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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015564
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/38 20060101AFI20240130BHJP
   B65H 7/06 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B65H5/38
B65H7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117689
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】大浦 恭平
【テーマコード(参考)】
3F048
3F101
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AA08
3F048AB01
3F048AB02
3F048BA14
3F048BB02
3F048BD03
3F048DA06
3F048DA08
3F048DC00
3F048EB21
3F101FB17
3F101FE02
3F101FE06
3F101FE08
3F101FE11
3F101LA01
3F101LA11
3F101LB02
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】搬送路を確実に露出させる。
【解決手段】画像読取装置10は、固定側ユニット5とカバーユニット6との間に形成される搬送路8に沿って媒体を搬送する搬送部16と、固定側ユニット5に支持されるロックシャフト24と、カバーユニット6に支持されるアーム22と、ロックシャフト24を移動させるソレノイドアクチュエータとを備えている。アーム22は、ロックシャフト24が通常位置に配置されるときで、かつ、アーム22がロック位置に配置されるときに、ロックシャフト24に引っ掛かり、アンロック位置にアーム22が配置されるときに、または、ロックシャフト24が退避位置に配置されるときに、ロックシャフト24から外れる。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24に引っ掛かるときに固定側ユニット5に固定され、アーム22がロックシャフト24から外れるときに、固定側ユニット5から解放される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユニットと、
前記第1ユニットに支持される第2ユニットと、
前記第2ユニットが閉鎖位置に配置されるときに前記第1ユニットと前記第2ユニットとの間に形成される搬送路に沿って媒体を搬送する搬送部と、
移動可能に前記第1ユニットに支持されるロック部材と、
前記第2ユニットに支持されるアーム部と、
前記ロック部材を移動させるアクチュエータとを備え、
前記アーム部は、
前記第2ユニットが前記閉鎖位置に配置されるときで、かつ、前記ロック部材が通常位置に配置されるときで、かつ、前記アーム部がロック位置に配置されるときに、前記ロック部材に引っ掛かり、
前記ロック位置と異なるアンロック位置に前記アーム部が配置されるときに、または、前記ロック部材が退避位置に配置されるときに、前記ロック部材から外れ、
前記第2ユニットは、
前記アーム部が前記ロック部材に引っ掛かるときに前記第1ユニットに固定され、
前記アーム部が前記ロック部材から外れるときに、前記閉鎖位置と異なる開放位置に前記第2ユニットが配置されるように前記第1ユニットから解放される
媒体搬送装置。
【請求項2】
前記搬送路にジャムが発生したか否かを検出するジャムセンサと、
前記ジャムセンサが前記ジャムの発生を検出したときに、前記ロック部材が前記退避位置に退避するように、前記アクチュエータを制御する制御部
とをさらに備える請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1ユニットに支持されるシートストッパと、
前記ロック部材が前記退避位置に向かって移動する運動を、前記シートストッパが前記搬送路に突出する運動に変換する機構
とをさらに備える請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記機構は、
前記シートストッパに固定される押し込み部材と、
前記第2ユニットに固定される押さえ部とを有し、
前記第2ユニットが前記閉鎖位置に向かって移動するときに、前記押さえ部が前記押し込み部材に接触して前記押し込み部材を移動させることにより、前記シートストッパを前記搬送路から退避させ、
前記シートストッパは、前記押し込み部材のうちの前記押さえ部に接触する部位が沿う平面に前記シートストッパが交差しないように、前記押し込み部材より短く形成される
請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記シートストッパが前記搬送路に突出したときに、前記シートストッパが前記搬送路から退避しないように、前記シートストッパを前記第1ユニットに固定するストッパ
をさらに備える請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ロック部材が前記退避位置に配置された後に、前記ロック部材が前記通常位置に配置されるように、前記アクチュエータを制御する
請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記第2ユニットが前記開放位置に配置されているか否かを検出するオープンセンサをさらに備え、
前記制御部は、
前記第2ユニットが前記開放位置に配置されていることを前記オープンセンサが検出しているときに、前記ロック部材が前記退避位置に配置されるように、前記アクチュエータを制御し、
前記第2ユニットが前記開放位置に配置されている開放状態から、前記第2ユニットが前記開放位置に配置されていない非開放状態に変化したことを前記オープンセンサが検出したときに、前記ロック部材が前記通常位置に配置されるように、前記アクチュエータを制御する
請求項3に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体が搬送される搬送路にジャムが発生すると、搬送路を覆うカバーを自動的に開放させて搬送路を露出させるアクチュエータが設けられている媒体搬送装置が知られている(特許文献1)。このような媒体搬送装置によれば、ユーザは、搬送路が露出するようにカバーを操作する必要がなく、ジャムに巻き込まれた媒体を容易に媒体搬送装置から取り除くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-106093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような媒体搬送装置は、アクチュエータが適切に動作しないときに、カバーが開放されずに搬送路が露出しないことがある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、搬送路を確実に露出させる媒体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による媒体搬送装置は、第1ユニットと、前記第1ユニットに支持される第2ユニットと、前記第2ユニットが閉鎖位置に配置されるときに前記第1ユニットと前記第2ユニットとの間に形成される搬送路に沿って媒体を搬送する搬送部と、移動可能に前記第1ユニットに支持されるロック部材と、前記第2ユニットに支持されるアーム部と、前記ロック部材を移動させるアクチュエータとを備え、前記アーム部は、前記第2ユニットが前記閉鎖位置に配置されるときで、かつ、前記ロック部材が通常位置に配置されるときで、かつ、前記アーム部がロック位置に配置されるときに、前記ロック部材に引っ掛かり、前記ロック位置と異なるアンロック位置に前記アーム部が配置されるときに、または、前記ロック部材が退避位置に配置されるときに、前記ロック部材から外れ、前記第2ユニットは、前記アーム部が前記ロック部材に引っ掛かるときに前記第1ユニットに固定され、前記アーム部が前記ロック部材から外れるときに、前記閉鎖位置と異なる開放位置に前記第2ユニットが配置されるように前記第1ユニットから解放される。
【発明の効果】
【0007】
開示の媒体搬送装置は、搬送路を確実に露出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例の媒体搬送装置が設けられた画像読取装置を示す側面断面図である。
図2図2は、ロック機構の一部を示す上面図である。
図3図3は、カバーユニットが開放位置に配置されているときの画像読取装置を示す側面断面図である。
図4図4は、複数のシートストッパと突出機構とを示す正面断面図である。
図5図5は、ロック機構と突出機構とを示す概略正面図である。
図6図6は、ロックシャフトが途中位置に配置されているときのロック機構と突出機構とを示す概略正面図である。
図7図7は、ロックシャフトが退避位置に配置されているときのロック機構と突出機構とを示す概略正面図である。
図8図8は、突出位置に配置される複数のシートストッパを示す斜視図である。
図9図9は、複数のシートストッパが退避位置に配置されるときの突出機構を示す正面断面図である。
図10図10は、複数のシートストッパが突出位置に配置されるときの突出機構を示す正面断面図である。
図11図11は、画像読取装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる媒体搬送装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例0010】
実施例の媒体搬送装置は、図1に示されているように、画像読取装置10に設けられている。図1は、実施例の媒体搬送装置が設けられた画像読取装置10を示す側面断面図である。画像読取装置10は、媒体搬送装置本体1と給紙トレイ2と排紙トレイ3とを備えている。媒体搬送装置本体1は、固定側ユニット5とカバーユニット6とを備えている。固定側ユニット5は、画像読取装置10が設置される設置面に載置される。カバーユニット6は、固定側ユニット5の上に配置され、揺動軸7まわりに揺動可能に固定側ユニット5に支持されている。揺動軸7は、設置面が沿う平面に平行である。カバーユニット6は、揺動軸7まわりに揺動し、閉鎖位置または開放位置に配置される。媒体搬送装置本体1は、図示されていないばねをさらに備えている。ばねは、カバーユニット6が開放位置に向かって揺動するように、カバーユニット6に弾性力を与えている。
【0011】
媒体搬送装置本体1には、搬送路8が形成されている。搬送路8は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、固定側ユニット5とカバーユニット6との間に形成されている。媒体搬送装置本体1には、給紙口11と排紙口12とがさらに形成されている。給紙口11は、搬送路8の一端の近傍に形成され、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、固定側ユニット5とカバーユニット6との間に形成される。排紙口12は、搬送路8の他端の近傍に形成され、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、固定側ユニット5とカバーユニット6との間に形成される。排紙口12は、搬送路8を介して給紙口11に接続されている。
【0012】
給紙トレイ2は、概ね板状に形成されている。給紙トレイ2には、給紙トレイ載置面14が形成されている。給紙トレイ載置面14は、概ね平坦である。給紙トレイ2は、給紙トレイ載置面14が斜め上方を向くように、かつ、給紙トレイ載置面14が給紙口11に接続されるように、給紙口11の近傍に配置され、固定側ユニット5に支持されている。排紙トレイ3は、概ね板状に形成されている。排紙トレイ3には、排紙トレイ載置面15が形成されている。排紙トレイ載置面15は、概ね平坦である。排紙トレイ3は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、排紙トレイ載置面15が斜め上方を向くように、かつ、排紙トレイ載置面15が排紙口12に接続されるように、排紙口12の近傍に配置されている。排紙トレイ3は、カバーユニット6に支持されている。
【0013】
画像読取装置10は、搬送部16と2つの読取部17とをさらに備えている。搬送部16は、媒体搬送装置本体1の内部に配置されている。搬送部16は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、給紙口11に挿入された複数の媒体を保持している。搬送部16は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、給紙口11に挿入された複数の媒体のうちの一番上に配置される1つの媒体を搬送路8に供給する。なお、搬送部16は、給紙口11に挿入された複数の媒体のうちの一番下に配置される1つの媒体を搬送路8に供給する下取り方式の搬送部であってもよい。搬送部16は、さらに、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、搬送路8に供給された媒体を搬送路8に沿って搬送する。搬送部16は、さらに、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、搬送路8に沿って搬送された媒体を排紙口12から排紙する。搬送部16は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されていないときに、給紙口11に挿入された複数の媒体を解放し、搬送路8に沿って搬送される媒体を解放している。2つの読取部17は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、媒体搬送装置本体1の内部のうちの搬送路8の上下両側にそれぞれ配置されている。2つの読取部17のうちの搬送路8の下側に配置される一方の読取部は、固定側ユニット5に固定されている。2つの読取部17のうちの搬送路8の上側に配置される他方の読取部は、カバーユニット6に固定されている。2つの読取部17は、搬送路8に沿って搬送される媒体の両面の画像をそれぞれ撮像する。
【0014】
画像読取装置10は、ロック機構21をさらに備えている。ロック機構21は、アーム22とレバー23とロックシャフト24とを備えている。ロックシャフト24は、ロック部材の一例である。アーム22は、カバーユニット6に配置され、揺動軸25まわりに揺動可能にカバーユニット6に支持されている。揺動軸25は、搬送路8が沿う平面に平行である。アーム22は、揺動軸25まわりに揺動し、ロック位置またはアンロック位置に配置される。レバー23は、揺動軸25まわりに揺動可能にカバーユニット6に支持され、アーム22に固定されている。ロック機構21は、図示されていないばねをさらに備えている。ばねは、カバーユニット6の内部に配置されている。ばねは、アーム22がロック位置に向かって揺動するように、アーム22に弾性力を与えている。
【0015】
ロックシャフト24は、図2に示されているように、棒状に形成されている。図2は、ロック機構21の一部を示す上面図である。ロックシャフト24は、並進方向26に並進可能に固定側ユニット5に支持されている。並進方向26は、揺動軸25に平行であり、搬送路8が沿う平面に平行である。ロックシャフト24は、並進方向26に並進し、通常位置または退避位置に配置される。ロック機構21は、ソレノイドアクチュエータ27をさらに備えている。ソレノイドアクチュエータ27は、固定側ユニット5の内部に配置されている。ソレノイドアクチュエータ27は、図示されていないソレノイドを備え、ソレノイドに電流が流れることにより発生する磁場により、ロックシャフト24を並進方向26に並進させ、ロックシャフト24を通常位置または退避位置に配置させる。
【0016】
アーム22は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときで、かつ、ロックシャフト24が通常位置に配置されるときで、かつ、アーム22がロック位置に配置されているときに、図1に示されているように、ロックシャフト24に引っかかっている。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24に引っかかっているときに、カバーユニット6が閉鎖位置に配置された状態で固定側ユニット5に固定され、ロック状態になる。
【0017】
アーム22は、アーム22がアンロック位置に配置されるときに、または、ロックシャフト24が退避位置に配置されるときに、ロックシャフト24から外れる。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24から外れているときに、固定側ユニット5から解放され、図3に示されているように、開放位置に配置することができる。図3は、カバーユニット6が開放位置に配置されているときの画像読取装置10を示す側面断面図である。搬送路8は、カバーユニット6が開放位置に配置されているときに、露出している。搬送部16は、カバーユニット6が開放位置に配置されているときに、給紙口11に挿入された複数の媒体を解放し、搬送路8に沿って搬送される媒体を解放している。
【0018】
画像読取装置10は、図4に示されているように、複数のシートストッパ31と突出機構32とをさらに備えている。図4は、複数のシートストッパ31と突出機構32とを示す正面断面図である。複数のシートストッパ31の各々は、棒状に形成されている。複数のシートストッパ31は、並進方向26に離間して配置されている。複数のシートストッパ31は、突出方向33に移動可能に固定側ユニット5に支持されている。突出方向33は、搬送路8が沿う平面に概ね垂直である。複数のシートストッパ31は、突出方向33に移動し、突出位置または退避位置に配置される。
【0019】
突出機構32は、ロックシャフト24が退避位置に向かって並進する運動を、複数のシートストッパ31が突出位置に向かって移動して搬送路8に突出する運動に変換する。突出機構32は、固定部材34と2つの押し込み部材35と複数の第1摺動部材36と複数の第2摺動部材37とを備えている。固定部材34は、棒状に形成され、並進方向26に配置されている。固定部材34は、突出方向33に移動可能に固定側ユニット5に支持されている。複数のシートストッパ31は、固定部材34に固定されている。
【0020】
2つの押し込み部材35の各々は、棒状に形成されている。2つの押し込み部材35は、搬送路8の外側にそれぞれ配置されている。2つの押し込み部材35は、さらに、2つの押し込み部材35の間に複数のシートストッパ31が配置されるように、複数のシートストッパ31と並進方向26に離間して配置されている。2つの押し込み部材35は、突出方向33に平行にそれぞれ配置されている。2つの押し込み部材35は、突出方向33に移動可能に固定部材34を介して固定されている。
【0021】
図5は、ロック機構21と突出機構32とを示す概略正面図である。複数の第1摺動部材36には、複数の第1摺動面38がそれぞれ形成されている。複数の第1摺動部材36は、固定部材34に固定され、複数の第1摺動面38は、平行に配置されている。複数の第2摺動部材37には、複数の第2摺動面39がそれぞれ形成されている。複数の第2摺動部材37は、複数の第2摺動面39が複数の第1摺動面38と平行になるように、かつ、複数の第2摺動面39が複数の第1摺動面38にそれぞれ対向するように、配置されている。複数の第2摺動部材37は、ロックシャフト24に固定されている。
【0022】
突出機構32は、さらに、ロックシャフト24が通常位置に配置されているときに、複数の第2摺動部材37が複数の第1摺動部材36に接触しないように形成されている。突出機構32は、複数の第2摺動部材37が複数の第1摺動部材36に接触しないときに、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されるように、形成されている。複数のシートストッパ31は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されているときに、搬送路8から退避し、搬送路8に突出していないで、搬送路8から離れている。
【0023】
ロック機構21は、ロックシャフト24が通常位置に配置されているときに、アーム22がロックシャフト24に引っ掛かるように、形成されている。ロック機構21は、通常位置と退避位置との間の途中位置にロックシャフト24が配置されているときに、図6に示されているように、ロックシャフト24がアーム22から離れるように、形成されている。図6は、ロックシャフト24が途中位置に配置されているときのロック機構21と突出機構32とを示す概略正面図である。すなわち、アーム22は、ロックシャフト24が途中位置に配置されているときに、ロックシャフト24に引っ掛かることができず、ロックシャフト24から外れている。さらに、複数の第2摺動部材37は、ロックシャフト24が途中位置に配置されているときに、複数の第1摺動部材36に接触していない。
【0024】
突出機構32は、ロックシャフト24が途中位置から退避位置に向かってさらに並進するときに、図7に示されているように、複数の第2摺動部材37が複数の第1摺動部材36にそれぞれ接触するように、形成されている。図7は、ロックシャフト24が退避位置に配置されているときのロック機構21と突出機構32とを示す概略正面図である。突出機構32は、ロックシャフト24が退避位置に配置されたときに、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されるように、形成されている。
【0025】
突出機構32は、さらに、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されるときに、図8に示されているように、複数のシートストッパ31の先端が搬送路8に突出するように、形成されている。図8は、突出位置に配置される複数のシートストッパ31を示す斜視図である。
【0026】
突出機構32は、図9に示されているように、シートストッパガイド45をさらに備えている。図9は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されるときの複数のシートストッパ31と突出機構32とを示す正面断面図である。シートストッパガイド45には、搬送路下側ガイド面49が形成されている。シートストッパガイド45は、給紙口11の付近に配置され、固定側ユニット5に固定されている。
【0027】
カバーユニット6には、搬送路上側ガイド面55と2つの押さえ部56とが形成されている。搬送路上側ガイド面55は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、搬送路下側ガイド面49に対向している。カバーユニット6は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、搬送路上側ガイド面55と搬送路下側ガイド面49との間に搬送路8が形成されている。2つの押さえ部56は、カバーユニット6のうちの搬送路上側ガイド面55の両側にそれぞれ形成されている。2つの押さえ部56は、搬送路上側ガイド面55が沿う平面から突出するように、形成されている。
【0028】
複数のシートストッパ31は、同一の形状を有し、固定部材34に固定されている。複数のシートストッパ31が退避位置に配置されるときに、搬送路8と給紙口11との間は、遮断されておらず、給紙口11は、搬送路8に接続されている。
【0029】
突出機構32は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されるときに、搬送路下側ガイド面49が沿う平面から2つの押し込み部材35の両方が突出しないように、かつ、搬送路下側ガイド面49が沿う平面に2つの押し込み部材35の先端が沿うように、形成されている。複数のシートストッパ31は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されるときに、搬送路下側ガイド面49が沿う平面から複数のシートストッパ31の先端が突出しないように、かつ、搬送路下側ガイド面49が沿う平面と複数のシートストッパ31の先端との間の距離が所定長さ(たとえば、5mm)以上であるように、形成されている。すなわち、複数のシートストッパ31は、2つの押し込み部材35のうちの2つの押さえ部56に接触する先端が沿う平面に複数のシートストッパ31が交差しないように、複数のシートストッパ31の先端がその平面から所定長さ以上離れるように、2つの押し込み部材35より短く形成されている。突出機構32は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されているときに、2つの押し込み部材35の先端が2つの押さえ部56にそれぞれ接触するように、形成されている。
【0030】
突出機構32は、シートストッパ固定突出部43と押し込み部材固定突出部44とをさらに備えている。シートストッパ固定突出部43は、シートストッパ固定突出部43の先端がシートストッパ41の側面から突出するように配置されている。シートストッパ固定突出部43は、シートストッパ固定突出部43に閾値より大きな荷重が加わるときに、シートストッパ固定突出部43の先端がシートストッパ41の側面から突出する長さが短くなるように、シートストッパ41に支持されている。
【0031】
押し込み部材固定突出部44は、押し込み部材固定突出部44の先端が押し込み部材35の側面から突出するように配置されている。押し込み部材固定突出部44は、押し込み部材固定突出部44に閾値より大きな荷重が加わるときに、押し込み部材固定突出部44の先端が押し込み部材42の側面から突出する長さが短くなるように、押し込み部材42に支持されている。
【0032】
シートストッパガイド45には、シートストッパ貫通孔46と退避時嵌合溝48と突出時嵌合溝47とが形成されている。シートストッパ貫通孔46には、シートストッパ41が貫通している。退避時嵌合溝48は、シートストッパ貫通孔46の内壁に形成されている。突出時嵌合溝47は、シートストッパ貫通孔46の内壁に退避時嵌合溝48より搬送路8の側に形成されている。シートストッパガイド45は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されているときに、シートストッパ固定突出部43の先端が退避時嵌合溝48に嵌合するように、形成されている。
【0033】
シートストッパガイド45には、押し込み部材貫通孔51と退避時嵌合溝53と突出時嵌合溝52とがさらに形成されている。押し込み部材貫通孔51には、押し込み部材42が貫通している。退避時嵌合溝53は、押し込み部材貫通孔51の内壁に形成されている。突出時嵌合溝52は、押し込み部材貫通孔51の内壁に退避時嵌合溝53より搬送路8の側に形成されている。シートストッパガイド45は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されているときに、押し込み部材固定突出部44の先端が退避時嵌合溝53に嵌合するように、形成されている。
【0034】
図10は、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されるときの複数のシートストッパ31と突出機構32とを示す正面断面図である。シートストッパガイド45は、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されているときに、シートストッパ固定突出部43の先端が突出時嵌合溝47に嵌合するように、形成されている。
【0035】
2つの押し込み部材35の各々も、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されるときに、搬送路下側ガイド面49が沿う平面から突出している。シートストッパガイド45は、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されているときに、押し込み部材固定突出部44の先端が突出時嵌合溝52に嵌合するように、形成されている。
【0036】
図11は、画像読取装置10を示すブロック図である。画像読取装置10は、ジャムセンサ61とオープンセンサ62と制御装置63とをさらに備えている。ジャムセンサ61は、搬送路8のうちの媒体検出位置に媒体が配置されているか否かを検出する。オープンセンサ62は、カバーユニット6が開放位置に配置されているか否かを検出する。
【0037】
制御装置63は、コンピュータであり、記憶装置64とCPU65(Central Processing Unit)とを備えている。記憶装置64には、制御装置63にインストールされるコンピュータプログラムが記録され、CPU65により利用される情報が記録される。CPU65は、制御装置63にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置64を制御する。CPU65は、制御装置63にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、さらに、搬送部16と2つの読取部17とソレノイドアクチュエータ27とジャムセンサ61とオープンセンサ62とを制御する。
【0038】
[画像読取装置10の動作]
ユーザは、画像読取装置10を用いて複数の媒体の画像を読み取りたいときに、カバーユニット6を閉鎖位置に配置し、複数の媒体を給紙トレイ2に載置する。複数の媒体の各々は、たとえば、コピー用紙、感熱紙などである。給紙トレイ2に載置された複数の媒体は、給紙トレイ載置面14が斜め上方を向いていることにより、重力により給紙口11に向かって移動し、給紙口11に挿入される。ユーザは、複数の媒体が給紙口11に挿入された後に、画像読取装置10を操作して画像読取装置10を起動する。
【0039】
制御装置63は、画像読取装置10が起動されたときに、搬送部16を制御し、給紙口11に挿入された複数の媒体のうちの一番上に配置される1つの媒体を搬送路8に供給し、搬送路8に供給された媒体を搬送路8に沿って搬送する。制御装置63は、2つの読取部17を制御し、搬送路8に沿って搬送される媒体の両面の画像をそれぞれ撮像する。2つの読取部17は、媒体の画像が撮像されるときに、2つの読取部17が媒体を照明していることにより、発熱している。
【0040】
制御装置63は、さらに、搬送部16を制御し、搬送路8に沿って搬送される媒体を、排紙口12を介して排紙する。排紙口12を介して排紙された媒体は、排紙トレイ3に載置される。制御装置63は、給紙口11に挿入された複数の媒体の全部が排紙トレイ3に載置されるまで、媒体の搬送と媒体の画像の撮像とを繰り返し実行する。
【0041】
制御装置63は、媒体が搬送路8に沿って搬送されるときに、さらに、ジャムセンサ61を用いて搬送路8にジャムが発生しているか否かを判定する。たとえば、制御装置63は、ジャムセンサ61が媒体を検出していない状態から、ジャムセンサ61が媒体を検出している状態に切り替わるときに、媒体の先端が媒体検出位置を通過したと判定する。制御装置63は、ジャムセンサ61が媒体を検出している状態から、ジャムセンサ61が媒体を検出していない状態に切り替わるときに、媒体の後端が媒体検出位置を通過したと判定する。制御装置63は、媒体の先端が媒体検出位置を通過したタイミングから、媒体の後端が媒体検出位置を通過したタイミングまでの時間が、予め定められた閾値より大きいときに、搬送路8にジャムが発生したと判定する。
【0042】
制御装置63は、搬送路8にジャムが発生したと判定されたときに、ソレノイドアクチュエータ27を制御し、ロックシャフト24を退避位置に向かって並進させる。ロックシャフト24は、ロックシャフト24が退避位置に向かって並進する途中で、途中位置に配置される。アーム22は、ロックシャフト24が途中位置に配置されるときに、ロックシャフト24から外れる。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24から外れることにより、ロック状態から解放される。カバーユニット6は、カバーユニット6がロック状態から解放されるときに、ばねの弾性力により、開放位置に向かって揺動し、開放位置に配置される。搬送路8は、カバーユニット6が開放位置に配置されることにより、外部に露出する。
【0043】
複数のシートストッパ31は、ロックシャフト24が退避位置に向かって並進するときに、突出機構32により、突出位置に向かって移動する。すなわち、複数の第2摺動部材37の複数の第2摺動面39は、ロックシャフト24が途中位置を通過した後に退避位置に向かってさらに並進することにより、複数の第1摺動部材36の複数の第1摺動面38にそれぞれ接触する。複数のシートストッパ31は、複数の第1摺動面38が複数の第2摺動面39にそれぞれ接触した後で、ロックシャフト24が退避位置に向かってさらに並進するときに、複数の第1摺動面38が複数の第2摺動面39を滑って移動することにより、突出位置に向かって並進する。複数のシートストッパ31は、ロックシャフト24が退避位置に配置されたときに、突出機構32により、突出位置に配置される。
【0044】
シートストッパ固定突出部43は、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されるときに、突出時嵌合溝47に嵌合する。押し込み部材固定突出部44は、複数のシートストッパ31が突出位置に配置されるときに、突出時嵌合溝52に嵌合する。複数のシートストッパ31は、シートストッパ固定突出部43が突出時嵌合溝47に嵌合して押し込み部材固定突出部44が突出時嵌合溝52に嵌合することにより、複数のシートストッパ31が退避位置に向かって移動しないように、媒体搬送装置本体1に固定される。
【0045】
制御装置63は、搬送路8にジャムが発生したと判定されたときに、さらに、搬送部16を停止する。制御装置63は、搬送路8にジャムが発生したと判定されたときに、さらに、2つの読取部17を停止する。2つの読取部17の発熱は、2つの読取部17が停止されることにより、低減する。
【0046】
制御装置63は、ソレノイドアクチュエータ27がロックシャフト24を退避位置に向かって並進させた後に、オープンセンサ62を用いて、カバーユニット6が開放位置に配置されているか否かを検出する。制御装置63は、カバーユニット6が開放位置に配置されたことをオープンセンサ62が検出した後に、ソレノイドアクチュエータ27を制御し、ロックシャフト24を通常位置に向かって並進させ、ロックシャフト24を通常位置に配置させる。複数のシートストッパ31は、ロックシャフト24が通常位置に配置されたときでも、複数のシートストッパ31がシートストッパ固定突出部43と押し込み部材固定突出部44とにより固定されていることにより、突出位置に配置された状態のままである。
【0047】
搬送路8に沿って搬送されていた媒体は、カバーユニット6が開放位置に配置されることにより、2つの読取部17から離れる。この結果、画像読取装置10は、媒体が2つの読取部17から離れることにより、媒体が2つの読取部17により加熱されることを防止し、媒体が感熱紙であるときに、感熱紙が発色することを防止することができる。
【0048】
給紙トレイ2に載置されている媒体は、カバーユニット6が開放位置に配置されることにより、重力により搬送路8に向かって移動する。搬送路8に向かって移動する媒体は、複数のシートストッパ31に接触して、搬送路8になだれ込まないように、複数のシートストッパ31に保持される。このため、画像読取装置10は、カバーユニット6が開放位置に配置されたときに、媒体が搬送路8になだれ込むことを防止することができ、ジャムに巻き込まれた媒体を取り除くユーザの作業を容易化することができる。
【0049】
ユーザは、カバーユニット6が開放位置に配置された後に、搬送路8に発生したジャムに巻き込まれた媒体と、複数のシートストッパ31により保持された媒体とを画像読取装置10から取り除く。ユーザは、媒体が取り除かれた後に、カバーユニット6を閉鎖位置に向かって揺動させ、カバーユニット6を閉鎖位置に配置する。
【0050】
複数のシートストッパ31は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されたときに、突出機構32により、退避位置に配置される。すなわち、突出機構32の2つの押し込み部材35は、カバーユニット6が閉鎖位置に向かって揺動されたときに、2つの押さえ部56により押さえられる。複数のシートストッパ31は、2つの押し込み部材35が押さえられることより、退避位置に向かって移動する。複数のシートストッパ31が退避位置に向かって移動するときに、シートストッパ固定突出部43に閾値以上の荷重が加わり、シートストッパ固定突出部43の先端は、突出時嵌合溝47から外れる。複数のシートストッパ31が退避位置に向かって移動するときに、押し込み部材固定突出部44に閾値以上の荷重が加わり、押し込み部材固定突出部44の先端は、突出時嵌合溝52から外れる。複数のシートストッパ31は、シートストッパ固定突出部43が突出時嵌合溝47から外れ、押し込み部材固定突出部44が突出時嵌合溝52から外れることにより、シートストッパガイド45から解放され、退避位置に向かって移動する。押さえ部56は、カバーユニット6が閉鎖位置に向かって揺動することにより、搬送路下側ガイド面49に接触する。2つの押し込み部材35の先端は、押さえ部56が搬送路下側ガイド面49に接触することにより、搬送路下側ガイド面49が沿う平面に沿う。複数のシートストッパ31は、搬送路下側ガイド面49が沿う平面に2つの押し込み部材35の先端が沿うことにより、退避位置に配置され、搬送路8から退避する。
【0051】
押さえ部56は、製造誤差により、カバーユニット6が閉鎖位置に配置された場合でも、搬送路下側ガイド面49に接触しないことがある。複数のシートストッパ31は、搬送路下側ガイド面49が沿う平面に2つの押し込み部材35の先端が沿っている場合でも、固定部材34が若干変形し、退避位置に適切に配置されないことがある。このような場合でも、画像読取装置10は、複数のシートストッパ31が2つの押し込み部材35より短いことにより、複数のシートストッパ31をより確実に搬送路8から退避させることができる。画像読取装置10は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されたときに複数のシートストッパ31が確実に搬送路8から退避することにより、媒体搬送時に媒体が複数のシートストッパ31に引っかかる搬送不良を防止することができる。
【0052】
アーム22は、カバーユニット6が閉鎖位置に向かって揺動するときに、ロックシャフト24に接触し、ロックシャフト24を滑り、ばねの弾性力に逆らってアンロック位置に向かって揺動する。アーム22は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されたときで、かつ、アーム22がアンロック位置に配置されたときに、ばねの弾性力によりロック位置に向かって揺動し、ロックシャフト24に引っ掛かる。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24に引っ掛かることにより、カバーユニット6が閉鎖位置に配置された状態で固定側ユニット5に固定され、ロック状態になる。
【0053】
搬送部16は、搬送部16が制御装置63により停止された後でも、惰性で、たとえば、数秒間だけ搬送路8に配置された媒体を搬送路8に沿って搬送することがある。搬送路8に沿って搬送される媒体は、搬送路8にジャムが発生した後にさらに搬送路8に沿って搬送されるときに、さらに屈曲することがある。画像読取装置10は、ソレノイドアクチュエータ27がソレノイドに電流が流れることにより発生する磁場により、ロックシャフト24を並進させていることにより、ロックシャフト24を高速に並進させることができる。画像読取装置10は、ロックシャフト24が高速に並進することにより、搬送部16が惰性で媒体を搬送路8に沿って搬送している最中に、カバーユニット6を開放位置に向かって揺動させることができる。このため、画像読取装置10は、ジャムに巻き込まれた媒体を短時間に解放することができ、ジャムに巻き込まれた媒体がさらに屈曲することを防止することができる。
【0054】
ユーザは、たとえば、画像読取装置10をメンテナンスするときに、レバー23を操作することにより、カバーユニット6をロック状態から解放し、カバーユニット6を開放位置に配置させることができる。このとき、ユーザは、レバー23に指をかけ、レバー23を揺動軸25まわりに揺動させてアーム22をロックシャフト24から外し、カバーユニット6をロック状態から解放する。ユーザは、アーム22がロックシャフト24から外れた後に、カバーユニット6を開放位置に向かって揺動させ、カバーユニット6を開放位置に配置させる。画像読取装置10は、さらに、ソレノイドアクチュエータ27が固定側ユニット5に設けられていることにより、カバーユニット6を軽量化することができる。画像読取装置10は、カバーユニット6が軽量化されていることにより、カバーユニット6を揺動させる力を低減することができる。
【0055】
[実施例の媒体搬送装置の効果]
実施例の媒体搬送装置は、固定側ユニット5とカバーユニット6と搬送部16とロックシャフト24とアーム22とソレノイドアクチュエータ27とを備えている。カバーユニット6は、固定側ユニット5に支持されている。搬送部16は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されるときに固定側ユニット5とカバーユニット6との間に形成される搬送路8に沿って媒体を搬送する。ロックシャフト24は、並進可能に固定側ユニット5に支持されている。アーム22は、カバーユニット6に支持されている。ソレノイドアクチュエータ27は、ロックシャフト24を並進させる。アーム22は、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されるときで、かつ、ロックシャフト24が通常位置に配置されるときで、かつ、アーム22がロック位置に配置されるときに、ロックシャフト24に引っ掛かる。アーム22は、ロック位置と異なるアンロック位置にアーム22が配置されるときに、または、ロックシャフト24が退避位置に配置されるときに、ロックシャフト24から外れる。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24に引っ掛かるときに固定側ユニット5に固定される。カバーユニット6は、アーム22がロックシャフト24から外れるときに、閉鎖位置と異なる開放位置にカバーユニット6が配置されるように固定側ユニット5から解放される。
【0056】
実施例の媒体搬送装置は、ソレノイドアクチュエータ27が機能しない場合でも、アーム22がアンロック位置に配置されるようにユーザがレバー23を操作することにより、カバーユニット6をロック状態から解放することができる。実施例の媒体搬送装置は、さらに、レバー23によりアーム22が揺動しない場合でも、ソレノイドアクチュエータ27がロックシャフト24を退避位置に向かって並進させることにより、カバーユニット6をロック状態から解放することができる。すなわち、実施例の媒体搬送装置は、ソレノイドアクチュエータ27とレバー23との一方が機能しない場合でも、他方を用いて、カバーユニット6をロック状態から確実に解放することができ、搬送路8を確実に露出させることができる。実施例の媒体搬送装置は、さらに、ソレノイドアクチュエータ27が固定側ユニット5に設けられていることにより、カバーユニット6を軽量化することができる。実施例の媒体搬送装置は、カバーユニット6が軽量化されていることにより、カバーユニット6を揺動させるのに必要な力を低減することができる。
【0057】
また、実施例の媒体搬送装置は、ジャムセンサ61と制御装置63とをさらに備えている。ジャムセンサ61は、搬送路8にジャムが発生したか否かを検出する。制御装置63は、ジャムセンサ61がジャムの発生を検出したときに、ロックシャフト24が退避位置に退避するように、ソレノイドアクチュエータ27を制御する。実施例の媒体搬送装置は、搬送路8にジャムが発生したときにカバーユニット6が自動的にロック状態から解放されて開放位置に配置されることにより、ジャムに巻き込まれた媒体に加わる負荷を低減することができる。
【0058】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置のジャムセンサ61は、搬送路8の媒体検出位置に媒体が配置されているか否かを検出しているが、他の現象を検出する他のジャムセンサに置換されてもよい。そのジャムセンサとしては、搬送路8で発生する音を検出するマイクが例示される。このとき、制御装置63は、マイクが検出した音に、予め定められた音と異なる音が含まれるときに、搬送路8にジャムが発生していると判定する。このような場合でも、媒体搬送装置は、搬送路8にジャムが発生したときにカバーユニット6が自動的にロック状態から解放されて開放位置に配置されることにより、ジャムに巻き込まれた媒体に加わる負荷を低減することができる。
【0059】
また、実施例の媒体搬送装置は、固定側ユニット5に支持される複数のシートストッパ31と、ロックシャフト24が退避位置に向かって移動する運動を、複数のシートストッパ31が搬送路8に突出する運動に変換する突出機構32とをさらに備えている。実施例の媒体搬送装置は、カバーユニット6が自動的にロック状態から解放されたときに、媒体が搬送路8になだれ込むことを防止する複数のシートストッパ31を駆動するアクチュエータを、ソレノイドアクチュエータ27と別個に備える必要がなく、製造コストを低減することができる。
【0060】
また、実施例の媒体搬送装置の突出機構32は、複数のシートストッパ31に固定される2つの押し込み部材35と、カバーユニット6に固定される2つの押さえ部56とを備えている。突出機構32は、カバーユニット6が閉鎖位置に向かって揺動するときに、2つの押さえ部56が2つの押し込み部材35に接触して2つの押し込み部材35を移動させることにより、複数のシートストッパ31を搬送路8から退避させる。このとき、複数のシートストッパ31は、2つの押し込み部材35のうちの2つの押さえ部56に接触する先端が沿う平面に複数のシートストッパ31が交差しないように、2つの押し込み部材35より短く形成されている。実施例の媒体搬送装置は、たとえば、製造誤差により閉鎖位置に配置されたカバーユニット6がずれる場合でも、複数のシートストッパ31をより確実に搬送路8から退避させることができる。実施例の媒体搬送装置は、複数のシートストッパ31がより確実に搬送路8から退避することにより、媒体搬送時に媒体が複数のシートストッパ31に引っかかる搬送不良を防止することができる。
【0061】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置の2つの押し込み部材35は、複数のシートストッパ31が退避位置に配置されているときに、搬送路下側ガイド面49が沿う平面から突出しないが、搬送路下側ガイド面49が沿う平面から突出する他の押し込み部材に置換されてもよい。このとき、媒体搬送装置は、2つの押さえ部56が搬送路上側ガイド面55から突出していない場合でも、カバーユニット6が閉鎖位置に向かって揺動するときに、複数のシートストッパ31を退避位置に向かって適切に移動させることができる。媒体搬送装置は、さらに、カバーユニット6が閉鎖位置に配置されても2つの押さえ部56が搬送路下側ガイド面49に接触しない場合でも、カバーユニット6が閉鎖位置に向かって揺動するときに、複数のシートストッパ31を退避位置に向かって適切に移動させることができる。このため、媒体搬送装置は、既述の実施例の媒体搬送装置と同様に、複数のシートストッパ31を確実に搬送路8から退避させることができ、搬送不良を防止することができる。
【0062】
また、実施例の媒体搬送装置は、複数のシートストッパ31が搬送路8に突出したときに、複数のシートストッパ31が搬送路8から退避しないように、複数のシートストッパ31を固定側ユニット5に固定するシートストッパ固定突出部43をさらに備えている。実施例の媒体搬送装置は、複数のシートストッパ31が搬送路8に突出した後にロックシャフト24が通常位置に向かって並進した場合でも、複数のシートストッパ31が搬送路8から退避することを防止することができる。このため、実施例の媒体搬送装置は、複数のシートストッパ31に保持された媒体が取り除かれる前にロックシャフト24が通常位置に向かって並進した場合でも、複数のシートストッパ31に保持された媒体が搬送路8になだれ込むことを防止することができる。
【0063】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、カバーユニット6が開放位置に配置された後に、ロックシャフト24を通常位置に向かって並進させているが、他のタイミングでロックシャフト24を通常位置に向かって並進させてもよい。たとえば、制御装置63は、カバーユニット6が開放位置に配置されるか否かに無関係に、ロックシャフト24が退避位置に配置されてから、予め定められた時間(たとえば、1秒)経過した後に、ロックシャフト24が通常位置に配置されるように、ソレノイドアクチュエータ27を制御してもよい。この場合でも、媒体搬送装置は、複数のシートストッパ31が搬送路8から退避することがシートストッパ固定突出部43により防止されていることにより、複数のシートストッパ31に保持された媒体が搬送路8になだれ込むことを防止することができる。このため、実施例の媒体搬送装置は、オープンセンサ62が省略された場合でも、複数のシートストッパ31に保持された媒体が搬送路8になだれ込むことを防止することができる。実施例の媒体搬送装置は、オープンセンサ62が省略されることにより、部品点数を低減することができ、製造コストを低減することができる。
【0064】
さらに、制御装置63は、ロックシャフト24が通常位置から退避位置に向かって並進した後で、カバーユニット6が開放位置に配置されているときに、ロックシャフト24が通常位置に向かって並進しないように、ソレノイドアクチュエータ27を制御してもよい。このとき、制御装置63は、開放状態から非開放状態に変化したときに、ロックシャフト24が通常位置に配置されるように、ソレノイドアクチュエータ27を制御する。このとき、ユーザは、複数のシートストッパ31に保持された媒体を取り除いた後に、カバーユニット6を閉鎖位置に向かって揺動させる。この場合でも、このような媒体搬送装置は、複数のシートストッパ31に保持された媒体が搬送路8になだれ込むことを防止することができる。このような媒体搬送装置は、シートストッパ固定突出部43が省略された場合でも、複数のシートストッパ31に保持された媒体が搬送路8になだれ込むことを防止することができる。このような媒体搬送装置は、シートストッパ固定突出部43が省略されることにより、部品点数を低減することができ、製造コストを低減することができる。
【0065】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、カバーユニット6がロック状態から解放されたときに複数のシートストッパ31を搬送路8に突出させているが、複数のシートストッパ31を搬送路8に突出させなくてもよい。このような場合でも、媒体搬送装置は、搬送路8にジャムが発生したときにカバーユニット6が開放されることにより、ジャムに巻き込まれた媒体に負荷が加わることを防止することができる。
【0066】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、搬送路8にジャムが発生したときにカバーユニット6をロック状態から解放しているが、ジャムと異なる他の事象が発生したときにカバーユニット6をロック状態から解放してもよい。たとえば、媒体搬送装置は、予め定められた操作が実施されたときに、ソレノイドアクチュエータ27を用いてカバーユニット6をロック状態から解放する。この場合も、媒体搬送装置は、ソレノイドアクチュエータ27とレバー23との一方が適切に機能しなくなった場合でも、ソレノイドアクチュエータ27とレバー23との一方を用いて搬送路8を確実に露出させることができる。
【0067】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置の2つの読取部17は、搬送路8に沿って搬送される媒体の両面の画像をそれぞれ撮像しているが、2つの読取部17の一方が媒体の画像を撮像しないで、2つの読取部17の他方が媒体の片面の画像を撮像してもよい。また、既述の実施例の媒体搬送装置には、2つの読取部17が設けられているが、2つの読取部17のうちの一方の読取部が省略されてもよい。このような場合でも、媒体搬送装置は、既述の実施例の媒体搬送装置と同様に、搬送路8を確実に露出させることができる。
【0068】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、画像読取装置に利用されているが、他の装置に利用されてもよい。その装置としては、媒体に文字・図形を印刷するプリンタが例示される。プリンタは、既述の実施例の媒体搬送装置の2つの読取部17が、搬送路8に沿って搬送される媒体に文字・図形を印刷する印刷部に置換されている。この場合も、媒体搬送装置は、既述の実施例の媒体搬送装置と同様に、搬送路8を確実に露出させることができる。
【0069】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0070】
10:画像読取装置
1 :媒体搬送装置本体
5 :固定側ユニット
6 :カバーユニット
8 :搬送路
16:搬送部
22:アーム
24:ロックシャフト
27:ソレノイドアクチュエータ
31:複数のシートストッパ
32:突出機構
43:シートストッパ固定突出部
44:押し込み部材固定突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11