(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155846
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】表示装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
H10K 59/38 20230101AFI20241024BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20241024BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20241024BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20241024BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20241024BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241024BHJP
H10K 50/80 20230101ALI20241024BHJP
H01L 27/146 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
H10K59/38
H10K59/10
H10K59/80
H05B33/14 Z
G02B5/20
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349A
G09F9/30 348A
H10K50/80
H01L27/146 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067252
(22)【出願日】2024-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2023070064
(32)【優先日】2023-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 有毅
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H148AA18
3K107AA01
3K107AA06
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC23
3K107CC32
3K107CC45
3K107DD02
3K107EE24
3K107FF15
5C094AA31
5C094AA43
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094ED02
5C094ED20
5C094FA02
(57)【要約】
【課題】量子ドットを用いた色変換層が劣化しにくい表示装置を提供する。
【解決手段】基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、を有し、絶縁層は、基板上に位置し、かつ、開口を有し、色変換層は、開口内に位置する部分を有し、第1の無機膜は、開口内で絶縁層と色変換層との間に位置する部分と、前記開口内で基板と色変換層との間に位置する部分と、を有し、第2の無機膜は、色変換層上に位置する部分を有する、表示装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、を有し、
前記絶縁層は、前記基板上に位置し、かつ、開口を有し、
前記色変換層は、前記開口内に位置する部分を有し、
前記第1の無機膜は、前記開口内で前記絶縁層と前記色変換層との間に位置する部分と、前記開口内で前記基板と前記色変換層との間に位置する部分と、を有し、
前記第2の無機膜は、前記色変換層上に位置する部分を有する、表示装置。
【請求項2】
基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、を有し、
前記絶縁層は、前記基板上に位置し、かつ、開口を有し、
前記色変換層は、前記開口内に位置する部分を有し、
前記第1の無機膜は、前記開口内で前記絶縁層と前記色変換層との間に位置する部分と、前記開口内で前記基板と前記色変換層との間に位置する部分と、前記絶縁層上に位置する部分と、を有し、
前記第2の無機膜は、前記色変換層上に位置する部分と、前記絶縁層上で第1の無機膜上に位置する部分と、を有する、表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の無機膜は、前記第2の無機膜と接する部分を有する、表示装置。
【請求項4】
基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、第3の無機膜と、を有し、
前記絶縁層は、前記基板上に位置し、かつ、開口を有し、
前記色変換層は、前記開口内に位置する部分を有し、
前記第1の無機膜は、前記開口内で前記絶縁層と前記色変換層との間に位置する部分と、前記開口内で前記基板と前記色変換層との間に位置する部分と、前記絶縁層上に位置する部分と、を有し、
前記第2の無機膜は、前記色変換層上に位置する部分と、前記絶縁層上で第1の無機膜上に位置する部分を有し、
前記第3の無機膜は、前記基板と前記絶縁層との間に位置する部分と、前記基板と前記第1の無機膜の間に位置する部分と、を有する、表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の無機膜は、前記第2の無機膜および前記第3の無機膜と接する部分を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
前記基板の上面から前記絶縁層の上面までの高さが、前記基板の上面から前記色変換層の上面までの高さより高い、表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
着色層を有し、
前記着色層は、前記基板と前記絶縁層との間に位置する部分と、前記基板と前記第1の無機膜の間に位置する部分と、を有する、表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
発光デバイスを有し、
前記発光デバイスは、前記色変換層と重なる、表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれか一の表示装置と、検知部、入力部、または、通信部と、を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、有機半導体デバイス、発光デバイス、受光デバイス、発光装置、受光装置、表示装置、電子機器、照明装置および電子デバイスに関する。なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
量子ドット(QD:Quantum dot)を色変換層に使用したディスプレイが普及し始めている。量子ドットとは、直径が数ナノメートル程度と小さい半導体のナノ粒子のことである。量子サイズ効果により、粒子のサイズによってバンドギャップを調節することができるため、粒子のサイズに依存して入射光を異なる波長の光に変換することができる。具体的には、粒子のサイズが小さくなるにつれて、短波長の光に変換することができるようになり、粒子のサイズが大きくなるにつれて、長波長の光に変換することができるようになる。量子ドットを色変換層に使用したディスプレイでは、この性質を活用して、副画素ごとに粒子のサイズを変えることで、同じ波長の光を副画素ごとに異なる色の光に変換し、フルカラー表示を可能にしている。
【0003】
ただし、量子ドットには、効率を高めるために毒性の高いカドミウムを使用する必要があること、耐久性が低いこと、などのデメリットがある。例えば特許文献1には、量子ドットが酸素などの不純物により劣化する恐れがあることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
量子ドットを色変換層に用いた発光装置において量子ドットが劣化し、色変換層が劣化すると、表示装置の表示品位が落ちるなどの問題が起きてしまう。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、色変換層への酸素の侵入を防止することを課題とする。または、本発明の一態様は、色変換層が劣化しにくい表示装置を提供することを課題とする。または、本発明の一態様は、製造工程において色変換層を容易に形成することのできる表示装置を提供することを課題とする。または、本発明の一態様の表示装置は、表示装置の表示品位を向上させることを課題とする。または、本発明の一態様は、新規な表示装置を提供することを課題とする。
【0007】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、を有し、絶縁層は、基板上に位置し、かつ、開口を有し、色変換層は、開口内に位置する部分を有し、第1の無機膜は、開口内で絶縁層と色変換層との間に位置する部分と、開口内で基板と色変換層との間に位置する部分と、を有し、第2の無機膜は、色変換層上に位置する部分を有する、表示装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、を有し、絶縁層は、基板上に位置し、かつ、開口を有し、色変換層は、開口内に位置する部分を有し、第1の無機膜は、開口内で絶縁層と色変換層との間に位置する部分と、開口内で基板と色変換層との間に位置する部分と、絶縁層上に位置する部分と、を有し、第2の無機膜は、色変換層上に位置する部分と、絶縁層上で第1の無機膜上に位置する部分と、を有する、表示装置である。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記構成の表示装置において、第1の無機膜は、第2の無機膜と接する部分を有する、表示装置である。
【0011】
また、本発明の一態様は、基板と、絶縁層と、色変換層と、第1の無機膜と、第2の無機膜と、第3の無機膜と、を有し、絶縁層は、基板上に位置し、かつ、開口を有し、色変換層は、開口内に位置する部分を有し、第1の無機膜は、開口内で絶縁層と色変換層との間に位置する部分と、開口内で基板と色変換層との間に位置する部分と、絶縁層上に位置する部分と、を有し、第2の無機膜は、色変換層上に位置する部分と、絶縁層上で第1の無機膜上に位置する部分を有し、第3の無機膜は、基板と絶縁層との間に位置する部分と、基板と第1の無機膜の間に位置する部分と、を有する、表示装置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記構成の表示装置において、第1の無機膜は、第2の無機膜および第3の無機膜と接する部分を有する、表示装置である。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記各構成の表示装置において、基板の上面から絶縁層の上面までの高さが、基板の上面から色変換層の上面までの高さより高い、表示装置である。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記各構成の表示装置において、着色層を有し、着色層は、基板と絶縁層との間に位置する部分と、基板と第1の無機膜の間に位置する部分と、を有する、表示装置である。
【0015】
また、本発明の一態様は、上記各構成の表示装置において、発光デバイスを有し、発光デバイスは、色変換層と重なる、表示装置である。
【0016】
また、本発明の一態様は、上記各構成の表示装置と、検知部、入力部、または、通信部と、を有する電子機器である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様により、色変換層への酸素の侵入を防止することができる。または、本発明の一態様により、色変換層が劣化しにくい表示装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、製造工程において色変換層を容易に形成することのできる表示装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、新規な表示装置を提供することができる。
【0018】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1(A)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する上面図であり、
図1(B)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する断面図である。
【
図2】
図2(A)および
図2(B)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する断面図である。
【
図3】
図3(A)乃至
図3(C)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する断面図である。
【
図4】
図4(A)乃至
図4(D)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する断面図である。
【
図5】
図5(A)乃至
図5(C)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する断面図である。
【
図6】
図6(A)および
図6(B)は実施の形態に係る表示装置の構成を説明する断面図である。
【
図7】
図7(A)乃至
図7(D)は、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
【
図8】
図8(A)および
図8(B)は、表示装置の作製方法の一例を示す断面図である。
【
図9】
図9(A)乃至
図9(G)は、画素の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0021】
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0022】
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
【0023】
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。
【0024】
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0025】
なお、本明細書に係る図面等において、X方向、Y方向、及びZ方向を示す矢印を付す場合がある。なお、本明細書等において、「X方向」とはX軸に沿う方向であり、明示する場合を除き順方向と逆方向を区別しない場合がある。「Y方向」及び「Z方向」についても同様である。また、X方向、Y方向、及びZ方向は、それぞれが互いに交差する方向である。例えば、X方向、Y方向、及びZ方向は、それぞれが互いに直交する方向である。
【0026】
なお、本明細書等において、各構成要素の位置関係を「上」または「下」という記載を用いて説明する場合があるが、本発明は当該記載に限定して解釈されるものではない。例えば、光の取り出し方向を「上」と記載とする場合、成膜順で後に形成される層を、前に形成された層の「上」にある層と記載する場合などがある。また、それらに限定されず、図面の上下関係と対応させて「上」または「下」と記載する場合もある。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について
図1乃至
図6を用いて説明する。
【0028】
本発明の一態様の表示装置は、同一の発光材料を有する複数の発光デバイスと、少なくとも一部の発光デバイスと重なる色変換層と、を有する。副画素によって、色変換層の有無、及び、用いる色変換層の種類を変えることで、表示装置ではフルカラー表示を行うことができる。
【0029】
図1(A)に、表示装置100の上面図を示す。表示装置100は、複数の画素110が配置された表示部と、表示部の外側の接続部140と、を有する。表示部には、複数の副画素がマトリクス状に配置されている。
図1(A)では、2行6列分の副画素を示しており、これらによって2行2列の画素110が構成される。接続部140は、カソードコンタクト部と呼ぶこともできる。
【0030】
図1(A)に示す副画素の上面形状は、発光領域の上面形状に相当する。本明細書等において、上面形状とは、平面視における形状、つまり、上から見た形状のことをいう。
【0031】
なお、副画素の上面形状は、
図1(A)に示す形状には限られない。副画素の上面形状の例としては、例えば、三角形、四角形(長方形、菱形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。
【0032】
また、副画素を構成する回路レイアウトは、
図1(A)に示す副画素の範囲に限定されず、回路の構成要素は、その外側に配置されていてもよい。つまり、
図1(A)に示す副画素11Rが有するトランジスタの一部または全てが副画素11Rの範囲外に位置してもよい。副画素11Rが有するトランジスタは、
図1(A)に示す副画素11Rの範囲内に位置してもよく、副画素11Gの範囲内に位置してもよく、副画素11Bの範囲内に位置してもよく、これらの範囲の複数にまたがって配置されていてもよい。
【0033】
図1(A)では、副画素11R、11G、11Bの開口率(サイズ、発光領域のサイズともいえる)を等しくまたは概略等しく示すが、本発明の一態様はこれに限定されない。副画素11R、11G、11Bの開口率は、それぞれ適宜決定することができる。副画素11R、11G、11Bの開口率は、それぞれ、異なっていてもよく、2つ以上が等しいまたは概略等しくてもよい。
【0034】
図1(A)に示す画素110には、ストライプ配列が適用されている。
図1(A)に示す画素110は、副画素11R、副画素11G、副画素11Bの、3つの副画素から構成される。副画素11R、11G、11Bは、それぞれ異なる色の光を呈する。副画素11R、11G、11Bとしては、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素などが挙げられる。また、副画素の種類は3つに限られず、4つ以上としてもよい。4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、及び、R、G、B、赤外光(IR)の4つの副画素、などが挙げられる。
【0035】
本明細書等において、行方向をX方向、列方向をY方向、奥行き方向をZ方向という場合がある。
図1(A)では、異なる色の副画素がX方向に並べて配置されており、同じ色の副画素が、Y方向に並べて配置されている例を示す。
【0036】
図1(B)に、
図1(A)における一点鎖線X1-X2間の断面図を示す。なお、
図1(B)に示す断面図において、表示装置100の上面が下方に示されている。
【0037】
副画素11Rは、発光デバイス13Rと、発光デバイス13Rに重なる色変換層12Rと、を有する。色変換層12Rは、発光デバイス13Rの発する光を赤色の光に変換することができる。これにより、発光デバイス13Rの発光は、色変換層12Rを介して、表示装置100の外部に赤色の光として取り出される。
【0038】
副画素11Gは、発光デバイス13Gと、発光デバイス13Gに重なる色変換層12Gと、を有する。色変換層12Gは、発光デバイス13Gの発する光を緑色の光に変換することができる。これにより、発光デバイス13Gの発光は、色変換層12Gを介して、表示装置100の外部に緑色の光として取り出される。
【0039】
副画素11Bは、発光デバイス13Bと、発光デバイス13Bに重なる色変換層12Bと、を有する。色変換層12Bは、発光デバイス13Bの発する光を青色の光に変換することができる。これにより、発光デバイス13Bの発光は、色変換層12Bを介して、表示装置100の外部に青色の光として取り出される。
【0040】
ここで、青色の光としては、例えば、発光スペクトルのピーク波長が400nm以上480nm未満である光が挙げられる。また、緑色の光としては、例えば、発光スペクトルのピーク波長が480nm以上580nm未満である光が挙げられる。また、赤色の光としては、例えば、発光スペクトルのピーク波長が580nm以上700nm以下である光が挙げられる。
【0041】
色変換層としては、蛍光体及び量子ドットの一方または双方を用いることが好ましい。特に、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭く、色純度のよい発光を得ることができる。これにより、表示装置の表示品位を高めることができる。
【0042】
量子ドットを構成する材料としては、特に限定は無く、例えば、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、各種半導体クラスターなどが挙げられる。
【0043】
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いてもよい。
【0044】
量子ドットの構造としては、コア型、コア-シェル型、コア-マルチシェル型などが挙げられる。また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着しているまたは保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着しているまたは保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。
【0045】
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトするため、量子ドットのサイズを変更することにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は、例えば、0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上10nm以下である。また、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、発光スペクトルがより狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。棒状の量子ドットである量子ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有する。
【0046】
色変換層は、液滴吐出法(例えば、インクジェット法)、塗布法、インプリント法、各種印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷)等を用いて形成することができる。また、量子ドットフィルムなどの色変換フィルムを用いてもよい。
【0047】
色変換層となる膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法を用いることが好ましい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法と、がある。例えば、フォトレジストに量子ドットを混合した材料を用いて薄膜を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いて当該薄膜を加工することで、島状の色変換層を形成することができる。
【0048】
また、本発明の一態様の表示装置においては、基板上に開口を有する絶縁層を設け、当該開口内に色変換層を設けることが好ましい。絶縁層は、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜、又は有機ポリシロキサンを用いて形成することができる。特に感光性の材料を用い、開口の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。当該絶縁層を設けることにより、各色の色変換層を隔てることができるため、混色を防ぐことができる。よって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。なお、当該絶縁層は、各色の色変換層を隔てる機能を有することから、隔壁または土手ともいう。
【0049】
ただし、量子ドットには、酸素等の不純物の侵入によって劣化しやすいという課題がある。量子ドットが劣化すると画素の発光強度が低下し、表示装置の表示品位が低下するため、量子ドットを色変換層に用いた表示装置においては、色変換層の周囲から酸素等の不純物が侵入することを防止し、量子ドットの劣化を防ぐ必要がある。
【0050】
そこで、本発明の一態様の表示装置には、色変換層を囲む無機膜を設ける。これによって、色変換層に酸素等の不純物が侵入することを防ぎ、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
【0051】
図1(B)に示すように、表示装置100は、基板10、隔壁20、色変換層12R、色変換層12G、色変換層12B、第1の無機膜21および第2の無機膜22を含むユニット30と、トランジスタを含む層101、絶縁層255、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bを含むユニット31とが、樹脂層32によって貼り合わせられた構成を有する。なお、
図1(B)において、破線で示した矢印は、光の射出方向を示す。
【0052】
ユニット30において、隔壁20は、基板10上に位置し、かつ、開口を有する絶縁層である。また、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bは、それぞれ隔壁20の開口内に位置する部分を有する。
【0053】
第1の無機膜21は、隔壁20の開口内で、隔壁20の側面と、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bのいずれかの側面と、の間に位置する部分と、基板10と、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bのいずれかと、の間に位置する部分と、を有する。
【0054】
第2の無機膜22は、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12B上に位置する部分を有する。
【0055】
すなわち、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bはそれぞれ、第1の無機膜21および第2の無機膜22に囲まれている。各副画素において、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bはそれぞれ、第1の無機膜21と、第2の無機膜22との間に位置するともいえる。このように第1の無機膜21および第2の無機膜22を設けることで、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bに酸素などの不純物が侵入することを防止することができるため、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bが、酸素などの不純物によって劣化するのを防ぐことができる。よって、信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0056】
また、第1の無機膜21および第2の無機膜22は、隔壁20と接するように設けられることがより好ましい。これによって、隔壁20から隔壁20の構成元素が拡散することを防止することができ、第1の無機膜21および第2の無機膜22による色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの劣化を抑制する効果をさらに高めることができる。よって、さらに信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0057】
第1の無機膜21および第2の無機膜22としては、無機絶縁膜が好適である。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。中でも、窒化シリコン、窒化アルミニウム膜等の窒化金属膜を用いると、この材料自体に酸素を含まないことから、色変換層に酸素が侵入するのを効果的に防止することができる。
【0058】
酸素等の透過を抑制する観点から、第1の無機膜21、第2の無機膜22、および第3の無機膜23の膜厚は、10nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましい。一方、発光デバイスの発する光の透過率の低下を抑制する観点から、第1の無機膜21、第2の無機膜22、および第3の無機膜23の膜厚は、1000nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。
【0059】
基板10には、ガラス、石英、セラミックス、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体などを用いることができる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板10に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。また、基板10として偏光板などを用いてもよい。このように基板としては様々な部材を用いることができる。
【0060】
基板10としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板10に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0061】
なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、基板10には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
【0062】
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
【0063】
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
【0064】
また、基板10としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示装置にしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
【0065】
樹脂層32としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0066】
ユニット31において、トランジスタを含む層101上に、絶縁層255が設けられ、絶縁層255上に発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが設けられる。なおこの場合の「上」とは、トランジスタを含む層101側を下方とし、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13B側を上方とした際の上下関係に基づく。また、ユニット31において、トランジスタを含む層101に接して、絶縁層255が設けられ、絶縁層255に接して、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが設けられるともいえる。
【0067】
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出する上面射出型(トップエミッション型)、発光デバイスが形成されている基板側に光を射出する下面射出型(ボトムエミッション型)、両面に光を射出する両面射出型(デュアルエミッション型)のいずれであってもよい。本実施の形態では、トップエミッション型の表示装置を例に挙げて説明する。
【0068】
トランジスタを含む層101には、例えば、基板に複数のトランジスタが設けられ、これらのトランジスタを覆うように絶縁層が設けられた積層構造を適用することができる。トランジスタ上の絶縁層は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
図12では、トランジスタ上の絶縁層のうち、絶縁層255a、絶縁層255a上の絶縁層255b、及び、絶縁層255b上の絶縁層255cを示している。なお、トランジスタ上の絶縁層(絶縁層255a乃至絶縁層255c)も、トランジスタを含む層101の一部とみなしてもよい。
【0069】
トランジスタを含む層101の構成例は、実施の形態4で後述する。
【0070】
発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bとしては、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)、またはQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。発光デバイスが有する発光物質としては、例えば、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料)、及び、無機化合物(量子ドット材料等)が挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。また、発光デバイスとして、液晶素子を用いることもできる。なお、発光デバイス13R、13G、13Bに量子ドットを含む発光層を用いる場合、当該発光層に関する構造として、本願の色変換層に関する構造を適用することができる。例えば、量子ドットを含む発光層に加えて、当該発光層間を隔てる隔壁、当該発光層を囲む第1の無機膜及び第2の無機膜を設けることができる。また、発光デバイス13R、13G、13Bに量子ドットを含む発光層を用いる場合、当該発光層と、色変換層12R、12G、12Bと、の一方又は双方に本願の色変換層に関する構造を適用することができる。また、色変換層を設けず、量子ドットを含む発光層に本願の色変換層に関する構造を適用することも好適である。
【0071】
発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bの発光色は、赤外、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄、または白などとすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度を高めることができる。
【0072】
発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bは一対の電極を有し、電極間にEL層(有機化合物層)を有する。発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが有する一対の電極のうち、光を取り出す側の電極には可視光を透過する導電膜を用い、光を取り出さない側の電極には可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0073】
発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが有する一対の電極のうち、一方の電極は陽極として機能し、他方の電極は陰極として機能する。以下では、画素電極が陽極として機能し、共通電極が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する場合がある。
【0074】
発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bは、例えば、白色の光を発する構成とすることができる。
【0075】
発光デバイス13Rが白色の光を発する構成の場合、色変換層12Rは、青色の光及び緑色の光を赤色の光に変換し、かつ、赤色の光を透過することが好ましい。このような色変換層12Rを、発光デバイス13Rと重ねて設けることで、白色の光のうち、青色の光の成分、及び緑色の光の成分を、赤色の光の成分に変換して、表示装置の外部に取り出すことができる。したがって、色変換層12Rを設けない構成と比べて、赤色の光の取り出し効率を高めることができる。また、色変換層12Rは、赤色よりも短波長の光(例えば、青色から橙色までの光)を赤色の光に変換し、かつ、赤色の光を透過することが好ましい。
【0076】
同様に、発光デバイス13Gが白色の光を発する構成の場合、色変換層12Gは、青色の光を緑色の光に変換し、かつ、緑色の光を透過することが好ましい。このような色変換層12Gを、発光デバイス13Gと重ねて設けることで、白色の光のうち、青色の光の成分を、緑色の光の成分に変換し、表示装置の外部に取り出すことができる。したがって、色変換層12Gを設けない構成と比べて、緑色の光の取り出し効率を高めることができる。
【0077】
また、発光デバイス13Bが白色の光を発する構成の場合、青色の光を透過する色変換層12Bを、発光デバイス13Bと重ねて設けることが好ましい。これにより、白色の光のうち、青色の光の成分を表示装置の外部に取り出すことができる。
【0078】
なお、マイクロキャビティ構造を適用することで、白色の光を発する構成の発光デバイスでは、赤色、緑色、または青色などの特定の波長の光が強められて発光する場合もある。
【0079】
例えば、発光デバイス13R、発光デバイス13G、発光デバイス13Bに白色の光を発する構成を適用し、かつ、マイクロキャビティ構造を適用することで、発光デバイス13Rから赤色の発光を、発光デバイス13Gから緑色の発光を、発光デバイス13Bから青色の発光を、それぞれ得ることができる。
【0080】
ここで、マイクロキャビティ構造を適用することで、正面方向では、所望の波長の光を強めて取り出すことができるが、斜め方向から取り出される光には、白色の光の成分が含まれてしまう。
【0081】
そのため、マイクロキャビティ構造が適用された表示装置においても、色変換層12R、及び、色変換層12Gを設けると、所望の色の光取り出し効率を高めることができ、好ましい。
【0082】
また、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bは、例えば、青色の光を発する構成とすることができる。
【0083】
発光デバイス13Rが青色の光を発する構成の場合、色変換層12Rは、青色の光を赤色の光に変換し、かつ、赤色の光を透過することが好ましい。このような色変換層12Rを、発光デバイス13Rと重ねて設けることで、発光デバイス13Rが発する青色の光を、赤色の光に変換して、表示装置の外部に取り出すことができる。
【0084】
同様に、発光デバイス13Gが青色の光を発する構成の場合、色変換層12Gは、青色の光を緑色の光に変換し、かつ、緑色の光を透過することが好ましい。このような色変換層12Gを、発光デバイス13Gと重ねて設けることで、発光デバイス13Gが発する青色の光を、緑色の光に変換し、表示装置の外部に取り出すことができる。
【0085】
つまり、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bの全てに青色の光を発する構成を適用しても、フルカラーの表示装置を実現することができる。
【0086】
また、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが青色の光を発する構成の場合においても、マイクロキャビティ構造を適用し、発光デバイスが発する青色の光を強めてもよい。または、マイクロキャビティ構造を適用しなくてもよい。
【0087】
また、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが、青色よりも短波長の光を発する構成としてもよく、例えば、紫色の光、または紫外光を発する構成としてもよい。
【0088】
ここで、青色よりも短波長の光としては、例えば、発光スペクトルのピーク波長が100nm以上400nm未満である光が挙げられる。
【0089】
発光デバイス13Bが青色よりも短波長の光を発する構成の場合、発光デバイス13Bが発する光を青色の光に変換し、かつ、青色の光を透過する色変換層12Bを、発光デバイス13Bと重ねて設けることが好ましい。また、色変換層12Bを介して発光デバイス13Bと重なる位置に、着色層を設けることが好ましい。
【0090】
このように、青色の光を呈する副画素11Bについても、色変換層を用いる構成、または、色変換層と着色層とを組み合わせて用いる構成を適用することができる。
【0091】
なお、発光デバイス13Rおよび発光デバイス13Gが青色よりも短波長の光を発する構成の場合、色変換層12Rおよび色変換層12Gについても、青色よりも短波長の光を赤色または緑色の光に変換できることが好ましい。
【0092】
本実施の形態の発光デバイスには、シングル構造(発光ユニットを1つだけ有する構造)を適用してもよく、タンデム構造(発光ユニットを複数有する構造)を適用してもよい。発光ユニットは、少なくとも1層の発光層を有する。
【0093】
白色の光を発するタンデム構造の発光デバイスを用いる場合、例えば、青色の光を発する発光ユニットと、青色よりも長波長の光を発する発光ユニットと、を有する構成を適用できる。各発光ユニットの間には、電荷発生層を設けることが好ましい。タンデム構造を適用することで、高輝度発光が可能な発光デバイスを実現できる。
【0094】
また、青色の光を発するタンデム構造の発光デバイスを用いる場合、例えば、青色の光を発する発光ユニットを2つ以上有する構成を適用できる。当該発光デバイスは、さらに、青色よりも長波長の光を発する発光ユニット(例えば青緑色または緑色の光を発する発光ユニット)を有していてもよい。
【0095】
なお、発光デバイスを、リソグラフィ法を用いて有機化合物層を加工する方法により作製することで、隣り合う発光デバイスの間隔、隣り合うEL層の間隔、隣り合う側壁絶縁層の間隔、または隣り合う画素電極の間隔を10μm未満、8μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1.5μm以下、1μm以下、または、0.5μm以下にまで狭めることができる。また、例えばLSI向けの露光装置を用いることで、Si Wafer上のプロセスにおいて、隣り合う発光デバイスの間隔、隣り合うEL層の間隔、隣り合う側壁絶縁層の間隔、または隣り合う画素電極の間隔を、例えば、500nm以下、200nm以下、100nm以下、さらには50nm以下にまで狭めることもできる。ただし、発光デバイス間の幅が狭いと、光漏れのおそれがある。また、色変換層間を狭くするには、隔壁20を狭くする必要があるため、色変換層を塗布によって形成する際に、色変換層が隔壁20を乗り越えて隣の画素へ侵入してしまう可能性が高まる。
【0096】
そこで、
図1(B)に示すように、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの端部を、それぞれ発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bの端部(画素電極の端部)よりも内側に設けるとよい。この場合、隔壁20の側壁においては、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bのいずれかと、第1の無機膜21と、第2の無機膜22と、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bのいずれかとが、互いに重なるような構造になる。色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの端部を、それぞれ発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bの端部よりも内側に設ける構成とすることで、隔壁20を過剰に狭くしなくてもよいため、色変換層を塗布によって形成する際に、色変換層が隔壁を乗り越えて隣の画素へ侵入してしまう可能性を低減することができる。また、光漏れの恐れを低減することができる。
【0097】
発光デバイスの構成及び材料のより詳細な内容については、実施の形態5を参照することができる。
【0098】
なお、図の単純化のため、以下の説明では、ユニット31を省略して表示することがある。
【0099】
【0100】
図2(A)に示す断面図では、
図1(B)に示した構成に加えて、第1の無機膜21が隔壁20上に位置する部分を有し、かつ、第2の無機膜22が隔壁20上で第1の無機膜21上に位置する部分を有する構成を示す。この場合、第1の無機膜21および第2の無機膜22によって、隔壁20の側面及び上面が覆われることから、隔壁20の側面から構成元素が拡散することだけではなく、隔壁20の上面から構成元素が拡散することを防止することができる。従って、第1の無機膜21および第2の無機膜22による色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの劣化を抑制する効果をさらに高めることができる。よって、さらに信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0101】
なお、
図2(A)に示す構成は、各副画素において、第1の無機膜21と、色変換層12R、色変換層12G、または色変換層12Bのいずれかと、第2の無機膜22とが互いに重なっているといえる。また、各副画素間において、隔壁20と、第1の無機膜21と、第2の無機膜22と、が互いに重なっているともいえる。また、各副画素において、色変換層12R、色変換層12G、または色変換層12Bのいずれかが、第1の無機膜21と、第2の無機膜22と、の間に位置するともいえる。また、各副画素間において、第1の無機膜21は、隔壁20と、第2の無機膜22と、の間に位置するともいえる。これらの表現に関わらず、図面を参酌して構造を言い表すことができる。なお、他の図面においても同様である。
【0102】
図2(B)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成に加えて、第3の無機膜23を有する構成を示す。第3の無機膜23は、基板10と隔壁20との間に位置する部分と、基板10と第1の無機膜21の間に位置する部分と、を有する構成を示す。第3の無機膜23を有する構成とすることにより、隔壁20の周囲が第1の無機膜21、第2の無機膜22、第3の無機膜23によって囲まれることから、隔壁20の側面から構成元素が放出されたとしても、当該構成元素を第1の無機膜21、第2の無機膜22、第3の無機膜23によって囲まれる領域に封じ込めることで、周囲に拡散することを確実に防止することができる。従って、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの劣化を抑制する効果をさらに高めることができる。よって、さらに信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0103】
なお、
図2(B)に示す構成は、各副画素において、第3の無機膜23と、第1の無機膜21と、色変換層12R、色変換層12G、または色変換層12Bのいずれかと、第2の無機膜22とが互いに重なっているといえる。また、各副画素間において、第3の無機膜23と、隔壁20と、第1の無機膜21と、第2の無機膜22と、が互いに重なっているともいえる。また、各副画素において、色変換層12R、色変換層12G、または色変換層12Bのいずれかが、第1の無機膜21と、第2の無機膜22と、の間に位置するともいえる。また、各副画素において、第1の無機膜21は、第3の無機膜23と、色変換層12R、色変換層12G、または色変換層12Bのいずれかと、の間に位置するともいえる。また、各副画素間において、第1の無機膜21は、隔壁20と、第2の無機膜22と、の間に位置するともいえる。これらの表現に関わらず、図面を参酌して構造を言い表すことができる。なお、他の図面においても同様である。
【0104】
第3の無機膜23としては、第1の無機膜21および第2の無機膜22に用いることのできる材料と同様の材料を用いることができる。
【0105】
図3(A)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成における色変換層12Bを設けない構成を示す。例えば、副画素11Bが青色の副画素であって、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが青色の光を発する構成の場合には、色変換層12Bによって発光デバイス13Bの発する光の色を変換しなくてもよいため、副画素11Bに色変換層12Bが設けられていなくてもよい。この場合、領域24において、第1の無機膜21と、第2の無機膜22とが、接することが好ましい。この場合、隔壁20から隔壁20の構成元素が拡散することを防止することができるため、第1の無機膜21および第2の無機膜22による色変換層12R、および色変換層12Gの劣化を抑制する効果をさらに高めることができる。
【0106】
図3(B)に示す断面図では、
図3(A)に示した構成と同様に、
図2(A)に示した構成における色変換層12Bを設けない構成を示す。この場合、領域24において、第1の無機膜21が、第2の無機膜22および第3の無機膜23と接することが好ましい。この場合、隔壁20から隔壁20の構成元素が拡散することを防止することができるため、色変換層12R、および色変換層12Gの劣化を抑制する効果をさらに高めることができる。
【0107】
図3(C)に示す断面図では、
図3(B)に示した構成の領域24から、第1の無機膜21、第2の無機膜22、および第3の無機膜23を除去した構成を示す。この場合、樹脂層32が基板10と接するため、ユニット30と、ユニット31との密着性を向上させることができる。なお、例えば、領域24における第1の無機膜21および第2の無機膜22のみを除去し、第3の無機膜は除去しない構成としてもよい。この場合、樹脂層32と第3の無機膜23が接する。また、領域24における第1の無機膜21のみを除去し、第2の無機膜22および第3の無機膜23は除去しない構成としてもよい。この場合、樹脂層32と第2の無機膜22が接する。また、領域24における第2の無機膜22のみを除去し、第1の無機膜21および第3の無機膜23を除去しない構成としてもよい。この場合、樹脂層32と第1の無機膜21が接する。
【0108】
図3(A)乃至
図3(C)に示す構成において領域24を設ける箇所は、青色の副画素以外の箇所としてもよい。例えば、画素領域の周辺を囲うように設けても良い。画素領域の周辺を囲う場合、画素領域内に画素領域外から不純物が侵入することを抑制できる。また、画素領域と周辺領域(駆動回路領域等)の間に設けても良い。また領域24は、帯状に設けても良いし、複数の領域24を間隔をあけて設けても良い。複数の領域24を有する場合、それぞれの領域24の幅を異ならせてもよい。
【0109】
図4(A)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成から、隔壁20の高さをより高くした構成を示す。例えば、隔壁20aおよび隔壁20bによる積層構造によって形成することで、隔壁20をより高くすることができる。この場合、基板10の上面から隔壁20の上面までの高さが、基板10の上面から色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bのそれぞれの上面までの高さより高くなる。また、第2の無機膜22のうち、色変換層上に位置する部分の上面からユニット31までの高さが、第2の無機膜22のうち、隔壁20上に位置する部分の上面からユニット31までの高さより高くなる。これによって、隔壁20によって、隣接する色変換層同士を隔てる効果を高めることができる。
【0110】
より具体的な説明のため、
図4(C)に
図4(A)における領域25の拡大図を示す。
図4(C)に示すように、基板10の上面から隔壁20の上面までの高さをh1とし、基板10の上面から色変換層12Rの上面までの高さをh2とし、第2の無機膜22のうち、色変換層上に位置する部分の上面からユニット31までの高さをt2とし、第2の無機膜22のうち、隔壁20上に位置する部分の上面からユニット31までの高さをt1としたとき、h1がh2より大きい(h1>h2)、またはt2がt1より大きい(t2>t1)場合に、隔壁20によって、隣接する色変換層同士を隔てる効果を高めることができる。なお、
図4(C)では、色変換層12Rを例に挙げて説明したが、色変換層12Rには限られず、色変換層12Gまたは色変換層12Bでも同様である。
【0111】
図4(B)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成に加えて、副画素11Rに赤色の光を透過する着色層14Rを、副画素11Gに緑色の光を透過する着色層14Gを、副画素11Bに青色の光を透過する着色層14Bを設けた構成を示す。詳細には、基板10と第3の無機膜23との間に各色の着色層(着色層14R、着色層14G、着色層14B)を設けている。発光デバイスが発する光の一部は色変換層で変換されずにそのまま透過してしまうことがある。色変換層を透過した光を、着色層を介して取り出すことで、目的の色以外の光を着色層で吸収し、副画素が呈する光の色純度を高めることができる。
【0112】
また、
図4(B)に示す構成では、隔壁20と重なる領域において、着色層同士が重なりあうように設けられていることがより好ましい。この場合も、基板10の上面から隔壁20の上面までの高さが、基板10の上面から色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bのそれぞれの上面までの高さより高くなる。また、第2の無機膜22のうち、色変換層上に位置する部分の上面からユニット31までの高さが、第2の無機膜22のうち、隔壁20上に位置する部分の上面からユニット31までの高さより高くなる。これによって、隔壁20によって、隣接する色変換層同士を隔てる効果を高めることができる。
【0113】
より具体的な説明のため、
図4(D)に
図4(B)における領域25の拡大図を示す。
図4(C)に示すように、基板10の上面から隔壁20の上面までの高さをh1とし、基板10の上面から色変換層12Rの上面までの高さをh2とし、第2の無機膜22のうち、色変換層上に位置する部分の上面からユニット31までの高さをt2とし、第2の無機膜22のうち、隔壁20上に位置する部分の上面からユニット31までの高さをt1としたとき、h1がh2より大きい(h1>h2)、またはt2がt1より大きい(t2>t1)場合に、隔壁20によって、隣接する色変換層同士を隔てる効果を高めることができる。なお、
図4(D)では、色変換層12Rを例に挙げて説明したが、色変換層12Rには限られず、色変換層12Gまたは色変換層12Bでも同様である。
【0114】
図5(A)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成において、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの上面が凹面となるように形成した構成を示す。このように色変換層の上面を凹面とすることにより、色変換層と、隔壁20との境界付近における凹凸が緩和する(または、段差が解消する)ため、第2の無機膜22の被覆性が高まり、色変換層12R、および色変換層12Gの劣化を抑制する効果を高めることができる。また、第2の無機膜22を設ける面の凹凸を緩和できていないと、第2の無機膜22が段切れしてしまう場合がある。色変換層の上面を凹面とすることにより、色変換層と、隔壁20との境界付近における凹凸が緩和するため、第2の無機膜22の段切れを防ぐことができる。なお、凹面は、凹曲面とも呼ぶことができる。
【0115】
より具体的な説明のため、
図5(C)に
図5(A)における領域26の拡大図を示す。
図4(C)に示すように、色変換層12Rおよび第1の無機膜21の境界面と、色変換層12Rおよび第2の無機膜22の境界面と、のなす角をθとした場合に、θを鋭角にすると好ましい。具体的には、θが0°以上90°以下、より好ましくは0°以上45°以下であれば、色変換層12Rと、隔壁20との境界付近における凹凸が緩和するため、第2の無機膜22の被覆性が高まり、色変換層12R、および色変換層12Gの劣化を抑制する効果を高めることができる。
【0116】
なお、本構成においては第2の無機膜22の被覆性を高めることにより、色変換層12R、および色変換層12Gの劣化を抑制する効果を高めることができている。よって第2の無機膜22による劣化抑制効果が十分な場合には、第1の無機膜21および第3の無機膜23を形成してもよく、形成しなくてもよい。第1の無機膜21を形成しない場合、色変換層12Rおよび隔壁20の境界面と、色変換層12Rおよび第2の無機膜22の境界面と、のなす角をθとすることができる。
【0117】
なお、
図5(C)では、色変換層12Rを例に挙げて説明したが、色変換層12Rには限られず、色変換層12Gまたは色変換層12Bでも同様である。
【0118】
図5(B)に示す断面図では、
図4(B)に示した構成において、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの上面が凹面となるように形成した構成を示す。この場合では、例えば、隔壁20から色変換層12Rへ向かう方向において、着色層14Gと着色層14Bとの段差の影響で、着色層14Rの表面にはなだらかな傾斜が形成される。その傾斜の影響で第1の無機膜21と、色変換層12Rがなだらかに形成される。これによって、隔壁20の底面よりも色変換層12Rの底面の方が下に位置することになる。その結果、θが好ましい値となるように、制御しやすくなる。
【0119】
図6(A)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成における隔壁20に、溝27を設けた構成を示す。色変換層を塗布によって形成する際に、隔壁20の開口から色変換層となる溶液があふれたとしても、当該溶液はまず溝27に流れ込むため、開口に隣接する他の開口に流れることを防止することができる。
【0120】
溝27は、上面視で開口を囲うように設けると上記効果を高めることができる。ただし、溝27は開口を完全に囲った形状でなくてもよく、色変換層となる溶液が開口からあふれてしまった際に流れ込むことのできる穴が開いていれば良い。開口を完全に囲わない場合は、開口を完全に囲う場合と比べて表示領域を広くできる可能性がある。なお、溝27を形成することにより開口が狭くなる場合がある。そこで隔壁20に溝27を形成する際に、隔壁20を完全に除去せず、隔壁20の上部に凹部を作るようにすることで、表示領域を広くしてもよい。
【0121】
なお、溝27は、ユニット31における配線(例えばソース/ドレイン配線、ゲート配線、電源線、タッチパネル配線など)と重ねるように設けると、表示領域が狭くなりにくい。
【0122】
また、溝27は、色変換層の厚さに応じてその幅を変えると良い。色変換層が厚くなれば、色変換層となる溶液が開口からあふれ出す可能性が高く、また、あふれ出た場合に、あふれ出る量が増加する。よって色変換層が厚い場合は、溝27の幅を広くすると効果的である。
【0123】
なお、溝27において、第1の無機膜21と第2の無機膜22とが接することから、酸素の拡散を防ぐことができる。
【0124】
なお、
図6(A)に示す構成において、色変換層の劣化抑制が不要な場合、または、別の手段によって、色変換層の劣化抑制が図られている場合には、第1の無機膜21および第2の無機膜22を形成しなくてもよい。
【0125】
図6(B)に示す断面図では、色変換層の厚さを色毎に変える構成を示す。量子ドットの粒子サイズは、より波長の長い色に変換したいときにより大きくする必要があるため、各色変換層の量子ドットの粒子数を揃えようとする場合には、色毎に色変換層の厚さが変わる。例えば、色変換層12Rは、発光デバイス13Rの発する光を赤色の光に変換し、色変換層12Gは、発光デバイス13Gの発する光を緑色の光に変換するため、色変換層12Rの厚さは、色変換層12Gよりも厚くすると、量子ドットの粒子数を揃えることができる。
【0126】
なお、色変換層を厚くしようとする場合、色変換層を塗布によって形成する際に、隔壁20の開口から色変換層となる溶液があふれてしまう可能性が高まる。そこで、厚い色変換層(例えば、色変換層12R)の周囲の隔壁20は、他の色変換層の周囲の隔壁20よりも、幅を大きくすると好ましい。これによって、隔壁20の開口から色変換層12Rとなる溶液があふれてしまう可能性を低減することができる。
【0127】
また、
図6(B)に示す断面図では、
図2(A)に示した構成における色変換層12Bの代わりに、膜厚調整層15を設けている。例えば、副画素11Bが青色の副画素であって、発光デバイス13R、発光デバイス13G、および発光デバイス13Bが青色の光を発する構成の場合には、色変換層12Bによって発光デバイス13Bの発する光の色を変換しなくてもよいため、副画素11Bに色変換層12Bが設けられていなくてもよい。一方で、色変換層12Bがない場合には、ユニット30の凹凸が大きくなるため、ユニット30とユニット31とを貼り合わせる際の密着性が低下する可能性がある。そこで、色変換層12Bの代わりに膜厚調整層15を設ける。この場合、ユニット30の凹凸を緩和することができれば、膜厚調整層15の膜厚は色変換層12Rおよび色変換層12Gほど高くなくてもよい。膜厚調整層15の膜厚を色変換層12Rおよび色変換層12Gよりも小さくすることで、膜厚調整層15となる溶液を塗布する際に、隔壁20を乗り越える懸念を小さくすることができる。よって、そのため、膜厚調整層15の周囲の隔壁20の幅は小さくてもよく、副画素11Bの表示領域を大きくすることができる。
【0128】
なお、
図6(B)に示す構成において、色変換層の劣化抑制が不要な場合、または、別の手段によって、色変換層の劣化抑制が図られている場合には、第1の無機膜21および第2の無機膜22を形成しなくてもよい。
【0129】
以上のように、本発明の一態様の表示装置では、色変換層を囲む無機膜を設けるなどの手段によって、色変換層に酸素等の不純物が侵入することを防ぐことができる。よって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
【0130】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0131】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の作製方法について
図7および
図8を用いて説明する。なお、各要素の材料及び形成方法について、先に実施の形態1で説明した部分と同様の部分については説明を省略することがある。また、発光デバイスの構成の詳細については実施の形態5で説明する。
【0132】
図7および
図8では、本発明の一態様の表示装置の作製方法の一例として、
図2(B)に示した構成の有するユニット30の作製方法を説明する。
【0133】
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、及び、熱CVD法などがある。また、熱CVD法のひとつに、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法がある。
【0134】
また、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ法、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、またはナイフコート等の湿式の成膜方法により形成することができる。
【0135】
特に、発光デバイスの作製には、蒸着法などの真空プロセス、及び、スピンコート法、インクジェット法などの溶液プロセスを用いることができる。蒸着法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD法)、及び、化学蒸着法(CVD法)等が挙げられる。特にEL層に含まれる機能層(正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、発光層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層など)については、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、または、マイクロコンタクト法等)などの方法により形成することができる。
【0136】
また、表示装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。また、メタルマスクなどの遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を直接形成してもよい。
【0137】
フォトリソグラフィ法としては、代表的には以下の2つの方法がある。1つは、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう1つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
【0138】
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線、KrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-violet)光、またはX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
【0139】
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
【0140】
まず、基板10上に、第3の無機膜23を形成する(
図7(A))。
【0141】
次に、第3の無機膜23上に、隔壁20となる絶縁膜20cを形成する(
図7(B))。絶縁膜20cの形成には、例えば、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ法、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコートなどの湿式の成膜方法を用いることができる。絶縁膜20cには、実施の形態1で述べた隔壁20に適用可能な構成を適用することができる。
【0142】
次に、絶縁膜20cを加工し、開口を有する隔壁20を形成する(
図7(C))。絶縁膜20cの加工にはフォトリソグラフィ法を用いることができる。
【0143】
次に、第3の無機膜23および隔壁20上に第1の無機膜21を形成する(
図7(D))。
【0144】
次に、隔壁20の開口内に、色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bを形成する(
図8(A))。
【0145】
そして、色変換層12R、色変換層12G、色変換層12B、および第1の無機膜21上に、第2の無機膜22を形成する(
図8(B))ことで、ユニット30を形成することができる。
【0146】
このように形成したユニット30を樹脂層32を介してユニット31と貼り合わせることで表示装置を作製することができる。
【0147】
以上のように、本実施の形態の表示装置の作製方法では、基板10に隔壁を設けた後に、色変換層を形成することにより、混色を防いだ色変換層を容易に形成することができる。また、第1の無機膜21、第2の無機膜22、および第3の無機膜23を形成することにより、色変換層の劣化を防ぐことができる。よって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
【0148】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0149】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について
図9及び
図10を用いて説明する。
【0150】
[画素のレイアウト]
本実施の形態では、主に、
図1(A)とは異なる画素レイアウトについて説明する。副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列などが挙げられる。
【0151】
本実施の形態で図に示す副画素の上面形状は、発光領域の上面形状に相当する。
【0152】
なお、副画素の上面形状としては、例えば、三角形、四角形(長方形、菱形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。
【0153】
また、副画素を構成する回路レイアウトは、図に示す副画素の範囲に限定されず、その外側に配置されていてもよい。
【0154】
図9(A)に示す画素110には、Sストライプ配列が適用されている。
図9(A)に示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。
【0155】
図9(B)に示す画素110は、角が丸い略台形の上面形状を有する副画素110aと、角が丸い略三角形の上面形状を有する副画素110bと、角が丸い略四角形または略六角形の上面形状を有する副画素110cと、を有する。また、副画素110bは、副画素110aよりも発光面積が広い。このように、各副画素の形状及びサイズはそれぞれ独立に決定することができる。例えば、信頼性の高い発光デバイスを有する副画素ほど、サイズを小さくすることができる。
【0156】
図9(C)に示す画素124a、124bには、ペンタイル配列が適用されている。
図9(C)では、副画素110a及び副画素110bを有する画素124aと、副画素110b及び副画素110cを有する画素124bと、が交互に配置されている例を示す。
【0157】
図9(D)乃至
図9(F)に示す画素124a、124bは、デルタ配列が適用されている。画素124aは上の行(1行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有する。画素124bは上の行(1行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有し、下の行(2行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有する。
【0158】
図9(D)は、各副画素が、角が丸い略四角形の上面形状を有する例であり、
図9(E)は、各副画素が、円形の上面形状を有する例であり、
図9(F)は、各副画素が、角が丸い略六角形の上面形状を有する例である。
【0159】
図9(F)では、各副画素が、最密に配列した六角形の領域の内側に配置されている。各副画素は、その1つの副画素に着目したとき、6つの副画素に囲まれるように、配置されている。また、同じ色の光を呈する副画素が隣り合わないように設けられている。例えば、副画素110aに着目したとき、これを囲むように3つの副画素110bと3つの副画素110cが、交互に配置されるように、それぞれの副画素が設けられている。
【0160】
図9(G)は、各色の副画素がジグザグに配置されている例である。具体的には、上面視において、行方向に並ぶ2つの副画素(例えば、副画素110aと副画素110b、または、副画素110bと副画素110c)の上辺の位置がずれている。
【0161】
図9(A)乃至
図9(G)に示す各画素において、例えば、副画素110aを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110bを緑色の光を呈する副画素Gとし、副画素110cを青色の光を呈する副画素Bとすることが好ましい。なお、副画素の構成はこれに限定されず、副画素が呈する色とその並び順は適宜決定することができる。例えば、副画素110bを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110aを緑色の光を呈する副画素Gとしてもよい。
【0162】
フォトリソグラフィ法を用いて、発光デバイスを作製する場合、加工するパターンが微細になるほど、光の回折の影響を無視できなくなるため、露光によりフォトマスクのパターンを転写する際に忠実性が損なわれ、レジストマスクを所望の形状に加工することが困難になる。そのため、フォトマスクのパターンが矩形であっても、角が丸まったパターンが形成されやすい。したがって、画素電極の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。本発明の一態様の表示装置では、EL層の上面形状、さらには、発光デバイスの上面形状が、画素電極の上面形状の影響を受けて、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。
【0163】
なお、画素電極の上面形状を所望の形状とするために、設計パターンと、転写パターンとが、一致するように、あらかじめマスクパターンを補正する技術(OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)技術)を用いてもよい。具体的には、OPC技術では、マスクパターン上の図形コーナー部などに補正用のパターンを追加する。
【0164】
図10(A)乃至
図10(I)に示すように、画素は副画素を4種類有する構成とすることができる。
【0165】
図10(A)乃至
図10(C)に示す画素110は、ストライプ配列が適用されている。
【0166】
図10(A)は、各副画素が、長方形の上面形状を有する例であり、
図10(B)は、各副画素が、2つの半円と長方形をつなげた上面形状を有する例であり、
図10(C)は、各副画素が、楕円形の上面形状を有する例である。
【0167】
図10(D)乃至
図10(F)に示す画素110は、マトリクス配列が適用されている。
【0168】
図10(D)は、各副画素が、正方形の上面形状を有する例であり、
図10(E)は、各副画素が、角が丸い略正方形の上面形状を有する例であり、
図10(F)は、各副画素が、円形の上面形状を有する例である。
【0169】
図10(G)及び
図10(H)では、1つの画素110が、2行3列で構成されている例を示す。
【0170】
図10(G)に示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110aを有し、中央の列(2列目)に副画素110bを有し、右の列(3列目)に副画素110cを有し、さらに、この3列にわたって、副画素110dを有する。
【0171】
図10(H)に示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、3つの副画素110dを有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110a及び副画素110dを有し、中央の列(2列目)に副画素110b及び副画素110dを有し、右の列(3列目)に副画素110c及び副画素110dを有する。
図10(H)に示すように、上の行と下の行との副画素の配置を揃える構成とすることで、製造プロセスで生じうるゴミなどを効率よく除去することが可能となる。したがって、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
【0172】
図10(I)では、1つの画素110が、3行2列で構成されている例を示す。
【0173】
図10(I)に示す画素110は、上の行(1行目)に、副画素110aを有し、中央の行(2行目)に、副画素110bを有し、1行目から2行目にわたって副画素110cを有し、下の行(3行目)に、1つの副画素(副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110a、110bを有し、右の列(2列目)に副画素110cを有し、さらに、この2列にわたって、副画素110dを有する。
【0174】
図10(A)乃至
図10(I)に示す画素110は、副画素110a、110b、110c、110dの、4つの副画素から構成される。
【0175】
副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する構成とすることができる。副画素110a、110b、110c、110dとしては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、または、R、G、B、赤外光(IR)の副画素などが挙げられる。
【0176】
図10(A)乃至
図10(I)に示す各画素110において、例えば、副画素110aを赤色の光を呈する副画素Rとし、副画素110bを緑色の光を呈する副画素Gとし、副画素110cを青色の光を呈する副画素Bとし、副画素110dを白色の光を呈する副画素W、黄色の光を呈する副画素Y、または近赤外光を呈する副画素IRのいずれかとすることが好ましい。このような構成とする場合、
図10(G)及び
図10(H)に示す画素110では、R、G、Bのレイアウトがストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。また、
図10(I)に示す画素110では、R、G、BのレイアウトがいわゆるSストライプ配列となるため、表示品位を高めることができる。
【0177】
以上のように、本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスを有する副画素からなる構成の画素について、様々なレイアウトを適用することができる。
【0178】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0179】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について
図11乃至
図16を用いて説明する。
【0180】
本実施の形態の表示装置は、高精細な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、腕時計型、及び、ブレスレット型などの情報端末機(ウェアラブル機器)の表示部、並びに、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのVR向け機器、及び、メガネ型のAR向け機器などの頭部に装着可能なウェアラブル機器の表示部に用いることができる。
【0181】
また、本実施の形態の表示装置は、高解像度な表示装置または大型な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、及び、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、及び、音響再生装置の表示部に用いることができる。
【0182】
[表示モジュール]
図11(A)に、表示モジュール280の斜視図を示す。表示モジュール280は、表示装置100Aと、FPC290と、を有する。
【0183】
表示モジュール280は、基板291及び基板292を有する。表示モジュール280は、表示部281を有する。表示部281は、表示モジュール280における画像を表示する領域であり、後述する画素部284に設けられる各画素からの光を視認できる領域である。
【0184】
図11(B)に、基板291側の構成を模式的に示した斜視図を示している。基板291上には、回路部282と、回路部282上の画素回路部283と、画素回路部283上の画素部284と、が積層されている。また、基板291上の画素部284と重ならない部分に、FPC290と接続するための端子部285が設けられている。端子部285と回路部282とは、複数の配線により構成される配線部286により電気的に接続されている。
【0185】
画素部284は、周期的に配列した複数の画素284aを有する。
図11(B)の右側に、1つの画素284aの拡大図を示している。画素284aには、先の実施の形態で説明した各種構成を適用することができる。
図11(B)では、
図1(A)に示す画素110と同様の構成を有する場合を例に示す。
【0186】
画素回路部283は、周期的に配列した複数の画素回路283aを有する。
【0187】
1つの画素回路283aは、1つの画素284aが有する複数の素子の駆動を制御する回路である。1つの画素回路283aは、1つの発光デバイスの発光を制御する回路が3つ設けられる構成とすることができる。例えば、画素回路283aは、1つの発光デバイスにつき、1つの選択トランジスタと、1つの電流制御用トランジスタ(駆動トランジスタ)と、容量と、を少なくとも有する構成とすることができる。このとき、選択トランジスタのゲートにはゲート信号が、ソースにはソース信号が、それぞれ入力される。これにより、アクティブマトリクス型の表示装置が実現されている。
【0188】
回路部282は、画素回路部283の各画素回路283aを駆動する回路を有する。例えば、ゲート線駆動回路、及び、ソース線駆動回路の一方または双方を有することが好ましい。このほか、演算回路、メモリ回路、及び電源回路等の少なくとも一つを有していてもよい。
【0189】
FPC290は、外部から回路部282にビデオ信号または電源電位等を供給するための配線として機能する。また、FPC290上にICが実装されていてもよい。
【0190】
表示モジュール280は、画素部284の下側に画素回路部283及び回路部282の一方または双方が重ねて設けられた構成とすることができるため、表示部281の開口率(有効表示面積比)を極めて高くすることができる。例えば表示部281の開口率は、40%以上100%未満、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下とすることができる。また、画素284aを極めて高密度に配置することが可能で、表示部281の精細度を極めて高くすることができる。例えば、表示部281には、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細度で、画素284aが配置されることが好ましい。
【0191】
このような表示モジュール280は、極めて高精細であることから、HMDなどのVR向け機器またはメガネ型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズを通して表示モジュール280の表示部を視認する構成の場合であっても、表示モジュール280は極めて高精細な表示部281を有するためにレンズで表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことができる。また、表示モジュール280はこれに限られず、比較的小型の表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。例えば腕時計などの装着型の電子機器の表示部に好適に用いることができる。
【0192】
[表示装置100A]
図12に示す表示装置100Aは、基板301、発光デバイス13R、発光デバイス13G、発光デバイス13B、色変換層12R、色変換層12G、色変換層12B、容量240、及び、トランジスタ310を有する。
【0193】
図11(B)に示す副画素11Rは発光デバイス13Rおよび色変換層12Rを有し、副画素11Gは発光デバイス13Gおよび色変換層12Gを有し、副画素11Bは発光デバイス13B及び色変換層12Bを有する。副画素11Rにおいて、発光デバイス13Rの発光は、色変換層12Rを介して表示装置100Aの外部に赤色の光(R)として取り出される。同様に、副画素11Gにおいて、発光デバイス13Gの発光は、色変換層12Gを介して表示装置100Aの外部に緑色の光(G)として取り出される。同様に、副画素11Bにおいて、発光デバイス13Bの発光は、色変換層12Bを介して表示装置100Aの外部に青色の光(B)として取り出される。
【0194】
基板301は、
図11(A)及び
図11(B)における基板291に相当する。基板301から絶縁層255cまでの積層構造が、実施の形態1におけるトランジスタを含む層101に相当する。
【0195】
トランジスタ310は、基板301にチャネル形成領域を有するトランジスタである。基板301としては、例えば単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いることができる。トランジスタ310は、基板301の一部、導電層311、低抵抗領域312、絶縁層313、及び、絶縁層314を有する。導電層311は、ゲート電極として機能する。絶縁層313は、基板301と導電層311の間に位置し、ゲート絶縁層として機能する。低抵抗領域312は、基板301に不純物がドープされた領域であり、ソースまたはドレインの一方として機能する。絶縁層314は、導電層311の側面を覆って設けられ、絶縁層として機能する。
【0196】
また、基板301に埋め込まれるように、隣接する2つのトランジスタ310の間に素子分離層315が設けられている。
【0197】
また、トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に容量240が設けられている。
【0198】
容量240は、導電層241と、導電層245と、これらの間に位置する絶縁層243を有する。導電層241は、容量240の一方の電極として機能し、導電層245は、容量240の他方の電極として機能し、絶縁層243は、容量240の誘電体として機能する。
【0199】
導電層241は絶縁層261上に設けられ、絶縁層254に埋め込まれている。導電層241は、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層243は導電層241を覆って設けられる。導電層245は、絶縁層243を介して導電層241と重なる領域に設けられている。
【0200】
なお、トランジスタを含む層101が有する導電層のレイヤの少なくとも一つにおいて、表示部281(または画素部284)の外側を囲う導電層を設けることが好ましい。当該導電層は、ガードリングと呼ぶこともできる。当該導電層を設けることで、ESD(静電気放電)またはプラズマを用いた工程による帯電により、トランジスタ及び発光デバイスなどの素子に高電圧がかかり、これらの素子が破壊されしまうことを抑制できる。
【0201】
容量240を覆って、絶縁層255aが設けられ、絶縁層255a上に絶縁層255bが設けられ、絶縁層255b上に絶縁層255cが設けられている。絶縁層255c上に発光デバイス13R、発光デバイス13G、及び、発光デバイス13Bが設けられている。
【0202】
発光デバイス13R、発光デバイス13G、及び、発光デバイス13Bの有する各画素電極は、絶縁層243、絶縁層255a、絶縁層255b、及び絶縁層255cに埋め込まれたプラグ256、絶縁層254に埋め込まれた導電層241、及び、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層255cの画素電極と接する面の高さと、プラグ256の画素電極と接する面の高さは、一致または概略一致している。プラグには各種導電材料を用いることができる。
【0203】
また、図示しないが発光デバイス13R、発光デバイス13G、及び、発光デバイス13B上には保護層が設けられていることが好ましい。また、発光デバイス13Rと重なる位置には色変換層12Rが設けられる。また、発光デバイス13Gと重なる位置には色変換層12Gが設けられる。また、発光デバイス13Bと重なる位置には色変換層12Bが設けられている。色変換層12R、12G、12B上には、樹脂層32によって基板10が貼り合わされている。発光デバイスから基板10までの構成要素についての詳細は、実施の形態1を参照することができる。基板10は、
図11(A)における基板292に相当する。
【0204】
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0205】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、単結晶性半導体、または単結晶以外の結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。単結晶半導体または結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0206】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。つまり、本実施の形態の表示装置は、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることが好ましい。
【0207】
結晶性を有する酸化物半導体としては、CAAC(c-axis-aligned crystalline)-OS、nc(nanocrystalline)-OS等が挙げられる。
【0208】
または、シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタ(Siトランジスタ)を用いてもよい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン等が挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly Silicon))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう)を用いることができる。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く、周波数特性が良好である。
【0209】
LTPSトランジスタ等のSiトランジスタを適用することで、高周波数で駆動する必要のある回路(例えばソースドライバ回路)を表示部と同一基板上に作り込むことができる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化でき、部品コスト及び実装コストを削減することができる。
【0210】
OSトランジスタは、非晶質シリコンを用いたトランジスタと比較して電界効果移動度が極めて高い。また、OSトランジスタは、オフ状態におけるソース-ドレイン間のリーク電流(以下、オフ電流ともいう)が著しく小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを適用することで、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0211】
また、画素回路に含まれる発光デバイスの発光輝度を高くする場合、発光デバイスに流す電流量を大きくする必要がある。そのためには、画素回路に含まれている駆動トランジスタのソース-ドレイン間電圧を高くする必要がある。OSトランジスタは、Siトランジスタと比較して、ソース-ドレイン間において耐圧が高いため、OSトランジスタのソース-ドレイン間には高い電圧を印加することができる。したがって、画素回路に含まれる駆動トランジスタをOSトランジスタとすることで、発光デバイスに流れる電流量を大きくし、発光デバイスの発光輝度を高くすることができる。
【0212】
また、トランジスタが飽和領域で動作する場合において、OSトランジスタは、Siトランジスタよりも、ゲート-ソース間電圧の変化に対して、ソース-ドレイン間電流の変化を小さくすることができる。このため、画素回路に含まれる駆動トランジスタとしてOSトランジスタを適用することによって、ゲート-ソース間電圧の変化によって、ソース-ドレイン間に流れる電流を細かく定めることができるため、発光デバイスに流れる電流量を制御することができる。このため、画素回路における階調を大きくすることができる。
【0213】
また、トランジスタが飽和領域で動作するときに流れる電流の飽和特性において、OSトランジスタは、ソース-ドレイン間電圧が徐々に高くなった場合においても、Siトランジスタよりも安定した電流(飽和電流)を流すことができる。そのため、OSトランジスタを駆動トランジスタとして用いることで、例えば、発光デバイスの電流-電圧特性にばらつきが生じた場合においても、発光デバイスに安定した電流を流すことができる。つまり、OSトランジスタは、飽和領域で動作する場合において、ソース-ドレイン間電圧を高くしても、ソース-ドレイン間電流がほぼ変化しないため、発光デバイスの発光輝度を安定させることができる。
【0214】
上記のとおり、画素回路に含まれる駆動トランジスタにOSトランジスタを用いることで、「黒浮きの抑制」、「発光輝度の上昇」、「多階調化」、「発光デバイスのばらつきの抑制」などを図ることができる。
【0215】
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0216】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム、ガリウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0217】
半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、当該In-M-Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn-M-Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:4またはその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
【0218】
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍の組成と記載する場合、Inを4としたとき、Gaが1以上3以下であり、Znが2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍の組成と記載する場合、Inを5としたときに、Gaが0.1より大きく2以下であり、Znが5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍の組成と記載する場合、Inを1としたときに、Gaが0.1より大きく2以下であり、Znが0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0219】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0220】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用いることができる発光デバイスについて説明する。
【0221】
図13(A)に示すように、発光デバイスは、一対の電極(下部電極761及び上部電極762)の間に、EL層763を有する。EL層763は、層780、発光層771、及び、層790などの複数の層で構成することができる。
【0222】
なお、下部電極761及び上部電極762に関して、「下部」および「上部」とは、トランジスタを含む層101側を下方とし、基板10側を上方とした際(例えば、
図12)の上下関係に基づく。
【0223】
発光層771は、少なくとも発光物質(発光材料ともいう)を有する。
【0224】
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、層780は、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)、及び、電子ブロック性の高い物質を含む層(電子ブロック層)のうち一つまたは複数を有する。また、層790は、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)、及び、正孔ブロック性の高い物質を含む層(正孔ブロック層)のうち一つまたは複数を有する。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層780と層790は互いに上記と逆の構成になる。
【0225】
一対の電極間に設けられた層780、発光層771、及び層790を有する構成は単一の発光ユニットとして機能することができ、本明細書では
図13(A)の構成をシングル構造と呼ぶ。
【0226】
また、
図13(B)は、
図13(A)に示す発光デバイスが有するEL層763の変形例である。具体的には、
図13(B)に示す発光デバイスは、下部電極761上の層781と、層781上の層782と、層782上の発光層771と、発光層771上の層791と、層791上の層792と、層792上の上部電極762と、を有する。
【0227】
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、例えば、層781を正孔注入層、層782を正孔輸送層、層791を電子輸送層、層792を電子注入層とすることができる。また、下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層781を電子注入層、層782を電子輸送層、層791を正孔輸送層、層792を正孔注入層とすることができる。このような層構造とすることで、発光層771に効率よくキャリアを注入し、発光層771内におけるキャリアの再結合の効率を高めることができる。
【0228】
なお、
図13(C)及び
図13(D)に示すように、層780と層790との間に複数の発光層(発光層771、772、773)が設けられる構成もシングル構造のバリエーションである。なお、
図13(C)及び
図13(D)では、発光層を3層有する例を示すが、シングル構造の発光デバイスにおける発光層は、2層であってもよく、4層以上であってもよい。また、シングル構造の発光デバイスは、2つの発光層の間に、バッファ層を有していてもよい。
【0229】
また、
図13(E)及び
図13(F)に示すように、EL層763は、複数の発光ユニット(発光ユニット763a及び発光ユニット763b)を、電荷発生層785(中間層ともいう)を介して直列に接続した構成としてもよい。このような構成を本明細書ではタンデム構造と呼ぶ。なお、タンデム構造をスタック構造と呼んでもよい。EL層763をタンデム構造とすることで、高輝度発光が可能な発光デバイスとすることができる。また、タンデム構造は、シングル構造と比べて、同じ輝度を得るために必要な電流を低減できるため、信頼性を高めることができる。
【0230】
なお、
図13(D)及び
図13(F)は、表示装置が、発光デバイスと重なる層764を有する例である。
図13(D)は、層764が、
図13(C)に示す発光デバイスと重なる例であり、
図13(F)は、層764が、
図13(E)に示す発光デバイスと重なる例である。
図13(D)及び
図13(F)では、上部電極762側に光を取り出すため、上部電極762には、可視光を透過する導電膜を用いる。
【0231】
層764としては、色変換層及びカラーフィルタ(着色層)の一方または双方を用いることができる。
【0232】
図13(C)及び
図13(D)において、発光層771、発光層772、及び発光層773に、同じ色の光を発する発光物質、さらには、同じ発光物質を用いてもよい。例えば、発光層771、発光層772、及び発光層773に、青色の光を発する発光物質を用いてもよい。青色の光を呈する副画素においては、発光デバイスが発する青色の光を取り出すことができる。また、赤色の光を呈する副画素及び緑色の光を呈する副画素においては、
図13(D)に示す層764として、色変換層を設けることで、発光デバイスが発する青色の光をより長波長の光に変換し、赤色または緑色の光を取り出すことができる。また、層764としては、色変換層と着色層との双方を用いることが好ましい。発光デバイスが発する光の一部は、色変換層で変換されずにそのまま透過してしまうことがある。色変換層を透過した光を、着色層を介して取り出すことで、所望の色の光以外を着色層で吸収し、副画素が呈する光の色純度を高めることができる。
【0233】
また、
図13(C)及び
図13(D)において、発光層771、発光層772、及び発光層773に、それぞれ異なる色の光を発する発光物質を用いてもよい。発光層771、発光層772、及び発光層773がそれぞれ発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。例えば、シングル構造の発光デバイスは、青色の光を発する発光物質を有する発光層、及び、青色よりも長波長の可視光を発する発光物質を有する発光層を有することが好ましい。
【0234】
図13(D)に示す層764として、カラーフィルタを設けてもよい。白色光がカラーフィルタを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
【0235】
例えば、シングル構造の発光デバイスが3層の発光層を有する場合、赤色(R)の光を発する発光物質を有する発光層、緑色(G)の光を発する発光物質を有する発光層、及び、青色(B)の光を発する発光物質を有する発光層を有することが好ましい。発光層の積層順としては、陽極側から、R、G、B、または、陽極側からR、B、Gなどとすることができる。このとき、RとGまたはBとの間にバッファ層が設けられていてもよい。
【0236】
また、例えば、シングル構造の発光デバイスが2層の発光層を有する場合、青色(B)の光を発する発光物質を有する発光層、及び、黄色(Y)の光を発する発光物質を有する発光層を有する構成が好ましい。当該構成をBYシングル構造と呼称する場合がある。
【0237】
白色の光を発する発光デバイスは、2種類以上の発光物質を含むことが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるような発光物質を選択することができる。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
【0238】
なお、
図13(C)、
図13(D)においても、
図13(B)に示すように、層780と、層790とを、それぞれ独立に、2層以上の層からなる積層構造としてもよい。
【0239】
また、
図13(E)及び
図13(F)において、発光層771と、発光層772とに、同じ色の光を発する発光物質、さらには、同じ発光物質を用いてもよい。例えば、各色の光を呈する副画素が有する発光デバイスにおいて、発光層771と、発光層772に、それぞれ青色の光を発する発光物質を用いてもよい。青色の光を呈する副画素においては、発光デバイスが発する青色の光を取り出すことができる。また、赤色の光を呈する副画素及び緑色の光を呈する副画素においては、
図13(F)に示す層764として色変換層を設けることで、発光デバイスが発する青色の光をより長波長の光に変換し、赤色または緑色の光を取り出すことができる。また、層764としては、色変換層と着色層との双方を用いることが好ましい。
【0240】
また、
図13(E)及び
図13(F)において、発光層771と、発光層772とに、それぞれ異なる色の光を発する発光物質を用いてもよい。発光層771が発する光と、発光層772が発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。
図13(F)に示す層764として、カラーフィルタを設けてもよい。白色光がカラーフィルタを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
【0241】
なお、
図13(E)及び
図13(F)において、発光ユニット763aが1層の発光層771を有し、発光ユニット763bが1層の発光層772を有する例を示すが、これに限られない。発光ユニット763a及び発光ユニット763bは、それぞれ、2層以上の発光層を有していてもよい。
【0242】
また、
図13(E)及び
図13(F)では、発光ユニットを2つ有する発光デバイスを例示したが、これに限られない。発光デバイスは、発光ユニットを3つ以上有していてもよい。なお、発光ユニットを2つ有する構成を2段タンデム構造と、発光ユニットを3つ有する構成を3段タンデム構造と、それぞれ呼称してもよい。
【0243】
また、
図13(E)及び
図13(F)において、発光ユニット763aは、層780a、発光層771、及び、層790aを有し、発光ユニット763bは、層780b、発光層772、及び、層790bを有する。
【0244】
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、層780a及び層780bは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、及び、電子ブロック層のうち一つまたは複数を有する。また、層790a及び層790bは、それぞれ、電子注入層、電子輸送層、及び、正孔ブロック層のうち一つまたは複数を有する。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層780aと層790aは互いに上記と逆の構成になり、層780bと層790bも互いに上記と逆の構成になる。
【0245】
下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、例えば、層780aは、正孔注入層と、正孔注入層上の正孔輸送層と、を有し、さらに、正孔輸送層上の電子ブロック層を有していてもよい。また、層790aは、電子輸送層を有し、さらに、発光層771と電子輸送層との間の正孔ブロック層を有していてもよい。また、層780bは、正孔輸送層を有し、さらに、正孔輸送層上の電子ブロック層を有していてもよい。また、層790bは、電子輸送層と、電子輸送層上の電子注入層と、を有し、さらに、発光層772と電子輸送層との間の正孔ブロック層を有していてもよい。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、例えば、層780aは、電子注入層と、電子注入層上の電子輸送層と、を有し、さらに、電子輸送層上の正孔ブロック層を有していてもよい。また、層790aは、正孔輸送層を有し、さらに、発光層771と正孔輸送層との間の電子ブロック層を有していてもよい。また、層780bは、電子輸送層を有し、さらに、電子輸送層上の正孔ブロック層を有していてもよい。また、層790bは、正孔輸送層と、正孔輸送層上の正孔注入層と、を有し、さらに、発光層772と正孔輸送層との間の電子ブロック層を有していてもよい。
【0246】
また、タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの発光ユニットは、電荷発生層785を介して積層される。電荷発生層785は、少なくとも電荷発生領域を有する。電荷発生層785は、一対の電極間に電圧を印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
【0247】
また、タンデム構造の発光デバイスの一例として、
図14(A)乃至
図14(D)に示す構成が挙げられる。
【0248】
図14(A)は、発光ユニットを3つ有する構成である。
図14(A)では、複数の発光ユニット(発光ユニット763a、発光ユニット763b、及び発光ユニット763c)がそれぞれ電荷発生層785を介して直列に接続されている。また、発光ユニット763aは、層780aと、発光層771と、層790aと、を有し、発光ユニット763bは、層780bと、発光層772と、層790bと、を有し、発光ユニット763cは、層780cと、発光層773と、層790cと、を有する。なお、層780cは、層780a及び層780bに適用可能な構成を用いることができ、層790cは、層790a及び層790bに適用可能な構成を用いることができる。
【0249】
図14(A)において、発光層771、発光層772、及び発光層773は、同じ色の光を発する発光物質を有することができる。具体的には、発光層771、発光層772、及び発光層773が、いずれも青色(B)の発光物質を有する構成(いわゆるB\B\Bの3段タンデム構造)とすることができる。なお、「a\b」は、aの光を発する発光物質を有する発光ユニット上に、電荷発生層を介して、bの光を発する発光物質を有する発光ユニットが設けられていることを意味し、a、bは、色を意味する。
【0250】
図14(A)において、発光層771、発光層772、及び発光層773のうち、一部または全てに異なる色の光を発する発光物質を用いることができる。発光層771、発光層772、及び発光層773の発光色の組み合わせは、例えば、いずれか2つが青色(B)、残りの一つが黄色(Y)の構成、並びに、いずれか一つが赤色(R)、他の一つが緑色(G)、残りの一つが青色(B)の構成が挙げられる。
【0251】
図14(B)は、複数の発光層を有する発光ユニットを積層したタンデム型の発光デバイスである。
図14(B)は、2つの発光ユニット(発光ユニット763a及び発光ユニット763b)が電荷発生層785を介して直列に接続された構成である。また、発光ユニット763aは、層780aと、発光層771a、発光層771b、及び発光層771cと、層790aと、を有し、発光ユニット763bは、層780bと、発光層772a、発光層772b、及び発光層772cと、層790bと、を有する。
【0252】
図14(B)においては、発光層771a、発光層771b、及び発光層771cについて、補色の関係となる発光物質を選択し、発光ユニット763aを白色発光(W)が可能な構成とする。また、発光層772a、発光層772b、及び発光層772cについても、補色の関係となる発光物質を選択し、発光ユニット763bを白色発光(W)が可能な構成とする。すなわち、
図14(B)に示す構成は、W\Wの2段タンデム構造であるといえる。なお、補色の関係となる発光物質の積層順については、特に限定はない。実施者が適宜最適な積層順を選択することができる。また、図示しないが、W\W\Wの3段タンデム構造、または4段以上のタンデム構造としてもよい。
【0253】
また、タンデム構造の発光デバイスを用いる場合、黄色(Y)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとを有するB\YまたはY\Bの2段タンデム構造、赤色(R)と緑色(G)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとを有するR・G\BまたはB\R・Gの2段タンデム構造、青色(B)の光を発する発光ユニットと、黄色(Y)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとをこの順で有するB\Y\Bの3段タンデム構造、青色(B)の光を発する発光ユニットと、黄緑色(YG)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとをこの順で有するB\YG\Bの3段タンデム構造、青色(B)の光を発する発光ユニットと、緑色(G)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとをこの順で有するB\G\Bの3段タンデム構造などが挙げられる。なお、「a・b」は、1つの発光ユニットにaの光を発する発光物質とbの光を発する発光物質とを有することを意味する。
【0254】
また、
図14(C)に示すように、1つの発光層を有する発光ユニットと、複数の発光層を有する発光ユニットと、を組み合わせてもよい。
【0255】
具体的には、
図14(C)に示す構成においては、複数の発光ユニット(発光ユニット763a、発光ユニット763b、及び発光ユニット763c)がそれぞれ電荷発生層785を介して直列に接続された構成である。また、発光ユニット763aは、層780aと、発光層771と、層790aと、を有し、発光ユニット763bは、層780bと、発光層772a、発光層772b、及び発光層772cと、層790bと、を有し、発光ユニット763cは、層780cと、発光層773と、層790cと、を有する。
【0256】
例えば、
図14(C)に示す構成において、発光ユニット763aが青色(B)の光を発する発光ユニットであり、発光ユニット763bが赤色(R)、緑色(G)、及び黄緑色(YG)の光を発する発光ユニットであり、発光ユニット763cが青色(B)の光を発する発光ユニットである、B\R・G・YG\Bの3段タンデム構造などを適用することができる。
【0257】
例えば、発光ユニットの積層数と色の順番としては、陽極側から、B、Yの2段構造、Bと発光ユニットXとの2段構造、B、Y、Bの3段構造、B、X、Bの3段構造が挙げられ、発光ユニットXにおける発光層の積層数と色の順番としては、陽極側から、R、Yの2層構造、R、Gの2層構造、G、Rの2層構造、G、R、Gの3層構造、または、R、G、Rの3層構造などとすることができる。また、2つの発光層の間に他の層が設けられていてもよい。
【0258】
図14(D)は、発光ユニットを4つ有する構成である。
図14(D)では、複数の発光ユニット(発光ユニット763a、発光ユニット763b、発光ユニット763cおよび発光ユニット763d)がそれぞれ電荷発生層785を介して直列に接続されている。
【0259】
図14(D)において、それぞれの発光ユニットの有する発光層の全てに同じ色の光を発する発光物質を有することができる。例えば、すべての発光層が、いずれも青色(B)の発光物質を有する構成(いわゆるB\B\B\Bの4段タンデム構造)とすることができる。なお、「a\b」は、aの光を発する発光物質を有する発光ユニット上に、電荷発生層を介して、bの光を発する発光物質を有する発光ユニットが設けられていることを意味し、a、bは、色を意味する。
【0260】
または、
図14(D)において、それぞれの発光ユニットの有する発光層のうち、一部または全てに異なる色の光を発する発光物質を用いることができる。発光層の発光色の組み合わせは、例えば、いずれか3つが青色(B)、残りの1つが緑色(G)の構成、いずれか2つが青色(B)、残りの2つが黄色(Y)の構成、並びに、いずれか一つが赤色(R)、他の一つが緑色(G)、残りの2つが青色(B)の構成が挙げられる。発光層の発光色の組み合わせを、いずれか3つが青色(B)、残りの1つが緑色(G)の構成とすると、例えば、色変換層12Gによる、青色の光から緑色の光への変換が不十分な場合であっても、または色変換層12Rによる、青色の光から赤色の光への変換が不十分な場合であっても、青色より長波長の光である緑色の光を補うことで、目的の色への変換を容易に行うことができるようになる。よって、副画素11Gおよび副画素11Rの発光色を良好にすることができる。例えば色純度を高めることができる。
【0261】
図15には、本発明の一態様の発光装置に含まれる発光デバイスを説明するため、隣り合う二つの発光デバイス(発光デバイス130a、発光デバイス130b)の図を示した。発光デバイス130aおよび発光デバイス130bは、リソグラフィ法によって加工されたEL層を有する発光デバイスである。
【0262】
発光デバイス130aは、絶縁層175上に下部電極761aと上部電極762との間にEL層763Aを有している。EL層763AはEL層501aと、EL層502aとが、電荷発生層785aを挟んで積層した構成を有する。なお、
図15では2つのEL層が積層する例を示したが、3つ以上のEL層が積層する構成であってもよい。EL層501aは、正孔注入層111a、第1の正孔輸送層112a_1、第1の発光層113a_1、第1の電子輸送層114a_1を有する。EL層502aは、第2の正孔輸送層112a_2、第2の発光層113a_2、第2の電子輸送層114a_2、電子注入層115を有する。
【0263】
発光デバイス130bは、絶縁層175上に下部電極761bと上部電極762との間にEL層763Bを有している。EL層763BはEL層501bと、EL層502bとが、電荷発生層785bを挟んで積層した構成を有する。なお、
図15では2つの発光ユニットが積層する例を示したが、3つ以上の発光ユニットが積層する構成であってもよい。EL層501bは、正孔注入層111b、第1の正孔輸送層112b_1、第1の発光層113b_1、第1の電子輸送層114b_1を有する。EL層502bは、第2の正孔輸送層112b_2、第2の発光層113b_2、第2の電子輸送層114b_2、電子注入層115を有する。
【0264】
なお、電子注入層115および上部電極762は発光デバイス130aおよび発光デバイス130bで一続きの共有された層であることが好ましい。また、電子注入層115以外のEL層763AとEL層763Bは、第2の電子輸送層114a_2が形成された後と、第2の電子輸送層114b_2が形成された後に各々リソグラフィ法により加工されているため互いに独立している。また、電子注入層115以外のEL層763Aの端部(輪郭)は、リソグラフィ法により加工されているため基板に対して垂直方向に概略一致している。また、電子注入層115以外のEL層763Bの端部(輪郭)は、リソグラフィ法により加工されているため基板に対して垂直方向に概略一致している。
【0265】
また、下部電極761aと下部電極761bとの間の距離dは、有機化合物層をリソグラフィ法により加工することからマスク蒸着を行う際よりも小さくすることができ、10μm未満、8μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1.5μm以下、1μm以下、または、0.5μm以下にまで狭めることができる。また、例えばLSI向けの露光装置を用いることで、Si Wafer上のプロセスにおいて、距離dを、例えば、500nm以下、200nm以下、100nm以下、さらには50nm以下にまで狭めることもできる。
【0266】
次に、発光デバイスに用いることができる材料について説明する。
【0267】
下部電極761と上部電極762のうち、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。また、表示装置が赤外光を発する発光デバイスを有する場合には、光を取り出す側の電極には、可視光及び赤外光を透過する導電膜を用い、光を取り出さない側の電極には、可視光及び赤外光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0268】
また、光を取り出さない側の電極にも可視光を透過する導電膜を用いてもよい。この場合、反射層と、EL層763との間に当該電極を配置することが好ましい。つまり、EL層763の発光は、当該反射層によって反射されて、表示装置から取り出されてもよい。
【0269】
発光デバイスの一対の電極を形成する材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを適宜用いることができる。当該材料としては、具体的には、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、インジウム、スズ、モリブデン、タンタル、タングステン、パラジウム、金、白金、銀、イットリウム、ネオジムなどの金属、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金が挙げられる。また、当該材料としては、インジウムスズ酸化物(In-Sn酸化物、ITOともいう)、In-Si-Sn酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(In-Zn酸化物)、及びIn-W-Zn酸化物などを挙げることができる。また、当該材料としては、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al-Ni-La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、及び、銀とパラジウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、APCとも記す)が挙げられる。その他、当該材料としては、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム)、ユウロピウム、イッテルビウムなどの希土類金属及びこれらを適宜組み合わせて含む合金、グラフェン等が挙げられる。
【0270】
発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
【0271】
なお、半透過・半反射電極は、反射電極として用いることができる導電層と、可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)として用いることができる導電層と、の積層構造とすることができる。
【0272】
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスの透明電極には、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。
【0273】
発光デバイスは少なくとも発光層を有する。また、発光デバイスは、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子ブロック材料、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。例えば、発光デバイスは、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電荷発生層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1層以上を有する構成とすることができる。
【0274】
発光デバイスには低分子化合物及び高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0275】
発光層は、1種または複数種の発光物質を有する。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
【0276】
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、及び量子ドット材料などが挙げられる。
【0277】
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、及びナフタレン誘導体などが挙げられる。
【0278】
燐光材料としては、例えば、4H-トリアゾール骨格、1H-トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、及び希土類金属錯体等が挙げられる。
【0279】
発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性の高い物質(正孔輸送性材料)及び電子輸送性の高い物質(電子輸送性材料)の一方または双方を用いることができる。正孔輸送性材料としては、後述の、正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性の高い材料を用いることができる。電子輸送性材料としては、後述の、電子輸送層に用いることができる電子輸送性の高い材料を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
【0280】
発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex-Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
【0281】
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料などが挙げられる。
【0282】
正孔輸送性材料としては、後述の、正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性の高い材料を用いることができる。
【0283】
アクセプター性材料としては、例えば、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、及び、酸化レニウムが挙げられる。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。また、フッ素を含む有機アクセプター性材料を用いることもできる。また、キノジメタン誘導体、クロラニル誘導体、及び、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプター性材料を用いることもできる。
【0284】
例えば、正孔注入性の高い材料として、正孔輸送性材料と、上述の元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物(代表的には酸化モリブデン)とを含む材料を用いてもよい。
【0285】
正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
【0286】
電子ブロック層は、発光層に接して設けられる。電子ブロック層は、正孔輸送性を有し、かつ、電子をブロックすることが可能な材料を含む層である。電子ブロック層には、上記正孔輸送性材料のうち、電子ブロック性を有する材料を用いることができる。
【0287】
電子ブロック層は、正孔輸送性を有するため、正孔輸送層と呼ぶこともできる。また、正孔輸送層のうち、電子ブロック性を有する層を、電子ブロック層と呼ぶこともできる。
【0288】
電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
【0289】
正孔ブロック層は、発光層に接して設けられる。正孔ブロック層は、電子輸送性を有し、かつ、正孔をブロックすることが可能な材料を含む層である。正孔ブロック層には、上記電子輸送性材料のうち、正孔ブロック性を有する材料を用いることができる。
【0290】
正孔ブロック層は、電子輸送性を有するため、電子輸送層と呼ぶこともできる。また、電子輸送層のうち、正孔ブロック性を有する層を、正孔ブロック層と呼ぶこともできる。
【0291】
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
【0292】
また、電子注入性の高い材料のLUMO準位は、陰極に用いる材料の仕事関数の値との差が小さい(具体的には0.5eV以下)であることが好ましい。
【0293】
電子注入層には、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaFx、Xは任意数)、8-(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2-(2-ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2-(2-ピリジル)-3-ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4-フェニル-2-(2-ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiOx)、炭酸セシウム等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物を用いることができる。また、電子注入層は、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成が挙げられる。
【0294】
電子注入層は、電子輸送性材料を有していてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも1つを有する化合物を用いることができる。
【0295】
なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位は、-3.6eV以上-2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法等により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:highest occupied Molecular Orbital)準位及びLUMO準位を見積もることができる。
【0296】
例えば、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9-ジ(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)、2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-フェニル-1,10-フェナントロリン)(略称:mPPhen2P)、ジキノキサリノ[2,3-a:2’,3’-c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6-トリス[3’-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(略称:TmPPPyTz)等を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、mPPhen2PおよびNBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移点(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
【0297】
電荷発生層は、上述の通り、少なくとも電荷発生領域を有する。電荷発生領域は、アクセプター性材料を含むことが好ましく、例えば、上述の正孔注入層に適用可能な、正孔輸送性材料とアクセプター性材料とを含むことが好ましい。
【0298】
また、電荷発生層は、電子注入性の高い材料を含む層を有することが好ましい。当該層は、電子注入バッファ層と呼ぶこともできる。電子注入バッファ層は、電荷発生領域と電子輸送層との間に設けられることが好ましい。電子注入バッファ層を設けることで、電荷発生領域と電子輸送層との間の注入障壁を緩和することができるため、電荷発生領域で生じた電子を電子輸送層に容易に注入することができる。
【0299】
電子注入バッファ層は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むことが好ましく、例えば、アルカリ金属の化合物またはアルカリ土類金属の化合物を含む構成とすることができる。具体的には、電子注入バッファ層は、アルカリ金属と酸素とを含む無機化合物、または、アルカリ土類金属と酸素とを含む無機化合物を有することが好ましく、リチウムと酸素とを含む無機化合物(酸化リチウム(Li2O)など)を有することがより好ましい。その他、電子注入バッファ層には、上述の電子注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。
【0300】
電荷発生層は、電子輸送性の高い材料を含む層を有することが好ましい。当該層は、電子リレー層と呼ぶこともできる。電子リレー層は、電荷発生領域と電子注入バッファ層との間に設けられることが好ましい。電荷発生層が電子注入バッファ層を有さない場合、電子リレー層は、電荷発生領域と電子輸送層との間に設けられることが好ましい。電子リレー層は、電荷発生領域と電子注入バッファ層(または電子輸送層)との相互作用を防いで、電子をスムーズに受け渡す機能を有する。
【0301】
電子リレー層としては、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)などのフタロシアニン系の材料、または、金属-酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体を用いることが好ましい。
【0302】
なお、上述の電荷発生領域、電子注入バッファ層、及び電子リレー層は、断面形状、または特性などによって明確に区別しにくい場合がある。
【0303】
なお、電荷発生層は、アクセプター性材料の代わりに、ドナー性材料を有していてもよい。例えば、電荷発生層としては、上述の電子注入層に適用可能な、電子輸送性材料とドナー性材料とを含む層を有していてもよい。
【0304】
発光ユニットを積層する際、2つの発光ユニットの間に電荷発生層を設けることで、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
【0305】
なお、上部電極の基板10側の面に有機化合物層(キャップ層ともいう)を設けることができる。キャップ層として屈折率の高い材料を用いることで光の取り出し効率を向上させることができる。屈折率としては、青色領域(例えば450nm)での常光屈折率nоが1.9以上であると効率向上の効果が大きくなるため好ましい。また、キャップ層は色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bの近くに配置される層であるため、酸素を含まない有機化合物であると好ましい。また、キャップ層は、窒素を含有する材料を用いると好ましく、当該材料の組成式において窒素の数が酸素の数よりも多いと好ましい。このような組成の材料を用いることで、キャップ層から色変換層12R、色変換層12G、および色変換層12Bへの不純物の拡散を防止することができる。
【0306】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0307】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、
図16乃至
図18を用いて説明する。
【0308】
本実施の形態の電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示装置を有する。本発明の一態様の表示装置は、高精細化及び高解像度化が容易である。したがって、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
【0309】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0310】
特に、本発明の一態様の表示装置は、精細度を高めることが可能なため、比較的小さな表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。このような電子機器としては、例えば、腕時計型及びブレスレット型の情報端末機(ウェアラブル機器)、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、メガネ型のAR向け機器、及び、MR向け機器など、頭部に装着可能なウェアラブル機器等が挙げられる。
【0311】
本発明の一態様の表示装置は、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)、WQXGA(画素数2560×1600)、4K(画素数3840×2160)、8K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K、8K、またはそれ以上の解像度とすることが好ましい。また、本発明の一態様の表示装置における画素密度(精細度)は、100ppi以上が好ましく、300ppi以上が好ましく、500ppi以上がより好ましく、1000ppi以上がより好ましく、2000ppi以上がより好ましく、3000ppi以上がより好ましく、5000ppi以上がより好ましく、7000ppi以上がさらに好ましい。このように高い解像度及び高い精細度の一方または双方を有する表示装置を用いることで、携帯型または家庭用途などのパーソナルユースの電子機器において、臨場感及び奥行き感などをより高めることが可能となる。また、本発明の一態様の表示装置の画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。例えば、表示装置は、1:1(正方形)、4:3、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
【0312】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を検知、検出、または測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0313】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0314】
図16(A)乃至
図16(D)を用いて、頭部に装着可能なウェアラブル機器の一例を説明する。これらウェアラブル機器は、ARのコンテンツを表示する機能、VRのコンテンツを表示する機能、SRのコンテンツを表示する機能、MRのコンテンツを表示する機能のうち少なくとも一つを有する。電子機器が、AR、VR、SR、及びMRなどの少なくとも一つのコンテンツを表示する機能を有することで、使用者の没入感を高めることが可能となる。
【0315】
図16(A)に示す電子機器700A、及び、
図16(B)に示す電子機器700Bは、それぞれ、一対の表示パネル751と、一対の筐体721と、通信部(図示しない)と、一対の装着部723と、制御部(図示しない)と、撮像部(図示しない)と、一対の光学部材753と、フレーム757と、一対の鼻パッド758と、を有する。
【0316】
表示パネル751には、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器とすることができる。
【0317】
電子機器700A、及び、電子機器700Bは、それぞれ、光学部材753の表示領域756に、表示パネル751で表示した画像を投影することができる。光学部材753は透光性を有するため、使用者は光学部材753を通して視認される透過像に重ねて、表示領域に表示された画像を見ることができる。したがって、電子機器700A、及び、電子機器700Bは、それぞれ、AR表示が可能な電子機器である。
【0318】
電子機器700A、及び、電子機器700Bには、撮像部として、前方を撮像することのできるカメラが設けられていてもよい。また、電子機器700A、及び、電子機器700Bは、それぞれ、ジャイロセンサなどの加速度センサを備えることで、使用者の頭部の向きを検知して、その向きに応じた画像を表示領域756に表示することもできる。
【0319】
通信部は無線通信機を有し、当該無線通信機により映像信号等を供給することができる。なお、無線通信機に代えて、または無線通信機に加えて、映像信号及び電源電位が供給されるケーブルを接続可能なコネクタを備えていてもよい。
【0320】
また、電子機器700A、及び、電子機器700Bには、バッテリが設けられており、無線及び有線の一方または双方によって充電することができる。
【0321】
筐体721には、タッチセンサモジュールが設けられていてもよい。タッチセンサモジュールは、筐体721の外側の面がタッチされることを検出する機能を有する。タッチセンサモジュールにより、使用者のタップ操作またはスライド操作などを検出し、様々な処理を実行することができる。例えば、タップ操作によって動画の一時停止または再開などの処理を実行することが可能となり、スライド操作により、早送りまたは早戻しの処理を実行することなどが可能となる。また、2つの筐体721のそれぞれにタッチセンサモジュールを設けることで、操作の幅を広げることができる。
【0322】
タッチセンサモジュールとしては、様々なタッチセンサを適用することができる。例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式、光学方式等、種々の方式を採用することができる。特に、静電容量方式または光学方式のセンサを、タッチセンサモジュールに適用することが好ましい。
【0323】
光学方式のタッチセンサを用いる場合には、受光デバイスとして、光電変換デバイス(光電変換素子ともいう)を用いることができる。光電変換デバイスの活性層には、無機半導体及び有機半導体の一方または双方を用いることができる。
【0324】
図16(C)に示す電子機器800A、及び、
図16(D)に示す電子機器800Bは、それぞれ、一対の表示部820と、筐体821と、通信部822と、一対の装着部823と、制御部824と、一対の撮像部825と、一対のレンズ832と、を有する。
【0325】
表示部820には、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器とすることができる。これにより、使用者に高い没入感を感じさせることができる。
【0326】
表示部820は、筐体821の内部の、レンズ832を通して視認できる位置に設けられる。また、一対の表示部820に異なる画像を表示させることで、視差を用いた3次元表示を行うこともできる。
【0327】
電子機器800A、及び、電子機器800Bは、それぞれ、VR向けの電子機器ということができる。電子機器800Aまたは電子機器800Bを装着した使用者は、レンズ832を通して、表示部820に表示される画像を視認することができる。
【0328】
電子機器800A、及び、電子機器800Bは、それぞれ、レンズ832及び表示部820が、使用者の目の位置に応じて最適な位置となるように、これらの左右の位置を調整可能な機構を有していることが好ましい。また、レンズ832と表示部820との距離を変えることで、ピントを調整する機構を有していることが好ましい。
【0329】
装着部823により、使用者は電子機器800Aまたは電子機器800Bを頭部に装着することができる。なお、
図16(C)などにおいては、メガネのつる(ジョイント、テンプルなどともいう)のような形状として例示しているがこれに限定されない。装着部823は、使用者が装着できればよく、例えば、ヘルメット型またはバンド型の形状としてもよい。
【0330】
撮像部825は、外部の情報を取得する機能を有する。撮像部825が取得したデータは、表示部820に出力することができる。撮像部825には、イメージセンサを用いることができる。また、望遠、広角などの複数の画角に対応可能なように複数のカメラを設けてもよい。
【0331】
なお、ここでは撮像部825を有する例を示したが、対象物の距離を測定することのできる測距センサ(以下、検知部ともよぶ)を設ければよい。すなわち、撮像部825は、検知部の一態様である。検知部としては、例えばイメージセンサ、または、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)などの距離画像センサを用いることができる。カメラによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを用いることにより、より多くの情報を取得し、より高精度なジェスチャー操作を可能とすることができる。
【0332】
電子機器800Aは、骨伝導イヤフォンとして機能する振動機構を有していてもよい。例えば、表示部820、筐体821、及び装着部823のいずれか一または複数に、当該振動機構を有する構成を適用することができる。これにより、別途、ヘッドフォン、イヤフォン、またはスピーカなどの音響機器を必要とせず、電子機器800Aを装着しただけで映像と音声を楽しむことができる。
【0333】
電子機器800A、及び、電子機器800Bは、それぞれ、入力端子(入力部ともいう)を有していてもよい。入力端子には映像出力機器等からの映像信号、及び、電子機器内に設けられるバッテリを充電するための電力等を供給するケーブルを接続することができる。
【0334】
本発明の一態様の電子機器は、イヤフォン750と無線通信を行う機能を有していてもよい。イヤフォン750は、通信部(図示しない)を有し、無線通信機能を有する。イヤフォン750は、無線通信機能により、電子機器から情報(例えば音声データ)を受信することができる。例えば、
図16(A)に示す電子機器700Aは、無線通信機能によって、イヤフォン750に情報を送信する機能を有する。また、例えば、
図16(C)に示す電子機器800Aは、無線通信機能によって、イヤフォン750に情報を送信する機能を有する。
【0335】
また、電子機器がイヤフォン部を有していてもよい。
図16(B)に示す電子機器700Bは、イヤフォン部727を有する。例えば、イヤフォン部727と制御部とは、互いに有線接続されている構成とすることができる。イヤフォン部727と制御部とをつなぐ配線の一部は、筐体721または装着部723の内部に配置されていてもよい。
【0336】
同様に、
図16(D)に示す電子機器800Bは、イヤフォン部827を有する。例えば、イヤフォン部827と制御部824とは、互いに有線接続されている構成とすることができる。イヤフォン部827と制御部824とをつなぐ配線の一部は、筐体821または装着部823の内部に配置されていてもよい。また、イヤフォン部827と装着部823とがマグネットを有していてもよい。これにより、イヤフォン部827を装着部823に磁力によって固定することができ、収納が容易となり好ましい。
【0337】
なお、電子機器は、イヤフォンまたはヘッドフォンなどを接続することができる音声出力端子を有していてもよい。また、電子機器は、音声入力端子及び音声入力機構の一方または双方を有していてもよい。音声入力機構としては、例えば、マイクなどの集音装置を用いることができる。電子機器が音声入力機構を有することで、電子機器に、いわゆるヘッドセットとしての機能を付与してもよい。
【0338】
このように、本発明の一態様の電子機器としては、メガネ型(電子機器700A、及び、電子機器700Bなど)と、ゴーグル型(電子機器800A、及び、電子機器800Bなど)と、のどちらも好適である。
【0339】
また、本発明の一態様の電子機器は、有線または無線によって、イヤフォンに情報を送信することができる。
【0340】
図17(A)に示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0341】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0342】
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0343】
図17(B)は、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0344】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0345】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。
【0346】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0347】
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0348】
図17(C)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0349】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0350】
図17(C)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチ、及び、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0351】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0352】
図17(D)に、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0353】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0354】
図17(E)及び
図17(F)に、デジタルサイネージの一例を示す。
【0355】
図17(E)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0356】
図17(F)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0357】
図17(E)及び
図17(F)において、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0358】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0359】
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0360】
また、
図17(E)及び
図17(F)に示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、使用者が所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0361】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数の使用者が同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0362】
図18(A)乃至
図18(G)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を検知、検出、または測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0363】
図18(A)乃至
図18(G)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画または動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0364】
図18(A)乃至
図18(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
【0365】
図18(A)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字及び画像情報をその複数の面に表示することができる。
図18(A)では3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールまたはSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0366】
図18(B)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0367】
図18(C)は、タブレット端末9103を示す斜視図である。タブレット端末9103は、一例として、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲーム等の種々のアプリケーションの実行が可能である。タブレット端末9103は、筐体9000の正面に表示部9001、カメラ9002、マイクロフォン9008、スピーカ9003を有し、筐体9000の左側面には操作用のボタンとしての操作キー9005、底面には接続端子9006を有する。
【0368】
図18(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチ(登録商標)として用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うこと、及び、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0369】
図18(E)乃至
図18(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、
図18(E)は携帯情報端末9201を展開した状態、
図18(G)は折り畳んだ状態、
図18(F)は
図18(E)と
図18(G)の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0370】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0371】
10 基板
11B 副画素
11G 副画素
11R 副画素
12R 色変換層
12G 色変換層
12B 色変換層
13R 発光デバイス
13G 発光デバイス
13B 発光デバイス
14R 着色層
14G 着色層
14B 着色層
20 隔壁
20a 隔壁
20b 隔壁
20c 絶縁膜
21 第1の無機膜
22 第2の無機膜
23 第3の無機膜
24 領域
25 領域
26 領域
30 ユニット
31 ユニット
32 樹脂層
100A 表示装置
100 表示装置
101 層
110a 副画素
110b 副画素
110c 副画素
110d 副画素
110 画素
111a 正孔注入層
111b 正孔注入層
112a_1 第1の正孔輸送層
112b_1 第1の正孔輸送層
112a_2 第2の正孔輸送層
112b_2 第2の正孔輸送層
113a_1 第1の発光層
113b_1 第1の発光層
113a_2 第2の発光層
113b_2 第2の発光層
114a_1 第1の電子輸送層
114b_1 第1の電子輸送層
114a_2 第2の電子輸送層
114b_2 第2の電子輸送層
115 電子注入層
120 基板
124a 画素
124b 画素
130a 発光デバイス
130b 発光デバイス
140 接続部
240 容量
241 導電層
243 絶縁層
245 導電層
254 絶縁層
255 絶縁層
255a 絶縁層
255b 絶縁層
255c 絶縁層
256 プラグ
261 絶縁層
271 プラグ
280 表示モジュール
281 表示部
282 回路部
283a 画素回路
283 画素回路部
284a 画素
284 画素部
285 端子部
286 配線部
290 FPC
291 基板
292 基板
301 基板
310 トランジスタ
311 導電層
312 低抵抗領域
313 絶縁層
314 絶縁層
315 素子分離層
501a EL層
501b EL層
502a EL層
502b EL層
700A 電子機器
700B 電子機器
721 筐体
723 装着部
727 イヤフォン部
750 イヤフォン
751 表示パネル
753 光学部材
756 表示領域
757 フレーム
758 鼻パッド
761 下部電極
761a 下部電極
761b 下部電極
762 上部電極
763a 発光ユニット
763b 発光ユニット
763c 発光ユニット
763d 発光ユニット
763 EL層
763A EL層
763B EL層
764 層
771a 発光層
771b 発光層
771c 発光層
771 発光層
772a 発光層
772b 発光層
772c 発光層
772 発光層
773 発光層
780a 層
780b 層
780c 層
780 層
781 層
782 層
785 電荷発生層
785a 電荷発生層
785b 電荷発生層
790a 層
790b 層
790c 層
790 層
791 層
792 層
800A 電子機器
800B 電子機器
820 表示部
821 筐体
822 通信部
823 装着部
824 制御部
825 撮像部
827 イヤフォン部
832 レンズ
6500 電子機器
6501 筐体
6502 表示部
6503 電源ボタン
6504 ボタン
6505 スピーカ
6506 マイク
6507 カメラ
6508 光源
6510 保護部材
6511 表示パネル
6512 光学部材
6513 タッチセンサパネル
6515 FPC
6516 IC
6517 プリント基板
6518 バッテリ
7000 表示部
7100 テレビジョン装置
7101 筐体
7103 スタンド
7111 リモコン操作機
7200 ノート型パーソナルコンピュータ
7211 筐体
7212 キーボード
7213 ポインティングデバイス
7214 外部接続ポート
7300 デジタルサイネージ
7301 筐体
7303 スピーカ
7311 情報端末機
7400 デジタルサイネージ
7401 柱
7411 情報端末機
9000 筐体
9001 表示部
9002 カメラ
9003 スピーカ
9005 操作キー
9006 接続端子
9007 センサ
9008 マイクロフォン
9050 アイコン
9051 情報
9052 情報
9053 情報
9054 情報
9055 ヒンジ
9101 携帯情報端末
9102 携帯情報端末
9103 タブレット端末
9200 携帯情報端末
9201 携帯情報端末