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特開2024-155721情報処理装置、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155721
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010637
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2023068320の分割
【原出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】516231165
【氏名又は名称】株式会社ネクイノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
(72)【発明者】
【氏名】松永 治久
(57)【要約】
【課題】ユーザが物品の提供を受けられるか否かを容易に確認できるようにする技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、UI(User Interface)画面を表示部に表示する手段、ユーザに対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定する手段、ユーザに対する物品の提供が制限されていると判定された場合に、UI画面に表示可能な特定オブジェクトを無効化する手段、として機能させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
UI(User Interface)画面を表示部に表示する手段、
ユーザに対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定する手段、
前記ユーザに対する物品の提供が制限されていると判定された場合に、前記UI画面に表示可能な特定オブジェクトを無効化する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記特定オブジェクトが無効化されていない場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて物品の提供要求を外部装置へ出力する手段、として機能させ、
前記出力する手段は、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、当該特定オブジェクトが選択されたとしても前記提供要求を前記外部装置へ出力しない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、前記特定オブジェクトが無効化されていない場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて所定の情報を前記表示部に表示する手段、として機能させ、
前記所定の情報を前記表示部に表示する手段は、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、前記特定オブジェクトが選択されたとしても前記所定の情報を表示しない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、前記特定オブジェクトが無効化されていない場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて通信モジュールまたはカメラを起動する手段、として機能させ、
前記通信モジュールまたはカメラを起動する手段は、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、前記特定オブジェクトが選択されたとしても前記通信モジュールまたはカメラを起動しない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて、前記ユーザに対する物品の提供が制限されていることを伝える情報を前記表示部に表示する手段、として機能させる、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、少なくとも前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、前記UI画面に、前記ユーザに対する物品の提供が制限されていることを示す情報を表示する通知オブジェクトを配置する手段、として機能させる、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記通知オブジェクトは、前記ユーザへの提供が認められている物品の残数を表示する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記通知オブジェクトは、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、さらに、前記ユーザへの提供が認められている物品の残数に関わらず前記ユーザに対する物品の提供が強制的に制限されている状態がいつ終了するかを示す情報を表示する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、前記特定オブジェクトを前記特定オブジェクトが無効化されていない場合とは異なる表示態様に設定する手段、として機能させる、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記設定する手段は、前記特定オブジェクトが無効化されている場合には前記特定オブジェクトをグレーアウトする、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、前記ユーザに対する物品の提供が制限されていないと判定された場合に、前記特定オブジェクトを有効化する手段、として機能させる、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記UI画面を前記表示部に表示する手段は、前記特定オブジェクトが無効化されている場合に、前記特定オブジェクトを前記UI画面に配置しない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記判定する手段は、前記コンピュータの備える記憶装置に保存された前記ユーザに対する物品の提供履歴を参照することで、外部装置にアクセスすることなく前記ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
UI(User Interface)画面を表示部に表示する手段と、
ユーザに対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定する手段と、
前記ユーザに対する物品の提供が制限されていると判定された場合に、前記UI画面に表示可能な特定オブジェクトを無効化する手段と
を具備する、情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが、
UI(User Interface)画面を表示部に表示するステップと、
ユーザに対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定するステップと、
前記ユーザに対する物品の提供が制限されていると判定された場合に、前記UI画面に表示可能な特定オブジェクトを無効化するステップと
を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトイレにおいて、ユーザに衛生用品を提供する技術的思想が提案されている。
特許文献1には、ユーザから衛生用品の提供を求める要求があった場合、直近の提供からの経過時間が下限を超え、かつ所定期間中の累積提供数が上限に達していないことを条件に、衛生用品を排出する、という技術的思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7174878号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術的思想では、ユーザが衛生用品の提供を実際に要求するまで衛生用品の提供を受けられるかどうかが分からない。
【0005】
本開示の目的は、ユーザが物品の提供を受けられるか否かを容易に確認できるようにする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、UI(User Interface)画面を表示部に表示する手段、ユーザに対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定する手段、ユーザに対する物品の提供が制限されていると判定された場合に、UI画面に表示可能な特定オブジェクトを無効化する手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の物品提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の物品提供装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図5】物品の提供の流れを示す図である。
図6】クライアント装置のディスプレイに表示されるUI画面の一例を示す図である。
図7】クライアント装置のディスプレイに表示されるUI画面の別の例を示す図である。
図8】本実施形態の一態様の説明図である。
図9】本実施形態の提供履歴データベースのデータ構造を示す図である。
図10】本実施形態の情報処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
(1)物品提供システムの構成
物品提供システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の物品提供システムの構成を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、物品提供システム1は、物品提供装置5と、サーバ50と、クライアント装置70とを備える。
物品提供装置5とサーバ50とは、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
物品提供装置5とクライアント装置70とは、例えばBluetooth(登録商標)またはNFC(Near Field Communication)などにより接続される。また、物品提供装置5とクライアント装置70とは、ネットワークNWを介して接続されてもよい。或いは、物品提供装置5とクライアント装置70とは接続されなくてもよい。
サーバ50とクライアント装置70とは、ネットワークNWを介して接続される。
【0011】
物品提供装置5は、外部装置(例えばサーバ50)からの制御に応じて、ユーザに物品を提供する。物品は、典型的には生理用品(例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー、タンポン等)、またはその他の衛生用品(例えば、使い捨ておむつ、尿取りパッド、失禁パッド、マスク等)であるが、これに限らず様々な物を含み得る。
物品提供装置5は、例えば個室トイレ(つまり、便器が備え付けられた個室)、授乳室、等に設置され得る。
【0012】
サーバ50は、外部装置(例えば、物品提供装置5またはクライアント装置70)から送信されたリクエストに応じたレスポンスを行う。サーバ50は、情報処理装置の一例である。サーバ50は、例えば、サーバコンピュータである。
【0013】
クライアント装置70は、サーバ50にリクエストを送信する。クライアント装置70は、情報処理装置の一例である。クライアント装置70は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置70のユーザは、所定のサービス(例えば、アプリケーション、またはSaaS(Software as a Service))のアカウントを作成することができ、アカウントの作成後に物品提供装置5から物品の提供を受けることができる。
【0014】
(1-1)物品提供装置の構成
物品提供装置の構成について説明する。図2は、本実施形態の物品提供装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、物品提供装置5は、コントローラ10と、搬送部21と、センサ22と、表示装置30とを備える。コントローラ10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。コントローラ10は、搬送部21、センサ22、および表示装置30に接続される。
【0016】
なお、物品提供装置5は、図2に示さない構成、例えばタグリーダを備えていてもよい。タグリーダは、典型的にはRFID(Radio Frequency Identification)リーダである。ただし、タグリーダは、RFIDリーダに加えて、またはRFIDリーダの代わりに、媒体に記録された識別情報を取得可能な任意のハードウェアを備えることができる。例えば、タグリーダは、何らかの近距離無線通信方式に従って媒体から送信される無線信号を受信可能な通信装置を備えていてもよいし、何らかのアルゴリズムによって符号化されたコード(例えばQRコード(登録商標))を読み取り(つまり復号)可能なコードリーダを備えていてもよい。
【0017】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム(例えば、物品提供装置5の制御プログラム)
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
・表示装置30に表示するための画像データ(例えば広告データ、QRコード(登録商標))
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、物品提供装置5の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0021】
入出力インタフェース13は、物品提供装置5に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示、センシング信号)を取得し、かつ、物品提供装置5に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像、制御信号)を出力するように構成される。
【0022】
入力デバイスは、例えば、センサ22、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
【0023】
出力デバイスは、例えば、搬送部21、表示装置30、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0024】
通信インタフェース14は、物品提供装置5と外部装置(例えば、サーバ50またはクライアント装置70)との間の通信を制御するように構成される。一例として、通信インタフェース14は、BluetoothもしくはNFCインタフェース、無線LAN(Local Area Network)インタフェース、または移動体通信インタフェースの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
搬送部21は、物品を収容する収容部から、ユーザが物品を取り出すための排出口まで、物品を搬送する。搬送部21は、搬送手段および駆動手段を含む。
【0026】
搬送手段は、駆動手段からの駆動力によって動作し、収容部に収容されている物品を所定個数(例えば1個)単位で、排出口へ搬送する。搬送手段は、例えば、スライダ、ローラーコンベア、またはベルトコンベアなどであってよい。
【0027】
駆動手段は、例えばモータ(一例として、ステッピングモータ)である。駆動手段は、コントローラ10(プロセッサ12)からの制御信号に応じて動作し、または動作を停止する。つまり、コントローラ10は、駆動手段を動作させることで、物品を排出口まで移送させ、ユーザに提供することができる。
【0028】
センサ22は、1以上のセンサを含む。一例として、センサ22は、排出口の扉の開閉状態をセンシングする扉センサを含むことができる。さらに、センサ22は、収容部における物品の残量を検出するための残量センサ、物品提供装置5の周囲における人の存在を検出するための人感センサ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0029】
残量センサは、少なくとも、収容部における物品の有無を検出する。残量センサは、物品の残数量を複数段階(例えば、0%、30%、および100%の3段階)で、または個数単位で検出可能に構成されてもよい。一例として、残量センサは、赤外線センサである。残量センサは、収容部に取り付けられてもよいし、収容部を着脱可能に構成する場合には、物品提供装置5の本体筐体の内部に取り付けれられてもよい。
【0030】
表示装置30は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、または電子ペーパーである。表示装置30は、物品提供装置5の本体とは独立して構成され得る。表示装置30と物品提供装置5(コントローラ10)とは、例えばHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの画像信号を伝送可能な手段により接続される。
【0031】
表示装置30は、便器を備えた個室のうち当該便器を使用する(例えば便器に腰掛ける)時のユーザから見て正面の壁に設置されてよい。他方、物品提供装置5の本体は、例えば便器を備えた個室のうち当該便器を使用する時のユーザから見て背面または側面の壁(例えば便器のタンクの上方)に設置されてよい。これにより、ユーザは、便器に腰掛けた状態で首を動かすことなく、表示装置30の表示部に表示された広告または案内を閲覧することができ、かつ肉厚になりがちな収容部を備える物品提供装置5の本体が視界に入りにくくなるので個室内に物品提供装置5が設置されていることによる圧迫感を覚えにくい。
【0032】
コントローラ10は、表示装置30の表示部に広告を表示することができる。広告は常時表示されてもよいし、人感センサにより人が検知されている間に限って表示されてもよい。物品、または物品を提供するために用いられるその他の物は、広告による収入を原資の少なくとも一部として調達(購入、または製造)され、無料でユーザに配布されてもよい。なお、残量センサによって収容部に物品が存在しないことが検知された場合に、コントローラ10は、物品の在庫切れを伝える画面を表示装置30の表示部に表示してもよい。
【0033】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、サーバ50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。
【0035】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0036】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0037】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0038】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ50の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ52は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0039】
入出力インタフェース53は、サーバ50に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ50に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0040】
通信インタフェース54は、サーバ50と外部装置(例えば、物品提供装置5、またはクライアント装置70)との間の通信を制御するように構成される。
【0041】
(1-3)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。図4は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、クライアント装置70は、記憶装置71と、プロセッサ72と、入出力インタフェース73と、通信インタフェース74とを備える。クライアント装置70は、ディスプレイ81に接続される。
【0043】
記憶装置71は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置71は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0044】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、または健康管理アプリケーション)のプログラム
【0045】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
・ディスプレイ81に表示するための画像データ(例えば広告データ)
【0046】
プロセッサ72は、記憶装置71に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置70の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ72は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0047】
入出力インタフェース73は、クライアント装置70に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置70に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、カメラ、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ81、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0048】
通信インタフェース74は、クライアント装置70と外部装置(例えば、物品提供装置5、またはサーバ50)との間の通信を制御するように構成される。一例として、通信インタフェース74は、BluetoothもしくはNFCインタフェース、無線LAN(Local Area Network)インタフェース、または移動体通信インタフェースの少なくとも1つを含むことができる。
【0049】
ディスプレイ81は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ81は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0050】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。図5は、物品の提供の流れを示す図である。図6は、クライアント装置のディスプレイに表示されるUI画面の一例を示す図である。図7は、クライアント装置のディスプレイに表示されるUI画面の別の例を示す図である。図8は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0051】
ユーザU10は、例えば、クライアント装置70に物品の提供を受けるためのアプリケーションを実行させ、またはクライアント装置70に物品の提供を受けるためのSaaSのWebページへアクセスさせる。クライアント装置70は、ユーザU10に対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザU10に対する物品の提供が制限されているか否かを判定する。
【0052】
図5に示すように、ユーザU10に対する物品の提供が制限されていないと判定した場合に、クライアント装置70は、UI(User Interface)画面をディスプレイ81に表示する。例えば、クライアント装置70は、図6のUI画面をディスプレイ81に表示してもよい。
【0053】
図6のUI画面の詳細は後述するが、物品の提供を受けようとするユーザU10は、クライアント装置70に対して物品の提供を受けるための操作を行う。例えば、ユーザU10は、オブジェクトJ24を選択(例えばタップ)する。クライアント装置70は、オブジェクトJ24が選択されたことに応じて、例えば図示しないカメラを起動し、図7のUI画面をディスプレイ81に表示する。図7のUI画面の詳細は後述するが、カメラによる撮影画像から物品提供装置5を識別するQRコードが読み取られたことに応じて、クライアント装置70は物品の提供要求をサーバ50へ送信する。
【0054】
提供要求は、例えば、ユーザU10を特定可能な情報(例えば、アカウント情報、またはログイン情報)と、物品の提供が要求されている物品提供装置5を特定可能な情報とを含む。物品提供装置5を特定可能な情報は、例えば、当該物品提供装置5に付随するコードを読み取ることで取得され得る。かかるコードは、表示装置30に表示されてもよいし、物品提供装置5の筐体に形成(例えば印刷)されてもよいし、物品提供装置5の筐体に貼付されたラベル等に形成されてもよい。
【0055】
サーバ50は、クライアント装置70から提供要求を受信すると、コントローラ10へ提供命令を送信する。コントローラ10は、サーバ50から提供命令を受信すると、搬送部21に排出命令(一例としてモータの制御信号)を送信する。搬送部21は、コントローラ10から排出命令を受信すると、物品G11を排出する。これにより、ユーザU10は、物品G11の提供を受けることができる。また、クライアント装置70は、物品G11の提供に関する履歴情報を追加することで、物品の提供履歴を更新する。
【0056】
他方、図8に示すように、ユーザU10に対する物品の提供が制限されていると判定した場合に、クライアント装置70は、物品の提供を受けるために操作する必要があるオブジェクト(例えば、図6のオブジェクトJ24であり、以下、「特定オブジェクト」という)の一部または全部を無効化する。無効化の詳細は後述する。そして、クライアント装置70は、例えば図6のUI画面をディスプレイ81に表示する。しかしながら、本例では、オブジェクトJ24が無効化されているため、ユーザU10が当該オブジェクトJ24を選択したとしても、クライアント装置70は上記例とは異なりカメラを起動せず、図7のUI画面への遷移を行わない。この結果、クライアント装置70は、サーバ50へ提供要求を送信しない。
【0057】
このように、本実施形態の物品提供システム1では、ユーザU10に対する物品の提供が制限されているか否かの判定結果に応じて、特定オブジェクトに関するクライアント装置70の挙動が異なる。故に、物品の提供が制限されているユーザU10は、例えば物品提供装置5が設置されたトイレの個室内に入る前であっても、物品の提供を受けられないことを認識することができる。
【0058】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。
【0059】
(3-1)提供履歴データベース
本実施形態の提供履歴データベースについて説明する。図9は、本実施形態の提供履歴データベースのデータ構造を示す図である。
【0060】
提供履歴データベースは、記憶装置71に記憶される。提供履歴データベースには、提供履歴情報を表すレコードが格納される。提供履歴情報は、クライアント装置70を使用するユーザ(アカウント)が、物品提供システム1から物品の提供を受けた事象(以下、「提供イベント」という)に関する情報である。
【0061】
図9に示すように、提供履歴データベースは、「日時」フィールドと、「ディスペンサID」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0062】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、対応する提供イベントが発生した日時、つまり、ユーザアカウントが、物品提供システム1から物品の提供を受けた日時に関する情報である。
【0063】
「ディスペンサID」フィールドには、ディスペンサIDが格納される。ディスペンサIDは、対応する提供イベントにおいて物品を提供した物品提供装置5を識別する情報である。なお、ディスペンサIDの代わりに、対応する提供イベントにおいて物品を提供した物品提供装置5が設置された場所を特定可能な情報(例えば、地理的位置情報、施設名、など)が格納されてもよい。
【0064】
クライアント装置70は、ユーザからの要求に応じて、提供履歴データベースの内容に基づく画面をディスプレイ81に表示してもよい。また、クライアント装置70は、物品が生理用品である場合に、提供履歴データベースの内容(例えば日時情報)に基づいてユーザの生理日を特定し、特定結果に基づいて対象アカウントに対応するユーザの健康状態に関する情報を更新してもよい。
【0065】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。図10は、本実施形態の情報処理のフローチャートである。
【0066】
図10の処理は、クライアント装置70が物品の提供を受けるためのアプリケーションを実行したこと、またはクライアント装置70が物品の提供を受けるためのSaaSのWebページへアクセスしたことに応じて開始し得る。また、図10の処理は、このアプリケーションの実行中、またはこのWebページの閲覧中に繰り返し実行されてもよい。
【0067】
図10に示すように、クライアント装置70は、ステータスの判定(S170)を実行する。
具体的には、クライアント装置70は、提供履歴データベース(図9)を参照し、ユーザアカウントに対する物品の提供の可否ステータスを判定する。
【0068】
ステータスの判定(S170)の第1例として、クライアント装置70は、最新の物品提供が実施されてからの経過時間(つまり最新の提供イベントの発生からの経過時間)が第1閾値を超える場合に、ユーザアカウントに対する物品の提供を許可する。第1閾値は、例えば2時間であるがこれに限られない。
【0069】
ステータスの判定(S170)の第2例として、クライアント装置70は、ユーザアカウントに対する物品の提供可能残数が、第2閾値(一例として、物品の提供単位数(例えば1個))以上である場合に、ユーザアカウントに対する物品の提供を許可する。物品の提供可能残数は、所定タイミングで所定数にリセットされ、または増加するように調整されてよい。所定タイミングは、例えば月初日の所定時刻、またはユーザアカウント毎に設定される所定の周期の初日の所定時刻、であるがこれに限られない。
【0070】
ステータスの判定(S170)の第3例として、クライアント装置70は、最新の物品提供が実施されてからの経過時間が第1閾値を超え、かつ物品の提供可能残数が第2閾値以上である場合に、ユーザアカウントに対する物品の提供を許可する。
【0071】
ステータスの判定(S170)の第4例として、クライアント装置70は、上記第1例~第3例のいずれかによる判定処理、または他のアルゴリズムによる判定処理の結果、ユーザアカウントに対する物品の提供を許可しない場合に、ユーザに特定の行動を促す。特定の行動は、例えば広告の視聴、アンケートへの回答、ユーザ情報(任意項目)の登録、課金(ポイントの支払を含む)、所定のオブジェクト(一例として、サービス利用規約への同意ボタン)の操作、またはそれらの組み合わせ、であってよい。クライアント装置70は、ユーザが特定の行動を遂行したことを条件に、ユーザアカウントに対する物品の提供を許可する。
【0072】
なお、クライアント装置70は、ユーザアカウントを特定するために、ユーザにログインを促し、ログイン後にステータスの判定(S170)を実行してもよい。
【0073】
ステップS170において、ユーザアカウントに対する物品の提供を許可しない(つまり、ユーザに対する物品の提供が制限されている)と判定した場合に、クライアント装置70は、オブジェクトの無効化(S171)を実行する。
具体的には、クライアント装置70は、特定オブジェクト(例えば、図6のオブジェクトJ24)を無効化する。
【0074】
オブジェクトの無効化(S171)の第1例として、クライアント装置70は、特定オブジェクトが操作されたことに対するクライアント装置70の応答を無効化する。
例えば、特定オブジェクトに相当する第1オブジェクトが無効化されていない場合に、クライアント装置70は当該第1オブジェクトが選択されたことに応じて物品の提供要求をサーバ50(外部装置の一例)へ出力する。他方、第1オブジェクトが無効化されている場合に、クライアント装置70は当該第1オブジェクトが選択されたとしても物品の提供要求をサーバ50へ出力しない。
別の例として、特定オブジェクトに相当する第2オブジェクトが無効化されていない場合に、クライアント装置70は当該第2オブジェクトが選択されたことに応じて通信モジュールまたはカメラを起動する。通信モジュールまたはカメラは、例えば物品提供装置5の識別情報を例えば無線通信またはコード読み取りにより取得するために用いられる。他方、第2オブジェクトが無効化されている場合に、クライアント装置70は当該第2オブジェクトが選択されたとしても通信モジュールまたはカメラを起動しない。
さらなる別の例として、特定オブジェクトに相当する第3オブジェクトが無効化されていない場合に、クライアント装置70は当該第3オブジェクトが選択されたことに応じて、物品の提供要求をサーバ50(外部装置の一例)へ出力すること、または通信モジュールもしくはカメラを起動することについての権限の承認をユーザに求める情報をディスプレイ81に表示する。他方、第3オブジェクトが無効化されている場合に、クライアント装置70は当該第3オブジェクトが選択されたとしてもかかる情報をディスプレイ81に表示しない。
【0075】
オブジェクトの無効化(S171)の第2例として、クライアント装置70は、特定オブジェクトの表示態様を変更する。つまり、特定オブジェクトは、無効化されている場合に、当該特定オブジェクトが無効化されていない場合とは異なる表示態様に設定される。ここで、表示態様は、例えば以下の少なくとも1つの設定により定義され得る。
・大きさ、色、テクスチャ、光学的効果、または形状
・アニメーションの有無、および種類
・拡大または縮小率
例えば、クライアント装置70は、特定オブジェクトをグレーアウトしてもよい。或いは、クライアント装置70は、特定オブジェクトの透過率を増加させてもよい。
【0076】
オブジェクトの無効化(S171)の第3例は、上記第1例および第2例の組み合わせである。
【0077】
オブジェクトの無効化(S171)の第4例として、クライアント装置70は、特定オブジェクトをUI画面に配置しない。例えば、クライアント装置70は、後述するステップS172において、特定オブジェクトを取り除いたUI画面をディスプレイ81に表示し、または、特定オブジェクトが無効化されていない場合とは異なるUI画面(特定オブジェクトを含まない)をディスプレイ81に表示する(つまり、UI画面の差し替え)。
【0078】
ステップS170においてユーザアカウントに対する物品の提供を許可する(つまり、ユーザに対する物品の提供が制限されていない)と判定した場合、またはステップS171の後に、クライアント装置70は、UI画面の表示(S172)を実行する。
具体的には、クライアント装置70は、UI画面をディスプレイ81に表示する。UI画面を表示するために必要な情報は、アプリケーションのインストール時、または更新時に記憶装置71に保存されてもよいし、サーバ50から都度取得されてもよい。一例として、クライアント装置70は、図6のUI画面をディスプレイ81に表示する。
【0079】
図6のUI画面は、オブジェクトJ20~J26を含む。
オブジェクトJ20は、ユーザに対する物品の提供可能残数を表示する。クライアント装置70は、提供履歴データベース(図9)と、物品の提供可能残数の調整ルールと、現在時刻情報とに基づいて物品の提供可能残数を算出可能である。また、クライアント装置70は、ユーザが、物品の提供可能残数を増加させるための特定の行動(例えば、広告の視聴、アンケートへの回答、ユーザ情報(任意項目)の登録、課金(ポイントの支払を含む)、所定のオブジェクト(一例として、サービス利用規約への同意ボタン)の操作、またはそれらの組み合わせ)を行った履歴にさらに基づいて物品の提供可能残数を算出してもよい。特定の行動の履歴情報は、例えば記憶装置71にデータベースとして保存されてよい。
【0080】
特定オブジェクトが無効化されている場合に、オブジェクトJ20は、ユーザに対する物品の提供が制限されていることを示す情報を表示するオブジェクト(通知オブジェクト)としても機能する。すなわち、オブジェクトJ20に表示される物品の提供可能残数が物品の提供単位数を下回っている場合に、ユーザは、自らに対する物品の提供が制限されていることを認識できる。ここで、特定オブジェクトが無効化されている場合に、オブジェクトJ20の表示態様が変更され、またはユーザに対する物品の提供が制限されていることを明示的に示す追加情報(例えば、テキスト、画像(動画を含み得る)、またはこれらの組み合わせ)が表示されてもよい。
【0081】
オブジェクトJ21は、ユーザに対する物品の提供可能残数に関わらず当該ユーザに対する物品の提供が強制的に制限されている状態がいつ終了するかを示す情報を表示する。すなわち、物品の連続提供を制限するためのインターバルが設定される場合に、当該インターバルが終わるまでの残り時間がオブジェクトJ21に表示される。インターバルの始点は、例えば、最新の物品提供が実施された(つまり最新の提供イベントの発生)時であるが、これに限られない。なお、ユーザに対する物品の提供可能残数が物品の提供単位数を下回っており、かつインターバル内に物品の提供可能残数がリセットまたは増加するように調整される所定タイミングが到来しない場合に、クライアント装置70はインターバルの終点を当該所定タイミングに変更してもよい。
【0082】
特定オブジェクトが無効化されている場合に、オブジェクトJ21は、オブジェクトJ20と同様に通知オブジェクトとしても機能する。すなわち、オブジェクトJ21に表示される残り時間がある(0に達していない)場合に、ユーザは、自らに対する物品の提供が制限されていることを認識できる。ここで、特定オブジェクトが無効化されている場合に、オブジェクトJ21の表示態様が変更され、またはユーザに対する物品の提供が制限されていることを明示的に示す追加情報(例えば、テキスト、画像(動画を含み得る)、またはこれらの組み合わせ)が表示されてもよい。
【0083】
オブジェクトJ22は、物品の提供を受ける方法のヘルプを表示するためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ22が選択されると、クライアント装置70は、該当するヘルプ情報をディスプレイ81に表示する。
【0084】
オブジェクトJ23は、ユーザに対する物品の提供可能残数を増やす方法のヘルプを表示するためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ23が選択されると、クライアント装置70は、該当するヘルプ情報をディスプレイ81に表示する。
【0085】
オブジェクトJ24は、物品の提供を受けるためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ24は、特定オブジェクトの一例である。オブジェクトJ24が無効化されていない場合に、当該オブジェクトJ24が選択されると、クライアント装置70は、カメラを起動し、図7の画面をディスプレイ81に表示する。
なお、オブジェクトJ24への操作に対するクライアント装置70の応答はこの例に限られない。
例えば、クライアント装置70は、通信モジュールを起動し、物品提供装置5から当該物品提供装置5の識別情報を取得してもよい。或いは、クライアント装置70は、何らかの手段で既に取得済みである物品提供装置5の識別情報を含む、物品の提供要求をサーバ50へ送信してもよいし、物品の提供要求をサーバ50ではなく物品提供装置5へ送信してもよい。さらなる別の例として、クライアント装置70は、所定のコード(例えばQRコード)をディスプレイ81に表示することで、物品の提供要求を物品提供装置5に読み取らせてもよい。
【0086】
オブジェクトJ25は、周辺の物品提供装置5を探索するためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ25が選択されると、クライアント装置70は、例えば当該クライアント装置70の位置情報を取得し、当該位置情報を含む探索要求をサーバ50へ送信する。位置情報の取得は、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールを用いて行われる。サーバ50は、取得した位置情報に基づいて探索を行い、探索結果をクライアント装置70へ送信する。クライアント装置70は、探索結果をリスト形式または地図形式でディスプレイ81に表示する。
【0087】
オブジェクトJ26は、ユーザに対する物品の提供可能残数を増やすためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ26が選択されると、クライアント装置70は、例えば、物品の提供可能残数を増加させるための特定の行動を案内、選択または実施するためのUI画面をディスプレイ81に表示する。
【0088】
ステップS172の後、特定オブジェクト(例えば図6のオブジェクトJ24)が選択され、かつ当該特定オブジェクトが無効化されていなければ、クライアント装置70は、提供要求(S173)を実行する。
具体的には、クライアント装置70は、提供要求を生成し、サーバ50へ送信する。提供要求は、ユーザアカウントを特定可能な情報(例えばアカウントID)と、物品の提供が要求されている物品提供装置5(以下、「対象提供装置」という)を特定可能な情報(例えばディスペンサIDなどの識別情報)とを含むことができる。ディスペンサIDは、コード(例えばディスペンサIDの符号化結果)を撮影し、読み取る(復号)ことで取得されてもよいし、ユーザによって指定されたシンボル列がディスペンサIDとして取得されてもよい。コード、またはディスペンサIDに相当するシンボル列は、対象提供装置の筐体、または当該筐体に貼付されるラベルに形成され得る。
【0089】
ここで、クライアント装置70は、コードまたはシンボル列の撮影のために図7のUI画面をディスプレイ81に表示してもよい。図7のUI画面は、オブジェクトJ30を含む。さらに、図7のUI画面は、図6のUI画面と同じオブジェクト(オブジェクトJ24~J26)も含んでいるが、これらは省略可能である。
【0090】
オブジェクトJ30は、カメラの撮影画面を表示する。ユーザは、コードまたはシンボル列の全体が収まり、かつピントが合うようにクライアント装置70の位置または姿勢を調整する。コードまたはシンボル列の読み取りに成功すると、クライアント装置70は提供要求を生成し得る。
【0091】
さらに、提供要求には、クライアント装置70の位置情報が含められてもよい。この位置情報の示す位置と、対象提供装置の設置場所とを比較することで、提供要求の妥当性を判定することができる。サーバ50は、提供要求が妥当でない(例えば、クライアント装置70と対象提供装置との間の距離が閾値を超える)場合に、当該要求を拒否してもよい。
【0092】
サーバ50は、クライアント装置70からの提供要求に応じて、対象提供装置へ提供命令を送信する。対象提供装置は、サーバ50からの排出命令に応じて、物品を排出口から排出することで、ユーザに当該物品を提供する。その後、サーバ50は、送信した提供命令に対応する提供結果を含む提供報告を対象提供装置から受信してもよい。そして、物品が正常に提供された場合に、サーバ50は物品が正常に提供された旨の提供応答をクライアント装置70へ送信してもよい。他方、何らかの理由(例えば、物品の在庫切れ、または対象提供装置の故障)により物品が正常に提供されなかった場合に、サーバ50は物品が正常に提供されなかった旨の提供応答をクライアント装置70へ送信してもよい。物品が正常に提供されなかった旨の提供応答には、物品が提供されなかった理由に関する情報、付近に設置されている別の物品提供装置5に関する情報、またはそれらの組み合わせが含まれていてもよく、クライアント装置70がかかる情報をユーザに提示してもよい。
【0093】
ステップS173の後、クライアント装置70は、提供履歴の更新(S174)を実行する。
具体的には、クライアント装置70は、例えば以下のトリガに応じて提供履歴データベースに新規の提供履歴情報を格納する。
・ユーザから物品の取り出しが成功した旨の入力(例えば、Goodボタンの押下)がなされた
・外部装置(例えばサーバ50)から物品が正常に提供された旨の提供応答を受信した
【0094】
提供履歴の更新(S174)が実行されたことを条件に、ユーザアカウントに対して特典が付与されてもよい。これにより、ユーザに物品提供システム1の利用を動機付けることができる。特典は、例えば、何らかのサービスの提供を受けるために、または何らかの他の財との交換に利用可能なポイントであってもよい。
【0095】
他方、ステップS172の後、特定オブジェクトが選択されたものの、当該特定オブジェクトがステップS171において無効化されていた場合に、クライアント装置70の挙動は以下のいずれかであってよい。
・無反応
・ユーザに対する物品の提供が制限されていることを伝える情報(例えば、テキスト、画像(動画を含み得る)、音声、またはそれらの組み合わせ)の出力
【0096】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態のクライアント装置70は、UI画面を表示部に表示する。クライアント装置70は、ユーザに対する物品の提供履歴に基づいて、当該ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定し、ユーザに対する物品の提供が制限されていると判定された場合に、UI画面に表示可能な特定オブジェクトを無効化する。このように、ユーザに対する物品の提供が制限されているか否かの判定結果に応じて、特定オブジェクトに関するクライアント装置70の挙動が異なる。故に、物品の提供が制限されているユーザは、例えば物品提供装置5が設置されたトイレの個室内に入る前であっても、物品の提供を受けられないことを認識することができる。
【0097】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されていない場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて物品の提供要求を外部装置へ出力してもよい。他方、クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されている場合に、当該特定オブジェクトが選択されたとしても提供要求を外部装置へ出力しなくてもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトを選択しても提供要求が外部装置へ出力されなかった場合に、特定オブジェクトが機能していないことに気づき、自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0098】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されていない場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて所定の情報を表示部に表示してもよく、特定オブジェクトが無効化されている場合に、特定オブジェクトが選択されたとしても所定の情報を表示しなくてもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトを選択しても所定の情報が表示されなかった場合に、特定オブジェクトが機能していないことに気づき、自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0099】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されていない場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて通信モジュールまたはカメラを起動するしてもよい。他方、クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されている場合に、特定オブジェクトが選択されたとしても通信モジュールまたはカメラを起動しなくてもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトを選択しても通信モジュールまたはカメラが起動しなかった場合に、特定オブジェクトが機能していないことに気づき、自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0100】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されている場合に、当該特定オブジェクトが選択されたことに応じて、ユーザに対する物品の提供が制限されていることを伝える情報を表示部に表示してもよい。これにより、ユーザは、かかる情報を知覚することで、自らが物品の提供を受けられない状態にあることをより確実に認識することができる。
【0101】
クライアント装置70は、少なくとも特定オブジェクトが無効化されている場合に、(特定オブジェクトを表示可能な)UI画面に、ユーザに対する物品の提供が制限されていることを示す情報を表示する通知オブジェクトを配置してもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトが無効化されていることに気づかなくても、通知オブジェクトの表示から自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0102】
通知オブジェクトは、ユーザへの提供が認められている物品の残数を表示してもよい。これにより、ユーザは、残数が足りるかどうかにより自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0103】
通知オブジェクトは、特定オブジェクトが無効化されている場合に、さらに、ユーザへの提供が認められている物品の残数に関わらずユーザに対する物品の提供が強制的に制限されている状態がいつ終了するかを示す情報を表示してもよい。これにより、ユーザは、残り時間の有無により自らが物品の提供を受けられないことを認識することができる。
【0104】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されている場合に、特定オブジェクトを特定オブジェクトが無効化されていない場合とは異なる表示態様に設定してもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトの外観が普段と異なることに気づき、自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0105】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されている場合には特定オブジェクトをグレーアウトしてもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトがグレーアウトされていることに気づき、自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0106】
クライアント装置70は、特定オブジェクトが無効化されている場合に、特定オブジェクトをUI画面に配置しなくてもよい。これにより、ユーザは、特定オブジェクトがUI画面に表示されないことに気づき、自らが物品の提供を受けられない状態にあることを認識することができる。
【0107】
クライアント装置70は、記憶装置71に保存されたユーザに対する物品の提供履歴を参照することで、外部装置にアクセスすることなくユーザに対する物品の提供が制限されているか否かを判定してもよい。これにより、ユーザの生活範囲や健康状態を示唆する提供履歴情報をクライアント装置70に保持したまま、ユーザは物品の提供を受けることができる。
【0108】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、コントローラ10と接続されてもよい。表示装置30は、コントローラ10または物品提供装置5の本体と一体化されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、サーバ50と接続されてもよい。記憶装置71は、ネットワークNWを介して、クライアント装置70と接続されてもよい。ディスプレイ81は、クライアント装置70と一体化されてもよい。
【0109】
上記説明では、各処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。また、上記の情報処理の各ステップは、物品提供装置5、サーバ50、およびクライアント装置70の何れでも実行可能である。例えば、いずれかの装置によって行われるとして説明された処理が別の装置によって行われたり、複数の装置のやり取りによって行われるとして説明された処理が単一の装置によって行われたりしてもよい。
【0110】
上記説明では、UI画面において特定オブジェクトが有効であることを前提(デフォルト設定)とし、オブジェクトの無効化(S171)が実行された場合に当該特定オブジェクトを無効化する例を示した。しかしながら、UI画面において特定オブジェクトが有効であることを前提とせず(例えば、無効であることを前提とし)、ステップS170においてユーザアカウントに対する物品の提供を許可する(つまり、ユーザに対する物品の提供が制限されていない)と判定した場合、クライアント装置70は、特定オブジェクトの有効化を実行し、それからUI画面の表示(S170)を実行してもよい。
第1例として、クライアント装置70は、特定オブジェクトが操作されたことに対するクライアント装置70の応答(例えば、物品の提供要求のサーバ50への出力、通信モジュールもしくはカメラの起動、またはこれらの動作についての権限の承認をユーザに求める情報の提示)を有効化する。第2例として、クライアント装置70は、特定オブジェクトの表示態様を無効化時とは異なる表示態様に変更する。第3例として、クライアント装置70は、特定オブジェクトをUI画面に配置する。第4例は、上記第1例~第3例のうち複数の組み合わせである。
【0111】
上記説明では、表示装置30に広告を表示する例を述べた。表示装置30に表示される広告は、ユーザアカウントに応じて選択されてもよい。例えば、サーバ50から物品提供装置5へ送信される提供命令に、広告を選択するために用いる情報(例えば、物品の提供を要求しているユーザアカウントの式bテウ情報)、または表示装置30に表示すべき広告を特定可能な情報が含められてよい。これにより、ユーザ毎に適した(例えば広告効果の高い)広告を表示することができる。
【0112】
表示装置30に広告を表示することは必須ではない。例えば、企業の構成員向けの福利厚生として、または施設利用者向けのサービスとして、ユーザに対する物品の提供が行われてよい。この場合に、企業または施設(例えば商業施設)の運営者からの収入により、物品の調達費用の少なくとも一部が賄われてよい。また、広告を表示する必要がない場合に、表示装置30を備えないように物品提供装置5を構成することも可能である。
【0113】
物品提供装置5がネットワーク接続することは必須ではない。例えば、クライアント装置70が、物品提供装置5とサーバ50との間の種々のデータ(例えば、広告データ、残量センサの検知結果、物品の提供報告、など)のやり取りを媒介してもよい。この場合に、クライアント装置70が媒介したデータの種別、サイズ、またはそれらの組み合わせに応じて、ユーザアカウントに対して報酬を与えてもよい。
【0114】
上記説明では、物品提供装置5が提供する物品が一種類である例を示した。しかしながら、物品提供装置5は複数種類の物品を提供可能に構成されてもよい。この場合に、提供履歴情報は、物品の種類毎に管理されてよい。
【0115】
実施形態の物品提供システムを、クライアント/サーバ型のシステムによって実装する例を示した。しかしながら、実施形態の物品提供システムは、スタンドアロン型のコンピュータ、またはピア・ツー・ピア型のシステムによって実装することもできる。
【0116】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 :物品提供システム
5 :物品提供装置
10 :コントローラ
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :搬送部
22 :センサ
30 :表示装置
50 :サーバ
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
70 :クライアント装置
71 :記憶装置
72 :プロセッサ
73 :入出力インタフェース
74 :通信インタフェース
81 :ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10