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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155688
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】スピーカー装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/72 20060101AFI20241024BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20241024BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20241024BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20241024BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A47C7/72
E04B2/74 541Z
A47C7/40
A47C7/38
H04R1/02 103E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191825
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2023069261
(32)【優先日】2023-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】西森 俊也
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084DA02
3B084DD05
3B084EC06
3B084JD06
(57)【要約】
【課題】快適なミーティング実施を実現するミーティングブースをフレキシブルに提供する。
【解決手段】スピーカー装置(80)は、間仕切りとして機能する第1背面パネル(100)の主面(109)に装着され、主面に対向する空間に向けて音声を出力するスピーカー(812)と、空間側に突出し、利用者が頭部をもたれかけられるヘッドレスト部または背をもたれかけられる背もたれ部として機能するスピーカーカバー(82)と、を備える。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間仕切りとして機能するパネルの主面に装着されるスピーカー装置であって、
前記パネルの主面に対向する空間に向けて音声を出力するスピーカーと、
前記スピーカーを外側から覆うスピーカーカバーと、を備え、
前記スピーカーカバーは、前記空間側に突出し、当該空間側に位置する利用者が頭部をもたれかけられるヘッドレスト部または背をもたれかけられる背もたれ部として機能するスピーカー装置。
【請求項2】
前記スピーカーが設けられている基体部は、平板状である、請求項1に記載のスピーカー装置。
【請求項3】
前記スピーカーカバーは、前記パネルの主面側に位置する複数の利用者が同時に頭部または背部をもたれかけられるように、
上下方向の寸法よりも幅方向の寸法のほうが大きく構成される、請求項1に記載のスピーカー装置。
【請求項4】
前記パネルに装着するための装着部をさらに備える、請求項1に記載のスピーカー装置。
【請求項5】
無線接続用の通信ユニットをさらに備える、請求項1に記載のスピーカー装置。
【請求項6】
利用者の音声を入力するためのマイクをさらに備える、請求項1に記載のスピーカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや学校等の共有空間においてミーティングブースを構築するための技術として、例えば、特許文献1が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022‐101074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のオンライン会議の急激な普及から、上述のようなミーティングブースにつき、ミーティングを快適に実施することの必要性が高まりつつある。
【0005】
本発明は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースをフレキシブルに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るスピーカー装置は、間仕切りとして機能するパネルの主面に装着されるスピーカー装置であって、前記パネルの主面に対向する空間に向けて音声を出力するスピーカーと、前記スピーカーを外側から覆うスピーカーカバーと、を備え、前記スピーカーカバーは、前記空間側に突出し、当該空間側に位置する利用者が頭部をもたれかけられるヘッドレスト部または背をもたれかけられる背もたれ部として機能する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースをフレキシブルに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。
図2】本発明の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための平面図である。
図3】本発明の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための平面図である。
図4】本発明の一実施形態におけるソファの構成について説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための平面図である。
図7】本発明の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための斜視図である。
図8】本発明の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための斜視図である。
図9】本発明の一実施形態における、ミーティングブースを複数配置させたミーティングブースシステムの一例について説明するための平面図である。
図10】別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。
図11】別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。
図12】本発明の一実施形態におけるスピーカー装置を備えるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。
図13】本発明の一実施形態におけるスピーカー装置の構成について説明するための斜視図である。
図14】本発明の一実施形態におけるスピーカー装置の構成について説明するための斜視図である。
図15】本発明の一実施形態におけるスピーカー装置を備えるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。
図16】本発明の一実施形態におけるスピーカー装置を備えるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。
図17】本発明の一実施形態におけるスピーカー装置を備えるミーティングブースの全体構成について説明するための平面図である。
図18】本発明の一実施形態における、スピーカー装置を備えるミーティングブースを複数配置させたミーティングブースシステムの一例について説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。但し、以下の記載は発明の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0010】
<用語の定義>
本明細書において、「共有空間」の用語は、複数の人によって共有される空間の意味で用いる。共有空間は、ミーティングブースを設置することが想定される空間であればよく、具体的に特に限定されない。共有空間の一例として、オフィス空間、店舗内空間、施設内空間、住空間、複数の住戸が共用するコモンスペース等が挙げられる。店舗および施設は特に限定されず、店舗としては例えばカフェ、レストラン等が挙げられ、施設としては例えば学校等が挙げられる。共有空間は、屋内空間であってよく、屋外空間であってもよい。共有空間は、オープンスペースであってよい。オープンスペースとは、オフィス空間等に関して一般的に用いられる用語であり、会議室等の閉鎖空間とは異なる空間であると言える。
【0011】
本明細書において、「ミーティングブース」の用語は、共有空間内にミーティング用の空間を画定するために設置される各種の什器(パネル等)の組(セット)の意味で用いる。また、本明細書では、各種の什器を設置することによって共有空間内に画定されるミーティング用の空間自体は、上記ミーティングブースと区別して、「ミーティング空間」または「ブース内」と称する。本明細書では、ミーティングブースを利用してブース内でミーティングに参加する者を「ブース利用者」と称する。
【0012】
<ミーティングブースの全体構成>
以下では、本実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明し、その後、共有空間中に設置される各種の什器(パネル等)の構成について詳細に説明する。
【0013】
近年、プライバシー保護の重要性が高まっている。そのため、共有空間においてミーティングを実施する場合、ミーティング空間の外部からミーティング内容が察知されていないという安心感をブース内に居る人に与えながらミーティングを快適に実施することの必要性が高まりつつある。本発明の一態様における目的は、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせながら、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを提供することにある。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。図2は、本発明の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための平面図である。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態におけるミーティングブース1は、共有空間に設置され、互いに対向して配置される第1長椅子10および第2長椅子20と、第1長椅子10の背後に設置される第1背面パネル100と、第2長椅子20の背後に設置される第2背面パネル200と、を備えている。
【0016】
第1背面パネル100および第2背面パネル200は、それぞれ共有空間における互いに対向する位置に立設されており、第1背面パネル100の高さと第2背面パネル200の高さとは互いに揃っている。以下では、第1背面パネル100および第2背面パネル200のそれぞれの高さ方向(鉛直方向)をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直なXY平面を規定する。XY平面は、ミーティングブース1が設置される床面と平行であってよい。Z軸と平行な視線で対象物を視る(透視的な場合を含む)ことを「平面視」と称する。X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。XYZ軸座標系において、説明の便宜上、ミーティングブース1の出入口側をY軸方向の正方向とし、第1背面パネル100から第2背面パネル200に向かう方向をX軸方向の正方向としている。本明細書における以下の説明においても、同様にXYZ軸方向を規定して説明し、参照のために各図中にXYZ軸座標系を図示している。
【0017】
第1背面パネル100および第2背面パネル200は、平面視において、それぞれX軸方向(第1方向)に並んで配置されており、Y軸方向(第2方向)に沿って一端側から他端側に延びる形状を有している。図1、2に示す例では、第1背面パネル100と第2背面パネル200との間における、Y軸方向の一端側(ミーティングブース1の出入口側)にブース内への出入口400が形成されており、Y軸方向の他端側(ミーティングブース1の奥側)に第3パネル300が位置している。図1、2に示す例では、第3パネル300の高さと、第1背面パネル100および第2背面パネル200の高さとは互いに揃っており、第3パネル300は、Y軸方向の他端側において第1背面パネル100と第2背面パネル200との間を繋いでいる。
【0018】
第1長椅子10は第1座11を含み、第2長椅子20は第2座21を含む。平面視において、第1長椅子10の第1座11は、第1座前端縁(前端縁)11Fが傾斜して延びており、第2座21は、第2座前端縁(前端縁)21Fが傾斜して延びている。第1座前端縁11Fは、平面視における第1座11の外縁のうち、第1背面パネル100から遠い側をY軸方向に沿って傾斜して直線状に延びる部分である。第2座前端縁21Fは、平面視における第2座21の外縁のうち、第2背面パネル200から遠い側をY軸方向に沿って傾斜して直線状に延びる部分である。換言すれば、ミーティングブース1では、平面視においてY軸方向に延びるミーティングブース1の中心線CLに対して、第1座前端縁11Fおよび第2座前端縁21Fがそれぞれ傾斜している。平面視において、第1座前端縁11Fおよび第2座前端縁21Fが中心線CLに対して傾斜している角度を傾斜角度θ1(図示省略)と称する。傾斜角度θ1は、例えば2°であってよい。傾斜角度θ1は、例えば、1°以上であってよく、10°以下であってよい。
【0019】
第1長椅子10の第1座11は、底面、座面、およびそれらの間にわたって位置する側面を有し、底面よりも座面の方が広い面積を有するように一部の側面が傾斜した形状を有している。図1、2に示す例では、第1長椅子10は、第1座11の側面のうち、第1背面パネル100から遠い側(前側)に位置する側面が傾斜している。平面視における第1座11の外縁は、第1座11の座面の外縁であると言える。このことは、第2座21についても同様である。
【0020】
ミーティングブース1は、第1座11の第1座前端縁11Fと、第2座21の第2座前端縁21Fとの間の距離について、ミーティングブース1の出入口側における距離D1の方が、ミーティングブース1の奥側における距離D2よりも狭く構成されている。
【0021】
ミーティングブース1では、ブース内における奥側の空間(特に第1座11と第2座21との間の空間)を比較的広くすることができる。そのため、ブース内の閉塞感を軽減できる。また、第1座11または第2座21に腰掛ける(着座する)ブース利用者は、ミーティングブース1の奥側に向かって身体の向きが少し傾く。このような身体の向きを、以下では「ブース奥側向き」と称する。複数のブース利用者のそれぞれが第1座11または第2座21にブース奥側向きに着座することにより、互いに親密性を高めることができるとともに、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。したがって、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0022】
第1背面パネル100は、X軸方向においてミーティング空間の外側を向く表面である第1外面101と、ミーティング空間の内側(第1長椅子10側)を向く表面である第1内面102とを有する。第2背面パネル200は、X軸方向においてミーティング空間の外側を向く表面である第2外面201とミーティング空間の内側(第2長椅子20側)を向く表面である第2内面202とを有する。第1外面101および第2外面201は平面であるとともに互いに平行であってよい。ミーティングブース1は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101と、第2背面パネル200の第2外面201との間の距離D10が、出入口側の端部から、奥側の端部にかけて一定である。
【0023】
これにより、複数の異なるミーティングブース1を、例えばX軸方向に直線的に隣接して配置することが容易となる。これは、或る1つのミーティングブース1の第2外面201と別のミーティングブース1の第1外面101とを互いに密着させ易くすることができるためである(後述の複数配置例を参照)。その結果、共有空間のスペースを効率的に利用し易くできる。
【0024】
平面視において、第1背面パネル100の出入口側の端部を第1手前側端部100P、奥側の端部を第1奥側端部100Nと称し、第2背面パネル200の出入口側の端部を第2手前側端部200P、奥側の端部を第2奥側端部200Nと称する。ミーティングブース1は、平面視において、第1手前側端部100Pの第1外面101と第2手前側端部200Pの第2外面201との距離、および、第1奥側端部100Nの第1外面101と第2奥側端部200Nの第2外面201との距離が、それぞれ距離D10を有している。
【0025】
第1長椅子10は、第1座11の上方に位置する第1背もたれ16を含み、第2長椅子20は、第2座21の上方に位置する第2背もたれ26を含む。第1座11と第1背もたれ16とは互いに別体であってよく、この場合、第1座11と第1背もたれ16とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第1長椅子10は、第1座11および第1背もたれ16の少なくとも何れか一方が第1背面パネル100に固定されていてよい。第2座21と第2背もたれ26とは互いに別体であってよく、この場合、第2座21と第2背もたれ26とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第2長椅子20は、第2座21および第2背もたれ26の少なくとも何れか一方が第2背面パネル200に固定されていてよい。
【0026】
第1背もたれ16は、第1背面パネル100の第1内面102に定着されていてよく、第2背もたれ26は、第2背面パネル200の第2内面202に定着されていてよい。平面視における第1背もたれ16の外縁のうち、第1背面パネル100から遠い側をY軸方向に沿って延びる部分を第1背前端縁(前端縁)16F、第1背面パネル100に近い側を第1内面102に沿ってY軸方向に延びる部分を第1背後端縁(後端縁)16Bと称する。平面視における第2背もたれ26の外縁のうち、第2背面パネル200から遠い側をY軸方向に沿って延びる部分を第2背前端縁(前端縁)26F、第2背面パネル200に近い側をY軸方向に沿うとともに第2内面202に沿って延びる部分を第2背後端縁(後端縁)26Bと称する。
【0027】
平面視において、第1背もたれ16は、第1背前端縁16Fが傾斜して直線状に延びており、第2背もたれ26は、第2背前端縁26Fが傾斜して直線状に延びている。換言すれば、ミーティングブース1では、中心線CLに対して、第1背前端縁16Fおよび第2背前端縁26Fがそれぞれ傾斜している。ミーティングブース1は、第1長椅子10の第1背もたれ16における第1背前端縁16Fと、第2長椅子20の第2背もたれ26における第2背前端縁26Fとの間の距離について、ミーティングブース1の出入口側における距離D3の方が、ミーティングブース1の奥側における距離D4よりも狭く構成されている。
【0028】
ミーティングブース1では、ブース内における奥側の空間(特に第1背もたれ16と第2背もたれ26との間の空間)を比較的広くすることができる。また、ミーティングブース1では、平面視において、中心線CLに対して第1座11および第1背もたれ16が同方向に傾斜しており、中心線CLに対して第2座21および第2背もたれ26が同方向に傾斜している。そのため、第1座11または第2座21にブース奥側向きに着座するブース利用者は、第1背もたれ16または第2背もたれ26に自然に背を預けることができる。そのため、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の快適性を高めつつ安心感を向上させ、ミーティングブース内部の閉塞感をより軽減できる。その結果、より快適なミーティング実施を実現することができる。
【0029】
ミーティングブース1は、第1背面パネル100においてミーティングブース1の奥側となる第1奥側端部100Nと、第2背面パネル200においてミーティングブース1の奥側となる第2奥側端部200Nとの間に、第3パネル300が配置されている。これにより、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の安心感をさらに向上させることができる。
【0030】
また、一般に、共有空間においてミーティングを行う場合、ミーティングにて生じた音によってミーティングの参加者ではない周囲の人にストレスを生じさせることがあり、共有空間よりも会議室等の閉鎖空間でミーティングを行うことが好まれるという現状にある。ミーティングブース1では、第1背面パネル100、第2背面パネル200、および第3パネル300によって、出入口400を除いてミーティング空間の周囲が覆われている。そして、ブース利用者がブース奥側向きに着座して会話をすることにより、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。その結果、共有空間において気軽に、より快適にミーティングを実施できる。なお、このような効果は、第3パネル300を備えることに代替して、共有空間に設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等を利用することによっても得られる。
【0031】
ミーティングブース1は、第1長椅子10におけるミーティングブース1の奥側の端部10Nと、第2長椅子20におけるミーティングブース1の奥側の端部20Nとの間に、ディスプレイ30が配置されていてよい。ディスプレイ30は、例えば第3パネル300に取り付けられていてよい。ディスプレイ30を備えることにより、多様なミーティング内容でも円滑に進行させることができる。また、ミーティング参加者の意識合わせも確実に行うことができる。
【0032】
ミーティングブース1は、例えばディスプレイ30の近傍(ブース奥側)に配置された、ブース内を撮像するカメラ31を備えていてよい。ブース利用者は、ディスプレイ30およびカメラ31を用いてWeb会議等を行うことができる。
【0033】
ミーティングブース1は、平面視において、第1長椅子10における第1座11の第1座前端縁11Fと第1背もたれ16の第1背前端縁16Fとが互いに平行であり、第2長椅子20における第2座21の第2座前端縁21Fと第2背もたれ26の第2背前端縁26Fとが互いに平行であってよい。例えば、ミーティングブース1における第1長椅子10および第2長椅子20は、それぞれブース利用者が3人ずつ着座することができるサイズを有していてよい。複数人のブース利用者は、平面視において、Y軸方向に並ぶとともにX軸方向に少しずれて第1長椅子10に着座することができる。そのため、ミーティングブース1では、出入口400側に位置するブース利用者がディスプレイ30を比較的視認し易くすることができるとともに、カメラ31の撮像視野において複数のブース利用者が重なりにくくすることができる。また、ミーティングブース1では、奥側に位置するブース利用者が、ディスプレイ30およびカメラ31の方向を向き易くすることができる。
【0034】
ミーティングブース1は、第1長椅子10の上方に位置する第1スピーカー150および第2長椅子20の上方に位置する第2スピーカー250を備えていてよい。第1スピーカー150および第2スピーカー250は、ブース内でWeb会議等を行う場合に用いられてよい。このようなスピーカーについて詳しくは後述する。
【0035】
近年、オフィス等に位置する端末とテレワーク社員の勤務場所に位置する端末とをネットワーク接続して行われるハイブリッド会議も一般的となっているが、一般に、スピーカーから発せられる音の音量および音質は、人の肉声よりも周囲の人にストレスを感じさせ易い。共有空間において、ミーティングブース1を用いてWeb会議を行うことによれば、スピーカーから発せられる音を外部に漏れにくくすることができる。そのため、共有空間において気軽に、より快適にWeb会議等のミーティングを実施できる。第1スピーカー150および第2スピーカー250として、例えば、出力音が比較的強い指向性を有するスピーカー(指向性スピーカー)を用いる場合、出入口側(通路側)への音漏れを効果的に抑制できる。
【0036】
図1、2に示す例では、第3パネル300は、Y軸方向においてミーティング空間の外側を向く表面である第3外面301と、ミーティング空間の内側を向く表面である第3内面302とを有する。第3外面301と第3内面302とは互いに平行であってよい。ミーティングブース1では、平面視において、第3パネル300の第3内面302はX軸方向に平行な面であってよい。第3内面302は、XZ平面に平行な平面であってよい。
【0037】
ミーティングブース1では、第1長椅子10の第1座11および第2長椅子20の第2座21の少なくとも一方は、平面視で、後端縁に対して側端縁のなす角が鋭角となるよう構成されている。本実施形態におけるミーティングブース1では、第2長椅子20は、中心線CLを対称軸として第1長椅子10と線対称な形状を有しているため、第1長椅子10に関して以下に説明する。
【0038】
平面視における第1座11の外縁のうち、第1背面パネル100に近い側を第1内面102に沿ってY軸方向に延びる部分を第1座後端縁(後端縁)11Bと称する。平面視において第1座後端縁11Bと第1背後端縁16Bとは互いに重なっていてよい。なお、図2中、平面視における第2座21の外縁のうち、第2背面パネル200に近い側を第2内面202に沿ってY軸方向に延びる部分を第2座後端縁(後端縁)21Bとして参照符号を図示している。平面視において第2座後端縁21Bと第2背後端縁26Bとは互いに重なっていてよい。
【0039】
また、平面視において、第1座後端縁11Bと第1座前端縁11Fとを接続する2つの側端縁のうち、Y軸方向の手前側に位置する側端縁を第1手前側端縁11SP、奥側に位置する側端縁を第1奥側端縁11SNと称する。第1手前側端縁11SPおよび第1奥側端縁11SNは、それぞれ少なくとも一部にX軸方向に沿って直線状に延びる部分を有しており、上記のように後端縁に対して側端縁のなす角を規定する場合、側端縁における上記直線状に延びる部分を対象とする。
【0040】
ここで、ミーティングブース1では、前述のように、第1座前端縁11Fが中心線CLに対して傾斜している。ここで、説明の便宜上、「一般的な長椅子G」として、平面視において座の前端縁と側端縁とが直交する形状を有する長椅子を仮定する。第1背面パネル100、第2背面パネル200、および第3パネル300によって囲まれるブース内に、仮に、一般的な長椅子Gを、前端縁が中心線CLに対して傾斜するように配置する場合、側端縁を第3パネル300の第3内面302に沿わせることができない。これに対して、第1長椅子10の第1座11は、前述の傾斜角度θ1に対応して、平面視において、第1座後端縁11Bの仮想延長直線と、第1奥側端縁11SNの仮想延長直線とのなす鋭角が、例えば90°-θ1の角度を有している。これにより、第1奥側端縁11SNが第3パネル300の第3内面302に沿うように配置することができる。なお、このような効果は、第3パネル300を備えることに代替して共有空間に設けられた壁面等を利用する場合にも得られる。
【0041】
ミーティングブース1では、第1長椅子10および第2長椅子20の奥側の側端縁を第3パネル300または壁面に当接させて配置することにより、第1座11の第1座前端縁11Fと第2座21の第2座前端縁21Fとの間の距離について、出入口側が奥側よりも狭められたレイアウトを簡単に実現することができる。
【0042】
また、第1長椅子10は、左右対称な形状(着座者が並ぶ横幅方向に対称な形状)を有していてよく、すなわち、奥側の端部10Nと、出入口側の端部10Pとが互いに対称な形状を有していてよい。この場合、第1座後端縁11Bの仮想延長直線と、第1手前側端縁11SPの仮想延長直線とのなす鋭角が、例えば90°-θ1の角度を有している。このような第1長椅子10を用いることにより、Z軸を回転中心に第1長椅子10を180°回転させて第2長椅子20として配置することができる。そのため、ミーティングブース1を構築するために用いられる部品点数を低減することができる。
【0043】
ミーティングブース1は、第1長椅子10と第2長椅子20との間に配置される机5をさらに備えていてよい。机5の天板50は、平面視において、第1座前端縁11Fに対向する第1辺51と、第2座前端縁21Fに対向する第2辺52とを有する。机5の天板50は、平面視において、第1辺51が第1座前端縁11Fに沿うように延びており、第2辺52が第2座前端縁21Fに沿うように延びている。第1辺51および第2辺52はそれぞれ直線形状を有している。
【0044】
上記構成によれば、第1長椅子10または第2長椅子20と、机5の天板50との間に所定間隔が設けられるので、ブース内において第1長椅子10と机5との間または第2長椅子20と机5との間をブース利用者が移動し易くできる。
【0045】
また、机5の天板50は、平面視において、第3パネル300の第3内面302に対向する第3辺53を有していてよい。机5の天板50は、平面視において、第3辺53が第3内面302に沿うように延びている。平面視において、第1辺51と第3辺53とのなす鋭角、または第2辺52と第3辺53とのなす鋭角は、それぞれ例えば90°-θ1の角度を有している。これにより、第3辺53を第3パネル300または壁面に当接させて机5を配置することにより、第1長椅子10または第2長椅子20と、机5の天板50との間に所定間隔を有するレイアウトを簡単に実現することができる。
【0046】
(その他の構成例)
第1背面パネル100は、例えば、骨組み等の基部の周りにクッション材(吸音材)が配置され、表面が不織布等によって覆われて形成されていてよい。第2背面パネル200および第3パネル300についても同様である。これにより、ブース外への音漏れを低減し易くできる。
【0047】
カメラ31は、マイク機能を有していてよい。図1、2に示す例では、机5の天板50上にマイク52が設けられている。机5の天板50上に給電部53が設けられていてもよい。マイク52および給電部53に接続される配線は、天板50の内部を通っていてよく、天板50裏面に沿って配設されていてよい。第1スピーカー150への配線は第1背面パネル100の内部を通っていてよく、第2スピーカー250への配線は第2背面パネル200の内部を通っていてよい。これにより、ブース利用者から配線が見えにくくすることができ、ミーティングをより快適に実施することができる。
【0048】
ミーティングブース1は、例えば、第2背面パネル200および第2長椅子20を備えることに代替して、共有空間における壁面等を利用することによってミーティング空間を形成することもできる(後述の別構成例を参照)。ミーティングブース1としては、第1スピーカー150および第2スピーカー250、ディスプレイ30、カメラ31、マイク52、および給電部53はそれぞれ必須ではなく、このことは上述の説明から容易に理解できる。
【0049】
また、ミーティングブース1において、第1背面パネル100、第2背面パネル200、および第3パネル300のそれぞれの具体的な形態は、図1、2に示す例に限定されず、適宜変更可能である。例えば、第1内面102、第2内面202、および第3内面302は、それぞれZ軸方向に対して傾斜していてもよい。また、第1長椅子10および第2長椅子20のそれぞれの具体的な形態、並びに、机5の具体的な形態は、図1、2に示す例に限定されず、適宜変更可能である。
【0050】
第3パネル300は、第1背面パネル100および第2背面パネル200と高さが揃っていなくてもよい。ミーティングブース1において、第3パネル300は、適宜省略されてよい。
【0051】
<パネル>
次に、本発明の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、パネルの構成について詳細に説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1背面パネル100を例示して説明する。前述のミーティングブース1における第2背面パネル200は、中心線CLを面内に含むYZ平面を対称面として、第1背面パネル100に対して空間的に面対称な形状を有していてよい。
【0052】
なお、第1背面パネル100について以下に説明すること以外の構成は、ミーティングブース1の全体構成に関して前述した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本発明の一態様におけるパネルの構成は、以下に説明することに限定されず、第1背面パネル100について前述した構成も本発明の一態様におけるパネルの範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1背面パネル100の詳細構成として理解することができる。但し、本発明の一態様におけるパネルを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。
【0053】
本発明の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを、フレキシブルに構築して提供することにある。フレキシブルに構築するとは、ミーティングブースの設置位置に柔軟性があることを意味する。本発明の一態様におけるパネルを準備することによって、パネルを設置するスペースを確保すれば、当該パネルを用いてミーティングブースを構築できる。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための平面図である。図3の符号3001で示す図は、パネルの構成について説明するための平面図であり、符号3002で示す図は、パネルの構成について説明するための部分拡大した平面図である。
【0055】
図3に示すように、本実施形態における第1背面パネル100は、共有空間に設置されるパネルであって、第1外面101および第1内面102を含み、第1内面102は、平面視において、第1外面101が延びる方向に対して傾斜して延びている。第1背面パネル100の一端側をミーティングブース1の出入口400側とし、第1背面パネル100の他端側をミーティングブース1の奥側に設定する。第1背面パネル100における第1内面102と第1外面101との距離は、第1背面パネル100における一端側の距離D21の方が、第1背面パネル100における他端側の距離D22の方よりも大きく構成されている。ここでいう距離D21および距離D22は、第1背面パネル100における後述の第1部位110について特定されてよい。第1背面パネル100が後述する第1部位110、第2部位120および第3部位130を備える場合、上記第1内面102は、第1部位110の内面112であってよい。
【0056】
このような第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構築すれば、ミーティング空間の奥側が広く構成され、ブース内の閉塞感を軽減でき、快適なミーティング実施を実現することができる。また、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1をフレキシブルに構築することができる。そして、出入口400側が奥側よりも狭められることにより、ブース内の親密性を高め、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0057】
第1背面パネル100は、平面視において、一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなる第1部位110を含む。これにより、出入口400側が奥側よりも狭められたミーティング空間を有するミーティングブース1を簡易に構築することができる。
【0058】
第1背面パネル100は、第1部位110の一端側に、第2部位120を含む。第1背面パネル100において、平面視で、第1外面101に対する第2部位120の内面122の傾斜角度θ3は、第1外面101に対する第1部位110の内面112の傾斜角度θ2よりも大きい。第1背面パネル100において、第2部位120は、平面視で、第1部位110との接続部位CP1から第1背面パネル100の一端側にかけて厚みが漸次大きくなるものである。第1部位110の内面112および第2部位120の内面122はそれぞれ平面であってよい。傾斜角度θ2は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101(第1部位110の外面でもある)の仮想延長直線と、第1部位110の内面112の仮想延長直線とのなす鋭角の角度である。傾斜角度θ2は、前述の傾斜角度θ1(図示省略)と同じ角度であってよい。傾斜角度θ3は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101に対して第2部位120の内面122の仮想延長直線のなす鋭角の角度である。第2部位120の内面122は湾曲面であってもよく、この場合、平面視において、内面122の両端点を通る仮想直線を用いて上記傾斜角度θ3を特定することができる。
【0059】
上記のような第2部位120を有する第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構築することによれば、ミーティングブース1の外部の共有空間(特に、出入口400に連通する通路)に対してミーティング空間をより明瞭に画定することができ、ブース内のこもり感を向上させることができる。そのため、ブース内の親密性を高め、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0060】
第1背面パネル100は、第1部位110の他端側に、第3部位130を含む。第3部位130は、前述の第1奥側端部100Nに対応していてよい。第1背面パネル100において、平面視で、第1外面101に対する第3部位130の内面132の傾斜角度θ4は、第1外面101に対する第1部位110の内面112の傾斜角度θ2よりも大きい。第1背面パネル100において、第3部位130は、平面視で、第1部位110との接続部位CP2から第1背面パネル100の他端側にかけて厚みが漸次大きくなるものである。第3部位130の内面132は平面であってよい。傾斜角度θ4は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101に対して第3部位130の内面132の仮想延長直線のなす鋭角の角度である。第3部位130の内面132は湾曲面であってもよく、この場合、平面視において、内面132の両端点を通る仮想直線を用いて上記傾斜角度θ4を特定することができる。
【0061】
第2部位120の内面122または第3部位130の内面132について、第1外面101に対する傾斜角度(θ3、θ4)を、第1部位110の内面112の第1外面101に対する傾斜角度θ2よりも大きく設定した第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構築することができる。これにより、ミーティングブース1の隅部において、ブース内の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。そのため、ブース内で生じた音をブース外に音漏れしにくくできる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0062】
第1背面パネル100は、第1部位110の一端側に第2部位120を含み、他端側に第3部位130を含み、平面視で、第2部位120の一端側の厚みT1が、第3部位130の他端側の厚みT2よりも大きくなっていてよい。これにより、ブース内のこもり感を向上させることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0063】
第2部位120および第3部位130は、互いにY軸方向における長さが同程度であってよい。第2部位120のY軸方向における長さは、平面視において、Y軸方向で接続部位CP1から第1背面パネル100の一端側の端面までの距離であってよい。第3部位130のY軸方向における長さは、平面視において、Y軸方向で接続部位CP2から第1背面パネル100の他端側の端面までの距離であってよい。第1背面パネル100は、厚みT1が厚みT2よりも大きくなるように、傾斜角度θ3が傾斜角度θ4よりも大きい形状を有していてよい。第2部位120および第3部位130の形状は適宜調整されてよく、これにより、ミーティング空間として求められる仕様に対応してミーティングブース1を構築し易くすることができる。
【0064】
本発明の一態様におけるミーティングブースは、対向して配置される一対の長椅子と、一対の長椅子のそれぞれの背後に配置されるパネルと、一対の長椅子の間に配置される天板を有する机と、を備えていてよい。上記パネルとして上述の第1背面パネル100を用いることができる。上記長椅子の具体的な態様は特に限定されず、上記長椅子として、例えば前述の第1長椅子10または第2長椅子20が用いられてよく、前述の一般的な長椅子Gが用いられてもよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0065】
(その他の構成例)
第1背面パネル100は、例えば、底面および上面(天面)が互いに同じ形状を有していてもよく、この場合、第1背面パネル100の上下を逆転させて(Y軸回りに180°反転させて)配置することで第2背面パネル200として使用することができる。そのため、ミーティングブース1を構築するために用いられる部品点数を低減することができる。
【0066】
第1背面パネル100は、Z軸方向におけるサイズ(高さ)が例えば150cm以上であってよく、250cm以下であってよい。第1背面パネル100は、Y軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、300cm以下であってよい。
【0067】
<ソファ>
次に、本発明の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、ソファの構成について詳細に説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1長椅子10を例示して説明する。前述のミーティングブース1における第2長椅子20は、中心線CLを面内に含むYZ平面を対称面として、第1長椅子10に対して空間的に面対称な形状を有していてよい。
【0068】
なお、第1長椅子10について以下に説明すること以外の構成は、ミーティングブース1の全体構成に関して前述した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本発明の一態様におけるソファの構成は、以下に説明することに限定されず、第1長椅子10について前述した構成も本発明の一態様におけるソファの範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1長椅子10の詳細構成として理解することができる。但し、本発明の一態様におけるソファを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。また、本発明の一態様におけるソファは第1長椅子10のような長椅子形状に必ずしも限定されず、以下に説明する構成を有する一人用の椅子も本発明の一態様におけるソファの範疇に入る。
【0069】
本発明の一態様における目的は、共有空間に構築されたミーティングブースの利便性を向上させることにある。
【0070】
図4は、本発明の一実施形態におけるソファの構成について説明するための図である。図4の符号4001で示す図は、ソファの構成について説明するための平面図であり、符号4002で示す図は、ソファの構成について説明するための斜視図である。
【0071】
図4に示すように、本実施形態における第1長椅子10は、ミーティングブースを構成可能なソファであって、第1座11と、第1背もたれ16とを備え、長椅子としての形状を有する。第1背もたれ16は、中央背部161と、中央背部161の一端側に配置される一端側背部(端側背部)162と、中央背部161の他端側に配置される他端側背部(端側背部)163と、を含む。ミーティングブース1の出入口400側を一端側とし、ミーティングブース1の奥側を他端側とする。
【0072】
第1長椅子10は、平面視において、中央背部161の下端BT1から第1座11の第1座前端縁11Fまでの距離D31よりも、一端側背部162の下端BT2または他端側背部163の下端BT3から第1座11の第1座前端縁11Fまでの距離D32のほうが大きい。中央背部161の下端BT1、一端側背部162の下端BT2、および他端側背部163の下端BT3は、それぞれ平面視における第1背もたれ16の外縁に対応する。第1背もたれ16の形状によっては、平面視における第1背もたれ16の外縁(下端BT1、下端BT2、および下端BT)よりも、空間的にZ軸方向の下方に第1背もたれ16の実体が存在してもよい。上記距離D32は、平面視における、第1座前端縁11Fの仮想延長線と、下端BT2または下端BT3との間の距離である。
【0073】
上記構成を有する第1長椅子10をミーティングブース1内に配置することによれば、第1座11の上方の空間において、中央背部161よりも出入口400側にブース利用者が通過する空間的な余裕を持たせることができる。そのため、ブース利用者が第1長椅子10の端部から中央部まで移動しやすくすることができる。その結果、ミーティングブース1の利便性を向上させることができる。
【0074】
一端側背部162の下端BT2は、平面視で、一端側背部162と中央背部161との接続部位CP3から、一端側背部162において接続部位CP3と反対となる側にかけて、第1座前端縁11Fとの距離D32が漸次大きくなるように傾斜している。これにより、ブース利用者が第1長椅子10の端部から中央部までさらに移動しやすくなり、ミーティングブース1の利便性をより向上させることができる。また、他端側背部163の下端BT3は、平面視で、他端側背部163と中央背部161との接続部位CP4から、他端側背部163において接続部位CP4と反対となる側にかけて、第1座前端縁11Fとの距離D32が漸次大きくなるように傾斜している。
【0075】
第1長椅子10において、一端側背部162または他端側背部163は、側面視で三角形状の面を有していてよい。これにより、洗練されたデザインを有する第1長椅子10とすることができる。また、第1長椅子10において、一端側背部162または他端側背部163は、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。これにより、デザイン性がさらに向上する。また、第1長椅子10において、一端側背部162または他端側背部163は、平面視において略三角形状を有していてよく、当該三角形の少なくとも1つの角が丸みを帯びていてよい。
【0076】
第1長椅子10において、中央背部161は、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。中央背部161の表面は緩やかに湾曲した湾曲面であってよい。そして、第1長椅子10において、第1座11は、水平方向に対して、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fに向かう方向に座面14が上るように傾斜していてよい(図5も参照)。上記水平方向とは、第1座後端縁11Bを含む、床面に平行な仮想平面(XY平面に平行な仮想平面)の面内方向において、第1座後端縁11Bに直交する方向である。
【0077】
上記構成を有する第1長椅子10をミーティングブース1内に配置することによれば、第1長椅子10に着座するブース利用者は、中央背部161に自然に背をもたれさせることができる。そのため、第1長椅子10の快適性を高めることができ、ミーティングブース1の利便性をより一層向上させることができる。また、中央背部161の付近(例えば上方)に第1スピーカー150を設置した場合、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭が自然に第1スピーカー150に近づき、第1スピーカー150の出力音を聞き取りやすくすることができる。そのため、第1スピーカー150の音量を相対的に低下させる(ように設定する)ことができる。その結果、ブース外への音漏れを効果的に抑制できる。
【0078】
第1長椅子10では、平面視において、第1背もたれ16の第1背後端縁16Bと、第1座11の第1手前側端縁11SPまたは第1奥側端縁11SNとが、鋭角をなすように構成されている。第1背後端縁16Bは、平面視における中央背部161の外縁のうち第1背面パネル100に近い側を第1内面102に沿ってY軸方向に延びる部分である。平面視において第1座後端縁11Bと第1背後端縁16Bとは互いに重なっていてよい。第1長椅子10では、平面視において、第1背後端縁16Bの仮想延長直線と、第1手前側端縁11SPまたは第1奥側端縁11SNの仮想延長直線とが鋭角をなすように構成されていてよい。この鋭角の角度をθ5とすると、この角度θ5は例えば88°であってよく、80°以上であってよく、89°以下であってよい。角度θ5は、前述の90°-θ1の角度に対応していてよい(前述のミーティングブース1における傾斜角度θ1を参照)。
【0079】
上記構成を有する第1長椅子10は、例えば第3パネル300の第3内面302に沿うように第1奥側端縁11SNを当接させて配置させることができる。これにより、第1長椅子10の第1背もたれ16が、平面視で第1背面パネル100の第1外面101に対して傾斜した状態となるように第1長椅子10を配置することができる。また、第1長椅子10を平面視においてZ軸を回転中心に180°回転させて、第2長椅子20として第1長椅子10に対向配置させることができる。これにより、ブース内の一端側において第1長椅子10と第2長椅子20との間隔が比較的狭く、ブース内の他端側において第1長椅子10と第2長椅子20との間隔が比較的広く設定されたレイアウトを容易に実現することができる。
【0080】
本発明の一態様におけるミーティングブースは、共有空間に設置され、対向して配置される一対の長椅子と、前記一対の長椅子のそれぞれの背後に配置されるパネルと、前記一対の長椅子の間に配置される天板を有する机と、を備える。上記一対の長椅子の少なくとも一方として、上述の第1長椅子10を用いることができる。上記パネルの具体的な態様は特に限定されず、上記パネルとして、例えば前述の第1背面パネル100または第2背面パネル200が用いられてよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0081】
(その他の構成例)
第1長椅子10は、平面視で、中央背部161の背面161Bに対して一端側背部162の背面162Bが傾斜していてよく、中央背部161の背面161Bに対して他端側背部163の背面163Bが傾斜していてよい。第1背面パネル100が第1部位110、第2部位120、および第3部位130を備える場合、背面162Bは、第2部位120の内面122に対向し、背面163Bは、第3部位130の内面132に対向する。
【0082】
第1長椅子10は、平面視において、背面161Bに対する背面162Bの傾斜角度(鋭角)が、前述の傾斜角度θ3から傾斜角度θ2を減算した角度に対応していてよい。また、第1長椅子10は、平面視において、背面161Bに対する背面163Bの傾斜角度(鋭角)が、前述の傾斜角度θ2に傾斜角度θ4を加算した角度に対応していてよい。第1長椅子10は、背面161Bに対する背面162Bの傾斜角度と、背面161Bに対する背面163Bの傾斜角度とが互いに同一または略同一であってよく、この場合、第1背面パネル100が以下の構成を有していてよい。すなわち、第1背面パネル100では、θ3-θ2の値とθ4+θ2の値とが互いに同一または略同一となるように(すなわち、θ4+2×θ2により得られる値がθ3と同一または略同一となるように)、第1部位110、第2部位120、および第3部位130が構成されていてよい。本明細書において、角度が「略同一」とは、製造過程等において生じる±1°程度の誤差を許容する。
【0083】
<スピーカーおよびソファの形態>
本発明の一態様における、共有空間中にソファ、パネル、およびスピーカーを設置して構築されるミーティングブースについて、さらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1長椅子10、第1背面パネル100、および第1スピーカー150を例示して説明する。
【0084】
なお、ミーティングブース1について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本発明の一態様におけるミーティングブース1の構成は、以下に説明することに限定されず、共有空間に設置される各種の什器について前述した構成も本発明の一態様におけるミーティングブース1の範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1の詳細構成として理解することができる。
【0085】
本発明の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現することにある。
【0086】
図5は、本発明の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための図である。図5の符号5001で示す図は、ミーティングブースの構成について説明するための斜視図であり、符号5002で示す図は、ミーティングブースの構成について説明するための部分拡大した側面図である。
【0087】
図5に示すように、本実施形態におけるミーティングブース1は、共有空間に設置されるオンライン会議を行うためのミーティングブースであって、第1座11および第1背もたれ16を有する第1長椅子(ソファ)10と、第1長椅子10の背後に設置される第1背面パネル(パネル)100と、第1長椅子10の上方において第1背面パネル100に配置される第1スピーカー(スピーカー)150と、を備えている。第1背もたれ16および第1座11の少なくとも一方は、第1座11に着座するブース利用者(着座者)の頭が第1スピーカー150に接近するように構成されている。
【0088】
本実施形態におけるミーティングブース1では、上記構成を有することにより、オンライン会議に係る音声等を第1スピーカー150から出力する場合、以下の効果を奏する。すなわち、第1長椅子10に着座するブース利用者が音声を聞き取り易くなるとともに、第1スピーカー150について、ブース外に音漏れしない程度となるように比較的低い音量に設定しやすくできる。よって、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1を提供することができる。また、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0089】
第1長椅子10において、第1背もたれ16は、前述のように、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。また、第1長椅子10において、第1座11は、前述のように、水平方向に対して、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fに向かう方向に座面14が上るように傾斜していてよい。第1長椅子10において、第1座11の座面14は、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fにかけて曲率半径が小さくなるように形成されていてよい。
【0090】
本実施形態におけるミーティングブース1では、上記構成を有することにより、第1座11に着座するブース利用者は、第1背もたれ16に自然に背をもたれさせることができる。そのため、第1長椅子10の快適性を高めることができる。また、第1背もたれ16の付近に第1スピーカー150を設置した場合、ブース利用者が第1背もたれ16に背をもたれさせることで、ブース利用者の頭が自然に第1スピーカー150に近づく。その結果、ブース利用者が第1スピーカー150の出力音を聞き取りやすくすることができる。
【0091】
側面視において、座面14に対応する、第1座11の外縁のうちZ軸方向上側(天井側)に位置する部分を上端縁11Tと称する。上端縁11Tは、第1座後端縁11B側に位置する後側上端縁11TBと、第1座前端縁11F側に位置する前側上端縁11TFとを含む。第1長椅子10は、後側上端縁11TBの曲率半径よりも前側上端縁11TFの曲率半径が小さい形状の第1座11を有している。側面視において、前側上端縁11TFは、後側上端縁11TBよりもZ軸方向上側に位置している。
【0092】
本実施形態におけるミーティングブース1では、第1背面パネル100は、第1長椅子10側の面である第1内面102と、第1内面102とは反対の面である第1外面101(図2等を参照)とを含む。そして、ミーティングブース1では、前述のように、平面視において、一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなるよう、第1内面102は第1外面101が延びる方向に対して傾斜して延びている。また、第1長椅子10は、第1背もたれ16が、第1背面パネル100の第1内面102に沿うように配置されている。
【0093】
第1背面パネル100の一端側をミーティングブース1の出入口400側とし、第1背面パネル100の他端側をミーティングブース1の奥側とする。このようにしてミーティングブース1を構築すれば、ブース内において、出入口400側が奥側よりも狭められ、ブース内の親密性を高めることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。また、奥側を広く構成することで、ブース内の閉塞感を軽減でき、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0094】
第1背面パネル100は、前述のように、平面視で一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなる第1部位110と、第1部位110の一端側に配置される第2部位120と、を含む。そして、第1背面パネル100は、前述のように、平面視で、第2部位120の内面122の第1外面101に対する傾斜角度θ3は、第1部位110の内面112の第1外面101に対する傾斜角度θ2よりも大きい(図3参照)。第1背面パネル100は、平面視で、第1部位110の一端(一端側の端部)から第2部位120の一端(一端側の端部)にかけて厚みが漸次大きくなっている(図3参照)。
【0095】
上記のように他端側から一端側に向かって厚みが漸次大きく構成された第2部位120を第1背面パネル100に設けることにより、出入口400側が奥側よりも狭められたミーティングブース1を簡易に構築することができる。また、ミーティングブース1の隅部において、出入口400側に、ミーティング空間の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。これにより、ブース内の音がブース外に音漏れすることを抑制し、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0096】
本発明の一態様におけるミーティングブースは、ソファを複数備え、複数の前記ソファのうち、少なくとも2つのソファのそれぞれを第1ソファおよび第2ソファとすると、前記第1ソファと前記第2ソファとは、互いに対向するように配置されている。そして、前記第1ソファと前記第2ソファとの間には、天板を有する机が配置されていてよい。上記ソファの具体的な態様は限定されないが、例えば上記ソファとして第1長椅子10を用いることができる。上記第1ソファおよび第2ソファはそれぞれ第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0097】
第1スピーカー150は、音声出力方向に指向性を有するものであってよい。これにより、ブース利用者が第1スピーカー150の出力音声をより確実に聞き取りやすくなるように第1スピーカー150を設定することができる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてのブース利用者の安心感を向上させることができる。
【0098】
<スピーカーの角度>
本発明の一態様における、共有空間中にソファ、パネル、およびスピーカーを設置して構築されるミーティングブースについて、さらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1長椅子10、第1背面パネル100、および第1スピーカー150を例示して説明する。
【0099】
なお、ミーティングブース1について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本発明の一態様におけるミーティングブース1の構成は、以下に説明することに限定されず、共有空間に設置される各種の什器について前述した構成も本発明の一態様におけるミーティングブース1の範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1の詳細構成として理解することができる。
【0100】
本発明の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現することにある。
【0101】
図6は、本発明の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための平面図である。図7は、本発明の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための斜視図である。
【0102】
図6および図7に示すように、本実施形態におけるミーティングブース1は、共有空間に設置されるオンライン会議を行うためのミーティングブースであって、第1座11および第1背もたれ16を有する第1長椅子(ソファ)10と、第1長椅子10の背後に設置される第1背面パネル(パネル)100と、第1長椅子10の上方において第1背面パネル100に配置される第1スピーカー(スピーカー)150と、を備えている。第1スピーカー150は、第1座11の上方空間に対し、少なくとも下方向に傾斜して音を出力するように設置されている。
【0103】
上記構成を備えるミーティングブース1では、オンライン会議に係る音声等を第1スピーカー150から出力する場合、第1長椅子10に着座するブース利用者が確実に音声を聞き取り、なおかつブース外に音漏れしにくい音量に第1スピーカー150を設定しやすくできる。よって、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0104】
第1スピーカー150の具体的な態様は特に限定されず、公知のスピーカーを用いることができる。第1スピーカー150は、音の出力方向を特定できる種類のスピーカーであってよい。第1スピーカー150は、例えば、音の出力部(放音部)を有し、当該出力部の法線方向を音の出力方向として特定することができる。上記放音部は平面形状であってよく、曲面形状であってもよい。第1スピーカー150は、音の出力方向(放音方向)が水平方向よりも下方を向くように、第1背面パネル100に設置されていてよい。
【0105】
第1スピーカー150は、側面視で、ミーティングブース1の内側方向(ミーティング空間の内側方向)に膨らむ形状を有していてよい。なお、上記形状は、第1スピーカー150の装置本体自体がミーティング空間の内側方向に膨らむ形状を有していることに限定されず、第1スピーカー150を覆うスピーカーカバーがミーティング空間の内側方向に膨らむ形状を有する場合も含む。これにより、第1スピーカー150から発せられる音(出力音)が或る程度の広がりを有するように、第1スピーカー150からブース内に音を出力できる。そのため、ブース内において第1スピーカー150の出力音をブース利用者が聞き取りやすくすることができる。第1スピーカー150は、形状における突出方向が水平方向よりも下方を向くように、第1背面パネル100に設置されていてよい。第1スピーカー150は、第1背面パネル100の第1内面102の表面に設置されていてよい。或いは、第1スピーカー150が第1背面パネル100に埋め込まれて設置されており、第1スピーカー150を覆うスピーカーカバーが設けられていてもよい。
【0106】
ミーティングブース1では、前述のように、第1背もたれ16は、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。また、ミーティングブース1では、前述のように、第1座11は、水平方向に対して、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fに向かう方向に座面14が上るように傾斜していてよい。これにより、第1長椅子10に着座するブース利用者は、背中を第1背もたれ16に自然にもたれさせることができる。そのため、第1長椅子10の快適性を高めることができる。また、第1背もたれ16の付近に第1スピーカー150を設置した場合において、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭が自然に第1スピーカー150に近づき、第1スピーカー150の出力音をより一層聞き取りやすくすることができる。
【0107】
ミーティングブース1では、前述のように、第1背面パネル100は、第1長椅子10側の面である第1内面102と、第1内面102とは反対の面である第1外面101とを含む。そして、平面視において、一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなるよう、第1内面102は第1内面102が延びる方向に対して傾斜して延びている。第1長椅子10は、第1背もたれ16が、第1背面パネル100の第1内面102に沿うように配置されている。
【0108】
第1背面パネル100の一端側をミーティング空間の出入口400側とし、第1背面パネル100の他端側をミーティング空間の奥側に設定する。このようにしてミーティングブース1を構築すれば、出入口400側が奥側よりも狭められ、ブース内の親密性を高め、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。また、奥側を広く構成することで、ブース内の閉塞感を軽減でき、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0109】
ミーティングブース1では、前述のように、第1背面パネル100は、平面視で一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなる第1部位110と、第1部位110の一端側に配置される第2部位120と、を含む。ミーティングブース1では、平面視で、第2部位120の内面122の第1外面101に対する傾斜角度θ3は、第1部位110の内面112の第1外面101に対する傾斜角度θ2よりも大きい(図3参照)。そして、平面視で、第1部位110の一端から第2部位120の一端にかけて厚みが漸次大きくなっている。
【0110】
上記のように他端側から一端側に向かって厚みが漸次大きく構成された第2部位120を第1背面パネル100に設けることにより、出入口400側が奥側よりも狭められたミーティングブース1を簡易に構築することができる。また、ミーティングブース1の隅部において、出入口400側に、ミーティング空間の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。これにより、ブース内の音がブース外に音漏れすることを抑制し、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0111】
本発明の一態様におけるミーティングブースは、ソファを複数備え、複数の前記ソファのうち、少なくとも2つのソファのそれぞれを第1ソファおよび第2ソファとすると、前記第1ソファと前記第2ソファとは、互いに対向するように配置されている。そして、前記第1ソファと前記第2ソファとの間には、天板を有する机が配置されていてよい。上記ソファの具体的な態様は限定されないが、例えば上記ソファとして第1長椅子10を用いることができる。上記第1ソファおよび第2ソファはそれぞれ第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0112】
第1スピーカー150は、音声出力方向(音の出力方向)に指向性を有するものであってよい。音声出力方向は、放音方向と称することもでき、放音面の法線方向であってよい。これにより、ブース利用者がより確実に第1スピーカー150の出力音声を聞き取りやすくなるように第1スピーカー150を設定することができる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてのブース利用者の安心感を向上させることができる。また、第1スピーカー150における音の出力方向がX軸方向よりもブース奥側方向を向くことによれば、ブース外への音漏れを効果的に抑制することができる。
【0113】
<パネルヘッドレスト>
本発明の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、パネルの構成についてさらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1背面パネル100を例示して説明する。
【0114】
なお、第1背面パネル100について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1背面パネル100の詳細構成として理解することができる。但し、本発明の一態様におけるパネルを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。
【0115】
本発明の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを、フレキシブルに構築して提供することにある。
【0116】
再び図6および図7を参照して、本実施形態における第1背面パネル100は、共有空間に設置されるパネルであって、第1外面101および第1内面102を含み、第1内面102には、第1内面102側に位置する第1長椅子10の着座者が頭部をもたれかけることができるヘッドレスト部8が設けられている。ヘッドレスト部8は、第1内面102から水平方向に突出し、第1長椅子10の第1背もたれ16とは別体で設けられている。
【0117】
上記構成を有する第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構成した場合、第1背面パネル100にヘッドレスト部8が設けられているため、ブース利用者は、リラックスした状態で第1長椅子10に着座することができる。さらに、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭部を後方に傾き過ぎないようにして、ブース利用者がミーティング内容を集中して聞くための姿勢を自然と作り出すことができる。このようにして、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1をフレキシブルに構築することができる。
【0118】
ヘッドレスト部8は、上下方向(Z軸方向)の寸法よりも、幅方向(Y軸方向)の寸法が大きく構成されていてよい。これにより、第1長椅子10に着座する複数のブース利用者が同時に頭部をヘッドレスト部8にもたれかけることができる。
【0119】
第1背面パネル100では、前述の第1スピーカー150に代替してヘッドレスト部8が設けられていてよい。すなわち、ヘッドレスト部8は、スピーカーとしての機能を有していなくてもよい。
【0120】
或いは、第1背面パネル100には、第1内面102側(ブース内側)に音声を出力するスピーカーが設けられており、ヘッドレスト部8は、当該スピーカーを外側から覆うスピーカーカバーとして機能してよい。前述の第1スピーカー150は、上記スピーカー(音の出力部)と、当該スピーカーを外側から覆うヘッドレスト部8とを有していてよい。上記スピーカーは、装置における音出力部(振動系)に対応する部分であってよい。上記スピーカーは、指向性スピーカーであってよい。これにより、ブース外への音漏れを低減させることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0121】
本発明の一態様におけるミーティングブースは、パネルと、前記パネルの内面側に配置されたソファと、を備えていてよい。また、本発明の一態様におけるミーティングブースは、対向して配置される一対のソファと、前記一対のソファのそれぞれが内面側に配置されたパネルと、前記一対のソファの間に配置される机と、を備えていてよい。上記パネルとして上述の第1背面パネル100を用いることができる。上記ソファの具体的な態様は特に限定されないが、上記ソファとして、例えば上述の第1長椅子10を用いることができ、上記一対のソファは第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0122】
<スピーカーカバー>
本発明の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、パネルの構成についてさらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1背面パネル100を例示して説明する。
【0123】
なお、第1背面パネル100について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1背面パネル100の詳細構成として理解することができる。但し、本発明の一態様におけるパネルを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。
【0124】
本発明の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを、フレキシブルに構築して提供することにある。
【0125】
図8は、本発明の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための斜視図である。
【0126】
図8に示すように、本実施形態における第1背面パネル100は、共有空間に設置されるパネルであって、第1外面101および第1内面102を含み、第1内面102には、第1内面102側に音声を出力するスピーカーSPと、スピーカーSPを覆うスピーカーカバー9とが設けられている。スピーカーカバー9は、第1内面102から水平方向に突出し、第1内面102側に位置する第1長椅子10の着座者が頭部をもたれかけることができるヘッドレスト部8として機能する。
【0127】
上記構成の第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構成した場合、第1背面パネル100に設けられたスピーカーカバー9がヘッドレスト部8として機能するので、ブース利用者は、リラックスした状態で第1長椅子10に着座することができる。さらに、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭部を後方に傾き過ぎないようにして、ブース利用者がミーティング内容を集中して聞くための姿勢を自然と作り出すことができる。このようにして、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1をフレキシブルに構築することができる。
【0128】
スピーカーSPは、平板状であってよい。これにより、第1背面パネル100に対してスピーカーSPを安定して固定させることができる。そして、スピーカーカバー9の形状の設計の自由度を高めることができる。スピーカーSPは、具体的には、装置における音出力部(振動系)であってよい。スピーカーSPの種類は特に限定されず、公知のスピーカーを用いることできる。スピーカーSPは、筐体に覆われていてもよく、筐体に覆われていなくてもよい。
【0129】
スピーカーSPは、第1長椅子10の第1座11の上方空間に対し、少なくとも下方向に傾斜して音を出力するように設置されていてよい。これにより、ブース外への音漏れを低減させることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。スピーカーSPは第1背面パネル100に少なくとも一部が埋め込まれて設置されていてよく、第1背面パネル100の表面に取り付けられていてもよい。スピーカーSPの音の出力方向が水平方向よりも下方を向いている一方で、スピーカーカバー9は表面の法線方向が水平方向となっていてもよい。
【0130】
スピーカーカバー9は、上下方向の寸法よりも、幅方向の寸法が大きく構成されていてよい。これにより、第1長椅子10に着座する複数のブース利用者が同時に頭部をスピーカーカバー9にもたれかけることができる。
【0131】
スピーカーカバー9は、表面に張られた張地90と、張地90とスピーカーSPとの間に位置し、通音性を有する第1中間材91と、張地90と第1中間材91との間に位置し、第1中間材91よりも軟質な第2中間材92と、を含んでいてよい。張地90としては、具体的な態様は特に限定されず、例えば不織布であってよい。第1中間材91の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、有孔形状の金属板(パンチングメタル等)であってよく、多孔形状のスチール板であってよい。第1中間材91の材質は金属に限定されない。また、第2中間材92の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、クッション性を有する材料(ウレタン等)を含んでいてよい。第2中間材92を含むことにより、第1長椅子10の着座者がスピーカーカバー9に頭を当てたときのクッション性をスピーカーカバー9に生じさせることができる。そして、張地90の表面の形状が第1中間材91の形状の影響を受けて変形することを防止することができる。
【0132】
上記構成によれば、張地90のデザイン変更によりスピーカーカバー9のデザインバリエーションの幅を広げることができる。また、第1中間材91について通音性を有するものとしつつ、第2中間材92は第1中間材より軟質なものとすることによって、スピーカーSPから出力される音量について適切なものとし、スピーカーカバー9に頭をもたれかける際の快適さも担保できる。
【0133】
第1背面パネル100では、1つのスピーカーカバー9の内部に、幅方向(Y軸方向)に並んで複数のスピーカーSPが含まれていてよい。スピーカーカバー9は複数の第1中間材91を含み、複数のスピーカーSPのそれぞれに、1つずつ第1中間材91が取り付けられていてよい。スピーカーカバー9では、スピーカーSPおよび第1中間材91の複数の組が1つの第2中間材92によって覆われていてよく、第2中間材92の表面が張地90によって覆われていてよい。
【0134】
本発明の一態様におけるミーティングブースは、パネルと、前記パネルの内面側に配置されたソファと、を備えていてよい。また、本発明の一態様におけるミーティングブースは、対向して配置される一対のソファと、前記一対のソファのそれぞれが内面側に配置されたパネルと、前記一対のソファの間に配置される机と、を備えていてよい。上記パネルとして上述の第1背面パネル100を用いることができる。上記ソファの具体的な態様は特に限定されないが、上記ソファとして、例えば上述の第1長椅子10を用いることができ、上記一対のソファは第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0135】
〔別構成例〕
(a)図9は、本発明の一実施形態における、ミーティングブースを複数配置させたミーティングブースシステムの一例について説明するための平面図である。図9に示すように、本発明の一実施形態におけるミーティングブースシステム2では、ミーティングブース1が複数、隣接して配置されている。
【0136】
図9に示す例では、複数のミーティングブース1がX軸方向に並んで一次元配置されているが、2つのミーティングブース1の第3パネル300の第3外面301同士を当接させることにより、Y軸方向に並んで配置させることもできる。
【0137】
(b)図10は、別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。別構成例におけるミーティングブース1Aは、第1背面パネル100と、第1長椅子10と、第1スピーカー150とを備えていてよく、第1背面パネル100に対向する第4立設部材500を備えていてよい。第4立設部材500は、内面501にディスプレイ30およびカメラ31が設置されていてよい。第4立設部材500は、内面501に机55が設けられていてよい。第4立設部材500の具体的態様は特に限定されず、共有空間に設置された内壁、パネル、パーティション等であってよい。
【0138】
第4立設部材500の内面501は、平面視において、Y軸方向に平行であってよく、或いは、前述のミーティングブース1における第2背面パネル200の第2内面202と同様にY軸方向に対して傾斜していてもよい。机55の天板における第1背面パネル100に対向する辺56は、第1座前端縁11Fに沿うように延びていてよく、第4立設部材500に当接する辺57は、第4立設部材500の内面501に沿って延びていてよい。ミーティングブース1Aは、1人のブース利用者がオンライン会議のために使用するためのブース(ソロブース)であってよい。
【0139】
(c)図11は、別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。別構成例におけるミーティングブース1Bは、第3パネル300の高さが例えば第1背面パネル100および第2背面パネル200よりも低い形状を有していてよい。
【0140】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1と同じである。
【0141】
前記実施形態1にて説明したように、共有空間内において、各種の什器(パネル等)の組(セット)によりミーティングブースが構成される。本発明の一実施形態におけるミーティングブースは、既設の各種の什器の組に対して、後から什器を追加で設置することにより構成されていてよく、一部の什器を設置したり取り外したりすることが可能であってよい。
【0142】
本実施形態では、パネルに装着可能なスピーカー装置80について、一構成例のミーティングブース1Cを例示して説明する。なお、以下に説明するミーティングブース1Cは一例であって、本実施形態のスピーカー装置80を用いて、共有空間内に、様々な形態のミーティングブースを構築することができる。
【0143】
図12は、本発明の実施形態2におけるスピーカー装置80を備えるミーティングブース1Cの全体構成について説明するための斜視図である。図13および図14は、それぞれ、本実施形態におけるスピーカー装置80の構成について説明するための斜視図である。図13では、スピーカー装置80の一部を分解して示している。
【0144】
図12図14に示すように、スピーカー装置80は、間仕切りとして機能する第1背面パネル100(パネル)の主面109に装着される。主面109は、第1内面102(図1等を参照)であってよい。なお、パネルの主面とは、平板状のパネルにおける最も面積の大きい平面を指す。スピーカー装置80は、第1背面パネル100の主面109に対向するミーティング空間(空間)に向けて音声を出力するスピーカー812と、スピーカー812を外側から覆うスピーカーカバー82と、を備える。スピーカーカバー82は、ミーティング空間側に突出し、ミーティング空間側に位置するブース利用者(利用者)が頭部をもたれかけられるヘッドレスト部として機能する。
【0145】
スピーカー装置80は、第1長椅子10の第1背もたれ16の上方において第1背面パネル100に装着されていてよい。ブース利用者は、第1長椅子10に着座した状態で、ヘッドレスト部として機能するスピーカー装置80に頭部をもたれかけることができる。ブース利用者の頭部がスピーカー装置80に自然に近づくことで、スピーカー装置80の出力音を聞き取りやすくすることができる。そのため、スピーカー装置80の音量を相対的に低下させる(ように設定する)ことができる。その結果、ブース外への音漏れを効果的に抑制できる。後述するように、第1背面パネル100を設置した後の時点において、第1背面パネル100にスピーカー装置80を装着することができる。したがって、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1Cをフレキシブルに構築することができる。
【0146】
スピーカー装置80は、本体部81およびスピーカーカバー82を備える。本体部81には、音声出力等の各種の機能を有する複数の機能部品(複数の素子および機器)、並びに、スピーカーカバー82と対をなす筐体部分が含まれる。本体部81は、各種の機能部品が実装される基体部(ユニット部)811を備えていてよく、基体部811は、例えば、回路基板であってよい。図13に示す例では、基体部811に2個のスピーカー812が設けられている。スピーカー装置80に含まれるスピーカー812の数は、1個以上であればよく、特に限定されない。スピーカー812が設けられている基体部811は、平板状であってよい。これにより、スピーカー装置80の厚さを比較的薄くできるとともに、スピーカーカバー82の形状に対する制約を低減し易くできる。また、スピーカー装置80の背面側(主面109に装着する側)における、本体部81の筐体形状を平坦にし易くできる。その結果、スピーカー装置80を主面109に装着させ易くできる。
【0147】
スピーカー812としては、具体的な態様は特に限定されず、公知のスピーカーを用いることができる。スピーカー812は、音の出力部(放音部)が平面形状であってよく、曲面形状であってもよい。スピーカー812は、放音部が基体部811よりも突出していてよい。スピーカー812は、音の出力方向(放音方向)が水平方向よりも下方を向くように基体部811に実装されていてよい。或いは、スピーカー装置80内において、スピーカー812の放音方向が水平方向よりも下方を向くように、基体部811の板面が鉛直方向に対して傾斜していてもよい。スピーカー装置80における放音方向が水平方向よりも下方を向くことによれば、ブース外への音漏れを効果的に抑制することができる。
【0148】
スピーカー812は、音声出力方向に指向性を有していなくてよく、この場合、スピーカー装置80のコストを低減し易くできる。一方、スピーカー812は、指向性スピーカーであってよく、この場合、ブース利用者がスピーカー812の出力音声をより確実に聞き取りやすくできるとともに、ブース外への音漏れを効果的に抑制できる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてのブース利用者の安心感を向上させることができる。
【0149】
スピーカーカバー82は、第1背面パネル100の主面109側に位置する複数のブース利用者が同時に頭部をもたれかけられるように、上下方向の寸法よりも幅方向の寸法のほうが大きく構成されていてよい。スピーカー装置80では、スピーカーカバー82が、側面視で、ミーティングブース1Cの内側方向(ミーティング空間の内側方向)に膨らむ形状を有していることにより、ヘッドレスト部としての機能を有していてよい。スピーカー812の音の出力方向が水平方向よりも下方を向いている一方で、スピーカーカバー82は表面の法線方向が水平方向となっていてもよい。
【0150】
スピーカーカバー82は、前述の第1スピーカー150におけるスピーカーカバー9と同様の構成を有していてもよい。スピーカーカバー82は、張地90、通音性を有する第1中間材91、および第1中間材91よりも軟質な第2中間材92のうち少なくとも1つを含んでいてよい(図8を参照)。或いは、スピーカーカバー82は、本体部81を覆うカバー部およびその表面に貼付された張地90によって構成されていてよく、この場合、スピーカー装置80のコストを低減し易くできるとともに、軽量化を図ることができ、スピーカー装置80を持ち運ぶ際の利便性を効果的に向上させることができる。
【0151】
図12図14に示す例では、スピーカー装置80は、第1背面パネル100に装着するための装着部86をさらに備える。スピーカー装置80は、第1背面パネル100に対して、装着したり取り外したりすることが可能であってよい。
【0152】
第1背面パネル100は、例えば、装着部86を介してスピーカー装置80を支持する支持部89を備えていてよい。支持部89は、第1背面パネル100に予め設けられていてよく、第1背面パネル100および第1長椅子10等を設置した後の時点において、第1背面パネル100に追加で設置されてもよい。スピーカー装置80を第1背面パネル100に装着する具体的な手法は特に限定されず、公知の手法を用いることができる。例えば、圧力差若しくは磁力等を利用して装着部86が支持部89に吸着されていてよい。或いは、例えば、装着部86が取り付け孔若しくは受け部を有しており、支持部89が突起若しくはフック等を有しており、装着部86を支持部89に嵌合若しくは係止させることでスピーカー装置80が支持されてよい。或いは、例えば、支持部89に装着部86が吊り下げられる構造で、第1背面パネル100にスピーカー装置80が取り付けられていてよい。装着部86および支持部89の取付構造が位置調整機能を有していてよく、この場合、高さ方向におけるスピーカー装置80の装着位置を調整可能であってよい。これにより、ブース利用者の頭部の位置に合わせてスピーカー装置80を装着することができ、利便性を効果的に向上させることができる。
【0153】
スピーカー装置80は、無線接続用の通信ユニット85をさらに備えていてよい。図12に示す例では、机5の天板50上に、情報端末TDが位置しており、例えば、スピーカー装置80と情報端末TDとが、通信ユニット85を介して無線接続されていてよい。情報端末TDの具体例としては、PC(personal computer)またはスマートフォン等が挙げられる。図12に示す例では、情報端末TDがPCであり、情報端末TDに操作機器CAが例えばUSB(Universal Serial Bus)接続されている。操作機器CAは、スピーカー装置80との無線接続のON/OFFを切り替えるスイッチとしての機能を有していてよい。情報端末TDに内蔵されている無線通信ユニット(図示省略)を用いて通信ユニット85との無線通信が行われてよく、操作機器CAが無線通信ユニットとして機能してもよい。
【0154】
上記の例に限定されず、スピーカー装置80における音声信号の入出力は、第1背面パネル100等に内蔵された、各種機能を有するブースユニット(図示省略)を介して行われてよい。例えば、情報端末TDとブースユニットとが有線または無線接続されており、ブースユニットとスピーカー装置80の通信ユニット85とが有線接続されていてよい。例えば、スピーカー装置80を第1背面パネル100に装着した際に、ブースユニットと通信ユニット85とのデータ通信の有線接続が行われるように、装着部86および支持部89が構成されていてよい。
【0155】
スピーカー装置80は、内蔵バッテリ(図示省略)を有していてよく、或いは、スピーカー装置80を第1背面パネル100に装着した際に、ブースユニットからスピーカー装置80への給電が可能となるように、装着部86および支持部89が構成されていてよい。スピーカー装置80が無線給電を受けるように構成されていてもよい。
【0156】
スピーカー装置80は、ブース利用者の音声を入力するためのマイク813をさらに備えていてよい。図13に示す例では、基体部811において、2個のスピーカー812の間に、1個のマイク813が設けられている。スピーカー装置80に含まれるマイク813の数は、1個以上であればよく、特に限定されない。スピーカー装置80にはマイク813が含まれていなくてもよい。マイク813としては、具体的な態様は特に限定されず、公知のマイクを用いることができる。マイク813は、スピーカー812と同形状を有していてよく、例えば、音の入力部(収音部)が平面形状であってよく、曲面形状であってもよい。マイク813は、収音部が基体部811よりも突出していてよい。
【0157】
スピーカー装置80への各種の配線は第1背面パネル100の内部を通っていてよい。これにより、ブース利用者から配線が見えにくくすることができ、ミーティングをより快適に実施することができる。
【0158】
〔別構成例〕
(A)図15は、本実施形態におけるスピーカー装置80を備えるミーティングブース1Cの全体構成について説明するための斜視図である。図15に示すように、別構成例のミーティングブース1Cでは、第1長椅子10が第1背もたれ16を有しておらず、第1座11の上方においてスピーカー装置80が第1背面パネル100に装着されていてよい。スピーカーカバー82は、ブース利用者(利用者)が背(背部)をもたれかけられる背もたれ部として機能する。
【0159】
ブース利用者は、第1長椅子10の第1座11に着座した状態で、背もたれ部として機能するスピーカー装置80に背をもたれかけることができる。ブース利用者の頭部とスピーカー装置80との距離が、例えば天板50上またはディスプレイ30の位置にスピーカーが存在する場合に比べて小さくなる。そのため、スピーカー装置80の出力音を聞き取りやすくすることができ、スピーカー装置80の音量を相対的に低下させる(ように設定する)ことができる。その結果、ブース外への音漏れを効果的に抑制できる。
【0160】
スピーカーカバー82は、第1背面パネル100の主面109側に位置する複数のブース利用者が同時に背をもたれかけられるように、上下方向の寸法よりも幅方向の寸法のほうが大きく構成されていてよい。
【0161】
第1背面パネル100および第1座11を設置した後の時点において、第1背面パネル100にスピーカー装置80を装着することができる。したがって、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1Cをフレキシブルに構築することができる。ブース利用者の背の位置に合わせてスピーカー装置80の装着位置を調整することによれば、ミーティングをより快適に実施することができる。
【0162】
図15に示す例では、スピーカー812は、音の出力方向(放音方向)が水平方向よりも上方を向くように基体部811に実装されていてよい。或いは、スピーカー装置80内において、スピーカー812の放音方向が水平方向よりも上方を向くように、基体部811の板面が鉛直方向に対して傾斜していてもよい。スピーカー装置80における放音方向が水平方向よりも上方を向くことによれば、ブース利用者がスピーカー装置80の出力音を聞き取りやすくすることができ、スピーカー装置80の音量を相対的に低下させる(ように設定する)ことができる。その結果、ブース外への音漏れを効果的に抑制できる。
【0163】
(B)図16は、本実施形態におけるスピーカー装置80を備えるミーティングブース1Dの全体構成について説明するための斜視図である。図16に示すように、ミーティングブース1Dは、パネル100G、座用什器10G、および机5Gを備えている。パネル100G、座用什器10G、および机5Gは、それぞれ一般的な什器(公知の什器)であってよい。
【0164】
パネル100Gは、間仕切りとして機能するパネルであればよく、具体的な種類は特に限定されない。図16に示す例では、パネル100Gは、一般的にパーティションとして設置される類のパネルであってよい。また、図16では、座用什器10Gが一般的なソファ(背もたれ付きの長椅子)である例を示しているが、これに限定されず、座用什器10Gは、オフィスチェア若しくはワークチェアであってよく、背もたれやひじ掛けを有しないスツール若しくはパイプ椅子であってよく、ベンチであってもよい。ミーティングブース1Dは、机5Gが設置されていなくてもよい。
【0165】
ミーティングブース1Dでは、パネル100Gの主面109Gにスピーカー装置80が装着される。スピーカー装置80をパネル100Gに装着する具体的な手法は特に限定されない。例えば、スピーカー装置80の装着部86が、上方に延びる長尺部および長尺部の上端に位置するフック形状の屈曲部を有していてよく、この場合、当該屈曲部をパネル100Gの上面に引っ掛けることにより、スピーカー装置80がパネル100Gに装着されてよい。例えば、装着部86がスピーカー装置80の位置調整を可能とする位置調整機構を有していてよい。装着部86は、スピーカー装置80と一体に(すなわちスピーカー装置80の筐体に固定されて)設けられていてよく、スピーカー装置80とは別部材として設けられていてもよい。例えば、支持部89が、上記長尺部および屈曲部を有する形状を有しており、支持部89にスピーカー装置80を取り付け可能となるように装着部86が構成されていてもよい。
【0166】
スピーカー装置80は、スピーカーカバー82をヘッドレスト部または背もたれ部として機能させることができる。したがって、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1Dをフレキシブルに構築することができる。
【0167】
(C)図17は、本実施形態におけるスピーカー装置80を備えるミーティングブース1Eの全体構成について説明するための平面図である。ミーティングブース1Eは、ミーティング音を出力(放音)する第1のスピーカー装置80Aと、マスキング音を出力(放音)する第2のスピーカー装置80Bとを備えている。第1のスピーカー装置80Aおよび第2のスピーカー装置80Bとして、前述のスピーカー装置80を用いることができる。
【0168】
パネル100Gの主面109Gに第1のスピーカー装置80Aが装着され、パネル100Gにおける主面109Gとは反対側の面である外側主面108Gに第2のスピーカー装置80Bが装着されていてよい。これにより、ブース内の音を外部から聞こえにくくすることができる。また、ブース内において、ブース外部の音(周囲の音)を聞こえにくくすることができる。そのため、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性を効果的に高めることができるとともに、ミーティングの快適性を高めることができる。
【0169】
(D)図18は、本実施形態におけるスピーカー装置を備えるミーティングブース1Cを複数配置させたミーティングブースシステム2の一例について説明するための平面図である。図18に示すように、本発明の一実施形態におけるミーティングブースシステム2では、ミーティングブース1Cが複数、隣接して配置されている。或るミーティングブース1Cにおける第1背面パネル100の第1外面101と、隣接する別のミーティングブース1Cにおける第2背面パネル200の第2外面201とを密着させることにより、複数のミーティングブース1Cを省スペースで配置することができる。
【0170】
ミーティングブースシステム2では、例えば、第1背面パネル100および第2背面パネル200の上面に、マスキング音を出力するマスキング装置800を設置してもよい。マスキング装置800から例えば天井に向かってマスキング音を放音し、天井でマスキング音を反射させることにより、ミーティングブース1C内のミーティング空間およびその周辺に、音がマスキングされる空間(マスキング場)を形成することができる。マスキング装置800は、マスキング音の放音部の上方に、マスキング音を反射させる反射板を備えていてもよい。
【0171】
図18に示す例では、複数のミーティングブース1CがX軸方向に並んで一次元配置されているが、2つのミーティングブース1の第3パネル300の第3外面301同士を当接させることにより、Y軸方向に並んで配置させることもできる。
【0172】
〔SDGsへの貢献〕
本発明の一態様によれば、快適なミーティング環境を提供できる。例えばオープンスペース等の共有空間においてミーティング(Web会議含む)を気軽に実施し易くできる。ミーティング等のコミュニケーションは社会活動(経済活動)の根幹であり、本発明の一態様によれば、働き方の多様化の促進および事業活動の円滑な推進に貢献することにより、経済の発展に寄与することができる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「働きがいも経済成長も」等の達成にも貢献するものである。
【0173】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るスピーカー装置は、間仕切りとして機能するパネルの主面に装着されるスピーカー装置であって、前記パネルの主面に対向する空間に向けて音声を出力するスピーカーと、前記スピーカーを外側から覆うスピーカーカバーと、を備え、前記スピーカーカバーは、前記空間側に突出し、当該空間側に位置する利用者が頭部をもたれかけられるヘッドレスト部または背をもたれかけられる背もたれ部として機能する。
【0174】
本発明の態様2に係るスピーカー装置は、前記態様1において、前記スピーカーが設けられている基体部は、平板状である。
【0175】
本発明の態様3に係るスピーカー装置は、前記態様1または2において、前記スピーカーカバーは、前記パネルの主面側に位置する複数の利用者が同時に頭部または背部をもたれかけられるように、上下方向の寸法よりも幅方向の寸法のほうが大きく構成される。
【0176】
本発明の態様4に係るスピーカー装置は、前記態様1から3の何れか1態様において、前記パネルに装着するための装着部をさらに備える。
【0177】
本発明の態様5に係るスピーカー装置は、前記態様1から4の何れか1態様において、無線接続用の通信ユニットをさらに備える。
【0178】
本発明の態様6に係るスピーカー装置は、前記態様1から5の何れか1態様において、利用者の音声を入力するためのマイクをさらに備える。
【0179】
〔附記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上記説明において開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0180】
1、1A、1B、1C、1D、1E:ミーティングブース 2:ミーティングブースシステム 5、5G:机 8:ヘッドレスト部 9:スピーカーカバー 10:第1長椅子(ソファ) 10G:座用什器 11:第1座(座) 11F:第1座前端縁(前端縁) 16:第1背もたれ(背もたれ) 161:中央背部 162:一端側背部(端側背部) 163:他端側背部(端側背部) 20:第2長椅子(ソファ) 21:第2座(座) 21F:第2座前端縁(前端縁) 26:第2背もたれ(背もたれ) 80:スピーカー装置 800:マスキング装置 81:本体部 811:基体部 812:スピーカー 813:マイク 82:スピーカーカバー 85:通信ユニット 86:装着部 89:支持部 100:第1背面パネル(パネル) 100G:パネル 101:第1外面 102:第1内面 109:主面 150:第1スピーカー(スピーカー) 250:第2スピーカー 200:第2背面パネル(パネル) 201:第2外面 202:第2内面 400:出入口 CA:操作機器 TD:情報端末
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