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特開2024-155597幼児座席用カバーの足元カバー及び幼児座席用カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155597
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】幼児座席用カバーの足元カバー及び幼児座席用カバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20241024BHJP
   B62J 1/18 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B62J1/00 D
B62J1/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070442
(22)【出願日】2023-04-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://item.rakuten.co.jp/little-kiddys/lkf/、令和5年3月21日 https://www.little-kiddys.com/g_40f.html、令和5年3月28日 リンエイ株式会社(岐阜県羽島郡岐南町八剣1丁目68番地)、令和5年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】519232426
【氏名又は名称】株式会社ペアライドプランニング&デザイン
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 貞明
(72)【発明者】
【氏名】宗宮 健治
(57)【要約】
【課題】幼児座席本体に対する前部可動体の回動移動の妨げとならずに、幼児の下肢に対する風雨をよけることができる幼児座席用カバーの足元カバー及びそれを用いた幼児座席用カバーを提供する。
【解決手段】足元カバー20では、一対の足元カバー本体21,22を連結状態とすることで前部可動体4を一対の足元カバー本体21,22で覆うことができるとともに、一対の足元カバー本体21,22の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側に開口領域ER1を形成し、前部可動体4を前下方へ回動移動可能な必要最低限の空間を開口領域ER1に形成できる。よって、幼児座席本体3に対する前部可動体4の回動移動の妨げとならずに、幼児の下肢に対する風雨をよけることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車に固定されて幼児を着座させる幼児座席本体と、
前記幼児座席本体の前部に設けられ、かつ、開閉ハンドルの操作によって前記幼児座席本体に対して前下方へ回動可能に連結される前部可動体と、
を備える幼児座席において、前記幼児座席を覆う幼児座席用カバーの足元カバーであって、
前記幼児座席本体の両側面を覆う前記幼児座席用カバーの一対の側面用シートにそれぞれ設けられ、かつ、前記前部可動体を覆うシート状の一対の足元カバー本体と、
前記足元カバー本体に設けられ、前記足元カバー本体同士を連結可能な連結部と、
を備え、
前記足元カバー本体は、
前記前部可動体が前記幼児座席本体を前方から覆う閉位置にあるときには、前記連結部によって前記足元カバー本体同士が連結されて、前記前部可動体を一対の前記足元カバー本体で覆う連結状態と、
前記連結部同士の連結が解除され、一対の前記足元カバー本体の下端側同士を連結させた状態のまま上端側同士を隔離して前記上端側に開口領域を形成する連結解除状態と、
に可変し、
前記連結解除状態では、
前記開口領域から前記開閉ハンドルが外部に露出されるとともに、前記前部可動体が前記幼児座席本体に対して前下方へ回動移動可能な空間を前記開口領域に形成する、
幼児座席用カバーの足元カバー。
【請求項2】
前記幼児座席用カバーの一方の側面用シートに設けた一方の前記足元カバー本体と、前記幼児座席用カバーの他方の側面用シートに設けた他方の前記足元カバー本体とは、外郭形状が非対称に形成されており、
一方の前記足元カバー本体は、前記連結状態のとき、前記前部可動体の前壁に前端が配置され、
他方の前記足元カバー本体は、前記連結状態のとき、前記前部可動体の前壁中心位置と、一方の前記足元カバー本体の前端とを覆い、一方の前記足元カバー本体に重ね合わせた状態で一方の前記足元カバー本体に対して連結される、
請求項1に記載の幼児座席用カバーの足元カバー。
【請求項3】
前記幼児座席用カバーの一方の側面用シートに設けた一方の前記足元カバー本体と、前記幼児座席用カバーの他方の側面用シートに設けた他方の前記足元カバー本体とは、外郭形状が非対称に形成されており、
一方の前記足元カバー本体は、前記連結状態のとき、前記前部可動体の前壁に前端が配置され、
他方の前記足元カバー本体は、前記連結状態のとき、前記前部可動体の前壁に設けられた前記開閉ハンドルと、一方の前記足元カバー本体の前端とを覆い、一方の前記足元カバー本体に重ね合わせた状態で一方の前記足元カバー本体に対して連結される、
請求項1に記載の幼児座席用カバーの足元カバー。
【請求項4】
前記連結部は、
一対の前記足元カバー本体の下端同士を連結させる下端連結部と
一対の前記足元カバー本体の上端同士を連結させる上端連結部と、
であり、
前記連結状態のときには、
前記上端連結部が、前記前部可動体の前壁中心位置及び前記下端連結よりも前記前部可動体の側方に配置されている、
請求項1に記載の幼児座席用カバーの足元カバー。
【請求項5】
自転車に固定されて幼児を着座させる幼児座席本体と、
前記幼児座席本体の前部に設けられ、かつ、開閉ハンドルの操作によって前記幼児座席本体に対して前下方へ回動可能に連結される前部可動体と、
を備える幼児座席を覆う、幼児座席用カバーであって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の前記幼児座席用カバーの足元カバーが、前記幼児座席の前記前部可動体を覆うように取り付けられている、幼児座席用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児座席用カバーの足元カバー及び幼児座席用カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車に固定される幼児座席として、図7(A)に示すように、幼児座席本体3の前部に、幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動可能な前部可動体4を設けた幼児座席2が知られている(例えば、特許文献1)。なお、図7(A)中、z1は、高さ方向の上方を示し、z2は、高さ方向の下方を示す。x1は、高さ方向と直交する、自転車1の前後方向の前方を示し、x2は、当該前後方向の後方を示す。y1は、高さ方向及び前後方向と直交する幅方向の一側方側(自転車1の前方から見て右方向)を示し、y2は、当該幅方向の他側方側(自転車1の前方から見て左方向)を示す。
【0003】
図7(B)は、前部可動体4が幼児座席本体3を前方から覆う閉位置にあるときの幼児座席2の様子を示す側面図であり、図7(C)は、前部可動体4が幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動して開位置にあるときの幼児座席2の様子を示す側面図である。
【0004】
幼児座席2は、自転車前部に設けられたハンドル1aにボルト等により固定され、幼児座席本体3に幼児を前向きで着座させる。幼児座席本体3は、上部ケース3aと、上部ケース3aの前部に一体成形された下部ケース3bとを備える。上部ケース3aには、背もたれ部、ヘッドレスト及び座部等が中空内部に設けられ、下部ケース3bには、座部に着座した幼児の下肢が載置されるフットレスト等が中空内部に設けられている。
【0005】
下部ケース3bは、上部ケース3aに設けた座部よりも低位置に段差をもって設けられている。これにより、上部ケース3aの座部に着座した幼児は、下部ケース3bにおいて下肢を軽く曲げた状態で内部のフットレストに足を乗せることができる。
【0006】
幼児座席本体3の側壁の上端前寄りの位置には、図7(B)に示すように、前部可動体4が基本位置である閉位置にあるときに、前部可動体4に設けたグリップバー5を掛合保持させるために切り欠かれたグリップバー掛合部3c(図7(C))が形成されている。
【0007】
前部可動体4は、略U字状に曲成された板体であり、閉位置において下部ケース3bの上部空間を前方及び左右側方から囲うように、下部ケース3bの前方位置に配される。これにより、下部ケース3bに配された幼児の下肢は、前部可動体4によって前方及び左右側方から覆われる。
【0008】
前部可動体4の後部には、幼児座席本体3に着座させた幼児の把持部となる、略コ字状に屈曲された棒状のグリップバー5が、前部可動体4の側壁間に横設されている。前部可動体4には、下部ケース3bの側壁の回動軸7aと連結された第1リンク機構7や、下部ケース3bの底部側壁の回動軸7cと連結した第2リンク機構(図示せず)等が設けられている。前部可動体4は、これら第1リンク機構7及び第2リンク機構によって幼児座席本体3の前部に連結支持されている。
【0009】
第2リンク機構は、下部ケース3bの底部後寄りの位置で前部可動体4を上下回動可能に連結支持するとともに、当該前部可動体4の前下方への回動移動を規制して所定角度(例えば、略60度)で回動させ得る。
【0010】
第1リンク機構7は、回動軸7aにより下部ケース3bの側壁に上下回動可能に連結し、回動軸7bにより前部可動体4の側壁に上下回動可能に連結している。前部可動体4の側壁の上下間の中央やや後寄りの位置には、前方へ湾曲する円弧状のスリット9が開設されている。スリット9は、前部可動体4の側壁において下方から上方に向かって延設されており、第1リンク機構7が連結した回動軸7bが、スリット9に対してその形成範囲内で移動可能に連結されている。
【0011】
このように、前部可動体4は、上下異なる高さ位置に配された2つの第1リンク機構7及び第2リンク機構によって幼児座席本体3に連結支持され、幼児座席本体3の所定の一点を中心に円弧状に回動させるだけでなく、幼児座席本体3と略平行に所定の範囲内で上下移動させたり、角度を異ならせながら回動させたりすることができる。
【0012】
なお、前部可動体4の前壁4aには、上記のように前部可動体4を回動(開閉)させるときに使用者の把持部となる開閉ハンドル8が設けられている。開閉ハンドル8は、前部可動体4の前壁に沿ってその上下方向、即ち、回動方向と同方向に延長される略棒状に形成されている。
【0013】
前部可動体4の前壁4aには、上下間及び左右間の略中央位置に、開閉ハンドル8の取付部となるハンドル支持枠4bが設けられており、開閉ハンドル8は、上端部がハンドル支持枠4bに対して回動可能に連結支持されている。開閉ハンドル8の下端部と下部ケース3bの前部との間には、前部可動体4が閉位置にあるときにロック状態となって、前部可動体4の回動を阻止し、開閉ハンドル8が引張操作されることでアンロック状態となって、前部可動体4の回動を許容するロック機構部(図示せず)が設けられている。
【0014】
これにより、幼児座席2は、前部可動体4が閉位置にあるときに開閉ハンドル8が使用者により引張操作されると、前部可動体4が回動可能なアンロック状態となる。そしてさらに、そのまま開閉ハンドル8を前下方へ引き下げ、前部可動体4を前下方の所定の開位置まで回動移動させることで、前部可動体4が回動しながら上部ケース3aから前下方へ大きく離反される。これにより、グリップバー5と上部ケース3aとの間隙を広く開けた状態になるように前部可動体4が開かれる(図7(C))。また、上記のように前部可動体4が開かれた開位置から、再び閉位置まで戻されると、前部可動体4が再びロック状態となる(図7(B))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2022―108994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
このように、幼児座席2では、幼児が上部ケース3aに乗り込めるようにグリップバー5と上部ケース3aとの間に大きな乗車空間を形成する必要があるため、前部可動体4が幼児座席本体3の上部ケース3aに対して前下方に回動しながら大きく傾いて回動移動する。このため、前部可動体4を覆い、幼児の下肢に対する風雨をよける足元カバーを幼児座席用カバーに設けると、足元カバーが前部可動体4の回動移動の妨げとなってしまうおそれがあった。
【0017】
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、幼児座席本体に対する前部可動体の回動移動の妨げとならずに、幼児の下肢に対する風雨をよけることができる幼児座席用カバーの足元カバー及びそれを用いた幼児座席用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る幼児座席用カバーの足元カバーは、自転車に固定されて幼児を着座させる幼児座席本体と、前記幼児座席本体の前部に設けられ、かつ、開閉ハンドルの操作によって前記幼児座席本体に対して前下方へ回動可能に連結される前部可動体と、を備える幼児座席において、前記幼児座席を覆う幼児座席用カバーの足元カバーであって、前記幼児座席本体の両側面を覆う前記幼児座席用カバーの一対の側面用シートにそれぞれ設けられ、かつ、前記前部可動体を覆うシート状の一対の足元カバー本体と、前記足元カバー本体に設けられ、前記足元カバー本体同士を連結可能な連結部と、を備え、前記足元カバー本体は、前記前部可動体が前記幼児座席本体を前方から覆う閉位置にあるときには、前記連結部によって前記足元カバー本体同士が連結されて、前記前部可動体を一対の前記足元カバー本体で覆う連結状態と、前記連結部同士の連結が解除され、一対の前記足元カバー本体の下端側同士を連結させた状態のまま上端側同士を隔離して前記上端側に開口領域を形成する連結解除状態と、に可変し、前記連結解除状態では、前記開口領域から前記開閉ハンドルが外部に露出されるとともに、前記前部可動体が前記幼児座席本体に対して前下方へ回動移動可能な空間を前記開口領域に形成する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、一対の足元カバー本体を連結状態とすることで、前部可動体を一対の足元カバー本体で覆うことができ、また、一対の足元カバー本体の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側に開口領域を形成することで、前部可動体を前下方へ回動移動可能な必要最低限の空間を開口領域に形成できる。よって、幼児座席本体に対する前部可動体の回動移動の妨げとならずに、幼児の下肢に対する風雨をよけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(A)は、本実施形態に係る足元カバーにおいて、一対の足元カバー本体同士を連結させた連結状態を示す概略図であり、(B)は、本実施形態に係る足元カバーにおいて、一対の足元カバー本体の上端側に開口領域を形成する連結解除状態を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る足元カバーの構成を示す展開図である。
図3】後端連結ベルトによって足元カバーを幼児座席用カバーに取り付ける取付方法を説明するための分解図である。
図4】対の後端連結ベルトにより対の足元カバー本体の後端同士を連結させる際の様子を示す概略図である。
図5】(A)は、一対の足元カバー本体の前端同士を連結させる際の様子を示す概略図であり、(B)は、前端連結ベルトも使用して一対の足元カバー本体の前端同士を連結させた足元カバーの構成を示す概略図である。
図6】(A)は、他の実施形態に係る足元カバーにおいて、一対の足元カバー本体同士を連結させた連結状態を示す概略図であり、(B)は、他の実施形態に係る足元カバーにおいて、一対の足元カバー本体の上端側に開口領域を形成する連結解除状態を示す概略図である。
図7】(A)は、自転車前部に設置される幼児座席の構成を示す斜視図であり、(B)は、前部可動体が幼児座席本体を前方から覆った閉位置にあるときの幼児座席の様子を示す側面図であり、(C)は、前部可動体が幼児座席本体に対して前下方へ回動移動した開位置にあるときの幼児座席の様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。以下の説明において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
(1)本実施形態に係る足元カバーを有する幼児座席用カバーの概要
図1(A)及び(B)は、本実施形態に係る足元カバー20を有する幼児座席用カバー10が自転車の幼児座席2に取り付けられたときの構成を示す概略図である。また、図1(A)は、本実施形態に係る足元カバー20において、一対の足元カバー本体21,22同士を連結させた連結状態を示す概略図であり、図1(B)は、本実施形態に係る足元カバー20において、一対の足元カバー本体21,22の上端側に開口領域ER1を形成する連結解除状態を示す概略図である。
【0023】
なお、幼児座席用カバー10が取り付けられる幼児座席2は、上述した背景技術にて説明した図7に示す幼児座席2であるため、ここではその説明は省略する。幼児座席用カバー10は、図示しない取付器具を用いて、幼児座席本体3の背もたれ部の背面や、自転車のハンドル1a等に固定される。
【0024】
図1(A)及び(B)に示す幼児座席用カバー10は、自転車前部の幼児座席2に取り付けられる前席用カバーであり、幅方向に並ぶ一対の側面用シート14a,14bと、一対の側面用シート14a,14bの間に設けられた天井用シート13dとを備え、幼児座席2に被せるようにして取り付けられる。なお、図1(A)及び(B)は、一対の側面用シート14a,14bの外周縁と天井用シート13dとを接続する天井用ファスナ(図示せず)を開いて、当該天井用シート13dを後方に折り返して一対の側面用シート14a,14b間に開口を形成している状態を示す。
【0025】
一対の側面用シート14a,14bは、幼児座席本体3の側方を覆うように配置され、天井用シート13dは、幼児座席本体3の前方や後方、上方を覆うように配置される。また、これに加えて、側面用シート14a,14bの下方前方には、前部可動体4に配置される足元カバー20(後述する)が設けられている。
【0026】
一対の側面用シート14a,14bは、同一形状からなり、透明な防水性材料や非透明材料等で形成され、外周が滑らかな曲線を有した略楕円形状に形成されている。側面用シート14a,14bは、弾性変形可能な線材でなる枠部13aが外周縁に設けられ、枠部13aにより側面用シート14a,14bがそれぞれ平面形状に保持される。
【0027】
天井用シート13dは、透明な防水性材料や非透明材料等で形成され、幼児座席2の前方から後方にかけて幼児座席2の上方を覆うように設けられ、幼児の搭乗時等に天井用ファスナを開くことによって、一対の側面用シート14a,14b間に広い開口を形成する。また、幼児座席用カバー10の後面となる天井用シート13dの後面には、バックパネルが設けられており、当該バックパネルにボタンホール等のカバー側固定具が形成されている。幼児座席用カバー10は、幼児座席本体3の背もたれ部の背面に設けられた取付器具(図示せず)のボタン等の固定具に、バックパネルに設けられたカバー側固定具が着脱自在に固定されることで、幼児座席本体3の背もたれ部に固定される。
【0028】
(2)本実施形態に係る足元カバーの構成
次に、本実施形態に係る足元カバー20の構成について説明する。本実施形態に係る足元カバー20は、透明な防水性材料や非透明材料等で形成されたシート状の一対の足元カバー本体21,22で構成されている。足元カバー20は、図1(A)に示すように、前部可動体4が幼児座席本体3を前方から覆う閉位置にあるときには、前部可動体4の前壁4a上において、一方の足元カバー本体21の一部に他方の足元カバー本体22が重ねられ、他方の足元カバー本体22のスナップボタン26a,26b,25が、一方の足元カバー本体21の対応するスナップボタン30a,30b,31(図1(B))に連結される。
【0029】
これにより、足元カバー20は、連結部としてのスナップボタン26a,26b,25,30a,30b,31によって、一対の足元カバー本体21,22同士が連結されて、前部可動体4を一対の足元カバー本体21,22で覆う連結状態となる(図1(A))。
【0030】
また、足元カバー20は、前部可動体4を幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動されるときには、図1(B)に示すように、スナップボタン26a,26b,25,30a,30b,31のうち、一対の足元カバー本体21,22の下端同士を連結させるスナップボタン(下端連結部)25,31同士を連結させた状態のまま、一対の足元カバー本体21,22の上端同士を連結させるスナップボタン(上端連結部)26a,26b,30a,30bの連結のみが解除される。
【0031】
これにより、足元カバー20は、一対の足元カバー本体21,22の上端同士のみを隔離させて当該上端側に開口領域ER1を形成する連結解除状態となる(図1(B))。足元カバー20は、連結解除状態となることで、前部可動体4の開閉ハンドル8を開口領域ER1から外部に露出させるとともに、前部可動体4が幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動可能な空間を当該開口領域ER1により形成する。
【0032】
かくして、足元カバー20は、前部可動体4から取り外すことなく、前部可動体4が幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動可能な空間を開口領域ER1により確保できるので、一対の足元カバー本体21,22が妨げとならずに、前部可動体4を幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動させることができる。
【0033】
ここで、図2は、本実施形態に係る足元カバー20の構成を示す展開図である。足元カバー20は、一方の側面用シート14aの下方前方に着脱自在に設けられる足元カバー本体21と、一方の側面用シート14aと対向する他方の側面用シート14bの下方前方に着脱自在に設けられる足元カバー本体22とで構成されている。本実施形態に係る一対の足元カバー本体21,22は、非対称に形成されており、一方の足元カバー本体21よりも他方の足元カバー本体22が幅方向に長い外郭形状を有している。
【0034】
一方の足元カバー本体21は、自転車の前方x1側に配置される、上下方向に延びた前端21aを有し、他方の足元カバー本体22と連結された連結状態のときに、前端21aが他方の足元カバー本体22で覆われて外部に非露出状態となる。足元カバー本体21は、連結状態となり、他方の足元カバー本体22が重ね合わせられた際に、他方の足元カバー本体22の前端22aが配置される位置に帯状の補強シート材18が設けられている。
【0035】
補強シート材18は、足元カバー本体21の前端21aの下端から上方に行くに従って次第に前端21aから遠ざかるように斜めに方向に延びた傾斜部18bと、傾斜部18bから前端21aとほぼ並走して延びる前端並走部18aとを有し、なだらかに曲がった「く」字状に形成されている。足元カバー本体21は、傾斜部18bの先端が位置する、前端21aの下端位置に、他方の足元カバー本体22のスナップボタン25と連結可能なスナップボタン31が設けられている。
【0036】
また、足元カバー本体21には、補強シート材18の前端並走部18aの先端上方に、他方の足元カバー本体22のスナップボタン26a,26bと連結可能なスナップボタン30a,30bが設けられている。足元カバー本体21は、上端連結部としてのスナップボタン30a,30bが、前端21a付近に設けたスナップボタン31よりも、前端21aから離れた位置に配置されている。足元カバー本体21は、図5(B)に示すように、他方の足元カバー本体22が重ね合わされて連結された際に、上端側に配置されたスナップボタン30a,30bで足元カバー本体22と重ね合わさる幅(上端側の連結位置での前端21a,22a間の距離W1)が、下端側に配置されたスナップボタン31で足元カバー本体22と重ね合わさる幅(下端側の連結位置での前端21a,22a間の距離W2)よりも大きくなる。
【0037】
図2に示すように、足元カバー本体21には、前端21aの上端21b側において、スナップボタン30a,30bよりも上方に複数のスナップボタン28a,28bが設けられている。足元カバー本体21は、例えば、一方のスナップボタン28aが、側面用シート14aの内面に設けられた対応するスナップボタン15a(図1)に連結されて、当該側面用シート14aに前端21aの上端21b側が固定される。
【0038】
なお、スナップボタン28bには、例えば、必要に応じて他方の足元カバー本体22に連結させた前端連結ベルト(後述する)に設けられたスナップボタンを連結させる。これにより、一対の足元カバー本体21,22を前端連結ベルトにより前部可動体4の前壁4a側で連結させることもできる。
【0039】
ここで、足元カバー本体21の後端21cは、前端21aの下側角部から、上端21bの後側角部までを湾曲状に結んだ辺であり、説明の便宜上、前端21aと対向する辺を後端上側部211cとし、上端21bと対向する辺を後端下側部212cとし、後端上側部211cと後端下側部212cとが、曲線頂点213cを境に連設している構成であるとして説明する。足元カバー本体21には、後端上側部211cの上端21b側に、当該後端上側部211cに沿って上下方向に複数の貫通孔29a,29bが設けられている。貫通孔29a,29bは、後述する後端連結ベルトを用いて側面用シート14a,14bに対して取り付けるためのものであり、詳細については後述する。
【0040】
かかる構成に加えて、足元カバー本体21には、前端21aと上端21bとの間において、側面用シート14aと連結するスナップボタン28aと、前端連結ベルトB3(図5にて後述する)の一端と連結するスナップボタン28bと、が配置された領域28が設けられている。また、この領域28と、スナップボタン30a,30bの配置領域との間には、前端21aから後端上側部211c側に向けて凹んだ凹み端部21fを有する。足元カバー本体21は、当該凹み端部21fによって、スナップボタン28a,28bが配置された領域28が舌状に突出された形状を有する。足元カバー本体21には、凹み端部21fと前端21aとを繋げる開口形成上端部21dを有する。
【0041】
足元カバー本体21は、図1(B)に示すように、一対の足元カバー本体21,22の下端同士をスナップボタン25,31により連結させた状態のまま、一対の足元カバー本体21,22の上端同士を連結していたスナップボタン26a,26b,30a,30bの連結のみが解除される連結解除状態になると、側面用シート14aのスナップボタン15aに連結されたスナップボタン28aから、他方の足元カバー本体22の下端と連結したスナップボタン31までの前端21a側の三角形状の領域(すなわち、凹み端部21f、開口形成上端部21d、及び、他方の足元カバー本体22の下端と連結したスナップボタン31までの三角形状の領域)が自由端となる。
【0042】
次に、他方の足元カバー本体22について説明する。他方の足元カバー本体22は、自転車1の前方x1側に配置される前端22aを有し、一方の足元カバー本体21と連結された連結状態のときに、前部可動体4の前壁中心位置Cと、一方の足元カバー本体21の前端21aとを覆い、一方の足元カバー本体21の表面に重ね合わせた状態で一方の足元カバー本体21に対して連結される。また、この際、他方の足元カバー本体22は、前部可動体4の前壁4aに設けられた開閉ハンドル8も覆い、当該開閉ハンドル8が外部に非露出状態となる。
【0043】
足元カバー本体22は、一方の足元カバー本体21と連結された連結状態のときに、一方の足元カバー本体21の補強シート材18に沿って前端22aが配置されるよう、前端22aの下端側に、補強シート材18の形状に即して、下方に行くに従って後端22c側に向けて傾斜した傾斜前端部22eを有する。足元カバー本体22は、前端22a側に、一方の足元カバー本体21の補強シート材18と同じ帯状の補強シート材19が設けられている。
【0044】
補強シート材19は、足元カバー本体22の前端22aの下端から上方に行くに従って次第に前端22aから遠ざかるように斜めに方向に延びた傾斜部19bと、傾斜部19bから前端22aとほぼ並走して延びる前端並走部19aとを有する。足元カバー本体22は、傾斜部19bの先端が位置する、前端22aの下端位置に、一方の足元カバー本体21のスナップボタン31と連結可能なスナップボタン25が設けられている。
【0045】
また、足元カバー本体22には、補強シート材19の前端並走部19aの先端付近に、一方の足元カバー本体21のスナップボタン30a,30bと連結可能なスナップボタン26a,26bが設けられている。足元カバー本体22では、上端連結部としてのスナップボタン26a,26bが、下端連結部としてのスナップボタン25よりも、一方の足元カバー本体21側に寄るように配置されている。足元カバー本体22は、一方の足元カバー本体21に重ね合わせて連結させた際に、上端側に配置されたスナップボタン26a,26bで足元カバー本体21と重ね合わさる幅(図5(B)中の距離W1)が、下端側に配置されたスナップボタン25で足元カバー本体21と重ね合わさる幅(図5(B)中の距離W2)よりも大きくなる。
【0046】
足元カバー本体22には、上端22b側にスナップボタン39aが設けられており、当該スナップボタン39aが、側面用シート14bの内面に設けられた対応するスナップボタン(図示せず)に連結されて、当該側面用シート14bに上端22b側が固定される。なお、例えば、必要に応じて後述する前端連結ベルトが挿通される挿通孔39bが、スナップボタン39aの近傍位置に形成されている。
【0047】
ここで、足元カバー本体22の後端22cは、前端22aの下側角部から、上端22bの後側角部までを湾曲状に結んだ辺であり、説明の便宜上、前端22aと対向する辺を後端上側部221cとし、上端22bと対向する辺を後端下側部222cとし、後端上側部221cと後端下側部222cとが、曲線頂点223cを境に連設している構成であるとして説明する。足元カバー本体22には、後端上側部221cの上端22b側に、当該後端上側部221cに沿って上下方向に複数の貫通孔42a,42bが設けられている。貫通孔42a,42bは、後述する後端連結ベルトを用いて側面用シート14a,14bに対して取り付けるためのものであり、詳細については後述する。
【0048】
かかる構成に加えて、足元カバー本体22には、側面用シート14bと連結するスナップボタン39aが配置された領域39の下方に、前端22aから後端上側部221c側に凹んだ凹み端部22fを有しており、当該凹み端部22fによって、スナップボタン39a及び挿通孔39bが配置された領域39が舌状に突出された形状を有する。足元カバー本体22には、凹み端部22fと前端22aとを繋げる開口形成上端部22dを有する。
【0049】
足元カバー本体22は、図1(B)に示すように、一対の足元カバー本体21,22の下端同士をスナップボタン25,31により連結させた状態のまま、一対の足元カバー本体21,22の上端同士を連結していたスナップボタン26a,26b,30a,30bの連結のみが解除される連結解除状態になると、側面用シート14bのスナップボタン52cに連結されたスナップボタン39aから、一方の足元カバー本体21の下端と連結したスナップボタン25までの前端22a側の三角形状の領域(すなわち、凹み端部22f、開口形成上端部22d、及び、一方の足元カバー本体21の下端と連結したスナップボタン25までの三角形状の領域)が自由端となり外側に向けて折り返し可能な状態となる。
【0050】
一対の足元カバー本体21,22は、連結解除状態となることで、一対の足元カバー本体21,22の開口形成上端部21d,22dがめくれて開口領域ER1を形成し、当該開口領域ER1から、前部可動体4の前壁4aに設けた開閉ハンドル8が外部に露出された状態となる。また、一対の足元カバー本体21,22が連結解除状態になると、前部可動体4が幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動可能な空間を開口領域ER1により形成し得る。
【0051】
次に、後端連結ベルトによって足元カバー20を幼児座席用カバー10に取り付ける取付方法について説明する。図3に示すように、足元カバー本体22は、前端22aの上端側に設けたスナップボタン39aが、側面用シート14bの内面に設けたスナップボタン52cに連結されるとともに、後端22c側に設けた貫通孔42a,42bのいずれかに、後端連結ベルトB2に設けたスナップボタン52aが位置決めされる。
【0052】
図3の領域ERは、後端連結ベルトB2のスナップボタン52aと、足元カバー本体22の貫通孔42aと、側面用シート14bの連結領域141に設けられたスナップボタン52bとの位置関係を示す拡大図である。領域ERに示すように、足元カバー本体22は、例えば、貫通孔42a内に位置決めされた後端連結ベルトB2のスナップボタン52aが、当該貫通孔42aを通して側面用シート14bの連結領域141に設けたスナップボタン52bに連結される。これにより、足元カバー本体22は、貫通孔42aを設けた後端22c側が、後端連結ベルトB2と側面用シート14bとの間に挟み込まれ、側面用シート14bに連結される。
【0053】
また、同様にして、一方の足元カバー本体21も、前端21aの上端側に設けたスナップボタン28aが、側面用シート14aの内面に設けたスナップボタン51cに連結されるとともに、後端21c側に設けた貫通孔29a,29bのいずれかに、他の後端連結ベルトB1に設けたスナップボタン51aが位置決めされる。
【0054】
そして、足元カバー本体21も、例えば、貫通孔29a内に位置決めされた後端連結ベルトB1のスナップボタン51aが、当該貫通孔29aを通して側面用シート14aの連結領域141に設けたスナップボタン51bに連結される。これにより、足元カバー本体21は、貫通孔29aを設けた後端21c側が、後端連結ベルトB1と側面用シート14aとの間に挟み込まれ、側面用シート14aに連結される。
【0055】
図4に示すように、一対の後端連結ベルトB1,B2は、ベルトアジャスタ等の連結調整具55により自由端同士が連結される。これにより、例えば、連結調整具55により一対の後端連結ベルトB1,B2の長さを適宜調整することで、離間した一対の側面用シート14a,14bを、足元カバー本体21,22を介在させて後端連結ベルトB1,B2により幼児座席本体3の下側(例えば、図7(C)に示す、上部ケース3aの下面3e等)で連結させることができる。
【0056】
次に、前端連結ベルトによって、対の足元カバー本体21,22の前端21a,22a同士を連結させる構成について説明する。図5(A)及び(B)に示すように、例えば、足元カバー本体21のスナップボタン31と足元カバー本体22のスナップボタン25とを連結させて下端同士を連結させるとともに、足元カバー本体21のスナップボタン30a,30bと足元カバー本体22のスナップボタン26a,26bとを連結させて上端同士を連結させて、一対の足元カバー本体21,22を連結状態とする際に、前端連結ベルトB3によっても一対の足元カバー本体21,22の前端同士を連結させるようにしてもよい。
【0057】
前端連結ベルトB3は、一端にスナップボタン57が設けられており、他端側には第1面に面ファスナが設けられた接着領域が設けられている。前端連結ベルトB3は、足元カバー本体22の上端側に設けた挿通孔39bに他端が挿通された後に、当該挿通孔39bを基点に、一方の足元カバー本体21側へ折り返すことで、当該他端の接着領域に他端を重ね合わせる。前端連結ベルトB3は、折り返して重ね合わせた面同士が面ファスナにより着脱自在に接着して、足元カバー本体22の上端側の挿通孔39bに固定される。
【0058】
前端連結ベルトB3は、一端側に設けたスナップボタン57が、一方の足元カバー本体21の上端側に設けたスナップボタン28bに連結される。前端連結ベルトB3は、足元カバー本体22の挿通孔39bで折り返して他端の接着領域で面同士を重ね合わせる領域を調整することで長さが調整される。このようにして、図5(B)に示すように、前部可動体4の前壁4aにおいて、一対の足元カバー本体21,22の前端21a,22a同士を前端連結ベルトB3でも連結させることができる。
【0059】
また、前端連結ベルトB3は、足元カバー本体22の挿通孔39bから、足元カバー本体21の上端側に設けたスナップボタン28bまでの間で張架されるように長さが調整されることで、一対の側面用シート14a,14bの間隔を保つことができる。これにより、例えば、一対の足元カバー本体21,22の上端同士を連結していたスナップボタン26a,26b,30a,30bの連結のみが解除される連結解除状態になっても、一方の足元カバー本体21のスナップボタン28bと、他方の足元カバー本体22の挿通孔39bとを前端連結ベルトB3で連結していることから、当該前端連結ベルトB3を介して一対の側面用シート14a,14bの間隔を一定に保つことができる。
【0060】
また、一対の足元カバー本体21,22の上端同士を連結していたスナップボタン26a,26b,30a,30bの連結が解除されるとともに、さらに、一対の足元カバー本体21,22の下端同士を連結していたスナップボタン25,31の連結も解除されて、一対の足元カバー本体21,22の前端21a,22a同士が全て離隔されても、スナップボタン28b及び挿通孔39bを連結する前端連結ベルトB3によって一対の側面用シート14a,14bが離間せずに一定の間隔を保つことができる。
【0061】
このため、自由端となった一対の足元カバー本体21,22の開口形成上端部21d,22dをそれぞれ折り畳んで、スナップボタン28b及び挿通孔39bを連結する前端連結ベルトB3によって一定の間隔が保持された一対の側面用シート14a,14bと、幼児座席2の側面側との隙間に、折り畳んだ足元カバー本体21,22の開口形成上端部21d,22dをそれぞれ挟み込ませることもできる。これにより、一対の足元カバー本体21,22の前端21a,22aを折り返した状態を維持させることができる。かくして、足元カバー20は、一対の足元カバー本体21,22の前端21a,22aを折り返した状態を維持し得ることで、気温が高い日には通気を確保して、快適性を向上させることができる。
【0062】
(3)作用及び効果
以上の構成において、幼児座席用カバー10で覆われる幼児座席2は、自転車1に固定されて幼児を着座させる幼児座席本体3と、当該幼児座席本体3の前部に設けられ、かつ、開閉ハンドル8の操作によって幼児座席本体3に対して前下方へ回動可能に連結される前部可動体4と、を備える。本実施形態に係る足元カバー20は、このような幼児座席2を覆う幼児座席用カバー10に着脱自在に設けられる。
【0063】
この場合、足元カバー20は、幼児座席本体3の両側面を覆う幼児座席用カバー10の一対の側面用シート14a,14bにそれぞれ設けられ、かつ、前部可動体4を覆うシート状の一対の足元カバー本体21,22と、当該足元カバー本体21,22に設けられ、かつ、足元カバー本体21,22同士を連結可能なスナップボタン(連結部)25、26a,26b,30a,30b,31とを備える。
【0064】
足元カバー本体21,22は、前部可動体4が幼児座席本体3を前方から覆う閉位置にあるときには、スナップボタン25、26a,26b,30a,30b,31によって足元カバー本体21,22同士が連結されて、前部可動体4を一対の足元カバー本体21,22で覆う連結状態となる。
【0065】
また、足元カバー本体21,22は、スナップボタン25、26a,26b,30a,30b,31のうち、上端側のスナップボタン26a,26b,30a,30bの連結が解除され、一対の足元カバー本体21,22の下端側同士を連結させた状態のまま上端側同士を隔離して当該上端側に開口領域ER1を形成する連結解除状態に可変する。
【0066】
一対の足元カバー本体21,22は、連結解除状態になることで、開口領域ER1から開閉ハンドル8が外部に露出されるとともに、前部可動体4が幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動可能な空間を開口領域ER1に形成することができる。
【0067】
これにより、足元カバー20では、一対の足元カバー本体21,22を連結状態とすることで、前部可動体4に設けられている開閉ハンドル8を一対の足元カバー本体21,22で覆うことができ、開閉ハンドル8に対する風雨をよけることができる。また、足元カバー20は、一対の足元カバー本体21,22の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側に開口領域ER1を形成することで、前部可動体4に設けられている開閉ハンドル8を開口領域ER1から外部に露出させることができるので、使用者が開閉ハンドル8を操作する際に妨げとなることを防止できる。
【0068】
さらに、足元カバー20では、一対の足元カバー本体21,22を連結状態とすることで前部可動体4を一対の足元カバー本体21,22で覆うことができるとともに、一対の足元カバー本体21,22の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側に開口領域ER1を形成し、前部可動体4を前下方へ回動移動可能な必要最低限の空間を開口領域ER1に形成できる。よって、足元カバー20は、連結解除状態になることで幼児座席本体3に対する前部可動体4の回動移動の妨げとならず、連結状態になることで幼児の下肢に対する風雨をよけることができる。
【0069】
また、足元カバー20では、一対の足元カバー本体21,22の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側にだけ開口領域ER1を形成しているため、連結解除状態から連結状態へ再び戻すときには、一対の足元カバー本体21,22で連結状態が維持されている下端を基準にして、一対の足元カバー本体21,22の上端同士がずれることなく、当該上端同士を簡単に連結させることができる。
【0070】
(4)他の実施形態
なお、上述した実施形態においては、一対の足元カバー本体21,22が連結状態のときには、下端連結部であるスナップボタン31,25が、前部可動体4の前壁中心位置Cを避けて側方にずれた位置(例えば、図1(A)では、自転車1を前方から見て、前壁中心位置Cから左方向のy2方向側にずれた位置)に配置され、上端連結部であるスナップボタン30a,30b,26a,26bが下側のスナップボタン31,25よりも更に側方(自転車1の前方から見て左方向のy2方向側)に配置されている構成とし、一対の足元カバー本体21,22の上端同士が隔離する位置が、前部可動体4の側壁近傍に位置し、前部可動体4の前壁4a上で斜め方向に前端21a,22a同士が隔離するようにした場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
【0071】
例えば、一対の足元カバー本体21,22が連結状態のときには、下端連結部であるスナップボタン31,25と、上端連結部であるスナップボタンとを、前部可動体4の前壁中心位置Cの近傍で足元カバー本体21,22の下端から上端に向けて直線的に配置したり、前壁中心位置Cから側方にずらした位置で足元カバー本体21,22の下端から上端に向けて直線的に配置したり、或いは、足元カバー本体21,22の下端から上端に向けて種々の位置から斜め方向に配置したりする等してもよい。
【0072】
また、上述した実施形態においては、足元カバー本体21,22の下端同士を連結させる下端連結部として、連結解除が可能なスナップボタン25,31を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。足元カバー本体21,22の下端同士を連結させる下端連結部が、連結解除が不可能で、足元カバー本体21,22とを下端で連接させた下端連結部を設けるようにしてもよい。
【0073】
ここで、図6(A)及び(B)は、他の実施形態に係る足元カバー40を有する幼児座席用カバー10が設けられた幼児座席2の全体構成を示す概略図である。図6(A)は、足元カバー40において、一対の足元カバー本体41,42同士を連結させた連結状態を示す概略図であり、図6(B)は、足元カバー40において、一対の足元カバー本体41,42の上端側に開口領域ER1を形成する連結解除状態を示す概略図である。
【0074】
この場合、足元カバー本体41,42には、一対の足元カバー本体41,42同士を連結可能な連結部としてスライドファスナ45が設けられている。スライドファスナ45は、一対の足元カバー本体41,42が連結状態のときに、前部可動体4の前壁中心位置Cを避けて前壁中心位置Cから側方にずらした位置にて、足元カバー本体21,22の下端から上端に向けて直線的に配置されるように設けた例を示している。
【0075】
足元カバー本体41,42は、例えば、図6(A)に示すように、一対の足元カバー本体41,42を連結するスライドファスナ45のスライド部材45aが足元カバー本体41,42の上端に位置するときに、足元カバー本体41,42同士が連結されて、前部可動体4を一対の足元カバー本体41,42で覆う連結状態となる。
【0076】
また、足元カバー本体41,42は、スライドファスナ45のスライド部材45aが足元カバー本体41,42の上端から下端側に移動されることで、スライドファスナ45での連結が解除され、一対の足元カバー本体41,42の下端側同士を連結させた状態のまま上端側同士を隔離して当該上端側に開口領域ER1を形成する連結解除状態に可変する。
【0077】
なお、スライドファスナ45としては、一対の足元カバー本体41,42の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側に開口領域ER1を形成するように、足元カバー本体41,42の下端でのスライド部材45aのスライドを防止して連結状態が維持されるスライドストッパ45bを設けるようにしてもよい。
【0078】
以上の構成においても、一対の足元カバー本体41,42は、連結解除状態になることで、開口領域ER1から開閉ハンドル8が外部に露出されるとともに、前部可動体4が幼児座席本体3に対して前下方へ回動移動可能な空間を開口領域ER1に形成することができる。
【0079】
これにより、足元カバー40でも、上述した実施形態と同様に、一対の足元カバー本体41,42を連結状態とすることで前部可動体4を一対の足元カバー本体41,42で覆うことができるとともに、一対の足元カバー本体41,42の下端同士を連結させた状態のまま上端同士を隔離して上端側に開口領域ER1を形成し、前部可動体4を前下方へ回動移動可能な必要最低限の空間を開口領域ER1に形成できる。よって、足元カバー40は、連結解除状態になることで幼児座席本体3に対する前部可動体4の回動移動の妨げとならず、連結状態になることで幼児の下肢に対する風雨をよけることができる。
【0080】
なお、上述した実施形態においては、足元カバー本体21,22,41,42をそれぞれ側面用シート14a,14bに対して着脱自在に設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、足元カバー本体21,22,41,42をそれぞれ側面用シート14a,14bに対して一体成形とし、側面用シート14a,14bから分離できない構成としてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態においては、足元カバー本体21,22同士を連結可能な連結部として、上述したスライドファスナ45の他に、ボタン及びボタンホールでなる連結具、フック状に起毛されたフック部とループ状に密集して起毛されたループ部とを押し付けることで着脱自在に連結する面ファスナ、粘着テープ等、その他種々の連結具を連結部として適用してもよい。
【0082】
また、上述した実施形態においては、前部可動体4の前壁4aの上下間及び左右間の略中央位置に、引張操作可能な開閉ハンドル8を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、前部可動体4の前壁4aにおいて上下間のいずれか一方、又は、左右間のいずれか一方に偏った位置に、引張操作可能な開閉ハンドル8を設けた構成や、回転操作可能な開閉ハンドルを設けた構成としてもよい。この場合、足元カバー20,40は、開閉ハンドル8が設けられた領域に開口領域ER1が形成されるように、一対の足元カバー本体21,22,41,42を連結する連結部の位置を適宜変更した構成にすることが望ましい。
【0083】
また、上述した実施形態においては、足元カバー本体21,22の後端21c,22c側の貫通孔29a,42a(或いは貫通孔29b,42b)を、一対の後端連結ベルトB1,B2(図3)を介して側面用シート14a,14bに連結し、後端連結ベルトB1,B2の長さを調整して足元カバー本体21,22の配置位置を調整するようにしたが、本発明はこれに限らない。例えば、足元カバー本体21,22の後端21c,22c側にスナップボタンや面ファスナ等の連結具を設けて、当該連結具を、側面用シート14a,14bに設けた対応する連結具に連結して足元カバー本体21,22の配置位置を調整するようにしてもよい。
【0084】
また、他の実施形態としては、足元カバー本体21,22同士を連結する上端側のスナップボタン26a,26b,30a,30bの位置や、下端側のスナップボタン25,31の位置、足元カバー本体21,22の開口形成上端部21d,22dのそれぞれの外形形状、足元カバー本体21,22の前端21a,22aのそれぞれの外形形状を適宜変更して、足元カバー本体21,22同士を重ね合わせて連結させた際に、足元カバー本体21,22の重ね合わさる上端側の前端21a,22a間の幅(図5(B)中の距離W1)が、足元カバー本体21,22の重ね合わさる下端側の前端21a,22a間の幅(図5(B)中の距離W2)よりも大きくなる構成を実現してもよい。また、上端連結部(スナップボタン26a,26b,30a,30b)は、前部可動体4の前壁中心位置C及び下端連結(スナップボタン25,31)よりも前部可動体4の側方(例えば、図1(A)ではy2側)に配置されている構成であれば種々の位置に配置してもよい。
【0085】
また、他の実施形態に係る足元カバーとしては、上述した足元カバー20,40の各構成を適宜組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 自転車
20,40 足元カバー
21,22,41,42 足元カバー本体
25,31 スナップボタン(連結部、下端連結部)
26a,26b,30a,30b スナップボタン(連結部、上端連結部)
45 スライドファスナ(連結部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7