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特開2024-155756高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置
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  • 特開-高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155756
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20241024BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20241024BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20241024BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01F38/14
H02J50/12
B60M7/00 X
B60L5/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056923
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0052735
(32)【優先日】2023-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524123861
【氏名又は名称】カントプス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ,ハク ソ
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヨン キ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ヨン ソン
【テーマコード(参考)】
5H105
【Fターム(参考)】
5H105BA01
5H105BB07
5H105CC02
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE13
(57)【要約】
【課題】既存の移送台車システムに別途の加工なく便利に設置できる電源供給装置を提供する。
【解決手段】本発明は、作業現場の天井に設置される移送トラックと、移送トラックに沿って移動可能に設置される移送台車と、高周波電流が流れる高周波トラックケーブルと、高周波トラックケーブルのケーブルホルダーと、移送トラックの他側面に設置される外部機器と、を含む移送台車システムにおいて、外部機器に電源を供給する電源供給装置であって、外部機器と隣接するケーブルホルダーの一側に設置されて、高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受ける無線電源生成モジュール及び無線電源生成モジュールに供給された誘導電力を外部機器の動作に必要な電圧に変換して外部機器に供給する電源変換モジュールを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場の天井にあらかじめ設定された経路に沿って設置される移送トラックと、前記移送トラックに沿って移動可能に設置される移送台車と、高周波電流が流れる導線として前記移送トラックの長さ方向に沿って並んで隣接配置される高周波トラックケーブルと、前記移送トラックの一側面から側方に延長形成されて一側が前記高周波トラックケーブルをグリップするケーブルホルダーと、前記移送トラックの他側面に設置される少なくとも1つの外部機器を含む移送台車システムから前記外部機器に電源を供給する電源供給装置において、
前記外部機器と隣接する前記ケーブルホルダーの少なくとも一側に設置されて、前記高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受ける無線電源生成モジュールと、
前記無線電源生成モジュールに供給された誘導電力を前記外部機器の動作に必要なあらかじめ設定された電圧に変換して前記外部機器に供給する電源変換モジュールと、
を含むことを特徴とする高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項2】
前記ケーブルホルダーの上部、下部または前記高周波トラックケーブルの側方の中の少なくとも1つ以上の位置に設置されて前記高周波トラックケーブルから発生する磁場の磁気抵抗が最小化するようにする磁気回路を形成する少なくとも1つの磁性体を含む磁性体モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項3】
前記無線電源生成モジュールは、
前記ケーブルホルダーの上面または下面の中の少なくとも一側に前記ケーブルホルダーに平行するように複数回巻線されて、前記高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受けるコイル巻線部と、
前記コイル巻線部に供給された誘導電力を直流電源に変換して、変換された直流電源を前記電源変換モジュールに供給する整流部と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項4】
前記コイル巻線部は、
前記ケーブルホルダーの上面に前記ケーブルホルダーに平行するように複数回巻線される第1コイル巻線部と、
前記ケーブルホルダーの下面に前記ケーブルホルダーに平行するように複数回巻線される第2コイル巻線部と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項5】
前記磁性体モジュールは、
前記第1コイル巻線部の上部に設置される第1磁性体と、
前記第2コイル巻線部の下部に設置される第2磁性体と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項6】
前記磁性体モジュールは、
前記高周波トラックケーブルの側方に設置される第3磁性体をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項7】
前記無線電源生成モジュールは、
前記第1コイル巻線部による磁場の方向と前記第2コイル巻線部による磁場の方向が一致するように前記第1コイル巻線部の一端と前記第2コイル巻線部の一端が連結されて、前記第1コイル巻線部の他端と前記第2コイル巻線部の他端が前記整流部に連結されることを特徴とする請求項4に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項8】
前記電源変換モジュールは、第1電源変換モジュールと第2電源変換モジュールを含み、前記整流部は第1整流部と第2整流部を含み、
前記無線電源生成モジュールは、
第1コイル巻線部と、前記第1コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第1整流部を含む第1無線電源生成モジュールと、
前記第2コイル巻線部と、前記第2コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第2整流部を含む第2無線電源生成モジュールと、
を含み、
前記第1無線電源生成モジュールは、前記第1電源変換モジュールに連結されて、前記第2無線電源生成モジュールは前記第2電源変換モジュールに連結されることを特徴とする請求項4に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【請求項9】
前記整流部は第1整流部と第2整流部を含み、
前記無線電源生成モジュールは、
第1コイル巻線部と、前記第1コイル巻線部の一端と他端が連結する前記第1整流部を含む第1無線電源生成モジュールと、
前記第2コイル巻線部と、前記第2コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第2整流部を含む第2無線電源生成モジュールと、
を含み、
前記第1無線電源生成モジュール及び前記第2無線電源生成モジュールを直列または並列に連結して前記電源変換モジュールに提供するスイッチモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源供給装置に関し、さらに詳細には、移送トラックや移送台車の状態をモニターリングするために設置される外部機器と隣接する移送台車システムの一側の高周波トラックケーブルが鋪設された機構物に別途の加工なく便利に設置でき、高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導で誘導電力の供給を受けて外部機器の動作に必要な電源を供給でき、既存の移送台車システムの構造変更または電源供給装置を付着するための加工作業を必要としない高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体やOLEDの生産ラインには移送対象物を移送するための移送台車としてOHT(Overhead Hoist Transport)を多く使用する。このようなOHTは作業現場の天井に設置されることによって作業者の接近が容易ではない。
【0003】
図1は従来の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システムの概略的な斜視図で、図2は従来の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システムの概略的な断面図である。図1に示すように、移送台車システム(1000’)は作業現場の天井にあらかじめ設定された移送経路に沿って設置される移送トラック(100’)と、移送トラック(100’)の下部に配置される移送台車(200’)と移送台車(200’)の上部一側から上方に延長形成される垂直アーム(301’)と垂直アーム(301’)の両端に延長形成される水平アーム(302’)及び水平アーム(302’)の両端に回転可能に設置されて、それぞれの移送トラック(100’)の上面に沿って移動する輪(303’)で構成されて、移送台車(200’)を移送トラック(100’)に沿って移動させる移送フレーム(300’)と、高周波電流が流れる導線として移送経路に沿って前記移送トラック(100’)に並んで隣接配置される高周波トラックケーブル(400’)と、一端部が移送トラック(100’)の一側面に結合されて、他端部が前記高周波トラックケーブル(400’)をグリップするケーブルホルダー(500’)と、垂直アーム(301’)に設置されて高周波トラックケーブル(300’)から発生する磁場による磁気誘導で誘導電力の供給を受けて移送台車(200’)の駆動に必要な電力を生成する無線電源生成手段(600’)を含んでなる。
【0004】
そして、無線電源生成手段(600’)は垂直アーム(301’)の両側に設置される集電コア(601’)と、集電コア(601’)の外周面に複数回巻線される集電コイル(602’)を含む。
【0005】
前述した移送台車システム(1000’)は無線電源生成手段(600’)を通じて供給される電力をあらかじめ設定された電圧の直流電源に変換して移送台車(200’)に供給することによって、移送台車(200’)を移動させることができる。
【0006】
一方、移送台車システム(1000’)は移送トラック(100’)の他側面に移送トラック(100’)や移送台車(200’)の状態をモニターリングするための別途の外部機器(700’)が備えられることができるが、このような外部機器(700’)は作業者の接近が容易ではない作業現場の天井に配置されることによって、これを駆動するための別途の電源供給設備を設置することが困難であるだけではなく、設置するとしても追加設備工事に伴う費用が発生するという問題がある。
【0007】
前述のような理由から、特許文献1には、高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導で生成される誘導電力の供給を受けるマグネチックカプラーをケーブルホルダー内部に設置して、これを通じて外部機器に電源を供給する高周波トラックケーブルを用いた無線電源供給基盤の台車移送システムが提案されている。
【0008】
しかし、前述した特許文献1はマグネチックカプラーがケーブルホルダー内部に設置できるように特殊に製作されたケーブルホルダーを使用しなければならないという問題と、既設置されたシステムに適用するためにはケーブルホルダーの構造を変更するか交替しなければならないという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2019-0045782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、移送トラックや移送台車の状態をモニターリングするために設置される外部機器と隣接する移送台車システムの一側の中の高周波トラックケーブルが鋪設された機構物に別途の加工なく便利に設置されて、高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導で誘導電力の供給を受けて外部機器動作に必要な電源を供給できるようにして、既存の移送台車システムの構造変更または電源供給装置を付着するための別途の機構物の加工作業を要しない高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による高周波トラックケーブルを用いた移送台車システム用外部機器の電源供給装置は、作業現場の天井にあらかじめ設定された経路に沿って設置される移送トラックと、前記移送トラックに沿って移動可能に設置される移送台車と、高周波電流が流れる導線として前記移送トラックの長さ方向に沿って並んで隣接配置される高周波トラックケーブルと、前記移送トラックの一側面から側方に延長形成されて一側が前記高周波トラックケーブルをグリップするケーブルホルダーと、前記移送トラックの他側面に設置される少なくとも1つの外部機器を含む移送台車システムから前記外部機器に電源を供給する電源供給装置において、前記外部機器と隣接する前記ケーブルホルダーの少なくとも一側に設置されて、前記高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受ける無線電源生成モジュール及び前記無線電源生成モジュールに供給された誘導電力を前記外部機器の動作に必要なあらかじめ設定された電圧に変換して前記外部機器に供給する電源変換モジュールを含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、ケーブルホルダーの上部、下部または前記高周波トラックケーブルの側方の中の少なくとも1つ以上の位置に設置されて、前記高周波トラックケーブルから発生する磁場の磁気抵抗が最小化するようにする磁気回路を形成する少なくとも1つの磁性体を含む磁性体モジュールをさらに含むことができる。
【0013】
そして、前記無線電源生成モジュールは、前記ケーブルホルダーの上面または下面の中の少なくとも一側に前記ケーブルホルダーに平行するように複数回巻線されて、前記高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受けるコイル巻線部及び前記コイル巻線部に供給された誘導電力を直流電源に変換して、変換された直流電源を前記電源変換モジュールに供給する整流部を含むことができる。
【0014】
一方、前記コイル巻線部は、前記ケーブルホルダーの上面に前記ケーブルホルダーに平行するように複数回巻線される第1コイル巻線部及び前記ケーブルホルダーの下面に前記ケーブルホルダーに平行するように複数回巻線される第2コイル巻線部を含むことができる。
【0015】
そして、前記磁性体モジュールは、前記第1コイル巻線部の上部に設置される第1磁性体及び前記第2コイル巻線部の下部に設置される第2磁性体を含むことができる。
【0016】
また、前記磁性体モジュールは、前記高周波トラックケーブルの側方に設置される第3磁性体をさらに含むことができる。
【0017】
一方、前記無線電源生成モジュールは前記第1コイル巻線部による磁場の方向と前記第2コイル巻線部による磁場の方向とが一致するように、前記第1コイル巻線部の一端と前記第2コイル巻線部の一端が連結されて、前記第1コイル巻線部の他端と前記第2コイル巻線部の他端が前記整流部に連結されることができる。
【0018】
そして、前記電源変換モジュールは第1電源変換モジュールと第2電源変換モジュールを含み、前記整流部は第1整流部と第2整流部を含み、前記無線電源生成モジュールは第1コイル巻線部と、前記第1コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第1整流部を含む第1無線電源生成モジュール及び前記第2コイル巻線部と、前記第2コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第2整流部を含む第2無線電源生成モジュールを含むが、前記第1無線電源生成モジュールは前記第1電源変換モジュールに連結されて、前記第2無線電源生成モジュールは前記第2電源変換モジュールに連結されることができる。
【0019】
また、前記整流部は第1整流と第2整流部を含み、前記無線電源生成モジュールは第1コイル巻線部と、前記第1コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第1整流部を含む第1無線電源生成モジュール及び前記第2コイル巻線部と、前記第2コイル巻線部の一端と他端が連結される前記第2整流部を含む第2無線電源生成モジュールを含むが、前記第1無線電源生成モジュール及び前記第2無線電源生成モジュールを直列または並列に連結して前記電源変換モジュールに提供するスイッチモジュールをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
前記のような本発明によれば、移送トラックや移送台車の状態をモニターリングするために設置される外部機器と隣接する移送台車システムの一側の中の高周波トラックケーブルが鋪設された機構物に別途の加工なく便利に設置されて、高周波トラックケーブルから発生する磁場による磁気誘導で誘導電力の供給を受けて外部機器動作に必要な電源を供給できる。また、既存移送台車システムの構造変更または電源供給装置を付着するための別途の機構物の加工作業を要しないので、それに伴う費用が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システムの概略的な斜視図である。
図2】従来の高周波トラックケーブルを用いた移送台車システムの概略的な断面図である。
図3】本発明による電源供給装置が適用された高周波トラックケーブルを用いた移送台車システムの概略的な斜視図である。
図4】本発明の第1実施例による無線電源生成モジュールを説明するための図面である。
図5】(a)及び(b)は本発明の第2及び第3実施例による無線電源生成モジュールを説明するための図面である。
図6】(a)及び(b)は本発明による無線電源生成モジュールの磁気抵抗減少効果を説明するための図面である。
図7】本発明による無線電源生成モジュールに対する無線電源生成手段の磁場の影響を説明するための図面である。
図8】本発明による無線電源生成モジュールのコイル巻線部の連結関係の一例を説明するための図面である。
図9】本発明による無線電源生成モジュールと電源変換モジュールの間の連結関係の一例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0023】
図面において同じ構成要素はできる限り同じ符号で示していることに留意する必要がある。また、発明の要旨をぼやかす公知機能及び構成に係る詳細な説明は省略する。
【0024】
図3は、本発明による電源供給装置が適用された高周波トラックケーブルを用いた移送台車システムの概略的な斜視図で、図4は本発明の第1実施例による無線電源生成モジュールを説明するための図面である。本発明の第1実施例による電源供給装置(1)は、作業現場の天井にあらかじめ設定された経路に沿って設置される一対の移送トラック(100)と、一対の移送トラック(100)の下部に配置される移送台車(200)と、移送台車(200)の上部一側から上方に延長形成される垂直アーム(301)と垂直アーム(301)の両端に延長形成される水平アーム(302)及び水平アーム(302)の両端に回転可能に設置されてそれぞれの移送トラック(100)の上面に沿って移動する輪(303)を含んで前記移送台車(200)を移送トラック(100)に沿って移動させる移送フレーム(300)と、高周波電流が流れる導線としてそれぞれの移送トラック(100)の長さ方向に沿って並んで隣接配置される高周波トラックケーブル(400)と、それぞれの移送トラック(100)の内側面から内側方に延長形成されて延長形成された一端が高周波トラックケーブル(400)をグリップする一対のケーブルホルダー(500)と、移送トラック(100)の外側面に設置される少なくとも1つの外部機器(700)と、を含む移送台車システム(1000)から外部機器(700)に電源を供給するため、無線電源生成モジュール(10)、電源変換モジュール(20)及び磁性体モジュール(30)を含んでなる。
【0025】
一方、移送フレーム(300)には、背景技術で説明されるように、垂直アーム(301)の両側に設置される集電コア(601)と、集電コア(601)の外周面に複数回巻線される集電コイル(602)を含み、高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受けてあらかじめ設定された電圧の直流電源に変換して移送台車(200)に供給する無線電源生成手段(600)が設置される。
【0026】
無線電源生成モジュール(10)は、高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場による磁気誘導により発生する誘導電力の供給を受けて電源変換モジュール(20)に提供するもので、コイル巻線部(11)及び整流部(図示しない)を含む。
【0027】
コイル巻線部(11)は、ケーブルホルダー(500)の上面にケーブルホルダー(500)に平行するように複数回巻線される第1コイル巻線部(11’)と、ケーブルホルダー(500)の下面にケーブルホルダー(500)に平行するように複数回巻線される第2コイル巻線部(11’’)を含んでなる。
【0028】
本実施例では図4のように、ケーブルホルダー(500)の上面と下面に第1コイル巻線部(11’)と第2コイル巻線部(11’’)が同時に設置される一例として図示するが、本発明はこれに限定されるのではなく、ケーブルホルダー(500)の上面に第1コイル巻線部(11’)だけが設置されるか、ケーブルホルダー(500)の下面に第2コイル巻線部(11’’)だけが設置される構造に形成されることができる。
【0029】
整流部(図示しない)はコイル巻線部(11)に供給される誘導電力を直流電源に変換して、変換された直流電源を電源変換モジュール(20)に供給する役割を果たす。電源変換モジュール(20)は、図3のように、外部機器(700)の内部一側に設置されて、無線電源生成モジュール(10)と有線ケーブル(C)を通じて連結されて、無線電源生成モジュール(10)により供給される直流電源をあらかじめ設定された電圧に転換して外部機器(700)に供給する役割を果たす。
【0030】
本実施例では図3に示すように、電源変換モジュール(20)が外部機器(700)の内部一側に設置されるのを一例として図示するが、本発明の電源変換モジュール(20)は外部機器(700)の外部一側または高周波トラックケーブル(400)の近辺など位置に限定されず設置でき、無線電源生成モジュール(10)と外部機器(700)を直列に連結するように設置される。
【0031】
磁性体モジュール(30)は、高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場の磁気抵抗が最小化するようにする磁気回路を形成するもので、図4のように、第1コイル巻線部(11’)の上部に設置される第1磁性体(31)と、第2コイル巻線部(11’’)の下部に設置される第2磁性体(32)及び高周波トラックケーブル(400)の側方に設置される第3磁性体(33)を含む。
【0032】
ここで、磁性体モジュール(30)は第1磁性体(31)、第2磁性体(32)及び第3磁性体(33)により形成される磁気回路を通じて高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場の磁気抵抗をよりはっきりと最小化できるように第3磁性体(33)の両端部が第1磁性体(31)及び第2磁性体(32)のそれぞれの端部に隣接するように配置される。
【0033】
そして、本実施例では磁性体モジュール(30)が第1磁性体(31)、第2磁性体(32)及び第3磁性体(33)に分離構成されるのを一例として説明するが、本発明はこれに限定されるのではなく、第1磁性体(31)、第2磁性体(32)及び第3磁性体(33)が一体に形成されることができる。
【0034】
また、本実施例では磁性体モジュール(30)が第1磁性体(31)、第2磁性体(32)及び第3磁性体(33)を含む構造を一例として図示するが、本発明はこれに限定されるのではなく、第3磁性体(33)が除外される構造に形成されることができる。
【0035】
図5の(a)及び(b)は、本発明の第2及び第3実施例による無線電源生成モジュールを説明するための図面である。
【0036】
図5に示すように、本発明の第2及び第3実施例による無線電源生成モジュール(10)は、磁性体モジュール(30)内にコイル巻線部(11)が配置される構造が異なるだけで、残りの構成は本発明の第1実施例と同じであるので、これに係る詳細な説明は省略する。
【0037】
さらに具体的に、本発明の第2実施例による無線電源生成モジュール(10)は(a)から分かるように、ケーブルホルダー(500)の下面にのみコイル巻線部(11)が設置されることができる。そして、本発明の第3実施例による無線電源生成モジュール(10)は(b)から分かるように、ケーブルホルダー(500)の上面にのみコイル巻線部(11)が設置されることができる。
【0038】
図6の(a)及び(b)は、本発明による無線電源生成モジュールの磁気抵抗減少効果を説明するための図面である。図6の(a)を参照すれば、高周波トラックケーブル(400)に流れる高周波電流により発生する磁場のパス(Path)は高周波トラックケーブル(400)の周辺に放射形に分布することが分かる。それにより、高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場は高周波トラックケーブル(400)から離れるほど磁気抵抗が増加するようになり、磁気抵抗が増加した磁場は無線電源生成モジュール(10)から誘導電力に変換されないようになる。
【0039】
それで、発明は図6の(b)から分かるように、無線電源生成モジュール(10)を構成する第1コイル巻線部(11’)の上部に設置される第1磁性体(31)、第2コイル巻線部(11’’)の下部に設置される第2磁性体(32)及び高周波トラックケーブル(400)の側方に設置される第3磁性体(33)を含む磁性体モジュール(30)を通じて高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場の磁気抵抗を最小化できる磁気回路を形成した。
【0040】
詳しく説明すると、高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場は磁性体モジュール(30)を通じて形成された磁気回路に沿って経由しながら移動中に磁気抵抗が最小化し、それにより高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場が無線電源生成モジュール(10)により多く伝達されるので、無線電源生成モジュール(10)を通じてより多くの誘導電力を生成できるようになる。
【0041】
図7は本発明による無線電源生成モジュールに対する無線電源生成手段の磁場影響を説明するための図面である。図7に示すように、無線電源生成手段(600)は前述のように、垂直アーム(301)の両側に設置される集電コア(601)と、集電コア(602)の外周面に複数回巻線される集電コイル(602)を含み、高周波トラックケーブル(400)から発生する磁場による磁気誘導により伝達される誘導電力の供給を受けてあらかじめ設定された電圧の直流電源に変換して移送台車(200)に供給することによって、移送台車(200)を移動させるようになる。
【0042】
この時、無線電源生成手段(600)を通じて供給される電力の容量は無線電源生成モジュール(10)を通じて供給される電力の容量より少なくとも数倍、多い場合は数十倍になる。そして、無線電源生成手段(600)の集電コイル(602)に流れる電流によりまた外部に磁場を誘導するようになる。この時、無線電源生成モジュール(10)の第1コイル巻線部(11’)及び第2コイル巻線部(11’’)は無線電源生成手段(600)により発生する外部磁場により干渉される問題が発生し得る。
【0043】
しかし、本発明は第1コイル巻線部(11’)の上部に設置される第1磁性体(31)、第2コイル巻線部(11’’)の下部に設置される第2磁性体(32)及び高周波トラックケーブル(400)の側方に配置される第3磁性体(33)を含む磁性体モジュール(30)に沿って図7のように、無線電源生成手段(600)により発生する外部磁場が移動する磁場のパス(Path)を形成するようになるので無線電源生成手段(600)により発生する外部磁場が無線電源生成モジュール(10)に干渉されることを防止することができる。
【0044】
図面に具体的に図示していないが、以下では本発明による電源供給装置の多様な一例について説明する。本発明による電源供給装置はケーブルホルダーの上面、下面に、第1コイル巻線部及び第2コイル巻線部が設置されて、第1コイル巻線部の上部に設置される第1磁性体及び第2コイル巻線部の下部に設置される第2磁性体を含む磁性体モジュールが設置される構造に形成されることができる。
【0045】
また、本発明による電源供給装置はケーブルホルダーの上面にのみコイル巻線部が設置されるか、ケーブルホルダーの下面にのみコイル巻線部が設置される構造に形成されることができる。それと共に、本発明による電源供給装置はケーブルホルダーの上面にのみコイル巻線部が設置されてコイル巻線部の上部に設置される磁性体を含む磁性体モジュールが設置される構造に形成されるか、ケーブルホルダーの下面にのみコイル巻線部が設置されてコイル巻線部の下部に設置される磁性体を含む磁性体モジュールが設置される構造に形成されることができる。
【0046】
前述した実施例は移送台車システムの一対の移送トラックの中の何れか1つの移送トラックに電源供給装置が設置されることと限定して説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、外部機器の設置位置及び個数によって移送トラックの両側に設置されるか移送トラックに沿って複数個が設置されることができる。
【0047】
前述のように、本発明による電源供給装置は外部機器と隣接する移送台車システムの一側に設置されて高周波トラックケーブルから発生する磁場を通じて電源を生成して外部機器に供給できるようにすることで、既存の移送台車システムの構造変更または電源供給のための別途の追加設備を要しないので、それに伴う費用が発生することを防止することができる。
【0048】
図8は本発明による無線電源生成モジュールのコイル巻線部の連結関係の一例を説明するための図面である。図8に示すように、本発明による無線電源生成モジュール(10)は第1コイル巻線部(11’)、第2コイル巻線部(11’’)、共振部(12)及び整流部(13)を含んで構成される。
【0049】
ここで、共振部(12)は第1コイル巻線部(11’)及び第2コイル巻線部(11’’)が連結される特性により決まるインダクターを考慮して構成されることができる。多くの場合、共振部(12)はキャパシターが用いられ、第1コイル巻線部(11’)及び第2コイル巻線部(11’’)に誘導される電力の変換効率を最大で増加させる役割を果たす。
【0050】
整流部(13)は、共振部(12)を通じて最大化した電力を直流電源に変換して電源変換モジュール(20)に提供する役割を果たす。一方、本発明はケーブルホルダーに平行するように複数回巻線される第1コイル巻線部(11’)と第2コイル巻線部(11’’)がケーブルホルダーの上面または下面に配置されるか、ケーブルホルダーを向き合って配置されることができる。
【0051】
この時、本発明は、第1コイル巻線部(11’)に生成される磁場の方向と第2コイル巻線部(11’’)により生成される磁場の方向が同じになるように、第1コイル巻線部(11’)の一端(A1)が第2コイル巻線部(11’’)の他端(A2’)と連結されて、第1コイル巻線部(11’)の他端(A2)と第2コイル巻線部(11’’)の一端(A1’)が共振部(12)に連結される構造を有する。
【0052】
前述のように、本発明による無線電源生成モジュール(10)は第1コイル巻線部(11’)と第2コイル巻線部(11’’)がケーブルホルダーの上面または下面に配置されるか、第1コイル巻線部(11’)と第2コイル巻線部(11’’)がケーブルホルダーを向き合って配置される場合、相互連結されて巻線数が増加することによってより高い電圧を有する誘導電力を生成することができ、整流部(13)を通じて生成された誘導電力を直流電源に変換して電源変換モジュール(20)に供給することによって、電源変換モジュール(20)を通じて直流電源を外部機器の動作に必要なあらかじめ設定された電圧に変換して外部機器に供給することができる。
【0053】
また、本発明の無線電源生成モジュールは図面に具体的に図示していないが、共振部が第1共振部と第2共振部に分離構成して、整流部が第1整流部と第2整流部と分離構成されることができる。そして、第1コイル巻線部はケーブルホルダーの上面または下面に配置されて第1共振部及び第1整流部と連結されて第1無線電源生成モジュールを構成して、第1整流部の出力が第1電源変換モジュールに連結されるように構成することができる。
【0054】
また、第2コイル巻線部はケーブルホルダーを向き合って第1コイル巻線部の対向側に配置されて第2共振部及び第2整流部と連結されて第2無線電源生成モジュールを構成して、第2整流部の出力が第2電源変換モジュールに連結されるように構成することができる。
【0055】
前述のような方式は、第1無線電源生成モジュール及び第2無線電源生成モジュールを通じて生成された誘導電力をそれぞれの第1整流部及び第2整流部を通じて直流電源に変換して、それぞれの第1電源変換モジュール及び第2電源変換モジュールを通じて外部機器の動作に必要なあらかじめ設定された電圧に変換して外部機器に供給することができる。
【0056】
図9は本発明による無線電源生成モジュールと電源変換モジュールとの間の連結関係の一例を説明するための図面である。図9に示すように、本発明による無線電源生成モジュール(10)は第1コイル巻線部(11’)、第1共振部(12’)及び第1整流部(13’)が順次連結される第1無線電源生成モジュール(10’)と、第2コイル巻線部(11’’)、第2共振部(12’’)及び第2整流部(13’’)が順次連結される第2無線電源生成モジュール(10’’)を含んで構成されることができる。
【0057】
また、第1無線電源生成モジュール(10’)と第2無線電源生成モジュール(10’’)を電源変換モジュール(20)と直列または並列に連結するスイッチモジュール(40)をさらに含んで構成されることができる。
【0058】
前述のように、本発明はスイッチモジュール(40)がさらに備えられることによって、第1無線電源生成モジュール(10’)及び第2無線電源生成モジュール(10’’)により生成された直流電源の電圧があらかじめ設定された電圧より低ければ第1無線電源生成モジュール(10’)及び第2無線電源生成モジュール(10’’)を直列に連結してあらかじめ設定された電圧を有する直流電源を外部機器に供給することができる。
【0059】
また、第1無線電源生成モジュール(10’)及び第2無線電源生成モジュール(10’’)により生成された直流電源の電圧の中の何れかの1つの電圧があらかじめ設定された電圧より高ければ、第1無線電源生成モジュール(10’)及び第2無線電源生成モジュール(10’’)を並列に連結してあらかじめ設定された電圧を有する直流電源を外部機器に供給することができる。
【0060】
本発明においては前述のように好ましい実施例について説明したが、発明の要旨と範囲から逸することなく多様な修正や変形をすることができる。したがって、添付の特許請求範囲は、本発明の要旨に属するこのような修正や変形を含む。
【符号の説明】
【0061】
1 電源供給装置
10 無線電源生成モジュール
10’ 第1無線電源生成モジュール
10’’ 第2無線電源生成モジュール
11 コイル巻線部
11’ 第1コイル巻線部
11’’ 第2コイル巻線部
12 共振部
12’ 第1共振部
12’’ 第2共振部
13 整流部
13’ 第1整流部
13’’ 第2整流部
20 電源変換モジュール
30 磁性体モジュール
31 第1磁性体
32 第2磁性体
33 第3磁性体
40 スイッチモジュール
100 移送トラック
200 移送台車
300 移送フレーム
301 垂直アーム
302 水平アーム
303 輪
400 高周波トラックケーブル
500 ケーブルホルダー
600 無線電源生成手段
601 集電コア
602 集電コイル
700 外部機器
C 有線ケーブル
1000 移送台車システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9