(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155640
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】山型に折りたたまれて汎用性に優れた多用途に使える食器敷マット
(51)【国際特許分類】
A47G 23/03 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A47G23/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023078190
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】522453485
【氏名又は名称】パウムテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 桂樹
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA20
3B115BB12
3B115DA09
3B115DB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】たったひとつでコップのコースター、鍋敷き、鍋つかみ、容器のふたの開閉補助具、コップのストロー差し補助具の役割りを果たし、視覚的にも優れ同時に場所を取らない高い収納性を実現する形状を整えた食器敷マットを提供する。
【解決手段】円形状の合成樹脂製のプレート1を基本形とする。このプレート1の表面裏面にそれぞれ中心から八等分割する山折れ谷折れのための溝1aを両面にそれぞれ等角度交互に設け、かつプレート1の中心部に円形の穴1bを開ける。また溝1aで十六等分割された円弧端部には径の小さい円形の突起部1cを設ける。プレート1の中心から八等分する山折れ谷折れのための溝1aを頼りに円形状のプレート1を折りたたみ、円形の穴1bを開けた円形状のプレート1の中心部を山型頂点部2にした山型が本発明の原形になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状の合成樹脂製のプレートの表面裏面にそれぞれ中心から八等分割する山折れ谷折れのための溝を等角度交互に設けて、かつその中心に円形の穴を開け折りたたんで円形状のプレートの中心部を頂点にした山型が原形になることを特徴とする食器敷マット
【請求項2】
円形状の合成樹脂製のプレートの表面裏面に備えられた山折れ谷折れのための溝で分割された円弧端部には径の小さい円形の突起部を設け原形の山型がその頂点を押さえられて円形状のプレートに展開するときかつ原形の山型に戻ろうとするときに設置平面との摩擦力を軽減することを特徴とする食器敷マット
【請求項3】
円形状の合成樹脂製のプレートのその中心から八等分割した山折れ谷折れのためのそれぞれの溝の間に二列の同心円突起部を山折れ谷折れ溝付きで備え、この突起部からプレートの中心部へ向かって滑り止め密着のための突起部を八等分割されたプレートの表面裏面にそれぞれ備え、同心円突起部の隙間で飲み物が入ったコップの縁に被せたときに本体の位置を固定しストローをその頂点の穴から差し込んでストローの位置を定める補助具になり、かつ滑り止め密着のための突起部が原形の山型の内部を容器のふたに被せてその開閉を助け、かつ鍋つかみとして使えることを特徴とする食器敷マット
【請求項4】
合成樹脂の素材の物理特性と元のかたちに戻ろうとする復元力を活かして円形状のプレートの構成を基本としてその面に備える突起物もさまざまな形状にして大小様々な食器や容器などの用具や補助具に使えることを特徴とする食器敷マット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂の素材の物理特性と元のかたちに戻ろうとする復元力を使い高い収納性と汎用性の実現に着眼した食器敷マットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の合成樹脂製のプレートは素材の物理特性からコップのコースターや鍋敷き、鍋つかみ、容器のふたの開閉などその用途は様々であった。しかしそれぞれの目的の機能は実用的であったがその使われ方は限定的であった。
合成樹脂の素材の物理特性は、高い耐熱性、低い熱伝導率、高い熱安定性、高い撥水性、高い電気絶縁性、耐候性の高さ、低い化学反応性、低毒性、非粘着性、柔軟性、元のかたちに戻る性質などが公知である。
こうした物理特性により様々な生活シーンで役立つ鍋敷き、コースター、鍋つかみ、コップのふた、電子レンジで使える容器、容器のふたを開閉する補助具など様々利用されているのも公知である。
正方形状でその表面裏面に山折り谷折り用の溝がその本体を四角くたたむ機能を果たし、表面のかみ合う凸凹加工により本体の四分の一の正方形になる鍋敷きがあった。(特許文献1参照)
また円形状で中心に丸い穴が開けられ全体に円の中心から山折り谷折りされた三角形の波板形状の鍋敷きがあった。(特許文献2参照)
また大きな円形状でその表面に凸凹部を格子状に備えてその素材のシリコンの特性を活かしながら鍋つかみとして使う鍋敷きがあった。(特許文献3参照)
またコップの開口部を塞ぐようにはめ込むストロー保持キャップがあった(特許文献4参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6288847号
【特許文献2】特開2012-24209号
【特許文献3】実用新案登録第3223969号
【特許文献4】実用新案登録第3154815号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
合成樹脂製の素材の多様な物理特性のひとつひとつを個別にそれぞれ活用した機能の用具が揃っている。その中でふたつの機能を合わせて活用し、鍋敷きとしても鍋つかみとしてもどちらでも使うことができる用具がある。しかしながら合成樹脂製のプレートの多様な物理特性であるさまざまな機能を同時に活かして多用途に使える用具がない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
合成樹脂製のプレートは柔らかく持つ手に馴染み保持する物体に密着する特性があり、かつ自由に形成して元のかたちに戻る特性を併せ持つ。こうした特性を活かし多用途に利用する用具になるように整形してさまざまな用途に使うことができる食器敷マットを提供するものである。
この食器敷マットは、円形状のプレートを基本形として折り目のための溝を設けて折りたたんでかたちを整え整形した山型を原形としてテーブルなどの上面に立てておくことができる構成である。
食器敷マットとして使用するときは基本形である円形状のプレートの中心に丸く開けた穴の縁が山型の頂点で水平になり、この水平になった頂点を食器などの底面で押し当てれば円形状のプレートに展開して敷マットに形状を変え、押し当てた食器などを持ち上げると原形の山型に自ら戻る構成である。
また、円形状の合成樹脂製のプレートの裏面に備えられた滑り止め密着のための突起部の効能で山型の内部の空間を容器のふたに押し当てながら手で把持して回すと容器のふたを容易に開閉する構成である。同様にその内部の空間を耐熱皿などの持ち手部の鍋つかみとして使うことができ、容器のふたの開閉や鍋つかみとして使い終わったらテーブルなどの上面に置くだけで原形の山型に自ら戻る構成である。
また、円形状の合成樹脂製のプレートの面に備えられた滑り止め密着のための突起部と二列の同心円突起部の効能で把持する手の滑りを抑えかつ押し当てたものに接触する面を増やして滑り止めの効果を持った構成である。
また広がりやすく元のかたちに戻りやすい特性で原形の山型のまま飲み物を入れたコップの縁に二列の同心円突起部の隙間を利用して被せて固定し、山型上部に開いた穴にストローを差し込みその位置の補助とストローを自由に動かしてコップの中の飲み物を吸い込む作業を補助する構成である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の食器敷マットは、基本形の円形状のプレートを表面裏面に設けた折り目のための溝で折りたたむと山型になる。この山形を原形にすると保管に場所を取らずかつ保管場所を選ばない効果がある。この効果で使いたい場所に山型のまま置いておきながら使いたいときに手軽にかつ気楽に使うことができる。
また山型が原形になった円形状の食器敷マットは合成樹脂の特性により、その中心に開けた円状の穴でできる山型の水平になった頂点を押さえつけると円形プレート状に広がり離すと原形の山型に戻りそのものをたたんだり片付けたりする手間を省くことができる。
円形状の食器敷マットでコップのコースターや鍋敷きでの使用を基本とするが山型の形状の特性を使いその山型内部の空間を使って容器のふたの開閉や鍋つかみとして使うことができる。
また、原形の山型に戻ろうとする力を利用して飲み物が入ったコップに被せて山型のまま固定され、山型の頂点に開いた穴からストローを差し込みその位置を補助しストローを自由に動かすことができてコップの中の飲み物を飲み干す作業を補助する。
またコップに被せてから山型の頂点を押さえつけることでコップの縁に花が咲いたような視覚的効果が期待できるなかでもストローの位置の補助およびコップの中の飲み物を飲み干す補助に役立つ。
これらのさまざまな機能は合成樹脂の素材の特性に負うところが大きい。この特性により柔軟に変形したり原形に戻ったり目的物に密着して開けたり閉めたり掴んだりとそれぞれの目的を果たすことができる。
これらは合成樹脂の元のかたちに戻りやすい素材の物理特性に因り、他の物理特性と相俟って手軽にかつ気楽にさまざまな用途に使うことができかつ収納場所を選ばない食器敷マットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の基本形の円形状のプレートを示す伏せ図である。
【
図2】本発明の基本形の円形状のプレートの断面図である。
【
図3】本発明の原型となる山型の様子を示す斜視図である。
【
図4】本発明のコップのコースター使用状態の様子を示す説明図である。
【
図5】本発明の鍋敷き使用状態の様子を示す説明図である。
【
図6】本発明の容器のキャップの開閉での本発明を使う時の把持の様子を示す説明図である。
【
図7】本発明の容器のキャップの開閉での使用状態の様子を示す説明図である。
【
図8】本発明の鍋つかみでの使用状態の様子を示す説明図である。
【
図9】本発明のコップに被せてストロー差しとして使用状態の様子を示す説明図である。
【
図10】
図9での使用で山型の頂点を押さえて本発明を反転しての使用状態を示す説明図ある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ)
図1において基本形の円形状のプレートを示す伏せ図である。
(ロ)
図1において円形状のプレートをその中心から八等分割する溝を備えそれぞれの溝の間に二列の同心円突起部を備える。その突起部にも山折れ谷折れの為の溝を備える。これらの構成は基本形の円形状のプレートの表面裏面に備える。
(ハ)
図1において滑り止め密着のための楔型の三角突起部を八等分割されたプレートの面に4組ずつ計32か所備える。この突起部はプレートの表面裏面ではそれぞれ同数、両面で合計64か所備える。
(ニ)
図2においてプレートの表面裏面のそれぞれの突起部の様子が明記されている断面である。
(ホ)
図3において本発明の原形の山型の様子を示す。この山型は本発明の保管形態の原型基本となる。
(ヘ)
図4において本発明をコップのコースターとして使用するときの本発明の動きの様子をあらわしている。
(ト)
図5において本発明を鍋敷きとして使用するときの本発明の使われ方の様子をあらわしている。大きさを限定せず小サイズを複数枚使いも可とする。
(チ)
図6において本発明の原形の山型を覆うように手に持った様子をあらわしている。(リ)
図7において本発明を容器のふたの開閉に使用するときの様子をあらわしている。(ヌ)
図8において本発明を耐熱皿の持ち手部の鍋つかみとして使用するときの様子をあらわしている。
(ル)
図9において本発明を円形状のプレート裏面である原形の山型の内部に備えられた二列の同心円突起部の隙間を使ってコップの縁に被せて固定して使用するときの様子をあらわし、山型の頂点に開いた穴からストローを差し込み、コップの中の飲み物を吸引するときの様子をあらわしている。
(ヲ)
図10において
図9の状態で山型の頂点を押さえて本発明をコップの縁でそのまま反転させた様子をあらわしている。
本発明は
図1の円形状のプレートを加工整形し、
図3の山型を原形として形成されて使用後には簡易に元の山型に戻る特性を持たせている。
図4に示すようにコップのコースターとして使われるときはコップの底部で原形の山型の円状の穴で水平になった頂点を押さえ円盤状プレートになりコップを離すと
図3の山型の原形に戻る。
図5の鍋敷きに使う時も同様の動きになる。
図6に示すように本発明を
図3の原形の山型を覆うように手のひらに持ち、
図7に示すように容器のふたに被せて開閉する補助具になる。
図8に示すように本発明を耐熱皿などの鍋つかみとして使用することもできる。
図9では
図3の原形の山型に戻ろうとする本発明の特性を活かして二列の同心円突起部の隙間を利用してコップの縁に被せて固定し山型の頂点の穴からストローを差し込みその位置の補助とコップの中の飲み物を飲み干す補助具の役割りを実現する様子をあらわしている。
図10に示すように
図9でコップの縁に被せた本発明の山型の頂点を押さえると本発明がコップの上で反転固定して視覚的に花が開いた効果があらわれ同様にコップの中の飲み物を飲み干す補助具の役割りを果たす様子をあらわしている。
本発明の食器敷マットの基本形は円形状の合成樹脂で形成されたプレート1である。
プレート1の表面裏面にそれぞれ中心から八等分割する山折れ谷折れのための溝1aをそれぞれ等角度交互に設け、かつプレート1の中心部に円形の穴1bを開ける。また表面裏面に備えられた溝1aで十六等分割された円弧端部には径の小さい円形の突起部1cを設ける。
プレート1をその中心から表面裏面それぞれ八等分割した山折れ谷折れのための溝1aの間に二列の同心円突起部1dを山折れ谷折れの溝付きで表面裏面にそれぞれ備え、かつこの突起部1dからプレート1の中心部へ向かって滑り止め密着のための楔型の三角突起部1eを八等分割されたプレート1の表面裏面に4組ずつそれぞれ32か所両面で合計64か所備える。
プレート1の中心から八等分する山折れ谷折れのための溝1aを頼りに円形状のプレート1を折りたたみ、円形の穴1bを開けた円形状のプレート1の中心部を頂点にした山型が整形され本発明の原形になる。
本発明の原形の山型により合成樹脂の元のかたちに戻る性質を活かして山型頂点部2で水平になる円形の穴1bを押さえてコップ3のコースターになったり鍋4の鍋敷きになったりとその用途が多岐にわたる。
併せて合成樹脂の物理特性を活かして耐熱皿5の鍋つかみとしても使え、かつ元のかたちに戻る性質と円形状のプレート1の中心部へ向かって設けられた滑り止め密着のための楔型の三角突起部1eと二列の同心円突起部の効果で手に持って滑りにくく山型内部の滑り止め密着のための楔型の三角突起部1eが容器のふた部6に密着してその開閉を補助する用具として使える。
また円形状のプレート1の面に備えられた二列の同心円突起部1dの隙間1fの効果により山型の本発明がコップ縁部7に安定設置され、山型頂点部2の穴1bにストロー8を差し込みその位置が補助されかつコップの中の飲み物を飲み干す補助具になる。またコップ縁部に安定設置された状態で山型頂点部2の穴1bを押さえることでコップ縁部7を支点にして本発明が隙間1fの効果によりそのまま反転して視覚的に花が開いた効果があらわれ同様にストローの位置を補助しかつコップの中の飲み物を飲み干す補助具の役割りを果たす。
尚、本発明のプレート表面の滑り止め密着のための楔型の三角突起部は滑り止めと密着性の効果を高めるためのものであり当該機能が備わった形状であれば可とする。
【符号の説明】
【0009】
1 円形状のプレート
1a 中心から八等分する山折れ谷折れのための溝
1b 円形の穴
1c 径の小さい円形の突起部
1d 同心円突起部
1e 楔型の三角突起部
1f 隙間
2 山型頂点部
3 コップ
4 鍋
5 容器のふた部
6 耐熱皿
7 コップ縁部
8 ストロー