(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155585
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20241024BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24F7/007 C
F24F7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070424
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 猛
(72)【発明者】
【氏名】蜂須 淳史
(72)【発明者】
【氏名】小川 哲史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明優
(72)【発明者】
【氏名】柄沢 庄一
(72)【発明者】
【氏名】吉本 達郎
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
【Fターム(参考)】
3L056BD02
3L056BE01
3L056BF02
3L058BE01
3L058BG04
(57)【要約】
【課題】誤検知をせずに加熱調理器の点火後に早く自動的に送風機を駆動することができるレンジフードとすることである。
【解決手段】送風機22と、加熱調理器10上方の温度を検知するための温度センサ25を備え、前記加熱調理器10の点火により前記温度センサ25の検知温度の温度状勾配αが設定した第1閾値α1以上であることと、前記温度センサ25の検知温度が設定した第1所定温度T1以上であることを満たした場合に前記送風機22を駆動する自動運転モードを有するレンジフードとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機と、加熱調理器上方の温度を検知するための温度センサを備えたレンジフードであって、
前記温度センサの検知温度の温度勾配が設定した第1閾値以上であることと、前記温度センサの検知温度が第1所定温度以上であることを満たした場合に前記送風機を駆動する自動運転モードを有することを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、所定の時間経過後に前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回ると、前記送風機を停止するようにしたレンジフード。
【請求項3】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度の温度勾配が前記第1閾値を所定の時間連続して下回った後に前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回ると、前記送風機を停止するようにしたレンジフード。
【請求項4】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度が第2所定温度以上となるまでは、前記温度センサの検出温度が前記第2所定温度を下回っても前記送風機を停止せず、前記温度センサの検知温度が前記第2所定温度以上となった後に、前記温度センサの検出温度が前記第2所定温度を下回ると前記送風機を停止するようにしたレンジフード。
【請求項5】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回っていることと、前記温度センサの検知温度が順次低下していることを満たした場合に前記送風機を停止するようにしたレンジフード。
【請求項6】
請求項1から5いずれかに記載のレンジフードにおいて、
前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、
前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードが無効となり、前記自動運転モードが無効となってから所定の時間経過後に前記自動運転モードが有効となるようにしたレンジフード。
【請求項7】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記自動運転モードは、前記温度センサの検知温度が前記第1所定温度よりも高い第3所定温度を超えた場合、前記温度センサの検知温度の温度勾配に関係なく前記送風機を駆動するようにしたレンジフード。
【請求項8】
請求項7記載のレンジフードにおいて、
前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、
前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードに優先して前記送風機が制御され、
前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機を停止した場合、所定の時間は前記自動運転モードにより前記送風機の駆動を開始する基準温度が前記第3所定温度よりも高い第4所定温度に変更されるようにしたレンジフード。
【請求項9】
請求項7記載のレンジフードにおいて、
前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、
前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードが一時無効となり、
前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機を停止した後に、前記温度センサの検知温度が前記第3所定温度以下の第5所定温度を下回ると前記自動運転モードが再度有効となるようにしたレンジフード。
【請求項10】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
通常時には発生することがない異常な値の第2閾値を設定し、前記温度センサの検知温度の温度勾配が前記第2閾値以上の時には前記送風機を駆動しないようにしたレンジフード。
【請求項11】
請求項2から5いずれかに記載のレンジフードにおいて、
前記送風機は異なる風量によって駆動が可能であり、
前記自動運転モードによって前記送風機を停止する場合に、風量を漸次減少させる、または、段階的に減少して前記送風機を停止するようにしたレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器により加熱調理することで発生した油煙を屋外などに排出するレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
レンジフードは、加熱調理器を点火して加熱調理開始する際に送風機の駆動を開始し、加熱調理器により加熱調理することで発生した油煙を屋外などに排出する使われかたをすることがあるので、加熱調理器を点火して加熱調理開始することで自動的に送風機の駆動を開始、停止するようにしたレンジフードが提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたように、フード本体に加熱調理器上方の温度を検知する装置を設け、検知した温度によって送風機を自動的に駆動開始、停止するようにしたレンジフードが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレンジフードでは、温度検知装置の検知温度は加熱調理器の点火後に順次高くなるので、送風機の駆動を開始すると判断する温度検知装置の検出温度を低く設定することで、加熱調理器が点火後に早く自動的に送風機を駆動開始するようにできるが、このようにすると加熱調理器が点火していない時の検出温度と送風機の駆動を開始すると判断する基準となる温度との差が小さく、加熱調理器が点火をしていないにもかかわらず誤検知により送風機が駆動を開始してしまうことがある。
送風機の駆動を開始すると判断する温度検知装置の検出温度を高く設定すれば、誤検知により送風機が駆動を開始しないようにできるが、このようにすると加熱調理器が点火してから送風機が自動的に駆動開始するまでに時間がかかってしまい、調理時に発生した油煙を十分に排出できないことがある。
【0005】
本発明は、上記の課題解決するためになされたものであり、その目的は、誤検知をせずに加熱調理器の点火後に早く送風機を自動で駆動することができるレンジフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレンジフードは、送風機と、加熱調理器上方の温度を検知するための温度センサを備えたレンジフードであって、前記温度センサの検知温度の温度勾配が設定した第1閾値以上であることと、前記温度センサの検知温度が第1所定温度以上であることを満たした場合に前記送風機を駆動する自動運転モードを有することを特徴とするレンジフードである。
【0007】
本発明のレンジフードにおいては、前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、所定の時間経過後に前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回ると、前記送風機を停止するようにしたレンジフードとすることができる。
この構成によれば、加熱調理器を点火してから消化するまでの間に亘って送風機を自動運転し続けることができる。
また、送風機の駆動開始直後の温度が低い(第2所定温度を下回る)場合でも、誤って送風機がすぐに停止することを防ぐことができる。
【0008】
本発明のレンジフードにおいては、前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度の温度勾配が前記第1閾値を所定の時間連続して下回った後に前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回ると、前記送風機を停止するようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、加熱調理器を点火して加熱調理の途中で加熱調理器を消火して加熱調理を中止した場合でも送風機を停止できる。
また、調理中に具材や水などを追加したことにより検知温度が下がったとしても、加熱され続けることにより所定の時間内に温度勾配が第1閾値を上回れば、加熱調理器が消火されたと誤認されず、送風機の駆動を続けることができる。
また、送風機の駆動開始直後の温度が低い(第2所定温度を下回る)場合でも、誤って送風機がすぐに停止することを防ぐことができる。
【0009】
本発明のレンジフードにおいては、前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度が第2所定温度以上となるまでは、前記温度センサの検出温度が前記第2所定温度を下回っても前記送風機を停止せず、前記温度センサの検知温度が前記第2所定温度以上となった後に、前記温度センサの検出温度が前記第2所定温度を下回ると前記送風機を停止するようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、加熱調理器を点火してから消化するまでの間に亘って送風機を自動運転し続けることができる。
また、送風機の駆動開始直後の温度が低い場合でも、誤って送風機がすぐに停止することを防ぐことができる。
【0010】
本発明のレンジフードにおいては、前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回っていることと、前記温度センサの検知温度が順次低下していることを満たした場合に前記送風機を停止するようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、加熱調理器を点火してから消化するまでの間に亘って送風機を自動運転し続けることができる。
また、送風機の駆動開始直後の温度が上昇しているが低い場合でも、誤って送風機がすぐに停止することを防ぐことができる。
また、加熱調理器を消火して温度が下がっているタイミングで送風機を停止することができる。
【0011】
本発明のレンジフードにおいては、前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードが無効となり、前記自動運転モードが無効となってから所定の時間経過後に前記自動運転モードが有効となるようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、手動操作および/または加熱調理器との連動操作による意図的な送風機の制御を優先して行うことができる。
また、加熱調理器により加熱調理をしていない(加熱調理器を点火していない)時に、レンジフードを意図的に運転することができる。
【0012】
本発明のレンジフードにおいては、前記自動運転モードは、前記温度センサの検知温度が前記第1所定温度よりも高い第3所定温度を超えた場合、前記温度センサの検知温度の温度勾配に関係なく前記送風機を駆動するようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、何らかの要因によって加熱調理器を点火しても温度勾配が第1閾値以下の状態で調理した際に送風機を駆動できる。
【0013】
本発明のレンジフードにおいては、前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードに優先して前記送風機が制御され、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機を停止した場合、所定の時間は前記自動運転モードにより前記送風機の駆動を開始する基準温度が前記第3所定温度よりも高い第4所定温度に変更されるようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、手動操作および/または加熱調理器との連動操作により送風機を停止した直後に温度が高かったとしても送風機が駆動されることがなく、手動操作および/または加熱調理器との連動操作により送風機を停止することができる。
【0014】
本発明のレンジフードにおいては、前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードが一時無効となり、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機を停止した後に、前記温度センサの検知温度が前記第3所定温度以下の第5所定温度を下回ると前記自動運転モードが再度有効となるようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、送風機が停止した直後に送風機が駆動されることがなく、手動操作および/または加熱調理器との連動操作により送風機を停止すことができる。
また、自動運転モードが再度有効となることで、次の調理を行うときには自動で送風機を駆動することができる。
【0015】
本発明のレンジフードにおいては、通常時には発生することがない異常な値の第2閾値を設定し、前記温度センサの検知温度の温度勾配が前記第2閾値以上の時には前記送風機を駆動しないようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、ノイズによる温度検知エラー、火災の発生による異常高温となった時にレンジフードが運転を開始しないので、想定外の送風機の駆動および安全上の問題が発生することを防止できる。
【0016】
本発明のレンジフードにおいては、前記送風機は異なる風量によって駆動が可能であり、前記自動運転モードによって前記送風機を停止する場合に、風量を漸次減少させる、または、段階的に減少して前記送風機を停止するようにしたレンジフードとすることができる。
この構成とすることで、調理を続けて行うようにした場合に、先の調理が完了した後に、送風機は所定の時間の駆動が続けて行われることによって、次の調理を始めるまでの間、送風機の駆動が継続され、次の調理を送風機が駆動した状態で始めることができる。そのため、即時に調理に対応できる。
【0017】
本発明のレンジフードは、次の構成とすることができる。
(1)送風機と、加熱調理器上方の温度を検知するための温度センサを備えたレンジフードであって、前記温度センサの検知温度の温度勾配が設定した第1閾値以上であることと、前記温度センサの検知温度が第1所定温度以上であることを満たした場合に前記送風機を駆動する自動運転モードを有することを特徴とするレンジフード。
【0018】
(2)前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、所定の時間経過後に前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回ると、前記送風機を停止するようにしたことを特徴とする(1)記載のレンジフード。
(3)前記自動運転モードにより前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度の温度勾配が前記第1閾値を所定の時間連続して下回った後に前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回ると、前記送風機を停止するようにしたことを特徴とする(1)又は(2)記載のレンジフード。
【0019】
(4)前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度が第2所定温度以上となるまでは、前記温度センサの検出温度が前記第2所定温度を下回っても前記送風機を停止せず、前記温度センサの検知温度が前記第2所定温度以上となった後に、前記温度センサの検出温度が前記第2所定温度T2を下回ると前記送風機を停止するようにしたことを特徴とする(1)から(3)いずれかに記載のレンジフード。
(5)前記自動運転モードによって前記送風機を駆動してから、前記温度センサの検知温度が第2所定温度を下回っていることと、前記温度センサの検知温度が順次低下していることを満たした場合に前記送風機を停止するようにしたことを特徴とする(1)から(4)いずれかに記載のレンジフード。
【0020】
(6)前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードが無効となり、前記自動運転モードが無効となってから所定の時間経過後に前記自動運転モードが有効となるようにしたことを特徴とする(1)から(5)いずれかに記載のレンジフード。
(7)前記自動運転モードは、前記温度センサの検知温度が前記第1所定温度よりも高い第3所定温度を超えた場合、前記温度センサの検知温度の温度勾配に関係なく送風機を駆動するようにしたことを特徴とする(1)から(6)いずれかに記載のレンジフード。
【0021】
(8)前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードに優先して前記送風機が制御され、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機を停止した場合、所定の時間は前記自動運転モードにより前記送風機の駆動を開始する基準温度が前記第3所定温度よりも高い第4所定温度に変更されるようにしたことを特徴とする(7)記載のレンジフード。
【0022】
(9)前記送風機は、前記自動運転モードによる制御とは別に、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により制御することが可能で、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機の制御が行われた場合には、前記自動運転モードが一時無効となり、前記手動操作および/または前記加熱調理器との連動操作により前記送風機を停止した場合、前記温度センサの検知温度が前記第3所定温度以下の第5所定温度を下回ると前記自動運転モードが再度有効となるようにしたことを特徴とする(7)または(8)記載のレンジフード。
【0023】
(10)通常時には発生することがない異常な値の第2閾値を設定し、前記温度センサの検知温度の温度勾配が前記第2閾値以上の時には前記送風機を駆動しないようにしたことを特徴とする(1)から(9)いずれかに記載のレンジフード。
【0024】
(11)前記送風機は異なる風量によって駆動が可能であり、前記自動運転モードによって前記送風機を停止する場合に、風量を漸次減少させる、または、段階的に減少して前記送風機を停止するようにしたことを特徴とする(1)から(10)いずれかに記載のレンジフード。
【発明の効果】
【0025】
本発明のレンジフードによれば、誤検知をせずに加熱調理器の点火後に早く送風機を自動で駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の加熱調理器とレンジフードの実施の形態を示す概略説明図である。
【
図2】本発明の検知温度の変化の第1の実施の形態を示す図表である。
【
図3】本発明の検知温度の変化の第2の実施の形態を示す図表である。
【
図4】本発明の自動運転モードの送風機を駆動、停止する第1の構成を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の自動運転モードの送風機を駆動、停止する第2の構成を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の自動運転モードの送風機を駆動、停止する第3の構成を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の自動運転モードの送風機を駆動、停止する第4の構成を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の検知温度の変化の第3の実施の形態を示す図表である。
【
図9】本発明の自動運転モードの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のレンジフードの実施の形態を説明する。
加熱調理器とレンジフードの実施の形態を
図1に基づき説明する、
図1は加熱調理器とレンジフードの実施の形態を示す概略説明図である。
加熱調理器10は、加熱部11とスイッチ12と加熱部制御部13と送信部14を備え、スイッチ12を操作して点火信号、消火信号を加熱部制御部13に送ることで、加熱部制御部13が加熱部11を点火、消火するとともに点火信号、消火信号を送信部14から赤外線を利用して送信する。スイッチ12を操作することで加熱部11の火力を調節できる。
加熱調理器10はガスコンロ、IHコンロなどである。
【0028】
レンジフード20は、フード本体21と送風機22と運転スイッチ23と制御部24と温度センサ25と受信部26などを備え、送風機22を駆動することで、加熱調理により発生した油煙をフード本体21に捕集して屋外に排出する。
運転スイッチ23を手動操作して運転信号、停止信号を制御部24におくることで制御部24が送風機22を駆動、停止してレンジフードを運転開始、停止し、運転スイッチ23から送風量制御信号を制御部24に送ることで送風機22の回転数を変えて送風量を制御するので、レンジフード20を手動操作できる。
加熱調理器10の送信部14が送信した点火信号、消火信号を受信部26が受信して制御部24に送ることで制御部24が送風機22を駆動、停止してレンジフード20を運転開始、停止するので、レンジフード20を加熱調理器10との連動操作により操作できる。
【0029】
温度センサ25は、加熱調理器10の上方の温度を常時検知するもので、検知した温度は制御部24に送られる。制御部24は検知した温度に基づき後に述べる自動運転制御をし、レンジフード20を自動で運転開始、停止する。つまり、制御部24は自動運転モードを有する。
温度センサ25は複眼温度センサで、加熱調理器10の上面全体を複数に区分けした各マス(画素)の温度を検知し、最高温度となっているマスの最高温度を検知温度とする。または、各マス毎の平均温度をそのマスの温度としてとらえて、各平均温度の中の最高温度を検知温度とする。
なお、温度センサ25を単眼温度センサとし、最高温度を検知温度とすることができる。
また、温度センサ25は、例えば赤外線センサや赤外線カメラなどを用いることができる。
温度センサ25はフード本体21以外の場所にも設けることができる。
【0030】
次にレンジフード20の自動運転モードの一例を説明する。
加熱調理器10の上方の温度が、
図2に示すように変化するものとする。つまり、加熱調理器10の加熱部11を点火した時点から順次上昇して室内温度よりも高温となり、加熱調理器10の加熱部11の火力を調整することで温度が変化し、加熱部11を消火した時点から順次下降して室内温度まで低くなるように変化するものとする。
制御部24に室内温度よりも高い第1所定温度T1、第1所定温度T1よりも高い第2所定温度T2、第2所定温度T2よりも高く、かつ調理時に想定される最高上昇温度Tmよりも低い第3所定温度T3及び温度勾配、実施の形態では温度上昇勾配αの第1閾値α1をそれぞれ設定する。
【0031】
第1所定温度T1、第3所定温度T3は、送風機22の駆動を開始する基準温度で、第2所定温度T2は送風機22を停止する温度である。
実施の形態では、第1所定温度T1は、センサ25による人の手の検知温度よりも高く設定することが好ましく、実施の形態では加熱調理器10がガスコンロの場合、IHコンロの場合とも温度センサ25による人の手の検出温度を30℃として35℃に設定してある。
第2所定温度T2は加熱調理器10がガスコンロの場合が50℃、IHコンロの場合が40℃に設定してあり、第3所定温度T3は加熱調理器10がガスコンロの場合が60℃、IHコンロの場合が50℃に設定してある。
【0032】
つまり、IHコンロは火を使わないため、火を使うガスコンロに比べて加熱調理時の温度が上がりにくいので、第2、第3所定温度T2、T3はガスコンロの場合をIHコンロよりも高く設定してある。このことは後述する第4、第5所定温度も同様である。
温度上昇勾配αとは、単位時間当たりに上昇する温度変化量で、第1閾値α1とは制御の基準となる温度上昇勾配で、制御の基準となる上昇する温度変化量である。第1閾値α1は、加熱調理器10の使用時に生ずる最小温度変化量とすることが好ましく、実施の形態では第1閾値α1を温度上昇が10秒間で0.5℃以上に設定してある。
【0033】
制御部24は、温度センサ25の検知温度に基づき温度上昇勾配αを常時算出する。例えば、検知温度t1と、検知温度t1を検知したT秒後に検知した検知温度t2を使用して温度上昇勾配αを算出する。
実施の形態では、一定時間に検知した温度の平均値と、一定時間経過以前から一定時間に検知した温度の平均値とから温度上昇勾配αを算出することを繰り返しする。例えば、0から10秒間の温度の平均値と、5から15秒間の温度の平均値で温度上昇勾配αを算出する。
制御部24は算出した温度上昇勾配αと設定した第1閾値α1を比較し、算出した温度上昇勾配αが設定した第1閾値α1以上である時に、温度センサ25が検知した検知温度と設定した第1所定温度T1を比較し、検知温度が第1所定温度T1以上である時に送風機22を自動的に駆動開始する。
【0034】
なお、温度センサ25が検知した検知温度と設定した第1所定温度T1を比較し、検知温度が第1所定温度T1以上である時に、算出した温度上昇勾配αと設定した第1閾値α1を比較し、算出した温度上昇勾配αが設定した第1閾値α1以上である時に送風機22を自動的に駆動開始するようにしてもよい。
すなわち、制御部24は、算出した温度上昇勾配αが設定した第1閾値α1以上であること、検知温度が第1所定温度T1以上であることを満足した場合に送風機22を自動的に駆動開始する。
検知温度が第1所定温度T1以上であるかの判定は、判定時点の検出温度で判定しても良いし、検知温度の平均値や、所定時間上回る(下回る)というように判定してもよい、このことは以下に述べる所定温度と検知温度の判定も同様である。
【0035】
このように、本発明の自動運転モードによれば、算出した温度上昇勾配αが設定した第1閾値α1以上であっても検知温度が第1所定温度T1を下回る場合には送風機22が自動的に駆動開始されないし、検知温度が第1所定温度t1以上であっても算出した温度上昇勾配αが設定した第1閾値α1を下回る場合に送風機22が自動的に駆動開始されない。
よって、第1所定温度T1を低くしても誤検知をすることがないので、誤検知をせずに加熱調理器10の点火後に早く自動的に送風機22の駆動を開始することができるレンジフードとすることができる。
例えば、人の手が温度センサ25の検知範囲に入った場合、急に温度が上がり温度上昇勾配αが第1閾値α1以上になるが、検知温度は第1所定温度T1以上にはならないため、誤検知を防ぐことができる。
【0036】
図3に示すように、制御部24が算出した温度上昇勾配αが設定した第1閾値α1を下回ると、送風機22を駆動開始できないので、制御部24は温度センサ25の検知温度と第3所定温度T3を比較し、検知温度が第3所定温度T3を超えたときには温度上昇勾配αに関係なく送風機22を駆動開始する構成とする。
この構成とすることで、何らかの要因によって加熱調理器10を点火しても温度上昇勾配αが第1閾値α1を下回る状態で調理した際にレンジフードを自動的に運転開始できる。
例えば、鍋に水を満たした状態で加熱部11を弱火で点火した場合などには温度が通常で考えられるよりもゆっくりと上昇し、温度上昇勾配αが第1閾値α1を下回ってしまうことがある。
【0037】
次に自動運転モードで駆動している送風機22を停止する第1の構成を説明する。
制御部24は、温度上昇勾配αが第1閾値α1以上の状態が継続しているかを判断し、継続していると判断した場合には次のようにして送風機22を自動的に停止する。
制御部24は、送風機22を駆動してからの時間をカウンタでカウントし、カウントした時間が設定した所定の時間経過後に温度センサ25の検知温度が設定した第2所定温度T2を下回った時に、送風機22を停止する。
所定の時間は、第1閾値α1の時に第1所定温度T1から第2所定温度T2となるまでの時間以上の時間で、実施の形態では5分である。
【0038】
カウントした時間が設定した所定の時間よりも短い時に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回っても送風機22を停止せずに駆動し続ける。
つまり、送風機22を所定の時間以上自動運転(つまり、自動で駆動開始して駆動し続けること)した後に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回った時に送風機22を自動的に停止し、送風機22の自動運転時間が所定の時間よりも短い時に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回っても送風機22を自動運転し続ける。
この構成とすることで、加熱調理器10を点火してから消化するまでの間に亘って送風機22を自動運転し続けることができる。
また、送風機22の駆動開始直後の温度が低い(第2所定温度T2を下回る)場合でも、誤って送風機22が停止することを防ぐことができる。
【0039】
つまり、送風機22を自動で駆動開始した直後は加熱調理器20の上方の温度は低く、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2よりも低い場合があり、ただ単に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回る時に送風機22を自動的に停止するようにすると、自動で駆動開始した直後に停止してしまい、加熱調理器10を点火してから消化するまでの間に亘って送風機22を自動運転し続けることができない。
また、所定の時間経過後は加熱調理器10の使用により温度センサ25の検知温度が高くなっているため、所定の時間経過後に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回るのは加熱調理器10を消火した後であり、正しいタイミングで送風機22の駆動を自動的に停止できる。
【0040】
以上の各動作をフローで示すと
図4に示すようになる。即ち、送風機22が駆動中でない場合(S101,NO)、制御部24が算出した温度上昇勾配αが第1閾値α1以上の状態が継続しているかを判断し(S102)、継続していると判断したときは(S102、YES)、温度センサ25の検知温度を検知して(S103)、その検知温度が第1所定温度以上であれば(S103、YES)、送風機22の駆動を開始する(S105)。
ステップ102で、温度上昇勾配αが第1閾値α1以上の状態が継続していないと判断したときでも(S102、NO)、検知温度が第3所定温度T3以上であるか判断し、以上であると判断したときは送風機22の駆動を開始する(S105)。
送風機22が既に運転中であれば(S101、YES)、送風機22が所定時間駆動しているときは(S106、YES)、検知温度が第2所定温度T2を下回っていれば(S107)送風機22を停止する(S108)。
【0041】
次に自動運転モードで駆動している送風機22を停止する第2の構成を説明する。
制御部24は、温度上昇勾配αが第1閾値α1以上の状態が継続しているかを判断し、継続せずに変化している場合は次のようにして送風機22を自動的に停止する。
制御部24は、送風機22の駆動を開始すると、カウンタで所定の時間のカウントを開始し、温度上昇勾配αが第1閾値α1以上となった時点でカウントをリセットし、カウントを再度開始する。その後、温度上昇勾配αが第1閾値α1を下回った状態が続くことによりカウントが所定時間に達した後に、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回ると、送風機22を停止する構成とする。
【0042】
つまり、自動運転モードにより送風機22を駆動開始してから、温度上昇勾配αが第1閾値α1を所定の時間連続して下回った後に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回ると、送風機22を自動的に停止する構成であればよい。
この構成とすることで、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2まで上昇しない場合でも送風機22を自動的に停止できるので、加熱調理器10を点火して加熱調理の途中で加熱調理器10を消火して加熱調理を中止した場合でも送風機22を自動的に停止できる。
【0043】
しかも、温度上昇勾配αが第1閾値α1を所定の時間よりも短い時間だけ下回った後に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回っても、送風機22は停止しないので、加熱調理の途中で加熱調理器10の上方の温度が一時的に低下した場合に送風機22が停止しないので、加熱調理の途中でレンジフード20が停止して油煙が室内に充満することがない。例えば、加熱調理を開始して、加熱調理器10の上方の温度が上昇している途中で鍋などの調理器具に野菜や水などを投入することで調理器具内の温度が急激に低下した場合に、温度センサ25の検知温度が急激に低下し、温度上昇勾配αが第1閾値α1を一時的に下回り、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回ることがあるが、このような場合に送風機22が停止することがない。
したがって、調理中に具材や水などを追加したことにより検知温度が下がったとしても、加熱され続けることにより所定の時間内に温度勾配が第1閾値を上回れば、加熱調理器が消火されたと誤認されず、送風機22の駆動を続けることができる。
また、送風機22の駆動開始直後の温度が低い(第2所定温度を下回る)場合でも、誤って送風機22がすぐに停止することを防ぐことができる。
所定の時間は、調理中に具材や水などを追加するなどの外乱などにより一時的に温度勾配が下降勾配となることを検知して、実際には加熱調理器10が加熱中にもかかわらず消火していると判断してしまわないような時間とすることが好ましく、実施の形態では3分である。
【0044】
以上の各動作をフローで示すと
図5に示すようになる。即ち、まず、送風機22を停止する第2の構成のフローチャート中、S201~S205は既に説明した
図4のフローチャートのS101~S105と同じである。ここでは、フローチャートは、制御部24は、送風機22の駆動を開始するとカウントを開始し(S206)、温度上昇勾配αが第1閾値α1以上となった時点で(S207、YES)、カウントをリセットし(S210)、カウントを再度開始する。その後、温度上昇勾配αが第1閾値α1を下回った状態が続くことによりカウントが所定時間に達した(S208、YES)後に、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回ると(S209、YES)、送風機22を停止する(S211)ことを示している。
【0045】
次に自動運転モードで駆動している送風機22を停止する第3の構成を説明する。
制御部24は、温度センサ25の検知温度の温度上昇勾配αが第閾値α1以上で、温度センサ25から送られる検知温度が第1所定温度T1になり、送風機22を自動的に駆動開始した後に、第2所定温度T2を上回る検知温度が送られるまでは、温度センサ25から第2所定温度T2を下回る検知温度が送られても送風機22を駆動し続け、温度センサ25から第2所定温度T2を上回る検知温度が送られた後に、温度センサ25から第2所定温度T2を下回る検知温度が送られると、送風機22を自動的に停止する構成とする。
【0046】
つまり、自動運転モードによって送風機22を自動的に駆動に開始してから、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を上回るまでは、温度センサ25の検出温度が第2所定温度T2を下回っても送風機22を停止せず、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を上回った後に、温度センサ25の検出温度が第2所定温度T2を下回ると送風機22を自動的に停止する構成とする。
この構成とすることで、第1の構成と同様に加熱調理器10を点火してから消化するまでの間に亘って送風機22を自動運転し続けることができる。
例えば、火を使わないIHコンロを使用して低温で加熱調理を行い、検知温度が第2所定温度T2を下回る状態での調理が続けられたとしても送風機22が停止することがない。
【0047】
以上の各動作をフローで示すと
図6に示すようになる。即ち、まず、フローチャートは、送風機22を停止する第3の構成のフローチャート中、S301~S305は既に
図4で説明したフローチャートのS101~S105と同じである。ここでは、制御部24は、送風機22が既に駆動中であれば(S301、YES)、第2所定温度T2以上の検知温度が送られるまでは、温度センサ25から第2所定温度T2を下回る検知温度が送られても送風機22を駆動し続ける(S306、NO)が、温度センサ25から第2所定温度T2以上の検知温度が送られ(S306、YES)、その後に温度センサ25から第2所定温度T2を下回る検知温度が送られると(S307、YES)、送風機22を停止(S308)することを示している。
【0048】
次に自動運転モードで駆動している送風機22を停止する第4の構成を説明する。
図2に示すように、送風機の駆動を停止するのは加熱調理器10が消火した後であり、加熱調理器10の上方の温度は、加熱調理器10を消火した後には順次下降するので、温度センサ25の検知温度は順次低い温度となり、温度勾配は温度下降勾配となることに着目して送風機22を停止する構成とする。
制御部24は、温度センサ25の検知温度の温度上昇勾配αが第1閾値α1以上で、温度センサ25の検知温度が第1所定温度T1となって送風機22を自動的に駆動開始した後に、温度センサ25の検知温度の温度勾配が温度上昇勾配であるか、温度下降勾配であるかを判断し、温度下降勾配である時に温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回る時に、送風機22を停止する構成とする。
【0049】
また、制御部24は、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回る時に、温度センサ25の検知温度の温度勾配が温度上昇勾配であるか、温度下降勾配であるかを判断し、温度下降勾配である時に、送風機22を停止する構成とすることもできる。
つまり、自動運転モードで送風機22を駆動開始してから、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回っていることと、温度センサ25の検知温度が順次低下していることを満足した場合に送風機22を停止する構成であればよい。
【0050】
なお、検知温度が温度上昇勾配であるか、温度下降勾配であるかは、温度変化量がプラスであれば温度上昇勾配と判断し、温度変化量がマイナスであれ場温度下降勾配と判断することができる。
この構成であれば、第1の構成と同様に加熱調理器10を点火してから消化するまでの間に亘ってレンジフードを自動運転し続けることができる。
また、送風機22の駆動直後の温度が低い(第2所定温度T2を下回る)場合でも、誤って送風機22がすぐに停止することを防ぐことができる。
また、加熱調理器10を消火して温度が下がっているタイミングで送風機22を停止することができる。
【0051】
以上の各動作をフローで示すと
図7に示すようになる。即ち、まず、送風機22を停止する第4の構成のフローチャート中、S401~S405は既に
図4で説明したフローチャートのS101~S105と同じである。ここでは、フローチャートは、制御部24は、送風機22を既に駆動中であれば(S401、YES)、温度センサ25の検知温度が温度上昇勾配であるか、温度下降勾配であるかを判断し(S406)、温度下降勾配である時であって(S406、YES)、温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2を下回る時に(S407、YES)、送風機22を停止(S408)することを示している。
【0052】
次にレンジフード20の運転モードについて説明する。
レンジフード20の送風機22は、自動運転モードによる自動運転による制御とは別に、手動操作および加熱調理器10との連動操作により制御することができる。
例えば、運転スイッチ23を操作して送風機22を駆動、停止制御および風量変更制御ができる。加熱調理器10の点火操作と連動して送風機22を駆動制御し、加熱調理器10の消火操作と連動して送風機22を停止制御することができる。
このように、自動運転モードによる制御と手動操作による制御と加熱調理器10との連動操作による制御が同時に行われると使用者の意図した制御ができないことがあるので、本発明では次のように優先順位を付けている。
【0053】
第1の優先順付けを説明する。
制御部24が自動運転モードにより送風機22を制御している時に、運転スイッチ23を操作して制御部24に送風機22の駆動信号、停止信号、風量変更信号が入力された時には、制御部24は自動運転モードを無効として入力された信号に基づき送風機22を制御する。
制御部24が自動運転モードにより送風機22を制御している時に、加熱調理器10から点火信号、消火信号が制御部24に入力された時には、制御部24は自動運転モードを無効として入力された点火信号、消火信号に基づき送風機22を駆動、停止制御する。
つまり、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22の制御が行われた場合には、自動運転モードが無効となる構成としてある。
【0054】
この構成とすることで、手動操作、加熱調理器10との連動操作による意図的な送風機22の制御を優先して行うことができる。
また、加熱調理器10により加熱調理をしていない(加熱調理器10を点火していない)時に、送風機22を意図的に運転することができる。つまり、加熱調理器10により加熱調理をしていない時には温度センサ25の検知温度が第2所定温度T2よりも低いので、自動運転モードが有効であると、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を駆動しても、送風機22が停止されて駆動できない。
手動操作は運転スイッチ23に限ることはなく、リモコンによる操作も可能である。
【0055】
自動運転モードが無効のままであると送風機22を自動で駆動できないので、自動運転モードが無効となってから所定の時間経過後に自動運転モードが有効になる構成としてある。
この構成であるので、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を制御してから所定の時間後には送風機22を自動運転できるから、加熱調理終了後には送風機22を自動で停止することができる。
所定の時間は、実際の使用者の意思に従い動作させて使用者の、意図を反映させることで使用者の意思に反して自動で動いてしまうという不快を与えないような温度であればよく、実施の形態では10分である。
【0056】
第2の優先順位付けを説明する。
制御部24が自動運転モードにより送風機22を制御している時に、運転スイッチ23を操作して制御部24に送風機22の駆動信号、停止信号、風量変更信号が入力された時には、制御部24は自動運転モードに優先して入力された信号に基づき送風機22を制御し、送風機22が停止した後に自動運転モードに復帰する。
制御部24が自動運転モードにより送風機22を制御している時に、加熱調理器10から点火信号、消火信号が制御部24に入力された時には、制御部24は自動運転モードに優先して入力された点火信号、消火信号に基づき送風機22を駆動、停止制御し、送風機22が停止した後に自動運転モードに復帰する。
つまり、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22の制御が行われた場合には、自動運転モードに優先して送風機22を制御し、送風機22が停止した後に自動運転モードに復帰する。
【0057】
このように優先順位付けをすると、温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3を超えると送風機22が自動的に運転を開始するようにしたレンジフードであると、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を停止した場合、送風機22の停止直後に、送風機22が自動的に駆動を開始することがあり、実質的に送風機22を停止できないことがある。
例えば、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を停止した時に温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3よりも高い場合があり、この場合には送風機22が自動的に駆動されるので、実質的に送風機22を停止できない。
【0058】
そこで、
図2に示すように送風機22を駆動開始する基準温度を第3所定温度T3よりも高い第4所定温度T4として制御部24に設定し、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22の停止信号が制御部24に送られた時に、制御部24が送風機22の駆動を開始する基準温度を第3設定温度T3から第4所定温度T4に所定の時間だけ変更し、所定の時間経過後に元の第3所定温度T3とする。
第4所定温度T4は最高温度Tmよりも高いことが好ましい。
この構成とすることで、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を停止した直後に送風機22が駆動されることがなく、手動操作により送風機22を停止することができる。
所定の時間は、調理が終了して手動操作により送風機22の駆動を停止してから、温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3を上回ることで、使用者の意図しない送風機22の駆動がされないように、手動操作などにより送風機22の駆動を停止後に温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3を下回るような時間であればよく、実施の形態では20分である。
【0059】
第3の優先順位付けを説明する。
制御部24が自動運転モードにより送風機22を制御している時に、運転スイッチ23を操作して制御部24に送風機22の駆動信号、停止信号、風量変更信号が入力された時には、制御部24は自動運転モードを一時無効とし、入力された信号に基づき送風機22を制御する。例えば、
図8に示すように、手動操作で風量変更信号を制御部24に送ると、制御部24は自動運転モードを一時無効として送風機22の風量を制御する。
制御部24が自動運転モードにより送風機22を制御している時に、加熱調理器10から点火信号、消火信号が制御部24に入力された時には、制御部24は自動運転モードを一時無効とし、入力された点火信号、消火信号に基づき送風機22を駆動、停止制御する。
つまり、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22の制御が行われた場合には、自動運転モードを一時無効として送風機22を制御する。
【0060】
手動操作により送風機22を駆動制御、風量変更制御、加熱調理器10との連動操作により送風機22を駆動制御した場合は、手動操作や連動操作による送風機22の制御終了後に自動運転モードに復帰する。
手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を停止した場合、送風機22の停止直後に、送風機22が自動的に駆動を開始することがあり、実質的に送風機22を停止できないことがある。
例えば、温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3を超えると送風機22が自動的に運転を開始するようにしたレンジフードであると、
図8に示すように手動操作により送風機22を停止した時に温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3よりも高い場合があり、この場合には送風機22が自動的に駆動されるので、実質的に送風機22を停止できない。
【0061】
そこで、
図8に示すように、自動運転モードを再開するための第5所定温度T5を制御部24に設定する。第5所定温度T5は、第3所定温度T3よりも低い温度である。
そして、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22の停止信号が制御部24に入力されると、制御部24は自動運転モードを無効とするとともに、温度センサ25の検知温度と第5所定温度T5を比較し、温度センサ25の検知温度が第5所定温度T5を下回ると制御部24は自動運転モードを再度有効とする構成としてある。つまり、温度センサ25の検知温度が第5所定温度T5を下回るまで自動運転モードの無効を維持する。
【0062】
この動作をフローチャートで示すと
図9のようになる。即ち、フローチャートは、手動操作に基づき制御部24は自動運転モードが無効化し(S501)、送風機22が停止された時(S502、NO)、温度センサ25の検知温度が第5所定温度T5を下回ると(S503、YES)制御部24は自動運転モードを再度有効とすることを示している。
【0063】
この構成とすることで、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を停止した時に、温度センサ25の検知温度が第3所定温度T3よりも高くても自動運転モードが有効とならずに、温度センサ25の検知温度が第5所定温度T5を下回る時に自動運転モードが有効となるので、送風機22が停止した直後に送風機22が駆動されることがなく、手動操作、加熱調理器10との連動操作により送風機22を停止することができる。
以上の説明では、手動操作および加熱調理器10との連動操作により送風機22を制御できるとしたが、手動操作のみで送風機22を制御するようにしてもよいし、加熱調理器10と連動してのみ送風機22を制御するようにしてもよい。
【0064】
送風機22は異なる風量で駆動が可能である。例えば、強風量、中風量、弱風量のいずれかの風量で駆動される。
自動運転モードで送風機22を停止する場合は、所定の時間、例えば一分間隔で強風量、中風量、弱風量と順次風量を下げて停止する。
自動運転モードの風量は、前回の自動運転モードおよび手動操作等で消火を判断した時点での風量で送風機22を駆動する。
そのため、中風量で送風機22の駆動が開始された場合は、消火検知の一分後に弱風量となり、さらに1分後に停止する。
つまり、風量を段階的に減少して停止する。
これに限ることはなく、風量を無段階に減少するようにし、風量を漸次減少させて停止するようにしてもよい。
【0065】
このようにして送風機22を停止することで、調理を続けて行うようにした場合に、先の調理が完了した後に、送風機22は所定の時間の駆動が続けて行われることによって、次の調理を始めるまでの間、送風機22の駆動が継続され、次の調理を送風機22が駆動した状態で始めることができる。そのため、即時に対応できる。
所定の時間は、複数の調理を連続して行うような場合に、先の調理が終わってから後の調理を始めるまでに送風機22が停止することを防ぐことができるような時間が好ましく、実施の形態では3分である。
【0066】
本発明のレンジフードは温度センサ25の検知温度により送風機22を駆動開始するので、例えば、ノイズによる温度検知エラーにより温度センサ25の検知温度が異常な高温と誤検知されてしまった場合に想定外に送風機22が駆動を開始する恐れがある。
また、火災が発生した時には室内温度が急激に異常な高温となり温度センサ25の検知温度が異常な高温となって送風機22が駆動を開始するが、火災の時に送風機22が駆動すると換気により空気の巡りが良くなってしまい火災を強めてしまうなど安全上の問題が発生する。
【0067】
このことを防止するために、
図2に一点鎖線で示すように通常時には発生することがない異常な値の第2閾値α2を制御部24に設定し、温度センサ25の検知温度による実際の温度上昇勾配αが第2閾値α2以上の時には送風機22を駆動開始しないように構成してある。実施の形態では、第2閾値α2を温度上昇が10秒間で60℃以下としている。
この構成とすることで、ノイズによる温度検知エラー、火災の発生による異常高温となった時にレンジフード20が運転を開始しないので、想定外の送風機22の駆動および安全上の問題が発生することを防止できる。
【0068】
レンジフード20の送風機22を常時換気状態として駆動する場合は、送風機22を停止する動作の時に常時換気状態とする。
また、自動運転モードで送風機22の駆動、停止を行う際に、レンジフードに設けられた照明の点灯、消灯を併せて行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…加熱調理器、11…加熱部、12…スイッチ、13…加熱部制御部、14…送信部、20…レンジフード、21…フード本体、22…送風機、23…運転スイッチ、24…制御部、25…温度センサ。