(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155628
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】太陽光発電パネル拘束構造および太陽光発電パネル拘束構造に用いる立体構造物
(51)【国際特許分類】
H02S 20/30 20140101AFI20241024BHJP
【FI】
H02S20/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070501
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】523277507
【氏名又は名称】GX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】都 英吾
(57)【要約】
【課題】様々な種類の立体構造物を様々な態様で拘束することができる太陽光発電パネル拘束構造を提供する。
【解決手段】太陽光発電パネル拘束構造1は、設置面110に接地可能で、立体構造物2に拘束される下部構造3と、下部構造3に取り付けられて支持され、下部構造3に対して左右方向Xを回転軸として回動可能に軸着される、発電パネル100を固定可能な上部構造4と、を備え、下部構造3が、山形の形状を有し、設置面110に設置可能な、パイプから構成される、一対の軸状部材31と、前後方向に設けられ軸状部材31に連結される第1拘束部材32と、左右方向に設けられ軸状部材31に連結される第2拘束部材33と、軸状部材31の頂部に設ける頂部部材34と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設置可能で、立体構造物に拘束可能な下部構造と、
前記下部構造に取り付けられて支持され、前記下部構造に対して左右方向を回転軸として特定角度範囲内で回動可能に軸着される、太陽光発電パネルを固定可能な上部構造と、を備え、
前記下部構造が、
山形の形状を有し、前記設置面に設置可能な、一対の軸状部材と、
前後方向に設けられ前記軸状部材に連結される第1拘束部材及び/又は左右方向に設けられ前記軸状部材に連結される第2拘束部材と、を備え、
前記第1拘束部材及び/又は前記第2拘束部材が前記立体構造物に拘束される、太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項2】
前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材が、前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材を前記立体構造物に拘束する止着部を備える請求項1の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項3】
前記軸状部材が底部を有し、前記底部に、地中に設けられる杭を装着可能である請求項1の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項4】
前記軸状部材と前記第1拘束部材とがAの字の形状をなす請求項1の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項5】
前記第1拘束部材が内側に曲げられる請求項1の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項6】
前記第1拘束部材と第2拘束部材がそれぞれ複数本あり、少なくとも2本の前記第1拘束部材と少なくとも2本の第2拘束部材が井桁に組まれ、前記軸状部材に取り付けられる井桁構造をなし、前記井桁構造の一部が前記立体構造物の孔を貫通することにより、前記井桁構造が前記立体構造物に拘束される請求項1の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項7】
前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材が、前記軸状部材の下部に取り付けられ、前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材が土嚢又は土嚢の基台に拘束される構造を有する請求項1の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項8】
前記上部構造は、
前後方向に設けられ、前記軸状部材の頂部に設けられる頂部部材に回動可能に軸着される一対の第1部材と、
前記第1部材と回動可能に軸着される二対の第2部材と、
前記第2部材と回動可能に軸着されるとともに、前記頂部部材にも回動可能に軸着される、一対の第3部材と、
一対の第3部材に回動可能に軸着され、太陽光発電パネルを固定可能な回動部材と、を備え、
前記第1部材と第3部材とが平行に配置され、前記頂部部材に対して特定角度範囲内で回動可能であり、該回転に伴って、前記第1部材乃至第3部材が、矩形又は平行四辺形に変化し、
前記上部構造は、さらに、
前記第3部材に軸着し、前記第3部材の相違する位置から、それぞれ、下方に延び出し、前記軸状部材に対して特定位置範囲で摺動可能である、長さの異なる2つの部材を有する、一対の摺動部材を備える請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽光発電パネル拘束構造。
【請求項9】
請求項1に記載の太陽光発電パネル拘束構造に用いる立体構造物であって、
貯留タンクと、
前記設置面に設置するための設置部と、
前記設置部の外縁端から上方に延びる環状外周部と、を備え、
前記貯留タンクが前記環状外周部に挿入された状態で嵌め込まれることを特徴とする立体構造物。
【請求項10】
前記貯留タンクは、前記設置部に接触する底板と、前記環状外周部に接触する側板と、前記太陽光発電パネルに対向する天板と、を有し、前記天板に、貯留液を前記貯留タンクに流入させるための流入口が設けられ、前記側板の下端部に、前記貯留液を前記貯留タンクの外部に排出するための排出口が設けられることを特徴とする請求項9に記載の立体構造物。
【請求項11】
前記側板、及び前記天板は遮光処理が施されることを特徴とする請求項10に記載の立体構造物。
【請求項12】
前記環状外周部は、前記設置部の外縁端から上方に延びる縦部材と、前記縦部材を取り囲む状態で前記縦部材に接続する環状横部材とを有することを特徴とする請求項9に記載の立体構造物。
【請求項13】
前記設置部には、フォークリフトのフォークが挿入可能な挿入孔が設けられることを特徴とする請求項9に記載の立体構造物。
【請求項14】
前記環状外周部は、前記縦部材と前記環状横部材が縦横に組まれる格子形状を成しており、
前記縦部材には、前記環状横部材と交差する位置に凹部が設けられ、前記環状横部材は前記凹部に係合していることを特徴とする請求項12に記載の立体構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風等によって太陽光発電パネルが移動しないように拘束するための、太陽光発電パネル拘束構造および太陽光発電パネル拘束構造に用いる立体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
災害の際、電力が供給されない状態、いわゆる停電が発生し、避難所などに避難した被災者の方々が、不自由な思いをする事態がしばしば見受けられた。このようなとき、手軽に発電することができる設備があると、被災者の方々の不便を解消できる一助となり得る。
【0003】
特許文献1で開示される太陽光発電パネル取付用架台は、簡易な設置作業で安定した架台構造が確保できることを目的に開発されたものであって、太陽光発電パネルが取り付けられる上面と、第1の開口(注入口)及び第1の開口より低い位置に開口する第2の開口(排出口)が設けられる側面とを有する、プラスチック等の軽量材料によって一体成形されたタンク架台である。
【0004】
特許文献2で開示されている太陽光発電設備は、主に田畑間移動用に開発されたものであり、太陽光発電パネルと、太陽光発電パネルを保持する枠体と、枠体の長手方向線対称に左右一致に配置される一対の基礎と、枠体の長手方向線対称に左右一対で、枠体に接する折り畳み位置と、枠体に直交する起立位置とを取りうるように固定される一対の折り畳みフレームとを備える田畑間移設用太陽光発電設備であって、一対の折り畳みフレームのそれぞれは、枠体に設けられるヒンジにより枠体に対して軸支される底辺と、底辺に対して所定の傾斜角だけ傾斜して設けられる長辺と、長辺に対して直交し、底辺に接続される短辺とを有し、かつ一対の折り畳みフレームのそれぞれは、折り畳み位置において枠体の厚さ方向に関し枠体内に収まり、一対の基礎は、設置面に載置される底面と、底面と平行な上面を有する把手と、把手の下方にベルトを挿通可能な隙間を有する偶数個のタンクを、一対の折り畳みフレームが起立位置にあるとき長辺の位置を対称軸として近接して配置し、偶数個のタンクを横ベルトで締結し、偶数個のタンクのそれぞれに水を満たして構成され、田畑間移設用太陽光発電設備は、さらに、偶数個のタンクの各上面上に載置され、かつ偶数個のタンクの少なくとも一部の把手に係合するかぎ脚部を有し、長手方向中央部に対称軸に符合して長辺に接し、太陽光発電パネル及び枠体に作用する荷重を基礎に伝達する溝部を有する一対の基礎プレートと、一対の基礎と一対の折り畳みフレームとを取り外し可能に締結する連結ベルトとを有している。
【0005】
上述した太陽光発電設備は、田畑間移動用に開発されたものであるが、各パーツを足場の悪い農地から別の農地へ移設することができ、設置後において、建築基準法が定める基準以上の構造耐力性能が得られ、営農期には撤去することができるものであることから、避難所などで電力を供給できる設備としての利用も可能であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-6566号公報
【特許文献2】特開2015-144555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で開示される太陽光発電パネル取付用架台は、プラスチック等の軽量材料によって一体成形されたタンク架台であることから、様々な種類の立体構造物によって様々な態様で拘束することができないという問題がある。
【0008】
特許文献2で開示される太陽光発電設備は、重量が比較的軽いパーツが数多く用いられている。例えば、基礎は一対の基礎ユニットを有している。基礎ユニットは、市販のポリタンクを横に二つ並べ縦ベルトで連結し、さらに縦ベルトで連結された二つのタンクを縦に二つ並べ、都合四つのタンクを横ベルトで連結し四つのタンクで構成されている。特許文献1と同様に、ポリタンクによる固定に限定されており、様々な立体構造物によって様々な態様で拘束することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、これらの問題点に着目してなされたものであり、太陽光発電パネルを、様々な種類の立体構造物によって様々な態様で拘束することができる太陽光発電パネル拘束構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための発明は、設置面に設置可能で、立体構造物に拘束可能な下部構造と、前記下部構造に取り付けられて支持され、前記下部構造に対して左右方向を回転軸として特定角度範囲内で回動可能に軸着される、太陽光発電パネルを固定可能な上部構造と、を備え、前記下部構造が、山形の形状を有し、前記設置面に設置可能な、一対の軸状部材と、前後方向に設けられ前記軸状部材に連結される第1拘束部材及び/又は左右方向に設けられ前記軸状部材に連結される第2拘束部材と、を備え、前記第1拘束部材及び/又は前記第2拘束部材が前記立体構造物に拘束される、太陽光発電パネル拘束構造である。
【0011】
この構成により、簡易な構造で、太陽光発電パネルを様々な種類の立体構造物によって様々な態様で拘束することができる。「立体構造物」としては、貯留タンク、コンクリートウェイト、土嚢等が挙げられるが、これに限定されるわけではない。また、状況によっては(例えば、立体構造物が空のタンクである場合など)、太陽光発電パネル拘束構造によって、逆に、様々な種類の立体構造物が移動しないように、太陽光発電パネル拘束構造で立体構造物を拘束することもできる。
【0012】
前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材が、前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材を前記立体構造物に拘束する止着部を備えることが好ましい。
【0013】
この構成により、拘束力がより一層高くなる。
【0014】
前記軸状部材が底部を有し、前記底部に、地中に設けられる杭を装着可能であることが好ましい。
【0015】
この構成により、簡易な構造で、太陽光発電パネルに対する拘束力を高くすることができる。また、杭を装着することにより、例えば、立体構造物が空のタンクである場合など、立体構造物が移動しないように、太陽光発電パネル拘束構造で逆に立体構造物を拘束することができる。
【0016】
前記軸状部材と前記第1拘束部材とがAの字の形状をなすことが好ましい。
【0017】
この構成により、太陽光発電パネルの角度の変更が容易になる。
【0018】
前記第1拘束部材が内側に曲げられることが好ましい。
【0019】
この構成により、立体構造物への拘束力を高めることができる。
【0020】
前記第1拘束部材と第2拘束部材がそれぞれ複数本あり、少なくとも2本の前記第1拘束部材と少なくとも2本の第2拘束部材が井桁に組まれ、前記軸状部材に取り付けられる井桁構造をなし、前記井桁構造の一部が前記立体構造物の孔を貫通することにより、前記井桁構造が前記立体構造物に拘束されることが好ましい。
【0021】
この構成により、左右方向や前後方向への太陽光発電パネルの移動を制限することができる。
【0022】
前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材が、前記軸状部材の下部に取り付けられ、前記第1拘束部材及び/又は第2拘束部材が土嚢又は土嚢の基台に拘束される構造を有することが好ましい。
【0023】
この構成により、土木・建築分野での使用に適した拘束構造を提供できる。
【0024】
前記上部構造は、前後方向に設けられ、前記軸状部材の頂部に設けられる頂部部材に回動可能に軸着される一対の第1部材と、前記第1部材と回動可能に軸着される二対の第2部材と、前記第2部材と回動可能に軸着されるとともに、前記頂部部材にも回動可能に軸着される、一対の第3部材と、一対の第3部材に回動可能に軸着され、太陽光発電パネルを固定可能な回動部材と、を備え、前記第1部材と第3部材とが平行に配置され、前記頂部部材に対して特定角度範囲内で回動可能であり、該回転に伴って、前記第1部材乃至第3部材が、矩形又は平行四辺形に変化し、前記上部構造は、さらに、前記第3部材に軸着し、前記第3部材の相違する位置から、それぞれ、下方に延び出し、前記軸状部材に対して特定位置範囲で摺動可能である、長さの異なる2つの部材を有する、一対の摺動部材を備えることが好ましい。
【0025】
この構成により、太陽光発電パネルの仰角を無段階で可変式に制御する構造を実現でき、太陽光発電パネルは、垂直姿勢、水平姿勢、傾斜姿勢を取ることができる。垂直姿勢とする趣旨は、保管や運搬時に省スペースを図ることである。水平姿勢とする趣旨は、設置箇所においてレイアウト上どうしても、仰角を生かした姿勢がとれない場合などに、太陽光パネルを水平姿勢として設置することである。
【0026】
垂直姿勢を固定しようとする場合には、例えば、第2部材から下端曲げ部材を下方に延び出させて、回転部材と締結させることにより、垂直姿勢を固定することができる。締結を解除することで、他の姿勢へ変更することができる。水平姿勢または傾斜姿勢に固定しようとする場合には、例えば、回転部材に対して回動可能に軸着される固定部材を第3部材で支持することで、発電パネルの水平姿勢または傾斜姿勢を固定することができる。固定部材を回動させることで、この固定を解除することができる。
【0027】
上記課題を解決するための発明は、また、上記太陽光発電パネル拘束構造に用いる立体構造物であって、貯留タンクと、前記設置面に設置するための設置部と、前記設置部の外縁端から上方に延びる環状外周部と、を備え、前記貯留タンクが前記環状外周部に挿入された状態で嵌め込まれる立体構造物である。
【0028】
この構成によれば、立体構造物は、貯留タンクが環状外周部に挿入された状態で嵌め込まれているので、貯留タンク、設置部、環状外周部の構造的な一体化を図ることができる。この構成により、構造的に一体化された立体構造物、下部構造、上部構造等を設置面に設置した後に、太陽光発電パネルの据付は容易に完了する。また、太陽光発電パネルに負荷される風等の外力を貯留タンクが直接に負担しなくてもよい構造とすることができ、貯留タンクに特段の強度を持たせなくても耐荷重性能の向上を図り得る。
【0029】
前記貯留タンクは、前記設置部に接触する底板と、前記環状外周部に接触する側板と、前記太陽光発電パネルに対向する天板と、を有し、前記天板に、貯留液を前記貯留タンクに流入させるための流入口が設けられ、前記側板の下端部に、前記貯留液を前記貯留タンクの外部に排出するための排出口が設けられることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、天板に、貯留液を貯留タンクに流入させるための流入口が設けられ、側板の下端部に、貯留液を貯留タンクの外部に排出するための排出口が設けられるので、太陽光発電パネルを取り付けた状態で、貯留タンクに貯留液を流入させるとともに、排出させることができる。この構成により、貯留液の入れ替えが容易となる。
【0031】
前記側板、及び前記天板は遮光処理が施されることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、側板、及び天板に遮光処理が施されるので、貯留液に存する藻類の光合成を抑制することができる。この構成により、貯留液の入れ替え頻度を低減できる。
【0033】
前記環状外周部は、前記設置部の外縁端から上方に延びる縦部材と、前記縦部材を取り囲む状態で前記縦部材に接続する環状横部材とを有することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、環状外周部は、設置部の外縁端から上方に延びる縦部材と、縦部材を取り囲む状態で縦部材に接続する環状横部材とを有するので、一般に用いられると考えられる筒状の構造に比べて、軽量化を図ることができる。
【0035】
前記設置部には、フォークリフトのフォークが挿入可能な挿入孔が設けられることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、設置部には、フォークリフトのフォークが挿入可能な挿入孔が設けられるので、フォークリフトを利用して太陽光発電パネルを設置現場に据付けることができる。
【0037】
前記環状外周部は、前記縦部材と前記環状横部材が縦横に組まれる格子形状を成しており、前記縦部材には、前記環状横部材と交差する位置に凹部が設けられ、前記環状横部材は前記凹部に係合していることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、凹部は、縦部材と環状横部材との接続位置を位置決め状態に決めるとともに、環状横部材との係合により、縦部材に対する環状横部材の接続状態をより強固に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明実施形態1の太陽光発電パネル拘束構造の下部構造が立体構造物に拘束された状態を示す斜視図である。
【
図5】同、下部構造の上部に、太陽光発電パネルを水平姿勢で支持する状態の上部構造を固定した正面図である。
【
図6】同、下部構造の上部に、太陽光発電パネルを垂直姿勢で支持する状態の上部構造を固定した平面図である。
【
図7】本発明実施形態1の太陽光発電パネル拘束構造の上部構造の斜視図である。
【
図8】(a)同、上部構造の平面図、(b)同、右側面図である。
【
図9】上部構造に太陽光発電パネルを固定した状態の底面方向から見る斜視図である。
【
図10】上部構造に太陽光発電パネルを水平に設置した状態の右側面図である。
【
図12】上部構造に太陽光発電パネルを水平に設置した状態の斜視
図1である。
【
図17】上部構造に太陽光発電パネルを高さが同一で垂直に設置した状態の右側面図である。
【
図20】上部構造に太陽光発電パネルを上下にずれて垂直に設置する状態の右側面図である。
【
図23】上部構造に太陽光発電パネルを上下にずれて傾斜して設置する状態の右側面図である。
【
図26】貯留タンク及び環状外周部の部分断面図である。
【
図28】(a)、(b)は設置現場搬入時の荷姿図である。
【
図29】(a)は、本発明実施形態2の太陽光発電パネル拘束構造と太陽光発電パネルの右側面図、(b)はB-B断面図である。
【
図33】(a)は、本発明実施形態3の太陽光発電パネル拘束構造と太陽光発電パネルの右側面図、(b)はC-C断面図である。
【
図37】(a)は、本発明実施形態4の太陽光発電パネル拘束構造と太陽光発電パネルの背面図、(b)はD-D断面図である。
【
図41】(a)は、本発明実施形態1~4の太陽光発電パネル拘束構造を杭で固定した状態を示す右側面図、(b)は、E部分の拡大図と拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、
図1~
図28を参照して、本発明の実施形態1の太陽光発電パネル拘束構造1(以後、拘束構造1という。)について詳述する。
【0041】
拘束構造1は、設置面110(
図2参照)に設置可能で、立体構造物2に拘束される下部構造3と、下部構造3に取り付けられて支持され、下部構造3に対して左右方向Xを回転軸として回動可能に軸着される、太陽光発電パネル100(以後、発電パネル100という。)を固定可能な上部構造4と、を備えている。この構成により、拘束構造1を様々な種類の立体構造物2に様々な態様で拘束することができる。また、状況によっては、拘束構造1によって様々な種類の立体構造物2を様々な態様で拘束することができる。以下、各構成の詳細を説明する。
【0042】
図1~
図6、
図10、
図12~
図18、
図20~
図28に示す通り、本実施形態においては、立体構造物2は、貯留タンク21と、設置面110に設置するための設置部22と、設置部22の外縁端から上方に延びる環状外周部23と、を備え、貯留タンク21が環状外周部23に挿入された状態で嵌め込まれる。
【0043】
立体構造物2は、貯留タンク21が環状外周部23に挿入された状態で嵌め込まれているので、少なくとも、貯留タンク21、設置部22、環状外周部23は、構造的な一体化を図ることができる。この構成により、構造的に一体化された立体構造物2等を設置面110に設置した後に、下部構造3、上部構造4、発電パネル100を設置することで、発電パネル100の据付は容易に完了する。また、設置部22、環状外周部23があることで、貯留タンク21は、発電パネル100に負荷される風等の外力を直接に負担しなくてもよい構造とすることができ、貯留タンク21に特段の強度を持たせなくても、耐荷重性能の向上を図り得る。
【0044】
図2等に示す通り、立体構造物2は、設置部22を介して設置面110に設置されている。設置面110は、平坦な地面であることが好ましい。例えば、災害時の避難場所となっている学校のグランドなどであることが好ましい。
【0045】
立体構造物2は、貯留タンク21、設置部22、環状外周部23を有している。設置部22は、平面視が略矩形の平板構造であり、底板111が設置面110に接触するとともに、上面112が貯留タンク21に接触している。設置部22には、その側面22-2にフォークリフトのフォーク(いずれも図示せず)を挿入可能な挿入孔22-3が設けられている。そのフォークは、挿入孔22-3に差し込み可能で、かつ挿入孔22-3から抜き出し可能であり、挿入孔22-3に対して挿抜自在な構造となっている。設置部22等のトラックへの積み込み、荷卸しのときに、フォークリフトを利用することで、設営現場へ容易に移送することができる。
【0046】
貯留タンク21には貯留液が貯留されている。貯留液の重量効果によって、設置部22を重力式の基礎構造とすることが可能となる。本実施形態では、貯留タンク21は平面視でほぼ発電パネル100の内部領域に設けられている。貯留タンク21は、風力などの外力を受けたときに転倒しない形状、重量であればよい。
【0047】
貯留タンク21は、底板24(図示せず)、側板25、及び天板26を有する略直方体の容器であり、内部に貯留液が貯留されている。
【0048】
側板25が縦部材23-1と接触することで貯留タンク21は環状外周部23に嵌め込まれた状態となる。また、底板24は、設置部22の上面112と接触している。貯留タンク21は、設置部22、及び環状外周部23に防護された状態となる。風力等の外力は、主に環状外周部23を経由して設置部22で負担する。
【0049】
図1に示す通り、環状外周部23は、設置部22の外縁端から上方に延びる縦部材23-1と、縦部材23-1を取り囲む状態で縦部材23-1に接続する環状横部材23-2とを有する。一般に用いられると考えられる筒状の構造に比べて、軽量化を図ることができる。
【0050】
環状外周部23は、縦部材23-1と環状横部材23-2が縦横に組まれる、いわゆる格子形状を成しており、貯留タンク21を挿入した状態で嵌め込んでおり、設置部22の外縁端から上方(設置面110から遠ざかる方向)に向かって延びている。縦部材23-1は、亜鉛メッキ処理などの表面保護処理が施された金属製の棒状の部材であり、設置部22の外縁端に所定の間隔で配置されて、上方に向かって延びている。環状横部材23-2は、亜鉛メッキ処理などの表面保護処理が施された金属製の棒状の部材であり、縦部材23-1を取り囲んで環状に設けられている。縦部材23-1は環状横部材23-2と交差する位置(例えば直交する位置)に凹部23-3が設けられている(
図26参照)。凹部23-3は、環状横部材23-2との接続位置を位置決め状態に決めるとともに、環状横部材23-2との係合により、縦部材23-1に対する環状横部材23-2の接続状態をより強固に保つためのものである。縦部材23-1の上端部は、環状接合部23-4と接合して、構造的に一体化している。
【0051】
側板25、及び天板26は遮光処理が施されている。側板25、及び天板26に遮光処理が施されるので、貯留液に存する藻類の光合成を抑制することができる。貯留液の入れ替え頻度を低減できる。
【0052】
具体的には、側板25、及び天板26の外面に遮光シート26Aが張り付けられている(
図26参照)。外部から貯留タンク21の内部に向かって照射される太陽光は遮光シート26Aによって遮光されるので、貯留液に存する藻類の光合成を抑制できる。貯留液は、設営現場で手軽に調達できて、排出しても周辺環境を汚染する可能性が低い液体、例えば井戸水、河川水、水道水、雨水などであることが好ましい。
【0053】
天板26の中央部に、貯留液を貯留タンク21に流入させるための流入口27が設けられている。流入口27はキャップで封止できるようになっている。側板25の下端部に、貯留液を排出するための排出口28が設けられている。排出口28はコックによって開閉できる構造となっている。
【0054】
発電パネル100を取り付けた状態で、貯留タンク21に貯留液を流入させるとともに、排出させることができる。貯留液の入れ替えが容易となる。
【0055】
天板26の各辺の中央部に1個ずつの吊り金具(図示略)があり、合計で複数個の吊り金具が取付けられている。
【0056】
収容筐体(図示略)は、発電パネル100で発電された電力を蓄電するためのバッテリーや、バッテリーに蓄電された電力を交流電気に変換するインバーターなどが収容されており、天板26で支持されている。
【0057】
なお、貯留タンク21の代わりに、設置部22と環状外周部23で確定される空間に、コンクリートウェイト等を挿入することもできる。
【0058】
図1~
図2等に示す通り、下部構造3は、山形の形状を有し、設置面110に設置可能な、パイプから構成される、一対の軸状部材31と、前後方向Yに設けられ軸状部材31に連結される一対の第1拘束部材32と、左右方向Xに設けられ軸状部材31に連結される一対の第2拘束部材33と、軸状部材31の頂部に設ける頂部部材34と、を備えている。一対の軸状部材31はそれぞれ底部31-1を有し、底部31-1には孔31-2を設けている。
【0059】
図1、
図2に示す通り、第1拘束部材32は、2か所で立体構造物2に向かって内側に折り曲げられていて、一対の傾斜板32-1と、傾斜板32-1を接続する、Y方向に延び出している平板32-2を備えている。平板32-2が立体構造物2の環状外周部23によって拘束されることにより左右方向Xの動きが拘束され、全体の拘束力を高めることができる。
【0060】
軸状部材31と、第1拘束部材32とが、側面視で、Aの字の形状をなす。構造がコンパクトとなり、発電パネル100の角度の変更が容易になる。軸状部材31はその頂部が曲線状に曲げられている。頂部部材34は、角形の一対の平行な板材を縦方向に設けたものであり、特定間隔で前記頂部を挟持する状態で、複数の締結部材により、締結されている。頂部部材34は、第2拘束部材33よりも上部に配置されている。
【0061】
第1拘束部材32は、第1拘束部材32を立体構造物2に拘束する止着部32-3を備える。止着部32-3は、第1拘束部材32の平板32-2を、立体構造物2の環状外周部23の環状横部材23―2に締結する締結部材である。止着部32-3は、第1拘束部材32を複数のUボルトで立体構造物2に拘束している。第2拘束部材33は、第2拘束部材33を立体構造物2に拘束する止着部33-1を備える。止着部33-1は、第2拘束部材33の両端部を、立体構造物2の環状外周部23の上端部にある環状接合部23-4に締結する締結部材である。止着部33-1は、第2拘束部材33を、複数の、鉄板を加工した金具とボルトで、立体構造物2に拘束している。本実施形態においては、第1拘束部材32と第2拘束部材33の両方を備え、両方の部材によって拘束することで拘束効果を高めているが、第1拘束部材32と第2拘束部材33のいずれかを備え、いずれかによって拘束する構成としてもよい。
【0062】
図5~
図10に示す通り、上部構造4は、一対の発電パネル100を支持する構造を有し、下部構造3に対して特定角度範囲内(例えば仰角0~25°)で左右方向Xを回転軸として回動可能に装着される。
【0063】
上部構造4は、前後方向Y、左右方向X、高さ方向Zに設けられる構造体であり、頂部部材34に軸部34-4で回動可能に軸着される長尺のアングルフレーム形状の一対の第1部材41と、第1部材41と回動可能に軸着される二対の板状の短尺の第2部材42、43と、第2部材42、43と回動可能に軸着されるとともに、頂部部材34にも軸部34-5で軸着されてR方向(
図10参照)に回動する、一対のパイプから構成される第3部材44と、一対の第3部材44に軸着され、第3部材44の特定位置(本実施形態では両端部)を中心として、T方向に回動可能である(
図17参照)、発電パネル100を固定可能なアングルフレーム形状の回動部材45と、を備えている。回動部材45は井桁構造を有する。
【0064】
第1部材41と第3部材44とが平行に配置され、頂部部材34に対して特定範囲内の角度でR方向に回動可能である。第1部材41、第2部材42、43、及び第3部材44は、このR方向への回動に伴い、矩形又は平行四辺形に変化する。上部構造4は、さらに、
図10に示す通り、第3部材44に軸着し、第3部材44の相違する位置から、それぞれ、下方に延び出し、斜め方向L、Nに軸状部材31の向かい合う部材に対して特定位置範囲で摺動可能である、長さの異なる、パイプから構成される2つの部材46、47を有する、一対の摺動部材48を備える。部材46、47は、下端部がサドルバンド45-1、45-2で軸状部材31に連結されている。一対の摺動部材48は、第3部材44の回動に伴い、軸状部材31を軸方向(L方向およびN方向)に摺動する。
【0065】
この構成により、仰角を無段階で可変式に制御する構造、例えば、特定範囲の仰角0°~25°の無段階可変式構造を実現できるので、発電パネル100は、上部構造4が水平状態の水平姿勢(
図12~
図16)、上部構造4が水平状態の垂直姿勢(
図17~
図18)、上部構造4が傾斜状態の垂直姿勢(
図20~
図22)、傾斜姿勢(
図23~
図25)を取ることができる。上部構造4が水平状態の垂直姿勢の趣旨は、保管や運搬時の省スペース化を図ることである。上部構造4が水平状態の水平姿勢とする趣旨は、設置箇所においてレイアウト上どうしても、仰角を生かした傾斜姿勢がとれない場合などに、発電パネル100を水平姿勢として設置することである。
【0066】
発電パネル100の垂直姿勢を固定しようとする場合には、
図17~
図19に示す通り、第2部材42、43から、一対の下端曲げ部材49を下方に延び出させて、下端曲げ部材49と回動部材45とを締結具49-1と、回動部材45の孔49-2(
図10参照)で締結させることにより、上部構造4が水平状態の垂直姿勢を固定することができる。
【0067】
締結具49-1と孔49-2とが重なり合ったときに回動部材45にロックピン(図示略)を差し込んで締結具49-1と連結することで、発電パネル100の垂直の姿勢を固定する。なお、ロックピンは図面に表れていないが、例えば、D型アーチを有する安全カプラーピンが例示される。この締結を解除することで、他の姿勢に変更することができる。
【0068】
発電パネル100の水平姿勢または傾斜姿勢を固定しようとする場合には、
図9、
図15に示す通り、回転部材45に対して回動可能に軸着される固定部材45-3を第3部材44で支持することで、発電パネル100の水平姿勢または傾斜姿勢を固定する。固定部材45-3を回動させることによって、この固定を解除することができる。
【0069】
図28に示す通り、クレーン130Aによる吊作業も可能とする。頂部部材34等で構成される吊部にロープやフックを用いて吊り上げることができる。発電パネル100が垂直状態のとき、又は傾斜させて仰角を与えた姿勢のときも吊部が隠れたりしないような設計となっている。
【0070】
図28に示す通り、ユニック車130等で、拘束構造1、立体構造物2、発電パネル100を一体で輸送してもよいし、分割して輸送してもよい。一体輸送の場合、残された積載スペースが拡大して、他の資材140、150等を積載できるので、輸送効率が高くなる。輸送の効率化を図るために、貯留タンク21は、貯留液を貯留しない状態としておく。本実施形態では、輸送にユニック車を用いたが、輸送用のトラックなどの運搬車両であってもよい。この場合、立体構造物2の積降はフォークリフトを用いることで対処することもある。
【0071】
設置場所に搬入した後、ユニック車130に装着されるクレーン130Aを利用して、拘束構造1、立体構造物2、発電パネル100を設営予定場所に荷降して、設置面110に設置する。
【0072】
拘束構造1、立体構造物2、発電パネル100を分割して輸送する場合には、設営予定場所に設置した後、各部を組付ける。流入口27を利用して貯留タンク21に貯留液を貯留することで、設営は完了する。貯留液は近隣に河川がある場合は河川水を、井戸がある場合は井戸水を利用すればよい。設営予定場所で、河川水や井戸水の調達が困難な場合は、貯留タンク21にあらかじめ貯留液を貯留した状態で移送してもよい。
【0073】
撤収は、貯留タンク21内の貯留液を排出した後、設営と逆の手順で行えばよい。貯留タンク21からの貯留液の排出は、排出口28にホースを接続して、このホースから近隣の排水溝に排出することが好ましい。
【0074】
以下、
図29~
図32を参照して、本発明の実施形態2の太陽光発電パネル拘束構造201について詳述する。実施形態1に対応する部品は200番台に番号を変更する。
【0075】
立体構造物2を、ウェイトであるコンクリートウェイト202とする例を挙げて説明する。
【0076】
本実施形態においては、パイプで構成されて左右方向Xに設けられる2本の第2拘束部材233が、軸状部材231の下部に対して、締結部材により、連結固定される。また、本実施形態においては、前後方向Yに設けられる4本の第1拘束部材232が軸状部材231に連結される。4本のうち2本の第1拘束部材232-1は、実施形態1の第1拘束部材32とほぼ同様の構成を備え、軸状部材231のほぼ中央部に対して、直接に連結固定される。4本のうち、パイプで構成される2本の第1拘束部材232-2は、締結部材によって2本の第2拘束部材233に連結固定され、これにより、2本の第1拘束部材232-2は、軸状部材231の下部に対して、第2拘束部材233を介して連結固定される。2本の第2拘束部材233と2本の第1拘束部材232-2とで、井桁構造の軸組みが構成される。第1拘束部材232-2がコンクリートウェイト202の孔を貫通することで、井桁構造がコンクリートウェイト202に拘束される。ここでは、コンクリートウェイト202が四隅に脚部202-1を有し、脚部202-1の孔を第1拘束部材232-2が貫通する。また、第1拘束部材232―1はコンクリートウェイト202の側面に当接することで拘束される。コンクリートウェイト202に限らず、金属性、樹脂製、セラミック製等の他の素材のウェイトを用いても良いことは無論である。
【0077】
この構成により、太陽光発電パネル200を立体構造物であるコンクリートウェイト202に拘束し、左右方向Xや前後方向Yへの太陽光発電パネル200の移動を拘束することができる。コンクリートウェイト202を使用するため、土木・建築分野での使用に適している。
【0078】
以下、
図33~
図36を参照して、本発明の実施形態3の太陽光発電パネル拘束構造301について詳述する。
【0079】
立体構造物2を、ウェイトとしての土嚢302-1と、土嚢302-1を積むベース302-2から構成される立体構造物302とする例を挙げて説明する。
【0080】
本実施形態においては、パイプで構成されて左右方向Xに設けられる2本の第2拘束部材333が、軸状部材331の下部に対して、締結部材により、連結固定される。また、本実施形態においては、前後方向Yに設けられる5本の第1拘束部材332が軸状部材331に連結される。5本のうち2本の第1拘束部材332-1は、実施形態1の第1拘束部材32とほぼ同様の構成を備え、軸状部材331のほぼ中央部に対して、直接に連結固定される。5本のうち、パイプで構成される3本の第1拘束部材332-2は、締結部材によって2本の第2拘束部材333に連結固定され、これにより、3本の第1拘束部材332-2は、軸状部材331の下部に対して、第2拘束部材333を介して連結固定される。2本の第2拘束部材333と3本の第1拘束部材332-2とで、井桁構造の軸組みが構成される。第1拘束部材332-2がベース302-2の孔を貫通することで、井桁構造が立体構造物302に拘束される。ここでは、ベース302-2が四隅と中央部に5個の脚部302-3を有し、脚部302-3の孔を第1拘束部材332-2が貫通する。第1拘束部材332-1は土嚢302-1が高く積みあがってくれば、土嚢302-1の側面に拘束される。
【0081】
この構成により、太陽光発電パネル300を立体構造物302に拘束し、左右方向Xや前後方向Yへの太陽光発電パネル300の移動を拘束することができる。ベース302-2に積まれる土嚢302-1を使用するため、土木・建築分野での使用に適している。
【0082】
以下、
図37~
図40を参照して、本発明の実施形態4の太陽光発電パネル拘束構造401について詳述する。
【0083】
立体構造物2を、ウェイトとしての土嚢402とする例を挙げて説明する。
【0084】
本実施形態においては、パイプで構成されて左右方向Xに設けられる2本の第2拘束部材433が、軸状部材431の下部に対して、締結部材により、連結固定される。第1拘束部材432は、実施形態1の第1拘束部材32とほぼ同様の構成を備え、軸状部材431のほぼ中央部に対して、直接に連結固定される。第2拘束部材433は、土嚢402の重量によって拘束される。図示のように、中央に括れ部を有する土嚢402を使用して、土嚢402の括れ部と第2拘束部材433が係合するようにすると、より確実に拘束することができる。第1拘束部材432は土嚢402が高く積みあがってくれば、土嚢402の側面に拘束される。左右方向Xに設けられて軸状部材431の下部に対して連結固定される第2拘束部材433の代わりに、前後方向Yに設けられて軸状部材431の下部に対して連結固定される第1拘束部材432-1を設けてもよく、また、実施形態2、3のように第2拘束部材433と第1拘束部材432-1とで井桁構造の軸組みを構成してもよい。
【0085】
この構成により、太陽光発電パネル400を立体構造物である土嚢402に拘束し、左右方向Xや前後方向Yへの太陽光発電パネル400の移動を拘束することができる。土嚢402を使用するため、土木・建築分野での使用に適している。
【0086】
図41に示す通り、軸状部材3は、実施形態1~4に適用される、底部31-1を有し、底部31-1に設ける孔31-2に地中に設けられるスクリュー杭35を装着可能であり、スクリュー杭35と立体構造物2(202、302、402)とで、太陽光発電パネル100(200、300、400)を拘束する。この構成により、簡易な構造で、太陽光発電パネルの拘束力を高くすることができる。
【0087】
スクリュー杭35は土質面での利用となるが、コンクリート面への設置の場合はスクリュー杭35をアンカーボルト(図示略)に置き換えることで対応可能である。アンカーボルトを用いた図面は図示を略する。
【0088】
本実施形態は例示であり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で改変できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る太陽光発電パネル拘束構造は、一時的に電力源が求められる場所、例えば、災害のときの避難地、工事現場、スポットクーラーを使用する工場など、広範囲の使用態様が可能となるので、産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0090】
1 太陽光発電パネル拘束構造
2 立体構造物
3 下部構造
4 上部構造
21 貯留タンク
22 設置部
22-3 挿入孔
23 環状外周部
23-1 縦部材
23-2 環状横部材
23-3 凹部
23-4 環状接合部
24 底板
25 側板
26 天板
26A 遮光シート
27 流入口
28 排出口
31 軸状部材
31-1 底部
31-2 孔
32 第1拘束部材
32-1 傾斜板
32-2 平板
32-3、33-1 止着部
33 第2拘束部材
34 頂部部材
34-4、34-5 軸部
35 スクリュー杭
41 第1部材
42、43 第2部材
44 第3部材
45 回動部材
45-1、45-2 サドルバンド
46、47 部材
48 摺動部材
100 発電パネル
110 設置面
130 ユニック車
130A クレーン