、また、特許文献3乃至特許文献6に記載のレーザ加工装置は、アシストガスを噴出してデブリ等の不要溶融物を除去することによりレーザ加工自体の精度又は効率が向上するものの、いずれのレーザ加工装置を用いる場合であっても、広幅かつ長尺の素材に対して多数の貫通孔を均一な開孔間隔で形成する穿孔加工を行うためには、XYテーブルにより加工対象素材を精密に移動させて逐次加工する必要があって効率が悪く、かつ、アシストガス噴出のコストが嵩むという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、長尺の薄板に多数の貫通孔を形成する穿孔加工を行うに際し、加工幅に制約を受けることなく広幅の薄板に対して、穿孔不良を生じさせず、かつ、薄板の上下揺動の影響を受けずに安定して所望の開孔形状を低コストかつ高効率で実現する穿孔加工を行うことができるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本請求項1に係る発明のレーザ加工装置は、加工対象の長尺の薄板を該薄板の板長手方向に移送させる薄板移送部と、パルス光を放出するレーザ発振部と、前記パルス光を前記薄板に集光する集光部と、前記パルス光を前記薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して前記薄板の板幅方向に掃引するガルバノスキャナ部と、前記薄板移送部と前記レーザ発振部と前記ガルバノスキャナ部の動作をそれぞれ制御する制御部とを備え、前記薄板を板長手方向に移送させつつ前記パルス光を照射して前記薄板に多数の貫通孔を連続的に繰り返し形成するレーザ加工装置であって、前記薄板の板幅方向にわたって配列して加工領域に向けてガスを噴出する複数のエアノズルを有するエアノズル体を備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0009】
本請求項2に係る発明のレーザ加工装置は、請求項1に記載されたレーザ加工装置の構成に加えて、前記複数のエアノズルが、それぞれ開閉弁を備え、前記制御部が、前記レーザ発振部によるパルス光の放出動作を制御するレーザ制御部と、前記開閉弁の開閉動作をそれぞれ制御する開閉弁制御部と、前記レーザ発振部によるパルス光の放出動作タイミングと前記開閉弁の開閉タイミングとを同期させるタイミング制御部とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項3に係る発明のレーザ加工装置は、請求項2に記載されたレーザ加工装置の構成に加えて、前記開閉弁が、電磁弁であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
本請求項4に係る発明のレーザ加工装置は、請求項1又は請求項2に記載されたレーザ加工装置の構成に加えて、前記制御部が、前記薄板移送部による前記薄板の移送速度を制御する移送速度制御部を備えていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0012】
本請求項5に係る発明のレーザ加工装置は、請求項1又は請求項2に記載されたレーザ加工装置の構成に加えて、前記集光部が、前記パルス光を前記薄板上にリング状に集光する光学系を備えていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0013】
本請求項6に係る発明のレーザ加工方法は、薄板移送部が、加工対象の長尺の薄板を該薄板の板長手方向に移送させつつ、集光部が、レーザ発振部から放出されたパルス光を集光し、ガルバノスキャナ部が、前記パルス光を前記薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して前記薄板の板幅方向に掃引して貫通孔を連続的に繰り返し形成するレーザ加工方法において、前記薄板の板幅方向にわたって配列している複数のエアノズルを有するエアノズル体が、加工領域に向けてガスを噴出することにより、前述した課題を解決するものである。
【0014】
本請求項7に係る発明のレーザ加工方法は、請求項6に記載されたレーザ加工方法の構成に加えて、レーザ制御部が、前記レーザ発振部による前記パルス光の放出動作を制御し、前記開閉弁制御部が、前記複数のエアノズルがそれぞれ備えている開閉弁の開閉動作をそれぞれ制御し、前記タイミング制御部が、前記レーザ発振部によるパルス光の放出動作タイミングと前記開閉弁の開閉タイミングとを同期制御することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0015】
本請求項8に係る発明のレーザ加工方法は、請求項7に記載されたレーザ加工方法の構成に加えて、前記開閉弁が、電磁弁であり、前記開閉弁制御部が、前記開閉弁の開閉動作を電磁的に制御することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0016】
本請求項9に係る発明のレーザ加工方法は、請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法の構成に加えて、前記移送速度制御部が、前記薄板移送部による前記薄板の移送速度を制御することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0017】
本請求項10に係る発明の薄板は、請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法の構成に加えて、前記集光部が、前記パルス光をリング状に集光して前記薄板に照射することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に係る発明のレーザ加工装置によれば、加工対象の長尺の薄板を薄板の板長手方向に移送させる薄板移送部と、パルス光を放出するレーザ発振部と、パルス光を薄板に集光する集光部と、パルス光を薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して薄板の板幅方向に掃引するガルバノスキャナ部と、薄板移送部とレーザ発振部とガルバノスキャナ部の動作をそれぞれ制御する制御部とを備えていることにより、薄板を板長手方向に移送させつつパルス光を照射して薄板に貫通孔を連続的に繰り返し形成する加工ができるばかりでなく、本願発明に固有の構成により、本願発明に固有の以下の効果を奏することができる。
【0019】
まず、加工領域に向けてガスを噴出するエアノズル体を備えていることにより、噴出されたアシストエアがパルス光による穿孔加工をアシストして溶融物とともに不要な未溶融個所を除去するため、穿孔不良が生じにくく、所望の開孔形状を得ることができる。
【0020】
また、一つの穿孔加工に要する時間すなわち穿孔加工部位へのレーザ照射時間が短縮するため、パルス光の掃引速度及び薄板の移送速度を大きくして高効率かつ低コストで穿孔加工することができる上に、薄板の上下揺動の影響を受けにくく安定した開孔形状を得ることができる。
【0021】
これらの効果に加えて、薄板の板幅方向にわたって配列して加工領域に向けてガスを噴出する複数のエアノズルを有するエアノズル体を備えていることにより、複数のエアノズルが薄板の板幅方向にわたって加工領域に向けてアシストエアを噴出するため、加工幅に制約を受けることなく広幅の薄板に対して穿孔加工することができる。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明のレーザ加工装置によれば、請求項1に記載の発明が奏する効果に加えて、複数のエアノズルが、それぞれ開閉弁を備えていることにより、エアノズルごとに開閉動作を行うため、開孔加工に必要なエアノズルのみからガスを噴出させることができ、また、制御部が、レーザ発振部によるパルス光の放出動作を制御するレーザ制御部と、開閉弁の開閉動作をそれぞれ制御する開閉弁制御部と、レーザ発振部によるパルス光の放出動作タイミングと開閉弁の開閉タイミングとを同期させるタイミング制御部とを備えていることにより、加工領域のうち現にパルス光を照射して穿孔加工を行っている薄板の部位にのみ選択的にタイミングよくガスを噴出するため、いっそう穿孔不良が生じにくく、所望の開孔形状を得ることができる上に、加工領域全体にガスを噴出し又は加工領域全体のガスを吸引する場合と比較して、穿孔加工に用いるエアの量を大幅に削減することができる。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明のレーザ加工装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明が奏する効果に加えて、開閉弁が、電磁弁であることにより、ガルバノスキャナによるパルス光の掃引タイミングと開閉弁の開閉タイミングとを精密に同期制御するため、さらにいっそう穿孔不良が生じにくく、所望の開孔形状を得ることができる上に、穿孔加工に用いるエアの量をいっそう削減することができる。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明のレーザ加工装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明が奏する効果に加えて、制御部が、薄板移送部による薄板の移送速度を制御する移送速度制御部を備えていることにより、薄板の移送速度を所要の速度に設定して一定に保つため、板長手方向の開孔間隔が一定値となって薄板の長手方向にわたって多数の貫通孔を均一な開孔間隔で形成する穿孔加工を行うことができる。
【0025】
本発明の請求項5に係る発明のレーザ加工装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明が奏する効果に加えて、集光手段が、パルス光を薄板上にリング状に集光するレンズを備えていることにより、パルス光のエネルギーがリング状に、すなわち貫通孔の外縁に沿う形状に集中して分布するため、アシストガスがリング状の溶融部分に発生するドロス及びその中央部に未溶融物として残存する抜き屑をまとめて除去して、所望の大きさ・形状の貫通孔を形成する穿孔加工を効率よく行うことができる。
【0026】
本発明の請求項6に係る発明のレーザ加工方法によれば、薄板移送部が、加工対象の長尺の薄板を薄板の板長手方向に移送させつつ、集光部が、レーザ発振部から放出されたパルス光を集光し、ガルバノスキャナ部が、パルス光を薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して薄板の板幅方向に掃引することにより、薄板を板長手方向に移送させつつパルス光を照射して薄板に貫通孔を連続的に繰り返し形成する加工ができるばかりでなく、本願発明の構成に固有の以下の本願発明に固有の効果を奏することができる。
【0027】
まず、エアノズル体が、加工領域に向けてガスを噴出することにより、噴出されたエアがパルス光による穿孔加工をアシストして溶融物とともに不要な未溶融個所を除去するため、穿孔不良が生じずに、所望の開孔形状を得ることができる。
【0028】
また、一つの穿孔加工に要する時間すなわちレーザ照射時間が短縮するため、パルス光の掃引速度及び薄板の移送速度を大きくして高効率かつ低コストで穿孔加工することができる上に、薄板の上下揺動の影響を受けにくく安定した開孔形状を得ることができる。
【0029】
これらの効果に加えて、薄板の板幅方向にわたって配列している複数のエアノズルを有するエアノズル体が、加工領域に向けてガスを噴出することにより、エアノズル体によるガスの噴出範囲が薄板の板幅方向にわたるため、加工幅に制約を受けることなく広幅の薄板に対して穿孔加工することができる。
【0030】
本発明の請求項7に係る発明のレーザ加工方法によれば、請求項6に記載の発明が奏する効果に加えて、レーザ制御部が、レーザ発振部によるパルス光の放出動作を制御し、制御部の開閉弁制御部が、複数のエアノズルがそれぞれ備えている開閉弁の開閉動作をそれぞれ制御し、制御部のタイミング制御部が、レーザ発振部によるパルス光の放出動作タイミングと開閉弁の開閉タイミングとを同期制御することにより、エアノズルごとに開閉動作を行って開孔加工に必要なエアノズルからガスを噴出させて、加工領域のうち現にパルス光を照射している薄板の部位にのみ選択的にタイミングよくガスを噴出するため、いっそう穿孔不良が生じにくく、所望の開孔形状を得ることができる上に、加工領域全体にガスを噴出し又は加工領域全体のガスを吸引する場合と比較して、穿孔加工に用いるガスの量を大幅に削減することができる。
【0031】
本発明の請求項8に係る発明のレーザ加工方法によれば、請求項7に記載の発明が奏する効果に加えて、開閉弁が、電磁弁であり、開閉弁制御部が、開閉弁の開閉動作を電磁的に制御することにより、ガルバノスキャナによるパルス光の掃引タイミングと開閉弁の開閉タイミングとを精密に同期制御するため、さらにいっそう穿孔不良が生じにくく、所望の開孔形状を得ることができる上に、穿孔加工に用いるガスの量をいっそう削減することができる。
【0032】
本発明の請求項9に係る発明のレーザ加工方法によれば、請求項6又は請求項7に記載の発明が奏する効果に加えて、制御部の移送速度制御部が、前記薄板移送部による前記薄板の移送速度を制御することにより、薄板の移送速度を所要の速度に設定して一定に保つため、板長手方向の開孔間隔が一定値となって薄板の長手方向にわたって多数の貫通孔を均一な開孔間隔で形成する穿孔加工を行うことができる。
【0033】
本発明の請求項10に係る発明のレーザ加工方法によれば、請求項6又は請求項7に記載の発明が奏する効果に加えて、集光手段が、パルス光をリング状に集光して薄板に照射することにより、パルス光のエネルギーがリング状に、すなわち貫通孔の外縁に沿う形状に集中して分布するため、アシストガスがリング状の溶融部分に発生するドロス及びその中央部に未溶融物として残存する抜き屑をまとめて除去して、所望の大きさ・形状の貫通孔を形成する穿孔加工を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の模式的概念図。
【
図2】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の模式的正面図。
【
図3】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置が長尺の薄板を加工する状態を示す模式的断面図。
【
図5】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の機能ブロック図。
【
図6】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の制御タイミングを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明のレーザ加工装置は、加工対象の長尺の薄板を薄板の板長手方向に移送させる薄板移送部と、パルス光を放出するレーザ発振部と、パルス光を薄板に集光する集光部と、パルス光を薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して薄板の板幅方向に掃引するガルバノスキャナ部と、薄板移送部とレーザ発振部とガルバノスキャナ部の動作をそれぞれ制御する制御部とを備えていることにより、薄板を板長手方向に移送させつつパルス光を照射して薄板に貫通孔を連続的に繰り返し形成する加工ができるものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても構わない。
【0036】
また、本発明のレーザ加工方法は、薄板移送部が、加工対象の長尺の薄板を該薄板の板長手方向に移送させつつ、集光部が、レーザ発振部から放出されたパルス光を集光し、ガルバノスキャナ部が、前記パルス光を前記薄板の表裏を貫通する方向に向けて反射して前記薄板の板幅方向に掃引して貫通孔を連続的に繰り返し形成する方法であれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても構わない。
【0037】
本発明のレーザ加工装置に用いる薄板移送部は、可撓性を有する長尺の薄板を送り出すための送出しリールと、長尺の薄板を巻き取るための巻取りリールを備えた構成とすることができ、これらの回転周期は、薄板の移送速度を所望の値に設定しかつ一定に保持できるように構成されている。
【0038】
本発明のレーザ加工装置に用いるレーザ発振部としては、穿孔加工に用いるパルス光を放出する各種の工業用レーザ発光装置を用いることができ、具体的には、KrF、ArF、XeCl、XeF各エキシマレーザ、Nd-YAGレーザ、CO2レーザ、COレーザ、窒素レーザ、固体レーザ、ルビーレーザ、半導体レーザ、チューナブルダイオードレーザ、高出力ファーバーレーザ等を用いることができる。
【0039】
このパルス光は、薄板の物性に応じて、貫通孔の形成加工が1回のパルス照射で実現するよう、パルスの強度(高さ)とパルスの持続時間(幅)を設定し、シングルモード又はマルチモードで用いることができ、これらをリングモードで用いることができる。
【0040】
また、パルス光は、形成する貫通孔を円形、楕円形、正方形、ひし形、その他の多角形等の所望の形状とするために、これらの形状に集光し、又はこれらの形状の外縁にリング状に集光して用いることができる。
【0041】
レーザ発光手段が射出するパルスの周期は、薄板移送部における移送速度とガルバノスキャナのスキャン周期とともに、薄板における貫通孔の位置、パターンに重大な影響を与えるため、パルス光の発光周期を一定に保ち、あるいは、可変として適切に設定するための調節手段を設けていることが好ましい。
【0042】
本発明のレーザ加工装置に用いる集光部を構成する光学系は、ビームエキスパンダ、ビームホモジナイザ、コリメータ、アキシコレンズ、回折光学素子(DOE)等を組み合わせて構成することができ、特に高出力のレーザパルス光をリング状に集光する構成とすることが好ましい。
【0043】
このため、CWリングモードのレーザ光を用いる他に、シングルモードレーザ光に回折光学素子(DOE)を組み合わせる構成、シングルモードレーザ光にアキシコレンズを組み合わせる構成等を採用することができる。
【0044】
本発明のレーザ加工装置に用いるエアノズル体を構成する各エアノズルは、エアコンプレッサから供給される空気を均等に噴射する各種フラットタイプのエアノズルを用いることができ、例えば24mm幅、42mm幅、50mm幅又は121mm幅の間に、それぞれ一直線上に並んだ複数の噴出口を備えるものを用いることができるが、幅が小さいエアノズルであれば、レーザパルス光により現に穿孔加工している薄板の部位のみに選択的にアシストエアを噴出することができるため好ましい。
【0045】
また、エアノズルは、レーザパルス光の照射時間を短縮し、かつ穿孔不良を防止して所望の開口形状を得るようにアシストエアを噴出するため、加工対象である薄板に対して30度以上60度以下の角度で空気を吹き付けるように構成することが好ましく、より好ましくは約45度とすることができる。
【0046】
本発明のレーザ加工装置を用いる穿孔加工は、可撓性を有する任意の素材の長尺の薄板に適用することができ、特に、厚さ300μm以下のアルミニウム、チタン、ステンレス、ニッケル又は銅等の金属薄膜に適用することができる。
【0047】
本発明のレーザ加工の対象となる薄板の幅は、エアノズルを幅方向にわたって配列でき、かつ、レーザパルス光を幅方向にスキャンして薄板に対して略均一に照射できる限り制約がなく、任意に設定できる。したがって、広幅で長尺の薄板に対しても、効率よく連続的な穿孔加工を行うことができる。
【0048】
なお、本明細書で「均一な開孔間隔」とは、貫通孔が規則正しく配列する間隔を意味し、薄板に形成された複数の貫通孔の中心を結んだ配列方向が、板幅方向に対して0度及び90度をなすマトリクス状のいわゆる「丸孔並列」「角孔直列」配置に限らず、板幅方向に対して45度をなすマトリクス状のいわゆる「丸孔角千鳥」「斜角抜」配列、板幅方向に対して60度をなすいわゆる「丸孔千鳥」「角孔千鳥」「亀甲孔」配列等のパターンを形成する間隔を含む。
【実施例0049】
以下に、本発明の実施例に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法について、
図1乃至
図6に基づいて説明する。
ここで、
図1は、本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の模式的概念図であり、
図2は、本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の模式的正面図であり、
図3は、本発明の一実施例に係るレーザ加工装置が長尺の薄板を加工する状態を示す模式的断面図であり、
図4は、
図3の部分拡大図であり、
図5は、本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の機能ブロック図であり、
図6は、本発明の一実施例に係るレーザ加工装置の制御タイミングを示す模式図である。
【0050】
本実施例のレーザ加工装置100は、
図1にその概要を模式的に示すように、加工対象の薄板Wを薄板Wの板長手方向に移送させながら、レーザ発振部140から放出したパルス光Pが集光部150により薄板Wに集光するように構成されており、ガルバノスキャナ部160によってパルス光Pを薄板Wの表裏を貫通する方向に向くように反射して薄板Wを照射しながら薄板Wの板幅方向に掃引して、多数の貫通孔Hを連続して穿孔加工する際に、エアノズル体180から薄板Wの板幅方向にわたって加工領域PAに向けてガスを噴出するように制御部170が制御するものである。
以下、装置構成と加工方法についてより詳細に説明する。
【0051】
本実施例のレーザ加工装置100の構成は、
図2乃至
図5に示すように、装置フレーム110、装置筐体120、薄板移送部130、レーザ発振部140、集光部150、ガルバノスキャナ部160、制御部170及びエアノズル体180から構成されている。
【0052】
装置フレーム110は、レーザ加工装置100の主要部を固定して構成するための枠体であって、被加工物である薄板Wを移動させながら穿孔加工するために、薄板Wを載置して支持するワークステージ111と、薄板Wを搬送するために装置フレーム110に回動自在に固定されている4つのガイドローラ112とを備えている。また、ワークステージ111は、レーザのパルス光Pの薄板Wへの照射位置に対応する部位に、薄板Wに穿孔加工を行った際のドロス及び抜き屑等の不要物を不図示のエアポンプにより下方に吸引して排出するためのステージスリット111sを有している。
【0053】
装置筐体120は、装置フレーム110の上部であってワークステージ111の上方に固定されており、その内部にレーザ発振部140、集光部150、ガルバノスキャナ部160及び制御部170が収納されている。
【0054】
薄板移送部130は、送出しリールと巻取りリールとから構成されており、送出しリールに巻かれている薄板Wがガイドローラ112を経由して巻取りリールで巻き取るように配置している。
【0055】
レーザ発振部140は、穿孔加工のためのエネルギーを加工領域PAに与えるパルス光Pを放出する。
【0056】
集光部150は、光学系151とf-Θレンズ152とを備えている。
本実施例の光学系151は、レーザ発振部140から放出されたパルス光Pをリング状に集光するレンズを備えている。また、f-Θレンズ152は、ガルバノスキャナ部160により薄板Wの幅方向に掃引されたパルス光Pを集光しながら、パルス光Pの進行方向を薄板Wの表裏を貫通する方向に向けて薄板Wを照射する機能を備えている。
【0057】
ガルバノスキャナ部160は、レーザ発振部140から放出されたパルス光Pを反射して薄板Wの幅方向に繰り返し掃引するガルバノミラー161を備えている。
【0058】
制御部170は、薄板移送部130による薄板Wの移送速度を設定して一定に保つ制御を行う移送速度制御部171、レーザ発振部140から放出されるパルス光Pの出力、パルス幅及び周期等のレーザ発振部140の放出動作を制御するレーザ制御部172、ガルバノスキャナ部160におけるガルバノミラー161の掃引動作を制御するガルバノスキャナ制御部173、後述の開閉弁部181の開閉弁181A乃至181Xの開閉動作を電磁的に制御する開閉弁制御部174、及び、レーザ発振部140によるパルス光Pの放出動作とガルバノスキャナ制御部173によるガルバノミラー161の掃引動作と開閉弁181A乃至181Xの開閉動作のタイミングとを同期制御するタイミング制御部175を備えている。
【0059】
エアノズル体180は、開閉弁部181、圧力センサ部182及びマニホールド183を備えており、装置フレーム110に固定されている。
【0060】
エアノズル体180は、薄板Wの板幅方向にわたって一列に配列して加工領域PAに向けて上方から45度の角度でアシストエアを噴きつける板幅に対応した個数のエアノズル180A乃至エアノズル180Xを有している。
【0061】
本実施例においては、エアノズル180A乃至エアノズル180Xは、それぞれ24mm幅の中に一列に並んだ8個のエア噴出口を備えており、これらのエアノズル180A乃至エアノズル180Xが一体になってエアノズル体180を構成している。
【0062】
開閉弁部181は、各エアノズル180A乃至エアノズル180Xからのガスの放出量をそれぞれ規定するために開閉動作する電磁弁からなる開閉弁181A乃至181Xを備えている。
圧力センサ部182は、各エアノズル180A乃至エアノズル180Xからのガスの放出量を圧力としてそれぞれ測定する圧力センサ182A乃至圧力センサ182Xを備えている。
【0063】
マニホールド183には、不図示の複数のエアコンプレッサから吐出されたアシストガスとしての空気が複数の不図示のエアタンクを介して集中的に供給されている。
エアチューブ部184は、マニホールド183と各エアノズル180A乃至エアノズル180Xとを接合して、マニホールド183に集中的に供給されたアシストガスとしての空気を分岐して各エアノズル180A乃至エアノズル180Xに供給するように構成されている。
【0064】
次に、
図2乃至
図6を参照して、本実施例のレーザ加工装置100を用いて長尺の金属製の薄板Wに貫通孔を丸孔千鳥配列に形成する穿孔加工を行う方法を説明する。
【0065】
まず、
図3に示すように、薄板移送部130の送出しリールに巻かれている加工対象の薄板W引き出してガイドローラ112によりガイドしながらワークステージ111上に誘導して穿孔加工が可能な状態に配置し、その後に、薄板Wをさらに薄板Wをガイドローラ112によりガイドしながら巻取りリールで巻き取る状態に配置にして、薄板Wを板長手方向に移送させる。
【0066】
本実施例においては、幅300mmの長尺の薄板Wに穿孔加工するために、薄板移送部130による薄板Wの移送速度を、レーザ発振部140によるパルス光Pの出力とパルス周期に応じて設定し、移送速度制御部171が、この移送速度が一定値に維持されるように制御している。
【0067】
次に、
図2乃至
図4に示すように、レーザ発振部140から放出されたパルス光Pが、薄板W上でリング状に集光するように集光部150を調節した後に、レーザ制御部172がレーザ発振部140を制御してパルス光Pの放出を開始させる。
【0068】
その後に、ガルバノスキャナ制御部173が、ガルバノスキャナ部160を制御して、ガルバノミラー161がパルス光Pを薄板Wの表裏を貫通する方向に向けて反射して薄板Wの板幅方向に繰り返し掃引して連続的に貫通孔Hを穿孔する。
【0069】
なお、
図4に示すように、薄板Wに穿孔加工を行う際に加工領域PAに、リング状に集光したパルス光Pに対応して円形状に発生するドロスと、その中央部に未溶融物として残存する略円形の薄板Wの抜き屑を、不図示のエアポンプがステージスリット111sの下方から常時吸引して排出する。
【0070】
また、開閉弁制御部174が、開閉弁181A乃至181Xの開閉動作をそれぞれ制御して、薄板Wの板幅方向にわたって配列して加工領域PAに向けてガスを噴出する複数のエアノズル180A乃至180Xからアシストガスとしての空気を放出させる。
【0071】
なお、本実施例においては、各エアノズル180A乃至エアノズル180Xの開放時間を、それぞれ溶融物とともに不要な未溶融個所を除去するのに十分な時間に設定し、
図6に示すように、隣接するノズル同士の開放時間は重なっている。
【0072】
また、圧力センサ182A乃至182Xが、各エアノズル180A乃至エアノズル180Xから供給される空気の量を圧力により測定し、測定結果を開閉弁制御部174に常時送信している。
【0073】
本実施例においては、アシストガスの元圧を溶融物とともに不要な未溶融個所を除去するのに十分な圧力を提供するように設定しており、開閉弁制御部174は、圧力センサ182A乃至182Xから入力された圧力の測定値に応じて、各エアノズル180A乃至180Xから放出されるアシストガスとしての空気の量が規定された一定値となるように、開閉弁181A乃至181Xの開閉量をそれぞれ調節するフィードバック制御を行っている。
【0074】
ここで、レーザ発振部140によるパルス光Pの放出動作と各エアノズル180A乃至180Xが備えている各開閉弁181A乃至181Xの開閉タイミングとの同期制御について説明する。
【0075】
前述のように、レーザ制御部172がレーザ発振部140によるパルス光Pの放出動作を制御し、開閉弁制御部174が各開閉弁181A乃至181Xの開閉動作を制御している。
【0076】
制御部170のタイミング制御部175は、レーザ発振部140によるパルス光Pの放出動作タイミング、及び、各開閉弁181A乃至181Xの開閉タイミングが同期するように、レーザ制御部172と開閉弁制御部174とを調整し、制御する。
【0077】
より具体的には、
図6の最上段に示すように、制御部170のレーザ制御部172は、レーザ発振部140によるパルス光Pの放出を、制御信号電圧の高低により制御しており、高電圧でパルス光Pの放出ON、低電圧で放出OFFとしている。
【0078】
制御信号が高電圧となっているときにはレーザ発振部140がパルス光Pを放出しており、この時間内にガルバノミラー161がパルス光Pを移送されている薄板Wの幅方向に掃引する。
【0079】
一方、制御信号が低電圧となっているときはレーザ発振部140がパルス光Pの放出を停止しており、この時間内にパルス光Pの照射位置がガルバノミラー161による掃引の基準位置に回帰する。
【0080】
本実施例では、
図6の最上段に示すように、レーザ制御部172がレーザ発振部140によるパルス光Pの放出ON/OFFを制御する制御信号を高電圧から低電圧にするタイミングを基準時点t0として、開閉弁181A乃至181Xを開閉制御するタイミングを決定する。
【0081】
タイミング制御部175は、
図6の2段目以下に示すように、上述のt0を基準としてレーザ発振部140によるパルス光Pの放出ONと放出OFFとの切り替えタイミング、各開閉弁181A乃至181Xの開放と閉鎖との切り替えタイミングをそれぞれ決定し、制御している。
【0082】
タイミング制御部175は、エアノズル180A乃至エアノズル180Xそれぞれ対応する開閉弁181A乃至181Xを順次開閉制御して、ガルバノスキャナ部160に掃引されたパルス光Pが現に照射して貫通孔Hを穿孔加工している薄板Wの部位にのみ選択的にタイミングよくアシストエアを吹き付ける。
【0083】
以上の手順により、薄板Wに板幅方向に対して規則的に貫通孔Hが配列した丸孔千鳥配列の穿孔加工が実現する。
【0084】
以上説明したように、本実施例のレーザ加工装置100及びこれを用いるレーザ加工方法によれば、長尺の薄板Wに多数の貫通孔Hを連続的に繰り返し形成する穿孔加工を行うに際し、加工幅に制約を受けることなく広幅の薄板Wに対して、穿孔不良を生じさせず、かつ、薄板Wの上下揺動の影響を受けずに安定して所望の開孔形状を低コストかつ高効率で実現する穿孔加工を行うことができる。