(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155767
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】開封が便利で液状の飲用が容易な二重剤形包装ポーチ
(51)【国際特許分類】
B65D 77/08 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
B65D77/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062676
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】10-2023-0051572
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524135967
【氏名又は名称】ジェイビーバイオ カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JBBIO CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1ho, 7-1, Yangnyeongjungang-ro 4-gil, Dongdaemun-gu, Seoul 02570, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】524135978
【氏名又は名称】コン ビョン マン
【氏名又は名称原語表記】KONG, Byoung Man
【住所又は居所原語表記】104-2303, 61, Donggureung-ro 103beon-gil, Guri-si, Gyeonggi-do 11914, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】コン ビョン マン
(72)【発明者】
【氏名】クォン ヒョク ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク イン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム ミ キョン
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA01
3E067AA11
3E067AB26
3E067AB81
3E067AC05
3E067BA12B
3E067BA12C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067CA07
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB01
3E067FB07
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】開封が便利で液状の飲用が容易な二重剤形包装ポーチを提供する。
【解決手段】本発明は、包装ポーチにおいて、多層レイヤーからなる長方形の包装フィルムの両端を密封接合して中空の収容空間を形成するポーチ部と、ポーチ部の上部開封部が密封接合されて形成された上端密封部と、ポーチ部の下部開封部が密封接合されて形成された下端密封部と、ポーチ部の上端から下方に延びる第1区画ラインと、ポーチ部の一側端から側方に延びる第2区画ラインとが相互連結されて形成され、第1区画ライン及び第2区画ラインに沿って包装ポーチの前後面を密封接合してその両側に丸薬収容室と水薬収容室を区画形成する密封区画部と、ポーチ部の上部に形成され、包装フィルムの多層レイヤーのうちの少なくとも1つのレイヤーが所定の仮想線に沿って切り取り形成された切り取り線部と、丸薬収容室の上部で上端密封部が所定区間切開されて形成された切開溝部と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重剤形包装ポーチにおいて、
多層レイヤーからなる長方形の包装フィルムの両端を密封接合して中空の収容空間を形成するポーチ部と、
前記ポーチ部の上部開封部が密封接合されて形成された上端密封部と、
前記ポーチ部の下部開封部が密封接合されて形成された下端密封部と、
前記ポーチ部の上端から下方に延びる第1区画ラインと、前記ポーチ部の一側端から側方に延びる第2区画ラインとが相互連結されて形成され、前記第1区画ライン及び第2区画ラインに沿って前記包装ポーチの前後面を密封接合してその両側に丸薬収容室と水薬収容室を区画形成する密封区画部と、
前記ポーチ部の上部に形成され、前記包装フィルムの多層レイヤーのうちの少なくとも1つのレイヤーが所定の仮想線に沿って切り取り形成された切り取り線部と、
前記丸薬収容室の上部で前記上端密封部が所定区間切開されて形成された切開溝部と、を含み、
前記切開溝部は、
前記丸薬収容室の上端中心部と前記第1区画ラインとの間で前記上端密封部の上端部が下方に所定区間切開されて形成され、
前記第2区画ラインは、前記第1区画ラインよりも厚さ及び幅のうちの1つ以上が相対的にさらに大きく形成されることを特徴とする、包装ポーチ。
【請求項2】
前記第1区画ラインは、前記ポーチ部の上端から垂直に下方延長され、
前記第2区画ラインは、前記ポーチ部の一側端から水平に側方延長されることを特徴とする、請求項1に記載の包装ポーチ。
【請求項3】
前記第1区画ラインは、前記包装ポーチの中心から他側に所定区間離隔することを特徴とする、請求項1に記載の包装ポーチ。
【請求項4】
前記切り取り線部は、前記包装ポーチの上部の一側端から他側端に延長形成される直線又は破線のいずれかからなる仮想線に沿って切り取り形成されることを特徴とする、請求項1に記載の包装ポーチ。
【請求項5】
前記第1区画ラインと前記第2区画ラインとの連結部は、湾曲した曲線からなることを特徴とする、請求項1に記載の包装ポーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封が便利で液状の飲用が容易な二重剤形包装ポーチに関し、より詳細には、薬品又は健康食品等を収容して包装する包装ポーチにおいて、その内部の収容空間を密封接合によって区画して2種類以上の製品を分離包装可能に構成し、さらには、区画された包装空間の開封を容易にする開封手段を提供することにより、2種類の製品の包装と服用を容易にする包装ポーチに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、病院や薬局などでは、医師や薬剤師の処方箋に従って内服薬を調製する場合、丸薬又はカプセル剤などと粉薬又は水薬などはそれぞれ形態が全く異なるため、患者をして、処方されたそれぞれの薬品を正確に区分して服用できるようにするために、丸薬又はカプセル剤などと粉薬又は水薬などをそれぞれ互いに区分して別々に分割包装した包装ポーチを患者に提供している。
【0003】
この場合、患者は、丸薬又はカプセル剤などの場合は、個数を数えるのが非常に容易であるため、1回の服用量を正確に区分して服用することができるのに対し、粉薬又は水薬などの場合は、定められた1回の投与量を正確に等分することが非常に困難であるため、処方された数日分の分量のうち、1日又は1回の服用量を正確に区分して服用することができないことが問題点として指摘されている。
【0004】
また、丸薬又はカプセル剤などと粉薬又は水薬などを単一の包装ポーチに1回服用量ずつ区分して包装する場合には、各薬品が互いに混ざり合い、これにより各薬品の薬用成分が変質するおそれがあることが問題点として指摘されている。
【0005】
したがって、従来は、水薬入りのボトルを包装するための薬瓶包装紙の両側の上端に起立状態で突設された両側合成樹脂板のそれぞれに丸薬を包装するための透明包装紙が形成されている丸薬包装付き水薬瓶(韓国公開実用新案公報第20-1994-0000432号参照)が提案されている。
【0006】
上記の先行技術(韓国公開実用新案公報第20-1994-0000432号)は、丸薬と水薬をそれぞれ分離して包装することができるという利点を期待することができる。
【0007】
しかし、丸薬の場合は、1回の服用量に該当する1粒ずつ別々に分離して包装することができるのに対し、水薬の場合は、1つの薬瓶に数回分量の水薬を入れた状態で包装するしかなく、服用者(患者)が一つの薬瓶に入った数回分の水薬のうち、1回の服用量を正確に計量して一定量ずつ分割して服用することが容易ではないため、医師や薬剤師が処方してくれた水薬を1回の分量ずつ正確に服用することが非常に難しいことが問題点として指摘されている。
【0008】
また、最近では、丸薬又はカプセル剤などと粉薬又は水薬などを別々に区分して分離包装することができるようにするポーチ(韓国公開特許公報第10-2021-0039613号)が提案されている。
【0009】
上記の先行技術(韓国公開特許公報第10-2021-0039613号)は、熱接合が可能な包装フィルムを素材として長方形に構成された包装ポーチに1つ以上の包装空間を形成するために、包装ポーチの上端部に左右一側又は左右両側のそれぞれに一つ以上の包装空間を別途形成するか、或いは包装ポーチの上端部の中央部分に別途形成される一つ
の包装空間を設ける手段であって、一つの包装ポーチに二つ以上の別個の包装空間を設けるが、前記包装ポーチの上端部に別途形成される包装空間は小さく、包装ポーチ全体に分布する包装空間は大きく形成されるように構成されている。
【0010】
上記の先行技術(韓国公開特許公報第10-2021-0039613号)は、丸薬又はカプセル剤などの薬品と粉薬又は水薬などの薬品を一つの包装ポーチに区分して分離包装することができるという利点と、一つの包装ポーチに分離包装されている2種類の薬品を服用しようとする患者をして、包装ポーチの上端部に形成されている開封部を一度に開封する開封手段であって、丸薬の包装された小さな包装空間と、水薬の包装された大きな包装空間を同時に開封することができるという利点はあるが、しかし、一つの包装ポーチの上端部を開封したとき、同時に開封される大きな包装空間の開封部と小さな包装空間の開封部を介して水薬と丸薬を同時に服用することがそれほど容易ではないというのが問題点として指摘されている。
【0011】
なぜなら、包装ポーチの上端部にさらに別途形成される小さな包装空間に挿入された状態で包装されている丸薬などは、小さな包装空間を形成する合成樹脂材質のうちの内・外面両側包装紙の内面同士の間に密着した状態で挟まれているため、容易に引き出されないのに対し、大きな包装空間に入っている水薬は、開封された開封部を介して容易に引き出されるため、開封された小さな或いは大きな包装空間に別々に包装されている水薬と丸薬を同時に服用することができなくなるので、通常、水薬を先に服用した後、小さな包装空間から引き出されないまま残っている丸薬は別に取り出して服用しなければならないことが問題点として指摘されており、また、水薬を服用した後、別に取り出して服用しようとする丸薬は再び水と共に別途服用しなければならないことが問題点として指摘されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開実用新案公報第20-1994-0000432号
【特許文献2】韓国公開特許公報第10-2021-0039613号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した従来技術の諸問題に鑑みて提案されたものであり、その目的は、一つの包装ポーチ内に密封によって区画された水薬収容室と丸薬収容室を別個に構成して薬品又は健康食品等の2種類以上の製品を分離包装し、包装された製品を用法に応じて個別に開封して服用することができるように開封を容易にする開封手段を提供することにより、2種類以上の製品を分離包装し、包装された製品の服用を容易にする二重剤形用包装ポーチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明は、包装ポーチにおいて、多層レイヤーからなる長方形の包装フィルムの両端を密封接合して中空の収容空間を形成するポーチ部と、前記ポーチ部の上部開封部が密封接合されて形成された上端密封部と、前記ポーチ部の下部開封部が密封接合されて形成された下端密封部と、前記ポーチ部の上端から下方に延びる第1区画ラインと、前記ポーチ部の一側端から側方に延びる第2区画ラインとが相互連結されて形成され、前記第1区画ライン及び第2区画ラインに沿って前記包装ポーチの前後面を密封接合してその両側に丸薬収容室と水薬収容室を区画形成する密封区画部と、前記ポーチ部の上部に形成され、前記包装フィルムの多層レイヤーのうちの少なくとも1つのレイヤーが所定の仮想線に沿って切り取り形成された切り取り線部と、前記丸薬収容室の上部で上端密封部が所定区間切開されて形成された切開溝部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記切開溝部は、前記丸薬収容室の上端中心部と前記第1区画ラインとの間に形成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記第1区画ラインは、前記ポーチ部の上端から垂直に下方延長され、前記第2区画ラインは、前記ポーチ部の一側端から水平に側方延長されることを特徴とする。
【0017】
また、前記第1区画ラインは、前記包装ポーチの中心から他側に所定区間離隔することを特徴とする。
【0018】
また、前記第2区画ラインは、前記第1区画ラインよりも厚さ及び幅のうちの1つ以上が相対的にさらに大きく形成されることを特徴とする。
【0019】
また、前記切り取り線部は、前記包装ポーチの上部の一側端から他側端に延長形成される直線又は破線のいずれかからなる仮想線に沿って切り取り形成されることを特徴とする。
【0020】
また、前記第1区画ラインと前記第2区画ラインとの連結部は、湾曲した曲線からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上述した構成によって、本発明の包装ポーチは、以下の特徴的な利点を提供する。
【0022】
1)本発明の包装ポーチは、収容空間を区画する密封区画部を基準としてその両側に丸薬収容室と水薬収容室を分割区画することにより、丸薬又は水薬などからなる2種類の製品を1つの包装ポーチにそれぞれ分離して包装することができ、よって、2種類の成分が互いに混ざらないように安全に包装できるようにするという効果がある。
【0023】
2)また、上述したように別個に構成された丸薬収容室と水薬収容室のそれぞれを別途開封することができる切開溝部と切り取り線部を提供することにより、丸薬又は水薬などからなる2種類の製品を順次取得して服用可能にしており、これにより、1つの包装ポーチ内に包装された2種類の製品を定められた用法に合わせて服用可能にするという利点がある。
【0024】
3)また、密封区画部によって区画され、包装ポーチの上端に形成された水薬収容室の開封部を狭く形成することにより、水薬形態の液状からなる製品の排出と服用を容易にするという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の好適な実施形態による包装ポーチを示す斜視図である。
【
図2】本発明の好適な実施形態による包装ポーチを示す正面図である。
【
図3】本発明の好適な実施形態による包装ポーチを示す背面図である。
【
図4】本発明の好適な実施形態による包装ポーチの丸薬収容室の開封方向を示す概念図である。
【
図5】本発明の好適な実施形態による包装ポーチの丸薬収容室が開封された状態を示す概念図である。
【
図6】本発明の好適な実施形態による包装ポーチの水薬収容室の開封方向を示す概念図である。
【
図7】本発明の好適な実施形態に係る包装ポーチの水薬収容室が開封された状態を示す概念図である。
【
図8】本発明の一実施形態による包装ポーチを示す正面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態の包装ポーチを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を好適な実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
下記の各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一の符号を持つようにし、本発明の要旨を不必要に不明瞭にするおそれがあると判断された公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略する。
【0028】
本発明は、薬品又は健康食品などを収容して包装する包装ポーチに関し、その内部の収容空間を密封接合によって区画して2種類以上の製品を分離包装可能に構成し、さらには、区画された包装空間の開封を容易にする開封手段を提供することにより、2種類の製品(ここでは、「二重剤形」とする)の包装と服用を容易にする包装ポーチに関する。
【0029】
以下、本発明の構成を説明するにあたり、丸薬と水薬を含む2種類以上の薬品を包装する実施形態を基準とするが、本発明は、これに限定されるものではなく、薬品だけでなく、健康食品、健康機能食品、健康補助食品、その他の服用可能な固体型食品、又はその他の飲用可能な飲料などを含む製品のうちの1つ以上の製品を包装する包装ポーチとして使用できると理解されるべきである。
【0030】
図1は、本発明の好適な実施形態による包装ポーチを示す斜視図、
図2は正面図、
図3は背面図である。
【0031】
図示の如く、本発明の包装ポーチは、多層レイヤーからなる長方形の包装フィルムの両端を密封接合して中空の収容空間を形成してポーチ部1を構成し、前記ポーチ部1の上部開封部が密封接合されて形成された上端密封部60と、前記ポーチ部1の下部開封部が密封接合されて形成された下端密封部70と、を含んでなる。また、前記ポーチ部1の内部収容空間を区画するように形成された密封区画部30と、前記ポーチ部1の開封を容易にする切開溝部50及び切り取り線部40と、を含む。
【0032】
前記ポーチ部1は、丸薬100と水薬(図示せず)を収容して包装可能な多層のレイヤーから構成された包装フィルムで作られる。
【0033】
より詳細には、前記ポーチ部1は、長方形の熱接着が可能な多層レイヤーから構成された合成樹脂素材の包装フィルムで作られるが、その両端を熱接着などで密封接着することにより、円筒形からなる中空の収容空間を形成する。例えば、前記ポーチ部1は、1枚の包装フィルムを幅方向に巻いて重なり合う両端部分を熱接合させる方法であって、その内径が狭い円筒状の収容空間を形成し、熱接合がなされた接合部を後面に配置し、前後方に加圧して幅の狭い長方形のポーチ形状を取得することができる。前記ポーチ部1は、このような過程を介して、包装しようとする被包装物(丸薬、水薬など)を包装するための包装空間を形成することができる。前記ポーチ部1の開放された上、下部は密封処理されるが、本発明の好適な実施形態において、前記ポーチ部1の上、下部の開放部は熱接合で密封処理されて上、下端の開封部60、70が形成される。
【0034】
一方、本発明のポーチ部1は、2種類以上の薬品を互いに分離収容して包装可能に構成される。例えば、薬局や病院などで各種疾患(風邪、インフルエンザなど)を治療するために処方する薬品は、2種類以上からなることができ、このとき、丸薬又はカプセル剤など、及び粉薬又は水薬などが含まれることができる。したがって、2種類以上の薬品は、
互いに混ざらないように区分して包装される必要があり、本発明は、これらの2種類以上の薬品を包装するために互いに分離されて区画形成された収容空間を提供する。すなわち、二重剤型包装ポーチからなる。
【0035】
本発明は、2種類の薬品を互いに混ざらないように区分して前記ポーチ部1内に包装することができるように、丸薬又はカプセル剤など(以下、「丸薬」と統称する)を包装するための丸薬収容室10と、水薬又は粉薬など(以下、「水薬」と統称する)を包装するための水薬収容室20が前記ポーチ部1内に区画されて分離形成される。
【0036】
このために、前記ポーチ部1の内部収容空間を丸薬収容室10と水薬収容室20に区画する密封区画部30が形成される。
【0037】
前記密封区画部30は、ポーチ部1の上端中心部、言い換えれば、前記上端密封部60の下端から下方に延びる第1区画ライン31と、前記ポーチ部1の一側端から側方に延びる第2区画ライン32とが相互連結されて形成され、前記第1区画ライン31及び第2区画ライン32に沿って前記ポーチ部1の前後面を密封接合して前記第1区画ライン31を基準にして一側に丸薬収容室10、他側に水薬収容室20をそれぞれ区画形成する。
【0038】
本発明の好適な実施形態において、前記第1区画ライン31は、前記ポーチ部1の上端中心部から垂直に下方延長され、前記第2区画ライン32は、前記ポーチ部の一側端から水平に側方延長されるように構成される。しかし、前記第1区画ライン31及び第2区画ライン32は、必要に応じて、垂直又は水平において所定の角度をなして斜めに延びる延長方向を有してもよい。
【0039】
また、本発明の一実施形態において、前記第1区画ライン31は、前記ポーチ部1の中心軸から一側又は他側に所定区間離隔して形成されることができる。この実施形態は、前記ポーチ部1の後面に配置された後面接合部80の位置を回避して第1区画ライン31の位置を決定したものであり、前記第1区画ライン31を介した密封接合が後面接合部80によって干渉されないようにするためである。
【0040】
前記ポーチ部1に形成された密封区画部30は、前記ポーチ部1の上端部の中心から下方に延長形成され、これにより、前記ポーチ部1の上部開封部の一側は丸薬収容室10の開封部を形成し、他側は水薬収容室20の開封部を形成する。したがって、前記水薬収容室20の上部に形成された開封部は、前記水薬収容室20の下部に比べて相対的に狭い入口を形成し、このような狭い水薬収容室20の開封部は、液状からなる水薬に注ぎ出すなどの排出を容易にするか、或いは狭い水薬収容室20の開封部を口に入れて吸入して服用する過程を容易にすることができる。
【0041】
本発明の一実施形態において、上述した利点を最大化することができるように、前記第1区画ライン31が前記ポーチ部1の中心軸から他側、すなわち前記水薬収容室20側に所定区間さらに移動して構成されることができる。
図8は、このように構成された本発明の一実施形態の第1区画ライン31aを含む密封区画部30aを示している。この実施形態において、前記第1区画ライン31aは、中心から他側に移動し、これにより前記第2区画ライン32aが他側に所定区間さらに延長されることにより、前記ポーチ部1の上端に形成された水薬収容室20の開封部がさらに狭く形成されることができる。
【0042】
一方、本発明の好適な実施形態において、前記第1区画ライン31と前記第2区画ライン32との連結部は、湾曲した曲線からなる。
【0043】
本発明のポーチ部1は、包装フィルムで出来ているので、外部から印加される圧力の影
響を受けることができ、圧力によって破裂した場合、内容物が流出して服用が不可能になることがある。特に、前記丸薬収容室10の内部には、丸薬と一緒に空気が収容され、前記水薬収容室20の内部には、液状の水薬が充填されて密封されるので、印加された外力が前記丸薬収容室10と水薬収容室20全体に伝達されることができる。このとき、前記密封区画部30が直角を形成する場合、そのコーナーに応力が集中することができるので、前記第1区画ライン31と前記第2区画ライン32との連結部を、湾曲した曲線で形成することにより、外部圧力による応力が前記第1区画ライン31と前記第2区画ライン32との連結部に集中することを防止することができる。
【0044】
一方、本発明の一実施形態において、密封区画部を構成する第2区画ラインは、第1区画ラインよりも厚さ又は幅が相対的にさらに大きく形成される。
図9は、このように構成された本発明の一実施形態の第2区画ライン32bを含むシール区画部30bを示している。
【0045】
後述する切開溝部50によって丸薬収容室10の開封時の切開方向が前記第2区画ライン32bに向かうことができるため、切開面が前記第2区画ライン32bを貫通して進行する可能性がある。この場合、前記ポーチ部1が引き裂かれることにより、前記水薬収容室20の一部が開放されて水薬の漏れが発生するおそれがあるが、これを防止するために第2区画ライン32bの厚さ又は幅を第1区画ライン31bよりも大きく形成して剛性を増大させることにより、上述した問題を解決することができる。
【0046】
一方、本発明の好適な実施形態において、前記ポーチ部1内の丸薬収容室10は、丸薬又はカプセル剤などを収容するための空間であり、その用途に応じて小さな収容空間を形成するように構成できる。これに対し、前記ポーチ部1内の水薬収容室20は、水薬又は粉薬などを包装するために、前記丸薬収容室10に比べて相対的に大きな収容空間を形成するように構成することが好ましい。
【0047】
図示の如く、前記丸薬収容室10は、前記ポーチ部1内の前記第1区画ライン31の一側部と第2区画ライン32の上部に形成され、前記水薬収容室20は、前記丸薬収容室10を除いた前記ポーチ部1内の残りの部分を全て含む。したがって、前記丸薬収容室10に比べて前記水薬収容室20が相対的に大きな収容空間を有し、このような構成は、通常処方される丸薬に比べて水薬の体積が相対的に大きい構成に対応したものである。
【0048】
また、上述したように、前記ポーチ部1に形成された密封区画部30は、前記ポーチ部1の上端部の中心から下方に延長形成され、これにより前記ポーチ部1の上部開封部の一側は丸薬収容室10の開封部を形成し、他側は水薬収容室20の開封部を形成する。したがって、前記水薬収容室20の上部に形成された開封部は、前記水薬収容室20の下部の幅に比べて狭く形成され、このような狭い水薬収容室20の開封部を介して液状からなる水薬を注ぎ出すなどの排出を容易にするか、或いは狭い水薬収容室20の開封部を口に入れて吸入して服用する過程を容易にすることができる。
【0049】
以下、
図4~
図7を参照して、本発明の切り取り線部40及び切開溝部50を用いた包装ポーチの開封構造を詳細に説明する。
【0050】
図4は、本発明の好適な実施形態による包装ポーチの丸薬収容室の開封方向を示す概念図であり、
図5は、丸薬収容室が開封された状態を示す概念図である。
図6は、本発明の好適な実施形態による包装ポーチの水薬収容室の開封方向を示す概念図であり、
図7は、水薬収容室が開封された状態を示す概念図である。
【0051】
本発明の好適な実施形態において、前記ポーチ部1の丸薬収容室10と水薬収容室20
は同時に開封可能であるが、それぞれ個別に開封して、開封された薬を順次服用可能に構成される。例えば、本発明のポーチ部1は、前記丸薬収容室10に収容された丸薬を先に開封して服用者の口に投与し、その後、前記水薬収容室20に収容された水薬を吸入することにより、水薬と一緒に丸薬が容易に嚥下されるように便宜性を提供することができる。
【0052】
このために、本発明の包装ポーチは、前記ポーチ部1の上部に形成され、前記包装フィルムの多層レイヤーのうちの少なくとも1つが所定の仮想線に沿って切り取り形成された切り取り線部40と、前記丸薬収容室10の上部位置において前記上端密封部60の上端部が下方に所定区間切開されて形成された切開溝部50と、を含む。
【0053】
本発明の好適な実施形態において、前記切開溝部50は、前記丸薬収容室10の開封が容易であるように前記上端密封部60に形成される。前記切開溝部50は、前記上端密封部60の上端部を所定区間切開して構成され、さらに好ましくは、V字状に切開形成されたV溝からなることができる。したがって、前記上端密封部60は、所定の外力を印加するときに前記切開溝部50の切開方向に沿って切開が行われるため、弱い力でも前記丸薬収容室10を開封することができる。
【0054】
したがって、ユーザは、上端密封部60を把持した後、前記切開溝部50を基準として一側方向(好ましくは、側方向)に加圧すると、前記切開溝部50を始点として前記上端密封部60が破れ始め、前記丸薬収容室10に沿って前記ポーチ部1のフィルムが対角線に破れて丸薬収容室10が開封される。したがって、ユーザは、前記丸薬収容室10に沿って対角線に開放された開封部Aを介して容易に丸薬を取得することができる。このように対角線に開放された開封部は、後述する切り取り線部40によって開放されたポーチ部1の上部の開封部に比べて相対的に大きさを大きく形成することができるので、前記丸薬収容室10に収容された丸薬を容易に取り出すことができるようにするという利点を提供する。
【0055】
さらに好ましくは、前記切開溝部50は、前記丸薬収容室10の上端中心部と前記第1区画ライン31との間に構成される。この場合、前記切開溝部50は、前記第1区画ライン31に隣接して形成されることができるので、前記丸薬収容室10の開封時に開封部の大きさを大きく形成することができるという利点を有する。
【0056】
一方、前記水薬収容室20を開封するための前記切り取り線部40は、前記ポーチ部1の上部に水平に形成され、好ましくは、前記ポーチ部1の上部の一側端から他側端に延長形成される直線又は破線のいずれかからなる仮想線に沿って切り取り形成される。
【0057】
前記切り取り線部40は、前記ポーチ部1のフィルムを構成する多層レイヤーのうちの少なくとも1つのレイヤーを予め切り取って形成し、よって、前記切り取り線部40に加圧が行われると、予め切り取り形成されたレイヤーを含む切り取り線部40に沿って前記ポーチ部1の上部が開封されることができる。
【0058】
本発明の好適な実施形態において、前記切り取り線部40は、前記上端密封部60に隣接する位置に形成されるようにすることにより、前記水薬収容室20の開封部Bを介して内部の水薬が開封過程で漏れるのを防ぐことができる。また、本発明の前記切り取り線部40は、前記水薬収容室20の開封のために構成されるが、製造工程の単純化による製造の容易性のために、前記丸薬収容室10と水薬収容室20を全て横切るように形成される。したがって、前記切り取り線部40を介して前記ポーチ部1の上部を一度に開封して丸薬収容室10の丸薬と前記水薬収容室20の水薬を同時に服用することもでき、前記丸薬収容室10と水薬収容室20をそれぞれ個別に開封することもできる。
【0059】
次に、このように構成された本発明の好適な実施形態による作用効果を説明する。
【0060】
まず、本発明の好適な実施形態は、幅が狭い長方形の形態でポーチ部1が製造され、このとき、前記密封区画部30を基準として左上側(図面基準)の丸薬収容室10には、体積が小さい大きさの固形体に製造及び加工される丸薬100が少量の個数で挿入包装され、前記密封区画部30を基準に、右下側の水薬収容室20には、丸薬等の摂取に役立てることができる十分な分量の水薬などが注入包装されている。よって、前記丸薬収容室10と水薬収容室20にそれぞれ包装される丸薬と水薬とは、互いに混ざらないように分離して包装できる。
【0061】
前記ポーチ部1の丸薬収容室10と水薬収容室20のそれぞれに分割包装されている丸薬と水薬を順次服用しようとするときは、まず、前記丸薬収容室10の上端の上端密封部60を把持した後、側方に加圧して開封することができ、この過程で、前記切開溝部50を始点として前記丸薬収容室10が対角線に切開されて開封される。服用者(患者)は、このように開封された前記丸薬収容室10の開封部Aを介して、その中に入っている丸薬を取得することができる。
【0062】
次いで、服用者は、前記水薬収容室20の上部に形成された上端密封部60を把持した後、所定の方向に加圧して前記切り取り線部40に沿って前記水薬収容室20を開封することができる。好ましくは、前記水薬収容室20の開封部Bは、服用者の口を当てて内容物である水薬を吸入するように構成され、このとき、前記水薬収容室20の狭く形成された開封部が吸入を容易にすることができる。
【0063】
したがって、前記丸薬収容室10から取得した丸薬と一緒に前記水薬収容室20の水薬を同時に摂取することができるので、丸薬の喉越しを容易にして薬剤の服用を容易にすることができる。
【0064】
以上、本発明の開封が便利で液状の飲用が容易な包装ポーチの好適な実施形態を詳細に説明したが、これは、本発明に対する理解を助けるために特定の例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施形態の他にも、本発明の技術的思想に基づいた他の変形例が実施可能であるのは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に自明である。
【符号の説明】
【0065】
1 ポーチ部
10 丸薬収容室
20 水薬収容室
30 密封区画部
31 第1区画ライン
32 第2区画ライン
40 切り取り線部
50 切開溝部
60 上端密封部
70 下端密封部
80 後面接合部
100 丸薬