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特開2024-155797空気圧式防衝材およびその管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155797
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】空気圧式防衝材およびその管理システム
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/26 20060101AFI20241024BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20241024BHJP
   B63B 59/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
E02B3/26 K
E02B3/26 B
F16F7/00 N
F16F7/00 B
B63B59/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066271
(22)【出願日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2023-0051047
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】511028593
【氏名又は名称】ファスン コーポレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン イルギョン
(72)【発明者】
【氏名】ベ サンス
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェムン
(72)【発明者】
【氏名】イ テギュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ユジン
【テーマコード(参考)】
3J066
【Fターム(参考)】
3J066AA16
3J066BA01
3J066BD05
3J066BE01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】空気圧式防衝材管理装置の交換およびメンテナンスにおいて利便性を確保した空気圧式防衝材を提供する。
【解決手段】空気圧式防衝材1の少なくとも一端部に装着され、空気圧式防衝材1の内部と外部を貫通する貫通部を形成するリング状の金具ハウジング20と、空気圧式防衝材1の内部と外部を遮断するように貫通部24に装着された板状のフランジ110と、空気圧式防衝材の外部方向に形成された面を画定するフランジ110の前面に装着された無線送信機130と、無線送信機130が装着された領域を保護するようにフランジ110の前面に装着されたカバー140と、所定の長さを有し、フランジ110の後面に装着されたシャフトと、シャフトの内部方向の端部に装着され、空気圧式防衝材1の位置情報を生成する位置センサーと、フランジ110と位置センサーとの間でシャフトに連結され、シャフトを中心に回転可能な反射部材とから構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧式防衝材の少なくとも一端部に装着され、前記空気圧式防衝材の内部と外部を貫通する貫通部を形成するリング状の金具ハウジングと、
前記空気圧式防衝材の内部と外部を遮断するように前記貫通部に装着された板状のフランジと、
前記空気圧式防衝材の外部方向に形成された面を画定する前記フランジの前面に装着された無線送信機と、
前記無線送信機が装着された領域を保護するように前記フランジの前面に装着されたカバーと、
所定の長さを有し、前記空気圧式防衝材の内部方向に形成された面を画定する前記フランジの後面に装着されたシャフトと、
前記シャフトの内部方向の端部に装着され、前記空気圧式防衝材の位置情報を生成する位置センサーと、
前記フランジと前記位置センサーとの間で前記シャフトに連結され、前記シャフトを中心に回転可能な反射部材と、を含み、
前記空気圧式防衝材の回転時にも前記反射部材の位置が固定されることにより、前記位置センサーを用いた前記空気圧式防衝材の位置情報生成の正確度を大幅に向上させる、空気圧式防衝材。
【請求項2】
前記フランジの前面で前記カバーによって保護された領域に装着された圧力センサーをさらに含み、
前記フランジには前記圧力センサーで前記フランジの後面の空間の圧力を測定できるように前記フランジを貫通して形成される圧力測定口が設けられ、前記圧力測定口は前記カバーによって保護された領域に設けられ、
前記圧力センサーのメンテナンスを容易にしながらも、水分の流入から前記圧力センサーを保護できるようにする、請求項1に記載の空気圧式防衝材。
【請求項3】
前記フランジには、前記位置センサーで受信された信号を前記無線送信機に伝達できるように前記フランジを貫通して形成される位置センサー-無線送信機接続口が設けられ、前記位置センサー-無線送信機接続口は前記カバーによって保護された領域に設けられ、
前記位置センサーに伝達される電磁信号が前記カバーによって干渉されないようにしながらも、水分の流入から前記位置センサーを保護できるようにする、請求項1に記載の空気圧式防衝材。
【請求項4】
前記空気圧式防衝材の内部方向に形成された面を画定する前記フランジの後面に装着されるアンテナがさらに設けられ、
前記フランジには、前記無線送信機で生成された信号を前記アンテナに伝達できるように前記フランジを貫通して形成されるアンテナ接続口が設けられ、前記アンテナ接続口は前記カバーによって保護された領域に設けられ、前記アンテナに伝達される電磁信号が前記カバーによって干渉されないようにしながらも、水分の流入から前記位置センサーを保護できるようにする、請求項1に記載の空気圧式防衝材。
【請求項5】
前記反射部材は、
少なくとも1つ以上の板を有する中心板と、
前記中心板の下部に設けられて前記中心板に一方向に重力を作用させる重りと、
前記中心板に接続するように設けられて前記位置センサーに伝達される電磁信号を反射するための反射板と、を含み、
前記中心板には前記シャフトが通過するための中心板通孔が形成され、前記中心板は前記シャフトを中心に回転し、
前記重りによる一方向の重力作用により、前記空気圧式防衝材の回転時にも前記反射板が前記フランジを基準として一定の方向に位置するようにすることによって、
前記空気圧式防衝材の回転時にも前記位置センサーを用いた前記空気圧式防衝材の位置情報生成の正確度を大きく向上させる、請求項1に記載の空気圧式防衝材。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の空気圧式防衝材を管理するためのシステムにおいて、
空気圧式防衝材管理部および通信部を含み、
生成される前記空気圧式防衝材の位置情報または圧力情報を含む管理情報を前記無線送信機に伝達し、
前記無線送信機は、前記管理情報を前記空気圧式防衝材の固有番号とともに生成時間を基準として形成された1つのデータセットに変換して前記空気圧式防衝材管理部に伝達する、空気圧式防衝材管理システム。
【請求項7】
前記空気圧式防衝材管理部は、受信した前記データセットの前記管理情報を単純移動平均、指数移動平均、加重移動平均、幾何移動平均および調和移動平均方法のうち少なくともいずれかを適用して補正する、請求項6に記載の空気圧式防衝材管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧式防衝材およびその管理システムに関し、より詳細には、船舶の接岸または接舷時における船体および岸壁の損傷防止のために、岸壁の壁面または船側に設けられる空気圧式防衝材とこれを管理するための管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧式防衝材は、船舶の接岸または接舷時の船体および岸壁の損傷防止のために、岸壁の壁面または船側に設けられる。
【0003】
空気圧式防衝材は、ゴムなどの弾性材料からなるエアバック形態の構造体に圧縮空気を封入し、船舶の接岸または接舷時の衝撃を空気圧によって緩衝させるようにしたものである。例えば、空気圧式防衝材は、岸壁の壁面または船側に固定部材で固定しておき、船舶の接岸または接舷時に壁面と船舶が直接接触しないように位置し、衝撃を防止することができる。
【0004】
防衝材が適正位置から離脱する場合、船舶の接岸または接舷時に壁面と船舶が直接接触することができ、船体および岸壁の損傷をもたらすことができる。また、空気圧式防衝材は、常に適正な空気圧が維持されない場合、衝撃防止効果が低下することがある。これにより、空気圧式防衝材は、空気圧式防衝材管理のために、防衝材内部に位置センサーや圧力センサーなどの様々なセンサーを備えた防衝材管理装置を配置することができる。
【0005】
しかし、防衝材管理装置は、防衝材管理装置の一部が密封容器に収容されていない場合、海水の侵入や衝撃によって外部に露出してセンサーが故障するという問題があった。また、防衝材管理装置が全体として密封容器に収容されているが、その内部に空気圧を伝播させるための連通孔が形成されている場合には、前記連通孔などから海水が侵入してセンサーが故障する問題があった。
【0006】
したがって、防衝材管理装置が外部に露出して発生する故障を防止できるように、防衝材管理装置を防衝材内部に位置させるか、または密閉構造のケーシング内に設けることになる。これにより、防衝材管理装置が防衝材内部にあるか、または密閉構造のケーシングによって密閉されているため、防衝材管理システムで海水の浸透が防止され、気体や液体に直接露出されず保護され得る。
【0007】
しかし、このように防衝材管理装置が防衝材内部や、密閉構造のケーシングに装着される場合、防衝材管理装置の設置作業や交換作業、特にバッテリー交換のような簡単な交換作業を行うために、防衝材を陸上に上げて内部の空気を抜いた後、防衝材内部から前記防衝材管理装置を取り出すか、または前記密閉構造のケーシングから分離しなければならなかった。したがって、空気圧式防衝材管理システムを設置、交換およびメンテナンス作業に多大な時間と労力を必要とするという問題があった。
【0008】
また、空気圧式防衝材管理装置が防衝材内部や密閉構造のケーシングに浮動状態で固定配置されているので、前記防衝材の位置または姿勢の変化に応じて、位置センサー(例えば、GPS)が空中から信号を受信することに制限が発生したり、正確な位置信号を受信できなったりするという問題が発生する可能性がある。
【0009】
したがって、それを解決するための空気圧式防衝材および空気圧式防衝材管理システムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するために、空気圧式防衝材管理装置の交換およびメンテナンスにおいて利便性を確保した空気圧式防衝材を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、空気圧式防衝材の位置を正確に把握できるように、空気圧式防衝材管理装置の位置センサーが空気圧式防衝材の動きによる影響を最小化して、信号を良好に受信できるように構成された空気圧式防衝材を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、空気圧式防衝材管理装置を用いて空気圧式防衝材を効果的に管理できる空気圧式防衝材管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、空気圧式防衝材の少なくとも一端部に装着され、前記空気圧式防衝材の内部と外部を貫通する貫通部を形成するリング状の金具ハウジングと、前記空気圧式防衝材の内部と外部を遮断するように前記貫通部に装着された板状のフランジと、前記空気圧式防衝材の外部方向に形成された面を画定する前記フランジの前面に装着された無線送信機と、前記無線送信機が装着された領域を保護するように前記フランジの前面に装着されたカバーと、所定の長さを有し、前記フランジの後面に装着されたシャフトと、前記シャフトの内部方向の端部に装着され、前記空気圧式防衝材の位置情報を生成する位置センサーと、前記フランジと前記位置センサーとの間で前記シャフトに連結され、前記シャフトを中心に回転可能な反射部材と、を含み、前記空気圧式防衝材の回転時にも前記反射部材の位置が固定されることにより、前記位置センサーを用いた前記空気圧式防衝材の位置情報生成の正確度を大幅に向上させる、空気圧式防衝材を提供する。
【0014】
また、本発明は、空気圧式防衝材管理部および通信部を含み、生成される前記空気圧式防衝材の位置情報または圧力情報を含む管理情報を前記無線送信機に伝達し、前記無線送信機は、前記管理情報を前記空気圧式防衝材の固有番号とともに生成時間を基準として形成された1つのデータセットに変換して前記空気圧式防衝材管理部に伝達する、空気圧式防衝材管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態によれば、空気圧式防衝材に設置された防衝材金具と防衝材金具に装着される防衝材管理装置の配置および構成を用いて、防衝材管理装置の設置作業や交換作業などのメンテナンスに利便性を確保することができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態によれば、防衝材の動きにも関わらず独立して姿勢を制御できる反射部材を用いて位置センサーが防衝材の動きに影響されずに信号を良好に受信されるようにすることによって空気圧式防衝材の位置情報を正確に生成することができる。
【0017】
また、本発明の一実施形態によれば、空気圧式防衝材管理装置を用いて空気圧式防衝材の圧力状態および位置情報の管理を効果的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による空気圧式防衝材を示す図である。
図2】本発明の実施形態による防衝材金具を示す図である。
図3】本発明の実施形態による防衝材管理装置の前面(防衝材の外部方向)を示す図である。
図4】本発明の各実施形態による防衝材管理装置の後面(防衝材の内部方向)を示す図である。
図5】本発明の各実施形態による防衝材管理装置を示す図である。
図6】本発明の各実施形態による防衝材管理装置を示す図である。
図7】本発明の実施形態による空気圧式防衝材管理システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、それぞれ異なる様々な形態で実現することができ、単に本実施形態は本発明の開示を完全にし、通常の知識を有する者に本発明の内容をより完全に知らせるために提供されるものである。
【0020】
本明細書において、1つの要素が別の要素「上」または「下」に位置すると言われる場合、これは前記1つの要素が別の要素の「真上」または「真下」に位置するか、またはそれらの要素の間に追加の要素が介在することができるという意味を全て含む。
【0021】
本明細書において、「上部」または「下部」という用語は、観察者の視点から設定された相対的な概念であり、観察者の視点が変わると、「上部」が「下部」を意味する場合もあるし、「下部」が「上部」を意味する場合もある。
【0022】
本明細書で指す「外部方向」という用語は図1に示す防衝材の外部に向かう方向を指し、「内部方向」は図1に示す防衝材の内部に向かう方向を指す。
【0023】
以下、図面を参照して空気圧式防衝材およびその管理システムについて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態による空気圧式防衝材を示す図である。
【0025】
図1を参照すると、空気圧式防衝材は防衝材金具を含むことができる。
【0026】
空気圧式防衝材1は、ゴムを主材料とし、両端部に防衝材金具2a、2bを装着できるように通孔が形成されたチューブ状に、内部に圧縮空気を充填することができる。例えば、空気圧式防衝材1は、円筒形のチューブ状に形成することができるが、これに限定されない。
【0027】
空気圧式防衝材1の両端部に装着された防衝材金具2a、2bは、防衝材の外部方向に固定環11を形成することができる。これにより、空気圧式防衝材1に結合された防衝材金具2a、2bの固定環11にロープ、バンドおよびチェーンなどのような部材を装着して、船舶または岸壁に空気圧式防衝材1を水平で設置することができ、水に浮かんでいる空気圧式防衝材1が海流により前記船舶または前記岸壁から離脱しないように固定することができる。例えば、空気圧式防衝材1の両端部に装着された防衝材金具2a、2bの固定環11にロープを掛け、前記岸壁に空気圧式防衝材1を配置して空気圧式防衝材1によって前記船舶と前記岸壁とが互いに接触しないようにすることができる。
【0028】
防衝材金具2a、2bは、空気圧式防衝材1の重量に耐えることができ、波や風などの外力による衝撃に強く、腐食に抵抗性のある金属材質で作製することができる。これにより、防衝材金具2a、2bの部分に様々な装置を設置することが容易である。例えば、空気圧式防衝材1の両端部の防衝材金具2a、2bのうち一端の防衝材金具2aには、空気圧式防衝材1を管理するための防衝材管理装置100を装着することができる。これについて、図2を参照して詳細に説明する。
【0029】
図2は、本発明の実施形態による防衝材金具を示す図である。
【0030】
図2を参照すると、防衝材金具は、空気圧式防衝材1と結合されている金具ハウジング20と、金具ハウジング20と締結される金具栓10と、を含み、金具ハウジング20には防衝材管理装置100を装着することができる。
【0031】
金具ハウジング20は、金具ハウジング20の内側に所定の直径を有する貫通部24を含むリング(Ring)状であり得る。また、金具ハウジング20の外側、上端(防衝材の外部側)に突出して形成される栓結合部22と、金具ハウジング20の外側、下端(防衝材の内部側)に突出して形成される防衝材固定部23と、を含むことができる。このとき、栓結合部22の上端と、防衝材固定部23の下端とが金具ハウジング20の厚さを定義する。
【0032】
金具ハウジング20は、栓結合部22と防衝材固定部23とによって空気圧式防衝材1に結合することができる。例えば、空気圧式防衝材1が金具ハウジング20の厚さより厚い場合、栓結合部22と防衝材固定部23が空気圧式防衝材1に挿入され、栓結合部22と防衝材固定部23との間に形成された所定の間隔に空気圧式防衝材1の一部を挿入して固定することができる。このとき、栓結合部22、防衝材固定部23および空気圧式防衝材1は、互いに接着剤によって固定されてもよく、防衝材固定部23に締結可能な固定ネジ(図示せず)を用いて防衝材固定部23と接している空気圧式防衝材1と防衝材固定部23とを固定して金具ハウジング20を空気圧式防衝材1に固定してもよい。ただし、栓結合部22、防衝材固定部23および空気圧式防衝材1の固定方法はこれに限定されない。
【0033】
金具ハウジング20は、貫通部24の方向に所定の長さで突出しており、金具ハウジング20の下端、防衝材固定部23と同一面に形成されるフランジ結合部21を含むことができる。フランジ結合部21は、防衝材管理装置100と締結できるように、防衝材管理装置100のフランジ110とフランジ110に形成されたフランジ固定ボルト穴111に対応する形態に形成することができる。これにより、金具ハウジング20のフランジ結合部21に防衝材管理装置100を装着することができる。また、金具ハウジング20のフランジ結合部21に防衝材管理装置100を装着することによって、防衝材内部を防衝材外部と遮断することができる。
【0034】
金具ハウジング20の栓結合部22は、金具栓10と防衝材の外部で結合できるように金具栓10に対応する形態で形成することができる。これにより、防衝材管理装置100が装着された金具ハウジング20の貫通部24を、防衝材の外側から金具栓10を用いて密閉させることができる。これにより、防衝材管理装置100が外部に露出して損傷することを防止することができる。
【0035】
金具栓10は、栓結合部22に装着されたときに金具栓10が防衝材管理装置100に接触しないように形成することができる。例えば、フランジ結合部21に装着された防衝材管理装置100のカバー140が貫通部24に位置し、栓結合部22の上端を越えない場合、金具栓10は平坦な形態を有しても防衝材管理装置100と干渉することなく栓結合部22に装着することができる。逆に、フランジ結合部21に装着された防衝材管理装置100のカバー140が貫通部24に位置し、栓結合部22の上端を越える場合、金具栓10が平坦な形態であると、金具栓10が栓結合部22に装着されるときに防衝材管理装置100のカバー140と干渉することになる。これにより、金具栓10が栓結合部22に装着されるときに防衝材管理装置100のカバー140と干渉しないように、防衝材の外部に屈曲した曲面を有することができる。すなわち、金具栓10は栓結合部22に締結されて貫通部24を密閉することができるが、防衝材管理装置100のカバー140と干渉しないように様々な形態で製作することができる。
【0036】
金具ハウジング20に結合された金具栓10は、ロープ、バンドおよびチェーンなどのような部材を結合して空気圧式防衝材1を船舶または岸壁に設置できるように、防衝材の外部に固定環11を形成することができる。
【0037】
金具ハウジング20のフランジ結合部21に装着される防衝材管理装置100は、フランジ110を基準として防衝材の外部方向に無線送信機130が設けられ、これを保護するために無線送信機収容部145が形成されたカバー140を設けることができる。これにより、フランジ110がフランジ結合部21に締結され、防衝材管理装置100が金具ハウジング20に装着されたとき、防衝材の外部から無線送信機130の接近が容易となり、無線送信機130が外部に直接露出するのを防止することができる。また、カバー140の取り外しにより無線送信機130を直接確認することができるので、無線送信機130のメンテナンス容易性を確保することができる。
【0038】
また、防衝材管理装置100は、フランジ110を基準として防衝材の内部方向に位置センサー170とアンテナ190を設けることができる。これにより、位置センサー170とアンテナ190で電波の送出および受信が、金属からなる金具ハウジング20および金具ハウジング20に締結された金具栓10の方向ではなく、ゴムからなる空気圧式防衝材1の方向に配置することができる。これにより、金具ハウジング20および金具ハウジング20に締結された金具栓10により電波が遮断されることなく、ゴムからなる空気圧式防衝材1の方向に送出および受信することができる。
【0039】
防衝材管理装置100は、後述する図3および図4を参照して詳細に説明する。
【0040】
図3は、本発明の実施形態による防衝材管理装置の前面(防衝材の外部方向)を示す図である。
【0041】
図3を参照すると、防衝材管理装置100は、フランジ110、無線送信機130およびカバー140を含むことができる。
【0042】
フランジ110は、金具ハウジング(図2、20)のフランジ結合部(図2、21)に装着できるように板状に形成することができる。例えば、円形の板状で形成することができるが、金具ハウジング(図2、20)のフランジ結合部(図2、21)に対応する形態であれば、これに限定されない。また、フランジ110は、金属、強化プラスチック、繊維強化プラスチックなどの様々な材質を適用することができるが、これに限定されない。
【0043】
フランジ110の前面には、フランジ結合部(図2、21)に固定ボルトで装着するための固定ボルト穴111がフランジ110の外殻に形成されてもよい。
【0044】
フランジ110の前面には、フランジ110の中央部分に無線送信機130を装着できるように無線送信機固定ボルト穴113が形成されてもよい。
【0045】
フランジ110の前面には、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102が装着され、フランジ110の後面に貫通して形成される圧力センサー接続口116、フランジ110の後面に貫通して形成されるアンテナ接続口114、およびフランジ110の後面に貫通して形成される位置センサー-無線送信機接続口115を形成することができる。これにより、フランジ110の前面に装着された圧力センサー105がフランジ110の後面に形成された圧力を測定することができ、フランジ110の前面に装着された圧力センサー105の交換およびメンテナンスに有利である場合もある。また、アンテナ接続線101はフランジ110の後面に装着されるアンテナ(図4、190)と接続することができ、第1位置センサー接続線102はフランジ110の後面に装着される第2位置センサー接続線(図4、103)と接続することができる。
【0046】
フランジ110の前面には、無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102を覆って保護するカバー140を装着できるように、カバー固定ボルト穴112が無線送信機固定ボルト穴113、圧力センサー接続口116、アンテナ接続口114、および位置センサー-無線送信機接続口115の外側に形成することができる。このとき、カバー固定ボルト穴112は、カバー翼部141に形成されたカバーボルト穴142に対応する位置に形成されてもよい。
【0047】
無線送信機130は、無線送信機130を無線送信機固定ボルト133と無線送信機固定ワッシャ134でフランジ110に固定できるように、無線送信機ボルト穴132が形成された無線送信機翼部131を無線送信機130の外殻に形成することができる。これにより、無線送信機固定ボルト133を用いて無線送信機130をフランジ110に容易に装着および取り外しすることができる。
【0048】
無線送信機130は、圧力センサー接続線104を接続可能な無線送信機圧力センサー端子137、アンテナ接続線101を接続可能な無線送信機通信端子135および第1位置センサー接続線102を接続可能な無線送信機位置センサー端子136を含むことができる。これにより、無線送信機130は、無線送信機圧力センサー端子137を介して受信した信号と無線送信機位置センサー端子136を介して受信した信号とを無線送信機通信端子135を介して送信することができる。また、無線送信機130は内部に電源供給装置(図示せず)を含んでおり、無線送信機圧力センサー端子137および無線送信機位置センサー端子136を介して圧力センサー105および位置センサー(図4、170)に電源を供給することができる。
【0049】
圧力センサー接続線104は、一末端に圧力センサー105が装着され、他末端には無線送信機圧力センサー端子137に締結可能な端子が形成されてもよい。このとき、圧力センサー105は、フランジ110の圧力センサー接続口116に装着可能に形成されてもよい。これにより、フランジ110の後面に貫通して形成される圧力センサー接続口116に装着された圧力センサー105を圧力センサー接続線104で無線送信機130に接続することができ、フランジ110の後面の空間の圧力測定値を圧力センサー105が感知して無線送信機130に伝達することができる。
【0050】
アンテナ接続線101は、一末端にフランジ110のアンテナ接続口114に締結可能な端子が形成され、他末端には無線送信機通信端子135に締結可能な端子が形成されてもよい。これにより、フランジ110の後面に装着されたアンテナ(図4、190)はアンテナ接続線101を用いて無線送信機130と接続することができ、無線送信機130で生成された信号はアンテナ(図4、190)を介して発信することができる。
【0051】
第1位置センサー接続線102は、一末端にフランジ110の位置センサー-無線送信機接続口115に締結可能な端子が形成され、他末端には無線送信機位置センサー端子136に締結可能な端子が形成されてもよい。これにより、フランジ110の後面に装着された位置センサー(図4、170)と接続された第2位置センサー接続線(図4、103)は第1位置センサー接続線102を用いて無線送信機130に接続することができ、位置センサー(図4、170)で受信された信号を無線送信機130に伝達することができる。
【0052】
このように、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102を無線送信機130に接続することによって、フランジ110の後面に位置センサー(図4、170)およびアンテナ(図4、190)を設け、フランジ110の前面に無線送信機130を設けることができ、無線送信機130の交換および維持管理に利便性を確保することができる。
【0053】
カバー140は、無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102と、無線送信機固定ボルト穴113、圧力センサー接続口116、アンテナ接続口114および位置センサー-無線送信機接続口115とが外部に露出しないように保護し、水分の浸透と外部の衝撃を防止する役割を果たすことができる。例えば、カバー140は、無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102と、無線送信機固定ボルト穴113、圧力センサー接続口116、アンテナ接続口114および位置センサー-無線送信機接続口115とを収容できる無線送信機収容部(図2、145)を形成することができる。
【0054】
また、カバー140は、カバー固定ボルト143とカバー固定ワッシャ144を用いてフランジ110にカバー140を固定できるように、カバーボルト穴142が形成されるカバー翼部141がカバー140の下端に形成することができる。これにより、カバー固定ボルト143をフランジ110のカバー固定ボルト穴112に結合してカバー140をフランジ110に固定することができる。
【0055】
ガスケット120は、カバー140をフランジ110に結合するときにカバー140とフランジ110との間に配置することができる。ガスケット120は、カバー翼部141の大きさに対応する形態で製作され、カバーボルト穴142に対応する位置にガスケットボルト穴121を形成することができる。このとき、ガスケット120は、ゴム、プラスチックおよび金属などの様々な材質で製作することができるが、これに限定されない。これにより、カバー140は、フランジ110に結合するときにカバー翼部141とフランジ110との間にガスケット120が密着し、カバー140は、無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102と、無線送信機固定ボルト穴113、圧力センサー接続口116、アンテナ接続口114および位置センサー-無線送信機接続口115とが外部に露出しないように保護し、水分の浸透を防止することができる。
【0056】
ガスケット120は、1つ以上のガスケット通孔(図示せず)をさらに形成することができる。これにより、カバー140をフランジ110に結合する際に、カバー140とフランジ110との間に配置されたガスケット120の前記ガスケット通孔(図示せず)を介してカバー140の無線送信機収容部(図2、145)により形成されるカバー140の内部とカバー140の外部の空気が移動することができる。
【0057】
例えば、前記ガスケット通孔(図示せず)には空気が移動することができ、水分が浸透しないように水分防止部材を装着することができる。例えば、前記水分防止部材は、空気を通過させることができ、水分の通過を防ぐことができる撥水コーティングされた布地、ゴアテックス(登録商標)(Goretex)、撥水性能を有する不織布および撥水性能を有する機能性フィルムなどを適用することができるが、これに限定されない。
【0058】
これにより、前記ガスケット通孔(図示せず)がカバー140とフランジ110との間に形成されることによって、カバー140とフランジ110とが結合したとき、カバー140の内部とカバー140の外部との間の空気の移動により、気圧を同じに保持することができる。これにより、カバー140の内部が密閉されて圧力が上昇する場合、カバー140の内部の圧力が圧力センサー105で測定される誤作動を前記ガスケット通孔(図示せず)で防止することができる。
【0059】
また、ガスケット120は複数の部分に分けられてもよい。例えば、ガスケット120は、4つの切れ端としてガスケット120a、120b、120c、120dに分けられることができるが、これらに限定されない。
【0060】
複数のガスケット120a、120b、120c、120dは同一平面に配置され、各ガスケット120a、120b、120c、120dの間に隙間122a、122b、122c、122dを形成することができる。例えば、ガスケット120aの一末端とガスケット120bの一末端との間に隙間122aを形成することができる。これにより、カバー140をフランジ110に結合する際に、カバー140とフランジ110との間に配置された複数のガスケット120a、120b、120c、120dの間の隙間122a、122b、122c、122dを介してカバー140の無線送信機収容部(図2、145)によって形成されるカバー140の内部とカバー140の外部の空気が移動することができる。
【0061】
例えば、隙間122a、122b、122c、122dには空気が移動することができ、水分が浸透しないように水分防止部材が装着されてもよい。例えば、前記水分防止部材は、空気を通過させることができ、水分の通過を防ぐことができる撥水コーティングされた布地、ゴアテックス(Goretex)、撥水性能を有する不織布および撥水性能を有する機能性フィルムなどを適用することができるが、これに限定されない。
【0062】
これにより、隙間122a、122b、122c、122dがカバー140とフランジ110との間に形成されるので、カバー140とフランジ110が結合したとき、カバー140の内部とカバー140の外部との間の空気の移動により、気圧を同じに保持することができる。これにより、カバー140の内部が密閉されて圧力が上昇する場合、カバー140の内部の圧力が圧力センサー105で測定される誤作動を隙間122a、122b、122c、122dを用いて防止することができる。
【0063】
また、他の実施形態において、カバー140は、カバー通孔(図示せず)をさらに形成することができる。これにより、カバー140をフランジ110に結合する際に、カバー通孔(図示せず)を介してカバー140の無線送信機収容部(図2、145)によって形成されるカバー140の内部とカバー140の外部の空気が移動することができる。
【0064】
例えば、カバー通孔(図示せず)には空気が移動することができ、水分が浸透しないように水分防止部材を装着することができる。例えば、前記水分防止部材は、空気を通過させることができるが、水分の通過を防ぐことができる撥水コーティングされた布地、撥水性能を有する不織布、撥水性能を有する機能性フィルムおよびゴアテックス(Goretex)などを適用することができるが、これに限定されない。
【0065】
カバー通孔(図示せず)は、カバー140とフランジ110とが結合したとき、カバー140の内部とカバー140の外部との間の空気の移動によって気圧を同じに維持することができる。
【0066】
これにより、カバー140は、無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102と、無線送信機固定ボルト穴113、圧力センサー接続口116、アンテナ接続口114および位置センサー-無線送信機接続口115が外部および水分に露出しないように保護することができる。
【0067】
これにより、無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102などの主要構成をフランジ110の前面に配置しても外部から保護することができ、カバー140の取り外しにより容易に無線送信機130、圧力センサー接続線104、圧力センサー105、アンテナ接続線101および第1位置センサー接続線102などの主要構成の交換およびメンテナンスが可能になり得る。
【0068】
図4は、本発明の各実施形態による防衝材管理装置の後面(防衝材の内部方向)を示す図である。
【0069】
図4(a)および図4(b)を参照すると、防衝材管理装置100a、100bは、アンテナ190a、190b、位置センサー170a、170b、および反射部材180a、180bを含むことができる。
【0070】
圧力センサー接続口116a、116bは、フランジ110a、110bの前面に貫通しており、フランジ110a、110bの前面に装着された圧力センサー(図3、105)がフランジ110a、110bの後面の空間の圧力を測定することができる。
【0071】
アンテナ接続口114a、114bは、フランジ110a、110bの前面に貫通しており、フランジ110a、110bの前面に装着されたアンテナ接続線(図3、101)とアンテナ190a、190bを接続することができる。これにより、無線送信機(図3、130)で生成された信号はアンテナ190を介してフランジ110a、110bの後面の空間に発信することができる。
【0072】
位置センサー-無線送信機接続口115a、115bは、フランジ110a、110bの前面に貫通しており、フランジ110a、110bの前面に装着された第1位置センサー接続線(図3、102)と第2位置センサー接続線103a、103bを接続することができる。このとき、第2位置センサー接続線103a、103bの一末端は位置センサー-無線送信機接続口115a、115bに締結できるように形成され、他末端は位置センサー170a、170bに接続できるように形成される。これにより、位置センサー170a、170bで受信した信号または位置情報を第2位置センサー接続線103a、103bと第1位置センサー接続線(図3、102)を介して無線送信機(図3、130)に伝達することができる。
【0073】
図4(a)を参照して、シャフト160a、位置センサー170aおよび反射部材180aの結合について詳細に説明する。
【0074】
ブラケット150は長方形フレームの形態で形成することができる。このとき、対向する両側面のうち一側面にはフランジ110aに固定されるフランジ結合面150-1、他側面にはシャフト160aが固定されるシャフト結合面150-2が形成されてもよい。例えば、フランジ結合面150-1にはブラケット固定ボルト151が装着されてもよい。これにより、フランジ110aに形成されたブラケット固定ボルト穴117にブラケット固定ボルト151を締結してフランジ結合面150-1をフランジ110aに固定することができる。また、シャフト結合面150-2にはシャフト締結口152が形成されてもよい。例えば、シャフト160aは、シャフト締結口152を貫通し、シャフト固定ボルト162で固定され、シャフト160aがシャフト締結口152を抜け出さないように固定されてもよい。これにより、シャフト160aをブラケット150にしっかりと固定することができる。
【0075】
シャフト160aは、シャフト160aを貫通するシャフト中央通孔164が形成されたパイプ状に形成することができる。このとき、シャフト160aの一末端はブラケット150を貫通してシャフト固定ボルト162により固定できるように形成され、シャフト160aの他末端は位置センサー170aが付着できるようにシャフト中央通孔164を基準として外側に平坦に拡張する板状の位置センサー固定板161aを形成することができる。例えば、シャフト160aの一末端はシャフト締結口152を貫通してシャフト固定ボルト162によりブラケット150に固定することができる。このとき、シャフト160aの位置センサー固定板161aが形成された他末端はブラケット150の外側に位置することができる。これにより、シャフト160aはブラケット150によりフランジ110aに固定され、位置センサー固定板161aに装着された位置センサー170aはブラケット150の外側に安定して固定することができる。
【0076】
シャフト中央通孔164には第2位置センサー接続線103が通過することができ、位置センサー固定板161aに装着された位置センサー170aに接続することができる。これにより、位置センサー170aが受信した信号または位置情報は第2位置センサー接続線103を用いて伝達することができる。
【0077】
反射部材180aは、板状の中心板181を基準として上端に中心板通孔183が形成され、下端に重り184が装着される。このとき、中心板通孔183はシャフト160aが通過できる大きさに形成することができる。例えば、シャフト160aが中心板通孔183を通過して位置決めされ、反射部材180aはシャフト160aを軸に回転することができる。このとき、シャフト160aを軸に反射部材180aが良好に回転できるように中心板通孔183を加工するか、または回転部材をさらに形成してもよい。例えば、シャフト160aが通過できる大きさの通孔を有するベアリング(図示せず)が中心板通孔183の内側に形成され、反射部材180aがシャフト160aを中心によく回転できるように回転部材を形成することができるが、これに限定されない。これにより、シャフト160aを反射部材180aの中心板通孔183を通過させ、ブラケット150のシャフト締結口152に結合させると、反射部材180aは反射部材180aの中心板181がブラケット150のシャフト結合面150-2と位置センサー固定板161aとの間に位置することになり、シャフト160aを基準として回転することができる。
【0078】
反射部材180aの中心板通孔183と重り184との間に反射板182を装着することができる。このとき、反射板182の面積は位置センサー170aの面積より大きく形成することができる。
【0079】
反射板182は、反射部材180aがシャフト160aと結合したとき、反射板182の内面がシャフト160aに装着された位置センサー170aの方向に装着されてもよい。例えば、反射板182は、中心板181と所定の角度をなして中心板通孔183の方向に広がるように装着されてもよい。これにより、反射板182と中心板181との間に楔状の空間が形成され、反射板182の前記内面が位置センサー170aに向かう。これにより、空中からの電波および電磁信号を反射板182の前記内面に反射して位置センサー170aの方向に伝達することができる。また、反射部材180aは、シャフト160aが回転してもシャフト160aを軸に自由に回転することができ、反射板182が前記空中を眺めることができ、前記電波および電磁信号が反射板182の前記内面に反射して位置センサー170aの方向に伝達することができる。これについて図5を参照して詳細に説明する。
【0080】
図4(b)を参照して、シャフト160b、位置センサー170aおよび反射部材180bの結合の他の実施形態を詳細に説明する。
【0081】
シャフト160bは、シャフト160bを貫通するシャフト中央通孔が形成されたパイプ状に形成することができる。このとき、シャフト160bの一末端はフランジ110bの中央部に形成されたシャフト固定穴118に締結固定されてもよい。また、シャフト160bの他末端には、位置センサー170aが付着できるように、前記シャフト中央通孔を基準として外側に平坦に拡張された板状の位置センサー固定板161bが形成されてもよい。
【0082】
シャフト160bは、シャフト160bをシャフト固定穴118に締結する前に、反射部材180bの中心板に形成された中心板通孔を通過して結合することができる。このとき、反射部材180bの構造は、図4(a)で説明した反射部材180aと同じ構造であってもよい。これにより、反射部材180bは、フランジ110bに固定されたシャフト160bでシャフト160bを軸に回転することができる。
【0083】
また、シャフト160bは、反射部材180bがシャフト160bに結合された後、シャフト160bに沿って移動せずに位置センサー固定板161bの近傍に位置できるように固定部材163を装着することができる。例えば、シャフト160bが反射部材180bの前記中心板通孔を通過して結合され、反射部材180bが位置センサー固定板161bの近傍に位置すると、固定部材163をシャフト160bに装着した場合、反射部材180bは位置センサー固定板161bと固定部材163との間に位置される。このとき、固定部材163は、反射部材180bがシャフト160bに沿って移動しないように防止し、シャフト160bに結合できる板状およびピン状など様々な形態を有することができるが、これらに限定されない。
【0084】
これにより、反射部材180bは、フランジ110bに締結されたシャフト160bを軸に回転させることができ、位置センサー固定板161bと固定部材163との間の空間でのみ回転できるように固定することができる。
【0085】
シャフト160bは、シャフト160bを貫通する前記シャフト中央通孔を介して第2位置センサー接続線103bを位置センサー170bと接続するために、シャフト160bの側面に接続線通孔165を形成することができる。これにより、接続線通孔165を介して第2位置センサー接続線103bが前記シャフト中央通孔に流入し、前記シャフト中央通孔を介して位置センサー固定板161bに装着された位置センサー170bと接続することができる。
【0086】
図5および図6は、本発明の各実施形態による防衝材管理装置を示す図である。
【0087】
図5を参照すると、反射部材180は、フランジ110の回転に影響されずに一定の位置を維持することができる。
【0088】
防衝材管理装置100は、フランジ110によって空気圧式防衝材の防衝材金具に結合される。これにより、前記空気圧式防衝材が回転すると、防衝材管理装置100も同様に回転する。例えば、図5(a)から図5(b)のようにフランジ110が回転しながら、フランジ110に結合された部分も回転する。
【0089】
防衝材管理装置100の全ての部分が前記空気圧式防衝材の回転に応じて一緒に回転する場合、防衝材管理装置100に固定された位置センサー170も回転することになる。このとき、防衝材管理装置100の回転に関わらず、位置センサー170が一方向に眺められるように、位置センサー170を防衝材管理装置100の中央に装着することができる。しかし、位置センサー170を防衝材管理装置100の中央に装着する場合、位置センサー170は上空からの電磁信号を効果的に受信できなくなる。これにより、本発明はシャフト160に締結されているが、シャフト160を軸に自由に回転できる反射部材180を用いて、フランジ110の回転に影響されずに反射板182が一定に上空方向を向き、反射角を用いて、上空からの電磁信号を位置センサー170に効果的に伝達できるようにした。
【0090】
反射板182を含む反射部材180がシャフト160を基準として回転可能であることを、図4を参照して説明した。このとき、反射部材180の中心板181の下端に装着された重り184が重力によって下方を向くようになり、反射板182の内面が上空に向くことができる。これにより、反射部材180は、フランジ110が回転しても重り184に作用する重力によって同じ方向を向くようになり、反射部材180に装着された反射板182が上空方向を向くことができ、電磁信号を反射板182が効果的に反射することができる。
【0091】
図6を参照すると、反射部材180は、フランジ110の傾斜に影響されずに一定の位置を維持することができる。
【0092】
防衝材管理装置100は、フランジ110によって空気圧式防衝材の防衝材金具に結合される。これにより、前記空気圧式防衝材が傾くと、防衝材管理装置100も同様に傾くことになる。例えば、図6(a)から図6(b)または図6(c)のようにフランジ110が傾くと、フランジ110に結合された部分も傾くことになる。
【0093】
防衝材管理装置100の全ての部分が前記空気圧式防衝材の傾きに応じて同様に傾斜している場合、防衝材管理装置100に固定された位置センサー170は上空からの電磁信号を効果的に受信できなくなる。これにより、反射部材180の中心板181にヒンジ185を追加してフランジ110の傾きに影響されずに反射板182が一定に上空方向を向くように改善した。
【0094】
反射板182を含む反射部材180の中心板181は、シャフト160と締結された部分と反射板182が形成された部分との間にヒンジ185を形成することができる。これにより、中心板181は、ヒンジ185を中心に所定の角度で折り畳むことができる。このとき、中心板181の下端に装着された重り184が重力によって下方を向くようになり、ヒンジ185の下部である反射板182が装着された中心板181は重力によって一定に下方を向くようになる。これにより、反射板182は、フランジ110が傾斜しても重り184に作用する重力によって同様に上空方向を向くことができ、電磁信号を効果的に反射することができる。
【0095】
図7は、本発明の実施形態による空気圧式防衝材管理システムを示す模式図である。
【0096】
図7を参照すると、空気圧式防衝材管理システムは、空気圧式防衝材、空気圧式防衝材管理部および通信部を含む。
【0097】
空気圧式防衝材は、船舶の接岸または接舷時の船体および岸壁の損傷防止のために、岸壁の壁面または船側に複数個設けることができる。このとき、前記空気圧式防衝材が設置される範囲は、船体の大きさまたは岸壁の大きさに応じて非常に広くすることができる。また、前記空気圧式防衝材は、船体および岸壁の損傷防止のために適切な位置に固定されるべきであり、緩衝として機能できるように適正な圧力を維持しなければならない。したがって、前記空気圧式防衝材は、前記空気圧式防衝材を管理できるシステムを必要とする。
【0098】
前記空気圧式防衝材管理システムの前記空気圧式防衝材は、管理情報を生成することができる。このとき、前記管理情報は、位置情報、圧力情報および温度情報などの様々な情報であってもよいが、これらに限定されない。例えば、前記管理情報は、位置センサーを用いて生成された位置情報であり得る。また、圧力センサーを用いて生成された圧力情報であってもよい。このとき、前記位置センサーはGPSセンサーを適用することができるが、これに限定されない。また、前記圧力センサーは、歪ゲージ圧力センサー、静電容量型圧力センサー、および電位差計式圧力センサー、圧電式圧力センサーなどを含むことができるが、これらに限定されない。これにより、前記管理情報を用いて前記空気圧式防衝材が適切な位置にあるか、適切な圧力を形成しているかを確認することができる。
【0099】
前記空気圧式防衝材は、生成された前記管理情報、例えば、前記位置センサーで生成された前記位置情報および/または前記圧力センサーで生成された前記圧力情報を伝達される無線送信機を含むことができる。これにより、前記無線送信機は、前記位置情報および/または前記圧力情報を含む前記管理情報の入力を受けることができる。
【0100】
前記無線送信機は、前記管理情報を生成時間に基づいて形成された1つのデータセットに変換することができる。また、前記無線送信機は、前記データセットに前記空気圧式防衝材の固有番号を含めてデータセットを生成することができる。これにより、前記データセットがどの空気圧式防衝材のデータセットであるかを特定することができる。
【0101】
例えば、特定時点T1に前記位置センサーでA(x,y)位置情報が生成され、前記圧力センサーでB(P1)圧力情報が生成された場合、T1という特定時間に対するメタデータを含めて同じ時点で前記A(x,y)位置情報と、前記B(P1)圧力情報とが前記無線送信機に伝達され、前記無線送信機はT1という時間を基準として前記A(x,y)位置情報と、前記B(P1)圧力情報とを組み合わせてデータセットとして生成することができる。このとき、前記データセットに空気圧式防衝材の固有番号F(1)を含めることができる。これにより、前記無線送信機は、例えば、以下のように時間基準で連続的にデータセットを生成することができる。
T1:A(x,y),B(P1),F(1)
T2:A(x,y),B(P2),F(1)
T3:A(x,y),B(P3),F(1)
【0102】
前記無線送信機は、前記データセットを無線通信形式で送信することができる。例えば、前記無線送信機に接続されたアンテナを使用して無線通信形式で送信することができる。
【0103】
前記空気圧式防衝材管理システムは、前記空気圧式防衝材を管理するために、空気圧式防衝材管理部を含み、前記空気圧式防衝材と前記空気圧式防衝材管理部を接続する通信部を含むことができる。このとき、前記通信部は無線通信技術を適用することができる。例えば、前記通信部は、低電力長距離通信技術を適用することができ、LoRa、LoRaWAN、RFを使用する無線通信技術を適用することができるが、これらに限定されない。これにより、空気圧式防衝材管理部は、前記通信部を介して前記無線送信機から送信された前記データセットを受信することができる。これにより、前記空気圧式防衝材管理部を介して前記防衝材の状態確認および管理を行うことができる。
【0104】
前記空気圧式防衝材管理部は、前記通信部を介して前記データセットを受信し、前記データセットの前記管理情報をそのまま前記空気圧式防衝材管理部で利用することができるが、前記管理情報の誤差と偏差がそのまま反映されるため、一時的に大きなノイズが発生した場合、前記空気圧式防衝材の管理に干渉する可能性がある。これにより、前記管理情報、例えば、位置情報と、前記圧力情報を補正して、誤差と偏差を低減し、データ分散の安定化および異常に誤差が大きく発生した値を補正できるように、前記データセットの前記管理情報を補正することが好ましい。このとき、補正方法は、単純移動平均、指数移動平均、加重移動平均、幾何移動平均および調和移動平均方法のうち少なくともいずれかを適用することができる。
【0105】
具体的に、指数移動平均の一種である測定値の連続した平均値を適用することができる。例えば、位置情報の最初値(x,y)、2番目値(x,y)、3番目値(x,y)、n番目値(x,y)(ここで、nは1以上の自然数、nの値が大きいほど最新の測定値)の場合、前記空気圧式防衝材管理部で補正した最初のデータセットの位置情報(D1x,D1y)は以下の通りである。
【0106】
以降、前記空気圧式防衝材管理部で補正した2番目のデータセットの位置情報(D2x,D2y)は以下の通りである。
【0107】
これを解くと以下の通りである。
【0108】
これを書き直すと以下の通りである。
【0109】
以降、前記空気圧式防衝材管理部で補正したn番目のデータセットの位置情報(Dnx,Dny)は以下の通りである。
【0110】
これを解くと以下の通りである。
【0111】
ここで、最後の項を除いて分母の値が幾何級数的に大きくなるため、DnxおよびDnyの値に与える影響が殆どないと仮定してもよい。
これを重みで表すと、最新の測定値から約50%、25%、13%、6%、3%の順に位置情報で重みが減少することになる。
【0112】
これにより、現在の位置情報に近い位置情報に高い重みが付与され、前記空気圧式防衝材の位置を現時点に近づけるように確認が可能となり、過去の位置情報の傾向が一部反映されて過度な誤差および偏差が発生した場合、これを補正できるようになる。これは、圧力情報などの他の管理情報に対しても適用可能である。
【0113】
これを管理情報(x)に対する一般式として以下のように表すことができる。(n=1以上の自然数、nの値が大きいほど最新の測定値)
【0114】
また、単純移動平均の一種であるデータの特定数を選択して平均を求め、該当値を位置データとして適用することができる。例えば、最初の位置情報(x,y)、2番目の位置情報(x,y)、3番目の位置情報(x,y)、n番目の位置情報(x,y)(ここで、nは1以上の自然数、nの値が大きいほど最新の測定値)の場合、4つの値を順次選択して算術平均値を適用する場合、前記空気圧式防衝材管理部で補正した最初のデータセット(D1x,D1y)は以下の通りである。
【0115】
以降、前記空気圧式防衝材管理部で補正した2番目のデータセット(D2x,D2y)は以下の通りである。
【0116】
以降、前記空気圧式防衝材管理部で補正したn番目のデータセット(Dnx,Dny)は以下の通りである。
【0117】
これにより、最新の位置情報付近にある位置情報を活用して、分散の安定化および異常に誤差が発生した値を補正することができる。これは、圧力情報などの他の管理情報に対しても適用可能である。
【0118】
しかし、このような方式を用いる場合、3つ未満でデータセットを構成する場合、パラメータが減少し、異常に誤差の大きい値を補正する効果が弱くなる欠点がある。例えば、2つの位置情報を使用する場合、比重がそれぞれ50%であるため、1つの位置情報が異常である値が出た場合に、前記データセットに過度に反映される欠点がある。
【0119】
5つを超えてデータセットを構成する場合、過度に過去の位置情報を反映することになって現在の位置情報に対する変化をすぐに反映できないという欠点が生じる可能性がある。例えば、6つの位置情報を用いる場合、比重がそれぞれ16.7%であるため、最新の位置情報の比重が過度に低くなり、最新動向を反映しにくくなるという欠点がある。
【0120】
このように、前記空気圧式防衝材管理部は、前記データセットを補正する際に様々な補正方法を適用して、前記管理情報の誤差と偏差を低減し、分散の安定化および異常に誤差が大きく発生した値を補正することができる。
【0121】
以上で説明したように、本発明に対する具体的な説明は添付図面を参照した実施形態によってなされたが、上述した実施形態は本発明の好ましい例を挙げて説明したに過ぎず、本発明が前記実施形態に限定されるものであると理解されるべきではなく、本発明の権利範囲は、後述する特許請求の範囲およびその等価概念によって理解されるべきである。
【0122】
例えば、図面は理解を容易にするために各構成要素を主体として模式的に示したものであり、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数などは図面作成の進行上、実際と異なる場合がある。また、前記実施形態で示した各構成要素の材質や形状、寸法などは一例として、特に限定されず、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 空気圧式防衝材;2a、2b 防衝材金具;10 金具栓;11 固定環;20 金具ハウジング;21 フランジ結合部;22 栓結合部;23 防衝材固定部;24 貫通部;100 防衝材管理装置;101 アンテナ接続線;102 第1位置センサー接続線;103a、103b 第2位置センサー接続線;104 圧力センサー接続線;105 圧力センサー;110、110a、110b フランジ;111 フランジ固定ボルト穴;112 カバー固定ボルト穴;113 無線送信機固定ボルト穴;114 アンテナ接続口;115 位置センサー-無線送信機接続口;116 圧力センサー接続口;117 ブラケット固定ボルト穴;118 シャフト固定穴;120 ガスケット;121 ガスケットボルト穴;122 隙間;130 無線送信機;131 無線送信機翼部;132 無線送信機ボルト穴;133 無線送信機固定ボルト;134 無線送信機固定ワッシャ;135 無線送信機通信端子;136 無線送信機位置センサー端子;137 無線送信機圧力センサー端子;140 カバー;141 カバー翼部;142 カバーボルト穴;143 カバー固定ボルト;144 カバー固定ワッシャ;145 無線送信機収容部;150 ブラケット;150-1 フランジ結合面;150-2 シャフト結合面;151 ブラケット固定ボルト;152 シャフト締結口;160a、160b シャフト;161a、161b 位置センサー固定板;162 シャフト固定ボルト;163 固定部材;164 シャフト中央通孔;165 接続線通孔;170、170a、170b 位置センサー;180 反射部材;181 中心板;182 反射板;183 中心板通孔;184 重り;185 ヒンジ;190 アンテナ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7