(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155723
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】半導体構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20241024BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20241024BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20241024BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241024BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241024BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20241024BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L29/78 657G
H01L29/78 655A
H01L29/78 652K
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 652M
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/78 652D
H01L29/78 658F
H01L29/78 658G
H01L27/06 102A
H01L29/78 301D
H01L29/78 301V
H01L29/78 301G
H01L29/78 301P
H01L27/04 C
H01L29/78 655G
H01L29/78 652S
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024012071
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】202310440130.6
(32)【優先日】2023-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】318000156
【氏名又は名称】ダイオーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】チュアン,シャオ-シュン
(72)【発明者】
【氏名】クオ,タ-チュアン
【テーマコード(参考)】
5F038
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC10
5F038AC15
5F038AV06
5F038CA02
5F048AA01
5F048AB10
5F048AC06
5F048AC10
5F048BB05
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5F048BC03
5F048BC07
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5F048BD07
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5F048BF06
5F048BF07
5F048CB07
5F140AB09
5F140AB10
5F140AC23
5F140BA01
5F140BA02
5F140BA03
5F140BA05
5F140BA06
5F140BA07
5F140BA09
5F140BB04
5F140BC15
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5F140BE09
5F140BF04
5F140BF05
5F140BF43
5F140BF47
5F140BF53
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5F140BG28
5F140BG30
5F140BH03
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5F140BH30
5F140BH47
5F140BJ05
5F140BJ06
5F140BJ07
5F140BJ10
5F140BK13
5F140BK30
5F140CA03
5F140CC02
5F140CE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スナバ回路をオンチップ化し、デバイスを小型化する半導体構造を提供する。
【解決手段】縦型パワー半導体デバイス1において、半導体構造は、互いに対向する第1の表面12Aおよび第2の表面12Bを有する基板と、互いに隣接する単位領域R1および端子領域R2と、を含む。基板内の電極構造50は、単位領域内の第1の表面から第2の表面に向かって延在する。基板内のトレンチ構造60は、単位領域内の第1の表面から第2の表面に向かって延在し、端子領域に隣接する。トレンチ構造は、第1の表面まで延在するN型半導体材料層12を含む。端子領域内の基板の第1の表面の容量性構造は、トレンチ構造に隣接する。容量性構造は、半導体材料層と同じ材料を有し、半導体材料層に接続された容量性電極163、164を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
互いに対向する第1の表面および第2の表面を含む基板であって、前記基板を上面視したときに互いに隣接する単位領域および端子領域を含む基板と、
前記基板内にあり、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって延在し、前記単位領域内に配置された第1の電極構造と、
前記基板内にあり、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって延在し、前記単位領域内に配置され、前記端子領域に隣接する第1のトレンチ構造であって、前記第1の表面に延在する第1の半導体材料層を含む、第1のトレンチ構造と、
前記基板の前記第1の表面上にあり、前記端子領域に配置され、前記第1のトレンチ構造に隣接する容量性構造であって、前記第1の半導体材料層と同じ材料を有し、第1の容量性電極および第2の容量性電極を含み、前記第1の容量性電極が前記第1の半導体材料層に接続される、容量性構造と、を含む、半導体構造。
【請求項2】
前記基板内にあり、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって延在し、前記端子領域内に配置された第2のトレンチ構造であって、前記第1の表面へ延在する第2の半導体材料層を含み、前記第2の容量性電極が前記第2の半導体材料層に接続される、第2のトレンチ構造をさらに含む、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記第1の電極構造の底部および前記第1のトレンチ構造の底部が、ほぼ同じ水平レベルにある、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記第1の電極構造が、第1のゲート電極層と、前記第1のゲート電極層の下の第1のシールド電極層と、を含み、
前記第1のトレンチ構造が、前記第1の半導体材料層に隣接する第2のゲート電極層を含み、前記第1のゲート電極層の幅が前記第2のゲート電極層の幅よりも大きい、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記第1のゲート電極層の底部および前記第2のゲート電極層の底部が、ほぼ同じ水平レベルにあり、
前記第1の半導体材料層の第1の部分が、前記第2のゲート電極層の下にあり、前記第1の半導体材料層の第2の部分が、前記第1の部分に接続され、前記第2のゲート電極層の側面に配置される、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記第1の部分が、互いに対向する第1の側壁および第2の側壁を含み、
前記第2の部分が、互いに対向する第3の側壁および第4の側壁を含み、
前記第1の側壁および前記第3の側壁が連続した側壁であり、前記第4の側壁が前記第1の部分の上側表面上で終了し、前記第4の側壁および前記第2の側壁が不連続な側壁である、
請求項5に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記第1の半導体材料層の前記第1の部分の幅および前記第1のシールド電極層の幅が、ほぼ同じであり、
前記第1の半導体材料層の前記第1の部分の前記幅が、前記第1の半導体材料層の前記第2の部分の幅よりも大きい、
請求項5に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記第1の半導体材料層の前記第1の部分が、前記第1の半導体材料層の前記第2の部分に接続された上側表面を含み、
前記第1の半導体材料層の前記第1の部分の前記上側表面および前記第1のシールド電極層の上側表面が、ほぼ同じ水平レベルにある、
請求項5に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記第1の電極構造が、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって延在する第1の電極材料層を含み、
前記第1の表面における前記第1の半導体材料層の幅が、前記第1の表面における前記第1の電極材料層の幅とほぼ同じである、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記第1の電極材料層の底部および前記第1の半導体材料層の底部が、ほぼ同じ水平レベルにある、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記第1の容量性電極の最上表面が、前記第2の容量性電極の最上表面と同一平面上にあり、
前記第1の表面上の前記第1の容量性電極の底表面が、前記第1の表面上の前記第2の容量性電極の底表面と同一平面上にある、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項12】
前記第1の表面上の前記第1の容量性電極の厚さが、前記第1の表面上の前記第2の容量性電極の厚さとほぼ同じである、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記容量性構造の上方に位置し、前記第1の容量性電極および前記第2の容量性電極の少なくとも一方と重なり合う導電性材料層をさらに含む、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項14】
前記第1の容量性電極および前記第2の容量性電極は、金属を含む半導体材料を含む、請求項13に記載の半導体構造。
【請求項15】
前記第1の容量性電極上の第1の導電性プラグであって、前記第1の容量性電極に電気的に接続された第1の導電性プラグと、
前記第2の容量性電極上の第2の導電性プラグであって、前記第2の容量性電極に電気的に接続された第2の導電性プラグと、
をさらに含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項16】
前記第1の表面の上方から前記第2の表面に向かって延在する第3の導電性プラグであって、前記単位領域に配置され、前記第1の電極構造に隣接し、前記第3の導電性プラグの最上表面と、前記第1の導電性プラグまたは前記第2の導電性プラグの最上表面とが、ほぼ同じ水平レベルである、第3の導電性プラグをさらに含む、
請求項15に記載の半導体構造。
【請求項17】
前記第1の表面の上方から前記第2の表面に向かって延在する第4の導電性プラグであって、前記端子領域に配置され、前記第2の容量性電極に隣接し、前記第2の容量性電極が、前記第2の導電性プラグおよび前記第4の導電性プラグの上方に設けられた金属配線層を介して前記第4の導電性プラグと電気的に接続される、第4の導電性プラグをさらに含む、
請求項15に記載の半導体構造。
【請求項18】
半導体構造を製造するための方法であって、
基板内に第1のトレンチおよび第2のトレンチを形成するステップであって、前記基板が、前記基板の上面視において互いに隣接する単位領域および端子領域を含む、ステップと、
前記基板上に、前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの下にある第1の誘電体層を形成するステップと、
前記第1の誘電体層上に第1の電極材料層を形成するステップであって、前記第1の電極材料層が、前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチ内に配置され、前記基板の最上表面を覆う、ステップと、
前記単位領域内にある前記基板の前記最上表面上の前記第1の電極材料層の少なくとも一部を除去するために、前記第1の電極材料層に対して第1のエッチングを行うステップであって、前記第1のエッチングが行われた後の前記第1の電極材料層が、前記第1のトレンチ内の第1の部分と、前記第2のトレンチ内の第2の部分と、前記基板の前記最上表面上にあり、前記第2の部分に接続された第3の部分と、を含み、前記第3の部分が、容量性構造のキャパシタンスを画定する第1の容量性電極および第2の容量性電極を含む、ステップと、
前記単位領域内の前記基板内にボディドープ領域を形成し、前記ボディドープ領域上にソースドープ領域を形成するステップと、を含む方法。
【請求項19】
前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチが前記単位領域内に配置され、前記第2のトレンチが前記端子領域に隣接し、前記第1のトレンチが前記第2のトレンチよりも前記端子領域から離れている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の部分および前記第2の部分が前記単位領域内に配置され、前記第3の部分が前記端子領域内に配置される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の部分が前記第1のトレンチの底部を覆い、前記第2の部分が前記第2のトレンチの底部を覆い、前記第2のトレンチの第1の側壁に隣接し、前記第1のエッチングが前記第2のトレンチの第2の側壁を露出させ、前記第2の側壁が前記第1の側壁の反対側にある、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチ内の前記第1の部分および前記第2の部分の上方にある前記第1の誘電体層の一部を除去するために、ならびに、前記基板の最上表面上にあって、前記第3の部分によって覆われていない前記第1の誘電体層の一部を除去するために、前記第1の誘電体層に対して第2のエッチングを行うステップと、
前記第1の容量性電極および前記第2の容量性電極を形成するために、前記第3の部分に対して第3のエッチングを行うステップと、
前記基板および前記第1の電極材料層上に第2の誘電体層をコンフォーマルに形成するステップと、
前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチ内の前記第2の誘電体層の底部の厚さを増加させるステップと、
前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチ内に第2の電極材料層を形成するステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第3の部分の上方に導電性材料層を形成するステップであって、前記導電性材料層および前記第2の電極材料層が同時に形成される、ステップをさらに含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のエッチングが行われた後に、前記基板内に前記第1のトレンチに近接する第3のトレンチを形成するステップであって、前記第3のトレンチの深さが、前記第1のトレンチまたは前記第2のトレンチの深さよりも小さい、ステップと、
前記第3のトレンチ内に第3の電極材料層を形成するステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の部分、前記第2の部分、前記第1の容量性電極および前記第2の容量性電極のパターンが、同じフォトマスクの使用によって画定される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第3の部分の上方に導電性材料層を形成するステップであって、前記導電性材料層と前記第3の電極材料層とが同時に形成される、ステップをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記ボディドープ領域および前記ソースドープ領域を形成した後に、前記基板の一部、前記第1の容量性電極の一部、および前記第2の容量性電極の一部を除去するために、第4のエッチングを行うステップと、
前記第4のエッチングが行われた後に、前記基板、前記第1の容量性電極および前記第2の容量性電極にそれぞれ接触する導電性プラグを形成するステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本特許出願は、2023年4月21日に出願された「半導体構造およびその製造方法」という名称の中国出願第202310440130.6号の優先権を主張し、その全体が複写されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、半導体の分野に関し、より詳細には、半導体構造およびその製造方法に関する。特定の実施形態は、RC(抵抗-キャパシタ)スナバを有する縦型パワー半導体構造に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]スナバ回路(または単にスナバ)は、誘導性負荷を有する電気システムで頻繁に使用される。電気システムでは、負荷を流れる電流の突然の遮断は、電流スイッチングデバイス(またはスイッチングデバイス)の両端の電圧の急激な増加を引き起こす。結果として生じる電流過渡は、他の回路における電磁干渉(EMI)の原因となり得る。さらに、スイッチングデバイスの両端に発生する電圧が、スイッチングデバイスが許容できる電圧を超える場合、スイッチングデバイスが損傷または破壊される可能性がある。スナバは、短時間の間、スイッチングデバイスの周りに代替的な電流経路を提供し、誘導性構成要素が安全に放電することを可能にする。
【0004】
[0004]RC(抵抗-キャパシタ)スナバは、スイッチング回路の基本的な構成要素である。これらは一般に、EMI(電磁干渉)およびスイッチング中に発生する過剰なピーク電圧のストレスを制御するために使用される。例えば、RCスナバは、様々な同期電圧変換器およびレギュレータにおける標準的な設計要素である。単純なRCスナバは、キャパシタ(C)と直列に接続された抵抗器(R)を使用する。直流(DC)または交流(AC)を使用して誘導性負荷をオンおよびオフに切り替えるとき、適切に設計されたRCスナバを使用してスイッチングデバイスの両端のピーク電圧を制限することができる。キャパシタの両端の電圧はすぐには変化せず、したがって、低減された過渡電流が短期間キャパシタを通って流れ、したがって、スイッチングデバイスがオンになったときにスイッチングデバイスの両端の電圧をよりゆっくりと増加させることができる。
【0005】
[0005]RCスナバは外部部品であり、同じPCB(プリント回路基板)の隣接領域にスイッチングデバイスと共に配置される。したがって、追加のチップ表面積を占有する必要があり、デバイスの総表面積の増加および総プロセスコストの増加をもたらし、デバイスの小型化における技術的なボトルネックとなる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]技術的利点は、一般に、半導体構造およびその製造方法を説明する本開示の実施形態によって達成される。
【0007】
[0007]本開示の一態様によれば、半導体構造が提供され、半導体構造は、互いに対向する第1の表面および第2の表面を含む基板であって、基板を上面視したときに互いに隣接する単位領域および端子領域を含む基板と、基板内にあり、第1の表面から第2の表面に向かって延在し、単位領域内に配置された第1の電極構造と、基板内にあり、第1の表面から第2の表面に向かって延在し、単位領域内に配置され、端子領域に隣接する第1のトレンチ構造であって、第1の表面に延在する第1の半導体材料層を含む、第1のトレンチ構造と、基板の第1の表面上にあり、端子領域に配置され、第1のトレンチ構造に隣接する容量性構造であって、第1の半導体材料層と同じ材料を有し、第1の容量性電極および第2の容量性電極を含み、第1の容量性電極が第1の半導体材料層に接続される、容量性構造と、を含む。
【0008】
[0008]本開示の別の態様によれば、半導体構造を製造するための方法が提供される。本方法は、基板内に第1のトレンチおよび第2のトレンチを形成するステップであって、基板が、基板の上面視で互いに隣接する単位領域および端子領域を含む、ステップと、基板上に、第1のトレンチおよび第2のトレンチの下にある第1の誘電体層を形成するステップと、第1の誘電体層上に第1の電極材料層を形成するステップであって、第1の電極材料層が、第1のトレンチおよび第2のトレンチ内に配置され、基板の最上表面を覆う、ステップと、単位領域内にある基板の最上表面上の第1の電極材料層の少なくとも一部を除去するために、第1の電極材料層に対して第1のエッチングを行うステップであって、第1のエッチングが行われた後の第1の電極材料層が、第1のトレンチ内の第1の部分と、第2のトレンチ内の第2の部分と、基板の最上表面上にあり、第2の部分に接続された第3の部分と、を含み、第3の部分が、容量性構造のキャパシタンスを画定する第1の容量性電極および第2の容量性電極を含む、ステップと、単位領域内の基板内にボディドープ領域と、ボディドープ領域上にソースドープ領域と、を形成するステップと、を含む。
【0009】
[0009]本開示の実施形態の態様は、添付の図面と共に読むと、以下の詳細な説明からよりよく理解され得る。様々な構造は縮尺通りに描かれていない場合があることに留意されたい。実際、様々な構造の寸法は、説明を明確にするために任意に拡大または縮小することができる。
【0010】
[0010]本開示の技術的解決策および有益な効果は、添付の図面と併せて本開示の実施形態の詳細な説明を通じて明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態による例示的な縦型パワー半導体デバイスの断面図である。
【
図2】本開示の実施形態による例示的な縦型パワー半導体デバイスの上面図である。
【
図3】本開示の実施形態による例示的な縦型パワー半導体デバイスの別の上面図である。
【
図4】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図10】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図13】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図14】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図15】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図16】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図17】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す図である。
【
図18】本開示の実施形態による製造方法における例示的な縦型パワー半導体デバイスの断面図である。
【
図19】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の別の例を示す図である。
【
図20】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の別の例を示す図である。
【
図21】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の別の例を示す図である。
【
図22】本開示の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の別の例を示す図である。
【
図23】本開示の実施形態による製造方法における例示的な縦型パワー半導体デバイスの断面図である。
【
図24】本開示の実施形態による製造方法における例示的な縦型パワー半導体デバイスの断面図である。
【
図25】本開示の実施形態による製造方法における例示的な縦型パワー半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019]同一または類似の構成要素には、図面および詳細な説明において同一の符号が付されている。本開示の実施形態は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から容易に理解されるであろう。
【0013】
[0020]本開示の実施形態の作製および使用について以下に詳細に説明する。しかしながら、本明細書に開示する概念は、多種多様な特定の状況で具現化することができ、本明細書で説明される特定の実施形態は単なる例示であり、特許請求の範囲を限定する役割を果たすものではないことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換および変更を行うことができることを理解されたい。
【0014】
[0021]以下の開示は、本開示の異なる特徴を実施するための様々な異なる実施形態または例を提供する。構成要素および構成の具体的な実施形態を以下に説明する。確かに、これらは例にすぎず、限定することを意図するものではない。本開示では、第2の特徴の上または上に第1の特徴を形成することへの言及は、第1の特徴および第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触しないように、第1の特徴と第2の特徴との間に追加の特徴が形成される実施形態も含むことができる。さらに、本開示は、様々な実施形態において参照符号および/または文字を繰り返すことができる。そのような繰り返しは、単純化および明確化のためのものであり、それ自体は、説明した様々な実施形態および/または構成の間の関係を示すものではない。
【0015】
[0022]以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本開示は、多種多様な特定の状況で具体化することができる適用可能な概念を提供することを理解されたい。本明細書で説明される特定の実施形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではない。
【0016】
[0023]本開示の実施形態は、半導体構造およびその製造方法を提供する。一般的な半導体パワーデバイスと比較して、本開示の実施形態の半導体パワーデバイスは、電極構造の同じステップで形成されたRCスナバ構造を有する。本開示の実施形態の半導体構造の製造方法は、RCスナバのプロセスを半導体製造のフロントエンドプロセスに統合する。RCスナバおよびトランジスタチップを別々に製造し、RCスナバおよびトランジスタチップを同じPCB内に互いに隣接して配置する方法と比較して、実施形態の半導体構造製造方法は、総デバイス表面積および総プロセスコストを低減することができる。
【0017】
[0024]
図1は、本開示の特定の実施形態による縦型パワー半導体構造1の断面図である。縦型パワー半導体構造1は、様々な種類の半導体パワーデバイスを含んでもよく、様々な技術によって製造されてもよい。例えば、縦型パワー半導体構造1は、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、二重拡散MOSFET(DMOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、または接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)を含んでもよい。具体的には、縦型パワー半導体構造1は、縦型の電流伝導経路を有してもよい。例えば、縦型パワー半導体構造1の電流は、縦型パワー半導体構造1の活性表面に対して垂直な方向に流れてもよい。一例では、縦型パワー半導体構造1の電流は、縦型パワー半導体構造1を通って垂直に伝導されてもよい。なお、
図1の縦型パワー半導体構造1は、単位領域R1に形成されたスプリットゲート型の縦型パワー半導体デバイスを含んでいるが、これは一例であり、本開示の適用を限定するものではない。
【0018】
[0025]いくつかの実施形態では、縦型パワー半導体構造1は、半導体材料層12、電極構造50(電極材料層161、誘電体層20および電極材料層171を含む)、トレンチ構造60(電極材料層172、誘電体層20、電極材料層162を含む)、キャパシタ構造(容量性電極163、164を含む)を含んでもよい。
【0019】
[0026]半導体材料層12は、例えば、N型またはP型の単結晶シリコン材料、エピタキシャルシリコン材料、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、窒化ガリウム(GaN)、砒化ガリウム(GaAs)、砒化ガリウムリン(GaAsP)、または他の半導体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、半導体材料層12は、第1のタイプの低濃度ドープ領域25のエピタキシャルシリコン材料を有する。説明の便宜上、以下の説明では、第1のタイプの一例としてNタイプを用いる。しかしながら、本開示はこれに限定されず、縦型パワー半導体構造1の導電型に応じて、半導体材料層12にN型(第1のタイプ)やP型(第2のタイプ)を用いてもよい。
【0020】
[0027]半導体材料層12は、表面12Aと、表面12Aの反対側の表面12Bと、を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面12Aおよび表面12Bは、ドレインコンタクト領域11の反対側に位置してもよい。いくつかの実施形態では、表面12Aおよび表面12Bは水平面であってもよい。説明の便宜上、表面12Aおよび表面12Bに垂直な方向を鉛直方向とし、鉛直方向に垂直な方向を水平方向とする。いくつかの実施形態では、表面12Aは、半導体材料層12の活性表面であってもよい。半導体材料層12は、基板とも称され得る。
【0021】
[0028]いくつかの実施形態では、互いに隣接する単位領域R1および端子領域R2は、半導体材料層12に対して画定されてもよい。単位領域R1は、上述の縦型パワー半導体デバイスなどの能動部品を収容するために使用されてもよい。端子領域R2は、受動部品および/または回路端子を収容するために使用することができる。すなわち、後のステップで単位領域R1に能動部品を形成し、後のステップで端子領域R2に受動部品および/または回路端子を形成してもよい。いくつかの実施形態では、端子領域R2は、(詳しくは後述する
図2に示すように)単位領域R1の片側に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、端子領域R2は、(詳しくは後述する
図3に示すように)単位領域R1を取り囲む。
【0022】
[0029]電極構造50は、半導体材料層12内に位置し、半導体材料層12の表面12Aから表面12Bに向かって延在する。いくつかの実施形態では、電極構造50は、スプリットゲート縦型パワー半導体デバイスの電極構造であってもよく、単位領域R1内に配置される。
図1に示す実施形態では、スプリットゲート構造としても知られる電極構造50は、表面12Aに近い電極材料層171と、電極材料層171の下に位置する電極材料層161と、電極材料層171および電極材料層161を取り囲む誘電体層20と、を含む。誘電体層20は、半導体材料層12、電極材料層161および電極材料層171を電気的に分離するために用いられる。言い換えれば、誘電体層20は、半導体材料層12と電極材料層161との間、半導体材料層12と電極材料層171との間、および、電極材料層161と電極材料層171との間に位置している。スプリットゲート縦型パワー半導体デバイスの実施形態では、電極材料層171はゲート電極として機能することができるため、ゲート電極層と呼ぶことができ、電極材料層161はシールド電極として機能することができ、シールド電極層と呼ぶことができる。縦型パワー半導体構造1は、複数の電極構造50、例えば、
図1に示すように互いに隣接する2つの電極構造50を含むことができる。
【0023】
[0030]トレンチ構造60は、半導体材料層12内に位置し、半導体材料層12の表面12Aから表面12Bまで延在している。いくつかの実施形態では、トレンチ構造60は、単位領域R1内に配置され、端子領域R2に隣接してもよい。トレンチ構造60は、電極構造50と同じステップで形成されてもよいので(関連するステップについては、関連する図面を参照して詳細に後述する)、電極構造50と同様の構成/形状を有してもよい。ただし、トレンチ構造60はゲート電極を分断する機能を有さないため、トレンチ構造60は電極構造とはみなされない。
【0024】
[0031]
図1に示す縦型パワー半導体構造1を例にとると、トレンチ構造60は、表面12Aに近い電極材料層172と、電極材料層172の下から表面12Aまで延在する電極材料層162と、電極材料層172および電極材料層162を取り囲む誘電体層20と、を含む。電極材料層162は、電極材料層172の下方に位置する第1の部分162aと、第1の部分162aに接続され、電極材料層172の辺に沿って位置する第2の部分162bと、を有する。トレンチ構造60と電極構造50とが同じ幅を有する場合、電極材料層171の幅は、電極材料層172の幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の部分162aは対向する側壁601および602を有し、第2の部分162bは対向する側壁603および604を有し、側壁601および603は連続した側壁である。いくつかの実施形態では、第1の部分162aは、第2の部分162bに接続された上側表面605を有する。いくつかの実施形態では、側壁604は、第1の部分162aの上側表面605で終端する。いくつかの実施形態では、側壁604および側壁602は不連続な側壁である。いくつかの実施形態では、第1の部分162aの上側表面605および電極材料層161の上側表面は、ほぼ同じ水平レベルにある。いくつかの実施形態では、電極材料層162の第1の部分162aの幅は電極材料層161の幅にほぼ等しく、第1の部分162aの幅は第2の部分162bの幅よりも大きい。
【0025】
[0032]このように、トレンチ構造60および電極構造50を同一ステップで形成してもよい。したがって、電極構造50の底部およびトレンチ構造60の底部は、ほぼ同じ水平レベルに位置することができる。いくつかの実施形態では、電極材料層171の底部および電極材料層172の底部は、ほぼ同じ水平レベルに位置してもよい。いくつかの実施形態では、電極材料層171は、金属材料またはゲート電極に適した他の材料など、電極材料層172の材料と同じ材料を有する。いくつかの実施形態では、電極材料層161の底部および電極材料層162の底部は、ほぼ同じ水平レベルに位置してもよい。いくつかの実施形態では、電極材料層162は、ポリシリコン材料またはシールド電極に適した他の材料など、電極材料層161と同じ材料を有する。
【0026】
[0033]容量性構造は、容量性電極163、164を含む。キャパシタ構造は、端子領域R2における半導体材料層12の表面12A上に配置され、トレンチ構造60に隣接する。
図1に示す実施形態では、容量性電極163は、電極材料層162の第2の部分162bに接続されている。容量性電極163および164は、同じステップで形成されてもよく、表面12Aにおける容量性電極163の厚さは、表面12Aにおける容量性電極164の厚さとほぼ同じである。いくつかの実施形態では、容量性電極163の最上表面は、容量性電極164の最上表面と同一平面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、表面12Aにおける容量性電極163の底表面は、表面12Aにおける容量性電極164の底表面と同一平面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、容量性電極163および164は、電極材料層161および162と同じステップで形成されてもよい。したがって、容量性電極163、164は、電極材料層161、162と同じ材料を有してもよい。
【0027】
[0034]縦型パワー半導体構造1はまた、半導体材料層12内に位置し、表面12Aから表面12Bに向かって延在するトレンチ構造70を含む。トレンチ構造70は、端子領域R2に配置され、EQR(等電位リング)として機能してもよい。いくつかの実施形態では、トレンチ構造70は、電極材料層165と、電極材料層165を取り囲む誘電体層20と、を含むことができる。トレンチ構造70は、電極構造50およびトレンチ構造60と同じステップで形成されてもよい。具体的には、電極材料層165は、電極材料層161、162および容量性電極163、164と同じステップで形成され得る。したがって、電極材料層165は、電極材料層161、162または容量性電極163、164と同じ材料を有してもよい。いくつかの実施形態では、電極材料層165は表面12Aまで延在してもよく、電極材料層165は容量性電極164に接続されてもよい。
【0028】
[0035]低濃度ドープ領域25に加えて、縦型パワー半導体構造1はまた、複数のドープ領域13、141、142、151、152、および複数の導電性プラグ(導電性プラグ311、312、313、314など、以下、まとめて導電性プラグ31と呼ぶ)を有してもよい。
【0029】
[0036]ドープ領域13は、縦型パワー半導体構造1のボディドープ領域(以下、ボディドープ領域13と総称する)として機能する。ボディドープ領域13は、電極構造50に隣接する、単位領域R1内にある半導体材料層12内に位置し、ボディドープ領域13は表面12Aに近い。いくつかの実施形態では、ボディドープ領域13は、隣接する電極構造50の間、および電極構造50とトレンチ構造60との間に位置してもよい。いくつかの実施形態では、ボディドープ領域13は、低濃度ドープ領域25の上方に位置し、低濃度ドープ領域25に隣接してもよい。ボディドープ領域13は、低濃度ドープ領域25とは異なる導電型、例えばP型を有する。ボディドープ領域13の深さは、電極構造50の深さよりも小さくてもよい。
【0030】
[0037]ドープ領域141は、スプリットゲート縦型パワー半導体デバイスのソース(以下、一般にソースドープ領域141と呼ぶ)として機能し、ボディドープ領域13内で半導体材料層12の表面12Aに近接して位置する。ソースドープ領域141の深さは、ボディドープ領域13の深さよりも小さくてもよく、ソースドープ領域141の導電型は、N型などのボディドープ領域13の導電型とは異なる。いくつかの実施形態では、ソースドープ領域141は、半導体材料層12の表面12Aに隣接することができる。いくつかの実施形態では、ソースドープ領域141のドーピング濃度は、ボディドープ領域13のドーピング濃度よりも高くてもよい。いくつかの実施形態では、電極構造50は、ソースドープ領域141を通って垂直方向に延在する。いくつかの実施形態では、ソースドープ領域141は、
図1に示すように隣接する電極構造50の間に位置することができる。
【0031】
[0038]ドープ領域142は、端子領域R2の低濃度ドープ領域25に位置し、半導体材料層12の表面12Aに近接している。ドープ領域142の深さは、ソースドープ領域141の深さとほぼ同じであってもよく、ソースドープ領域141と同じ導電型、例えばN型を有する。ドープ領域142の主な機能は、空乏領域の膨張を制限し、外部の自由電荷またはイオンがデバイスの活性領域に入るのを阻止し、通常の電気的挙動が影響を受けるのを回避することである。いくつかの実施形態では、ドープ領域142は、半導体材料層12の表面12Aに隣接することができる。いくつかの実施形態では、導電性プラグ312はドープ領域142を通過する。いくつかの実施形態では、ドープ領域142は、
図1に示すようにトレンチ構造70に隣接する。
【0032】
[0039]ドープ領域151は、ボディドープ領域13内に位置し、ボディドープ領域13内の高濃度ドープ領域(以下、高濃度ドープ領域151と総称する)として機能する。高濃度ドープ領域151は、P型など、ボディドープ領域13と同じ導電型を有する。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域151のドーピング濃度は、ソースドープ領域141のドーピング濃度よりも低く、ボディドープ領域13のドーピング濃度よりも高くてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域151は、ボディドープ領域13内に位置し、低濃度ドープ領域25から分離されてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域151は、ソースドープ領域141から分離されてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域151は、隣接する電極構造50の間、および電極構造50とトレンチ構造60との間に配置されてもよい。高濃度ドープ領域151は、ボディドープ領域13の一部を通って電極構造50およびトレンチ構造60から分離されてもよい。言い換えれば、ボディドープ領域13の一部は高濃度ドープ領域151と電極構造50との間に位置してもよく、ボディドープ領域13の別の部分は高濃度ドープ領域151とトレンチ構造60との間に位置してもよい。高濃度ドープ領域151は、オーミックコンタクト抵抗を低減するために、ボディドープ領域13内に配置された導電性プラグ311の底部を囲むことができる。
【0033】
[0040]ドープ領域152(以下、高濃度ドープ領域152と総称する)は、端子領域R2の低濃度ドープ領域25内の高濃度ドープ領域に位置する。高濃度ドープ領域152は、P型などの高濃度ドープ領域151と同じ導電型を有する。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域152のドーピング濃度は、ソースドープ領域141のドーピング濃度よりも低く、ボディドープ領域13のドーピング濃度よりも高い。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域152は、ドープ領域142の下に位置し、ドープ領域142から分離される。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域151は、ソースドープ領域141から分離される。いくつかの実施形態では、高濃度ドープ領域152はトレンチ構造70に近い。高濃度ドープ領域152は、低濃度ドープ領域25の一部を介してトレンチ構造70から分離されてもよい。高濃度ドープ領域151は、オーミックコンタクト抵抗を低減するために、低濃度ドープ領域25に配置された導電性プラグ312の底部を囲むことができる。
【0034】
[0041]導電性プラグ31は、半導体材料層12の表面12Aの上方から表面12Bに向かって垂直方向に延びており、キャパシタ構造の高濃度ドープ領域151、152および容量性電極163、164に接続されている。導電性プラグ311は、隣り合う電極構造50の間、および、電極構造50とトレンチ構造60との間の単位領域R1に設けられる。導電性プラグ311は、スプリットゲート縦型パワー半導体デバイスのソース電極に電気的に接続されてもよい。導電性プラグ312は、端子領域R2に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性プラグ312は、トレンチ構造70に隣接して配置されてもよい。導電性プラグ312は、スプリットゲート縦型パワー半導体デバイスの利得に電気的に接続されてもよい。導電性プラグ313および314は、キャパシタ構造上に位置し、それぞれ容量性電極163および164に接続される。いくつかの実施形態では、導電性プラグ313は容量性電極163に接続され、導電性プラグ314は容量性電極164に接続される。導電性プラグ31を同じステップで形成することができるので、導電性プラグ311、312、313、314の最上表面は、ほぼ同じ水平レベルに位置することができる。
【0035】
[0042]縦型パワー半導体デバイス1は、ドレインコンタクト領域11と、層間誘電体層18と、金属層32と、を含んでもよい。
【0036】
[0043]ドレインコンタクト領域11は、ドレイン金属層(図示していないが、ドレインコンタクト領域11と接触する表面11B上に、ドレイン機能の金属層として形成されてもよい)と接触する表面12B上に位置する。ドレインコンタクト領域11は、低濃度ドープ領域25と同じ導電型のドーピングを有する。ドレインコンタクト領域11は、シリコンウェハまたは他の半導体材料の基板に近い上側表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ドレインコンタクト領域11は、シリコンウェハまたは基板の一部であってもよい。ドレインコンタクト領域11の材料は、例えば、単結晶シリコン材料、エピタキシャルシリコン材料、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、窒化ガリウム(GaN)、砒化ガリウム(GaAs)、砒化ガリウムリン(GaAsP)、または、他の半導体材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ドレインコンタクト領域11のドーピング濃度は、低濃度ドープ領域25のドーピング濃度よりも高くてもよい。
【0037】
[0044]層間誘電体層18は、半導体材料層12の表面12A上に位置し、層間誘電体層18中の金属層32と半導体材料層12とを離間している。いくつかの実施形態では、導電性プラグ31は層間誘電体層18を貫通する。いくつかの実施形態では、金属層32は、実際の動作要件に従って電気経路を調整するために使用され、異なる導電性プラグ31に接続された複数の金属配線を含むパターン化金属配線層であってもよい。いくつかの実施形態では、金属層32は、相互接続構造の第1の金属層(M1)であってもよい。いくつかの実施形態では、金属層32は、電極キャパシタンス163およびスプリットゲート縦型パワー半導体デバイスのソースが等しい電位を有するように、導電性プラグ311および313を接続する金属配線321を含むことができる。いくつかの実施形態では、金属層32は、電極キャパシタンス164およびスプリットゲート縦型パワー半導体デバイスのドレインが同じ電位を有するように、導電性プラグ312および314を接続する金属配線322を含む。
【0038】
[0045]
図2および
図3は、それぞれ本開示の異なる実施形態による縦型パワー半導体構造2、3の上面図であり、キャパシタ構造が有することができる異なる構成を示す。
図2および
図3に示すキャパシタ構造の構成は、例示のみを目的としており、本開示を限定するものではないことに留意されたい。
【0039】
[0046]
図2に示すように、いくつかの実施形態では、端子領域R2は、単位領域R1の片側に隣接してもよい。このため、単位領域R1における半導体パワーデバイスの片側には、キャパシタ構造が設けられている。キャパシタ構造の構成は、異なる実施方法および異なる要件に基づいて調整することができる。例えば、容量性電極163および164は、
図2の上面図に示すように、互いに噛み合った電極であってもよい。容量性電極163は、容量性電極163の一端に位置する接点163aを有してもよい。いくつかの実施形態では、接点163aは、単位領域R1内にあり、端子領域R2に隣接するトレンチ構造60に接続される(例えば、
図1のトレンチ構造60の第1の部分162a)。容量性電極164は、接点164aを有してもよい。接点164aは、容量性電極164の一端に位置し、接点163aと対向して配置されている。いくつかの実施形態では、接点164aは、端子領域R2においてトレンチ構造70(例えば、
図1のトレンチ構造70の電極材料層165)に接続される。
【0040】
[0047]
図3に示すように、いくつかの実施形態では、端子領域R2は、単位領域R1を取り囲んでもよい。したがって、キャパシタ構造は、単位領域R1を取り囲む半導体パワーデバイスとして設計されてもよい。キャパシタ構造の構成/形状は、異なる実施方法および異なる必要性に従って調整することができる。例えば、容量性電極163は、単位領域R1から外側に向かって延在する渦巻状の電極であってもよい。容量性電極164は、
図3の上面図に示すように、容量性電極163と同様の螺旋状の構成を有していてもよく、容量性電極163と交互に設けられている。
図3に示すような容量性電極163は、容量性電極163の一端に位置するコンタクトパッド163aを有してもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトパッド163aは、端子領域R2に隣接する単位領域R1内のトレンチ構造に接続される(
図3には示していないが、
図1のトレンチ構造60の第1の部分162aを参照されたい)。容量性電極164は、コンタクトパッド164aを有してもよく、コンタクトパッド163aに対して容量性電極164の一端に位置する。いくつかの実施形態では、コンタクトパッド164aは、端子領域R2においてトレンチ構造70に接続される(
図3には示していないが、
図1のトレンチ構造70の電極材料層165を参照されたい)。
【0041】
[0048]上述の本発明の概念により、キャパシタ構造の構成/形状は、チップ面積、静電容量、抵抗などの要件に従って調整することができる。例えば、容量性電極は、魚骨状、樹枝状、櫛歯状などであってもよい。さらに、抵抗値の算出を容易にするために、容量性電極163、164の異なる部分が異なる幅を有してもよい。
図2に示すように、容量性電極163は、コンタクトパッド163aに接続された電極バスバー163bと、電極バスバー163bに接続されたコンバイナーバス163cと、コンバイナーバス163cに接続されたフィンガ形状部分163dと、を有する。電極バスバー163bの幅は、コンバイナーバス163cの幅またはフィンガ形状部分163dの幅よりも大きい。電極バスバー163bの抵抗値が容量性電極163の抵抗値に占める割合が大きくなるように電極バスバー163bの幅を調整することにより、電極バスバー163bの抵抗値を用いて容量性電極163の抵抗値を大まかに決めることができる。
【0042】
[0049]
図4~
図17は、本開示の特定の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の一例を示す。本開示の態様のより良い理解を容易にするために、図面の少なくとも一部が簡略化されている。
【0043】
[0050]
図4を参照して、当該製造方法は、ドレインコンタクト領域11の表面11Aにエピタキシャル成長を行い、半導体材料層12を形成することを含む。ドレインコンタクト領域11は、基板またはシリコンウェハに隣接する最上表面に位置してもよく、表面11Aと、表面11Aの反対側の表面11Bと、を有してもよい。いくつかの実施形態では、表面11Aは、基板またはシリコンウェハの最上表面である。いくつかの実施形態では、ドレインコンタクト領域11の表面11Bは、基板またはシリコンウェハ内に位置してもよい。いくつかの実施形態では、N型の電気的特性を有するイオンをエピタキシャル成長中に注入してN型半導体材料層12を形成することができ、追加のイオン注入を行う必要なく低濃度ドープ領域25を形成することができる。いくつかの実施形態では、半導体材料層12は、表面12Aと、表面12Aの反対側の表面12Bと、を有することができる。いくつかの実施形態では、表面12Aおよび表面12Bは、ドレインコンタクト領域11の反対側に位置してもよい。いくつかの実施形態では、表面12Aおよび表面12Bは、水平面であってもよい。いくつかの実施形態では、表面12Aは、半導体材料層12の活性表面であってもよい。いくつかの実施形態では、半導体材料層12の表面12Bは、ドレインコンタクト領域11の表面11Aと接触している。
【0044】
[0051]トレンチ41、42、および43は、半導体材料層12に形成され、それぞれ表面12Aから表面12Bに向かって延在してもよい。トレンチ41、42は、単位領域R1に位置しており、トレンチ43は、端子領域R2に位置している。トレンチ42は、端子領域R2に隣接する単位領域R1のトレンチを表す。トレンチ41は、トレンチ42以外の単位領域R1のトレンチを表す。単位領域R1および端子領域R2は、先に説明した
図2または
図3に示すように、上面視で隣り合う2つの領域であってもよい。トレンチ41、42、43は、垂直側壁を有することができる。トレンチ41、42、43は、円弧状の底表面を有してもよい。さらに、トレンチ41、42、43はまた、円形、楕円形、長方形または多角形であってもよい。トレンチ41、42、43は、フォトレジストを介して配置およびパターニングされ、次いでエッチングプロセス(プラズマドライエッチングプロセスなど)によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、トレンチ42の側壁は、単位領域R1および端子領域R2の境界線と位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、トレンチ41、42、43の底部は、ほぼ同じ水平レベルにあってもよい。
【0045】
[0052]
図5を参照して、製造方法は、半導体材料層12上に誘電体層21を形成することを含む。いくつかの実施形態では、誘電体層21は、半導体材料層12の表面12Aを覆い、トレンチ41、42、および43の下にあってもよい。誘電体層21は、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)または他の堆積プロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態では、誘電体層21は、熱酸化技術によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層21は、トレンチ41、42、43の内側表面に共形的に堆積されてもよい(対向する側壁を含み、側壁間の底部に延在する)。
【0046】
[0053]
図6を参照して、この製造方法は、誘電体層21を形成した後に、電極材料層16を形成することを含む。いくつかの実施形態では、誘電体層21は、トレンチ41、42、および43を充填し、半導体材料層12の表面12Aを覆うように設けられてもよい。誘電体層21は、トレンチ41、42、43内の電極材料層16を囲んでいてもよい。いくつかの実施形態では、電極材料層16は、スパッタリングまたはスプレーなどの物理蒸着(PVD)によって形成することができる。いくつかの実施形態では、電極材料層16は、電気めっきまたはCVDによって形成することができる。いくつかの実施形態では、電気めっきまたは堆積後に、電極材料層16が平坦な最上表面を有するように、化学機械研磨(CMP)プロセスなどの研削プロセスを電極材料層16に対して実行することができる。いくつかの実施形態では、電極材料層16はポリシリコンまたは導電性材料を含む。
【0047】
[0054]
図7を参照して、当該製造方法は、単位領域R1における半導体材料層12の表面12A上の電極材料層16の少なくとも一部を除去するために、電極材料層16に対して第1のエッチング処理を行うことを含む。いくつかの実施形態では、第1のエッチングプロセスを実行する前に、パターニングされたフォトマスクを電極材料層16上に形成して、第1のエッチングプロセスによって除去される電極材料層16の一部を画定してもよい。第1のエッチングステップでは、トレンチ41内に位置する電極材料層16の部分、トレンチ42内に位置する電極材料層16の部分、単位領域R1における半導体材料層12の表面12A上の電極材料層16の部分、および、端子領域R2における半導体材料層12の表面12A上であってキャパシタ構造領域外にある電極材料層16の部分を除去してもよい。第1のエッチングプロセスは、1つまたは複数のエッチングステップを含むことができ、これについては本開示では限定されないことに留意されたい。
【0048】
[0055]第1のエッチング処理後の電極材料層16は、トレンチ41内に位置する第1の部分161と、トレンチ42内に位置する第2の部分162と、半導体材料層12の表面12A上に位置し、第2の部分162に接続された第3の部分166と、トレンチ43内に位置する第4の部分165と、を有する。
【0049】
[0056]第1の部分161は、トレンチ41の底部に位置し、その後に形成される半導体パワーデバイスのシールド電極となる。第2の部分162は、トレンチ42の底部に位置する下側部分162aと、端子領域R2に隣接するトレンチ42の側壁を覆う上側部分162bと、を有する。上側部分162bは、下側部分162a上に位置し、下側部分162aの上側表面605に接続されている。第2の部分162の下側部分162aおよび第1の部分161は、同一の第1のエッチングステップによってエッチングされるため、第1の部分161の上側表面615および第2の部分162の下側部分162aの上側表面605は、ほぼ同一の水平レベルに位置してもよい。いくつかの実施形態では、第1のエッチングプロセスは、トレンチ41内の第1の部分161の上側表面615の上に位置する誘電体層21の一部を露出させることができる。第2の部分162の上側部分162bは、誘電体層21のうちトレンチ42内に位置し、端子領域R2に隣接する部分を覆っている。したがって、いくつかの実施形態では、トレンチ42内の下側部分162aの上側表面605の上方で、端子領域R2から離れたトレンチ42の側壁上に位置する誘電体層21の一部が露出する。
【0050】
[0057]エッチング後の電極材料層16の第2の部分162は、
図1を参照して上述したような構成・形状を有する。下側部分162aは、対向する側壁601および602を有してもよく、上側部分162bは、対向する側壁603および604を有してもよい。いくつかの実施形態では、側壁601および側壁603は連続した側壁であってもよい。いくつかの実施形態では、上側部分162bは、下側部分162aの上側表面605に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、側壁604は、下側部分162aの上側表面605で終端してもよい。いくつかの実施形態では、側壁604および側壁602は、不連続な側壁であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の部分162の下側部分162aの幅は、第1の部分161の幅とほぼ同じであり、下側部分162aの幅は、上側部分162bの幅よりも大きい。
【0051】
[0058]第3の部分166は、端子領域R2およびトレンチ42、43の間に位置する半導体材料層12の表面12Aを覆っていてもよい。第3の部分166は、後のステップで容量性電極163、164にパターニングされる。第4の部分165は、トレンチ43内に位置している。いくつかの実施形態では、第4の部分165はトレンチ43を充填してもよい。いくつかの実施形態では、第3の部分166は、第2の部分162の第4の部分165および上側部分162bに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、上述のパターニングされたフォトマスクは、第1のエッチングプロセスが実行された後に除去されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の部分166は、第1のエッチングプロセスが実施された後も平坦な最上表面を有してもよい。
【0052】
[0059]
図8を参照して、本製造方法は、誘電体層21に対して第2のエッチング処理を行い、トレンチ41、42内であって第1の部分161の上方であって第2の部分162の下側部分162aの上方に位置する誘電体層21の部分を除去し、半導体材料層12の表面12A上であって第3の部分166に覆われていない誘電体層21の部分を除去する。いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセスは、第1の部分161の上方のトレンチ41の側壁を露出させる。いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセスは、下側部分162aの上方にあり、端子領域R2から離れているトレンチ42の部分側壁を露出させる。いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセスが実行された後に、トレンチ43内の誘電体層21の部分は完全に保持されてもよい。
【0053】
[0060]
図9を参照して、この製造方法は、第3の部分166に第3のエッチング処理を施して容量性電極163、164を形成するステップを含む。容量性電極163、164の構成・形状は、要求される抵抗値や静電容量値に応じて調整すればよい。例えば、
図9において破線のブロックでマークされた領域内の容量性電極163および164は、上面図において、
図2または
図3に示すような構成/形状を有することができる。言い換えれば、キャパシタ構造の静電容量値および抵抗値は、容量性電極163および164に基づいて定義することができ、動作電圧と共に変化しない。いくつかの実施形態では、容量性電極163、164の上側表面は、ほぼ同じ水平レベルに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第3のエッチングプロセスを実行する前に、容量性電極163、164に対応するパターンを有するパターン化フォトマスクを第3の部分166を覆うように形成することができ、第3のエッチングプロセスは、パターン化フォトマスクをマスクとして使用して実行される。いくつかの実施形態では、第3のエッチングプロセスが実行された後に、上述のパターニングされたフォトマスクが除去される。
【0054】
[0061]
図10を参照して、この製造方法は、半導体材料層12および電極材料層16の上に誘電体層22をコンフォーマルに形成することを含む。いくつかの実施形態では、誘電体層22の厚さは、誘電体層21の厚さよりも小さい。動作電圧を考慮すると、誘電体層21は、十分な耐電圧性を有するのに十分な厚さを有する必要があり得る。誘電体層22は、後続のステップで形成されるゲート電極のゲート誘電体層として機能することができ、したがって、誘電体層22は、誘電体層21と比較してより小さい厚さを有することができる。
【0055】
[0062]
図11を参照して、製造方法は、誘電体層22の平面部分上に誘電体層23を形成するステップを含む。誘電体層23は、プロセスパラメータおよび堆積のプロセス条件を制御することによって、誘電体層22の平面部分上にのみ形成され、誘電体層22の垂直部分上には形成されない場合がある。誘電体層22の厚さは、後に形成されるシールド電極とゲート電極とを電気的に絶縁するほど十分に大きくなくてもよく、したがって、誘電体層22の平坦な部分の厚さ、特にトレンチ41、42内の誘電体層22の底部の厚さ、すなわち、トレンチ41、42内に位置する電極材料層16の上側表面615、605上の誘電体層22の平坦な部分の厚さを増加させるために追加のステップが必要になる場合がある。したがって、誘電体層23は、トレンチ41、42内の誘電体層22の底部(すなわち、第1の部分161の上側表面615上、および第2の部分162の下側部分162aの上側表面605上)、容量性電極163の最上表面、容量性電極164の最上表面、容量性電極163、164によって露出した誘電体層22および半導体材料層12の表面12Aに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層21の厚さT21は、誘電体層22および誘電体層23の厚さの合計である厚さT23よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層23の厚さは、誘電体層22の厚さT22よりも大きくてもよい。
【0056】
[0063]いくつかの実施形態では、誘電体層21、22、23は同じ誘電体材料を有することができる。図面を簡単にするために、以降の図では誘電体層21、22および23の間の分割線を省略し、誘電体層21、22および23をまとめて誘電体構造20または誘電体層20と呼ぶ。いくつかの実施形態では、トレンチ41、42、43内に配置された誘電体構造20は、トレンチ内誘電体層と呼ばれる。
【0057】
[0064]
図12を参照して、製造方法は、トレンチ41およびトレンチ42内に電極材料層17を形成することを含む。電極材料層17は、トレンチ41内に形成された第1の部分171と、トレンチ42内に形成された第2の部分172と、を有している。上述したように、電極材料層16はトレンチ41の底部にのみ位置しているため、トレンチ41内に位置する第1の部分171の幅は同程度である。さらに、トレンチ42は、第2の部分172に隣接する上側部分162bを有するため、第2の部分172の幅は、第1の部分171の幅よりも小さい。いくつかの実施形態では、半導体材料層12全体を覆う電極材料層17を電気めっきまたはCVDによって形成することができ、次いでエッチングプロセスを実行してトレンチ41および42の外側の電極材料層17を除去して、第1の部分171および第2の部分172を形成することができる。いくつかの実施形態では、電極材料層17は金属を含む。いくつかの実施形態では、第1の部分171の上側表面は、第2の部分172の上側表面と同一平面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分171および第2の部分172はゲート電極と呼ばれてもよい。説明の便宜上、トレンチ41内に位置する誘電体層20と、電極材料層16の第1の部分161と、電極材料層17の第1の部分171と、をまとめてトレンチ構造50と称する。トレンチ42内の誘電体層20、電極材料層16の第2の部分162および電極材料層17の第2の部分172を総称してトレンチ構造60と呼ぶ。トレンチ43内の誘電体層20と電極材料層16の第4の部分165とを合わせてトレンチ構造70と称する。また、トレンチ構造50は、半導体パワーデバイスの電極として使用されてもよく、したがって、トレンチ構造50は、電極構造50とも呼ばれ得る。
【0058】
[0065]
図13を参照すると、製造方法は、単位領域R1の半導体材料層12にボディドープ領域13を形成することを含む。ボディドープ領域13は、表面12Aからの拡散またはイオン注入プロセスによって形成された第2のタイプのドープ領域であってもよい。ボディドープ領域13の深さは、トレンチ構造50、60、または70の深さよりも小さい。言い換えれば、ボディドープ領域13の底部は、トレンチ構造50、60、または70の底部よりも高い。加えて、ボディドープ領域13は低濃度ドープ領域25の導電性を電気的に相殺するので、低濃度ドープ領域25の被覆は、ボディドープ領域13の外側の半導体材料層12の一部として定義されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン注入プロセスを実行してボディドープ領域13を形成した後に、アニーリングプロセスを実行してドーピングイオンを拡散させることができる。
【0059】
[0066]
図13も参照すると、製造方法は、単位領域R1の半導体材料層12内のボディドープ領域13上にソースドープ領域141を形成するステップと、トレンチ構造70に隣接する端子領域R2の半導体材料層12内にドープ領域142を形成するステップと、を含む。ソースドープ領域141およびドープ領域142は、表面12Aからの拡散またはイオン注入プロセスによって形成された第1のタイプのドープ領域であってもよい。ソースドープ領域141およびドープ領域142のドーピング濃度はほぼ同じである。ソースドープ領域141のドーピング濃度は、ボディドープ領域13のドーピング濃度よりも高くてもよい。ソースドープ領域141の深さは、ボディドープ領域13の深さよりも浅くてもよい。ソースドープ領域141は、隣接するトレンチ構造50の間に分布してもよい。いくつかの実施形態では、ソースドープ領域141はまた、トレンチ構造50とトレンチ構造60(図示せず)との間のボディドープ領域13上に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、トレンチ構造50とトレンチ構造60との間の位置が端子領域R2の高電圧領域に近すぎるため、製品の安全性および安定性を確保するために、ソースドープ領域141はトレンチ構造50とトレンチ構造60との間に形成されなくてもよい。いくつかの実施形態では、ドープ領域142は、端子領域R2内の露出した半導体材料層12上に分布してもよい。いくつかの実施形態では、ソースドープ領域141およびドープ領域142を形成するためにイオン注入プロセスが実行された後に、ドーピングイオンを拡散させるためにアニーリングプロセスが実行されてもよい。
【0060】
[0067]いくつかの実施形態では、ソースドープ領域141およびドープ領域142のイオン注入プロセスを実行する前に、
図13に示すように、表面12Aの上方の誘電体層20の平面部分の厚さを減少させるために、誘電体層20に対してエッチングプロセスを実行することができる。表面12Aの上方の誘電体層20の平面部分の厚さを薄くすることにより、イオン注入プロセスの実行が容易になる。いくつかの実施形態では、表面12Aの上方の誘電体層20の平面部分の厚さはゼロより大きい。言い換えれば、誘電体層20は、イオン注入プロセスによって引き起こされる表面12Aへの損傷を低減し、チャネル効果も低減するために、半導体材料層12を保護するために、半導体材料層12の表面12Aを少なくとも覆う。
【0061】
[0068]
図14を参照して、製造方法は、半導体材料層12の表面12Aに層間誘電体層18を形成することを含む。層間誘電体層18は、ALD、CVD、または他の堆積プロセスによって形成することができる。
【0062】
[0069]
図15を参照して、当該製造方法は、層間誘電体層18を部分的に除去することと、上下の誘電体層18をマスクとして半導体材料層12および容量性電極163、164を部分的に除去することと、を含み、開口部411、412、413、414、415を形成する。開口部411は、隣接するトレンチ構造50の間に位置し、ソースドープ領域141を貫通する。開口部412は、トレンチ構造50と60との間に位置し、ボディドープ領域13内で終端する。開口部411、412は、単位領域R1内に位置しており、ほぼ同一の幅およびほぼ同一の深さを有してもよい。開口部413、414は、端子領域R2の電極構造上に位置し、容量性電極163、164の一部をそれぞれ露出させる。いくつかの実施形態では、開口部413および414は、それぞれ容量性電極163および164を通過する。開口部415は、ドープ領域142を通って延在する端子領域R2内に位置する。開口部415は、開口部411または412とほぼ同じ深さを有してもよい。開口部414の幅は、開口部411または412の幅と異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、開口部414の幅は、開口部411または412の幅よりも小さい。
【0063】
[0070]開口部411、412、413、414、415は、1つまたは複数のエッチングプロセスによって形成することができる。例えば、層間誘電体層18を部分的に除去する第4のエッチングステップを行った後に、半導体材料層12の露出部分および容量性電極163、164の露出部分を部分的に除去する第5のエッチングステップを行ってもよい。いくつかの実施形態では、第4のエッチングプロセスは、半導体材料層12の表面12Aまたは容量性電極163および164の表面で停止する。いくつかの実施形態では、第5のエッチングプロセスを実行して、誘電体層18をマスクとして使用して半導体材料層12ならびに容量性電極163および164をエッチングすることができる。いくつかの実施形態では、容量性電極163および164の厚さは、開口部411および412の所定の深さよりも小さいため、容量性電極163および164は貫通される。いくつかの実施形態では、第5のエッチングプロセスは、容量性電極163、164の下にある誘電体層20の上側表面で停止する。
【0064】
[0071]
図16を参照して、当該製造方法は、開口部411、412、415に応じて半導体材料層12にイオン注入処理を行い、単位領域R1に高濃度ドープ領域151を形成し、端子領域R2に高濃度ドープ領域152を形成する。イオンは、開口部411、412、415の底部で半導体材料層12内に垂直方向に注入されてもよい。高濃度ドープ領域151および152は、開口部411、412、415の底部に近い半導体材料層12にそれぞれ形成される。いくつかの実施形態では、
図16に示すように、高濃度ドープ領域151および152を形成するために、イオン注入プロセスの後にアニーリングプロセスを実行することができる。
【0065】
[0072]
図17を参照すると、製造方法は、開口部411、412、413、414、415に導電性プラグ31を形成することを含む。導電性プラグ31は、電気めっきまたはCVDによって開口部411、412、413、414、415を導電性材料で充填することによって形成することができる。導電性プラグ31の材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、または他の金属もしくは合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、電気めっきまたはCVDの後に任意選択の平坦化プロセスが行われてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、複数の導電性プラグ31の上側表面は、同一平面上にあってもよく、またはほぼ同じ水平レベルに位置してもよい。
【0066】
[0073]導電性プラグ31の構成/形状は、開口部411、412、413、414、415の構成/形状によって規定され、したがって、導電性プラグ31は、開口部411、412、413、414、415と同じ構成/形状を有する。導電性プラグ31は、単位領域R1において半導体材料層12に接する複数の導電性プラグ311を含み、端子領域R2において半導体材料層12に接する少なくとも1つの導電性プラグ312を含み、容量性電極163に接する少なくとも1つの導電性プラグ313を含み、容量性電極164に接する少なくとも1つの導電性プラグ314を含む。
【0067】
[0074]
図17を併せて参照すると、この製造方法は、層間誘電体層18上に金属層32を形成することを含む。金属層32は、電気めっきまたはCVDによって形成することができ、電気的特性および動作要件に従ってパターン化することができる。金属層32の材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、スズ(Sn)等の金属または合金を用いることができる。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスを使用して、金属層32を複数の金属配線として画定することができる。いくつかの実施形態では、金属層32は、導電性プラグ311および313に電気的に接続された金属配線321を含む。いくつかの実施形態では、金属層32は、導電性プラグ312および314に電気的に接続された金属配線322を含む。
【0068】
[0075]ソースドープ領域141はトレンチ構造50と60との間に形成されないので、トレンチ構造60は空隙電極構造と称され得る。前述の他の実施形態では、ソースドープ領域141は、トレンチ構造50と60との間の半導体材料層12内に形成されてもよい。これらの実施形態では、ソースドープ領域141の存在に起因して、トレンチ構造60は通常の電極構造として動作することができ、したがって、トレンチ構造60は電極構造と呼ぶことができる。電極材料層17の第2の部分172は、ゲート電極とも称され得る。
【0069】
[0076]以上のステップを経て
図17に示すように形成される縦型パワー半導体デバイス4は、
図1に示す縦型パワー半導体デバイス1と同じものであってもよい。縦型パワー半導体デバイス4は、キャパシタ構造(容量性電極163および164を含む)を含み、RCスナバのプロセスを一般的な縦型パワー半導体デバイスのプロセス(または半導体製造の前のプロセス)と良好に統合し、安定した抵抗値および静電容量値を提供し、良好な減衰を提供しながらプロセスコストを節約し、デバイスの総表面積を低減する効果を達成する。
【0070】
[0077]上述した本開示の実施形態の構造およびプロセスによれば、同じ目的および概念で、同じまたは類似の縦型パワー半導体デバイスをもたらすために、上記のプロセスのステップを調整することができ、またはステップの順序を変更することができる。
図18~
図24は、本開示の他の実施形態による縦型パワー半導体デバイスの製造方法における1つまたは複数の段階の別の例を示す。本開示の態様をよりよく理解するために、図面の少なくとも一部が簡略化されている。説明を簡単にするために、以下では、
図4~
図17を参照して説明した処理と比較して異なる点についてのみ説明し、同一または同様のステップについては繰り返し説明しない。
【0071】
[0078]
図18を参照すると、縦型パワー半導体デバイス5は、前述のように
図4から
図17までのステップに従うことによって形成され得る。違いは、
図18の実施形態では、
図4のステップにおいてトレンチ43が形成されないことである。
図18に示すような縦型パワー半導体デバイス5は、
図5~
図17で説明したようなステップを経て形成される。
図17に示すような縦型パワー半導体デバイス5と縦型パワー半導体デバイス4との違いは、縦型パワー半導体デバイス5が縦型パワー半導体デバイス4に含まれるトレンチ構造70を有していない点である。縦型パワー半導体デバイス4は、縦型パワー半導体デバイス5と同じ大きさ、動作電圧等の条件であれば、より良好なEQR効果を得ることができる。
【0072】
[0079]
図19を参照して、
図4~
図12のステップが行われ、
図12を参照して説明したような電極材料層17を形成するステップにおいて、使用されるパターニングされたフォトマスクに応じて、異なる部分を含む電極材料層17が形成されてもよい。
図19に示すように、電極材料層17は、容量性構造の上方に位置する第3の部分173をさらに有してもよい。いくつかの実施形態では、第3の部分173は、第1の部分171および第2の部分172と同じステップで形成されてもよい。電極材料層17の第3の部分173は、キャパシタ構造の上方に配置されており、容量性電極163および容量性電極164の少なくとも一方と重なっている。言い換えると、第3の部分173は、容量性電極163の一部および/または容量性電極164の一部を覆っている。第3の部分173は、デバイスの総表面積および総プロセスコストを増加させることなく、キャパシタ構造の静電容量値を増加させるために使用される。いくつかの実施形態では、第3の部分173は、容量性電極163の一部および容量性電極164の一部を覆うことができる。いくつかの実施形態では、第3の部分173はまた、容量性電極163と容量性電極164との間に配置されてもよい。
【0073】
[0080]
図20を参照して、
図19のステップを実施した後に、
図13から
図17のステップを経て縦型パワー半導体デバイス6を形成してもよい。縦型パワー半導体デバイス6は、縦型パワー半導体デバイス4に比べて追加の第3の部分173を有するため、
図15のステップにおいて、第3の部分173を露出させるための開口部をもう1つ形成する必要がある。いくつかの実施形態では、上述の開口部は、第3の部分173を通過してもよい。また、
図17のステップにおいて、上記開口部に導電性プラグ315を形成し、第3の部分173と電気的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、導電性プラグ315は、金属配線321を介して導電性プラグ311および313に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性プラグ315は、他の導電性プラグ311、312、313、314の上側表面と同一平面上にあるか、またはほぼ同じ水平レベルにある。いくつかの実施形態では、第3の部分173を形成するステップの後に、表面12A上の誘電体層20の平面部分の厚さを減少させるための
図13に関して説明したエッチングプロセスを誘電体層20に対して実行することができる。いくつかの実施形態では、第3の部分173によって覆われた誘電体層20の部分は、表面12A上の誘電体層20の他の平面部分の厚さよりも大きい厚さを有する。
【0074】
[0081]
図21および
図22を参照して、縦型パワー半導体デバイス7は、デュアルトレンチ半導体パワーデバイスのプロセスを統合して、上述の
図4~
図17のステップおよび技術的概念に従って形成することができる。縦型パワー半導体デバイス7は、単位領域R1内の複数のシールド電極構造51と、単位領域R1内に位置し、端子領域R2に隣接するトレンチ構造61と、単位領域R1内の隣接するシールド電極構造51の間のゲート電極構造52と、端子領域R2内に位置するトレンチ構造70と、を含む。縦型パワー半導体デバイス7のトレンチ構造70は、縦型パワー半導体デバイス4のトレンチ構造70と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
[0082]シールド電極構造51およびトレンチ構造61は、
図4~
図7を参照して説明したステップを経て形成されてもよい。いくつかの実施形態では、シールド電極構造51およびトレンチ構造61は、ほぼ同じ深さを有する。いくつかの実施形態では、シールド電極構造51の導電性材料層16の第1の部分161およびトレンチ構造61の導電性材料層16の第2の部分162は、表面12Aから表面12Bに向かって延在し、第1の部分161および第2の部分162は、ほぼ同じ深さを有する。いくつかの実施形態では、第1の部分161および第2の部分162は、表面12Aにおいてほぼ同じ幅を有する。なお、
図22に示すようなシールド電極構造51およびトレンチ構造61を形成するためには、
図7の各ステップにおけるエッチング処理を適宜調整する必要がある。
図7のステップに続いて、シールド電極構造51およびトレンチ構造61の電極材料層161、162と共に電極キャパシタ163、164を形成してもよい。いくつかの実施形態では、電極キャパシタ163、164、ならびに電極材料層16の第1の部分161、第2の部分162および第4の部分165は、
図21に示すように、同じフォトマスクによって画定されてもよい。いくつかの実施形態では、
図21のステップが実行された後に、
図12の電極材料層17を形成するステップが実行される前に、半導体材料層12の一部を除去して、シールド電極構造51の深さよりも小さい深さを有し、隣接するシールド電極構造51の間に位置するトレンチを形成して、ゲート電極構造52の位置を画定することができる。トレンチの下に誘電体層24が形成された後に、電極材料層17を形成する上述したステップを実施して、上述したトレンチ内に電極材料層17を形成し、電極材料層17は誘電体層24によって囲まれる。そして、縦型パワー半導体デバイス7は、
図14~
図17を用いて説明したステップを経て形成される。縦型パワー半導体デバイス7はまた、シールド電極構造51の電極材料層161に接触する導電性プラグ316を含む。いくつかの実施形態では、導電性プラグ316は、他の導電性プラグ311、312、313、314の上側表面と同一平面上にあるか、またはほぼ同じ水平レベルに配置される。
【0076】
[0083]
図23を参照して、縦型パワー半導体デバイス8は、縦型パワー半導体デバイス7と同様であり、縦型パワー半導体デバイス6と同様の電極材料層17の第3の部分173をさらに含む。ダブルトレンチ半導体パワーデバイスとスプリットゲート縦型パワー半導体デバイスとの間の構造の違いに起因して、縦型パワー半導体デバイス8には、
図10および
図11のステップは不要である。すなわち、縦型パワー半導体デバイス8では、電極材料層17を形成する前に、誘電体層22、23を形成しない。いくつかの実施形態では、
図22のゲート電極構造52の誘電体層24を形成する間、誘電体層24のパターンを画定するためにフォトマスクを使用することによって容量性電極163、164上の誘電体層24の一部を保持することができる。
図23に示すように、誘電体層24は、単位領域R1に位置するゲート電極構造52の第1の部分241と、端子領域R2における容量性電極163、164上の第2の部分242と、を有している。電極材料層17の第3の部分173は、誘電体層24の第2の部分242によって容量性電極163、164から離間している。いくつかの実施形態では、電極材料層17の第3の部分173は、容量性電極163または容量性電極164の少なくとも一方と重なる。
【0077】
[0084]
図24を参照して、縦型パワー半導体デバイス9は、シングルトレンチ半導体パワーデバイスであり、縦型パワー半導体デバイス7の電極構造52が省略されている以外は、縦型パワー半導体デバイス7と同様の構造を有する(シングルトレンチ半導体パワーデバイスのゲート電極構造およびシールド電極構造は区別されないため、シングルトレンチ半導体パワーデバイスを説明する際には、ゲート電極構造およびシールド電極構造を一般的に電極構造と呼ぶ)。縦型パワー半導体デバイス7、8と同様に、容量性電極163、164は、電極構造51の電極材料層161と共に同一ステップで形成することができる。当業者は、シングルトレンチ半導体パワーデバイスとデュアルトレンチ半導体パワーデバイスとの間の違いを理解し、他の構成要素は、必要に応じてそれに応じて調整することができる。
【0078】
[0085]
図25を参照すると、縦型パワー半導体デバイス10は、縦型パワー半導体デバイス9と同様であるが、トレンチ構造61に隣接する導電性プラグ311と導電性プラグ311に隣接するトレンチ構造51との間にソースドープ領域143がある点が異なる。上述したように、トレンチ構造61およびトレンチ構造51は、要求または仕様に応じてソースドープ領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、機能性半導体パワー構造を最大限に形成するために、ソースドープ領域143は、トレンチ構造61に近い導電性プラグ311と隣接するトレンチ構造51(導電性プラグ311に隣接するトレンチ構造51)との間に形成されてもよい。トレンチ構造61とその隣接する導電性プラグ311との間にソースドープ領域が形成されないため、縦型パワー半導体デバイス10の安定性および安全性を保証することができる。
図25に示すようなソースドープ領域143は、縦型パワー半導体デバイス1、4、5、6、7、8、および9に適用することができ、これに限定されない。さらに、
図20および
図23の導電性材料層17の第3の部分173はまた、
図24および
図25の実施形態にも適用することができるが、これに限定されるものではない。
【0079】
[0086]本開示では、説明の便宜上、添付の図面に示すように、「下方」、「下」、「下側」、「上方」、「上側」、「左側」、「右側」などの空間的に相対的な用語を使用して、1つの構成要素または特徴と別の1つまたは複数の構成要素または特徴との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、添付の図面の向きを示すために使用されるだけでなく、使用または動作中のデバイスの異なる向きを包含することも意図されている。デバイスは、他の方法(90度または他の向きに回転される)で配向されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な用語は、同様に対応する方法で解釈されてもよい。ある構成要素が別の構成要素に「結合される」または「接続」されていると言及される場合、それは別の構成要素に直接接続または結合され得るか、または介在する構成要素が存在し得ることを理解されたい。
【0080】
[0087]本明細書で使用される場合、「およそ」、「基本的には」、「実質的に」、および「約」という用語は、小さな変形を説明および説明するために使用される。イベントまたはインスタンスに関連して使用される場合、これらの用語は、イベントまたはインスタンスの正確な発生の実施形態、ならびにイベントまたはインスタンスが発生に近い実施形態を指すことができる。所与の値または範囲に関して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、一般に、所与の値または範囲の±10%、±5%、±1%、または±0.5%以内であることを意味する。本明細書における範囲は、一方の終点から他方の終点までであるか、または2つの終点の間であると称され得る。本明細書に開示する全ての範囲は、特に指示しない限り、終点を含む。「実質的に同一平面上」という用語は、同じ平面を基準とした2つの表面の位置の差が数マイクロメートル(μm)以内、例えば10μm以内、5μm以内、1μm以内、または0.5μm以内であることを意味し得る。値または特性が同じである「実質的に」と言及される場合、この用語は、値の平均の±10%、±5%、±1%、または±0.5%以内の値を指し得る。
【0081】
[0088]以上、本開示のいくつかの実施形態の特徴および詳細な態様について概説した。本開示に記載された実施形態は、本明細書に提示された実施形態の同じまたは類似の目的を実行するために、および/または同じまたは類似の利点を達成するために、他のプロセスおよび構造を設計または変更するための基礎として容易に使用することができる。このような均等な構成は、本開示の趣旨を逸脱するものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更、置き換え、変更を行うことができる。
【0082】
[0089]説明を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および変更を行うことができることを理解されたい。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、当業者は、現在存在するかまたは後に開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップが、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、または実質的に同じ結果を達成し得ることを本開示から容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップをその範囲内に含むことを意図している。
【符号の説明】
【0083】
1 縦型パワー半導体デバイス
1~3 縦型パワー半導体構造
4~10 縦型パワー半導体デバイス
11 ドレインコンタクト領域
11A 表面
11B 表面
12 N型半導体材料層
12A 表面
12B 表面
13 ボディドープ領域
16 導電性材料層、電極材料層
17 導電性材料層、電極材料層
18 層間誘電体層
20 誘電体構造
20~24 誘電体層
25 低濃度ドープ領域
31 導電性プラグ
32 金属層
41~43 トレンチ
42a 下側部分
50 トレンチ構造、電極構造
51 トレンチ構造、シールド電極構造
52 ゲート電極構造
60 トレンチ構造
61 トレンチ構造
70 トレンチ構造
141 ソースドープ領域
142 ドープ領域
143 ソースドープ領域
151 高濃度ドープ領域
152 高濃度ドープ領域
161 第1の部分、電極材料層
162 第2の部分、電極材料層
162a 第1の部分、下側部分
162b 第2の部分、上側部分
163 容量性電極、電極キャパシタンス
163a コンタクトパッド、接点
163b 電極バスバー
163c コンバイナーバス
163d フィンガ形状部分
164 容量性電極、電極キャパシタンス、電極キャパシタ
164a コンタクトパッド、接点
165 第4の部分、電極材料層
166 第3の部分
171 第1の部分、電極材料層
172 第2の部分、電極材料層
173 第3の部分
241 第1の部分
242 第2の部分
311~316 導電性プラグ
321 金属配線
322 金属配線
411~415 開口部
601~604 側壁
605 上側表面
615 上側表面
【外国語明細書】