(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155702
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ロボットアームマニピュレータ交換ツール
(51)【国際特許分類】
B25J 15/04 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
B25J15/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208644
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】18/303040
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516106782
【氏名又は名称】イーメージ ヴィジョン ピーティーイー. エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】EMAGE VISION PTE. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、 スーン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シェール、 リュ― シアン チャールズ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS27
3C707GS17
3C707GS19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】異なるロボットを設置する必要性なしに複数のタスクを実行する。
【解決手段】ロボットアームが確実に、迅速に、かつ一貫して一エンドエフェクタから他エンドエフェクタへ交換する簡単な交換機構が与えられる。交換機構は、同期的に動作する3つの異なるエリアにおける機械的要素及び電磁的要素を組み入れ、簡単ではあるが安定しかつロボットの異なる構成に対して適合性のある、柔軟性かつ拡張性のあるアーキテクチャをもたらす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスターロボットアームをエンドエフェクタに対して脱離又は装着するべく構成される簡単な交換機構であって、
前記エンドエフェクタに係合するべく電磁石及び少なくとも2つの突出したフックが中心において統合されたマスターロボットアームと、
水平移動頂部カバーを含む交換可能ツールであって、前記水平移動頂部カバーの下には、前記エンドエフェクタを把持するばね搭載把持具が存在し、双方とも適切な機械的安定性を目的としてプレートに取り付けられる、交換可能ツールと、
異なるタスクに適合された複数のロボットハンドに機械的に統合されるエンドエフェクタであって、磁気プレートが前記マスターアームの前記電磁石に正確に整列されて係合時の安定した把持力を達成し、前記マスターアームの前記突出したフックとのラッチ及びラッチ解除を目的として少なくとも2つのばね搭載レバーが使用され、正確な係合を目的として前記マスターアームの前記突出したフックを収容するべく少なくとも2つの凹部が機械的に整列される、エンドエフェクタとを含む、簡単な交換機構。
【請求項2】
前記エンドエフェクタに対する装着プロセス又は脱離プロセスの間、前記マスターロボットアームは上及び下に動く、請求項1の簡単な交換機構。
【請求項3】
前記交換ツールの前記把持具には、電力不在であっても前記エンドエフェクタをその位置に保持するようにトーションばねが取り付けられる、請求項1の簡単な交換機構。
【請求項4】
前記交換ツールの頂部カバーは、前記装着プロセス及び前記脱離プロセスの間、前記エンドエフェクタの前記ばね搭載レバーを開及び閉にするように機能する、請求項1の簡単な交換機構。
【請求項5】
前記マスターアームの突出したフックは、前記エンドエフェクタの凹部に係合し、前記マスターアームを前記エンドエフェクタに対してラッチ又はラッチ解除する前記エンドエフェクタの前記レバーにより、前記ロボットアームの動作の間にこれらが互いから脱離しないことが保証される、請求項1の簡単な交換機構。
【請求項6】
前記マスターアームの電磁石により、通電時の磁力に起因する前記エンドエフェクタとの強力かつ確実な係合が保証される、請求項5の簡単な交換機構。
【請求項7】
前記マスターアームの突出したフック及び一対のばね搭載ラッチレバーにより、電力故障の事象において前記エンドエフェクタが前記マスターアームに対して係合したままとなる、請求項5の簡単な交換機構。
【請求項8】
前記マスターアームの突出したフック及び一対のばね搭載ラッチレバーが、前記電磁石と組み合わせられて、前記エンドエフェクタの前記マスターアームに対する装着及び脱離を、可能な限り短時間で正確にかつ一貫して実行し、高速な切り替えをもたらす、請求項1の簡単な交換機構。
【請求項9】
特定タスクのために設計された異なるロボットハンドに統合される異なるエンドエフェクタを保持する複数の交換ツールが前記ロボットまわりに取り付けられ、前記ロボットを構成している間の高速な切り替えを支援する、請求項1の簡単な交換機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ロボットマスターアームの遠位端にあるエンドエフェクタ又はマニピュレータを変えるための簡単な交換機構であり、柔軟性及び拡張性のある迅速かつ確実な切り替えを可能にする。これはまた、実行されるタスクに基づいてマスターロボットからコマンドを送信及び受信するためのコンピュータインタフェイスも含む。この機構により、ロード又はアンロードのプロセス中にエンドエフェクタとマスターアームとのラッチ位置を探すときの複雑な整列プロセスが不要となり、エンドエフェクタのサイズ及び重量に関係なく、堅牢かつ安定した機構が得られる。
【背景技術】
【0002】
現代の製造業は通常、完全に自動化されており、サイズが小さく複雑な構造及び寸法を有する工業製品の組み立て及び加工のような作業を必要とする。半導体アセンブリ、自動車部品アセンブリのような製品、コンタクトレンズ、光学レンズ及び小型機械部品の製造は、通常、顧客への最終出荷のために梱包する前に組み立てられて品質検査される例の一部である。かかるコンポーネントは、多くの場合、小サイズの精密コンポーネントであり、多種多様な形状を有し、主に単一のマスターロボット装置を使用して高速で連続的に製造することが要求される。したがって、製造現場において、ワークピース及び関連プロセスに応じて、ロボット装置のエンドエフェクタ及びツールの交換を含むセットアップの変更が必要となる。この理由から、ロボット装置をプログラミングすることによって構成変更を行う自動セットアップ変更の需要が高まっている。
【0003】
製造現場では、組み立て又は製造するコンポーネントのタイプに応じて、プロセスフローの変更とともにロボット装置のエンドエフェクタ、アーム又はツールを、ワークピースのタイプに従って交換する形態で構成セットアップが実行される。従来型ロボット装置の構成を作業者が手動で変更するには、著しい手作業及び作業時間が必要であり、可能な限りロボット装置のプログラミングの変更とともにエンドエフェクタの変更も含み得る、いわゆる自動構成変更が要求される。
【0004】
上記状況に鑑み、ロボット装置は、様々な種類のワークピースの把持、組み立て、及び加工を許容するコンパクトかつ簡単な構成、仕様及び性能を有する必要がある。同時に、ワークピースに対して行われるタスクに適合するようにツールを自動的に交換することによってロボット装置全体の稼働率を高めることが望まれる。
【0005】
したがって、ロボット装置の機能的特徴を向上させるように多種多様なワークピースを迅速に、効率的にかつ一貫的に取り扱い及び操作することを可能にするエンドエフェクタの異なる構成に応じるべく、ロボット装置が簡単な交換機構を有する必要がある。
【0006】
ロボット装置のエンドエフェクタのようなオペレーティングユニットの自動交換に関し、可能であれば、エンドエフェクタをサイズ及び重量を低減し、これらのエンドエフェクタ及びその構成要素を交換する時間を短縮し、交換時の装着精度を高めることが要求される。交換システムは、交換ツール又は把持具が保持するエンドエフェクタ、及びマスターアームを含む。さらに、ロボットハンド又はエンドエフェクタのようなルーツの場合、ワークピースを扱う指の部分が、いくつかの場合には交換可能となり得る。一の構成から他の構成への切り替えは、ソフトウェアコマンド及び電気信号を使用してロボットハンド又はエンドエフェクタを動作させる電気インタフェイスを含む。電気インタフェイスは、エンドエフェクタ又はマニピュレータがどのような構成なのか、並びに切り替えエンドエフェクタの適切なローディング及び検証を確実にするべく定位置に機械的にロックされているか否か、をマスターロボットが検出するのに適した機構を含む。電気インタフェイス及びコマンドインタフェイスプロトコルの詳細は、本発明の範囲外であるため開示しない。過去の先行技術は、ロボットエンドエフェクタの切り替えを広範に開示するが、それら先行技術は時間がかかり、適切なセットアップ、整列及び構成のための手動介入を含む。それらはまた、複雑で、柔軟性がなく、拡張性がなく、適切なオペレーションのための頻繁な介入を必要とする。
【発明の概要】
【0007】
本発明の側面が、ロボットハンドに統合されるエンドエフェクタを確実にかつ一貫してマスターロボットアームに、可能な限り短時間で正確かつ一貫して、係合/装着し又は係合解除/脱離するように設計される簡単な交換機構を与える。交換可能機構設計は3つのエリアを含む。この書類全体を通してエンドエフェクタが言及されるが、エンドエフェクタには常にロボットハンドが統合されており、その機能性は手元のタスクに応じて異なり得ることに留意することが重要である。
【0008】
第1交換エリアはエンドエフェクタ係合部を含み、第2エリアはマスター側アームであり、第3エリアはマスターアームとエンドエフェクタとを係合及び係合解除するためのツール又は把持具である。
【0009】
エンドエフェクタ交換エリアは主に、それぞれの円形軸まわりに所定角度まで回転することができるいくつかのトーションばね搭載レバーと、マスターアームに取り付けられた電磁石及びマスターアームピックアップフックを収容する少なくとも2つの凹部に、表面が接合する磁性鋼プレートとを含む。
【0010】
第2交換エリアは、マスターアームの遠位端であり、この遠位端は、当該アームの中心に取り付けられた電磁石と、当該電磁石の中心まわりにフック状に形成された少なくとも2つの延長部とを含む。これらの延長部は、良好な安定性を目的としてエンドエフェクタの鋼プレートに適切に整列するように設計される。2つの延長フックは、マスターアームとエンドエフェクタとの間のラッチポイントとして機能する。当該レバーが、エンドエフェクタのマスターアームへの安定した装着を可能とするラッチロックとして機能する。
【0011】
第3交換エリアは、水平軸に動く簡単なカバープレートを含む交換機構である。このカバープレートは、マスターアーム延長フックが動いてエンドエフェクタ凹部の中に落ち込む前に、当該凹部を下に露出するべくエンドエフェクタ側でレバーを外方へと動かすように機能する。これはまた、マスターアームに対するエンドエフェクタのラッチ及びラッチ解除のプロセス中に一対の把持具を使用してエンドエフェクタを定位置に把持するように機能する。ローディングプロセスの間、マスターアームがエンドエフェクタ凹部の中に落ち込むように動いた後、交換ツールの頂部カバーが戻り又は引き込まれ、2つのレバーが解放される。これらのレバーは、トーションばねによって当初位置まで復元される。これにより、エンドエフェクタに対するマスターアームの装着プロセスが完了する。ここでマスターアームは、実行予定のさらなるタスクのために強固に装着されたエンドエフェクタが自由になり、交換ツールから離れるように動く。アンロードプロセスの間、交換ツールの頂部カバーが前方に動いてエンドエフェクタレバーを外向きに押し、同時にエンドエフェクタからマスターアームをラッチ解除する。マスターアームはその後、上に動いてエンドエフェクタとの係合を解除し、脱離プロセスが完了する。プロセスが完了し、交換ツールの頂部カバーが当初位置まで戻る。
【0012】
装着又は脱離プロセスの間、関与する交換ツールは、一セットのばね搭載爪把持具によって動作する。インライン頂部カバーが、前後に動いてエンドエフェクタのばね搭載レバーを押し、それに引き続いてラッチ及びラッチ解除のプロセスを実行する。マスターアーム及びエンドエフェクタの端部における機構を伴う交換ツールの簡単さにより、本発明の基礎が形成される。
【0013】
本開示のさらなる特徴が、添付図面を参照した典型的実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】いくつかのエンドエフェクタがまわりに配置されたロボット装置の斜視図である。
【
図4】ロボットエンドエフェクタがドッキングされる準備ができている本発明の交換ツールの底面図である。
【
図5】ロボットエンドエフェクタがドッキングプロセス完了後の本発明の交換ツールの底面図である。
【
図6】ロボットエンドエフェクタレバーが外に延びて、マスターアームが下に動いてアクセスする凹部が露出されている本発明の交換ツールの底面図である。
【
図7】交換ツールによって定位置に保持されたエンドエフェクタに、下に動いてラッチする準備ができているマスターアームの斜視図である。
【
図8】エンドエフェクタにおいて凹部の底部ポイントにマスターアームフックが到達した後の、交換ツールにより保持されるマスターアーム及びエンドエフェクタの断面図である。
【
図9】エンドエフェクタにおいて凹部の底部ポイントにマスターアームフックが到達した後の、交換ツールにより保持されるマスターアーム及びエンドエフェクタの断面図であり、交換ツールの頂部カバーが後退し、レバーが当初位置まで戻った結果、レバーのラッチがマスターアームフックに係合している。
【
図10】マスターアームがエンドエフェクタの一つにラッチされたことを示すロボット装置の斜視図である。
【
図11】交換ツールから離れるように動き、エンドエフェクタが定位位置に係合し又はラッチされているマスターアームの斜視図である。
【
図12】エンドエフェクタを有して手元の次のタスクの準備ができているロボット装置の斜視図である。
【
図13】マスターアームが上に動いてエンドエフェクタにおける凹部から外に出た後の、交換ツールにより保持されるマスターアーム及びエンドエフェクタの断面図である。交換ツールの頂部カバーがレバーを外へと押した結果、エンドエフェクタのアンロードプロセスとしてマスターアームフックとのラッチ係合が解除されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面を参照して本発明の実施態様が説明される。以下の実施形態は、単なる例示として説明され、詳細の構成は、本発明の趣旨を逸脱することなく当業者によって適宜変更され得る。「マニピュレータ」及び「エンドエフェクタ」のような用語は本明細書において置換可能に使用される。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットアーム交換システムの一例を示す。
図1は、ロボットアーム交換システム100の構成を示す説明図である。ロボットアーム交換システム100は、ロボット装置5、複数の交換ツール10、複数のロボットハンドE1、E2及びE3に統合された複数のエンドエフェクタ15、及び一対のロボットマスターアーム20を含む。
【0017】
図2及び
図3は、交換ツール10の2つの斜視図を示す。ツールは、双方向27に動くことができる水平可動頂部カバー25を含む。水平可動頂部カバー25の下には、
図3に示されるように、ばね40が統合されたエンドエフェクタ把持具30が存在する。ばね40は、把持具30を閉位置に保持するように機能する。ワークピース25、30及び40は、ともに交換ツールを形成するベースプレート28に適切に統合される。交換ツール10は、ロボットハンド(
図1におけるE1、E2、E3等)に統合されたエンドエフェクタを保持するように機能する。これにより、
図1におけるマスターアーム20を異なるエンドエフェクタにロード又はアンロードすることが可能となる。
【0018】
図4及び
図5は、把持具の機能を良好に理解するための、交換ツール10(頂部カバー25は図示せず)の底面図である。
図4において、エンドエフェクタをアンロードするプロセスの間、エンドエフェクタ15は、(方向43に圧縮されるばね40の効果に起因して通常閉である)把持具30に向かって押され、把持具30は、エンドエフェクタを収容するべく開となるように強制される。エンドエフェクタのロード及びアンロードのプロセスの間の参照及び説明のために、
図4におけるレバー35の位置A2に留意することが重要である。
【0019】
次のステップにおいて、エンドエフェクタ15が位置A1まで移動するときの
図5を参照すると、感知機構(図示せず)が、
図1におけるマスターアーム20がさらに動くことを直ちに停止させる。それと同時に、把持具30は、ばね40の力によってエンドエフェクタ15を定位置に保持できるようになる。把持具30は、2つの支点38に取り付けられ、ばね40によって、42により示されるばねの力に起因して強制的に閉に保持される。把持具30及びばね40を使用するように設計されたツール10を使用するエンドエフェクタ15のローディングプロセスの簡単さに留意することが重要である。この特徴は、交換ツール10の使用容易性及び拡張性の鍵となる。
【0020】
図6における交換ツール10は、把持具30によって強固に定位置に保持されたエンドエフェクタ15を示す。エンドエフェクタ15の中心に取り付けられた磁性鋼プレート34により、以下に説明される
図7においてマスターアーム20に取り付けられた電磁石への安定かつ頑丈な機械的固定が可能となる。
【0021】
次のステップにおいて、
図7におけるマスターアーム20へのエンドエフェクタ15の係合又は装着のプロセスが説明される。
図6を参照すると、
図7におけるマスターアームフック22Bがエンドエフェクタ15に係合するのを許容するべく、エンドエフェクタ15が一対の凹部箇所22Aを有するように設計される。以下、
図6の凹部22A及び
図7のマスターアームフック22Bは、一般名称としてラッチ機構と称されることがある。
図7においてロボットハンドE1に統合されたマスターアーム20とエンドエフェクタ15との間のラッチ及びラッチ解除プロセスは、
図6における交換ツールの頂部カバー25がエンドエフェクタ15の一対のレバー35を押すことから開始する。その結果、一対の凹部22Aが、下へ動いて係合のプロセスを開始するマスターアームフック22Bにとってアクセス可能となる。
図8を参照すると、マスターアーム20は、続いて、エンドエフェクタ15に向かって下へ動き、マスターアーム20のマスターアームフック22Bがエンドエフェクタ15の凹部22Aの内側に存在すると停止する。レバー35が定位置A3に存在するとき、37Aにおいて空のエリアにより示されるように、ラッチプロセスは完了していないことに留意することが重要である。電磁石33は、マスターアーム20の中心に電気的かつ機械的に統合され、電磁石33が通電されると、エンドエフェクタ15の中心に取り付けられた鋼プレート34による強い保持力が可能となる。
図9を参照すると、交換ツールの頂部カバー25が引き込まれて、レバー35が当初位置A2に戻ることが許容されるのと同時に、37Bに示されるように、マスターアーム20のマスターアームフック22Bにラッチされる。一対のレバー35が、トーションばね32の力によってA2位置まで動くことに留意されたい。電磁石33の通電により、磁力が鋼プレート34を介してエンドエフェクタ15を定位置に保持することが可能となり、その結果、エンドエフェクタ15のマスターアーム20へのラッチプロセスが完了する。
図9を参照すると、本発明の主要な特徴は、電磁石33の非通電をもたらす電気的故障の事象であっても、エンドエフェクタ15がマスターアーム20に絶対確実にラッチすることにある。一対のマスターアームフック22Bは、
図9における32のトーションばね力に起因して一対のエンドエフェクタレバー35に安全にラッチされ、エンドエフェクタ15がマスターアーム20から脱離しないことが保証される。この安全機能により、実行されているタスクに関係なく、
図1におけるロボット5の動作中に損傷のない安全な環境がもたらされる。
【0022】
図10は、エンドエフェクタ15にラッチされて交換ツール10からアンロードされる準備ができているロボットマスターアーム20の斜視図である。
【0023】
図11は、アンロードプロセスを完了して交換ツール10から離れるように動くロボットマスターアーム20の斜視図である。アンロードプロセスを理解するべく
図4を参照する。ここで、交換ツール10の把持具30がばね40の力によって閉位置に保持される。
図11におけるマスターアーム20が離れるように動くと、
図4に示されるように把持具30が強制的に開かれる。
【0024】
交換ツール10への/からのエンドエフェクタ15のロード及びアンロードのプロセスは、ばね40の力によって制御される。これにより、この機構が単純、効果的、かつ拡張的となる。
【0025】
図12は、マスターアーム20がロボットアームE1に統合されたエンドエフェクタ15にラッチされ、ユーザによってプログラミングされた次のタスクに進む準備ができているロボットの斜視図である。アンロードプロセスは、タスクのタイプに応じてE2、E3(
図10)又は任意の他のタイプのエンドエフェクタに対して同じである。
【0026】
図13は、係合解除されたマスターアーム20及びエンドエフェクタ15の断面図である。
図8を参照すると、ラッチ解除又は係合解除のプロセスは、交換ツール10の頂部カバー25がレバー35を押して位置A3まで外に動くことから開始する。
図8において明らかなように、レバー35はラッチ解除され、37aに示されるように道を開ける。これにより、マスターアーム20のマスターアームフック22Bが上に動くべく今や凹部22Aには何もないことが保証される。
図13においてまず電磁石33が通電解除され、その後、マスターアーム20が上に動いて
図13に示されるようにエンドエフェクタ15から離れる。ロボット装置5は、
図1に示されるように所定位置まで戻る。これで、マスターアーム20とエンドエフェクタ15との間の係合解除又はラッチ解除が完了する。
【0027】
アクチュエータ、モータ、又は他の揺動機構若しくは回転機構の使用は、本発明の範囲外であるため、ここでは説明されない。さらに、(装着、ラッチ、係合)及び(離脱、ラッチ解除、係合解除)のような用語は、しばしば置換可能に使用されることを認識すべきである。
【0028】
本発明が一実施形態を参照して説明されてきたが、本発明は、開示された典型的実施形態に限定されないことを理解すべきである。以下の特許請求の範囲には、そのような修正例並びに均等な構造及び機能すべてを包含するように、最も広い解釈が与えられる。当業者であれば、上述の説明を読むことで明らかになり得る多くの変形例、修正例及び代替例を認識及び理解するであろう。
【外国語明細書】