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特開2024-155772合金組成物及び該組成物から形成された物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155772
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】合金組成物及び該組成物から形成された物品
(51)【国際特許分類】
   C22C 19/05 20060101AFI20241024BHJP
   C22C 30/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C22C19/05 L
C22C30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024063051
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】18/303,254
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クイ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー、ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】アーネット、マイケル ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】レイロック、マシュー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】トリソン、ブライアン リー
(57)【要約】
【課題】良好な溶接性及び高温での総合的機械的特性が得られるニッケル基超合金を提供する。
【解決手段】本組成物は、約17重量%~約20重量%のクロム、約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、約10重量%~約14重量%のコバルト、約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約0.25重量%未満の炭素、約0.60重量%未満のチタン、及び残部のニッケル及び不可避不純物を含む。本合金組成物は、溶接プロセス、積層造形プロセス、金属鋳造プロセス、コーティングプロセス、補修プロセス、粉末冶金及び/又はそれらの組合せを含む、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.60重量%未満のチタン、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物。
【請求項2】
当該組成物が約2.0重量%~約6.0重量%のモリブデンを含む、或いは当該組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
当該組成物が約4.0重量%乃至約6.0重量%未満のアルミニウムを含む、或いは当該組成物が約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
当該組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン及び約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約0.03重量%未満のイットリウム、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約0.50重量%未満のマンガン、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.30重量%未満のケイ素、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.015重量%のホウ素、
約0.50重量%未満のタングステン、
約0.35重量%未満のタンタル、
約0.60重量%未満のチタン、
約0.70重量%未満のジルコニウム、
約0.85重量%未満のニオブ、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約0.03重量%未満のイットリウム、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約0.50重量%未満のマンガン、
約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン、
約0.30重量%未満のケイ素、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.015重量%のホウ素、
約0.50重量%未満のタングステン、
約0.35重量%未満のタンタル、
約0.60重量%未満のチタン、
約0.70重量%未満のジルコニウム、
約0.85重量%未満のニオブ、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
当該組成物が約1700°F~約2100°Fのγ′固溶温度を有する、或いは当該組成物が約1800°F~約2000°Fのγ′固溶温度を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
当該組成物が約40%~約75%のγ′体積分率を有する、或いは当該組成物が約45%~約70%のγ′体積分率を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
当該組成物が、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物及び/又は補修用組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.60重量%未満のチタン、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物を使用する方法であって、当該方法が、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せからなる群から選択される目的に前記組成物を使用することを含む、方法。
【請求項11】
前記組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン及び約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
組成物を含む物品であって、前記組成物が、
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.60重量%未満のチタン、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、物品。
【請求項13】
当該物品がガスタービンのブレード又はガスタービンのブレードのスキーラチップである、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
当該物品が、ノズル、シュラウド、スプラッシュプレート、燃焼器部品及びこれらの組合せからなる群から選択されるガスタービンの部品である、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン及び約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、請求項13に記載の物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術の分野は、広義には組成物に関し、さらに具体的には合金組成物、合金組成物の使用方法並びに合金組成物で形成された物品に関する。合金組成物は、溶接プロセス、積層造形プロセス、金属鋳造プロセス、コーティングプロセス、補修プロセス、粉末冶金及び/又はそれらの組合せを始めとする、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【0002】
ニッケル基超合金には、従前、アルミニウム含有量の低い比較的易溶接性の超合金と、アルミニウム含有量の高い難溶接性の超合金とがあった。難溶接性超合金は溶接性に劣るため、用途が限られている。このことは、特にかかる超合金を溶加材として使用しようとする場合に当てはまる。
【0003】
ニッケル基超合金は、米国特許第10577680号に記載されている。この文献では、Al含有量は2.72~3.9%に高められており、従来の市販の溶加材よりも高いが、合金は良好な溶接性を示す。ただし、このAl含有量は依然として先進ニッケル基超合金よりも低い。
【0004】
ニッケル基超合金は、米国特許第10640849号にも記載されている。この文献では、合金は高いAl含有量を有し、良好な溶接性を示す。ただし、この合金系は単純である。この合金の特性を改善するには、合金系にもっと多くの元素を追加する必要がある。
【0005】
そこで、良好な溶接性及び高温での総合的機械的特性が得られるニッケル基超合金が必要とされいてる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第10577680号
【特許文献2】米国特許第10640849号
【発明の概要】
【0007】
一態様では、組成物を提供する。組成物は、約17重量%~約20重量%のクロム、約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、約10重量%~約14重量%のコバルト、約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約0.25重量%未満の炭素、約0.60重量%未満のチタン、及び残部のニッケル及び不可避不純物を含む。
【0008】
別の態様では、組成物を使用する方法を提供する。組成物は約17重量%~約20重量%のクロム、約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、約10重量%~約14重量%のコバルト、約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約0.25重量%未満の炭素、約0.60重量%未満のチタン、及び残部のニッケル及び不可避不純物を含む。本方法は、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せから選択される目的に組成物を使用することを含む。
【0009】
さらに別の態様では、組成物を含む物品を提供する。組成物は約17重量%~約20重量%のクロム、約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、約10重量%~約14重量%のコバルト、約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約0.25重量%未満の炭素、約0.60重量%未満のチタン、及び残部のニッケル及び不可避不純物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示技術の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。図面において、同様の符号は同様の部材を表す。
図1】本開示技術に係る組成物の例示的な状態図。
図2A】本開示技術に係る4.5重量%のAlを含む組成物の金属学的評価の例の結果を示す図。
図2B】本開示技術に係る5.0重量%のAlを含む組成物の金属学的評価の例の結果を示す図。
図2C】本開示技術に係る5.5重量%のAlを含む組成物の金属学的評価の例の結果を示す図
図2D】本開示技術に係る6.0重量%Alを含む組成物の金属学的評価の例の結果を示す図
図3A】熱衝撃溶接後熱処理(PWHT)前の本開示技術に係る組成物での溶接試験の例の結果を示す図。
図3B】熱衝撃溶接後熱処理(PWHT)後の本開示技術に係る組成物での溶接試験の例の結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
今回、本開示技術に係る組成物は溶接に使用できるという予想外の知見が得られた。組成は、他の合金組成と比較して、Co、Al、Fe及びMoの元素含有量が異なる。Al及びMo含有量が特に顕著である。本組成物は、優れた溶接特性、優れた鋳造特性、高いアルミニウム含有量に起因する優れた耐酸化性、良好な機械的特性、高いγ′(ガンマプライム)体積分率及び高いγ′固溶温度(ソルバス温度)を示す。本開示技術に係る組成物は、限定されるものではないが、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せを始めとして、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、公知のニッケル基超合金の短所を少なくともある程度解消する。本明細書に記載の例示的な実施形態は、組成物を包含する。本組成物は、約17重量%~約20重量%のクロム、約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、約10重量%~約14重量%のコバルト、約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約0.25重量%未満の炭素、約0.60重量%未満のチタン、及び残部のニッケル及び不可避不純物を含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のクロム(Cr)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はCrを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約17重量%~約20重量%のクロムを含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、組成物は、約17.0重量%以上のCr、約17.1重量%以上のCr、約17.2重量%以上のCr、約17.3重量%以上のCr、約17.4重量%以上のCr、約17.5重量%以上のCr、約17.6重量%以上のCr、約17.7重量%以上のCr、約17.8重量%以上のCr、約17.9重量%以上のCr、約18.0重量%以上のCr、約18.1重量%以上のCr、約18.2重量%以上のCr、約18.3重量%以上のCr、約18.4重量%以上のCr、約18.5重量%以上のCr、約18.6重量%以上のCr、約18.7重量%以上のCr、約18.8重量%以上のCr、約18.9重量%以上のCr、約19.0重量%以上のCr、約19.1重量%以上のCr、約19.2重量%以上のCr、約19.3重量%以上のCr、約19.4重量%以上のCr、約19.5重量%以上のCr、約19.6重量%以上のCr、約19.7重量%以上のCr、約19.8重量%以上のCr又は約19.9重量%以上のCrを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約17.1重量%以下のCr、約17.2重量%以下のCr、約17.3重量%以下のCr、約17.4重量%以下のCr、約17.5重量%以下のCr、約17.6重量%以下のCr、約17.7重量%以下のCr、約17.8重量%以下のCr、約17.9重量%以下のCr、約18.0重量%以下のCr、約18.1重量%以下のCr、約18.2重量%以下のCr、約18.3重量%以下のCr、約18.4重量%以下のCr、約18.5重量%以下のCr、約18.6重量%以下のCr、約18.7重量%以下のCr、約18.8重量%以下のCr、約18.9重量%以下のCr、約19.0重量%以下のCr、約19.1重量%以下のCr、約19.2重量%以下のCr、約19.3重量%以下のCr、約19.4重量%以下のCr、約19.5重量%以下のCr、約19.6重量%以下のCr、約19.7重量%以下のCr、約19.8重量%以下のCr、約19.9重量%以下のCr又は約20.0重量%以下のCrを含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のアルミニウム(Al)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は、約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウムを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約4.0重量%~約6.0重量%のアルミニウムを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、組成物は、約4.0重量%以上のAl、約4.1重量%以上のAl、約4.2重量%以上のAl、約4.3重量%以上のAl、約4.4重量%以上のAl、約4.5重量%以上のAl、約4.6重量%以上のAl、約4.7重量%以上のAl、約4.8重量%以上のAl、約4.9重量%以上のAl、約5.0重量%以上のAl、約5.1重量%以上のAl、約5.2重量%以上のAl、約5.3重量%以上のAl、約5.4重量%以上のAl、約5.5重量%以上のAl、約5.6重量%以上のAl、約5.7重量%以上のAl、約5.8重量%以上のAl、約5.9重量%以上のAl、約6.0重量%以上のAl、約6.1重量%以上のAl、約6.2重量%以上のAl、約6.3重量%以上のAl、約6.4重量%以上のAl、約6.5重量%以上のAl、約6.6重量%以上のAl、約6.7重量%以上のAl、約6.8重量%以上のAl、約6.9重量%以上のAl、約7.0重量%以上のAl、約7.1重量%以上のAl、約7.2重量%以上のAl、約7.3重量%以上のAl、約7.4重量%以上のAl、約7.5重量%以上のAl、約7.6重量%以上のAl、約7.7重量%以上のAl、約7.8重量%以上のAl、約7.9重量%以上のAl、約8.0重量%以上のAl、約8.1重量%以上のAl、約8.2重量%以上のAl、約8.3重量%以上のAl、約8.4重量%以上のAl、約8.5重量%以上のAl、約8.6重量%以上のAl、約8.7重量%以上のAl、約8.8重量%以上のAl、約8.9重量%以上のAl、約9.0重量%以上のAl、約9.1重量%以上のAl、約9.2重量%以上のAl、約9.3重量%以上のAl、約9.4重量%以上のAl、約9.5重量%以上のAl、約9.6重量%以上のAl、約9.7重量%以上のAl、約9.8重量%以上のAl又は約9.9重量%以上のAlを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約4.1重量%以下のAl、約4.2重量%以下のAl、約4.3重量%以下のAl、約4.4重量%以下のAl、約4.5重量%以下のAl、約4.6重量%以下のAl、約4.7重量%以下のAl、約4.8重量%以下のAl、約4.9重量%以下のAl、約5.0重量%以下のAl、約5.1重量%以下のAl、約5.2重量%以下のAl、約5.3重量%以下のAl、約5.4重量%以下のAl、約5.5重量%以下のAl、約5.6重量%以下のAl、約5.7重量%以下のAl、約5.8重量%以下のAl、約5.9重量%以下のAl、約6.0重量%以下のAl、約6.1重量%以下のAl、約6.2重量%以下のAl、約6.3重量%以下のAl、約6.4重量%以下のAl、約6.5重量%以下のAl、約6.6重量%以下のAl、約6.7重量%以下のAl、約6.8重量%以下のAl、約6.9重量%以下のAl、約7.0重量%以下のAl、約7.1重量%以下のAl、約7.2重量%以下のAl、約7.3重量%以下のAl、約7.4重量%以下のAl、約7.5重量%以下のAl、約7.6重量%以下のAl、約7.7重量%以下のAl、約7.8重量%以下のAl、約7.9重量%以下のAl、約8.0重量%以下のAl、約8.1重量%以下のAl、約8.2重量%以下のAl、約8.3重量%以下のAl、約8.4重量%以下のAl、約8.5重量%以下のAl、約8.6重量%以下のAl、約8.7重量%以下のAl、約8.8重量%以下のAl、約8.9重量%以下のAl、約9.0重量%以下のAl、約9.1重量%以下のAl、約9.2重量%以下のAl、約9.3重量%以下のAl、約9.4重量%以下のAl、約9.5重量%以下のAl、約9.6重量%以下のAl、約9.7重量%以下のAl、約9.8重量%以下のAl、約9.9重量%以下のAl又は約10.0重量%以下のAlを含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量の鉄(Fe)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は、約1.95重量%~約2.5重量%の鉄を含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、組成物は、約1.95重量%以上のFe、約2.00重量%以上のFe、約2.05重量%以上のFe、約2.10重量%以上のFe、約2.15重量%以上のFe、約2.20重量%以上のFe、約2.25重量%以上のFe、約2.30重量%以上のFe、約2.35重量%以上のFe、約2.40重量%以上のFe又は約2.45重量%以上のFeを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約2.00重量%以下のFe、約2.05重量%以下のFe、約2.10重量%以下のFe、約2.15重量%以下のFe、約2.20重量%以下のFe、約2.25重量%以下のFe、約2.30重量%以下のFe、約2.35重量%以下のFe、約2.40重量%以下のFe、約2.45重量%以下のFe又は約2.50重量%以下のFeを含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のコバルト(Co)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は、約10重量%~約14重量%のコバルトを含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、組成物は、約10.0重量%以上のCo、約10.1重量%以上のCo、約10.2重量%以上のCo、約10.3重量%以上のCo、約10.4重量%以上のCo、約10.5重量%以上のCo、約10.6重量%以上のCo、約10.7重量%以上のCo、約10.8重量%以上のCo、約10.9重量%以上のCo、約11.0重量%以上のCo、約11.1重量%以上のCo、約11.2重量%以上のCo、約11.3重量%以上のCo、約11.4重量%以上のCo、約11.5重量%以上のCo、約11.6重量%以上のCo、約11.7重量%以上のCo、約11.8重量%以上のCo、約11.9重量%以上のCo、約12.0重量%以上のCo、約12.1重量%以上のCo、約12.2重量%以上のCo、約12.3重量%以上のCo、約12.4重量%以上のCo、約12.5重量%以上のCo、約12.6重量%以上のCo、約12.7重量%以上のCo、約12.8重量%以上のCo、約12.9重量%以上のCo、約13.0重量%以上のCo、約13.1重量%以上のCo、約13.2重量%以上のCo、約13.3重量%以上のCo、約13.4重量%以上のCo、約13.5重量%以上のCo、約13.6重量%以上のCo、約13.7重量%以上のCo、約13.8重量%以上のCo又は約13.9重量%以上のCoを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約10.1重量%以下のCo、約10.2重量%以下のCo、約10.3重量%以下のCo、約10.4重量%以下のCo、約10.5重量%以下のCo、約10.6重量%以下のCo、約10.7重量%以下のCo、約10.8重量%以下のCo、約10.9重量%以下のCoを含んでおり、約11.0重量%以下のCo、約11.1重量%以下のCo、約11.2重量%以下のCo、約11.3重量%以下のCo、約11.4重量%以下のCo、約11.5重量%以下のCo、約11.6重量%以下のCo、約11.7重量%以下のCo、約11.8重量%以下のCo、約11.9重量%以下のCo、約12.0重量%以下のCo、約12.1重量%以下のCo、約12.2重量%以下のCo、約12.3重量%以下のCo、約12.4重量%以下のCo、約12.5重量%以下のCo、約12.6重量%以下のCo、約12.7重量%以下のCo、約12.8重量%以下のCo、約12.9重量%以下のCo、約13.0重量%以下のCo、約13.1重量%以下のCo、約13.2重量%以下のCo、約13.3重量%以下のCo、約13.4重量%以下のCo、約13.5重量%以下のCo、約13.6重量%以下のCo、約13.7重量%以下のCo、約13.8重量%以下のCo、約13.9重量%以下Co又は約14.0重量%以下のCoを含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のモリブデン(Mo)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は、約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデンを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約2.0重量%~約6.0重量%のモリブデンを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデンを含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、組成物は、約1.0重量%以上のMo、約1.1重量%以上のMo、約1.2重量%以上のMo、約1.3重量%以上のMo、約1.4重量%以上のMo、約1.5重量%以上のMo、約1.6重量%以上のMo、約1.7重量%以上のMo、約1.8重量%以上のMo、約1.9重量%以上のMo、約2.0重量%以上のMo、約2.1重量%以上のMo、約2.2重量%以上のMo、約2.3重量%以上のMo、約2.4重量%以上のMo、約2.5重量%以上のMo、約2.6重量%以上のMo、約2.7重量%以上のMo、約2.8重量%以上のMo、約2.9重量%以上のMo、約3.0重量%以上のMo、約3.1重量%以上のMo、約3.2重量%以上のMo、約3.3重量%以上のMo、約3.4重量%以上のMo、約3.5重量%以上のMo、約3.6重量%以上のMo、約3.7重量%以上のMo、約3.8重量%以上のMo、約3.9重量%以上のMo、約4.0重量%以上のMo、約4.1重量%以上のMo、約4.2重量%以上のMo、約4.3重量%以上のMo、約4.4重量%以上のMo、約4.5重量%以上のMo、約4.6重量%以上のMo、約4.7重量%以上のMo、約4.8重量%以上のMo、約4.9重量%以上のMo、約5.0重量%以上のMo、約5.1重量%以上のMo、約5.2重量%以上のMo、約5.3重量%以上のMo、約5.4重量%以上のMo、約5.5重量%以上のMo、約5.6重量%以上のMo、約5.7重量%以上のMo、約5.8重量%以上のMo、約5.9重量%以上のMo、約6.0重量%以上のMo、約6.1重量%以上のMo、約6.2重量%以上のMo、約6.3重量%以上のMo、約6.4重量%以上のMo、約6.5重量%以上のMo、約6.6重量%以上のMo、約6.7重量%以上のMo、約6.8重量%以上のMo又は約6.9重量%以上のMoを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約1.1重量%以下のMo、約1.2重量%以下のMo、約1.3重量%以下のMo、約1.4重量%以下のMo、約1.5重量%以下のMo、約1.6重量%以下のMo、約1.7重量%以下のMo、約1.8重量%以下のMo、約1.9重量%以下のMo、約2.0重量%以下のMo、約2.1重量%以下のMo、約2.2重量%以下のMo、約2.3重量%以下のMo、約2.4重量%以下のMo、約2.5重量%以下のMo、約2.6重量%以下のMo、約2.7重量%以下のMo、約2.8重量%以下のMo、約2.9重量%以下のMo、約3.0重量%以下のMo、約3.1重量%以下のMo、約3.2重量%以下のMo、約3.3重量%以下のMo、約3.4重量%以下のMo、約3.5重量%以下のMo、約3.6重量%以下のMo、約3.7重量%以下のMo、約3.8重量%以下のMo、約3.9重量%以下のMo、約4.0重量%以下のMo、約4.1重量%以下のMo、約4.2重量%以下のMo、約4.3重量%以下のMo、約4.4重量%以下のMo、約4.5重量%以下のMo、約4.6重量%以下のMo、約4.7重量%以下のMo、約4.8重量%以下のMo、約4.9重量%以下のMo、約5.0重量%以下のMo、約5.1重量%以下のMo、約5.2重量%以下のMo、約5.3重量%以下のMo、約5.4重量%以下のMo、約5.5重量%以下のMo、約5.6重量%以下のMo、約5.7重量%以下のMo、約5.8重量%以下のMo、約5.9重量%以下のMo、約6.0重量%以下のMo、約6.1重量%以下のMo、約6.2重量%以下のMo、約6.3重量%以下のMo、約6.4重量%以下のMo、約6.5重量%以下のMo、約6.6重量%以下のMo、約6.7重量%以下のMo、約6.8重量%以下のMo、約6.9重量%以下のMo又は約7.0重量%以下のMoを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量の炭素(C)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は炭素を含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.25重量%未満の炭素を含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.01重量%以上の炭素、約0.05重量%以上の炭素、約0.10重量%以上の炭素、約0.15重量%以上の炭素又は約0.20重量%以上の炭素を含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以下の炭素、約0.10重量%以下の炭素、約0.15重量%以下の炭素、約0.20重量%以下の炭素又は約0.24重量%以下の炭素を含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のチタン(Ti)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はTiを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.60重量%未満のTiを含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.01重量%以上のTi、約0.05重量%以上のTi、約0.10重量%以上のTi、約0.15重量%以上のTi、約0.20重量%以上のTi、約0.25重量%以上のTi、約0.30重量%以上のTi、約0.35重量%以上のTi、約0.40重量%以上のTi、約0.45重量%以上のTi、約0.50重量%以上のTi又は約0.55重量%以上のTiを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以下のTi、約0.10重量%以下のTi、約0.15重量%以下のTi、約0.20重量%以下のTi、約0.25重量%以下のTi、約0.30重量%以下のTi、約0.35重量%以下のTi、約0.40重量%以下のTi、約0.45重量%以下のTi、約0.50重量%以下のTi、約0.55重量%以下のTi又は約0.59重量%以下のTiを含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のイットリウム(Y)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はYを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.03重量%未満のYを含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.005重量%以上のY、約0.01重量%以上のY、約0.015重量%以上のY、約0.02重量%以上のY又は約0.025重量%以上のYを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.01重量%以下のY、約0.015重量%以下のY、約0.02重量%以下のY、約0.025重量%以下のY又は約0.03重量%以下のYを含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のマンガン(Mn)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はMnを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.5重量%未満のMnを含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上のMn、約0.1重量%以上のMn、約0.15重量%以上のMn、約0.2重量%以上のMn、約0.25重量%以上のMn、約0.25重量%以上のMn、約0.3重量%以上のMn、約0.35重量%以上のMn、約0.4重量%以上のMn又は約0.45重量%以上のMnを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.1重量%以下のMn、約0.15重量%以下のMn、約0.2重量%以下のMn、約0.25重量%以下のMn、約0.3重量%以下のMn、約0.35重量%以下のMn、約0.4重量%以下のMn、約0.45重量%以下のMn又は約0.49重量%以下のMnを含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のケイ素(Si)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はSiを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.3重量%未満のSiを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上のSi、約0.1重量%以上のSi、約0.15重量%以上のSi、約0.2重量%以上のSi又は約0.25重量%以上のSiを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.1重量%以下のSi、約0.15重量%以下のSi、約0.2重量%以下のSi、約0.25重量%以下のSi又は約0.3重量%以下のSiを含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のホウ素(B)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はBを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.015重量%未満のBを含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.005重量%以上のB又は約0.01重量%以上のBを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.01重量%以下のB又は約0.014重量%以下のBを含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のタングステン(W)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はWを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.5重量%未満のWを含む。
【0036】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上のW、約0.1重量%以上のW、約0.15重量%以上のW、約0.2重量%以上のW、約0.25重量%以上のW、約0.3重量%以上のW、約0.35重量%以上のW、約0.4重量%以上のW又は約0.45重量%以上のWを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.1重量%以下のW、約0.15重量%以下のW、約0.2重量%以下のW、約0.25重量%以下のW、約0.3重量%以下のW、約0.35重量%以下のW、約0.4重量%以下のW、約0.45重量%以下のW又は約0.49重量%以下のWを含む。
【0037】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のタンタル(Ta)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はTaを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.35重量%未満のTaを含む。
【0038】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上のTa、約0.1重量%以上のTa、約0.15重量%以上のTa、約0.2重量%以上のTa、約0.25重量%以上のTa又は約0.3重量%以上のTaを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.1重量%以下のTa、約0.15重量%以下のTa、約0.2重量%以下のTa、約0.25重量%以下のTa、約0.3重量%以下のTa又は約0.34重量%以下のTaを含む。
【0039】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のジルコニウム(Zr)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はZrを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.70重量%未満のZrを含む。
【0040】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上のZr、約0.1重量%以上のZr、約0.15重量%以上のZr、約0.2重量%以上のZr、約0.25重量%以上のZr、約0.3重量%以上のZr、約0.35重量%以上のZr、約0.4重量%以上のZr、約0.45重量%以上のZr、約0.5重量%以上のZr、約0.55重量%以上のZr、約0.6重量%以上のZr又は約0.65重量%以上のZrを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.1重量%以下のZr、約0.15重量%以下のZr、約0.2重量%以下のZr、約0.25重量%以下のZr、約0.3重量%以下のZr、約0.35重量%以下のZr、約0.4重量%以下のZr、約0.45重量%以下のZr、約0.5重量%以下のZr、約0.55重量%以下のZr、約0.6重量%以下のZr、約0.65重量%以下のZr又は約0.69重量%以下のZrを含む。
【0041】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のニオブ(Nb)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はNbを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.85重量%未満のNbを含む。
【0042】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上のNb、約0.1重量%以上のNb、約0.15重量%以上のNb、約0.2重量%以上のNb、約0.25重量%以上のNb、約0.3重量%以上のNb、約0.35重量%以上のNb、約0.4重量%以上のNb、約0.45重量%以上のNb、約0.5重量%以上のNb、約0.55重量%以上のNb、約0.6重量%以上のNb、約0.65重量%以上のNb、約0.7重量%以上のNb、約0.75重量%以上のNb又は約0.8重量%以上のNbである。幾つかの実施形態では、組成物は、約0.1重量%以下のNb、約0.15重量%以下のNb、約0.2重量%以下のNb、約0.25重量%以下のNb、約0.3重量%以下のNb、約0.35重量%以下のNb、約0.4重量%以下のNb、約0.45重量%以下のNb、約0.5重量%以下のNb、約0.55重量%以下のNb、約0.6重量%以下のNb、約0.65重量%以下のNb、約0.7重量%以下のNb、約0.75重量%以下のNb、約0.8重量%以下のNb又は約0.84重量%以下のNbである。
【0043】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物に資する適量のニッケル(Ni)を含んでいてもよい。多くの実施形態では、組成物は、残部のニッケルを含む。これらの実施形態では、ニッケルの量は、組成物の総重量%を100重量%にするのに十分である。
【0044】
幾つかの実施形態では、組成物は、約46.5重量%以上のNi、約47重量%以上のNi、約48重量%以上のNi、約49重量%以上のNi、約50重量%以上のNi、約51重量%以上のNi、約52重量%以上のNi、約53重量%以上のNi、約54重量%以上のNi、約55重量%以上のNi、約56重量%以上のNi、約57重量%以上のNi、約58重量%以上のNi、約59重量%以上のNi、約60重量%以上のNi、約61重量%以上のNi、約62重量%以上のNi、約63重量%以上のNi、約64重量%以上のNi、約65重量%以上のNi又は約66重量%以上のNiを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約47重量%以下のNi、約48重量%以下のNi、約49重量%以下のNi、約50重量%以下のNi、約51重量%以下のNi、約52重量%以下のNi、約53重量%以下のNi、約54重量%以下のNi、約55重量%以下のNi、約56重量%以下のNi、約57重量%以下のNi、約58重量%以下のNi、約59重量%以下のNi、約60重量%以下のNi、約61重量%以下のNi、約62重量%以下のNi、約63重量%以下のNi、約64重量%以下のNi、約65重量%以下のNi又は約67重量%以下のNiを含む。
【0045】
一般に、組成物は、組成物の材料特性を実質的に変えることのない不純物を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は元素態不純物も含む。幾つかの実施形態では、組成物は、不可避不純物も含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、組成物は、残部のニッケル及び付随的不純物を含む。これらの実施形態では、ニッケル及び不可避不純物の量は、組成物の総重量%を100重量%にするのに十分である。
【0047】
幾つかの実施形態では、組成物は合金組成物である。幾つかの実施形態では、組成物は超合金組成物である。
【0048】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資するγ′固溶温度を有することができる。幾つかの実施形態では、組成物は約1700°F~約2100°Fのγ′固溶温度を有する。幾つかの実施形態では、組成物は約1800°F~約2000°Fのγ′固溶温度を有する。
【0049】
幾つかの実施形態では、組成物は、約1700°F以上、約1750°F以上、約1800°F以上、約1850°F以上、約1900°F以上、約1950°F以上、約2000°F以上又は約2050°F以上のγ′固溶温度を有する。幾つかの実施形態では、組成物は、約1750°F以下、約1800°F以下、約1850°F以下、約1900°F以下、約1950°F以下、約2000°F以下、約2050°F以下又は約2100°F以下のγ′固溶温度を有する。
【0050】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資するγ′体積分率を有することができる。幾つかの実施形態では、組成物は約40%~約75%のγ′体積分率を有する。幾つかの実施形態では、組成物は約45%~約70%のγ′体積分率を有する。
【0051】
幾つかの実施形態では、組成物は、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上又は約70%以上のγ′体積分率を有する。幾つかの実施形態では、組成物は、約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約65%以下、約70%以下又は約75%以下のγ′体積分率を有する。
【0052】
一般に、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資する当技術分野で公知の適切な目的に則して使用し得る。幾つかの実施形態では、組成物は、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物及び/又は補修用組成物である。幾つかの実施形態では、組成物は、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物、粉末冶金組成物及び/又は補修用組成物に使用される。
【0053】
本明細書に記載される組成物を使用する方法も包含され、本方法は、限定されるものではないが、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せのいずれかに組成物を使用することを含む。
【0054】
本明細書では、組成物を含む物品についても記載される。一般に、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資する当技術分野で公知の適切な物品に含まれる。幾つかの実施形態では、物品は、限定されるものではないが、溶接プロセス、積層造形プロセス、金属鋳造プロセス、コーティングプロセス、補修プロセス、粉末冶金及びそれらの組合せを用いて製造される。
【0055】
幾つかの実施形態では、物品は、ガスタービン用のブレード又はガスタービンのブレードのスキーラチップである。幾つかの実施形態では、物品は、限定されるものではないが、ノズル、シュラウド、ダイヤフラム、スプラッシュプレート、燃焼器部品及び/又はそれらの組合せのようなガスタービンの部品である。
【0056】
本開示技術のその他の態様を、以下の実施態様項に示す。
[実施態様項1]
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.60重量%未満のチタン、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物。
[実施態様項2]
組成物が約2.0重量%~約6.0重量%のモリブデンを含む、実施態様項1に記載の組成物。
[実施態様項3]
組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデンを含む、実施態様項1又は実施態様項2に記載の組成物。
[実施態様項4]
組成物が約4.0重量%乃至約6.0重量%未満のアルミニウムを含む、実施態様項1乃至実施態様項3のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項5]
組成物が約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、実施態様項1乃至実施態様項4のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項6]
組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン及び約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、実施態様項1乃至実施態様項5のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項7]
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約0.03重量%未満のイットリウム、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約0.50重量%未満のマンガン、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.30重量%未満のケイ素、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.015重量%のホウ素、
約0.50重量%未満のタングステン、
約0.35重量%未満のタンタル、
約0.60重量%未満のチタン、
約0.70重量%未満のジルコニウム、
約0.85重量%未満のニオブ、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項8]
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約0.03重量%未満のイットリウム、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約0.50重量%未満のマンガン、
約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン、
約0.30重量%未満のケイ素、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.015重量%のホウ素、
約0.50重量%未満のタングステン、
約0.35重量%未満のタンタル、
約0.60重量%未満のチタン、
約0.70重量%未満のジルコニウム、
約0.85重量%未満のニオブ、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項9]
組成物が約1700°F~約2100°Fのγ′固溶温度を有する、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項10]
組成物が約1800°F~約2000°Fのγ′固溶温度を有する、実施態様項1乃至実施態様項9のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項11]
組成物が約40%~約75%のγ′体積分率を有する、実施態様項1乃至実施態様項10のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項12]
組成物が約45%~約70%のγ′体積分率を有する、実施態様項1乃至実施態様項11のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項13]
組成物が、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物及び/又は補修用組成物である、実施態様項1乃至実施態様項12のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様項14]
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.60重量%未満のチタン、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物を使用する方法であって、当該方法が、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せからなる群から選択される目的に組成物を使用することを含む、方法。
[実施態様項15]
組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン及び約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、実施態様項14に記載の方法。
[実施態様項16]
組成物を含む物品であって、組成物が、
約17重量%~約20重量%のクロム、
約4.0重量%~約10.0重量%のアルミニウム、
約1.95重量%~約2.5重量%の鉄、
約10重量%~約14重量%のコバルト、
約1.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、
約0.25重量%未満の炭素、
約0.60重量%未満のチタン、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、物品。
[実施態様項17]
物品がガスタービンのブレード又はガスタービンのブレードのスキーラチップである、実施態様項16に記載の物品。
[実施態様項18]
物品が、ノズル、シュラウド、スプラッシュプレート、燃焼器部品及びこれらの組合せからなる群から選択されるガスタービンの部品である、実施態様項16に記載の物品。
[実施態様項19]
物品が、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びこれらの組合せからなる群から選択される技術で製造される、実施態様項16乃至実施態様項18のいずれか1項に記載の物品。
[実施態様項20]
組成物が約3.5重量%~約5.5重量%のモリブデン及び約4.0重量%~約5.9重量%のアルミニウムを含む、実施態様項16乃至実施態様項19のいずれか1項に記載の物品。
【0057】
上記の説明における「幾つかの実施形態」への言及は、記載された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0058】
これ以上説明しなくても、当業者であれば、以上の説明から、本発明を最大限活用できると思料される。以下の実施例は、単なる例示にすぎず、本開示を限定するものではない。以下の実施例の出発材料は、必ずしも他の実施例に手順が記載された特定の調製例で調製したものとは限らない。また、本明細書に記載された数値範囲は、下限値から上限値までのすべての値を包含する。例えば、範囲が10~50と記載されている場合、本明細書では、12~30、20~40、30~50のような値が明示的に記載されているものとする。これらは、具体的に意図されているものの一例にすぎず、記載された下限と上限の間の数値のあらゆる可能な組合せが、本願に明示的に記載されていると解される。
【0059】
実施例1.模擬組成物
本開示技術に係る組成物の状態図をシミュレーションした。実施例E1の元素組成を以下の表に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
図1に状態図110を示す。この状態図は、Thermo-Calcソフトウェアで化学組成に基づいてシミュレートしたものである。
【0062】
図1において、領域112はFCC A1と液体の複合相であり、領域114はFCC A1とM23C6の複合相であり、領域116は液体の相であり、領域118はFCC A1とγ′(ガンマプライム)とM23C6の複合相であり、領域120はFCC A1とγ′とM23C6とμ(ミュー)の複合相であり、領域122はFCC A1とγ′とM23C6とσ(シグマ)の複合相であり、領域124はFCC A1とγ′とM23C6とNiAlとσの複合相であり、領域126はγ′とM23C6とNiAlとσの複合相であり、領域128はFCC A1相であり、領域130はFCC A1とγ′とM23C6とμとσの複合相であり、領域130はγ′とM23C6とσの複合相、領域134はFCC A1とγ′とM23C6とNiAlの複合相、領域136はFCC A1とM23C6とNiAlの複合相であり、領域138はη(イータ)とFCC A1とM23C6の複合相である。
【0063】
図1の状態図110は、アルミニウムの量が約3.3重量%~約7.8重量%のときに、温度条件によって、領域122が得られることを示している。
【0064】
実施例2.試験組成物
本開示技術に係る組成物を調製し、それらの特性を測定した。元素組成及びそれらの試験した特性を以下の表に示す。CE1及びCE2は比較例である。IE2、IE3、IE4、IE5は実施例である。「max.」は元素の最大量を意味する。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
実施例3.金属学的評価
【0068】
本開示技術に係る組成物を調製し、溶加材として試験した。図2A~2Dは、アルミニウム4.5wt%~6.0wt%の組成物について、多層でのビーズオンプレート溶接金属の金属学的評価の結果を示す。予想外の結果として、評価した各組成物は、割れ及び/又は微小亀裂のない均一な溶接ビードを生成することができた。
【0069】
図3A図3Bは、溶接試験の結果を示す。0、1、2及び3と付したものは、それぞれIE2、IE3、IE4及びIE5に対応する。予想外の結果として、2050°Fで2時間保持した後急冷した熱衝撃PWHT後の溶接材料に割れ及び亀裂は観察されず、このことは組成物が優れた溶接性を示すことを意味している。
【0070】
今回、本開示技術に係る組成物を溶接に用いることができるという予想外の知見が得られた。本組成物は、優れた溶接性、優れた鋳造性、高いアルミニウム含有量に起因する優れた耐酸化性、良好な機械的特性、高いγ′体積分率及び高いγ′固溶温度を示す。本開示技術に係る組成物は、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せを始めとして、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【0071】
別途記載されていない限り、本明細書において、「略」、「実質的に」及び「約」などの近似的表現は、それらで修飾された用語が、絶対的又は厳密なものではなく、当業者に自明の近似的なものにすぎないことを示す。したがって、「約」、「略」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似的表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。本明細書及び特許請求の範囲において、範囲が限定されていることがある。さらに、別途記載されていない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本願では単なる付票にすぎず、それらが付されたものに、数的、位置的又は階層的要件を課すものではない。さらに、例えば「第2」という場合、例えば「第1」以下又は「第3」以上のものの存在を必要とするものでも、排除するものでもない。
【0072】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴が、ある図面には記載され、他の図面には記載されていないこともあるが、これは便宜上のものにすぎない。本明細書において「幾つかの実施形態」という場合、記載された特徴を備える追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈すべきではない。本発明の原理に則して、ある図面に記載された特徴は、他の図面に記載されたいかなる特徴との組合せとして参照及び/又は特許請求の範囲に記載することができる。
【0073】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
【外国語明細書】