(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015559
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
B60L 15/00 20060101AFI20240130BHJP
B62K 5/025 20130101ALI20240130BHJP
B62M 7/12 20060101ALI20240130BHJP
A61G 5/02 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B60L15/00 J
B62K5/025
B62M7/12
A61G5/02 707
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117684
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】516367143
【氏名又は名称】ケイズ技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】稼農 公也
【テーマコード(参考)】
3D011
5H125
【Fターム(参考)】
3D011AA01
3D011AA07
5H125AA18
5H125AB03
5H125AC12
5H125BA00
5H125CA02
5H125EE41
5H125EE42
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成で使用者の運動機能に応じた駆動力の制御をすることができる電動車両を提供する。
【解決手段】 前輪2と後輪3とを有する電動車両1である。前輪2及び後輪3の少なくとも一方を駆動するための駆動部5と、駆動部5を作動するための操作部6と、駆動部5を制御するための制御部7とを備えている。操作部6は、互いに連動して作動する一対のペダル8と、一対のペダル8の作動状態に応じた第1信号s1を出力するセンサ9とを含んでいる。制御部7は、センサ9から入力される第1信号s1に基づき、駆動部5を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と後輪とを有する電動車両であって、
前記前輪及び前記後輪の少なくとも一方を駆動するための駆動部と、前記駆動部を作動するための操作部と、前記駆動部を制御するための制御部とを備え、
前記操作部は、互いに連動して作動する一対のペダルと、前記一対のペダルの作動状態に応じた第1信号を出力するセンサとを含み、
前記制御部は、前記センサから入力される前記第1信号に基づき、前記駆動部を制御する、
電動車両。
【請求項2】
前記制御部は、単位時間当たりに入力される前記第1信号に基づき、前記駆動部の速度を制御する、請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記操作部は、使用者が調整可能なゲイン調整手段を含み、
前記制御部は、前記ゲイン調整手段で調整されたゲインに基づき、前記単位時間当たりに入力される前記第1信号を増幅する、請求項2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記操作部は、操作状態に応じた第2信号を出力するアクセル装置を含み、
前記制御部は、前記センサから入力される前記第1信号又は前記アクセル装置から入力される前記第2信号に基づき、前記駆動部を制御する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項5】
前記操作部は、前記センサから入力される前記第1信号又は前記アクセル装置から入力される前記第2信号を選択的に切り換えて前記制御部に送る切換手段を含む、請求項4に記載の電動車両。
【請求項6】
前記前輪及び前記後輪の少なくとも一方を操舵するための操舵部を備え、
前記アクセル装置は、前記操舵部に設けられる、請求項4に記載の電動車両。
【請求項7】
前記操舵部は、前記前輪を操舵し、
前記駆動部は、前記後輪を駆動する、請求項6に記載の電動車両。
【請求項8】
前記操作部は、前記一対のペダルを連結する連結部材を含み、
前記センサは、前記連結部材の作動状態を検出する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項9】
前記連結部材は、ローラチェーンと、前記ローラチェーンの向きを変更するスプロケットとを含む、請求項8に記載の電動車両。
【請求項10】
前記センサは、前記ローラチェーン又は前記スプロケットの作動状態を検出する非接触近接スイッチである、請求項9に記載の電動車両。
【請求項11】
前記連結部材は、前記一対のペダルに反力を付与するための反力付与手段を含む、請求項8に記載の電動車両。
【請求項12】
前記一対のペダルは、それぞれ、往復運動する、請求項11に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪と後輪とを有する電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体の不自由な人の外出時に好適に用いられる電動車両が知られている。この種の電動車両は、使用者がアクセル操作をするのみで移動可能であることから、使用者の運動機能がより低下するおそれがあった。そこで、例えば、下記特許文献1では、使用者が自身の運動機能に応じてポンプ手段を作動させることで、電動モータに供給される電力を制御する電動車両を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電動車両は、圧縮空気を介して電動モータに供給される電力を制御しているので、ポンプ手段やタンクといった構成が必要であり、小型化と低コスト化に関して、更なる改善の要望があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、簡易な構成で使用者の運動機能に応じた駆動力の制御をすることができる電動車両を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前輪と後輪とを有する電動車両であって、前記前輪及び前記後輪の少なくとも一方を駆動するための駆動部と、前記駆動部を作動するための操作部と、前記駆動部を制御するための制御部とを備え、前記操作部は、互いに連動して作動する一対のペダルと、前記一対のペダルの作動状態に応じた第1信号を出力するセンサとを含み、前記制御部は、前記センサから入力される前記第1信号に基づき、前記駆動部を制御する、電動車両である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電動車両は、上述の構成を備えることにより、簡易な構成で使用者の運動機能に応じた駆動力の制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の電動車両の一実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の電動車両1を示す平面図であり、
図2は、
図1のA-A線の断面図である。
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の電動車両1は、前輪2と後輪3とを有する乗用車両である。電動車両1は、前輪2と後輪3とが取り付けられる車両本体4を有するのが望ましい。
【0010】
本実施形態の電動車両1は、前輪2及び後輪3の少なくとも一方を駆動するための駆動部5と、駆動部5を作動するための操作部6と、駆動部5を制御するための制御部7とを備えている。駆動部5、操作部6及び制御部7は、車両本体4に設けられるのが望ましい。
【0011】
本実施形態の操作部6は、互いに連動して作動する一対のペダル8を含んでいる。操作部6は、一対のペダル8の作動状態に応じた第1信号s1を出力するセンサ9を含むのが望ましい。
【0012】
本実施形態の制御部7は、センサ9から入力される第1信号s1に基づき、駆動部5を制御している。このような電動車両1は、使用者が一対のペダル8を動かすことで、駆動力を発揮することができ、ペダル8の作動状態に対する駆動力の大きさも調整自在である。このため、本実施形態の電動車両1は、簡易な構成で使用者の運動機能に応じた駆動力の制御をすることができる。
【0013】
より好ましい態様として、制御部7は、単位時間当たりに入力される第1信号s1に基づき、駆動部5の速度を制御している。このような制御部7は、ペダル8の作動速度に応じて駆動部5の速度を制御することができ、使用者の意図を電動車両1の速度に反映させることが容易である。
【0014】
操作部6は、例えば、使用者が調整可能なゲイン調整手段(図示省略)を含んでいる。制御部7は、ゲイン調整手段で調整されたゲインに基づき、単位時間当たりに入力される第1信号s1を増幅するのが望ましい。ゲイン調整手段は、例えば、第1信号s1の増幅量を有限又は無限の段階に調整可能である。制御部7は、例えば、ゲインの大きさに応じて単位時間の長さを変更してもよい。このような制御部7は、簡易な構成で使用者の運動機能に応じた駆動力の制御をすることができる。このため、使用者は、例えば、ゲインを大きくすることでペダル8をゆっくり作動させた場合にも、電動車両1を所定の速度で移動させることができる。
【0015】
電動車両1は、例えば、1つの前輪2と2つの後輪3とを有する三輪車である。このような電動車両1は、走行時の安定性と旋回性とを両立することに役立つ。なお、電動車両1は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、2つの前輪2と1つの後輪3とを有する三輪車であってもよく、2つの前輪2と2つの後輪3とを有する四輪車であってもよい。
【0016】
本実施形態の電動車両1は、前輪2及び後輪3の少なくとも一方を操舵するための操舵部10と、使用者が乗車時に着座するシート11とを備えている。このような電動車両1は、使用者がシート11に着座した状態で操舵部10を操舵することで、任意の方向への移動が許容される。
【0017】
本実施形態の操舵部10は、車両本体4の前方に取り付けられ、前輪2を操舵している。操舵部10は、例えば、バーハンドルである。このような操舵部10は、簡易な構成で操舵することができ、電動車両1の製造コストを低減することに役立つ。
【0018】
なお、操舵部10は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、円形ハンドルや屈曲形状のハンドルであってもよく、シート11等に設けられたレバー(図示省略)に連動するものであってもよい。また、操舵部10は、例えば、後輪3を操舵するものであってもよく、前輪2と後輪3とを同位相又は逆位相に操舵するものであってもよい。
【0019】
本実施形態のシート11は、車両本体4に取り付けられている。シート11は、車両本体4に対し、高さを自在に調整可能であるのが望ましい。このようなシート11は、使用者がペダル8を踏み込みやすい高さに調整することができる。
【0020】
シート11は、例えば、座面12と、背もたれ13と、一対の手すり14とを備えている。このようなシート11は、使用者がリラックスして着座することができる。なお、シート11は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、座面12のみで構成されていてもよく、座面12と背もたれ13とで構成されていてもよい。また、操舵部10が図示省略のレバーを有するとき、レバーは、手すり14に設けられるのが望ましい。
【0021】
本実施形態の駆動部5は、車両本体4の後方に設けられ、後輪3を駆動している。駆動部5は、例えば、駆動モータ15と減速装置16とを含んでいる。駆動モータ15は、二次電池(図示省略)から電力が供給され駆動するのが望ましい。減速装置16は、例えば、内部に歯車機構が収容された減速ケース17と、減速ケース17と後輪3とを連結する駆動チェーン18とを含んでいる。
【0022】
本実施形態の駆動チェーン18は、2つの後輪3をつなぐ車軸19に連結している。車軸19は、その中間部分に差動装置20を有するのが望ましい。本実施形態の車軸19は、車両本体4に軸受装置を介してリジッドに固定されている。このような車軸19は、電動車両1のスムーズな旋回に役立つ。なお、車軸19は、例えば、懸架装置を介して車両本体に取り付けられていてもよい。
【0023】
本実施形態の電動車両1は、後輪3の接地面よりも後方に接地可能な一対の補助輪21を備えている。補助輪21は、例えば、車両本体4に取り付けられている。補助輪21は、前輪2及び後輪3が接地時に離地しているのが望ましい。このような補助輪21は、段差や上り坂等で前輪2が浮くような力が作用した場合の電動車両1の後方への転倒を抑止することができ、通常走行時の走行性能に影響を与えるおそれがない。
【0024】
電動車両1は、例えば、後輪3の上方に荷物等を置くためのバスケット22が設けられている。バスケット22は、車両本体4に取り付けられるのが望ましい。電動車両1は、例えば、前輪2の上方に図示省略の前方バスケットが設けられていてもよい。前方バスケットは、操舵部10に取り付けられるのが望ましい。このような電動車両1は、走行させるときに多くの荷物を移動させることができる。
【0025】
本実施形態の操作部6は、操作量に応じた第2信号s2を出力するアクセル装置23を含んでいる。制御部7は、センサ9から入力される第1信号s1又はアクセル装置23から入力される第2信号s2に基づき、駆動部5を制御するのが望ましい。このような電動車両1は、使用者の体力に応じて駆動力を付与するための操作手段を選択することができる。すなわち、電動車両1は、例えば、往路をペダル8の操作により移動させ、復路をアクセル装置23の操作により移動させることができる。
【0026】
操作部6は、センサ9から入力される第1信号s1又はアクセル装置23から入力される第2信号s2を選択的に切り換えて制御部7に送る切換手段(図示省略)を含むのが望ましい。切換手段は、例えば、操舵部10に設けられる。このような操作部6は、駆動力を付与するための操作手段を任意に選択することができる。
【0027】
なお、制御部7は、操作部6に切換手段を設けることなく、例えば、第1信号s1と第2信号s2とが同時に入力された場合に、第1信号s1又は第2信号s2のいずれかに基づき駆動部5を制御するようにあらかじめ設定されていてもよい。
【0028】
本実施形態のアクセル装置23は、操舵部10に設けられている。このようなアクセル装置23は、電動車両1の走行速度と向きとを同時に操作することが容易であり、移動の安全性と快適性とを向上させることができる。
【0029】
図3は、操作部6の一部を概念的に示す斜視図であり、
図4は、
図3の操作部6の背面図である。
図3及び
図4に示されるように、本実施形態の操作部6は、一対のペダル8を連結する連結部材24を含んでいる。センサ9は、連結部材24の動きを検出するのが望ましい。このような操作部6は、一対のペダル8毎にセンサ9を設ける必要がなく、電動車両1の製造コストを低減させることに役立つ。
【0030】
連結部材24は、例えば、ペダル8を支持するクランクアーム25と、クランクアーム25の支点に固定されるカム26とを含んでいる。クランクアーム25及びカム26は、それぞれ、一対のペダル8に対応して一対設けられている。本実施形態の一対のペダル8は、それぞれ、クランクアーム25のペダル8が取り付けられていない端部を軸として、往復運動するものである。
【0031】
このような操作部6は、一方のペダル8を踏み込むと他方のペダル8を上昇させることができ、運動機能が制限された使用者であっても、操作が容易である。なお、操作部6は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、一対のクランクアーム25の軸に取り付けられた一対のかさ歯車と、一対のかさ歯車に噛み合うかさ歯車とにより、すなわち、3個のかさ歯車により構成されていてもよい。この場合の一対のかさ歯車は、同じ歯数であるのが望ましい。
【0032】
また、一対のペダル8は、例えば、クランクアーム25の軸を中心に回転運動するものであってもよい。この場合の一対のペダル8は、クランクアーム25の軸を中心に互いに180°の位相関係を有するのが望ましい。このときの連結部材24は、例えば、クランクアーム25とその軸とで構成されていてもよい。
【0033】
クランクアーム25は、例えば、その端部にペダル8が動かないように固定するためのストッパー27を有している。ストッパー27は、例えば、図示省略のロック部材と接触することで、ペダル8及びクランクアーム25が動かないように固定することができる。ロック部材は、手動又は機械的に、ペダル8の動きを固定する第1位置と、ペダル8の動きを許容する第2位置とに変更自在であるのが望ましい。
【0034】
このような操作部6は、ペダル8を固定することで安定した状態で、アクセル装置23の操作により電動車両1を移動させることができる。なお、ストッパー27は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、連結部材24のいずれかの動きを停止するものであればよい。
【0035】
本実施形態の連結部材24は、カム26に端部が取り付けられるローラチェーン28と、ローラチェーン28の向きを変更するスプロケット29とを含んでいる。このような連結部材24は、簡易な構成で一対のペダル8の動きを連動させることができる。
【0036】
連結部材24は、一対のペダル8に反力を付与するための一対の反力付与手段30を含むのが望ましい。反力付与手段30は、例えば、圧縮ばねを含んでいる。反力付与手段30は、カム26側の端部30aが車両本体4(
図1に示す)に固定され、反対側の端部30bで反力の程度を調整可能であるのが望ましい。このような操作部6は、使用者の運動機能に応じて、ペダル8の反力を調整することができる。
【0037】
ローラチェーン28は、その中間部分にローラチェーン28の曲がる向きを変更する接続部28aを含むのが望ましい。このようなローラチェーン28は、任意の向きに曲げることができ、センサ9の取付位置の自由度を高めることができる。
【0038】
スプロケット29は、例えば、一対の反力付与手段30から後方に延びるローラチェーン28の向きを上方に変更する一対の第1スプロケット29Aと、一対の第1スプロケット29Aの間を延びるローラチェーン28の向きを変更する第2スプロケット29Bとを含んでいる。このようなスプロケット29は、センサ9の取付位置の自由度を高めることに役立つ。
【0039】
センサ9は、例えば、ローラチェーン28又はスプロケット29の動きを検出する非接触近接スイッチである。センサ9は、スプロケット29の歯31を検出するのが望ましい。このような操作部6は、追加の構成要素が不要であり、電動車両1の製造コストを低減することに役立つ。
【0040】
なお、センサ9は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、ローラチェーン28のローラ部を検出するものであってもよく、別途設けられた検出用凹凸部(図示省略)を検出するものであってもよい。また、センサ9は、例えば、接触式検出器やポテンショメータ等であってもよい。
【0041】
本実施形態のセンサ9は、第2スプロケット29Bの歯31を検出している。すなわち、本実施形態では、非接触近接スイッチが第2スプロケット29Bの歯31を検出して、第1信号s1としてパルスを出力している。このようなセンサ9は、地面から離れた位置で検出することができ、土や泥といった汚れが付着し難く、誤検出を抑制することができる。
【0042】
制御部7は、例えば、第1信号s1として入力された単位時間当たりのパルス数に応じて、駆動部5の速度を制御している。このような制御部7は、スプロケット29の回転の向きによらず、駆動部5の速度を安定して制御することができる。なお、制御部7は、例えば、一対のペダル8が往復運動する場合であって、ペダル8のストローク端でスプロケット29が停止する時間が長い場合であっても、単位時間を長くすることで、駆動部5の速度の急変動を回避してもよい。
【0043】
図5は、他の実施形態の電動車両41の側面図である。上述の実施形態と共通の要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。
図5に示されるように、この実施形態の電動車両41は、ブロックパターンの前輪42及び後輪43を有している。このような電動車両41は、未舗装路を走行するのに適しており、レジャーやスポーツを目的としても使用することができる。
【0044】
この実施形態の電動車両41は、上述の電動車両1と同様、前輪42を操舵するための操舵部10と、後輪43を駆動するための駆動部5(
図2に示す)と、駆動部5を作動するための操作部6と、駆動部5を制御するための制御部7(
図2に示す)とを備えている。電動車両41は、上述の電動車両1と同様、補助輪21を備えるのが望ましい。このような電動車両41は、未舗装路であっても安定して走行することができる。
【0045】
操作部6は、互いに連動して作動する一対のペダル8と、一対のペダル8の作動状態に応じた第1信号s1を出力するセンサ9と、操作量に応じた第2信号s2を出力するアクセル装置23とを含むのが望ましい。
【0046】
このような電動車両41は、使用者が一対のペダル8を動かすことで、駆動力を発揮することができ、ペダル8の動き量に対する駆動力の大きさも調整自在である。また、この電動車両41は、使用者の体力に応じて駆動力を付与するための操作手段を選択することができる。このため、この実施形態の電動車両41は、上述の電動車両1と同様、簡易な構成で使用者の運動機能に応じた駆動力の制御をすることができる。
【0047】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0048】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0049】
[本発明1]
前輪と後輪とを有する電動車両であって、前記前輪及び前記後輪の少なくとも一方を駆動するための駆動部と、前記駆動部を作動するための操作部と、前記駆動部を制御するための制御部とを備え、前記操作部は、互いに連動して作動する一対のペダルと、前記一対のペダルの作動状態に応じた第1信号を出力するセンサとを含み、前記制御部は、前記センサから入力される前記第1信号に基づき、前記駆動部を制御する、電動車両
【0050】
[本発明2]
前記制御部は、単位時間当たりに入力される前記第1信号に基づき、前記駆動部の速度を制御する、本発明1に記載の電動車両。
【0051】
[本発明3]
前記操作部は、使用者が調整可能なゲイン調整手段を含み、
前記制御部は、前記ゲイン調整手段で調整されたゲインに基づき、前記単位時間当たりに入力される前記第1信号を増幅する、本発明2に記載の電動車両。
【0052】
[本発明4]
前記操作部は、操作状態に応じた第2信号を出力するアクセル装置を含み、前記制御部は、前記センサから入力される前記第1信号又は前記アクセル装置から入力される前記第2信号に基づき、前記駆動部を制御する、本発明1ないし3のいずれかに記載の電動車両。
【0053】
[本発明5]
前記操作部は、前記センサから入力される前記第1信号又は前記アクセル装置から入力される前記第2信号を選択的に切り換えて前記制御部に送る切換手段を含む、本発明4に記載の電動車両。
【0054】
[本発明6]
前記前輪及び前記後輪の少なくとも一方を操舵するための操舵部を備え、前記アクセル装置は、前記操舵部に設けられる、本発明4又は5に記載の電動車両。
【0055】
[本発明7]
前記操舵部は、前記前輪を操舵し、前記駆動部は、前記後輪を駆動する、本発明6に記載の電動車両。
【0056】
[本発明8]
前記操作部は、前記一対のペダルを連結する連結部材を含み、前記センサは、前記連結部材の作動状態を検出する、本発明1ないし7のいずれかに記載の電動車両。
【0057】
[本発明9]
前記連結部材は、ローラチェーンと、前記ローラチェーンの向きを変更するスプロケットとを含む、本発明8に記載の電動車両。
【0058】
[本発明10]
前記センサは、前記ローラチェーン又は前記スプロケットの作動状態を検出する非接触近接スイッチである、本発明9に記載の電動車両。
【0059】
[本発明11]
前記連結部材は、前記一対のペダルに反力を付与するための反力付与手段を含む、本発明8ないし10のいずれかに記載の電動車両。
【0060】
[本発明12]
前記一対のペダルは、それぞれ、往復運動する、本発明1ないし11のいずれかに記載の電動車両。
【符号の説明】
【0061】
1 電動車両
2 前輪
3 後輪
5 駆動部
6 操作部
7 制御部
8 ペダル
9 センサ