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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155744
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】車両画像認識モジュール
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20241024BHJP
   B60R 1/25 20220101ALI20241024BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20241024BHJP
   B60R 1/24 20220101ALI20241024BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
B60R1/25
B60R1/26
B60R1/24
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024040773
(22)【出願日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】112114704
(32)【優先日】2023-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】509032070
【氏名又は名称】群光電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲秀▼▲ウェン▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 彦廷
(72)【発明者】
【氏名】廖 智良
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC13
3D020BD02
3D020BD03
3D020BD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外観性と隠蔽性に優れた車両画像認識モジュールを提供する。
【解決手段】外観部材と、アセンブリ110と、画像捕捉部120と、色変換部材130と、を含む車両画像認識モジュール10。アセンブリは、外観部材の内側に配置される。画像捕捉部は、アセンブリに配置され、外観部材は、画像捕捉部の前側に位置する。色変換部材は、画像捕捉部の前側に配置される。色変換部材は、透明色や非透明色への変換に適している。アセンブリは、シェルであり、互いに連通する第1の収容空間S1及び第2の収容空間S2を有する。第2の収容空間は、第1の収容空間と外観部材との間に位置する。画像捕捉部は、第1の収容空間内に配置される。色変換部材は、第2の収容空間内に配置され、外観部材と画像捕捉部との間に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観部材と、
前記外観部材の内側に配置されたアセンブリと、
前記アセンブリに配置される画像捕捉部であって、前記外観部材は、前記画像捕捉部の前側に位置する、画像捕捉部と、
前記画像捕捉部の前側に配置される色変換部材であって、前記色変換部材は、透明色や非透明色への変換に適している、色変換部材と、
を含む、車両画像認識モジュール。
【請求項2】
前記アセンブリは、シェルであり、互いに連通する第1の収容空間及び第2の収容空間を有し、前記第2の収容空間は、前記第1の収容空間と前記外観部材との間に位置し、前記画像捕捉部は、前記第1の収容空間内に配置され、前記色変換部材は、前記第2の収容空間内に配置され、前記外観部材と該画像捕捉部との間に位置する、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項3】
前記第1の収容空間の先端は、前記第2の収容空間に連通され、前記アセンブリは、前記第2の収容空間内に接合面を有し、前記接合面は、前記第1の収容空間の前記先端を取り囲み、前記色変換部材は、前記接合面に接合される、
請求項2に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項4】
前記アセンブリは、ブラケットであり、前記外観部材に配置され、前記画像捕捉部の後端は、前記アセンブリに配置される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項5】
カバーをさらに含み、前記カバーは、前記外観部材に配置され、開口部を有し、前記色変換部材は、前記外観部材に嵌入され、前記画像捕捉部の一部は、前記開口部内に延在し、前記色変換部材に位置合わせされる、
請求項4に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項6】
前記色変換部材は、前記カバーに固定される、
請求項5に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項7】
封止部材をさらに含み、前記封止部材は、前記外観部材と前記カバーとの間に配置される、
請求項4に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項8】
前記非透明色は、前記外観部材の色と同一である、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項9】
前記外観部材は、非透光領域及び透光領域を含み、前記非透光領域は前記透光領域に隣接し、前記透光領域は、前記色変換部材及び前記画像捕捉部に位置合わせされる、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項10】
前記非透明色は、前記非透光領域の色と同一である、
請求項9に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項11】
前記色変換部材は、エレクトロクロミックガラスを含む、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項12】
前記色変換部材は、透明導光板及び源を含み、前記光源は前記透明導光板に隣接し、前記非透明色と同一の色光を前記透明導光板に放射するのに適している、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項13】
前記光源は、不可視光を前記透明導光板に放射するのに適している、
請求項12に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項14】
感光素子をさらに含み、前記感光素子は、アセンブリに配置され、前記外観部材の外側の光強度を感知するのに適している、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項15】
前記外観部材の外側の物体と前記外観部材との間の距離が所定値未満である場合、前記色変換部材の色は前記透明色に変換される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項16】
前記外観部材は、車両のピラーの外装パネル、サイドミラー、フロント又はリアのサイドパネル、ドア、テールゲート、トランク、外装装飾パネル、フロントフード又は前後バンパーの一部である、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項17】
封止部材をさらに含み、前記封止部材は、前記外観部材と前記アセンブリとの間に配置される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項18】
前記色変換部材は、前記アセンブリに接着される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項19】
前記色変換部材は、前記アセンブリに係合する、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像認識モジュールに関し、特に、車両画像認識モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両の顔認識モード又はセントリーモード(つまり、車両に接近する人や物体を検出し、適当な安全措置を講ずる)の設計では、多くの場合、画像捕捉機器(カメラなど)をピラーの内側に設置し、ピラーの表面に対応する透光領域を形成して、画像捕捉機器が外部の画像を捕捉できるようにする。しかしながら、このような設計では、車のピラー全体の色にムラが生じ、美観が低下するだけでなく、画像捕捉機器が露出しやすくなり、盗難防止や安全性にも悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、外観性と隠蔽性に優れた車両画像認識モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の車両画像認識モジュールは、外観部材と、アセンブリと、画像捕捉部と、色変換部材と、を含む。アセンブリは、外観部材の内側に配置される。画像捕捉部は、アセンブリに配置される。外観部材は、画像捕捉部の前側に位置する。色変換部材は、画像捕捉部の前側に配置される。色変換部材は、透明色や非透明色への変換に適している。
【0005】
本発明の一実施形態において、上述のアセンブリは、シェルであり、互いに連通する第1の収容空間及び第2の収容空間を有する。第2の収容空間は、第1の収容空間と外観部材との間に位置する。画像捕捉部は、第1の収容空間内に配置される。色変換部材は、第2の収容空間内に配置され、外観部材と画像捕捉部との間に位置する。
【0006】
本発明の一実施形態において、上述の第1の収容空間の先端は、第2の収容空間に連通される。アセンブリは、第2の収容空間内に接合面を有する。接合面は、第1の収容空間の先端を取り囲む。色変換部材は、接合面に接合される。
【0007】
本発明の一実施形態において、上述のアセンブリは、ブラケットであり、外観部材に配置され、画像捕捉部の後端は、アセンブリに配置される。
【0008】
本発明の一実施形態において、上述の車両画像認識モジュールは、さらにカバーを含む。カバーは、外観部材に配置され、開口部を有する。色変換部材は、外観部材に嵌入される。画像捕捉部の一部は、開口部内に延在し、色変換部材と位置合わせされる。
【0009】
本発明の一実施形態において、上述の車両画像認識モジュールは、封止部材をさらに含む。封止部材は、外観部材とカバーとの間に配置される。
【0010】
本発明の一実施形態において、上述の非透明色は、外観部材の色と同一である。
【0011】
本発明の一実施形態において、上述の外観部材は、非透光領域及び透光領域を含み、非透光領域は透光領域に隣接し、透光領域は、色変換部材及び画像捕捉部に位置合わせされる。
【0012】
本発明の一実施形態において、上述の非透明色は、非透光領域の色と同一である。
【0013】
本発明の一実施形態において、上述の色変換部材は、エレクトロクロミックガラス(electrochromic glass)を含む。
【0014】
本発明の一実施形態において、上述の色変換部材は、透明導光板及び光源を含み、光源は透明導光板に隣接し、非透明色と同一の色光を導光板に放射するのに適している。
【0015】
本発明の一実施形態において、上述の光源は、不可視光を導光板に放射するのに適している。
【0016】
本発明の一実施形態において、上述の車両画像認識モジュールは、感光素子をさらに含む。感光素子は、アセンブリに配置され、外観部材の外側の光強度を感知するのに適している。
【0017】
本発明の一実施形態において、外観部材の外側の物体と外観部材との間の距離が所定値未満である場合、色変換部材の色は透明色に変換される。
【0018】
本発明の一実施形態において、上述の外観部材は、車両のピラーの外装パネル、サイドミラー、フロント又はリアのサイドパネル、ドア、テールゲート、トランク、外装装飾パネル、フロントフード又は前後バンパーの一部である。
【0019】
本発明の一実施形態において、上述の車両画像認識モジュールは、封止部材をさらに含む。封止部材は、外観部材とアセンブリとの間に配置される。
【0020】
本発明の一実施形態において、上述の色変換部材は、アセンブリに接着される。
【0021】
本発明の一実施形態において、上述の色変換部材は、アセンブリに係合する。
【0022】
本発明の一実施形態において、上述の色変換部材は、カバーに固定される。
【発明の効果】
【0023】
以上に基づいて、本発明の車両画像認識モジュールにおいて、色変換部材は、画像捕捉部の前側に配置され、外観部材の外側の画像を捕捉する必要がある場合、画像捕捉部がスムーズに画像を捕捉できるように、透明色に変換されることができる。また、色変換部材は、外観部材の外側の画像を捕捉する必要がない場合、非透明色に変換されることができる。この非透明色は、外観部材(車体又はトリム)の色と同一であり、車両画像認識モジュールに優れた隠蔽性と好ましい外観整合性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態における車両に配置された車両画像認識モジュールの概略図である。
図2図1の車両画像認識モジュールの概略図である。
図3】本発明の別の実施形態における車両画像認識モジュールの概略図である。
図4】本発明の別の実施形態における車両画像認識モジュールの概略図である。
図5】本発明の別の実施形態における車両画像認識モジュールの概略図である。
図6】本発明の実施形態における車両画像認識モジュールの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態における車両に配置された車両画像認識モジュールの概略図である。図1を参照すると、本実施形態の車両画像認識モジュール10は、例えば、車両20のミドルピラー200(通称、Bピラー)に配置されるが、その他の実施形態において、車両画像認識モジュール10は、車両20のその他のピラー又は車体上の任意の位置(例えば、サイドミラー、フロント又はリアのサイドパネル、ドア、テールゲート、トランク、外装装飾パネル、フロントフード又は前後バンパーの一部)に配置しても良く、本発明はこれを限定するものではない。車両画像認識モジュール10は、画像捕捉及び認識の機能を有し、例えば、車両20に接近する人又は物体を検出し、適当な安全措置を講ずるセントリーモードに用いることができる。
【0026】
図2は、図1の車両画像認識モジュールの概略図である。図2を参照すると、本実施形態の車両画像認識モジュール10は、外観部材100と、アセンブリ110と、画像捕捉部120と、色変換部材130と、を含む。アセンブリ110は、外観部材100の内側に配置される。アセンブリ110は、例えば、プラスチック部品、板金部品、鋳造部品又は複合材質(炭素繊維など)を含むが、アセンブリ110の材質はこれらに限定されない。画像捕捉部120は、例えば、カメラであり、アセンブリ110に配置される。外観部材100は、画像捕捉部120の前側に位置する。色変換部材130は、画像捕捉部120の前側に配置され、透明色や非透明色への変換に適している。
【0027】
車両画像認識モジュール10が、外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がある場合、画像捕捉部120がスムーズに画像を捕捉できるように、色変換部材130は透明色に変換されることができ、車両画像認識モジュール10が、外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がない場合、色変換部材130は非透明色に変換されることができ、車両画像認識モジュール10に優れた隠蔽性と好ましい外観性を提供する。以下、この設計についてさらに説明する。
【0028】
詳細に言えば、本実施形態の外観部材100は、例えば、車両20のミドルピラー200(図1)の外装パネルであり、その材質は、例えば、ガラス、板金又はアクリルなどである。外観部材100は、透光領域100a及び非透光領域100bを含み、非透光領域100bは透光領域100aに隣接し、透光領域100aは、色変換部材130及び画像捕捉部120に位置合わせされる。
【0029】
本実施形態において、アセンブリ110は、シェルであり、互いに連通する第1の収容空間S1及び第2の収容空間S2を有し、第2の収容空間S2は、第1の収容空間S1と外観部材100との間に位置する。画像捕捉部120は、第1の収容空間S1内に配置される。色変換部材は、第2の収容空間S2内に配置され、外観部材100と画像捕捉部120との間に位置する。
【0030】
また、アセンブリ110の材質は、例えば、ASA樹脂、PE樹脂又はABS樹脂である。アセンブリ110の第1の収容空間S1の先端は、第2の収容空間S2に連通され、アセンブリ110は、第2の収容空間S2内に接合面112を有し、接合面112は、第1の収容空間S1の先端を取り囲む。色変換部材130は、接合面112に接合され、アセンブリ110に接着される。もちろん、色変換部材130は、接着、バックル、又はねじ止めの形態でアセンブリ110と結合しても良く、結合の方法はこれらに限定されない。
【0031】
さらに、色変換部材130は、透明導光板132及び光源134を含み、光源134は透明導光板132に隣接する。図2における光源134は、透明導光板132の上側に図示されているが、光源134は、透明導光板132の下側、前側又は後側に配置されても良く、光源134の位置はこれらに限定されない。
【0032】
外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がない場合、光源134は非透明色の色光を透明導光板132に放射し、透明導光板132が非透明色を呈するようにするのに適している。この非透明色は、外観部材100の非透光領域100bの色と同一である。同時に、外観部材100の透光領域100aは色変換部材130に位置合わせされ、透光領域100aも視覚的にこの非透明色を呈するため、外観部材100の透光領域100aと非透光領域100bは、いずれも同一の色を呈する。
【0033】
外観部材100の非透光領域100bの色が白色であることを例として、車両画像認識モジュール10が画像を捕捉する必要がない場合、色変換部材130は、白色に変更されることができ、これにより外観部材100の透光領域100aも視覚的に白色を呈し、外観部材100の全体の色の一貫性及び美観性の効果を達成することができる。同時に、外観部材100の色が視覚的に統一され、画像捕捉部120の位置が露呈しにくいため、好ましい隠蔽性を提供し、画像捕捉部120が人に発見され、故意に遮蔽又は破壞される可能性を低減することができる。
【0034】
さらに、光源134がオンになり、色光を放射し続ける場合、透明導光板132の温度は上昇し、第1の収容空間S1及び第2の収容空間S2は一定の温度に維持される。これにより、画像捕捉部120の表面を適当な温度に維持し、曇り止めや着霜防止の効果を達成することができる。
【0035】
車両画像認識モジュール10が、外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がある場合、色変換部材130の光源134はオフになり、透明導光板132は透明色に戻り、画像捕捉部120は、透明導光板132及び外観部材100の透光領域100aを介してスムーズに外観部材100の外側の画像を捕捉できる。つまり、車両画像認識モジュール10は、色変換部材130と外観部材100の協働により、美観性と隠蔽性の効果を達成できるだけでなく、好ましい画像捕捉機能も確保する。
【0036】
また、本実施形態の車両画像認識モジュール10は、さらに感光素子140を含む。感光素子140は、アセンブリ110に配置され、環境光が十分であるかどうかを確認するためにために、外観部材100の外側の光強度を感知するのに適している。車両画像認識モジュール10が、外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がある場合において、感光素子140が、外観部材100の外側の光強度が過度に低いことを感知したときは、光源134は、不可視光(例えば、波長940nmの光)を透明導光板132に放射して、フィルライトを行い、画像捕捉部120が捕捉する画像品質を向上させることができる。その他の実施形態において、車両画像認識モジュール10は、複数の光源134を含んでも良く、これにより上述のフィルライトの効果を達成することができる。
【0037】
また、本実施形態の車両画像認識モジュール10は、封止部材150をさらに含む。封止部材150は、例えば、O形リングや接着剤であり、外観部材100とアセンブリ110との間に配置され、異物や水分が第2の収容空間S2と第1の収容空間S1内に進入して、正常な動作に影響することを防止する。
【0038】
図3は、本発明の別の実施形態における車両画像認識モジュールの概略図である。図3に示される実施形態と図2に示される実施形態の差異は、図3の車両画像認識モジュール10Aの色変換部材130Aがエレクトロクロミックガラスであることである。具体的には、外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がない場合、色変換部材130Aは通電により非透明色に変換され、この非透明色は、外観部材100の非透光領域100bの色と同一である。
【0039】
外観部材100の透光領域100aは、色変換部材130Aに位置合わせされるため、透光領域100aも視覚的にこの非透明色を呈し、これにより外観部材100の透光領域100aと非透光領域100bは、いずれも同一の色を呈し、全体の色の一貫性及び美観性の効果を達成することができる。同時に、外観部材100全体の色が統一され、画像捕捉部120の位置が露呈しにくいため、好ましい隠蔽性を提供し、画像捕捉部120が人に発見され、故意に遮蔽又は破壞される可能性を低減することができる。
【0040】
外観部材100の外側の画像を捕捉する必要がある場合、色変換部材130Aを通電せずに透明色に戻り、画像捕捉部120は、色変換部材130A及び外観部材100の透光領域100aを介して外観部材100の外側の画像を捕捉することができる。つまり、車両画像認識モジュール10Aは、色変換部材130Aと外観部材100の協働により、美観と隠蔽性の効果を達成できるだけでなく、好ましい画像捕捉機能も確保することができる。
【0041】
図4は、本発明の別の実施形態における車両画像認識モジュールの概略図である。図4に示される実施形態と図2に示される実施形態の差異は、図4における車両画像認識モジュール10Bの色変換部材130Bがアセンブリ110に係合されることにある。詳細に言えば、色変換部材130Bは、少なくとも1つの係合部136をさらに含み、アセンブリは、少なくとも1つの係合溝114をさらに含み、係合溝114は、接合面112に位置する。色変換部材130Bは、係合部136により係合溝114に係合され、アセンブリ110にしっかりと固定される。
【0042】
図5は、本発明の別の実施形態における車両画像認識モジュールの概略図である。図5に示される実施形態と図2に示される実施形態の差異は、図5における車両画像認識モジュール10Cのアセンブリ110Aは、ブラケットであり、色変換部材130Cは、外観部材100Aに嵌入されることにある。詳細に言えば、車両画像認識モジュール10Cは、カバー160を含み、カバー160は、外観部材100Aに配置され、開口部162を有する。アセンブリ110Aは、外観部材100Aに配置され、画像捕捉部120は、アセンブリ110Aに配置され、画像捕捉部120の一部は、開口部162内に延在し、色変換部材130Cと位置合わせされる。
【0043】
一方、色変換部材130Cは、外観部材100Aに嵌入され、カバー160に固定される。つまり、色変換部材130Cは、外観部材100Aと画像捕捉部120との間に位置しないので、スペースをさらに節約でき、固定及び製作が容易である。
【0044】
前述の図2の実施形態に類似して、色変換部材130Cは、透明導光板132と、光源134と、回路板135と、を含み、光源134は、回路板135に配置される。外観部材100Aの外側の画像を捕捉する必要がない場合、色変換部材130C内に配置された光源134は、非透明色の色光を透明導光板132に放射して、透明導光板132が非透明色を呈するようにし、これにより、色変換部材130Cの色は、外観部材100Aの色と同一となり、好ましい隠蔽性及び美観性の効果を提供することができる。外観部材100Aの外側の画像を捕捉する必要がある場合、光源134はオフになり、透明導光板132は透明色に戻り、画像捕捉部120は、透明導光板132を介してスムーズに外観部材100Aの外側の画像を捕捉することができる。
【0045】
また、本実施形態の封止部材150は、外観部材100Aとカバー160との間に配置され、封止部材150は、一般に、異物や水分がカバー160内に進入して正常な動作に影響することを防止するために、封止用Oリング又は接着剤であることが好ましい。
【0046】
図6は、本発明の実施形態における車両画像認識モジュール10の動作フローチャートである。図2及び図6を参照し、以下では、セントリーモードを例に挙げて、車両画像認識モジュール10の盗難防止安全における応用を説明する。
【0047】
まず、車両画像認識モジュール10は、ステップS101で起動され、ステップS102に入る。ステップS102において、車両20(図1)の車用レーダは、車両20に接近する物体Pの有無を検出する。車両20に接近する物体Pがない場合、ステップS110を実行し、車両画像認識モジュール10の動作を終了する。反対に、外観部材100の外側の物体P(図2)と外観部材100との間の距離Dが、所定距離D1未満であることを検出した場合には、ステップS103に入る。ここで、色変換部材130の色は、透明色に変換され、画像捕捉部120は、透明導光板132及び外観部材100の透光領域100aを介して、物体Pの画像を捕捉することができる。
【0048】
次に、ステップS104に進み、画像捕捉部120が捕捉した画像は処理部を介して画像認識し、物体Pが人間かどうかを判定することができる。物体Pが人間でないと判定した場合、ステップS110を実行して、車両画像認識モジュール10の動作を終了する。物体Pが人間であると判定した場合、ステップS105を実行し、この人間が車両20の運転者であるかどうかをさらに判定する。車両20の運転者である場合、ステップS106を実行し、運転者を迎え、運転者のニーズを照会する。ここで、運転者は、そのニーズを満足するために、例えば、施錠解除、車両20の起動又はドアを開くなどの音声制御命令を下すことができる。完成後、ステップS110を実行して、車両画像認識モジュール10の動作を終了する。
【0049】
なお、ステップS105において、接近する人間が運転者ではないと判定された場合には、ステップ108を実行し、つまり、セントリーモードを実行する。ステップS109に示されるように、セントリーモードは、この人間が車両20から離れるまで、この人間の行動を検知して録画し、録画した動画をクラウドにアップロードして、運転者に通知することで、不審者の監視と記録の効果を達成することができる。
【0050】
まとめると、本発明の車両画像認識モジュールでは、色変換部材は画像捕捉部の前側に配置され、外観部材の外側の画像を捕捉する必要がある場合、画像捕捉部が色変換部材を介してスムーズに画像を捕捉できるように、透明色に変更されることができる。また、色変換部材は、外観部材の外側の画像を捕捉する必要がない場合、非透明色に変換されることができる。この非透明色は、外観部材の非透光領域の色と同一であり、車両画像認識モジュールに優れた隠蔽性と好ましい外観整合性を提供する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
車両画像認識モジュールは、車両に応用することができ、例えば、車両に配置されたミドルピラー、その他のピラーや車体上の任意の位置(例えば、サイドミラー、フロント又はリアのサイドパネル、ドア、テールゲート、トランク、外装装飾パネル、フロントフード又は前後バンパーの一部)に応用することができ、優れた隠蔽性と好ましい外観整合性を有する。
【符号の説明】
【0052】
10、10A、10B、10C:車両画像認識モジュール
20:車両
100、100A:外観部材
100a:透光領域
100b:非透光領域
110、110A:アセンブリ
112:接合面
114:係合溝
120:画像捕捉部
130、130A、130B、130C:色変換部材
132:透明導光板
134:光源
135:回路板
136:係合部
140:感光素子
150:封止部材
160:カバー
162:開口
200:ミドルピラー
D:距離
D1:所定距離
P:物体
S1:第1の収容空間
S2:第2の収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観部材と、
前記外観部材の内側に配置されたアセンブリと、
前記アセンブリに配置される画像捕捉部であって、前記外観部材は、前記画像捕捉部の前側に位置する、画像捕捉部と、
前記画像捕捉部の前側に配置される色変換部材であって、前記色変換部材は、透明色や非透明色への変換に適している、色変換部材と、
を含む、車両画像認識モジュール。
【請求項2】
前記アセンブリは、シェルであり、互いに連通する第1の収容空間及び第2の収容空間を有し、前記第2の収容空間は、前記第1の収容空間と前記外観部材との間に位置し、前記画像捕捉部は、前記第1の収容空間内に配置され、前記色変換部材は、前記第2の収容空間内に配置され、前記外観部材と該画像捕捉部との間に位置する、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項3】
前記第1の収容空間の先端は、前記第2の収容空間に連通され、前記アセンブリは、前記第2の収容空間内に接合面を有し、前記接合面は、前記第1の収容空間の前記先端を取り囲み、前記色変換部材は、前記接合面に接合される、
請求項2に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項4】
前記アセンブリは、ブラケットであり、前記外観部材に配置され、前記画像捕捉部の後端は、前記アセンブリに配置される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項5】
カバーをさらに含み、前記カバーは、前記外観部材に配置され、開口部を有し、前記色変換部材は、前記外観部材に嵌入され、前記画像捕捉部の一部は、前記開口部内に延在し、前記色変換部材に位置合わせされる、
請求項4に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項6】
前記色変換部材は、前記カバーに固定される、
請求項5に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項7】
封止部材をさらに含み、前記封止部材は、前記外観部材と前記カバーとの間に配置される、
請求項に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項8】
前記非透明色は、前記外観部材の色と同一である、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項9】
前記外観部材は、非透光領域及び透光領域を含み、前記非透光領域は前記透光領域に隣接し、前記透光領域は、前記色変換部材及び前記画像捕捉部に位置合わせされる、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項10】
前記非透明色は、前記非透光領域の色と同一である、
請求項9に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項11】
前記色変換部材は、エレクトロクロミックガラスを含む、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項12】
前記色変換部材は、透明導光板及び源を含み、前記光源は前記透明導光板に隣接し、前記非透明色と同一の色光を前記透明導光板に放射するのに適している、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項13】
前記光源は、不可視光を前記透明導光板に放射するのに適している、
請求項12に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項14】
感光素子をさらに含み、前記感光素子は、前記アセンブリに配置され、前記外観部材の外側の光強度を感知するのに適している、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項15】
前記外観部材の外側の物体と前記外観部材との間の距離が所定値未満である場合、前記色変換部材の色は前記透明色に変換される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項16】
前記外観部材は、車両のピラーの外装パネル、サイドミラー、フロント又はリアのサイドパネル、ドア、テールゲート、トランク、外装装飾パネル、フロントフード又は前後バンパーの一部である、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項17】
封止部材をさらに含み、前記封止部材は、前記外観部材と前記アセンブリとの間に配置される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項18】
前記色変換部材は、前記アセンブリに接着される、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【請求項19】
前記色変換部材は、前記アセンブリに係合する、
請求項1に記載の車両画像認識モジュール。
【外国語明細書】