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特開2024-155814製品塊を処理するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155814
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】製品塊を処理するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/04 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A23G1/04
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024066858
(22)【出願日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】10 2023 109 853.5
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508277243
【氏名又は名称】ネッツシュ-ファインマールテヒニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ゲオルク キスヴェッター
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン クナップ
(72)【発明者】
【氏名】マチアス カップ
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GP01
4B014GT01
4B014GT20
(57)【要約】
【課題】より良好に監視可能及び/又は制御可能又は調整可能な製品塊の処理を提供し、従って製品塊を更に効率的に処理できるようにすることである。
【解決手段】本発明は、製品塊(М)を処理するための装置(1;1’;1”;101;201)に関し、誘電センサ(44)を有する少なくとも1個のセンサ手段(41;41a~c)を備え、センサ手段(41;41a~c)は、誘電センサ(44)により、その誘電センサ(44)の環境において、製品塊(М)の誘電特性を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう配置及び構成されている。更に、本発明は、製品塊(М)を、特に本発明に係る装置(1;1’;1”;101;201)により、処理するための方法に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品塊(М)を処理するための装置(1;1’;1”;101;201)であって、
‐前記製品塊(М)を収容するための容器(2)と、
‐前記容器(2)内において、前記製品塊(М)に作用するよう設けられた少なくとも1個の製品塊処理ツール(17)と、
‐誘電センサ(44)を有する少なくとも1個のセンサ手段(41;41a~c)と、
を備え、
前記センサ手段(41;41a~c)が、前記誘電センサ(44)により、該誘電センサ(44)の環境において、前記製品塊(М)の誘電特性を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう配置及び構成されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、該センサ手段(41;41a~c)により、前記誘電センサ(44)の前記環境において、前記製品塊(М)の更に温度を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう構成され、特に、前記誘電特性及び前記温度が、前記製品塊(М)における少なくとも実質的に同じ領域で検出できるよう構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記製品塊処理ツール(17)が、前記容器(2)内に配置されることにより、前記容器(2)に対して移動可能であると共に、前記製品塊(М)に機械的に作用するよう形成されていることを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、前記容器(2)の壁(3)上に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、前記容器(2)における前記壁(3)の下部領域、特に、前記壁(3)の下半分、より好適には、前記壁(3)の下3分の1に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、前記装置(1;1';1”)の作動中に、前記製品塊処理ツール(17)によって繰り返し上方を通過される前記容器(2)の前記壁(3)領域に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の装置であって、前記製品塊(М)を収容する前記容器(2)の内側領域に面すると共に、前記製品塊(М)と接触するために設けられた前記センサ手段(41;41a~c)の表面(43)が、前記容器(2)の壁内面(47)に対して後退するよう配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の装置であって、前記装置(101)に、幾つかのセンサ手段(41a~c)が設けられ、前記幾つかのセンサ手段(41a~c)のそれぞれが、誘電センサ(44)を有し、前記誘電センサ(44)が、該誘電センサ(44)の環境において、前記製品塊(М)の誘電特性を一時的に又は連続的に検出するよう構成され、特に、前記製品塊(М)の温度を連続的に又は一時的に検出するよう更に構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記幾つかのセンサ手段(41a~c)が、前記容器(2)の周方向(U)に沿って配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の装置であって、前記幾つかのセンサ手段(41a~c)が、前記装置(101)の作動中における前記製品塊(М)の処理時に、前記製品塊処理ツール(17)が繰り返し辿る経路(B)に沿って、互いに離間して配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の装置であって、前記センサ手段(41)が、前記製品塊(М)との接触のために設けられ、かつ前記容器(2)内に位置する要素上、例えば前記製品塊処理ツール(17)上に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の装置であって、前記装置(1;1’;1”;101;201)が、食品塊を処理するために構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の装置であって、前記装置(1;1’;1”;101;201)が、チョコレートマスを処理するためのコンチング装置として構成され、前記製品塊処理ツール(17)が、コンチングツールであることを特徴とする、装置。
【請求項14】
特に請求項1~13の何れか一項に記載の装置(1;1’;1”;101;201)によって製品塊(М)を処理するための方法であって、該方法が、
‐前記製品塊(М)及び/又は該製品塊(М)を作製するための出発材料を容器(2)に充填するステップと、
‐前記容器(2)内における少なくとも1個の製品塊処理ツール(17)によって前記製品塊(М)に作用させるステップであり、前記製品塊(М)を、前記製品塊処理ツール(17)と接触させることにより、処理し又は形成及び処理し、前記製品塊処理ツール(17)を、少なくとも一時的に前記製品塊(М)と接触させる、該ステップと、
‐誘電センサ(44)を有するセンサ手段(41;41a~c)により、前記誘電センサ(44)の環境における前記製品塊(М)の誘電特性を検出するステップであり、該検出を、前記製品塊(М)が前記容器(2)内に位置している間、連続的に又は少なくとも一時的に行う、該ステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記製品塊(М)を、処理又は形成及び処理するための前記製品塊処理ツール(17)を、前記容器(2)内で該容器(2)に対して移動させることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、少なくとも1つの移動休止(S3a~S3n)を設け、前記移動休止(S3a~S3n)の間、前記製品塊処理ツール(17)の移動を中断又は大幅に減速させ、前記移動休止(S3a~S3n)の間の誘電特性の検出を、前記製品塊処理ツール(17)の停止又は減速移動中に行うか又は連続的に行い、検出した前記誘電特性の評価を、前記製品塊処理ツール(17)の停止又は減速移動が生じる前記移動休止(S3a~S3n)の間に行うことを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の方法であって、幾つかの移動休止(S3a~S3n)を設け、前記製品塊処理ツール(17)を、前記移動休止(S3a~S3n)において、前記製品塊処理ツール(17)の移動経路(B)に沿い、実質的に同じ位置で停止させるか又は減速させ、前記製品塊処理ツール(17)を、好適には、前記誘電センサ(44)の取り付け位置の上方を通過する前記移動経路(B)内のセクションで、停止させるか又は減速させることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項14~17の何れか一項に記載の方法であって、前記誘電特性と同時に、前記誘電センサ(44)の環境において、前記製品塊(М)の温度を連続的に又は少なくとも一時的に検出することを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項14~18の何れか一項に記載の方法であって、前記製品塊(М)の誘電特性、特に誘電特性及び温度を、幾つかの検出箇所(42a~c)で検出し、特に該検出箇所(42a~c)を、前記製品塊(М)の処理中に前記製品塊処理ツール(17)が繰り返し辿る経路(B)に沿って、互いに離間して配置(α,β)し、前記製品塊処理ツール(17)に、前記検出箇所(42a~c)の上方を連続的に通過させることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品塊を処理するための装置に関する。更に、本発明は、特にこのような装置を使用して製品塊を処理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、製品塊(製品マス)に関連して、例えば、その出発材料の製造中及び/又は様々な種類の製品の完成中、特にかなりの粘度を有し、及び/又は、かなりの粘性を有する液体或いは溶融物に似たペースト状又は生地状又はクリーム状の塊又は他の塊の生成及び処理に関連して、多種多様な分野で使用できるにもかかわらず、本発明及び本発明の基礎をなす一連の問題は、チョコレートマスの処理、いわゆるコンチングを例とし、以下において例示的に更に詳細に説明するが、本発明がその効果に限定されることはない。
【0003】
チョコレートを製造するためには、出発材料、特にカカオマス、砂糖、ココアバター、粉乳、及び/又は、脂肪が混合され、その目的のために特別に設けられた装置内で圧縮力及びせん断力を加えることによって処理される。
【0004】
高品質のチョコレートの製造では、コンチングプロセスでチョコレートマスから水分、即ち水を放出することが目標とされる。チョコレートマスは更に、不快な又は不所望な芳香が揮発して放出されるようにするために、コンチング中に異なる温度ブーストに晒される。このようにして、チョコレートマスの味は、コンチング時間が長くなるにつれてますます良くなる。このプロセスは、加熱された空気を吹き込むことによってサポートすることができる。
【0005】
チョコレートのコンチングには、ロドルフ・リンツに由来するコンチェから半連続式の高性能コンチェ(PIV)まで、様々なコンチング装置(コンチェとも称される)を使用することができる。
【0006】
チョコレートのコンチングは、製品の品質にとって重要なプロセスであるが、時間及びエネルギーが比較的かかるプロセスでもある。従来のアプローチでは、製造されたコンチング塊の品質は、コンチングプロセスの終了時に、例えば、得られた低含水量及び/又は不所望な芳香物質の放出に関連して判定される。この結果が期待を満たさない場合、即ち要求される品質に達していない場合には、コンチングプロセスが延長される。
【0007】
製品塊をコンチングするためのコンチング装置及び方法は、例えば、特許文献1(独国特許出願公開第10 2017 001 784号明細書)に記載されている。
【0008】
上述した特許文献1には、製品塊の除湿度を判定するために、容器内に収容された製品塊の重量を検出することが記載されている。この目的のために、計量セルが提案され、この計量セルは、容器の重量と共に、容器内に満たされた製品塊の重量を検出することができ、従ってコンチング中及び/又は放出中の容器内における製品塊の重量変化を検出することができる。このことに基づいて、コンチング又は放出の進行状況を監視することができる。
【0009】
上述した種の製品塊、例えば、特に高品質のチョコレートを製造するためのチョコレートマスのコンチングの間、製品塊を処理するときの製造プロセスを更に良好に監視することができ、好適には、製造プロセスを更に良好に制御又は調整できるのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 001 784号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した背景技術に鑑み、本発明の課題は、より良好に監視可能及び/又は制御可能又は調整可能な製品塊の処理を提供し、従って製品塊を更に効率的に処理できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を備える製品塊を処理するための装置により、及び/又は、請求項14の特徴を備える製品塊を処理するための方法により解決される。
【0013】
これによれば、製品塊を処理するための装置が提案され、この装置は、製品塊を収容するための容器と、容器内において、製品塊に作用するよう設けられた少なくとも1個の製品塊処理ツールと、誘電センサを有する少なくとも1個のセンサ手段とを備える。
【0014】
この場合、センサ手段は、誘電センサにより、その誘電センサの環境において、製品塊の誘電特性を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう配置及び構成されている。
【0015】
本発明によれば、特にこのような装置によって製品塊を処理する方法が更に提案され、この方法は以下のステップ、即ち、
‐製品塊及び/又はこの製品塊を作製するための出発材料を容器に充填するステップと、
‐容器内における少なくとも1個の製品塊処理ツールによって製品塊に作用させるステップであり、製品塊を、製品塊処理ツールと接触させることにより、処理し又は形成及び処理し、製品塊処理ツールを、少なくとも一時的に製品塊と接触させる、該ステップと、
‐誘電センサを有するセンサ手段により、誘電センサの環境における製品塊の誘電特性を検出するステップであり、この検出を、製品塊が容器内に位置している間、連続的に又は少なくとも一時的に行う、該ステップと、
を含む。
【0016】
本発明の基礎をなす思想は、製品塊の物理的特性としての誘電特性に基づいて、監視され、かつ所定の値に達するべき製品塊における特性のインライン判定、例えば含水量又は含水量に関する良好な近似値のインライン判定を行うことである。この場合、本発明により、誘電特性で表される製品塊における物理的性質を直接的に推定することができる。
【0017】
製品塊の誘電特性は、有利には、所望の時点又は所定の時間間隔で検出及び評価でき、又は大きな時間遅延なしに連続的に検出及び評価することもできる。従って、所望の特性、例えば含水量の監視は、本発明により、好適には、リアルタイムで、又は少なくともほぼリアルタイムで実現可能である。これにより、製品塊の処理をリアルタイム又は少なくともほぼリアルタイムで制御し、例えば最適化することが可能である。例えば、処理は、1つ又は幾つかの所定の基準に関して最適な時点で終了することができる。更に、処理プロセスの1つ又は幾つかの他の制御変数は、最適な結果を得るために、監視された特性に基づいて、系統的に変更することができる。これに加えて、適切な調整変数、例えば製品塊における所望の特性、例えば含水量による調整を行うことができる。
【0018】
本発明では、有利には、サンプルの採取などが回避される。サンプルの採取は、作業の手間が伴うだけでなく、特に製品塊における所望の純度及び汚染のなさに関して、例えばチョコレートなどの食品の場合及び化粧品などの場合にも、ケア及び清潔さに対して高い要求が更に課される可能性があり、それに付随して、人員、時間、並びに材料の支出を更に増加させる可能性がある。このような手間は、本発明が提案する誘電分析により、低減又は回避することができる。
【0019】
本発明の有利な設計及び更なる構成は、従属請求項及び図面に基づく説明に記載した通りである。
【0020】
一設計において、センサ手段は、誘電センサにより、誘電センサの環境において、製品塊の誘電特性を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう配置及び構成されている。特にこの場合、製品塊の少なくとも実質的に同じ領域における誘電特性及び温度を検出することができる。誘電分析に関して、例えば、誘電率及び/又は損失率は、一般的に温度の関数であり得、例えば水について当てはまる。同じ検出箇所における誘電特性及び付加的に温度の検出により、換言すれば、製品塊における少なくとも同じ空間体積要素に関して、検出箇所における製品塊の性質、例えば製品塊の現在の水分について、有意義な結論を得ることができる。
【0021】
センサ手段は、例えば、温度センサで構成することができ、この場合に温度センサは、例えば、熱電対又は測定抵抗器とすることができる。温度センサは、例えば、白金又は銅の測定抵抗器として構成することができる。
【0022】
特に、誘電センサの環境における誘電特性及び温度が実質的に同時に検出されることが想定されている。
【0023】
一設計において、製品塊処理ツールは、容器内に配置されることにより、容器に対して移動可能であると共に、製品塊に機械的に作用するよう形成されている。これにより、例えば、製品塊に圧縮力及び/又はせん断力などの力を作用させることにより、製品塊に関して適切な機械的処理が提供される。容器は、例えば、室内で固定的に配置することができ、製品塊処理ツールは、容器内で容器に対して移動できるよう配置することができる。製品塊処理ツールは、中心又は軸線の周りで回転運動するよう設けることができる。ただし他の設計の場合では、容器は、代替的に、例えば、移動可能に配置し、製品塊処理ツールは、固定的に配置することができ、又は更なる設計では、容器だけでなく製品塊処理ツールも室内で移動させることにより、両者の相対移動を実現することができる。
【0024】
更なる構成の場合、センサ手段は、容器の壁に配置されている。これにより、センサ手段は、容易にアクセス可能に配置することができ、特に固定的な容器との関連で容器との接続を簡略化することができる。
【0025】
一設計において、センサ手段は、容器における壁の下部領域、特に、壁の下半分、より好適には、壁の下3分の1に配置されている。これにより、重力を利用して製品塊及びセンサ手段の良好な接触を確保することができ、このことは、誘電特性及び必要に応じて温度の確実な検出に寄与する。
【0026】
更なる構成によれば、センサ手段は、装置の作動中に、製品塊処理ツールによって繰り返し上方を通過される容器の壁領域に配置されている。このような更なる構成の場合、センサ手段と製品塊との接触及び検出の信頼性を更に高めることができる。なぜなら、製品塊処理ツールが、例えば加圧下で製品塊をセンサ手段に押圧するか又は変位させるからである。
【0027】
更なる設計において、製品塊を収容する容器の内側領域に面すると共に、製品塊と接触するために設けられたセンサ手段の表面は、容器の壁内面に対して後退するよう配置されている。これにより、製品塊の一部は、誘電特性及び必要に応じて温度を検出するのに十分な時間にわたって、センサ手段の測定面と良好に接触した状態を維持することが保証される。特に、容器の壁に凹部を形成し、その底部にセンサ手段の表面を配置することができる。製品塊処理ツールは、小さな距離で凹部領域の上方を繰り返し通過し、製品塊の一部を繰り返し凹部内に押圧することが想定可能である。このことは、センサ手段との良好な接触に寄与し、製品塊の滞留時間の増加を提供し、更に製品塊を凹部内に定期的に交換することによって常に最新の検出を可能にする。
【0028】
一設計において、装置には更に、幾つかのセンサ手段を設けることができ、これらセンサ手段は、製品塊の誘電特性を一時的に又は連続的に検出するための誘電センサを有し、この場合に各誘電センサは、これら誘電センサの環境において製品塊の誘電特性を検出する。幾つかのセンサ手段は更に、特に、製品塊の温度を連続的に又は一時的に検出するよう構成することができる。このことは、誘電特性、特に温度の検出の信頼性を更に向上することに寄与する。例えば、誘電特性及び必要に応じて温度を表すと共に、幾つかのセンサ手段によって検出される幾つかの値により、平均化又は加重平均化を行うことができる。このことは、例えば、製品塊処理ツールの比較的大きな移動速度と、これによって制限される、センサ手段上における製品塊の体積要素の滞留時間との影響を補償又は組み合わせるために利用することができる。幾つかの誘電センサの使用は、例えば平均化により、測定された誘電値の信頼性を更に高めることに寄与することができる。
【0029】
更なる構成において、幾つかのセンサ手段は、容器の周方向に沿って配置されている。
【0030】
幾つかのセンサ手段は、特に、装置の作動中における製品塊の処理に際して、製品塊処理ツールが繰り返し辿る経路に沿い、互いに離間して配置されている。これにより、センサ手段は、製品塊処理ツールによって小さな間隔で順次に上方を通過され、特に、製品塊の新たな部分をセンサ手段に接触させることができる。経路は、例えば、容器の壁から距離をおいてその容器の周方向に沿うことができる。
【0031】
他の設計によれば、センサ手段は、製品塊との接触のために容器内に配置された要素上に配置することができる。この要素は、特に、容器内に移動可能に配置することができる。例えば、センサ手段は、製品塊処理ツール上に配置することができる。これにより、センサ手段と製品塊との良好な接触が代替的に可能である。なぜなら、製品塊の処理中、製品塊処理ツールは、製品塊と集中的に接触するからである。
【0032】
更なる構成において、センサ手段は、製品塊処理ツールの有効面領域、特に、装置の処理作動時に、製品塊を容器に対して押圧する製品塊処理ツールの有効部分内に配置することができる。これにより、センサ手段の測定面と製品塊との接触を更に向上させることができる。
【0033】
更なる設計において、壁に配置されたセンサ手段と、容器内の要素上、特に製品塊処理ツール上に配置されたセンサ手段とを同時に設けることが想定可能であり、この場合に装置は、少なくとも2個のセンサ手段を備える。
【0034】
一設計において、装置は、食品塊を処理するために構成されている。製品塊の含水量などに関する利用可能な近似値を得るための誘電センサの使用は、サンプルの頻繁な採取を不要にし、関連する手間を回避し、清潔で衛生的に問題のない作動モードを容易にする。類似の設計において、本方法を、食品塊を処理するために使用することができる。
【0035】
一設計において、装置は、チョコレートマスを処理するためのコンチング装置として構成され、製品塊処理ツールは、コンチングツールである。チョコレートマスのコンチング中、チョコレートマスの含水量を規定の閾値未満に下げることがチョコレートの品質にとって重要であり、これにより不所望の芳香物質が付加的に放出される。本発明は、有利には、含水量のインライン監視及び処理時のプロセスの最適化を可能にし、この場合、上述したように、製品塊における物理的特性が直接的に利用される。同様に、更なる構成において、本方法は、チョコレート塊の処理に使用することができる。
【0036】
更なる設計において、本発明の装置及び方法は、複数の他の食品塊のうちの1つを処理するために構成することができ、例えば、ケチャップ、マヨネーズ、或いはソースの製造中及び/又は最終処理中、又はスプレッドなど塗り広げ可能な食品の製造中及び/又は最終処理中、又はヨーグルトなど乳製品の製造中及び/又は最終処理中、又は蜂蜜の処理中に使用することができる。
【0037】
他の設計において、本発明の装置及び方法は、食品以外の他の製品塊の処理中にも使用することができる。
【0038】
一設計において、本発明の装置及び方法は、例えば、塗料材料製品塊又はコーティング材料製品塊の処理、特に塗料又はワニスの製造中に使用するために構成することができる。更なる構成において、本発明の装置及び方法は、粘性を有するシーリング手段又は接着剤の処理にも使用することができる。
【0039】
更なる設計によれば、本発明の装置及び方法は、例えば、クリーム、軟膏、又はペーストの製造時に、化粧製品塊又は医薬品塊を処理するために使用することができる。
【0040】
特に上述した更なる適用例において、処理プロセスの良好な監視及び制御が有利に可能になると共に、例えば清潔で汚染の少ないプロセスが容易になる。
【0041】
一設計において、製品塊を、処理又は形成及び処理するための製品塊処理ツールは、容器内で容器に対して移動される。この場合、製品塊処理ツールは経路、例えば円形経路に沿って移動させることができ、中心又は軸線の周りで回転運動をすることができる。これにより、容器内における製品塊の適切な処理が可能になる。
【0042】
本方法の更なる構成において、少なくとも1つの移動休止が設けられ、移動休止の間、製品塊処理ツールの移動が中断又は大幅に減速される。この場合、移動休止の間の誘電特性の検出は、製品塊処理ツールの停止又は大幅な減速移動中に行われるか又は連続的に行われ、検出された誘電特性の評価は、製品塊処理ツールの停止又は大幅な減速移動が生じる移動休止の間に行われることが想定されている。このような移動休止により、センサ手段との製品塊体積の滞留が効果的に実現可能であり、このことは特に信頼性の高い誘電特性の検出に寄与する。
【0043】
移動休止の持続時間は、例えば、少なくとも約1分間とすることができる。これにより、センサ手段によって安定的で信頼可能な測定結果を得ることに寄与し、測定値が安定したレベルに達するまでに経過する予想設定時間を考慮することができる。
【0044】
更なる構成によれば、幾つかの移動休止が設けられている。この場合、移動休止において、製品塊処理ツールは、製品塊処理ツールの移動経路に沿って、実質的に同じ位置で停止されるか又は減速される。これにより、容器、ツール、並びに製品塊に関して比較可能な構成において、異なる時点で繰り返し測定が行われる。
【0045】
製品塊処理ツールは、好適には、誘電センサの取り付け位置の上方を通過する移動経路内のセクションで、停止されるか又は減速される。これにより、製品塊とセンサとの良好な接触に寄与する。
【0046】
製品塊処理ツールは、更に好適には、装置の処理作動時に、製品塊を容器の壁に対して押圧する製品塊処理ツールの有効部分が停止又は大幅に減速される間に誘電センサの取り付け位置を覆うよう、停止又は減速される。これにより、製品塊との接触が更に向上すると共に、誘電特性の検出が更に向上する。
【0047】
本方法の一設計において、誘電特性と同時に、誘電センサの環境において、製品塊の温度が連続的に又は少なくとも一時的に検出される。温度検出の利点については上述した通りである。
【0048】
更なる構成において、検出された誘電特性及び温度を使用することにより、監視すべき製品塊の特性、特に製品塊の含水量に関して、特に近似値又は推定値が得られる。これにより、製品塊における現在の物理的条件に基づいて、監視すべき特性に関して有用な情報が得られる。
【0049】
更なる設計によれば、製品塊の誘電特性、特に誘電特性及び温度は、幾つかの検出箇所で検出することができる。特にこの場合、検出箇所は、製品塊の処理中に製品塊処理ツールが繰り返し辿ると共に、製品塊処理ツールが連続的に上方を通過可能な経路に沿って、互いに離間して配置することができる。例えば、幾つかの検出箇所で検出される誘電特性及び必要に応じて温度に関する幾つかの値により、平均化又は加重平均化を行うことができる。このような更なる構成による利点は上述した通りである。
【0050】
更なる構成において、幾つかの検出箇所における誘電特性及び温度の検出値を使用することにより、監視すべき製品塊における特性の近似値又は推定値を得ることができる。
【0051】
上述した設計及び更なる構成は、それぞれ、本発明の装置及び方法に同様に適用できることは言うまでもない。
【0052】
有用であれば、上述した設計及び更なる構成は、互いに任意的に組み合わせることができる。本発明で実現可能な更なる設計、更なる構成、並びに実施には、例示的な実施形態について上述したか又は後述する本発明の特徴に関して、明示的に言及しない組み合わせも含まれる。特にこの場合、当業者であれば、個々の態様を、本発明におけるそれぞれの基本形態に対する改良又は追加として付加するであろう。
【0053】
以下、本発明を、概略的な図面における例示的な実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】例示的な第1実施形態に係る、製品塊を処理するためのコンチング装置として構成された装置を示す中央縦断面図である。
図2図1における例示的な第1実施形態に係る、コンチング装置における断面の詳細Dを示す詳細図である。
図3図1におけるコンチング装置の断面I‐Iを示す部分図である。
図4】例示的な第1実施形態に係る、シャフトと、このシャフト上に配置されると共に、スクレーパ及び偏向ツールを含むコンチングツールとを備えるコンチング装置のシャフト手段を示す説明図である。
図5】例示的な第2実施形態に係る、製品塊を処理するためのコンチング装置として構成された装置を示す中央縦断面図である。
図6】例示的な第3実施形態に係る、製品塊を処理するためのコンチング装置として構成された装置を示す中央縦断面図である。
図7】例示的な第3実施形態に係る装置におけるセンサ手段の環境D’(図6参照)を、製品塊処理ツールが上方を通過する状態で示す詳細図である。
図8】例示的な第4実施形態に係る、製品塊を処理するためのコンチング装置として構成された装置を示す部分断面図である。
図9図2に類似する例示的な第5実施形態に係る、コンチング装置を示す中央縦断面図である。
図10図7に類似する例示的な第6実施形態に係る、コンチング装置を示す中央縦断面図である。
図11】例示的な第7実施形態に係る、シャフトと、このシャフト上に配置されると共に、スクレーパ及び偏向ツールを含むコンチングツールとを備える、製品塊を処理するためのコンチング装置として構成された装置のシャフト手段を示す説明図である。
図12】例示的な第7実施形態に係る、コンチング装置を示す部分断面図である。
図13】本発明の例示的な実施形態に係る方法を説明するための概略的なフローチャートである。
図14図1図13の例示的な実施形態において使用可能な例示的なセンサ手段を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
添付図面は、本発明の実施形態をより広範に理解するためのものである。これら図面は、各実施形態を示すと共に、記載との関連において、本発明の原理及び概念を説明するのに役立つ。他の実施形態及び上述した多くの利点は、図面との関連において明らかになる。図面における各要素は、必ずしも互いに正確な縮尺で表されていない。
【0056】
特に明記しない限り、各図において、同じ、機能的に同じ、並びに同様に作用する要素、特徴、並びに構成要素には、同じ参照符号が付されている。
【0057】
図1は、例示的な第1実施形態に係る、製品塊Мを処理するためのコンチング装置として構成された装置1を示す。この場合、製品塊Мは、チョコレートマスである。装置1は、製品塊Мを収容する容器2を備え、容器2は、壁3を有する。処理すべき製品塊М及び/又は製品塊Мを形成するための原材料の形態の出発材料は、容器2の上部領域における充填漏斗5を介して容器2内に充填することができる。容器2の内側領域は、製品塊Мを収容し、この場合、図1に充填レベルPが表されており、そのレベルまで製品塊М又は出発材料が充填される。図1において、製品塊及び/又は出発材料は、参照符号Мによってのみ、その材料が存在する領域が示唆されている。
【0058】
容器2の内側領域及び壁3は、垂直対称面4に対して実質的に鏡面対称に形成されている。容器2は、その長手方向軸線において、実質的に水平方向Hに沿って延在すると共に、フレームアセンブリ6と両側で固定的に結合されている。水平方向Hにおいて互いに離間する固定フレームアセンブリ6は、実質的に水平な底部上の支持部を介して支持されている。
【0059】
装置1は、シャフト11を有するシャフト手段7を備え、シャフト11は、シャフト11の回転軸線及び長手方向軸線Lが水平方向Hと実質的に平行に延びて容器2を貫通するよう延在している。シャフト11の端部13a,13bは、それぞれ、フレームアセンブリ6の1個に回転可能に取り付けられている。シャフト11は、製品塊Мを処理するために、容器2内にて長手方向軸線L周りで回転することができる。
【0060】
容器2の下側における対称面4領域には、任意的に開閉可能なバルブ手段を有する製品流出部8が設けられ、その製品流出部8を通して、処理の終了時に製品塊Мを容器2から運び出すことができる。更に、容器2の上側における対称面4領域には、空気出口9が配置されている。
【0061】
容器2内に収容されたシャフト11の部分上には、コンチングツールとして形成され、かつシャフト11上に一定間隔で配置された幾つかの製品塊処理ツール17が設けられている。容器2内に収容されたシャフト11部分上には更に、端部13a,13bに隣接する製品塊偏向ツール19が配置され、この場合、これら製品塊偏向ツール19は、製品塊処理ツール17が軸線Lに沿う軸線方向において、製品塊偏向ツール19の間に位置するようシャフト11部分上に配置されている。図4は、シャフト11及び幾つかのツール17,19を有するシャフト手段7を斜視的に示す。
【0062】
各製品塊処理ツール17は、位置決め部分23により、シャフト11から所定の半径方向距離に配置されると共に、シャフト11に堅固に接続されている。製品塊処理ツール17は、本体58を更に有し、この本体58は、有効面59及び本体58と結合されたスクレーパ71を含む。製品塊処理ツール17は、シャフト11の長手方向軸線L及び周方向における位置決め、並びにスクレーパ71及び有効面59の整列を除き、互いにほぼ同一に形成されている。
【0063】
製品塊偏向ツール19は、同様に、位置決め部分29により、所定の方法でシャフト11に堅固に接続され、シャフトから離間して配置され、容器2内に製品塊に関して所望の流れを生じさせるために形成されている。
【0064】
長手方向軸線L周りにおけるシャフト11の回転に応答して、ツール17,19は、軸線L周りにおける円形経路B周りで移動する。この場合、シャフト手段7は、シャフト11に堅固に接続されたツール17,19と一緒に、一体的な物体として回転する。製品塊Мは、処理目的のために、コンチングツールとして構成された製品塊処理ツール17の助けによって機械的に作用することができる。この場合、製品塊は、有効面59と壁3との間で圧縮力及び/又はせん断力に晒される。容器2の内側領域は、軸線L周りで実質的に回転対称に形成され、従って製品塊処理ツール17は、円形経路Bに沿って移動し、この場合、本体58は、壁3の内側から壁3に対して実質的に一定距離で移動する。従って、円形経路Bは、壁3から実質的に一定距離で壁3の周方向Uを辿る。
【0065】
シャフト11は、その第1端部13a(図1及び図4参照)において、駆動アセンブリ31に結合されている。駆動アセンブリ31は、図1の左側に配置されたフレームアセンブリ6に設けられ、シャフトをその軸線L周りで回転駆動するよう構成されている。シャフト11は更に、その第2端部13bにおいて、軸受ユニット37内に長手方向軸線L周りで回転可能に取り付けられている。軸受ユニット37は、図1の右側に配置されたフレームアセンブリ6に設けられている。
【0066】
各製品塊処理ツール17の有効面59は、装置1の製品塊処理作動時に、入口側領域61及び出口側領域62を有し、この場合、回転Rに対応するツール17の周方向に見て、領域61は、領域62の上流に位置している。有効面59と壁の内側との間の中間空間は、第1領域61から第2領域62に向けて狭くなり、第2領域62から下流に向けて再び広がる。このように、製品塊処理ツール17の有効部分は、製品塊の処理中にその製品塊Мを壁3に対して押圧することができる。
【0067】
有効面59は、中央凹部67を有し、この凹部67は、円形経路B方向に延びると共に、その幅はツール17の周方向と反対に減少している。有効面59は更に、凹部67の両側にエッジ領域68,69を有し、この場合、エッジ領域68,69は、凹部67の表面に対して傾斜している。
【0068】
上述した有効面59の形状(図1図4参照)は、壁3の壁内面47と協働することにより、回転R時に製品塊Мに機械的に作用し、その製品塊Мを処理することが可能である。製品塊処理ツール17の有効面59は、長手方向軸線Lに対して、ツール17において半径方向外側に配置され、従って壁内面47に面している。シャフト11の回転Rの間、有効面59と壁内面47との間に位置する製品塊Мの一部は、圧縮力及び/又はせん断力に晒され、これによりチョコレートマスМが処理される(これはチョコレートマスМのコンチングと称される)。回転運動Rの間、スクレーパ71は、本体58に追従し、壁内面47から僅かに離間して壁内面47に対して移動するか又は移動中に壁内面47に当接する。
【0069】
図1に示すコンチング装置1は、センサ手段41を更に備える。センサ手段41は、誘電センサ44を含み、この誘電センサ44により、製品塊Мの誘電特性を、誘電センサ44の環境において連続的に又は少なくとも一時的に検出することができる。この場合、検出された値は、一般に、センサ手段41と接触している製品塊Мにおける部分体積の製品塊Мの物理的特性を示す。検出された物理的な誘電特性としては、特に、誘電率、誘電損率、及び/又は、ここから導出される変数、例えば、イオン伝導率、イオン粘度が考慮され得る。
【0070】
センサ手段41は、センサ手段41により、誘電センサ44の環境において、製品塊Мの更に温度を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう構成されている。センサ手段41により、特に、誘電特性及び温度を、製品塊Мにおいて実質的に同じ体積要素に関して、同じ時点で検出することができる。換言すれば、誘電特性及び温度は、製品塊Мにおいて実質的に同じ個所で検出することができる。
【0071】
例示的な第1実施形態の場合、センサ手段41は、容器2の壁3上に配置され、これにより空間内に固定されると共に、簡単かつ容易にアクセス可能な方法で接続及び供給することができる。このように、誘電特性及び温度に関して検出箇所(検出点)42が規定される。壁3領域における配置については、図2に示す詳細Dにおいてより明瞭に示されている。センサ手段41は、センサユニットとして構成され、実質的に円形であると共に、誘電特性及び温度の測定に有効なその表面43は、容器2の内側領域において製品塊Мに面している。表面43の他の幾何学的形状も想定可能であるが、円形の設計は、センサ手段41を壁3内に簡単かつ有利に収容するのに寄与する。図2において、表面43の直径がD43で示されている。例えば公称容量が300 kgなどの比較的小型のコンチング装置の場合、D43は、例えば約4 cm~約5 cmとすることができる。ただし、より大きい又はより小さい寸法も同様に想定可能であり、D43は、例えば他の容量のコンチング装置において約1 cm~約6 cmとすることができる。他の例の場合、より小型のコンチング装置のD43は、約2 cm~約3 cmとすることができる。
【0072】
表面43は、装置1の作動中に製品塊Мと接触する。表面43は、容器2の壁内面47に対して距離tだけ後退しており、これにより図示の実施形態において、やはり円形の凹部53が壁3に形成されている。この場合、表面43は、凹部53の底部に配置されている。凹部53の深さtは、例えば、約t=1 mm~約t=10 mmとすることができる。
【0073】
センサ手段41は、容器2の内部で製品塊Мを処理するために円形経路Bを移動する製品塊処理ツール17が繰り返し上方を通過するよう壁3上に配置されている。製品塊処理ツール17の本体58と壁3との間には、半径方向距離が設けられている。検出箇所42の上方における製品塊Мの層高さは、例えば、約5 mm~約15 mmであり得る。
【0074】
製品塊処理ツール17の移動により、製品塊Мの他の部分が凹部53に繰り返し押し込まれる。これを簡略化し、従って凹部に位置する製品塊Мの交換を促進するために、凹部53は、容器2の内部に面するエッジが傾斜されているか又は面取り部が設けられている。代替的に、容器2の内部に面する凹部53のエッジに丸みを付けてもよい。
【0075】
図1図4に示す例示的な実施形態の場合、センサ手段41は、例えば、誘電分析(DEA)のためのモノトロード構造の誘電センサ44を含む。誘電センサ44は、プレートコンデンサの原理に従って動作し、この場合、分析される製品塊Мを含む環境が第2電極として機能する。この測定コンデンサの容量は、その幾何学的寸法及び真空中の誘電率に加えて、モノトロードとして構成されたセンサ44の電極の環境中における誘電率の関数でもある。誘電センサ44のアクティブ測定面43から典型的な距離に位置する環境の誘電特性に変化が生じた場合、電気抵抗又は電気伝導率もそれぞれ変化する。
【0076】
本明細書で説明する例示的な実施形態の場合、生成された抵抗、従って誘電挙動は、製品塊Мの処理のプロセスで変化する。誘電アナライザ(DEA)の測定及び制御エレクトロニクスにより、誘電センサ44(このセンサ44は、上述したように、単一電極としてのモノトロードで例示的に形成され、この場合、製品塊Мを含む環境全体が第2電極として機能する)を介して、所定の周波数及び所定の振幅で印加される交流電圧、並びに結果として生じる交流電流及び入力電圧と出力電圧との間の位相シフトが測定される。センサ44によって検出された信号は例えば記録され、ソフトウェアによってプロセスに関する評価をすることができる。この場合、プロセスの過程で変化する重要な誘電測定変数、例えば、誘電率又は誘電損率は、ソフトウェアの助けを借りて表示及び評価される。これら測定変数から導出される変数、例えばイオン粘度は、プロセスを説明するための関連値として機能する。例えば図1図4を参照しつつ本明細書で説明する例示的な実施形態の場合、並びに以下において説明する例示的な更なる実施形態の場合、測定周波数、従って印加される交流電圧の周波数は、例えば1 kHzとすることができる。他の周波数での測定も想定可能である。
【0077】
図14は、例示的なセンサ手段41の側面図を示すと共に、測定のために製品塊Мに面する表面43及びその直径D43も示す。センサ手段41は、実質的に円筒形の第1部分46a、実質的に円筒形の第2部分46b、並びに実質的に円筒形の第3部分46cを有するユニットとして構成されている。これら部分46a,46b,46cは、互いに同軸に配置されている。第1部分46aは、直径D43を有すると共に、表面43を支持している。第2部分46bは、第1部分46aに接続され、D43よりも大きい直径D41を有し、センサ手段41の外径D41を形成している。例えば、D41は約5 cmとすることができる。従って、部分46a,46bは、周方向に段差を有するよう互いに接続されている。第3部分46cは、その直径がD43よりも小さく、部分46aから離れた側で部分46bに接続している。センサ手段41用の接続ライン46dは、部分46cから外側に延在している。
【0078】
製品塊Мの温度を検出するために、センサ手段41は更に、測定抵抗器、例えば、白金或いは銅の測定抵抗器を含むことができ、又はその代わりに熱電対を有することができる。この場合に測定抵抗器、例えばPt或いはCuの測定抵抗器、又は熱電対は、温度センサ45を構成し、誘電センサ44と一緒に、センサユニットとしてセンサ手段41に設置されている(図2も参照)。これにより、誘電特性及び温度に関する測定値のペア又はセットは、検出箇所42において常に検出可能である。従って、検出箇所42における誘電特性の検出は、例えば温度の関数としても可能である。
【0079】
上述した全てのセンサ又は測定要素は、網羅的ではない。当業者であれば、センサ手段41の代わりに、製品塊Мの製造に関連する測定変数を検出するのに適した、当業者に既知の全てのセンサ及び/又は測定手段が設置可能であることは自明である。
【0080】
図2の誘電センサ44及び温度センサ45は、箇所42における誘電特性及び温度の検出を提供するセンサ手段41の構成要素として純粋に概略的に示されている。特にこの場合、両方のセンサ44,45の互いに対する相対的な配置は、図2に概略的に示す配置から逸脱してもよい。
【0081】
図示の実施形態ではチョコレートマスである製品塊Мを処理するために、装置1は、図13にフローチャートとして概略的に示し、以下に記載の通りに作動する。
【0082】
図13は、製品塊М及び/又は出発材料を充填するステップS1、幾つかの処理ステップS2a,S2b,S2c~S2n、幾つかの移動休止S3a,S3b,S3c~S3n、並びに製品塊Мを取り出し又は放出するステップS4を含むシーケンスを概略的に示す。
【0083】
ステップS1では、製品塊М及び/又は製品塊Мを作製するための出発材料が容器2に充填される。ステップS1では、例えば、カカオマス、砂糖、ココアバター、並びに粉乳を含む原材料を、容器2の充填レベルPまで充填することができる。製品塊М及び/又は原材料は、図示されていないが、製品塊М及び/又は原材料が存在する領域をマーキングすることによって示唆されている。
【0084】
ステップS2では、シャフト11が駆動アセンブリ31によって回転Rされ、容器2内の原材料及びそれから形成される製品塊Мは、駆動アセンブリ31によって処理、即ち図示の実施形態ではコンチングされる。この場合、製品塊Мの機械的処理及び混合、有効面59による製品塊Мに対する力の作用、並びに空気出口9を介して水分及び不所望な芳香の放出が行われる。ステップS2aにおけるシャフト11の回転は、例えば所定の時間にわたって継続され、その間に塊は連続的に処理される。この場合、塊Мにおける含水量Fは、全処理プロセスが終了するまで、即ちステップS4の放出の前に、所望の目標低含水量FSOLL, FINALに低減される。
【0085】
製品塊Мの誘電特性及び温度は、例えば、ステップS2aにおける処理の開始時から、センサ手段41により、誘電センサの環境において時間分解的に、好適には同時に、連続的に検出される。このようにして誘電特性及び温度を検出することは、例示的な実施形態の場合、製品塊Мの処理が終了し、ステップS4で製品塊Мが容器2から放出されるまで継続される。
【0086】
製品塊Мの乾燥が進行して含水量Fが低下すると、センサ手段41によって検出可能な誘電特性に変化が生じる。交流電場中におけるイオン及び双極子の挙動は、誘電分析によって検出される。イオンは、反対に帯電した電極に移動する。イオンのこの移動度は、イオン伝導度とも称される。例えば、製品塊Мの乾燥を継続するとイオン伝導度は低下し、それに応じていわゆるイオン粘度が増加する。製品塊Мに関して検出された温度も考慮され、従って製品塊Мに関して判定された含水量は、同じ温度で常に比較できると共に、良好に相関させることができる。
【0087】
シャフト11は、ステップS2aの処理時間の終了時に、所定の位置で停止され、従って製品塊処理ツール17の移動が停止される。この場合、シャフト11は、センサ手段41の取り付け位置、従ってその検出箇所42を定期的に通る製品塊処理ツール17の1個が、センサ手段41の上方を通過しようとする円形経路B上のセクションで停止される。製品塊処理ツール17は、好適には、センサ手段41が領域61と領域62との間に位置し、製品塊Мの一部がセンサ手段41に押圧される位置で停止される。図3は、製品塊処理ツール17に関して、このような位置を例示的に示す。
【0088】
ステップS3aにおいて、シャフト11は、時間t3aの間にわたって停止し、この時間も、予め規定することができる。この間に、誘電特性及び温度の時間分解検出が継続される。停止時間t3aの間、又はその一部の時間の間、例えば停止時間t3a内のサブインターバルの間に検出された誘電特性及び温度の値が評価され、これは換言すれば、監視される製品塊Мの特性、図示の実施形態では含水量Fの近似値がこれら値から得られる。この近似値は、例えば、最終目標値Fsoll, final又は時間依存的な目標値Fsoll(t)又はその両方と比較することができる。
【0089】
処理が製品塊Мの継続的な再循環及び混合をもたらすという事実を考慮すると、誘電特性及び温度の局所的な検出は、有利には、容器内における製品塊Мの現在の含水量を良好な精度で示すことが可能である。これにより、処理プロセス(この場合はコンチング)は、大幅に改善されて監視することができ、特に測定結果、従って含水量Fに関して得られた近似値に応じて制御又は調整することができる。このように、製品塊Мの処理は、より効率的に設計することができ、短時間の処理のみならず過剰な処理も確実に回避することができる。
【0090】
上述したように、S3aに続いて、シャフト11は、ステップS2bで再び回転Rされ、製品塊Мは更に処理される。ステップS2bには、S3aについて説明したように、センサ手段41によって検出された値の新たな評価を伴う更なる運動停止S3bが後続する。このステップには、直前に説明したように、更なる処理ステップS2c及び更なる移動休止S3cが後続する。処理ステップ及び移動休止の数は、必要に応じて適合させることができる。例えば、一般に、n個の処理ステップ及びn回の移動休止を設けることができる。製品塊処理ツール17の停止は、その経路Bに沿って、製品塊処理ツール17の同じ位置、即ちシャフト11の同じ角度位置で生じるのが好適である。
【0091】
時間の長さに関しては、数時間かかることの多いチョコレートマスМのコンチングプロセス中に、例えば、処理ステップの長さt2a,t2b,t2c,…t2nには、それぞれ約0.5時間を設けることができ、移動休止の長さt3a,t3b,t3c…,t3nには、それぞれ約1分を設けることができる。ただし、他の時間も想定可能である。更に、幾つかの変形例では、例えば、処理ステップの長さが一定ではなく、処理時間全体にわたって変化し、従って検出値の経時的評価の時間分布が均一ではないことも想定可能である。
【0092】
更に、図13に示す方法の変形例では、センサ手段41による誘電特性及び/又は温度の値の検出は、移動休止S3a~S3n又はこれらの時間間隔においてのみ行われ、従ってシャフト11の停止時に行われ、このようにして検出された値は、移動休止S3a~S3n又はこれらの時間間隔に関して評価されることが想定可能である。
【0093】
図13を参照して上述したアプローチの変形例では、移動休止S3a~S3nの完全な停止ではなく、ステップS2a~S2nにおける処理動作に対して大幅に減速されたシャフト11の回転Rが想定可能である。この変形例では更に、上記が同様に適用される。
【0094】
処理プロセス中、例えば、ステップS2a~S2nの1つ、幾つか、又は全てにおいて、加熱された空気が供給ダクトを通して容器2の内部に導入可能である。添加物の供給、例えば、脂肪含有添加物の供給も可能である。
【0095】
図5に示す例示的な第2実施形態に係る装置1’では、評価・制御装置73が設けられ、この装置73により、駆動アセンブリ31が制御されると共に、センサ手段41が提供する誘電特性及び温度の検出値が評価される。この評価結果に基づいて、装置1’の作動は、評価・制御装置73によって制御される。上述したように、移動休止S3a~S3nにおいて信頼性の高い測定をするために、シャフト11を常に同じ角度位置で停止させることができるよう、又は変形例で減速させることができるよう、回転角度検出手段79が更に設けられ、回転角度の検出値も制御装置73によって処理され、これにより駆動アセンブリ31が制御されて移動休止S3a~S3nが行われる。例示的な第1実施形態に関する実施形態は、装置1’にも当てはまる。装置73は、特に、評価・調整装置として更に設計可能であり、これにより含水量Fなどの調整変数による調整が行われる。
【0096】
図1図3から、例示的な第1実施形態におけるセンサ手段41は、壁3の下部領域、この場合は容器2における断面の最下部、例えば図1の最も右側に配置された製品塊処理ツール17の位置に設けられていることが分かる。容器2全体を見ると、センサ手段41は、垂直方向Vを基準として、壁3の下側3分の1に位置している。
【0097】
センサ手段41は、代替的に、例えば、対称面4近傍に配置することも可能であり、その位置は、容器2の長手方向中央断面の最下部に向けて更に位置している。このことは、本発明の例示的な第3実施形態に概略的に示す。上述した例示的な実施形態の場合と同様に、図6に示す製品塊処理ツール17の1個も、センサ手段41の上方を通過する。センサ手段41が配置される位置以外、図6に示すコンチング装置1”は、図1図5に示す例示的な第1又は第2実施形態に係る装置1又は1’と類似して構成されている。図7は、図6におけるD’で特定される箇所におけるセンサ手段41の配置を、センサ手段41の表面43を距離tだけ後退させた状態で一緒にかつ詳細に示す。
【0098】
図8は、例示的な第4実施形態に係る装置101を示し、幾つかのセンサ手段41a,41b,41cが設けられている点で例示的な第1実施形態の装置とは異なる。図8の実施形態には3個のセンサ手段41a~cが設けられているが、2個又は3個を超えるセンサ手段も想定可能である。センサ手段41a~cのそれぞれは、例示的な第1実施形態を参照して上述したセンサ手段41と同様に構成され、上述した通りに動作する。図8に示す装置101は、上記以外は、図1図4又は図5に示す装置と同様に構成されている。
【0099】
図8は、図1に示唆された断面I-Iと同様に、容器2領域における装置101の部分断面図を示す。
【0100】
上述した例示的な実施形態の場合と同様に、製品塊処理ツール17は、シャフト11が駆動アセンブリ31によって回転Rされると、軸線L周りで円形経路B上を移動し、この場合、円形経路Bは、壁内面47から一定距離で容器2の周方向Uを辿る。幾つかのセンサ手段41a,41b,41cは、経路Bに沿う周方向Uに、換言すれば、壁内面47上の突起上に、互いに離間して壁3に配置されている。図8において、センサ手段41a,41bの距離は、角度αとして示され、センサ手段41b,41cの距離は、角度βとして示されているが、その代わりに、例えば、壁内面47に沿う曲線長を示すこともできる。図8に示す例示的な実施形態の場合、センサ手段41a~cは、互いに等間隔で離間しているので、α=βが適用される。
【0101】
インラインプロセスでは、製品塊М、この場合は、例えばチョコレートマスにおける現在の含水量Fの良好な近似値を得るために、例示的な第4実施形態の場合、表面43領域における経路Bに沿い、検出箇所42a,42b,42cにおいてセンサ手段41a,41b,41cにより検出された値の平均化又は加重平均化を、誘電特性及び温度について更に行うことができる。この場合、上述した移動休止時間S3a~S3nにおける静止時間を短縮すること、又は変形例において、減速された移動時間を短縮すること、又は移動休止を省略すること、並びに幾つかの測定箇所42a,42b,42cにわたる平均化によって十分に正確な近似値を得ることが想定可能である。
【0102】
図9は、例示的な第5実施形態に係る装置の詳細を示す。例示的な実施形態に係る装置は、製品塊Мと接触するセンサ手段41の表面43が壁内面47と面一になるよう容器2の壁3に配置されている点においてのみ、図1図4及び図5に示す例示的な第1又は第2実施形態に係る装置1、1’と異なる。面一であることは、例えば、装置の洗浄を更に簡略化することができ、この場合、表面43と接触する塊Мの十分な滞留時間が、上述したように、例えば移動休止によって確保される。
【0103】
図10は、例示的な第6実施形態に係る装置を同様に示し、図示の装置は、図6及び図7の装置1”とは、センサ手段41の表面43が壁内面47と面一である点においてのみ異なる。
【0104】
図9又は図10のように、内面47及び面一に配置された表面43は、例えば経路Bに沿って、装置が幾つかのセンサ手段41a~cを備える場合にも同様に提供され得ることは言うまでもない。図8に示す例示的な第4実施形態の変形例では、センサ手段41a~cの1個、幾つか、又は全ての表面43は、特に、壁内面47と面一にすることができ、このような設計の場合、幾つかの検出箇所で検出された値の処理は、表面43と接触する製品塊Мの滞留時間の短縮の影響を低減又は修正することに付加的に寄与することができる。
【0105】
例示的な第7実施形態に係る製品塊Мを処理するための装置201を、図11及び図12を参照して以下に説明する。この目的のために、例示的な第1実施形態と比較した例示的な7実施形態の相違点を以下において説明し、この場合、相違点以外については上記を参照されたい。
【0106】
例示的な第7実施形態の場合、装置201は、修正されたシャフト手段7’を備える。その機械的設定において、シャフト手段7’は、シャフト手段7に対応しており、この場合、製品塊処理ツール17のうちの1個又は幾つか、図11では例えばそれらのうちの2個は、センサ手段41を付加的に有するか又はそれぞれ有する。従って、例示的な第1実施形態とは対照的に、例示的な第7実施形態の場合のセンサ手段41は、壁3領域に配置されるのではなく、製品塊Мとの接触のために設けられ、製品塊Мの部分に圧縮力及び/又はせん断力を及ぼす製品塊処理ツール17上にそれぞれ配置されている。図11及び図12に示す実施例の場合、測定に有効なセンサ手段41の表面43は、それぞれ、領域61と領域62との間の有効部分における有効表面59領域に配置されている。
【0107】
センサ手段41に関する例示的な第7実施形態の場合、誘電特性及び温度の検出、並びにその評価又は連続的な検出中におけるその評価は、センサ手段41を支持すると共に、製品塊Мとセンサ手段41との良好な接触が得られる製品塊処理ツール17の位置、例えば図12に示すツール17の位置で行われる。例示的な第7実施形態の場合、図13に関して上述したように、検出を改善するために、移動休止S3a,S3b,S3c,…,S3nを設けることもできる。
【0108】
図11に示すセンサ手段41は、特に構成及び動作モードに関して、例示的な第4実施形態について上述したセンサ手段41に対応している。
【0109】
センサ手段41の制御、並びに誘電特性及び温度の値の検出は、例えば、位置決め部分23及びシャフト11を通るようガイドされ、シャフト端部13bの外側に接触するライン83によって行うことができる。代替的に、ワイヤレス伝送も想定可能である。
【0110】
特に例示的な第7実施形態の場合、シャフトの角度位置の検出は、表面43が塊Мと接触している期間又は時間間隔の誘電特性及び温度の値を検出・評価するために、回転角度検出手段79によって行うことができる。この場合、回転角度の検出の代替又は付加として、回転Rのために駆動アセンブリ31によって克服されなければならない機械的抵抗を、センサ手段41を有する製品塊処理ツール17が製品塊Мに浸漬する期間を判定する目的で、時間分解的に検出することができる。
【0111】
例示的な第7実施形態の変形例では、センサ手段41は、製品塊偏向ツール19のうちの1個に配置してもよい。
【0112】
更なる変形例では、例示的な第7実施形態又はその変形例のシャフト手段7’を、例示的な第1~第6実施形態又はその変形例に係る装置のうちの1個に使用することが更に想定可能である。
【0113】
上述した例示的な実施形態によれば、特に、チョコレート製造におけるコンチングプロセス中の含水量をインラインで判定するための方法と、このような方法を実施することができる装置とが説明されている。
【0114】
ただし、本発明は、チョコレートマスの処理又はコンチングに限定されるものではなく、多種多様な製品塊Мの処理に使用することができる。本発明は、例えば、他の食品塊、化粧品或いは医薬品の分野の製品塊、又は塗料或いはコーティング剤或いはシーリング剤或いは接着剤の分野の製品塊の処理に使用することができ、この場合、例えば、容器2及び/又は処理ツール17及び任意的に偏向ツール19の形状をそれぞれの塊Мに適合させることができる。このような他の塊の場合、含水量の代わりに、監視すべき製品塊の異なる特性を選択することもでき、その異なる特性に関して、誘電特性及び例えば温度に基づいて結論を導出し、近似値を算出することができる。
【0115】
本発明を好ましい例示的な実施形態に基づいて完全に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多くの異なる形態で変更することができる。
【0116】
例えば、本発明は、上述し、かつ図に示すように、容器及び製品塊処理ツールの幾何学的設計及びその個数に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0117】
1,1’,1” 装置
101,201 装置
2 容器
3 壁(容器)
4 対称面
5 充填漏斗
6 フレームアセンブリ
7,7’ シャフト手段
8 製品流出部
9 空気出口
11 シャフト
13a,13b 端部(シャフト)
17 製品塊処理ツール
19 製品塊偏向ツール
23,29 位置決め部分
31 駆動アセンブリ
37 軸受ユニット
41,41a~41c センサ手段
42,42a~42c 検出箇所
43 表面
44 誘電センサ
45 温度センサ
46a 第1部分(センサ手段)
46b 第2部分(センサ手段)
46c 第3部分(センサ手段)
46d 接続ライン
47 壁内面
53 凹部
58 本体(製品塊処理ツール)
59 有効面
61,62 領域
67 中央凹部(有効面)
68,69 エッジ領域(有効面)
71 スクレーパ
73 評価・制御装置
79 回転角度検出手段
83 ライン
D41 直径(センサ手段)
D43 直径(表面(センサ手段))
B 経路
H 水平方向
L 長手方向軸線(シャフト)
М 製品塊(製品マス)
P 製品レベル
R 回転方向
U 周方向(容器)
V 垂直方向
α,β 角度
S1 充填ステップ
S2a,b,c,n 処理ステップ
S3a,b,c,n 休止
S4 取り出しステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品塊(М)を処理するための装置(1;1’;1”;101;201)であって、
‐前記製品塊(М)を収容するための容器(2)と、
‐前記容器(2)内において、前記製品塊(М)に作用するよう設けられた少なくとも1個の製品塊処理ツール(17)と、
‐誘電センサ(44)を有する少なくとも1個のセンサ手段(41;41a~c)と、
を備え、
前記センサ手段(41;41a~c)が、前記誘電センサ(44)により、該誘電センサ(44)の環境において、前記製品塊(М)の誘電特性を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう配置及び構成されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、該センサ手段(41;41a~c)により、前記誘電センサ(44)の前記環境において、前記製品塊(М)の更に温度を連続的に又は少なくとも一時的に検出できるよう構成され、特に、前記誘電特性及び前記温度が、前記製品塊(М)における少なくとも実質的に同じ領域で検出できるよう構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記製品塊処理ツール(17)が、前記容器(2)内に配置されることにより、前記容器(2)に対して移動可能であると共に、前記製品塊(М)に機械的に作用するよう形成されていることを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、前記容器(2)の壁(3)上に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、前記容器(2)における前記壁(3)の下部領域、特に、前記壁(3)の下半分、より好適には、前記壁(3)の下3分の1に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置であって、前記センサ手段(41;41a~c)が、前記装置(1;1';1”)の作動中に、前記製品塊処理ツール(17)によって繰り返し上方を通過される前記容器(2)の前記壁(3)領域に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記製品塊(М)を収容する前記容器(2)の内側領域に面すると共に、前記製品塊(М)と接触するために設けられた前記センサ手段(41;41a~c)の表面(43)が、前記容器(2)の壁内面(47)に対して後退するよう配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記装置(101)に、幾つかのセンサ手段(41a~c)が設けられ、前記幾つかのセンサ手段(41a~c)のそれぞれが、誘電センサ(44)を有し、前記誘電センサ(44)が、該誘電センサ(44)の環境において、前記製品塊(М)の誘電特性を一時的に又は連続的に検出するよう構成され、特に、前記製品塊(М)の温度を連続的に又は一時的に検出するよう更に構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記幾つかのセンサ手段(41a~c)が、前記容器(2)の周方向(U)に沿って配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置であって、前記幾つかのセンサ手段(41a~c)が、前記装置(101)の作動中における前記製品塊(М)の処理時に、前記製品塊処理ツール(17)が繰り返し辿る経路(B)に沿って、互いに離間して配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記センサ手段(41)が、前記製品塊(М)との接触のために設けられ、かつ前記容器(2)内に位置する要素上、例えば前記製品塊処理ツール(17)上に配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記装置(1;1’;1”;101;201)が、食品塊を処理するために構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記装置(1;1’;1”;101;201)が、チョコレートマスを処理するためのコンチング装置として構成され、前記製品塊処理ツール(17)が、コンチングツールであることを特徴とする、装置。
【請求項14】
特に請求項1又は2に記載の装置(1;1’;1”;101;201)によって製品塊(М)を処理するための方法であって、該方法が、
‐前記製品塊(М)及び/又は該製品塊(М)を作製するための出発材料を容器(2)に充填するステップと、
‐前記容器(2)内における少なくとも1個の製品塊処理ツール(17)によって前記製品塊(М)に作用させるステップであり、前記製品塊(М)を、前記製品塊処理ツール(17)と接触させることにより、処理し又は形成及び処理し、前記製品塊処理ツール(17)を、少なくとも一時的に前記製品塊(М)と接触させる、該ステップと、
‐誘電センサ(44)を有するセンサ手段(41;41a~c)により、前記誘電センサ(44)の環境における前記製品塊(М)の誘電特性を検出するステップであり、該検出を、前記製品塊(М)が前記容器(2)内に位置している間、連続的に又は少なくとも一時的に行う、該ステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記製品塊(М)を、処理又は形成及び処理するための前記製品塊処理ツール(17)を、前記容器(2)内で該容器(2)に対して移動させることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、少なくとも1つの移動休止(S3a~S3n)を設け、前記移動休止(S3a~S3n)の間、前記製品塊処理ツール(17)の移動を中断又は大幅に減速させ、前記移動休止(S3a~S3n)の間の誘電特性の検出を、前記製品塊処理ツール(17)の停止又は減速移動中に行うか又は連続的に行い、検出した前記誘電特性の評価を、前記製品塊処理ツール(17)の停止又は減速移動が生じる前記移動休止(S3a~S3n)の間に行うことを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、幾つかの移動休止(S3a~S3n)を設け、前記製品塊処理ツール(17)を、前記移動休止(S3a~S3n)において、前記製品塊処理ツール(17)の移動経路(B)に沿い、実質的に同じ位置で停止させるか又は減速させ、前記製品塊処理ツール(17)を、好適には、前記誘電センサ(44)の取り付け位置の上方を通過する前記移動経路(B)内のセクションで、停止させるか又は減速させることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、前記誘電特性と同時に、前記誘電センサ(44)の環境において、前記製品塊(М)の温度を連続的に又は少なくとも一時的に検出することを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、前記製品塊(М)の誘電特性、特に誘電特性及び温度を、幾つかの検出箇所(42a~c)で検出し、特に該検出箇所(42a~c)を、前記製品塊(М)の処理中に前記製品塊処理ツール(17)が繰り返し辿る経路(B)に沿って、互いに離間して配置(α,β)し、前記製品塊処理ツール(17)に、前記検出箇所(42a~c)の上方を連続的に通過させることを特徴とする、方法。
【外国語明細書】