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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015566
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/06 20060101AFI20240130BHJP
   B65B 31/04 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B65B31/06
B65B31/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117696
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000236964
【氏名又は名称】富士インパルス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】原 健治
【テーマコード(参考)】
3E053
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053BA04
3E053CA01
3E053FA01
3E053GA04
3E053JA10
(57)【要約】
【課題】粉体が収容された被シール物を脱気してシールする際、粉体の吸い込みを防止できるシール装置を提供する。
【解決手段】シール装置は、粉体が収容された被シール物の開口部を挟持するための押圧部及びと受け部と、押圧部及び/又は受け部に設けられ、開口部をシールするためのヒーターと、開口部から被シール物の内部へ挿入され、吸引口が粉体から離れた位置となるように配置される脱気ノズルと、吸引口から粉体へ向かって延びる長尺状の脱気補助部材と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が収容された被シール物の開口部を挟持するための押圧部及び受け部と、
前記押圧部及び/又は前記受け部に設けられ、前記開口部をシールするためのヒーターと、
前記開口部から前記被シール物の内部へ挿入され、吸引口が前記粉体から離れた位置となるように配置される脱気ノズルと、
前記吸引口から前記粉体へ向かって延びる長尺状の脱気補助部材と、を備える、シール装置。
【請求項2】
前記脱気補助部材は、薄い平板状であって、板幅方向の側端に形成された凹部を有する、請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記脱気補助部材は、平面視で波状又はジグザグ状に延びている、請求項2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記脱気補助部材は、長尺方向に延びるように板面に形成された溝を有する、請求項2又は3に記載のシール装置。
【請求項5】
前記溝は、前記脱気補助部材の一対の板面にそれぞれ形成され、
一方の板面に形成された前記溝は、他方の板面に形成された前記溝に対して板幅方向にオフセットされている、請求項4に記載のシール装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被収容物を収容した合成樹脂フィルムの包装袋の開口部をシールするために下記特許文献1に開示されるようなシール装置が用いられる。
【0003】
包装袋の開口部をシールする際、包装袋内の空気を抜いて(脱気して)密閉した状態でシールを行う場合がある。このように脱気してシールすることで、被収容物の酸化や腐敗の防止、被収容物の容積を減らすことによる保存スペースの低減、といった効果が得られる。
【0004】
ところで、粉体を収容した包装袋を脱気してシールする場合、以下のような問題があった。第1に、図12Aに示すように、通常、脱気ノズル7を出来る限り粉体Pに近付けて脱気するが、固形物と異なり粉体の場合は、脱気口(吸引口)から粉体Pが吸い出されて、計量値が減量してしまう不具合が生じる。第2に、前記第1の問題を避けるため、図12Bに示すように、粉体Pを吸い込まない距離まで脱気ノズル7を離してから脱気すると、脱気ノズル7と粉体Pの間で包装袋Sのフィルム同士が密着して脱気が出来ない不具合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-121798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、粉体が収容された被シール物を脱気してシールする際、粉体の吸い込みを防止できるシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシール装置は、粉体が収容された被シール物の開口部を挟持するための押圧部及び受け部と、
前記押圧部及び/又は前記受け部に設けられ、前記開口部をシールするためのヒーターと、
前記開口部から前記被シール物の内部へ挿入され、吸引口が前記粉体から離れた位置となるように配置される脱気ノズルと、
前記吸引口から前記粉体へ向かって延びる長尺状の脱気補助部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るシール装置の全体構成を示す斜視図
図2】本実施形態に係るシール装置の全体構成を示す側面図
図3】シール装置の主要部を示す斜視図
図4図3の一部を拡大して示す斜視図
図5】脱気補助部材及び取付け軸の斜視図
図6】脱気補助部材の平面図
図7図6の脱気補助部材のVII-VII線断面図
図8】シール装置の動作を示すフローチャート
図9】脱気ノズルの前端部が包装袋内へ挿入された状態を示す平面図及び断面図
図10】他の実施形態に係る脱気補助部材の平面図
図11】他の実施形態に係る脱気補助部材の断面図
図12A】従来のシール装置の第1の不具合を説明するための平面図及び断面図
図12B】従来のシール装置の第2の不具合を説明するための平面図及び断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、シール装置における一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0010】
図1はシール装置1の全体構成を示す斜視図である。図2はシール装置1の全体構成を示す側面図である。図3はシール装置1の主要部を示す斜視図である。
【0011】
以下の説明においては、図1及び図2に示すように、上下方向をZ方向、押圧部5及び受け部6が延びる方向をX方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向とする。そして、方向を表現する際に、正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載され、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。また、本体部2を基準としてY方向を定義することがあり、押圧部5及び受け部6が配置される側を前側、基台部2aが配置される側を後側とし、+Y方向を前方向、-Y方向を後方向ともいう。
【0012】
シール装置1は、図9に示す包装袋S(被シール物の一例)の開口部S1をシールするものである。シール装置1は、本体部2と、本体部2を下方から支持する基台部2aとを備えている。基台2aは、上下方向に延びており、本体部2の後部を支持する。基台部2aの下部には、フットスイッチ3が接続されている。また、基台部2aは、基台部2aの下端から前方向に延びる2本の脚4を備えている。図1及び図2に示すように、脚4にはキャスターが設けられてもよい。
【0013】
また、シール装置1は、本体部2の上部前側に、押圧部5を備えている。シールを行う時は、この押圧部5が押し下げられる。押圧部5は、本体部2に設定された所定の軸芯周りに回転可能に支持されている(図3を参照)。押圧部5は、本体部2に内蔵された不図示のエアシリンダーで押し下げられるが、モーター等のその他のアクチュエーターを使用して押し下げられてもよい。また、センサーなどを設けておき、包装袋Sが所定位置にセットされると、押圧部5が自動で押し下げられるようにしてもよい。
【0014】
押圧部5は、第1押圧部51と第2押圧部52とを備える。第1押圧部51は、第2押圧部52よりも前側に配置されている。なお、第1押圧部51と第2押圧部52は、独立して動くことが可能である。
【0015】
シール装置1は、押圧部5の下方に配置され、押圧部5に対応する受け部6を備えている。受け部6は、第1受け部61と第2受け部62とを備える。第1押圧部51と第2押圧部52には、第1受け部61と第2受け部62がそれぞれ対応する。
【0016】
第1押圧部51と第1受け部61は、包装袋Sの開口部S1近傍を挟持する機能を有している。第1押圧部51と第1受け部61の挟持面は、ゴムなどの弾性材料により形成される。なお、第1押圧部51と第1受け部61の挟持面は、スポンジなどの樹脂材料により形成されてもよい。
【0017】
第2押圧部52と第2受け部62は、包装袋Sの開口部S1を押圧・挟持してシールする機能を有している。第2受け部62は、その上部に不図示の線状ヒーターが内蔵されており、その表面部はフッ素樹脂シートにより被覆されている。これにより、樹脂製の包装袋Sの融着片が付着しにくく、たとえ付着したとしてもはがれ易いようになっている。線状ヒーターは、包装袋Sの開口部S1の長さをカバーできるように十分な長さを有している。なお、線状ヒーターを第2押圧部52に内蔵するようにしてもよく、第2押圧部52と第2受け部62の両方に内蔵するようにしてもよい。
【0018】
第1押圧部51は、第2押圧部52に対して上下方向にスライド自在に取り付けられている。また、第1押圧部51は、図3に示すようにバネなどの付勢手段により第2押圧部52に対して下方向に付勢されており、通常の状態では、第2押圧部52よりも下方に突出している。
【0019】
シール装置1は、前後方向に移動可能な脱気ノズル7(図3を参照)を備えている。脱気ノズル7は、正面視(Y方向視)で第1押圧部51と第1受け部61とに挟まれる空間の左右方向のほぼ中心に設けられている。脱気ノズル7は、不図示の真空ポンプまたはエジェクターに接続されている。脱気ノズル7は、包装袋Sの内部の空気を吸引する。
【0020】
図4及び図5は、図3の一部を拡大して示す斜視図である。脱気ノズル7は、ブラケット71,72を介してスライド台73に固定されている。スライド台73は、不図示のシリンダによって前後方向に駆動される。これにより、脱気ノズル7は、前後方向に駆動される。脱気ノズル7は、本体部2の後部から第1押圧部51と第1受け部61との間の空間まで移動することで、包装袋S内へ挿入することが可能となる。
【0021】
脱気ノズル7の前端側は、扁平な楕円筒状をしている。脱気ノズル7の吸引口7aは、高さ(Z方向の長さ)が2mm~5mm、幅(X方向の長さ)が17mm~25mmの楕円状である。本実施形態において、脱気ノズル7の吸引口7aは、高さが4.5mm、幅が24mmの楕円状である。
【0022】
シール装置1は、脱気ノズル7の吸引口7aから+Y方向へ延びる長尺状の脱気補助部材8を備える。図6は、脱気補助部材8の平面図である。脱気補助部材8は、薄い平板状である。脱気補助部材8は、-Y方向側の後端部8aと、+Y方向側の前端部8bとで構成されている。
【0023】
後端部8aは、Y方向に直線状に延びている。後端部8aは、脱気ノズル7の吸引口7aから挿入されて、固定軸81に固定される。後端部8aは、固定軸81にネジで固定するための取付孔8cを有する。固定軸81は、脱気ノズル7を貫通して延びて、脱気ノズル7の後端に固定される(図4を参照)。
【0024】
前端部8bは、Y方向に波状又はジグザグ状に延びている。本実施形態において、前端部8bは、略一定の板幅にて繰り返し屈曲しながらY方向に延びている。ただし、前端部8bの前端は、幅広となっている。
【0025】
脱気補助部材8は、X方向の側端に形成された凹部8dを有する。凹部8dは、前端部8bがジグザグ状に延びることで形成されている。凹部8dは、脱気補助部材8の両側端に形成されている。また、脱気補助部材8の両側端の凹部8dは、Y方向に沿って千鳥状に配置されている。
【0026】
図7は、図6の脱気補助部材8のVII-VII線断面図である。脱気補助部材8は、長尺方向(Y方向)に延びるように板面に形成された溝9a,9bを有する。溝9a,9bは、前端部8bの全体、及び後端部8aの一部に形成されている。溝9a,9bは、脱気ノズル7の内部まで達している。
【0027】
脱気補助部材8の板厚t8は、1mm~2.5mmが好ましい。本実施形態において、脱気補助部材8の板厚t8は、1mmである。
【0028】
溝9a,9bは、X方向に間隔をあけて複数形成されている。脱気補助部材8の-Z側の板面に形成された溝9aは、脱気補助部材8の+Z側の板面に形成された溝9bに対してX方向にオフセットされている。
【0029】
溝9a,9bは、矩形状断面を有する。溝9a,9bの幅w9は、1mm~4mmが好ましい。本実施形態において、溝9a,9bの幅w9は2mmである。溝9a,9bの深さd9は、0.1mm~1mmが好ましい。本実施形態において、溝9a,9bの深さd9は0.3mmである。
【0030】
隣り合う溝9a,9b同士の間隔は、2mm~6mmが好ましい。本実施形態において、溝9a同士の間隔は3mmであり、溝9b同士の間隔は4mmである。
【0031】
図8は、シール装置1の動作を示すフローチャートである。図9は、脱気ノズル7の前端部が包装袋S内へ挿入された状態を示す平面図及び断面図である。
【0032】
ステップST1において、シール装置1に取り付けられたフットスイッチ3を押す。これにより、ステップST2において、脱気ノズル7は、前進して、第1押圧部51と第1受け部61との間の空間に移動する。
【0033】
ステップST3において、包装袋Sを本体部2の前側にセットする。この際、脱気ノズル7の吸引口7aが、開口部S1から包装袋Sの内部に挿入された状態となるように、包装袋Sをセットする。包装袋Sの内部には、粉体Pが収容されている。
【0034】
脱気ノズル7は、吸引口7aが粉体Pから離れた位置となるように配置される。吸引口7aを粉体Pから離すことで、脱気ノズル7による粉体Pの吸い込み量を抑えることができる。吸引口7aと粉体Pとの間の距離D(図9を参照)は、100mm~250mmであるのが好ましく、200mm~250mmであるのがより好ましい。距離Dを100mmより短くすると、脱気ノズル7が粉体Pを吸い込みやすくなる。また、距離Dを250mmより長くすると、脱気補助部材8の長さを長くする必要があるため、吸い込み抵抗が大きくなる。なお、距離Dは、吸引口7aから最も近い粉体Pまでの距離とする。
【0035】
ステップST4において、シール装置1に取り付けられたフットスイッチ3を押すことで押圧部5が下がり、ステップST5において、第1押圧部51と、対向する第1受け部61とによって、開口部S1の近傍が挟持される。
【0036】
ステップST6において、シール装置1に取り付けられたフットスイッチ3を押す。これにより、ステップST7において、脱気ノズル7は、包装袋Sの内部の空気を吸引する。
【0037】
脱気ノズル7の吸引口7aから粉体Pへ向かって延びる脱気補助部材8を設けることで、脱気ノズル7を粉体Pから離れて配置した場合であっても、脱気ノズル7と粉体Pの間で包装袋Sのフィルム同士が完全に密着する不具合(図12Bを参照)を防止できる。脱気ノズル7は、脱気補助部材8の側面に形成される隙間を介してゆっくりと空気を吸引できるため、粉体Pの吸い込み量を抑えながら脱気できる。なお、図9において、脱気補助部材8の前端部8bが粉体Pに接しているが、脱気補助部材8の前端部8bは粉体Pから離れていても構わない。ただし、脱気補助部材8の前端部8bと粉体Pとの間の距離は150mm以下とするのが好ましく、100mm以下とするのがより好ましい。
【0038】
また、脱気補助部材8は、長尺方向に延びる溝9a,9bを備えることで、脱気ノズル7による空気の吸引(脱気)がしやすくなる。
【0039】
さらに、脱気補助部材8は、X方向の側端に凹部8dを備えることで、脱気ノズル7により-Y方向に吸引される粉体Pが、凹部8dに引っ掛かるため、脱気ノズル7による粉体Pの吸い込みを抑制することができる。
【0040】
なお、不図示の移動機構を設けることで、脱気中に脱気補助部材8を上下又は前後に数回動かして、脱気を促進させることも考えらえる。
【0041】
ステップST7の脱気が終了すると、ステップST8において、脱気ノズル7は後退する。脱気ノズル7の後退は、任意の時間経過した後にフットスイッチ3を押して後退させてもよく、また、脱気時間を予め設定しておき、設定時間を経過したら自動で後退するように構成してもよい。また、脱気ノズル7に真空計を接続して任意の真空度に到達したら自動で脱気ノズル7を後退させる構成にしてもよい。このとき、脱気補助部材8は、包装袋Sに挟まれた状態で後退するが、脱気補助部材8は薄い平板状に形成されているため、包装袋Sに負担を掛けにくい。
【0042】
脱気ノズル7が後退した後、ステップST9において、自動で押圧部5がさらに押し下げられる。これにより、付勢手段により下方向に付勢されていた第1押圧部51が上方に押し上げられ、第2押圧部52と第2受け部62とで開口部S1が圧着されるようになる。
【0043】
ステップST10において、第2受け部62に内蔵されたヒーターを加熱し、開口部S1を熱溶着することで開口部S1がシールされる。
【0044】
ヒーターによる所定時間の加熱が完了すると、ステップST11において、押圧部5を開放する。これにより、開口部S1近傍の挟持状態が解除され、シールされた包装袋Sを取り出すことができる。
【0045】
以上のように、本実施形態に係るシール装置1は、粉体Pが収容された包装袋Sの開口部S1を挟持するための押圧部5及び受け部6と、受け部6に設けられ、開口部S1をシールするためのヒーターと、開口部S1から包装袋Sの内部へ挿入され、吸引口7aが粉体Pから離れた位置となるように配置される脱気ノズル7と、吸引口7aから粉体Pへ向かって延びる長尺状の脱気補助部材8と、を備えるものである。
【0046】
この構成によれば、脱気ノズル7は、吸引口7aが粉体Pから離れた位置となるように配置されるため、脱気ノズル7による粉体Pの吸い込み量を抑えることができる。また、脱気ノズル7は、脱気補助部材8の側面に形成される隙間を介してゆっくりと空気を吸引できるため、粉体Pの吸い込み量を抑えながら脱気できる。
【0047】
また、本実施形態に係るシール装置1においては、脱気補助部材8は、薄い平板状であって、板幅方向の側端に形成された凹部8dを有する、という構成である。
【0048】
この構成によれば、脱気ノズル7により吸引される粉体Pが、凹部8dに引っ掛かるため、脱気ノズル7による粉体Pの吸い込みを抑制することができる。また、脱気補助部材8は、薄い平板状に形成されているため、包装袋Sに負担を掛けにくい。
【0049】
また、本実施形態に係るシール装置1においては、脱気補助部材8は、平面視で波状又はジグザグ状に延びている、という構成である。
【0050】
この構成によれば、脱気補助部材8の板幅方向の両側端に凹部8dを形成することができるため、脱気ノズル7による粉体Pの吸い込みを効果的に抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態に係るシール装置1においては、脱気補助部材8は、長尺方向に延びるように板面に形成された溝9a,9bを有する、という構成である。
【0052】
この構成によれば、脱気ノズル7による脱気がしやすくなる。
【0053】
また、本実施形態に係るシール装置1においては、溝9a,9bは、脱気補助部材8の一対の板面にそれぞれ形成され、一方の板面に形成された溝9aは、他方の板面に形成された溝9bに対して板幅方向にオフセットされている、という構成である。
【0054】
この構成によれば、溝9a,abが板幅方向の異なる位置に複数配置されるため、脱気ノズル7による脱気がよりしやすくなる。
【0055】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0056】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0057】
(1)上記実施形態に係るシール装置1においては、脱気補助部材8は、平面視で波状又はジグザグ状に延びている、という構成である。これにより、脱気補助部材8は、Y方向に沿って千鳥状に配置された凹部8dを有している。しかしながら、シール装置1は、かかる構成に限られない。図10に示す例では、脱気補助部材8のX方向両側端に形成された凹部8dが、互いに対向する位置に配置されている。
【0058】
(2)上記実施形態に係るシール装置1においては、脱気補助部材8は、長尺方向に延びるように板面に形成された溝9a,9bを有する、という構成である。しかしながら、シール装置1は、かかる構成に限られない。脱気補助部材8は、必ずしも溝9a,9bを有する必要はない。
【0059】
(3)上記実施形態に係るシール装置1においては、溝9a,9bは、矩形状断面を有する、という構成である。しかしながら、シール装置1は、かかる構成に限られない。図11に示す例では、溝9a,9bは、三角形状断面を有している。溝9a,9bの溝壁の角度は、60°~120°が好ましい。本実施形態において、溝9a,9bの溝壁の角度は60°である。
【符号の説明】
【0060】
1…シール装置、2…本体部、2a…基台部、3…フットスイッチ、4…脚、5…押圧部、6…受け部、7…脱気ノズル、7a…吸引口、8…脱気補助部材、8a…後端部、8b…前端部、8c…取付孔、8d…凹部、9a…溝、9b…溝、51…第1押圧部、52…第2押圧部、61…第1受け部、62…第2受け部、71…ブラケット、72…ブラケット、73…スライド台、81…固定軸、P…粉体、S…包装袋、S1…開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B