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特開2024-155794ハウジングアセンブリ、プラグコネクタ、および接続デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155794
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ハウジングアセンブリ、プラグコネクタ、および接続デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
H01R13/42 F
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024065909
(22)【出願日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】10 2023 109 888.8
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルトムト リパー
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン リンゴス
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル ホテア
(72)【発明者】
【氏名】マルクス クレスマン
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE11
5E087FF07
5E087FF13
5E087GG15
5E087GG26
5E087GG31
5E087GG32
5E087RR26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より信頼性が高く、誤った位置決めが生じにくい接続デバイスを提供する。
【解決手段】プラグコネクタ8用のハウジングアセンブリは、コンタクトハウジング2と、固定要素4とを備え、コンタクトハウジングは、プラグコネクタのコンタクトユニット12を受け入れるための少なくとも1つのコンタクトチャンバ22と、ラッチ位置と解放位置との間で可動であり、固定要素が固定レセプタクル34に完全に受け入れられたときに、ラッチ位置から少なくとも1つのコンタクトチャンバとは離れる方向への少なくとも1つのラッチ要素の移動が、少なくとも1つのチョック部によって阻止され、少なくとも1つのロック部52は、固定レセプタクルから少なくとも1つのコンタクトチャンバ内に少なくとも部分的に突出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタ(8)用のハウジングアセンブリ(1)であって、
前記ハウジングアセンブリ(1)は、
コンタクトハウジング(2)と、
固定要素(4)と
を備え、
前記コンタクトハウジング(2)は、
-前記プラグコネクタ(8)のコンタクトユニット(12)を受け入れるための少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)と、
-ラッチ位置(60)と解放位置(62)との間で可動であり、前記ラッチ位置(60)で、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)内に少なくとも部分的に突出する少なくとも1つのラッチ要素(58)と、
-前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)に少なくとも部分的に通じる固定レセプタクル(3)であり、前記固定レセプタクルは、前記固定要素(4)を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている、固定レセプタクルと
を含み、
前記固定要素(4)は、
-少なくとも1つのチョック部(56)と、
-少なくとも1つのロック部(52)と
を含み、
前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに、前記ラッチ位置(60)から前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)とは離れる方向への前記少なくとも1つのラッチ要素(58)の移動が、前記少なくとも1つのチョック部(56)によって阻止され、前記少なくとも1つのロック部(52)は、前記固定レセプタクル(34)から前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)内に少なくとも部分的に突出する、ハウジングアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに、前記少なくとも1つのチョック部(56)と前記少なくとも1つのロック部(52)とは、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)に対して互いに反対の側に配置されている、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのチョック部(56)と前記少なくとも1つのロック部(52)とは、少なくとも部分的に互いに平行に延びる、請求項1または2に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ラッチ位置(60)から出た前記ラッチ要素(58)は、前記固定要素(4)の前記少なくとも1つのチョック部(56)のための止め部(100)を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記止め部(100)は、前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに前記少なくとも1つのチョック部(56)が配置される前記固定レセプタクル(34)の領域(102)に配置されている、請求項4に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのラッチ要素(58)が前記ラッチ位置(60)から前記解放位置(62)へ移動する間に、前記固定レセプタクル(34)の前記領域(102)を前記止め部(100)が擦動する、請求項4または5に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのラッチ要素(58)は、カンチレバーラッチアーム(68)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記固定レセプタクル(34)は、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)に対して少なくとも部分的に横方向に延びる、請求項1から7のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記コンタクトハウジング(2)は、少なくとも部分的に互いに平行に延びる2つのコンタクトチャンバ(22)を含み、前記固定レセプタクル(34)は、前記2つのコンタクトチャンバ(22)の間に少なくとも部分的に延びる、請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのラッチ要素(58)は、前記2つのコンタクトチャンバ(22)の間に少なくとも部分的に延びる、請求項9に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに、前記少なくとも1つのチョック部(56)または前記少なくとも1つのロック部(52)は、前記2つのコンタクトチャンバ(22)の間に少なくとも部分的に延びる、請求項9または10に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項12】
プラグコネクタ(8)であって、
請求項1から11のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)と、
相手側プラグ(18)の相手側コンタクト(16)に接触するための少なくとも1つのコンタクトユニット(12)と
を備え、
それぞれのコンタクトユニット(12)は、前記コンタクトハウジング(2)のそれぞれのコンタクトチャンバ(22)に受け入れられ、前記少なくとも1つのラッチ要素(58)にラッチ接続(66)し、
前記固定要素(4)は、前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられ、前記少なくとも1つのチョック部(56)により前記ラッチ接続(66)を固定し、前記少なくとも1つのロック部(52)を介して前記少なくとも1つのコンタクトユニット(12)に形状嵌合接続(54)する、プラグコネクタ(8)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのロック部(52)は、前記形状嵌合接続(54)から離れる側で、前記コンタクトハウジング(2)に当接する、請求項12に記載のプラグコネクタ(8)。
【請求項14】
前記固定要素(4)は、前記少なくとも1つのコンタクトユニット(12)に当接する少なくとも1つの支持部(94)を有し、前記少なくとも1つの支持部(94)は、前記少なくとも1つのラッチ要素(58)および前記少なくとも1つのロック部(52)から、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)の延長方向(96)に離間している、請求項12または13に記載のプラグコネクタ(8)。
【請求項15】
接続デバイス(20)であって、
請求項12から14のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(8)と、
前記プラグコネクタ(8)に相補的に構成された相手側プラグ(18)と
を有し、
前記プラグコネクタ(8)と前記相手側プラグ(18)とは、互いにプラグ接続可能であるように構成され、
前記相手側プラグ(18)は、請求項12から14のいずれか一項に従って構成されている、接続デバイス(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号線および/またはデータ線のプラグコネクタ用のハウジングアセンブリに関する。さらに、本発明は、プラグコネクタ、およびプラグコネクタと相手側プラグとを有する接続デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野では、コンタクトユニットがラッチ式に位置決めされたコネクタハウジングを備える接続デバイスを使用する。コンタクトユニットは、個々のコンタクト要素(例えば、いわゆる圧着端子)、またはいくつかのコンタクト要素を含むコンタクトホルダであってよい。
【0003】
コンタクトユニットが、装着または動作中に緩むまたは誤った位置に入ることがあるのは、高負荷の接続デバイスの場合だけではない。これにより、その後、伝送の問題、またはさらには対応する線の完全な故障が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、接続デバイスを、より信頼性が高く、そのような誤った位置決めが生じにくいものにする手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、最初に述べた種類のプラグコネクタ用のハウジングアセンブリによって解決され、ハウジングアセンブリは、コンタクトハウジングと、固定要素とを備え、コンタクトハウジングは、プラグコネクタのコンタクトユニットを受け入れるためのコンタクトチャンバと、ラッチ位置と解放位置との間で可動であり、ラッチ位置で、コンタクトチャンバ内に少なくとも部分的に突出するラッチ要素と、固定要素を少なくとも部分的に受け入れるように構成された、コンタクトチャンバに少なくとも部分的に通じる固定レセプタクルとを含み、固定要素は、チョック部(固定部、ブロック部、chock section)とロック部とを含み、固定要素が固定レセプタクルに完全に受け入れられたときに、ラッチ位置からコンタクトチャンバとは離れる方向へのラッチ要素の移動が、チョック部によって阻止され、ロック部は、固定レセプタクルからコンタクトチャンバ内に少なくとも部分的に突出する。
【0006】
説明をより読みやすくするために、ハウジングアセンブリのいくつかの特徴に単数形のみを使用するが、これらの特徴を複数設けてもよい。例えば、コンタクトハウジングは、少なくとも1つのコンタクトチャンバと少なくとも1つのラッチ要素とを含む。したがって、固定要素は、少なくとも1つのチョック部と少なくとも1つのロック部とを含む。
【0007】
本発明の利点は、固定要素が固定レセプタクルに完全に受け入れられると、固定要素が、コンタクトユニットを受け入れるための一次固定機能および二次固定機能の両方を果たすことができることによって得られる。これについては以下で詳しく説明する。
【0008】
一次固定機能は、固定要素のチョック部がラッチ要素の移動を阻止することによって得られる。特に、受け入れられるコンタクトユニットにラッチするために使用されるラッチ要素は、ラッチ位置から出ることができず、受け入れられるコンタクトユニットは、コンタクトチャンバにラッチされたままである。言い換えると、チョック部は、ラッチ接続を固定する、したがってコンタクトユニットを間接的に固定するのに適している。
【0009】
二次固定機能は、ロック部がコンタクトチャンバ内に突出しまたは突き出て、コンタクトチャンバに受け入れられるコンタクトユニットに形状嵌合接続で係合することができることによって得られる。したがって、ロック部は、コンタクトユニットを直接固定するのに適している。
【0010】
固定レセプタクルに完全に受け入れられた固定要素は、固定位置にある。言い換えると、固定要素が固定レセプタクルに完全に配置されたときに、固定要素は固定位置にある。この場合、完全性は、チョック部およびロック部の両方が、前述したコンタクトハウジングのそれぞれの目的箇所の固定位置に位置決めされることによってのみ得られる。固定要素の他の部分または部位が、必要に応じて、固定位置でコンタクトハウジングから突出してもよい。
【0011】
概して、固定要素は、1つの同じコンタクトユニットの二重固定を提供する。これは、ラッチ要素がラッチのためにある一定の可撓性を有していなければならず、これがラッチ要素の曲げ剛性の低下を確実に伴う場合に、特に好ましい。固定要素は、その曲げ剛性に寄与することができる。
【0012】
コンタクトハウジングおよび固定要素をそれぞれ、必ずしもハウジングアセンブリの一部ではなく、別個に、互いに独立して設けられる、独立した発明とみなすこともできる。
【0013】
本発明による解決策を、それぞれが個々に好ましく、希望に応じて互いに組み合わせることのできる、以下の実施形態によりさらに改良することができる。
【0014】
1つの可能な実施形態によれば、短絡を避け、電気的安全性を高めるために、コンタクトハウジングおよび/または固定要素を、電気絶縁材料から形成することができる。例えば、コンタクトハウジングおよび/または固定要素は、プラスチックから形成された射出成形部品であってよい。
【0015】
コンタクトチャンバは、コンタクトハウジングを貫通し、したがって、相手側コンタクトが、コンタクトチャンバに一側からアクセスでき、ワイヤまたはケーブルが、反対側でコンタクトユニットに通じることができることが好ましい。それにより、コンタクトチャンバに通じる固定レセプタクルは、コンタクトチャンバに通じるまたは連通する。
【0016】
さらなる可能な実施形態によれば、固定要素が固定レセプタクルに完全に受け入れられたときに、チョック部とロック部とを、コンタクトチャンバに対して互いに反対の側に配置することができる。このために、チョック部とロック部とは、互いに離間していることが好ましい。これにより、結果として生じるコンタクトユニットの両側固定に起因して、安定性が高まる。言い換えると、本実施形態により、コンタクトユニットを、固定要素によって両側から固定することができる。
【0017】
さらに、チョック部とロック部とは、少なくとも部分的に互いに平行に延びることができ、固定要素の構造が非常に簡単になる。あるいは、チョック部とロック部とは、角度を有して合流してもよい。特に、チョック部とロック部とは、互いに対して垂直に延びることができる。
【0018】
さらなる可能な実施形態によれば、ラッチ位置から出たラッチ要素は、固定要素のチョック部のための止め部を形成することができる。特に、固定要素が固定レセプタクルに完全に受け入れられたときにチョック部が配置される固定レセプタクルの領域または部分に、止め部を配置することができる。任意選択で、ラッチ要素がラッチ位置から解放位置へ移動するときに、固定レセプタクルの上記領域を止め部が擦動(sweep over)する。
【0019】
本実施形態の利点は、ハウジングアセンブリをプラグコネクタに装着するときに生じる。したがって、装着中、最初にコンタクトユニットをコンタクトチャンバに挿入する(固定要素がない場合に)ことを意図することができる。通常、コンタクトユニットとラッチ要素とは、上記ラッチ接続に入り、ラッチ要素は、解放位置とラッチ位置との間で少なくとも一度切り替わる。その後、固定要素が固定レセプタクルに挿入される。
【0020】
ラッチ要素がまだ解放位置にあるか、または少なくともラッチ位置にない限り、止め部は、固定レセプタクルに位置決めされることにより、固定レセプタクルをブロックする。したがって、この状態で、固定要素が止め部に衝突するため、固定要素を固定レセプタクルに完全に挿入することはできない。同時に、この状態は、ラッチ要素がラッチ位置にないことが明らかであるため、ラッチ要素が、挿入されたコンタクトユニットと上記ラッチ接続をしていないことを示す。
【0021】
言い換えると、コンタクトユニットがコンタクトチャンバに正確に「取り付けられて」いない場合、ラッチ要素は、ラッチ位置に移動することができず、解放位置または少なくともラッチ位置の外に留まる。したがって、その後、ラッチ要素の止め部は、固定要素が固定レセプタクルに挿入されることを防ぎ、これに、組立作業員が気付き、位置決めエラーについてコンタクトユニットを確認する機会であるとみなされる。したがって、固定要素は、実際の固定機能に加えて、いわゆるTPA(端子位置保証)機能を果たし、誤って位置決めされたコンタクトユニットの指標として機能する。
【0022】
ラッチ要素は、一時的または恒久的な弾性変形、旋回、または曲げによって可動であり得る。例えば、ラッチ要素は、容易に製造可能な実施形態によるカンチレバーラッチアームまたはラッチランスを含むことができる。ラッチアームは、コンタクトハウジングをベースとし、コンタクトハウジングの残りの部分に一体に接続されることが好ましい。さらに、ラッチアームは、コンタクトチャンバと固定レセプタクルとの間に少なくとも部分的に延びることができる。
【0023】
ラッチ要素がラッチ位置に恒久的には装填されないことを保証するために、チョック部は、力が作用することなくラッチ要素に当接することができる。これは、チョック部が、ラッチ要素を押圧しないが、ラッチ要素の可動性を制限することが好ましいことを意味する。
【0024】
あるいは、ラッチ要素は、一体のラッチアームの代わりに、コンタクトハウジングにおいて可動に保持される別個のスライダまたは傾斜機構を含むことができる。任意選択で、スライダまたは傾斜機構に、引張ばねにより、ラッチ位置の方向に予め負荷が加えられる。
【0025】
別の可能な実施形態によれば、固定レセプタクルは、コンタクトチャンバに対して少なくとも部分的に横方向に、特に垂直に延びることができる。さらに、固定レセプタクルは、固定挿入方向の一側で開いていてよい。この場合、固定挿入方向は、それに対応して、コンタクトユニットがコンタクトチャンバに挿入されるコンタクト挿入方向に対して横方向に、特に垂直に延びる。本実施形態は、プラグコネクタがプラグ接続されているときでも、固定要素をコンタクトハウジングに挿入することができるため好ましい。
【0026】
上記のコンタクトユニットの両側固定をできるだけ容易に実現するために、固定レセプタクルが、コンタクトチャンバを、互いに対して垂直な少なくとも3つの隣接する側から対で取り囲むことが望ましい。コンタクトハウジングがいくつかのコンタクトチャンバを有する場合、各コンタクトチャンバを、固定レセプタクルによって、互いに対して垂直な3つの側から対で取り囲むことができる。したがって、固定レセプタクルにおける固定要素は、コンタクトチャンバと、コンタクトチャンバに受け入れられたコンタクトユニットとを、対応する多数の側から取り囲む。コンタクトチャンバの数に応じて、固定要素は、U字形外形、2つのU字形外形、または複数のU字形外形を有することができる。
【0027】
それぞれのコンタクトユニットに対する固定要素の囲み角度が少なくとも180°である限り、固定要素は、当然、受け入れられたコンタクトユニットを、互いに対して垂直でないいくつかの側から取り囲むこともできる。言い換えると、固定要素は、コンタクトチャンバに受け入れられたコンタクトユニットの周囲の少なくとも50%を囲む。それにより、固定要素は、例えば、円形外形または多角形外形を有することができる。
【0028】
チョック部とロック部とが角度を有して、特に互いに対して垂直に合流する実施形態において、固定レセプタクルがコンタクトチャンバを2つの側から取り囲むことも十分である。したがって、固定レセプタクルにおける固定要素は、コンタクトチャンバとコンタクトチャンバに受け入れられたコンタクトユニットとを、対応する数の側から取り囲む。それにより、固定要素は、L字形外形、V字形外形、またはいくつかのコンタクトチャンバの場合には、W字形外形を有することができる。
【0029】
固定要素が固定レセプタクルに受け入れられた後にコンタクトハウジングにより良好に取り付けられるように、固定要素は、固定要素をコンタクトハウジングに取り付けることのできる取付部を含むことができる。例えば、固定要素は、固定レセプタクル内の対応する数のラッチ凹部およびラッチ縁部にラッチする1つまたは複数のラッチラグを有することができる。ラッチ作用により、音による組立て確認が可能になり有利である。
【0030】
前述したように、コンタクトハウジングは、少なくとも部分的に互いに平行に延びるいくつかのコンタクトチャンバ、例えば2つのコンタクトチャンバを有することができる。これにより、ハウジングアセンブリの適用範囲を、2つのコンタクトユニットを含むプラグコネクタに広げることができる。
【0031】
固定レセプタクルおよび/またはラッチ要素は、2つのコンタクトチャンバ間に少なくとも部分的に延びることができる。したがって、固定レセプタクルにおける固定要素は、2つのコンタクトユニットを同時に固定することができる。このために、固定要素が固定レセプタクルに完全に受け入れられたときに、チョック部および/またはロック部も、2つのコンタクトチャンバの間に少なくとも部分的に延び得る。このチョック部および/またはロック部の省スペースの位置決めにより、コンパクトなハウジングアセンブリが得られる。
【0032】
任意選択で、コンタクトハウジングは、それぞれのラッチ位置またはそれぞれの解放位置で互いに向かってまたは互いに離れるよう移動するように構成された、2つのラッチ要素を含むことができる。2つのラッチ要素の代替実施形態において、それぞれの解放位置とラッチ位置との間の移動方向は、互いに平行に延びることができる。
【0033】
特定の用途に応じて、3つ以上、特に偶数のコンタクトユニットを、プラグコネクタに装着することができる。このために、コンタクトハウジングは、2列のコンタクトチャンバを有することができる。特に、コンタクトチャンバごとに、別個のラッチ要素を設けることができる。これにより、それぞれのコンタクトチャンバにコンタクトユニットを個々に、互いに独立して装着することが可能になる。さらに、ラッチ要素を、固定挿入方向に対して垂直に、対で位置合わせすることができる。対で位置合わせする代わりに、ラッチ要素を、固定挿入方向に互いにずらすこともできる。これは、固定要素と止め部とが衝突する場合に、衝突を生じさせる、固定要素の挿入深さとラッチ要素との間の明確な割当て(clear assignment)が可能であるという利点を有する。この明確な割当ては、完全に自動化された組立てプロセスにとって特に重要である。
【0034】
最初に述べた課題はまた、上記実施形態のうちの1つによるハウジングアセンブリと、相手側プラグの相手側コンタクトに接触するコンタクトユニットとを備えるプラグコネクタによって解決することができ、コンタクトユニットは、コンタクトハウジングのコンタクトチャンバに受け入れられ、ラッチ要素にラッチ接続し、固定要素は、固定レセプタクルに完全に受け入れられ、チョック部によりラッチ接続を固定し、ロック部を介してコンタクトユニットに形状嵌合接続する。
【0035】
説明をより読みやすくするために、プラグコネクタのいくつかの特徴に単数形のみを使用するが、これらの特徴を複数設けてもよい。例えば、プラグコネクタは、少なくとも1つのコンタクトユニットを有する。したがって、1つのコンタクトユニットをそれぞれ、コンタクトハウジングの1つのコンタクトチャンバに受け入れることができる。
【0036】
プラグコネクタは、前述した本発明によるハウジングアセンブリの利点の恩恵を受ける。特に、一次ロック機能および二次ロック機能は、コンタクトユニットの変位により位置決めエラーが生じることがないことを二重に保証する。
【0037】
プラグコネクタの1つの可能な実施形態によれば、ロック部は、形状嵌合接続から離れる側、すなわち形状嵌合接続の逆側で、コンタクトハウジングに当接することができる。これにより、ロック部の曲げ剛性を高め、コンタクトユニットにつながるケーブルまたはワイヤが引張荷重を受けたときに、ロック部が押し離されることを防ぐ。
【0038】
プラグコネクタのさらなる可能な実施形態によれば、固定要素は、コンタクトユニットに当接する少なくとも1つの支持部を含むことができる。少なくとも1つの支持部は、力が作用することなくコンタクトユニットに当接することが好ましい。さらに、少なくとも1つの支持部は、ラッチ要素およびロック部からコンタクトチャンバの延長方向に離間していてよい。これにより、3点支持が生じて、コンタクトユニットの揺れを制限し、例えば、コンタクトユニットの傾斜を防ぐことによって、コンタクトユニットを相手側プラグの相手側コンタクトに差し込むことが容易になる。
【0039】
任意選択で、プラグコネクタを、他のモジュールと共に主コネクタに取り付け可能なモジュールとして構成することができる。これにより、プラグコネクタは、主コネクタを後付け、拡張、または増設するのに適したものになる。
【0040】
上記プラグコネクタと、プラグコネクタに相補的に構成された相手側プラグとを備える接続デバイスも、最初に述べた課題を解決し、プラグコネクタと相手側プラグとは、互いにプラグ接続可能であるように構成され、相手側プラグも、プラグコネクタの上記実施形態のうちの1つに従って構成される。相手側プラグは、プラグコネクタのコンタクトハウジングに相補的に構成されたコネクタハウジングを含むことができる。相手側プラグの相手側コンタクトを、コネクタハウジングにラッチ式に受け入れることができ、相手側コンタクトは、コンタクトユニットに相補的に構成され、したがって、コンタクトユニットにプラグ接続することができる。任意選択で、相手側プラグは、プラグコネクタの固定要素と同様に構成された固定要素を含むことができる。
【0041】
説明をより読みやすくするために、接続デバイスのいくつかの特徴に単数形のみを使用するが、これらの特徴を複数設けてもよい。例えば、接続デバイスは、少なくとも1つの相手側コンタクトを有する。
【0042】
接続デバイスは、前述した本発明によるハウジングアセンブリおよび本発明によるプラグコネクタの利点の恩恵を受ける。特に、接続デバイスは、プラグコネクタおよび相手側プラグの両方において、それぞれの固定要素の一次固定機能および二次固定機能を使用することが好ましい。
【0043】
以下で、図面を参照しながら、いくつかの例示的な実施形態を用いて、本発明をより詳細に説明する。例示的な実施形態の異なる特徴を、上記の説明に従って、希望に応じて互いに組み合わせることができる。特に、個々の特徴の効果が特定の用途に必要である場合、上記の説明に従って、それらの特徴を記載の実施形態に追加することができる。逆に、個々の特徴の技術的効果が特定の用途にとって重要でない場合、それらの特徴を記載の実施形態から省略することができる。図面において、同様、同一、および機能的に同一の要素は、有用である限り、同一の参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】第1の例示的な実施形態によるハウジングアセンブリの、分解図としての概略斜視図である。
図2図1のハウジングアセンブリの概略断面図である。
図3図1のハウジングアセンブリのさらなる概略断面図である。
図4】例示的な実施形態によるプラグコネクタの概略断面図である。
図5図4のプラグコネクタの別の概略断面図である。
図6】例示的な実施形態による接続アセンブリの、分解図としての概略斜視図である。
図7図6の接続アセンブリの別の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1図3は、ハウジングアセンブリ1の斜視図および異なる断面を含む様々な図である。ハウジングアセンブリ1は、コンタクトハウジング2と、固定要素4とを備える。コンタクトハウジング2と固定要素4との両方を、電気絶縁材料、例えば射出成形プラスチック部品6から形成することができる。
【0046】
図4図7に示すように、ハウジングアセンブリ1を、電気プラグコネクタ8において使用することができる。プラグコネクタを、高周波信号線および/またはデータ線10で使用することができる。
【0047】
ハウジングアセンブリ1に加えて、プラグコネクタ8は少なくとも1つのコンタクトユニット12を含む。図示の実施形態において、プラグコネクタ8は、4つのコンタクトユニット12を含む。コンタクトユニットは、シールドされたまたはシールドされていない個々のコンタクト要素14(例えば、いわゆる圧着端子)であってよい。あるいは、コンタクトユニット12はそれぞれ、そのようなコンタクト要素のうちのいくつかを含むコンタクトホルダ(図示せず)を備えることができる。コンタクトユニット12は、電気接続デバイス20の相手側プラグ18の1つの相手側コンタクト16にそれぞれ接触するように機能する。接続デバイス20は、図6および図7に示されている。
【0048】
図3から、コンタクトハウジング2がそれぞれ、プラグコネクタ8のそれぞれのコンタクトユニット12を受け入れるためのコンタクトチャンバ22を含むことが見て取れる。それぞれのコンタクトチャンバ22は、コンタクトハウジング2を貫通し、したがって、関連する相手側コンタクト16が、各コンタクトチャンバ22に一側24からアクセスでき、ワイヤ28またはケーブル30が、反対側26でコンタクトユニット12に通じることができることが好ましい。したがって、図示の実施形態によれば、コンタクトハウジング2は、少なくとも部分的に互いに平行に延びる4つのコンタクトユニット12のための4つのコンタクトチャンバ22を有することができる。コンタクトチャンバ22を、コンタクトハウジング2において2列32で配置することができる。
【0049】
図1において、コンタクトハウジング2は、固定要素4を少なくとも部分的に受け入れるように構成された固定レセプタクル34を含むことが見て取れる。固定レセプタクル34に完全に受け入れられた固定要素4は、固定位置36にある(図4参照)。言い換えると、固定要素4が固定レセプタクル34に完全に配置されたときに、固定要素4は固定位置36にある。完全性は、固定要素4が固定位置36においてコンタクトハウジング2に正確に位置決めされることによってのみ生じる。それにもかかわらず、固定要素4の一部分または一部が、固定位置36においてコンタクトハウジング2から突出してもよい。例えば、固定要素4が固定位置36にある場合でも、固定要素4の把持面38またはハンドル(図示せず)が、コンタクトハウジング2から突出し、固定レセプタクル34に受け入れられていなくてもよい。
【0050】
固定レセプタクル34は、コンタクトチャンバ22に対して少なくとも部分的に横方向に、特に垂直に延びることができる。さらに、固定レセプタクル34は、固定挿入方向40の一側で開いていてよい。それにより、固定挿入方向40は、それに応じて、コンタクトユニット12がそれぞれのコンタクトチャンバ22に挿入されるコンタクト挿入方向42に対して横方向に、特に垂直に延びる。
【0051】
固定要素4が固定レセプタクル34に受け入れられた後にコンタクトハウジング2により良好に取り付けられるように、固定要素4は、固定要素4をコンタクトハウジング2に取り付けることのできる取付部44を含むことができる。例えば、固定要素4は、固定レセプタクル34内の対応する数のラッチ縁部48にラッチする1つまたは複数のラッチラグ46を含むことができる(図4参照)。
【0052】
図2から、固定レセプタクル34が、コンタクトチャンバ22の列32の間に少なくとも部分的に延びることが見て取れる。さらに、固定レセプタクル34は、それぞれのコンタクトチャンバ22に開口している。言い換えると、固定レセプタクル34は、それぞれのコンタクトチャンバ22に通じるまたは連通する。このために、コンタクトハウジング2はそれぞれ、アクセススロット50を有することができ、アクセススロット50は、それぞれのコンタクトチャンバ22を固定レセプタクル34に接続する。アクセススロット50を、コンタクトチャンバ22の列32の間に配置することができる。あるいは、コンタクトチャンバ22の列32は、アクセススロット50の間に延びていてもよい(図2参照)。
【0053】
固定要素4は、少なくとも1つのロック部52を含む。図2に示すように、固定要素4は、コンタクトチャンバ22の列32ごとにロック部52を有することが好ましい。固定要素4が固定レセプタクル34(すなわち固定位置36)に完全に受け入れられると、ロック部52は、固定レセプタクル34から、コンタクトチャンバ22の関連する列32のコンタクトチャンバ22内に少なくとも部分的に突出する。言い換えると、ロック部52は、それぞれのアクセススロット50を通って延び、関連するコンタクトチャンバ22内に突出する。より詳細に以下で説明するように、ロック部52は、コンタクトチャンバ22においてコンタクトユニット12のそれぞれと形状嵌合接続54を形成するように構成されている。
【0054】
固定要素4は、少なくとも1つのチョック部56(固定部56、ブロック部56、chock section 56)も含む。図2に示すように、固定要素4は、コンタクトチャンバ22の列32ごとにチョック部56を含むことが好ましい。チョック部56とロック部52とは、対で互いに離間していることが好ましい。さらに、チョック部56とロック部52とは、少なくとも部分的に互いに平行に延びることができる。固定要素4の固定位置36で、チョック部56とロック部52とは、コンタクトチャンバ22の列32に対して互いに反対の側に対で位置することができる(図4参照)。
【0055】
以下でより詳細に説明するように、チョック部56は、コンタクトハウジング2のラッチ要素58を固定するように機能する。コンタクトハウジング2において、コンタクトチャンバ22ごとに別個のラッチ要素58が設けられることが好ましい。ラッチ要素58は、ラッチ位置60(図5参照)と解放位置62(図7参照)との間で可動である。ラッチ位置60で、各ラッチ要素58は、コンタクトチャンバ22のうちの1つの中に突出する。そこで、ラッチ要素58は、それぞれのコンタクトユニット12のラッチ凹部64に係合することができる(図5参照)。したがって、各ラッチ要素58は、ラッチ位置60で、対応するコンタクトチャンバ22に配置されたコンタクトユニット12にラッチ接続66するように構成されている。
【0056】
ラッチ要素58は、対で、それぞれのラッチ位置60またはそれぞれの解放位置62で互いに向かってまたは互いに離れるよう、または互いに平行に移動するように構成されている。
【0057】
各ラッチ要素58は、一時的または連続的な弾性変形、旋回、または曲げによって可動であり得る。例えば、各ラッチ要素58は、カンチレバーラッチアーム68またはラッチランス70を含むことができる。そして、ラッチアーム68を、コンタクトハウジング2と一体に形成することができる。ラッチアーム68は、コンタクトハウジング2をベースとし、コンタクトハウジング2の残りの部分に一体に接続されることが好ましい。さらに、ラッチアーム68は、コンタクトチャンバ22と固定レセプタクル34との間に少なくとも部分的に延びることができる。
【0058】
各ラッチ要素58はラッチ部72を含むことができ、ラッチ部72は、ラッチアーム68から突出し、関連するコンタクトチャンバ22内に延びる。ラッチアーム68とラッチ部72とは、一緒にラッチフック74を形成することができる。
【0059】
解放位置62で、それぞれのラッチ要素58、特にそのラッチ部72は、コンタクトチャンバ22から離れる。これは、固定要素4が固定位置36にない状態で、ラッチ要素58を解放位置62に移動させることができ、したがって、コンタクトユニット12をコンタクトチャンバ22に装着することができることを意味する。場合によっては、この目的でラッチ要素58を解放位置62に移動させれば、コンタクトユニット12は、コンタクトチャンバ22から再び(意図的にまたは意図せずに)離れることもできる。
【0060】
修理中にラッチ要素58を解放位置62に意図的に移動させることを簡単にするために、ラッチ要素58は、工具先端(図示せず)、例えばねじ回しの先端を係合させることのできる係合部76(図5参照)を含むことができる。ラッチアーム68の過度の伸び、座屈、または折れを防ぐために、コンタクトハウジング2は支持リブ78を有することができ、支持リブ78は、コンタクトチャンバ22の列32の間に延び、ラッチ要素58から離間し、ラッチ要素58は支持リブ78に当接して塑性変形を受ける。
【0061】
コンタクトユニット12をコンタクトハウジング2に装着するときに、最初にそれぞれのコンタクトユニット12を関連するコンタクトチャンバ22に挿入する(固定要素がない場合に)ことを意図することができる。通常、コンタクトユニット12とラッチ要素58とは、上記ラッチ接続66に入り、ラッチ要素58は、解放位置62とラッチ位置60との間で少なくとも一度切り替わる。その後、固定要素4が固定レセプタクル34に挿入される。
【0062】
固定要素4が固定レセプタクル34に完全に受け入れられると、コンタクトチャンバ22から離れる方向へのラッチ要素58の移動が、関連するチョック部56によって阻止、妨害、または防止される(図5参照)。例えば、固定要素4のチョック部56は、ラッチ要素58と支持リブ78との間の空間80に押し込まれ、そこで、ラッチ位置60から解放位置62へのラッチ要素58の移動を防止するまたはこれに対抗することができる。
【0063】
ラッチ要素58をラッチ位置60に恒久的に装填させることのないように、チョック部56は、力が作用することなくラッチ要素58に当接することができる。これは、チョック部56が、ラッチ要素58を押圧せず、それでも上記ラッチ接続66が所定の位置に留まる程度までラッチ要素58の可動性を制限することが好ましいことを意味する。この状態で、コンタクトユニット12を、コンタクトチャンバ22から(少なくとも非破壊的ではなく)取り出すことはできない。
【0064】
コンタクトユニット12は、例えば、上記コンタクト要素14を取り囲む円筒形シールド82をそれぞれ含むことができる。コンタクトユニット12の外面、特にシールド82の外面において、円周肩部84または溝86が、前述したラッチ凹部64を形成することができ、これにラッチ要素58が係合する。言い換えると、コンタクトユニット12、特にシールド82は、軸方向90のテーパ88と、これに続く拡大部92とを有することができる。ラッチ要素58、特にそのラッチ部72は、ラッチ接続66のためにテーパ88と拡大部92との間に係合する。加えて、ロック部52は、上記形状嵌合接続54を形成するために、テーパ88と拡大部92との間に係合する。
【0065】
したがって、プラグコネクタ8において、コンタクトハウジング2のコンタクトチャンバ22に受け入れられたコンタクトユニット12は、関連するラッチ要素58にラッチ接続66し、関連するロック部52に形状嵌合接続54する。ここでは、それぞれのラッチ接続66は、関連するチョック部56によって固定される。
【0066】
図5に見られるように、ラッチ接続66と形状嵌合接続54とを、それぞれのコンタクトユニット12に対して反対に位置決めすることができる。これは、コンタクトユニット12を、固定要素4によって両側で固定することもできることもできることを意味する。
【0067】
図5からも明らかなように、ロック部52は、形状嵌合接続54から離れる側、すなわち形状嵌合接続54の逆側でコンタクトハウジング2に当接することができる。これにより、それぞれのロック部52の曲げ剛性を高め、コンタクトユニット12につながるケーブル30またはワイヤ28が引張荷重を受けたときに、ロック部52が押し離されることを防ぐ。
【0068】
さらに、図5は、固定要素4が、コンタクトユニット12に当接する支持部94を含むことを示す。支持部94は、力が作用することなくコンタクトユニット12に当接することが好ましい。さらに、支持部94は、ラッチ要素58およびロック部52から、コンタクトチャンバ22の延長方向96に離間していてよい。これにより、3点支持が生じて、コンタクトユニット12の揺れを制限する。
【0069】
コンタクトユニット12の位置決めエラーを検出するために、コンタクトハウジング2は、ラッチ要素58ごとにブロック部98を含むことができ、その機能について以下で説明する。
【0070】
ラッチ位置60から出た各ラッチ要素58は、固定要素4のチョック部56のための止め部100を形成することができる。特に、止め部100を、固定要素4が固定レセプタクル34に完全に受け入れられたときにチョック部56が配置される固定レセプタクル34の領域102に配置することができる。任意選択で、それぞれのラッチ要素58がラッチ位置60から解放位置62へ移動する間、固定レセプタクル34の前記領域102を止め部100が擦動する。
【0071】
止め部100を、特にブロック部98によって形成することができる。このために、ブロック部98は、ラッチ要素58が解放位置62にあるときに、固定レセプタクル34内に突出する。このために、固定レセプタクル34は、回避凹部(evasive recess)104を形成することができ、回避凹部104は、少なくとも1つのラッチ要素58が解放位置62にあるときに、固定要素4がない場合に、ブロック部98を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている。
【0072】
各ブロック部98は、運動を伝達するように、関連するラッチ部72に接続されている。ハウジング構造を簡単にするために、ラッチ部72とブロック部98とを一体に接続することができる。例えば、ブロック部98は、上記ラッチアーム68にも形成されている。ラッチ部72とブロック部98とは、ラッチアーム68に対して反対の側に配置されていることが好ましい。ここでは、ラッチ部72をコンタクトチャンバ22に向け、ブロック部98を回避凹部104に向けることができる。これにより、ラッチアーム68をコンタクトチャンバ22から回避凹部104に旋回させ、逆にも旋回させることができるため、移動の順序が簡単になる。
【0073】
ラッチ要素58がまだ解放位置62にあるか、または少なくともラッチ位置60にない限り、止め部100は、回避凹部104に位置決めされることによって固定レセプタクル34をブロックする。したがって、この状態で、固定要素4が止め部100に衝突するため、固定要素4を固定レセプタクル34に完全に挿入することはできない。同時に、この状態は、ラッチ要素58がラッチ位置60にないことが明らかであるため、少なくとも1つのラッチ要素58が、挿入されたコンタクトユニット12と前記ラッチ接続66をしていないことを示す。
【0074】
言い換えると、コンタクトユニット12がコンタクトチャンバ22に正確に「取り付けられて」いない場合、ラッチ要素58は、ラッチ位置60に移動することができず、解放位置62または少なくともラッチ位置60の外に留まる。したがって、その後、ラッチ要素58の止め部100は、固定要素4が固定レセプタクル34に挿入されることを妨げる。この状態は、図7に、左下のコンタクトユニット12について示されている。したがって、固定要素4は、実際の固定機能に加えて、いわゆるTPA(端子位置保証)機能を果たし、誤って位置決めされたコンタクトユニット12の指標として機能する。
【0075】
このTPA機能は、固定要素4が検出部106を有し、この検出部106が、好ましくは固定要素4の残りの部分から固定挿入方向40に突出する場合に、十分に果たすことができる。その後、固定要素4を、最初に検出部106と共に固定レセプタクル34に挿入することができ、ブロック部98が固定レセプタクル、特に回避凹部104をブロックすれば、検出部106はブロック部98に当たる。検出部106とロック部52または検出部106とチョック部56とは、一致、適合、または対応していてよい。
【0076】
したがって、ラッチ要素ごとに、別個の回避凹部104を設けることができる。そして、回避凹部104ごとに、別個のブロック部98および/または別個の検出部106を設けることができる。あるいは、すべてのラッチ要素58に共通の回避凹部104を設けることができる。この場合、共通のブロック部98および/または共通の検出部106で十分である。
【0077】
図4から見て取れるように、固定レセプタクル34は、コンタクトチャンバ22を、互いに対して垂直な、隣接する少なくとも3つの側から、対で取り囲むことができる。したがって、固定レセプタクル34における固定要素4は、コンタクトチャンバ22とコンタクトチャンバ22に受け入れられコンタクトユニット12とを、対応する多数の側から取り囲むことができる。コンタクトチャンバ22の数に応じて、固定要素4は、U字形外形、2つのU字形外形、または複数のU字形外形を有することができる。
【0078】
チョック部56および/またはロック部52は、上記回避凹部104に受け入れられ、固定要素4の固定位置36でブロック部98に当接することができるように構成されてよい(図4参照)。例えば、チョック部56は、固定要素4の残りの部分から固定挿入方向40に突出することができると好ましい。チョック部56は、検出部106としても機能し、ブロック部98が固定レセプタクル34をブロックするときに、ブロック部98に当接することができる。
【0079】
図6は、上記プラグコネクタ8と、プラグコネクタ8に相補的に構成された相手側プラグ18とを有する接続デバイス20の分解図である。プラグコネクタ8と相手側プラグ18とは、互いにプラグ接続可能であるように構成されている。
【0080】
相手側プラグ18は、プラグコネクタ8のコンタクトハウジング2に相補的に構成されたコネクタハウジング108を有することができる。コネクタハウジング108において、相手側プラグ18の相手側コンタクト16を、コンタクトユニット12ごとにラッチ式に受け入れることができる。この場合、各相手側コンタクト16は、関連するコンタクトユニット12に相補的に構成され、関連するコンタクトユニット12にプラグ接続可能である。
【0081】
相手側プラグ18は、プラグコネクタ8の固定要素4と同様に構成された固定要素4’を有することもできる。したがって、接続デバイス20は、プラグコネクタ8および相手側プラグ18の両方において、それぞれの固定要素4、4’の機能の恩恵を受けることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ハウジングアセンブリ
2 コンタクトハウジング
4、4’ 固定要素
6 射出成形部品
8 プラグコネクタ
10 データ線
12 コンタクトユニット
14 コンタクト要素
16 相手側コンタクト
18 相手側プラグ
20 接続デバイス
22 コンタクトチャンバ
24 側
26 側
28 ワイヤ
30 ケーブル
32 列
34 固定レセプタクル
36 固定位置
38 把持面
40 固定挿入方向
42 コンタクト挿入方向
44 取付部
46 ラッチラグ
48 ラッチ縁部
50 アクセススロット
52 ロック部
54 接続
56 チョック部
58 ラッチ要素
60 ラッチ位置
62 解放位置
64 ラッチ凹部
66 接続
68 ラッチアーム
70 ラッチランス
72 ラッチ部
74 ラッチフック
76 係合部
78 支持リブ
80 空間
82 シールド
84 肩部
86 溝
88 テーパ
90 方向
92 拡大部
94 支持部
96 延長方向
98 ブロック部
100 止め部
102 領域
104 回避凹部
106 検出部
108 コネクタハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタ(8)用のハウジングアセンブリ(1)であって、
前記ハウジングアセンブリ(1)は、
コンタクトハウジング(2)と、
固定要素(4)と
を備え、
前記コンタクトハウジング(2)は、
-前記プラグコネクタ(8)のコンタクトユニット(12)を受け入れるための少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)と、
-ラッチ位置(60)と解放位置(62)との間で可動であり、前記ラッチ位置(60)で、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)内に少なくとも部分的に突出する少なくとも1つのラッチ要素(58)と、
-前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)に少なくとも部分的に通じる固定レセプタクル(34)であり、前記固定レセプタクルは、前記固定要素(4)を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている、固定レセプタクルと
を含み、
前記固定要素(4)は、
-少なくとも1つのチョック部(56)と、
-少なくとも1つのロック部(52)と
を含み、
前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに、前記ラッチ位置(60)から前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)とは離れる方向への前記少なくとも1つのラッチ要素(58)の移動が、前記少なくとも1つのチョック部(56)によって阻止され、前記少なくとも1つのロック部(52)は、前記固定レセプタクル(34)から前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)内に少なくとも部分的に突出する、ハウジングアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに、前記少なくとも1つのチョック部(56)と前記少なくとも1つのロック部(52)とは、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)に対して互いに反対の側に配置されている、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのチョック部(56)と前記少なくとも1つのロック部(52)とは、少なくとも部分的に互いに平行に延びる、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ラッチ位置(60)から出た前記ラッチ要素(58)は、前記固定要素(4)の前記少なくとも1つのチョック部(56)のための止め部(100)を形成する、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記止め部(100)は、前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに前記少なくとも1つのチョック部(56)が配置される前記固定レセプタクル(34)の領域(102)に配置されている、請求項4に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのラッチ要素(58)が前記ラッチ位置(60)から前記解放位置(62)へ移動する間に、前記固定レセプタクル(34)の前記領域(102)を前記止め部(100)が擦動する、請求項5に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのラッチ要素(58)は、カンチレバーラッチアーム(68)を含む、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記固定レセプタクル(34)は、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)に対して少なくとも部分的に横方向に延びる、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記コンタクトハウジング(2)は、少なくとも部分的に互いに平行に延びる2つのコンタクトチャンバ(22)を含み、前記固定レセプタクル(34)は、前記2つのコンタクトチャンバ(22)の間に少なくとも部分的に延びる、請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのラッチ要素(58)は、前記2つのコンタクトチャンバ(22)の間に少なくとも部分的に延びる、請求項9に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記固定要素(4)が前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられたときに、前記少なくとも1つのチョック部(56)または前記少なくとも1つのロック部(52)は、前記2つのコンタクトチャンバ(22)の間に少なくとも部分的に延びる、請求項9に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項12】
プラグコネクタ(8)であって、
請求項1から11のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)と、
相手側プラグ(18)の相手側コンタクト(16)に接触するための少なくとも1つのコンタクトユニット(12)と
を備え、
それぞれのコンタクトユニット(12)は、前記コンタクトハウジング(2)のそれぞれのコンタクトチャンバ(22)に受け入れられ、前記少なくとも1つのラッチ要素(58)にラッチ接続(66)し、
前記固定要素(4)は、前記固定レセプタクル(34)に完全に受け入れられ、前記少なくとも1つのチョック部(56)により前記ラッチ接続(66)を固定し、前記少なくとも1つのロック部(52)を介して前記少なくとも1つのコンタクトユニット(12)に形状嵌合接続(54)する、プラグコネクタ(8)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのロック部(52)は、前記形状嵌合接続(54)から離れる側で、前記コンタクトハウジング(2)に当接する、請求項12に記載のプラグコネクタ(8)。
【請求項14】
前記固定要素(4)は、前記少なくとも1つのコンタクトユニット(12)に当接する少なくとも1つの支持部(94)を有し、前記少なくとも1つの支持部(94)は、前記少なくとも1つのラッチ要素(58)および前記少なくとも1つのロック部(52)から、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(22)の延長方向(96)に離間している、請求項12に記載のプラグコネクタ(8)。
【請求項15】
接続デバイス(20)であって、
請求項12に記載のプラグコネクタ(8)と、
前記プラグコネクタ(8)に相補的に構成された相手側プラグ(18)と
を有し、
前記プラグコネクタ(8)と前記相手側プラグ(18)とは、互いにプラグ接続可能であるように構成され、
前記相手側プラグ(18)は、請求項12に従って構成されている、接続デバイス(20)。
【外国語明細書】