(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155609
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241024BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241024BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q10/20
H04N1/00 002A
B41J29/393 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070466
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 慧
(72)【発明者】
【氏名】野口 大介
(72)【発明者】
【氏名】中山 博義
(72)【発明者】
【氏名】河部 匡剛
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AR01
2C061KK04
2C061KK13
2C061KK27
2C061KK35
5C062AB01
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC55
5C062AC61
5C062AC65
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF15
5C062BD01
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常を精度よく発見する。
【解決手段】CPU21は、画像形成装置12に対する指示情報と、指示情報に基づいて画像形成装置12にて記録媒体に形成された画像の検査装置14による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、検査装置14による検査領域40を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、画像形成装置に対する指示情報と、前記指示情報に基づいて前記画像形成装置にて記録媒体に形成された画像の検査装置による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、
前記検査装置による検査領域を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記区画毎の検査異常数が前記検査装置による指定の検査回数以上である場合、前記異常監視結果として、前記検査装置の異常の可能性を通知する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記検査装置による検査回数に対する前記区画毎の検査異常数の割合が閾値以上である場合、前記検査装置の異常の可能性を通知する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記設定条件をジョブ数又は日数とする
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記ジョブ数又は前記日数の途中であっても、前記区画毎の検査異常数に基づいて、前記検査装置の異常の可能性を通知する
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、複数の前記ジョブ数に跨って同じ前記区画に異常があった場合、又は複数の前記日数に跨って同じ前記区画に異常があった場合、前記検査装置の異常の可能性を通知する
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記区画毎の検査異常数に基づいて、前記異常監視結果としてヒートマップを生成し、前記検査装置の異常の可能性を通知する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記ヒートマップは、前記区画より大きな区画で形成されている
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
画像形成装置に対する指示情報と、前記指示情報に基づいて前記画像形成装置にて記録媒体に形成された画像の検査装置による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、
前記検査装置による検査領域を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板に印刷された半田の印刷状態の検査を行う半田検査において、検査によって得られた判定結果を基板の各電極について各基板毎に累積記憶し、検査結果情報を参照する際には、累積された判定結果を画面の半田印刷位置マップ上に、バルーンマークの位置および大きさによって、NG発生位置および発生頻度を表示し、さらに必要に応じて印刷方向との関連やNG種類などの詳細情報を表示させる半田検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常を精度よく発見することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成装置に対する指示情報と、前記指示情報に基づいて前記画像形成装置にて記録媒体に形成された画像の検査装置による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、前記検査装置による検査領域を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する。
【0006】
第2態様に係る情報処理システムは、第1態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記区画毎の検査異常数が前記検査装置による指定の検査回数以上である場合、前記異常監視結果として、前記検査装置の異常の可能性を通知する。
【0007】
第3態様に係る情報処理システムは、第1態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記検査装置による検査回数に対する前記区画毎の検査異常数の割合が閾値以上である場合、前記検査装置の異常の可能性を通知する。
【0008】
第4態様に係る情報処理システムは、第1態様から第3態様のいずれか一態様に記載の情報処理システムにおいて、前記設定条件をジョブ数又は日数とする。
【0009】
第5態様に係る情報処理システムは、第4態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記ジョブ数又は前記日数の途中であっても、前記区画毎の検査異常数に基づいて、前記検査装置の異常の可能性を通知する。
【0010】
第6態様に係る情報処理システムは、第4態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、複数の前記ジョブ数に跨って同じ前記区画に異常があった場合、又は複数の前記日数に跨って同じ前記区画に異常があった場合、前記検査装置の異常の可能性を通知する。
【0011】
第7態様に係る情報処理システムは、第1態様から第6態様のいずれか一態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記区画毎の検査異常数に基づいて、前記異常監視結果としてヒートマップを生成し、前記検査装置の異常の可能性を通知する。
【0012】
第8態様に係る情報処理システムは、第7態様に記載の情報処理システムにおいて、前記ヒートマップは、前記区画より大きな区画で形成されている。
【0013】
第9態様に係るプログラムは、画像形成装置に対する指示情報と、前記指示情報に基づいて前記画像形成装置にて記録媒体に形成された画像の検査装置による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、前記検査装置による検査領域を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1態様に係る情報処理システムによれば、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0015】
第2態様に係る情報処理システムによれば、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0016】
第3態様に係る情報処理システムによれば、記録媒体のサイズが異なる場合であっても、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0017】
第4態様に係る情報処理システムによれば、設定条件として画像形成枚数を設定する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0018】
第5態様に係る情報処理システムによれば、設定したジョブ数又は設定した日数の途中で、区画毎の検査異常数が基準値に達した場合でも、検査装置の異常の可能性が通知される。
【0019】
第6態様に係る情報処理システムによれば、1ジョブだけで異常判断する場合と比較して、検査装置に異常がある可能性が誤って通知されてしまう可能性が抑制される。
【0020】
第7態様に係る情報処理システムによれば、区画毎の検査異常数が数値で表示される場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0021】
第8態様に係る情報処理システムによれば、小さな区画のままヒートマップ化する場合と比較して、ユーザが異常個所を把握しやすい。
【0022】
第9態様に係るプログラムによれば、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態に係る設定条件の設定画面を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る検査領域について説明する説明図である。
【
図5】第1実施形態に係る検査領域の区画とヒートマップの区画を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る異常監視結果の出力画面を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る情報処理装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係る情報処理装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第3実施形態に係る情報処理装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】別の実施形態に係る設定条件の設定画面を示す図である。
【
図11】別の実施形態に係る異常監視結果の出力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係る情報処理システムについて、図面を参照して説明する。第1実施形態では、情報処理システム10は、画像形成装置12が記録媒体に形成した画像に対する検査結果の異常を監視する例を説明する。
【0025】
[情報処理システムの構成]
図1に示すように、情報処理システム10は、画像形成装置12と、検査装置14と、ユーザ端末16と、情報処理装置20と、を備えている。
【0026】
画像形成装置12と、検査装置14と、ユーザ端末16と、情報処理装置20とは、ネットワークNを介して接続されており、互いに通信可能とされている。
【0027】
(画像形成装置12)
画像形成装置12は、例えば、商業用の印刷を行うプロダクションプリンタとされる。画像形成装置12は、情報処理装置20からの指示情報に従って、記録媒体に画像を形成する。指示情報は、記録媒体に画像形成するのに必要な情報であり、画像データ、記録培媒体の種類、印刷枚数、記録媒体のサイズ、モノクロ印刷又はカラー印刷の情報等である。なお、指示情報は、外部端末からネットワークNを介して、情報処理装置20又は画像形成装置12に入力されてもよい。
【0028】
(検査装置14)
検査装置14は、画像形成装置12が形成した画像を検査する。検査装置14は、例えば、イメージセンサやカメラによって、記録媒体に形成された画像を撮像し、撮像画像と画像形成装置12に入力された画像データとを比較することで、例えば、撮像画像中の汚れやキズの有無を検査する。検査装置14の検査結果には、記録媒体に形成された画像の異常個所が含まれているものとする。
【0029】
(ユーザ端末16)
ユーザ端末16は、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン等であり、画像形成装置12を維持・管理するメンテナンススタッフ等のユーザにより使用される。ユーザは、ユーザ端末16を使用して、情報処理装置20へ設定条件を入力可能となっている。設定条件は、予め定められるものであり、ユーザによりユーザ端末16に入力されることで設定されてもよいし、情報処理システム10の出荷時に予め設定されていてもよい。設定条件は、ジョブ数とすることができる。
【0030】
図2に示すように、ユーザ端末16は、ディスプレイ16Aを備えている。ディスプレイ16Aには、ユーザが入力するジョブ数の設定画面が表示されるようになっている。また、ディスプレイ16Aには、情報処理装置20が処理した情報が出力されるようになっている。
【0031】
(情報処理装置20)
情報処理装置20は、webサーバー、データベースサーバー、等のサーバーとして機能する。情報処理装置20は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、記憶部24と、通信部25と、を備えている。各構成は、バス26を介して相互に通信可能に接続されている。
【0032】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されたプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0033】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0034】
記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。記憶部24には、後述する検査異常監視処理を実行させるためのプログラムが格納されている。
【0035】
通信部25は、ネットワークNを介して、画像形成装置12、検査装置14及びユーザ端末16と通信するためのインターフェースである。
【0036】
[情報処理装置の機能構成]
情報処理装置20は、画像形成装置12に入力された指示情報と、検査装置14の検査結果と、ユーザ端末16に入力されたジョブ数とが、ネットワークNを介して、情報処理装置20に入力され、情報処理装置20において実行された検査異常監視処理の処理結果が、ネットワークNを介して、ユーザ端末16に出力されるようになっている。情報処理装置20では、CPU21が、ROM22又は記憶部24に記録されたプログラムにしたがって、検査異常監視処理を実行する。
【0037】
図3に示すように、情報処理装置20は、機能的には、取得部31と、区画生成部32と、異常区画特定部33と、カウント部34と、検査異常判定部35と、マップ生成部36と、通知部37と、を備えている。
【0038】
(取得部31)
取得部31は、画像形成装置12に対する指示情報を取得する。取得部31は、指示情報に基づいて画像形成装置12にて記録媒体に形成された画像の検査装置14による検査結果を取得する。取得部31は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数を取得する。言い換えると、取得部31は、画像形成装置12に対する指示情報と、検査装置14による検査結果とを、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲で取得する。
【0039】
なお、取得部31は、画像形成装置12に対する指示情報と、検査装置14による検査結果とを、予め設定したジョブ数の範囲で取得してもよい。
【0040】
(区画生成部32)
図4に示すように、区画生成部32は、検査装置14による検査領域40を分割して複数の区画41を生成する。区画生成部32は、記録媒体に対応した検査領域40を分割して複数の区画41に生成する。
【0041】
(異常区画特定部33)
図4に示すように、異常区画特定部33は、検査装置14による検査結果に基づいて、区画41のうち、検査異常個所(NG箇所)に対応した異常区画41Eを特定する。具体的には、異常区画特定部33は、検査装置14による検査結果がNGの場合、検査異常個所に対応する区画41を異常区画41Eと特定する。
【0042】
(カウント部34)
カウント部34は、画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数をカウントする。また、カウント部34は、画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達したか否かを判定する。
【0043】
カウント部34は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、異常区画41Eの発生回数をカウントする。言い換えると、カウント部34は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、区画毎の検査異常数をカウントする。
【0044】
(検査異常判定部35)
検査異常判定部35は、異常区画41Eの発生回数に基づいて、検査装置14の異常を判定する。具体的には、検査異常判定部35は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上である場合、検査装置14に異常の可能性が高いと判定する。指定の検査回数は、ユーザにより設定可能なものであり、例えば、ユーザ端末16から入力ができるようになっている。
【0045】
なお、検査異常判定部35は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、区画毎の検査異常数が検査装置14による検査回数以上である場合、検査装置14に異常の可能性が高いと判定してもよい。
【0046】
また、記録媒体のサイズが異なるジョブを受け付ける頻度が高い場合には、検査異常判定部35は、検査装置14による検査回数に対する区画毎の検査異常数の割合が閾値以上である場合、検査装置14に異常の可能性が高いと判定してもよい。
【0047】
また、検査異常判定部35は、複数のジョブ数に跨って同じ区画41に異常があった場合、検査装置14に異常の可能性が高いと判定してもよい。この場合、検査異常判定部35は、区画毎の検査異常数について重みづけをして、検査装置14に異常の可能性を判定してもよい。
【0048】
(マップ生成部36)
図5に示すように、マップ生成部36は、区画毎の検査異常数に基づいて、異常監視結果としてのヒートマップ50を生成する。例えば、マップ生成部36は、区画毎の検査異常数が第1閾値より多い場合、ヒートマップ50の区画51を黄色にした黄色区画S1を生成する。マップ生成部36は、区画毎の検査異常数が第1閾値より大きな第2閾値より多い場合、ヒートマップ50の区画51をオレンジ色にしたオレンジ色区画S2を生成する。マップ生成部36は、区画毎の検査異常数が第2閾値より大きな第3閾値より多い場合、ヒートマップ50の区画51を赤色にした赤色区画S3を生成する。
【0049】
図5に示すように、ヒートマップ50の区画51は、検査領域40の区画41より大きく形成することができる。
【0050】
(通知部37)
図6に示すように、通知部35は、ヒートマップ50をユーザ端末16のディスプレイ16Aに出力して、検査異常判定部35の判定結果を通知する。
【0051】
すなわち、情報処理装置20は、検査装置14による検査領域40を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する。情報処理装置20は、検査異常判定部35の判定結果が異常ありと判定した場合に、異常監視結果として出力してもよいし、検査異常判定部35の判定結果が異常なしと判定した場合にも、異常監視結果として出力してもよい。
【0052】
[検査異常監視処理の流れ]
図7に示すように、検査意匠監視処理を開始すると、取得部31は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数と、画像形成装置12に入力された指示情報と、検査装置14の検査結果とを、取得する(ステップS101)。
【0053】
次いで、区画生成部32は、検査装置14による検査領域40を分割して複数の区画41を生成する(ステップS102)。
【0054】
次いで、異常区画特定部33は、検査装置14による検査結果に基づいて、区画41のうち、検査異常個所に対応した異常区画41Eを特定する(ステップS103)。
【0055】
次いで、カウント部34は、異常区画41Eの発生回数をカウントする(ステップS104)。
【0056】
次いで、カウント部34は、画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達したか否かを判定する(ステップS105)。画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達したと判定された場合(ステップS105でYES)、ステップS106に進む。一方、画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達していないと判定された場合(ステップS105でNO)、ステップS104に戻る。
【0057】
ステップS106に進むと、マップ生成部36は、区画毎の検査異常数に基づいて、ヒートマップ50を生成する。
【0058】
次いで、検査異常判定部35は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上であるか否かを判定する(ステップS107)。区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上であると判定された場合(ステップS107でYES)、ステップS108に進む。一方、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上でないと判定された場合(ステップS107でNO)、ステップS109に進む。
【0059】
ステップS108に進むと、通知部35は、ヒートマップ50をユーザ端末16に出力して、検査異常判定部35の判定結果を通知し(ステップS108)、検査意匠監視処理を終了する。
【0060】
ステップS109に進むと、情報処理装置20は、カウント部34がカウントした情報をリセットして、ステップS101に戻る。
【0061】
[作用]
ところで、従来の画像形成された記録媒体の検査結果には、画像形成装置12の異常が原因で発生した異常と、記録媒体に形成された画像を検査する検査装置の異常が原因で発生した異常と、が含まれる。そのため、画像形成装置12に異常があるのか、検査装置14に異常があるのか判断することが困難であった。この場合、どちらの装置に異常があるのかを特定するのに時間がかかってしまったり、作業者の経験に依存して原因を特定しなければならなかったりする。
【0062】
第1実施形態の情報処理システム10では、CPU21は、画像形成装置12に対する指示情報と、指示情報に基づいて画像形成装置12にて記録媒体に形成された画像の検査装置14による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、検査装置14による検査領域40を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する(
図6参照)。
【0063】
CPU21は、検査装置14による検査領域40を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力することで、予め設定した設定条件の範囲で、同じ区画41で検査異常が頻発した場合、検査装置14に異常がある可能性が通知される。そして、細分化した区画41において、異常個所が特定される。そのため、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0064】
第1実施形態の情報処理システム10では、CPU21は、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上である場合、検査装置14の異常の可能性を通知する(
図7参照)。
【0065】
CPU21は、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上である場合、検査装置14の異常の可能性を通知することで、同じ区画41で検査異常が頻発した場合、検査装置14の異常の可能性が通知される。そのため、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0066】
第1実施形態の情報処理システム10では、設定条件をジョブ数とする(
図2参照)。
【0067】
設定条件をジョブ数とすることで、設定されたジョブ数の範囲において、同じ区画41で検査異常が頻発した場合、検査装置14に異常がある可能性が通知される。そのため、設定条件として画像形成枚数を設定する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0068】
第1実施形態の情報処理システム10では、CPU21は、区画毎の検査異常数に基づいて、ヒートマップ50を生成し、検査装置14の異常の可能性を通知する(
図6参照)。
【0069】
CPU21は、区画毎の検査異常数に基づいて、ヒートマップ50を生成し、検査装置14の異常の可能性を通知することで、区画毎の検査異常数がヒートマップ50で表示される。そのため、区画毎の検査異常数が数値で表示される場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0070】
第1実施形態の情報処理システム10では、ヒートマップ50は、検査領域40の区画41より大きな区画51で形成されている(
図5参照)。
【0071】
ヒートマップ50は、検査領域40の区画41より大きな区画51で形成されていることで、小さな区画のままヒートマップ化する場合と比較して、ユーザが異常個所を把握しやすい。
【0072】
〔第2実施形態〕
第2実施形態の情報処理システムは、検査異常監視処理の流れが異なる点で、第1実施形態の情報処理システムと相違する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を用いて説明する。
【0073】
[検査異常監視処理の流れ]
第2実施形態の検査異常監視処理の流れでは、ステップS101からステップS104の処理は、第1実施形態の検査異常監視処理の流れと同様である。
【0074】
図8に示すように、ステップS201では、検査異常判定部35は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上であるか否かを判定する。区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上であると判定された場合(ステップS201でYES)、ステップS202に進む。一方、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上でないと判定された場合(ステップS201でNO)、ステップS204に進む。
【0075】
ステップS202に進むと、マップ生成部36は、区画毎の検査異常数に基づいて、ヒートマップ50を生成する。
【0076】
次いで、通知部35は、ヒートマップ50をユーザ端末16に出力して、検査異常判定部35の判定結果を通知し(ステップS203)、検査意匠監視処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS204に進むと、カウント部34は、画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達したか否かを判定する(ステップS204)。画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達したと判定された場合(ステップS204でYES)、ステップS205に進む。一方、画像形成装置12が記録媒体に画像を形成したジョブ数が、ユーザ端末16に入力されて設定されたジョブ数に達していないと判定された場合(ステップS205でNO)、ステップS104に戻る。
【0078】
ステップS205に進むと、情報処理装置20は、カウント部34がカウントした情報をリセットして、ステップS101に戻る。
【0079】
[作用]
ところで、プロダクション印刷等の製造工程では、1ジョブで大量印刷することがある。この場合、1ジョブ内で検査異常数が基準値に達する可能性がある。そうすると、画像形成装置12に異常があったとしても、検査装置14に異常がある可能性が通知されてしまう。
【0080】
第2実施形態の情報処理システム10では、CPU21は、ジョブ数の途中であっても、区画毎の検査異常数に基づいて、検査装置14の異常の可能性を通知する(
図8参照)。
【0081】
CPU21は、ジョブ数の途中であっても、区画毎の検査異常数に基づいて、検査装置14の異常の可能性を通知することで、設定したジョブ数の途中で、区画毎の検査異常数が基準値に達した場合でも、検査装置の異常の可能性が通知される。
【0082】
なお、他の構成及び作用効果については、第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0083】
〔第3実施形態〕
第3実施形態の情報処理システムは、検査異常監視処理の流れが異なる点で、第1実施形態の情報処理システムと相違する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を用いて説明する。
【0084】
[検査異常監視処理の流れ]
第3実施形態の検査異常監視処理の流れでは、ステップS101からステップS106の処理は、第1実施形態の検査異常監視処理の流れと同様である。
【0085】
図9に示すように、ステップS301では、検査異常判定部35は、ユーザ端末16に入力されたジョブ数の範囲において、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上であるか否かを判定する。区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上であると判定された場合(ステップS301でYES)、ステップS302に進む。一方、区画毎の検査異常数が検査装置14による指定の検査回数以上でないと判定された場合(ステップS301でNO)、ステップS304に進む。
【0086】
ステップS302に進むと、検査異常判定部35は、複数のジョブ数に跨って同じ区画41に異常があるか否かを判定する。複数のジョブ数に跨って同じ区画41に異常があると判定された場合(ステップS302でYES)、ステップS303に進む。一方、複数のジョブ数に跨って同じ区画41に異常がないと判定された場合(ステップS302でNO)、ステップS304に進む。
【0087】
ステップS303に進むと、通知部35は、ヒートマップ50をユーザ端末16に出力して、検査異常判定部35の判定結果を通知し(ステップS303)、検査意匠監視処理を終了する。
【0088】
ステップS304に進むと、情報処理装置20は、カウント部34がカウントした情報をリセットして、ステップS101に戻る。
【0089】
[作用]
ところで、プロダクション印刷等の製造工程では、1ジョブで大量印刷することがある。この場合、1ジョブ内又は1日で検査異常数が基準値に達する可能性がある。そうすると、画像形成装置12に異常があったとしても、検査装置14に異常がある可能性が通知されてしまう。
【0090】
第3実施形態の情報処理システム10では、CPU21は、複数のジョブ数に跨って同じ区画41に異常があった場合、検査装置14の異常の可能性を通知する(
図9参照)。
【0091】
CPU21は、複数のジョブ数に跨って同じ区画41に異常があった場合、検査装置14の異常の可能性を通知することで、1ジョブ内で検査異常数が基準値に達したとしても、検査装置14に異常がある可能性が通知されない。そのため、1ジョブだけで異常判断する場合と比較して、検査装置14に異常がある可能性が誤って通知されてしまう可能性が抑制される。
【0092】
なお、他の構成及び作用効果については、第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0093】
以上のとおり、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて種々の変形、変更、改良が可能である。
【0094】
第1実施形態から第3実施形態では、設定条件は、ジョブ数とする例を示した。しかし、設定条件は、この態様に限定されるものではない。例えば、設定条件は、
図10に示すように日数としてもよいし、期間としてもよい。
【0095】
第1実施形態から第3実施形態では、通知部35は、ヒートマップ50をユーザ端末16のディスプレイ16Aに出力して、検査異常判定部35の判定結果を通知する例を示した。しかし、通知部は、
図11に示すように、区画毎の検査異常数を記載した図をユーザ端末16のディスプレイ16Aに出力して、検査異常判定部35の判定結果を通知してもよい。
【0096】
第1実施形態から第3実施形態では、カウント部34がカウントした情報をリセットした場合、ステップS101に戻る例を示した。しかし、カウント部34がカウントした情報をリセットした場合、通知部は、その旨を通知して、ステップS101に戻ってもよい。
【0097】
第1実施形態から第3実施形態では、ユーザは、ユーザ端末16を使用して、情報処理装置20へ設定条件を入力可能となっている例を示した。しかし、設定条件は、情報処理システムの出荷時に予め設定されていてもよい。
【0098】
第1実施形態から第3実施形態では、情報処理システム10は、画像形成装置12を1つ備える例を示した。しかし、情報処理システムは、画像形成装置12を複数備えていてもよい。
【0099】
[付記]
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、画像形成装置に対する指示情報と、前記指示情報に基づいて前記画像形成装置にて記録媒体に形成された画像の検査装置による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、
前記検査装置による検査領域を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する
情報処理システム。
(((2)))
前記プロセッサは、前記区画毎の検査異常数が前記検査装置による指定の検査回数以上である場合、前記異常監視結果として、前記検査装置の異常の可能性を通知する
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記プロセッサは、前記検査装置による検査回数に対する前記区画毎の検査異常数の割合が閾値以上である場合、前記検査装置の異常の可能性を通知する
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記設定条件をジョブ数又は日数とする
(((1)))から(((3)))のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記プロセッサは、前記ジョブ数又は前記日数の途中であっても、前記区画毎の検査異常数に基づいて、前記検査装置の異常の可能性を通知する
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記プロセッサは、複数の前記ジョブ数に跨って同じ前記区画に異常があった場合、又は複数の前記日数に跨って同じ前記区画に異常があった場合、前記検査装置の異常の可能性を通知する
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記プロセッサは、前記区画毎の検査異常数に基づいて、前記異常監視結果としてヒートマップを生成し、前記検査装置の異常の可能性を通知する
(((1)))から(((6)))のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記ヒートマップは、前記区画より大きな区画で形成されている
請求項7に記載の情報処理システム。
(((9)))
画像形成装置に対する指示情報と、前記指示情報に基づいて前記画像形成装置にて記録媒体に形成された画像の検査装置による検査結果とを、予め設定した設定条件の範囲で取得し、
前記検査装置による検査領域を分割した複数の区画毎の検査異常数に応じて得られた異常監視結果を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0100】
(((1)))に係る情報処理システムによれば、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0101】
(((2)))に係る情報処理システムによれば、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0102】
(((3)))に係る情報処理システムによれば、記録媒体のサイズが異なる場合であっても、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0103】
(((4)))に係る情報処理システムによれば、設定条件として画像形成枚数を設定する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0104】
(((5)))に係る情報処理システムによれば、設定したジョブ数又は設定した日数の途中で、区画毎の検査異常数が基準値に達した場合でも、検査装置の異常の可能性が通知される。
【0105】
(((6)))に係る情報処理システムによれば、1ジョブだけで異常判断する場合と比較して、検査装置に異常がある可能性が誤って通知されてしまう可能性が抑制される。
【0106】
(((7)))に係る情報処理システムによれば、区画毎の検査異常数が数値で表示される場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【0107】
(((8)))に係る情報処理システムによれば、小さな区画のままヒートマップ化する場合と比較して、ユーザが異常個所を把握しやすい。
【0108】
(((9)))に係るプログラムによれば、検査異常のある記録媒体の数だけに基づいて異常検知する場合と比較して、検査装置側の異常が精度よく発見される。
【符号の説明】
【0109】
10 情報処理システム
12 画像形成装置
14 検査装置
21 CPU(プロセッサの一例)
40 検査領域
41 区画
50 ヒートマップ
51 区画