(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155849
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ユーザ端末でのセル間欠送信及び受信をサポートする方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20241024BHJP
H04W 74/0833 20240101ALI20241024BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20241024BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W74/0833
H04W72/232
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067544
(22)【出願日】2024-04-18
(31)【優先権主張番号】63/461,094
(32)【優先日】2023-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/606,528
(32)【優先日】2024-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】胡 亮
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ジャン・マルク・ミシェル・サルトーリ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC22
5K067GG02
(57)【要約】
【課題】ユーザ端末でのセル間欠送信及び受信をサポートする方法及びシステムを提供する。
【解決手段】間欠送信(DTX)/間欠受信(DRX)周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められるセルDTX/DRX設定を用いてユーザ端末(UE)が設定される方法及び装置が提供される。セルDTX/DRX設定はUEで有効化又は無効化される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局(BS)によって、間欠送信(DTX)/間欠受信(DRX)周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められるセルDTX/DRX設定を用いてユーザ端末(UE)を設定するステップと、
前記BSによって、前記UEでの前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップは、セルDTX設定を有効化するステップを備え、前記セルDTX設定の非アクティブ期間において、前記UEは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の監視を一時停止するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップは、セルDRX設定を有効化するステップを備え、前記セルDRX設定の非アクティブ期間において、前記UEは設定グラント(CG)-物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信を一時停止し、スケジューリング要求(SR)送信を一時停止するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間において、前記UEは、周期的及びセミパーシステントチャネル状態情報(CSI)測定、ビーム管理手順、及び周期的及びセミパーシステントCSI報告の少なくとも1つを一時停止するように設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ランダムアクセスチャネル(RACH)手順のための前記UEと前記BSとの間のメッセージ交換が、前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間にわたって継続する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記セルDTX/DRX設定の前記非アクティブ期間において、前記UEは前記RACH手順のランダムアクセス応答(RAR)又は競合解決メッセージのためのPDCCHを監視する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記BSによって、低レイテンシ要件を有するデータについての前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間の周期的オケージョンを監視するように前記UEを設定するステップであって、前記周期的オケージョンはPDCCHオケージョン又はアップリンク(UL)ウェイクアップ信号オケージョンを備える、ステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記UEは接続モード(C)-DRX設定を用いて設定され、前記UEは、前記セルDTX/DRX設定のアクティブ期間と重なる前記C-DRX設定の非アクティブ期間中に前記C-DRX設定を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ端末(UE)によって、基地局(BS)からセル間欠送信(DTX)/間欠受信(DRX)設定を受信するステップであって、前記セルDTX/DRX設定はDTX/DRX周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められる、ステップと、
前記BSから、前記UEでの前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する信号を受信するステップと、
前記信号に基づいて前記UEでの前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップと
を備える方法。
【請求項10】
前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップは、前記UEでのセルDTX設定を有効化するステップを備え、
前記セルDTX設定の非アクティブ期間に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の監視を一時停止するステップ
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップは、前記UEでのセルDRX設定を有効化するステップを備え、
前記セルDRX設定の非アクティブ期間に設定グラント(CG)-物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信とスケジューリング要求(SR)送信とを一時停止するステップ
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間に周期的及びセミパーシステントチャネル状態情報(CSI)測定、ビーム管理手順、及び周期的及びセミパーシステントCSI報告の少なくとも1つを一時停止するステップをさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項13】
ランダムアクセスチャネル(RACH)手順のための前記UEと前記BSとの間のメッセージ交換が、前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間にわたって継続する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記セルDTX/DRX設定の前記非アクティブ期間において、前記UEは前記RACH手順のランダムアクセス応答(RAR)又は競合解決メッセージのためのPDCCHを監視する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記UEによって、低レイテンシ要件を有するデータについての前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間の周期的オケージョンを監視するステップであって、前記周期的オケージョンはPDCCHオケージョン又はアップリンク(UL)ウェイクアップ信号オケージョンを備える、ステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記UEは接続モード(C)-DRX設定を用いて設定され、前記セルDTX/DRX設定のアクティブ期間と重なる前記C-DRX設定の非アクティブ期間に前記C-DRX設定を維持するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
ユーザ端末(UE)であって、
プロセッサと、
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備え、前記命令は、実行されるときに、前記プロセッサに、
基地局(BS)からセル間欠送信(DTX)/間欠受信(DRX)設定を受信するステップであって、前記セルDTX/DRX設定はDTX/DRX周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められる、ステップと、
前記BSから、前記UEでの前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する信号を受信するステップと、
前記信号に基づいて前記UEでの前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するステップと
を行なわせる、ユーザ端末(UE)。
【請求項18】
前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するとき、前記命令は、前記プロセッサに、前記UEでのセルDTX設定を有効化させ、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、前記セルDTX設定の非アクティブ期間に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の監視を一時停止させ、又は
前記セルDTX/DRX設定を有効化又は無効化するとき、前記命令は、前記プロセッサに、前記UEでのセルDRX設定を有効化させ、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、前記セルDRX設定の非アクティブ期間に設定グラント(CG)-物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信とスケジューリング要求(SR)送信とを一時停止させ、又は
前記命令は、さらに、前記プロセッサに、前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間に周期的及びセミパーシステントチャネル状態情報(CSI)測定、ビーム管理手順、及び周期的及びセミパーシステントCSI報告の少なくとも1つを一時停止させる、
請求項17に記載のUE。
【請求項19】
ランダムアクセスチャネル(RACH)手順のための前記UEと前記BSとの間のメッセージ交換が、前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間にわたって継続し、又は
前記命令は、さらに、前記プロセッサに、低レイテンシ要件を有するデータについての前記セルDTX/DRX設定の非アクティブ期間の周期的オケージョンを監視し、前記周期的オケージョンはPDCCHオケージョン又はアップリンク(UL)ウェイクアップ信号オケージョンを備える、
請求項17に記載のUE。
【請求項20】
前記UEは接続モード(C)-DRX設定を用いて設定され、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、前記セルDTX/DRX設定のアクティブ期間と重なる前記C-DRX設定の非アクティブ期間に前記C-DRX設定を維持する、請求項17に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願の参照
本出願は2023年4月21日に出願された米国仮出願第63/461,094号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張するものであり、その開示の全体が全てここに記載されているかのように参照により援用される。
【0002】
本開示は概してセルラシステムのネットワークのエネルギーの節減に関する。特に、本開示で開示されている保護対象はセル間欠送信(DTX)及び間欠受信(DTX)の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
セルラシステムの導入以来、ネットワークの高密度化と、動作帯域幅の拡大と、多数のアンテナの利用とへの一貫した傾向が存在してきた。この結果、セルラネットワークの電力消費は着実に増加しており、現在では通信事業者の事業運営費(OPEX)の相当な部分に当たる。しばらくの間、ユーザ端末(UE)の電力消費の削減についての標準化が行なわれてきたが、最近までネットワークレベルで電力消費を削減する取り組みは最小限であった。この問題に対処するために、リリース18(Rel-18)において、特にネットワークレベルでの電力消費の削減に関する研究が第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標、以下同じ))によって開始された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題を解決するために、ネットワークの省電力を実現する様々な時間領域の解決手段を提供することができる。特に、UE接続モード(C)-DRX/DTXの概念を基地局(BS)(たとえば、gNode B(gNB)やセル)まで拡張することができ、UEがセルDTX/DRXにしたがって動作するのに必要なシグナリングを定めることができる。
【0005】
特に、1つの解決手段は、gNBでDTX/DRXモードをサポートし、UE C-DTX/DRXモードを用いてUEの非アクティブ化期間をgNBと同期させることである。これは、予測可能なサイクルでgNBのオン/オフを行ない、最初にUEについて定められたDTX/DRXサイクルの概念をgNBでも本質部分に用いることによって準静的に行なうことができる。この手法はトラフィックが準静的かつ予測可能な場合に適用可能である場合がある。これをより動的に実行することもできる(たとえば、トラフィックが激しく変動する場合)。このような場合、トラフィック需要に応じていつオン/オフを行なうのかをgNBが決定し、UEに通知する。
【0006】
上記のアプローチにともなう問題の1つは、DTX/DRXメカニズムを導入してネットワークのエネルギーの節減を可能にする場合に、セルDTXサイクルの非アクティブ期間中に何を送信したりリッスンしたりするのかと、進行中の送信をどのように処理するのかとをUEが認識する必要がある。たとえば、UEですべての送信を停止するか否かや、一部の送信(たとえば参照信号)が引き続き行なわれ得るか否かを判断する必要がある。さらに、送信されているが、そのACKをまだ受信していないパケットをどのように処理するのかを決める必要がある。
【0007】
これらの問題を克服するために、セルがDTXサイクルの非アクティブ期間に入ったときのUEの挙動を定めるためのシステム及び方法が本開示で説明されている。特に、セルDTX/DRXが実行中であるとき及び/又はUE DRXが設定されているときについてUEの挙動と手順とが取り上げられており、セルDTX/DRXに関係する可能なチャネル/信号の設計及びメカニズム並びにアップリンク手順(たとえば、UEの要求や支援フィードバック)も取り上げられている。
【0008】
上記に加えて、UEのDRX設定の決定にコアネットワークが関与する場合もあり、当該決定をUEのサービス特性に適応させる場合もあるので、セルDTX/DRXに揃えるようにあらゆるUEのDRX設定をgNBによって再設定することが実行不可能である場合がある。したがって、セルDTX/DRXとUE C-DRXとの両方が共存し、協働する場合がある。
【0009】
上記のアプローチでは、セルDTX/DRXにおいて様々なgNBの挙動が定められるので、従来の方法が改善される。様々なセルDTX/DRXの場合に対して新規のUEの挙動を定めることができる。具体的には、セルDTX及びDRX中にどの設定されたダウンリンク(DL)リソース及びアップリンク(UL)リソースが非アクティブ化/一時停止されると想定され得るのかを決めることができる(たとえば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH))。セルDTX及びDRX中にUEに固有のどのDL信号及びUL信号が非アクティブ化/一時停止されると想定され得るのかを決めることができる(たとえば、チャネル状態情報(CSI)参照信号(RS)やサウンディング参照信号(SRS))。セルDTX/DRXアクティブ期間内に終了しない可能性がある重要な信号/チャネル送信をどのように処理するのかを決めることができる(たとえば、システム情報を受信するためのPDCCH監視、ページング早期表示を受信するためのPDCCH監視、トラッキング参照信号(TRS)、同期信号ブロック(SSB)、SRSオケージョンなど)。さらに、厳しいレイテンシ要件がある場合に送信されるデータがある場合に、セルDTX/DRXの想定におけるDL送信及びUL送信の例外をどのように処理するのかをさらに決めることができる(たとえば、ランダムアクセス(RA)中にgNBがセルDTX/DRX動作を一時停止する)。DTX/DRXに用いられるUE補助情報をどのように設計するのかと、セルDTX/DRX及びUE C-DRXの位置ずれをどのように処理するのかを決めることもできる。
【0010】
一実施形態では、DTX/DRX周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められるセルDTX/DRX設定を用いてBSがUEを設定する方法が提供される。BSがUEでのセルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する。
【0011】
一実施形態では、UEがBSからセルDTX/DRX設定を受信する方法が提供される。セルDTX/DRX設定はDTX/DRX周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められる。BSから、UEでのセルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する信号を受信する。信号に基づいてUEでのセルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する。
【0012】
一実施形態では、プロセッサと、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含むUEが提供される。命令が実行されるとき、命令は、プロセッサに、BSからセルDTX/DRX設定を受信させる。セルDTX/DRX設定はDTX/DRX周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められる。また、命令は、プロセッサに、BSから、UEでのセルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する信号を受信させ、信号に基づいてUEでのセルDTX/DRX設定を有効化又は無効化させる。
【0013】
以下の記載箇所では、本開示で開示されている保護対象の態様を、以下の図に図示されている例示的な実施形態を参照して説明している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係る通信システムを示す図である。
【
図2】一実施形態に係る、パラメータによって定められるセルDTX及びDRXパターンを示す図である。
【
図3】一実施形態に係る、セルDTX非アクティブ期間内の短いデューティサイクルを持つPDCCHオケージョンの決められた部分集合を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る、セルDTX非アクティブ期間中の設定されたPDCCHオケージョンでUEが緊急データを受信する方法を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係る、セルDRX非アクティブ期間内の短いデューティサイクルを持つ決められたUL WUSオケージョンを示す図である。
【
図6】一実施形態に係る、セルDTXに関するHARQ処理を示す図である。
【
図7】別の実施形態に係る、セルDTXに関するHARQ処理を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る、セルDTX/DRX及びUE C-DRXサイクルの位置ずれを示す図である。
【
図9】一実施形態に係る、UEでのセルDTX/DRX設定のための方法を示すフローチャートである。
【
図10】一実施形態に係る、ネットワーク環境内の電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明では、本開示の包括的な理解を実現するために多数の具体的な詳細が示されている。ただし、開示されている態様が当該具体的な詳細を用いずに実施することができることを当業者であれば理解する。他の場合には、本明細書に開示されている保護対象を不明確にしないために、公知の方法、手順、構成要素及び回路が詳細に説明されていない。
【0016】
本明細書にわたって「一実施形態」や「実施形態」と記載されていることは、当該実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造又は特性が、本開示で開示されている少なくとも1つの実施形態に含まれる場合があることを意味する。したがって、本明細書にわたって様々な箇所に語句「一実施形態では」や「実施形態では」や「一実施形態によれば」(又は同様の趣旨を持つ他の語句)が登場するすべての場合で同じ実施形態が必ずしも適用されるわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性が1つ以上の実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合せられてもよい。この点において、本開示で用いられている語「例示的な」は「例、事例又は図示例として用いられている」ことを意味する。「例示的」として本開示で説明されている、いかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましかったり有効であったりすると解釈されるものではない。上記に加えて、特定の特徴、構造又は特性が1つ以上の実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合せられてもよい。また、本開示の説明の文脈に応じて、単数形の用語が対応する複数形を含む場合があり、複数形の用語が対応する単数形を含む場合がある。同様に、ハイフンでつながれた用語(たとえば、「two-dimensional」、「pre-determined」、「pixel-specific」など)を、対応するハイフンでつながれていない異形の用語(たとえば、「two dimensional」、「predetermined」、「pixel specific」など)に置き換えて用いることができる場合があり、大文字の見出し(たとえば、「Counter Clock」、「Row Select」、「PIXOUT」など)を、対応する大文字ではない異形の見出し(たとえば、「counter clock」、「row select」、「pixout」など)に置き換えて用いることができる。このように置き換えられる場合があることが、互いに矛盾するものであるとみなされてはならない。
【0017】
また、本開示の説明の文脈に応じて、単数形の用語が対応する複数形を含む場合があり、複数形の用語が対応する単数形を含む場合がある。本開示で示され説明されている様々な図(構成要素の図を含む)は図示のためのものにすぎず、一定の縮尺では描かれていないことにさらに留意する。たとえば、要素のうちのいくつかの寸法が明確にするために他の要素と比べて誇張されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合、対応する要素及び/又は類似の要素を示すために図面間で参照番号が重複している。
【0018】
本開示で用いられている用語はいくつかの実施形態を説明するためのものにすぎず、請求項に記載されている保護対象に限定を課すものであることを意図したものではない。本開示で用いられている単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明らかな別段の指示のない限り、複数形も含むものである。本明細書で用いられる場合の用語「comprises」及び/又は「comprising」が、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を明示する一方で、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はこれらの集合の存在又は付加を排除するものではないこともさらに分かる。
【0019】
要素若しくは層が、別の要素若しくは層の上にある、又は別の要素若しくは層「に接続される」、又は別の要素若しくは層「に結合される」ものとして記載されている場合、要素若しくは層が他の要素若しくは層の直接上にあること、又は他の要素若しくは層に直接接続されること、又は他の要素若しくは層に直接結合されることが可能であるか、介在する要素若しくは層が存在してもよいことが分かる。これに反して、要素が、別の要素若しくは層「の直接上にある」、又は別の要素若しくは層「に直接接続される」、又は別の要素若しくは層「に直接結合される」ものとして記載されている場合、介在する要素若しくは層が存在しない。全体にわたって同様の番号が同様の要素を指す。本開示で用いられている用語「及び/又は」は、関連する列挙された事物のうちの1つ以上のあらゆるすべての組合せを含む。
【0020】
本開示で用いられている用語「第1」、「第2」などは当該用語が前に付された名詞の標識として用いられ、いかなるタイプの順序(たとえば、空間的順序、時間的順序、論理的順序など)を、そのように明示的に定められていない限り、示唆しない。さらに、同じ機能又は類似の機能を持つ部分、構成要素、ブロック、回路、部位又はモジュールを指すのに2つ以上の図にわたって同じ参照番号が用いられている場合がある。ただし、このような使い方は図示を簡単にし、説明を容易にするためのものにすぎず、このような構成要素若しくは部位の構造又はアーキテクチャの詳細がすべての実施形態にわたって同じであることや、このように共通に用いられている部分/モジュールが本開示で開示されている実施形態のいくつかを実施する唯一の仕方であることを示唆しない。
【0021】
別段の定めのない限り、本開示で用いられているすべての用語(技術用語と科学用語とを含む)は、この保護対象が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。一般的に用いられている辞書で定められている用語などの用語は、これに対する関連技術上の意味と矛盾しない意味を持つように当然解釈され、理想化された意味や過度に形式的な意味で解釈されない(本開示で明示的にそのように定められていない場合に限る)ことが当然であることがさらに分かる。
【0022】
本開示で用いられている用語「モジュール」は、モジュールに関連して本開示で説明されている機能を提供するように構成されているソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアのあらゆる組合せを指す。たとえば、ソフトウェアはソフトウェアパッケージ、コード及び/又は命令の集合若しくは複数の命令として実施されてもよく、本開示で説明されているいずれかの実装で用いられている用語「ハードウェア」は、たとえば、単独で存在するか任意に組み合されたアセンブリ、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路、ステートマシン回路、及び/又はプログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェアを含んでもよい。たとえば、集積回路(IC)、システムオンチップ(SoC)、アセンブリなど(これらに限定されない)の大規模なシステムの一部を形成する回路として複数のモジュールがまとめられて実施されてもよいし、個別に実施されてもよい。
【0023】
本開示で説明されている表現「DTX/DRX」は「DTX又はDRX」を指すように用いられている。これに加えて、「DTX」と「DRX」との順序が入れ替え可能である場合がある。たとえば、「DTX/DRX」が「DRX/DTX」を意味したり「DTX又はDRX」を意味したり「DRX又はDTX」を意味したりする場合がある。本開示では用語「基地局」、「BS」、「gNodeB」、「gNB」、「アクセスポイント」、「AP」及び「セル」を置き換えて用いることができる。
【0024】
図1は一実施形態に係る通信システムを示す図である。
図1に示されているアーキテクチャでは、BS、アクセスポイント(AP)、又はgNB104、第1のUE106、及び第2のUE108の間に確立されたネットワークを通じた制御情報の送信を制御パス102が可能にすることができる。第1のUE106と第2のUE108との間のデータ(及びいくつかの制御情報)の送信をデータパス110が可能にすることができる。制御パス102とデータパス110は、同じ周波数のパスあってもよいし、異なる周波数のパスであってもよい。
【0025】
新無線(NR) UE DRX(たとえば、3GPP技術仕様書(TS)38.321に記載されるような)はロングタームエボリューション(LTE)の早い段階で導入されたメカニズムであり、電力消費を削減することによってUEのバッテリー寿命を延ばすためにNRに引き継がれている。DRXがないと、UEがダウンリンク(DL)割当て又はアップリンク(UL)グラントのためにPDCCHを監視することが常に要求され、これは、バッテリーが急速に消耗する。しかし、DRXが無線リソース制御(RRC)接続モードに設定される場合、いつPDCCHを監視するべきかをネットワークがUEに命令し、省電力に導く。
【0026】
DRX設定はDRXショートサイクルやDRXロングサイクルなどのパラメータを含み、これらはまとめてDRXサイクルと称される。各DRXサイクル内には、UEの媒体アクセス制御(MAC)エンティティがPDCCHを監視するオン期間又はアクティブ期間がある。アクティブ期間の持続時間はdrx-onDurationTimerによって決定され得る。drx-SlotOffsetは、DRXサイクルの開始からdrx-onDurationTimerの開始までの遅延を指定することができる。新たなDRXサイクルの開始は、UEがdrx-InactivityTimerによって定められる特定の時間内に新たなDL割り当て又はULグラントを受信したか否かに依存することができ、drx-InactivityTimerはPDCCHが新たな送信を示すたびに再始動する。
【0027】
DRXに関連するタイマに加えて、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)とその再送に関するタイマもある。これらのタイマは、各HARQプロセスに固有であり、UEのPDCCH監視挙動と省電力の機会とに影響を与えることができる。たとえば、設定されたDL割当てにおいてMACプロトコルデータユニット(PDU)が受信されるときに、対応するHARQプロセスのためにdrx-HARQ-RTTTimerDLがアクティブ化されることができる。drx-InactivityTimerもdrx-onDurationTimerも動作していない場合、UEはPDCCHの監視を回避することができる。しかし、drx-HARQ-RTTTimerDLが満了し、かつ対応するHARQプロセスのデータがデコードされることに成功しなかった場合、drx-RetransmissionTimerDLは開始されることができ、UEはPDCCHを監視する。
【0028】
さらに、UEがDRXコマンドMAC制御要素(CE)又はロングDRXコマンドMAC CEを受信することができる。これらのMAC CEのいずれかを受信すると、受信されたMAC CEと、UEのためにショートDRXが設定されたか否かとに応じて、UEはショートDRXサイクル又はロングDRXサイクルを用いるように切り換えることができる。UEがショートDRXサイクルを用いて設定されていないが、DRXコマンドMAC CEを受信する場合、ロングDRXサイクルを開始することができる。ショートDRX及びロングDRXサイクルの両方の利用可能性は、UEにおける省電力と、UL又はDLデータが利用可能になったときにUL又はDLデータを配信することに関連する遅延とのバランスをとることを可能にすることができる。
【0029】
電力消費をさらに最適化するために、チャネル状態情報(CSI)の報告がDRXのアクティブ期間中にのみ行なわれるように制限するようにネットワークがUEを設定することができる。ただし、PDCCH監視に関係なく、MACエンティティが意図したときにHARQフィードバックと非周期的SRSとを送信する。
【0030】
したがって、UE C-DRX設定が、UEに固有のRRC設定であってもよい。UEのためのC-DRX設定が多数存在するとき、既存のRRCシグナリングが大量のオーバーヘッドを発生させ、gNBが各サービングUEを別個に設定するので、RRCシグナリングが低速になり得る。これに加えて、gNBがUE毎にC-DRXパターンを逐次設定する間、gNBがスリープモードに入ることができない場合がある。
【0031】
UEが一定時間についてデータを受信しなかった場合にUE DRXが停止し、したがって、アクティブ/非アクティブ時間がサイクルに依存する。これが、アクティブ/非アクティブ期間が一定である場合のセルDTXとの重要な違いである。たとえば、アクティブ期間中に物理ダウンリンクチャネル(PDCH)のアクティビティがある場合、デバイスは再度スケジューリングされ得る。UEがDRXスリープ状態になる場合、スケジューリングされたグラント/割当てを受信しない場合がある。このため、スケジューリングされた後にUEをアクティブ状態に保つために3GPPはDRX非アクティビティタイマ(drx-InactivityTimer)を定めた。新たなUL又はDL送信をPDCCHが示す毎にUEはこのタイマを始動/再始動することができ、UEがアクティブ状態に留まって、drx-InactivityTimerの満了までPDCCHを監視し続けることができる。
【0032】
セルDTX/DRXシグナリングの高レベルビューが3GPP TS 38.321で提案されている。UEが接続モードに入るとき、RRCでのUE能力報告によりセルDTX/DRXをUEがサポートすることをUEがgNBに示すことができる。1つ以上の、セルDTX/DRX設定(たとえば、周期的パターン)を用いてgNBがUEを予め設定することができる。複数の設定がサポートされている場合、各設定は設定IDによって識別され得る。
【0033】
負荷が小さくかつセルDTX/DRX設定がセル内のUE又はUEのグループのサービス品質(QoS)を満たす場合、gNBは、動的な(グループ)L1/L2表示を用いて、セルDTX/DRX設定(すなわち、セルDTX/DRXパターン)の適用をUEが開始することをトリガすることができる。複数の設定がサポートされている場合、その表示は設定IDを含むことができる。負荷が正常であり、かつ/又はセルDTX/DRX設定がセル内のUE又はUEのグループのQoSにもはや許容可能でない場合、gNBは、動的な(グループ)L1/L2表示を用いて、セルDTX/DRX設定の適用を停止するようにUEに示すことができる。
【0034】
図2は一実施形態に係る、パラメータによって定められるセルDTX及びDRXパターンを示す図である。第1のセルDTXアクティブ期間202は、セルDTX非アクティブ期間204が続き、それは、第2のセルDTXアクティブ期間206が続く。定義パラメータは、たとえば、周期、開始スロット/オフセット、アクティブ期間(たとえばオン持続時間)や、セルDTX及びDRXパターンのどのオプションが用いられるのかを示すフラグ、のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0035】
セルDTX/DRXパターンは、UE C-DTX/DRXパターンとは異なるように定められてもよい。UEについて、DTX/DRXタイマを用いる場合、アクティブ期間がサイクル毎に異なってもよい。これが行なわれるのは、アクティブ期間と非アクティブ期間との間で遷移する前に、UEが所定の持続時間の間に何も受信してはならず、上述のように、UEが何かを受信する毎にこの持続時間は再初期化され得るからである。セルDTX持続時間サイクルは、アクティブ/非アクティブ期間が一定にされ、UEにシグナリングされ得ることが異なる。アクティブ/非アクティブ期間は、UEからの送信をBS又はgNBで受信することとは無関係であってもよい。したがって、gNBがアクティブ/非アクティブ期間の間で遷移することをUEが認識するときに、UEが送信タイムラインに適応することができる。
【0036】
セルDTX/DRX非アクティブ期間におけるgNBの挙動の3つのケースがあり得る。第1のケースでは、gNBがセルDTX/DRX非アクティブ期間中にすべてのデータトラフィック及び参照信号の送信及び受信をオフにすることが意図され得る。第2のケースでは、gNBがセルDTX/DRX非アクティブ期間中にデータトラフィックのみの送信及び受信をオフにすることが意図され得る(すなわち、gNBは依然としてRSを送信及び受信し得る)。第3のケースでは、gNBがRS(たとえば、測定のためのCSI-RS)を送信するのみであることが意図され得る。
【0037】
ネットワーク設定に応じて、gNBが上述のケースの1つで動作し、RRCシグナリング又はL1/L2シグナリングを介してサービングUE及び/又はRRC非アクティブ/アイドルUEに動作モードを示すことができる。これの代わりに、UEは、上述のケースのうちの特定のケースを用いるようにハードコーディングされ、または規格によって指示されてもよい。
【0038】
第1のケースでは、セルDTX/DRX非アクティブ期間中に送受信が行なわれないので、最大ネットワークエネルギーゲインを提供し得る。セルDTX/DRX設定を実行するために、設定がセル内のUEのQoS及び無線リソース管理(RRM)要件(たとえば、セル内のすべてのUE又はUEのグループが遅延耐性トラフィックQoSを有し、UEが多くのRRM及びスケジューリング測定(たとえば、静的又は擬似静的)を実行する必要がない)も満たさなければならない。
【0039】
第2のケース及び第3のケースでは、移動性に起因してセル内のすべてのUE又はUEのグループがRRM及び/又はDL/ULスケジューリング測定を実行する必要があることを想定することができる。第1のケースと比較すると、ネットワークは依然としてRSを送信及び/又は受信しなければならないので、より少ないネットワークエネルギーゲインが実現され得る。
【0040】
第1のケースが意図される場合、UEにセルDTX及びDRXの周期的パターン設定が設定され、UEは周期的セルDTX/DRXパターンを適用するように通知される。UEはオケージョンを監視することを要求されなくてもよく、セルDTX/DRXアクティブ期間外にあるオケージョンで送信しなくてもよい。いくつかの場合では、いくつかの重要な周期的信号/チャネル送信がセルDTX/DRXアクティブ期間内に終了しなくてもよい(たとえば、システム情報を受信するためのPDCCH監視、ページング早期表示を受信するためのPDCCH監視、TRS、SSB、SRSオケージョンなど)。このような場合、gNBがセルDTX/DRXアクティブ期間中にこれらの重要な信号/チャネルの送信/受信のオケージョンを整列することが意図され得る。gNBがセルDTX/DRXパターンを適用するようにUEに示すときにそのような整列が実行されることができ、UEはそれらの重要な信号/チャネルについてのDLにおける有効な監視オケージョン及び/又はULにおける送信オケージョンを識別するために再設定を適用することができる。
【0041】
たとえば、再設定は、既存の設定の、1つ以上の監視又は送信オケージョンに適用されることになる1つ以上のシフトを含んでもよく(すなわち、既存の設定から新たなオケージョンが導出される)、セルDTX/DRXアクティブ期間内の送信又は受信オケージョンに到来するオケージョンに関連する明示的な設定を含んでもよい。
【0042】
上述のケースのUEの挙動が、セルDTXについて以下で表1において提供される。
【0043】
【0044】
上述のケースのUEの挙動が、Cell DRXについて以下で表2において表される。
【0045】
【0046】
1つのセルDTX/DRXケースが、MACエンティティ毎のUEの送信及び受信挙動のRRC設定の1つの集合を含んでもよく、サービングUEに予め設定されたRRCであってもよく、そして、これは、L1/L2シグナリングによってアクティブ化されてもよい。たとえば、設定の1つの集合のためにフィールドが設定されてもよい。設定されたフィールドはPDCCHを監視するか否か(すなわち、動的なグラント送信/受信が許可されるか否か)の表示、アクティブ化又は抑制されたCG-PUSCH設定のインデックス、アクティブ化又は抑制された標準測位信号(SPS)設定のインデックス、アクティブ化又は抑制されたRACH設定のインデックス、及びアクティブ化又は抑制されたSR設定のインデックスを含むことができる。
【0047】
UEとBS又はgNBとがセルDTXパターン及びセルDRXパターンにしたがわない例外的なケースが起こる場合がある。送信されることになるデータが厳しいレイテンシ要件を有する場合、設定されたPDCCHオケージョン(たとえば、UEがRAを実行しているとき)にしたがって可能な限り早期にネットワークがUEをスケジュールすることができる。
【0048】
たとえば、UEがRA手順を実行しているとき、セルDTX及びセルDRX設定を無視して、UEとgNBとの両方が従来の4ステップ又は2ステップRACH手順を実行することができる。この点に関して、セルDTX/DRX非アクティブ期間内であっても、RAのための従来のMsg1/Msg2/Msg3/Msg4の交換をgNB及びUEが継続することができる。具体的には、UEがMsg2(ランダムアクセス応答(RAR))及び/又はMsg4(競合解決メッセージ)のためにPDCCHの監視を継続することができる。
【0049】
別の例では、セルDTX非アクティブ持続時間内に緊急DLデータがある場合、UEは、潜在的な緊急DLデータ受信に対処するために、セルDTX非アクティブ期間内のPDCCHオケージョンの部分集合を監視するようにgNBによって設定され得る(すなわち、UEはセルDTX非アクティブ期間中にPDCCHオケージョンを監視するために完全にはオフではない)。
【0050】
図3は一実施形態に係る、セルDTX非アクティブ期間内の短いデューティサイクルを持つPDCCHオケージョンの決められた部分集合を示す図である。第1のセルDTXアクティブ期間302は、セルDTX非アクティブ期間304が続き、これは第2のセルDTXアクティブ期間306が続く。セルDTX非アクティブ期間304内には3つのPDCCHオケージョン308、310及び312の部分集合がある。セルDTX非アクティブ期間毎のこのような低レイテンシ機会(LLO)サイクルをPeriodicity_LLOパラメータ、start slot/offset_LLOパラメータ、active period_LLOパラメータ、及びLLOパターンのどのオプションが用いられるのかを示すフラグのうちの1つ以上によって定めることができる。
【0051】
図4は一実施形態に係る、セルDTX非アクティブ期間中の設定されたPDCCHオケージョンでUEが緊急データを受信する方法を示すフローチャートである。402で、潜在的な緊急DLデータ受信に対処するために、セルDTX非アクティブ期間内のPDCCHオケージョンの部分集合を用いてUEが予め設定され得る。404で、UEがセルDTX非アクティブ期間中のPDCCHオケージョンの部分集合の1つのPDCCHオケージョンを監視することができる。406で、セルDTX非アクティブ期間の監視されたPDCCHオケージョンに緊急DLデータがあるか否かを判断することができる。監視されたセルDTX非アクティブ持続時間内に緊急DLデータがある場合、UEが、404での監視に戻る前に、408で、PDCCHオケージョンでDCIをデコードした後にPDSCHの受信を実行し得る。監視されたセルDTX非アクティブ持続時間内に緊急DLデータがない場合、UEが、404で次のPDCCHオケージョンを監視する前に、410で、スリープモードに戻る(すなわち、送信も受信もなし)。
【0052】
セルDRX非アクティブ期間に緊急ULデータがある場合、UEがセルDRX非アクティブ期間のBS又はgNBの予め設定されたタイムスロットでULウェイクアップ信号(WUS)を送信することができ、その後、従来のULスケジューリング手順にしたがうことができる。UL WUSはSR信号、特定のPUCCHフォーマット、SRS信号やPRACHメッセージ1信号であってもよい。
【0053】
図5は一実施形態に係る、セルDRX非アクティブ期間内の短いデューティサイクルを持つ決められたUL WUSオケージョンを示す図である。第1のセルDRXアクティブ期間502は、セルDRX非アクティブ期間504が続き、それは第2のセルDRXアクティブ期間506が続く。セルDRX非アクティブ期間504内には3つのUL WUSオケージョン508、510及び512の部分集合がある。セルDRX非アクティブ期間毎のUL WUSオケージョンは、Periodicity_UL_WUSパラメータ、start slot/offset_UL-WUSパラメータ、active period_UL_WUSパラメータ及びUL WUSパターンのどのオプションが用いられるのかを示すフラグ、のうちの1つ以上によって定められ得る
【0054】
図6は一実施形態に係る、セルDTXに関するHARQ処理を示す図である。第1のセルDTXアクティブ期間602は、セルDTX非アクティブ期間604が続き、それは、第2のセルDTXアクティブ期間606が続く。UEがPUSCHでULデータ608を送信した後にUEがセルDTX非アクティブ期間604に入る場合、UEがBS又はgNBからの再送要求をチェックするためにセルDTXアクティブ状態に一時的に戻ることができる。PUSCH送信608の終了に対する、セルDTXアクティブ状態に戻る前の時間量610をCell-DTX-HARQ-RTT-TimerULが指定することができる。Cell-DTX-RetransmissionTimerULによって定められた期間612の間、UEがセルDTXアクティブ状態に留まることができる。UEが期間612中に再送要求を受信しない場合、UEがセルDTX非アクティブ期間604に戻ることができる。
【0055】
図7は別の実施形態に係る、セルDTXに関するHARQ処理を示す図である。第1のセルDTXアクティブ期間702は、セルDTX非アクティブ期間704が続き、それは、第2のセルDTXアクティブ期間706が続く。UEがPDSCHでダウンリンクデータ708を受信した後にセルDTX非アクティブ期間に入り、UEが当該データに対するNACK 710をPUCCHで送信した場合、UEがBS又はgNBから再送を受信するためにセルDTXアクティブ状態に戻ることができる。この場合、Cell-DTX-HARQ-RTT-TimerDLは、UEがNACK710をPUCCHで送信した後に開始され、セルDTXアクティブ状態に戻る前の時間量712を定める。その後、cell-DTX-retransmissionTimerDLによって定められた期間714の間、UEは、再送を受信するために待機しつつ、セルDTXアクティブ状態に留まることができる。
【0056】
上記の代わりに、gNBがセルDTX非アクティブ期間に入るとき、UE/gNBにおけるHARQのためのすべてのバッファがフラッシュされ得る。gNBがセルDTXアクティブ期間に入ったときにのみHARQの再送を再開することができる。上記の代わりに、HARQタイマ(たとえば、Cell-DTX-HARQ-RTT-TimerDLやcell-DTX-retransmissionTimerDL)は、セルDTX非アクティブ期間中にインクリメントされなくてもよく、gNBがセルDTXアクティブ期間に入ったときに再開してもよい。
【0057】
セルDTX非アクティブ期間にSSB信号が送信されないときにも例外の場合が生じる場合があり、緊急に必要とされるときにオンデマンドSSBがUEによって要求される。上述されているように、UEがセルDTX非アクティブ期間内の予め設定されたUL WUSオケージョンでUL WUS信号を送信することができる。その後、UEがセルDTX非アクティブ期間内に従来のSSB測定手順にしたがうことができる。UL WUS信号は、たとえば、SR信号、特定のPUCCHフォーマット、SRS信号、またはPRACHメッセージ1信号であってもよい。UEはRRC接続UEまたはRRCアイドル/非アクティブUEの両方になり得る。後者の場合、UEがUL WUSとしてPRACHを送信して、gNBからのオンデマンドSSBの送信をトリガすることができる。
【0058】
トラフィック需要に応じてgNBがDTXサイクルを調整することができる。これは、gNBが監視する平均トラフィックに基づいて実現され得るが、これが最適ではない場合がある。たとえば、負荷が軽いセルでは、有意なトラフィック統計を得るのに十分なユーザが存在しない場合がある。したがって、gNBがセルDTX/DRXパターンを最適に設定するのを助けるために、RRC層のUE補助情報として情報が追加され得る。追加される情報は、ULチャネル送信についてのUEのバッファステータスの表示と、UEトラフィック情報(たとえば、サービス優先度、遅延許容度、データレート、データ量、トラフィックタイプ、時間重要度、及びパケットサイズ)と、UEに好ましいセルDTX/DRXパターン(すなわち、DTX周期、アクティブ/非アクティブ持続時間、及びDRX周期)とを含むことができる。
【0059】
図8は一実施形態に係る、セルDTX/DRX及びUE C-DRXサイクルの位置ずれを示す図である。セルDTX/DRXアクティブ期間802は、セルDTX/DRX非アクティブ期間804が続く。UE1 C-DRXアクティブ期間806は、UE1 C-DRX非アクティブ期間808が続く。UE2 C-DRXアクティブ期間810は、UE2 C-DRX非アクティブ期間812が続く。
【0060】
UE1 C-DRX非アクティブ期間808の一部がセルDTX/DRXアクティブ期間802と重なり、UEは、重なる持続時間T1 814でUE C-DRXの挙動にしたがってもよい(すなわち、PDCCHの監視を停止する)。
【0061】
UE2 C-DRXアクティブ期間810の一部がセルDTX非アクティブ期間804と重なり、重なる持続時間T2 816でUEの挙動がセルDTXにしたがってもよく、または重なる持続時間T2 816でUEの挙動が指定されずにおかれてもよい。特に、ネットワークの実装次第で、このような重なる持続時間がないことを確実にすることができる(たとえば、UEがセルDTXパターンのみにしたがうようにBS又はgNBがUE2 C-DRXを解放することができる)。
【0062】
セルDTX/DRX非アクティブ期間中のCSI報告について、それがUEによって送信されたときにCSI報告をBS又はgNBが受信するためにウェイクアップすることができる。この場合、セルDTX/DRX非アクティブ期間中にCSI報告がどの時間オケージョンで送信され得るかについてUEがgNBによって予め通知されてもよい。これの代わりに、UEがセルDTX/DRX非アクティブ期間中にCSI報告を送信しなくてもよい。
【0063】
セルDTX/DRX非アクティブ期間中のビーム障害検出(BFD)及び無線リンク監視(RLM)のための周期的CSI測定について、UEが当該周期的 CSI-RS信号を、設定された周期的時間オケージョンで測定して、セルDTX/DRX非アクティブ期間中にBFDとRLMとを維持することができる。これの代わりに、UEがセルDTX/DRX非アクティブ期間中にBFD及びRLMタイマを止めて、セルがセルDTX/DRXアクティブ期間に再び入るときにBFD及びRLMタイマを再開することができる。
【0064】
図9は一実施形態に係る、UEでのセルDTX/DRX設定のための方法を示すフローチャートである。902で、gNB又はBSがセルDTX/DRX設定を用いてUEを設定するために信号を送信することができる。セルDTX/DRX設定は、DTX/DRX周期、DTX/DRX開始スロット又はオフセット、及びDTX/DRXアクティブ期間によって定められ得る。セルDTX/DRX設定は、設定識別子(ID)によって識別され得る。
【0065】
904で、gNB又はBSがUEでのセルDTX/DRX設定を有効化又は無効化する信号を送信することができる。有効化又は無効化はセルトラフィック負荷及び/又はUEのQoSに基づく。
【0066】
906で、UEがDTX/DRX設定に基づいて非アクティブ期間に監視、送信及び/又は測定を一時停止することができる。UEが非アクティブ期間にCSI測定及びビーム管理を一時停止し、またはCSI報告を一時停止することができる。セルDTX設定について、UEが非アクティブ期間にPDCCHの監視を一時停止することができる。セルDRX設定について、UEは非アクティブ期間にCG-PUSCH送信とSR送信とを一時停止することができる。ランダムアクセス手順のためのUEとBSとの間のメッセージ交換は、非アクティブ期間にわたって継続することができる。低レイテンシ要件を有するデータについての非アクティブ期間の周期的オケージョンをUEが監視することができる。UEがセルDTX/DRX設定のアクティブ期間と重なるC-DRX設定の非アクティブ期間中にC-DRX設定を維持することができる。
【0067】
図10は一実施形態に係る、ネットワーク環境内の電子デバイスのブロック図である。
【0068】
図10を参照すると、ネットワーク環境1000内の電子デバイス1001(たとえば、BSやUE)が第1のネットワーク1098(たとえば短距離無線通信ネットワーク)を介して電子デバイス1002(たとえば、BSやUE)と通信したり、第2のネットワーク1099(たとえば長距離無線通信ネットワーク)を介して電子デバイス1004(たとえば、BSやUE)やサーバ1008(たとえば、BSやUE)と通信したりすることができる。電子デバイス1001はサーバ1008を介して電子デバイス1004と通信してもよい。電子デバイス1001はプロセッサ1020、メモリ1030、入力デバイス1050、音響出力デバイス1055、ディスプレイデバイス1060、音声モジュール1070、センサモジュール1076、インターフェース1077、触覚モジュール1079、カメラモジュール1080、電力管理モジュール1088、バッテリー1089、通信モジュール1090、加入者識別モジュール(SIM)カード1096やアンテナモジュール1097を含むことができる。一実施形態では、構成要素の少なくとも1つ(たとえば、ディスプレイデバイス1060やカメラモジュール1080)が電子デバイス1001から省略されてもよいし、1つ以上の他の構成要素が電子デバイス1001に付加されてもよい。構成要素の一部を単一のICとして実施してもよい。たとえば、センサモジュール1076(たとえば、指紋センサ、虹彩センサや照度センサ)をディスプレイデバイス1060(たとえばディスプレイ)に埋め込んでもよい。
【0069】
プロセッサ1020はソフトウェア(たとえば、プログラム1040)を実行して、プロセッサ1020に接続されている電子デバイス1001の少なくとも1つの他の構成要素(たとえば、ハードウェア構成要素やソフトウェア構成要素)を制御することができ、様々なデータ処理や計算を実行することができる。
【0070】
データ処理や計算の少なくとも一部として、プロセッサ1020は別の構成要素(たとえば、センサモジュール1076や通信モジュール1090)から受信したコマンドやデータを揮発性メモリ1032にロードし、揮発性メモリ1032に記憶されているコマンドやデータを処理し、得られたデータを不揮発性メモリ1034に記憶することができる。プロセッサ1020はメインプロセッサ1021(たとえば、中央処理装置(CPU)やアプリケーションプロセッサ(AP))と、メインプロセッサ1021とは独立して動作可能であったりメインプロセッサ1021と協働して動作可能であったりする補助プロセッサ1023(たとえば、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、イメージシグナルプロセッサ(ISP)、センサハブプロセッサや通信プロセッサ(CP))とを含むことができる。これに加えて又はこれの代わりに、補助プロセッサ1023を、メインプロセッサ1021よりも少ない電力を消費したり特定の機能を実行したりするように構成してもよい。補助プロセッサ1023を、メインプロセッサ1021から分離していたりメインプロセッサ1021の一部であったりするものとして実施してもよい。
【0071】
補助プロセッサ1023は電子デバイス1001の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素(たとえば、ディスプレイデバイス1060、センサモジュール1076や通信モジュール1090)に関係する機能や状態の少なくとも一部を制御することができ、補助プロセッサ1023は、メインプロセッサ1021が非アクティブ(たとえばスリープ)状態にあるときにメインプロセッサ1021の代わりに上記を行なうことができたり、メインプロセッサ1021がアクティブ状態(たとえば、アプリケーションを実行している)にあるときにメインプロセッサ1021とともに上記を行なうことができたりする。補助プロセッサ1023(たとえば、イメージシグナルプロセッサや通信プロセッサ)を補助プロセッサ1023に機能的に関係する別の構成要素(たとえば、カメラモジュール1080や通信モジュール1090)の一部として実施することができる。
【0072】
メモリ1030は電子デバイス1001の、少なくとも1つの構成要素(たとえば、プロセッサ1020やセンサモジュール1076)によって用いられる様々なデータを記憶することができる。様々なデータには、たとえば、ソフトウェア(たとえばプログラム1040)や、これに関係するコマンドの入力データや出力データが含まれ得る。メモリ1030は揮発性メモリ1032又は不揮発性メモリ1034を含むことができる。不揮発性メモリ1034は内部メモリ1036及び/又は外部メモリ1038を含むことができる。
【0073】
プログラム1040をソフトウェアとしてメモリ1030に記憶することができ、プログラム1040は、たとえば、オペレーティングシステム(OS)1042、ミドルウェア1044やアプリケーション1046を含むことができる。
【0074】
入力デバイス1050は電子デバイス1001の別の構成要素(たとえばプロセッサ1020)によって用いられるコマンドやデータを電子デバイス1001の外部(たとえばユーザ)から受け取ることができる。入力デバイス1050は、たとえば、マイク、マウス、やキーボードを含んでもよい。
【0075】
音響出力デバイス1055は電子デバイス1001の外部に音響信号を出力することができる。音響出力デバイス1055は、たとえば、スピーカや受話器を含んでもよい。スピーカをマルチメディアの再生や録音などの汎用目的に用いてもよく、受話器を着信を受話するのに用いてもよい。受話器を、スピーカから分離していたりスピーカの一部であったりするものとして実施してもよい。
【0076】
ディスプレイデバイス1060は電子デバイス1001の外部(たとえばユーザ)に情報を視覚的に提供することができる。ディスプレイデバイス1060は、たとえば、ディスプレイ、ホログラムデバイスやプロジェクタや、ディスプレイ、ホログラムデバイス及びプロジェクタのうちの対応するものを制御するための制御回路を含んでもよい。ディスプレイデバイス1060はタッチを検出するように構成されるタッチ回路や、タッチによって加えられる力の強さを測定するように構成されるセンサ回路(たとえば圧力センサ)を含んでもよい。
【0077】
音声モジュール1070は音響を電気信号に変換することができ、その逆も行なうことができる。音声モジュール1070は入力デバイス1050を介して音響を取得したり、音響出力デバイス1055を介して音響を出力したり、電子デバイス1001に直接接続(たとえば、有線接続)されたり無線接続されたりする外部電子デバイス1002のヘッドフォンを介して音響を出力したりすることができる。
【0078】
センサモジュール1076は電子デバイス1001の動作状態(たとえば、電力や温度)や、電子デバイス1001の外部の環境状態(たとえば、ユーザの状態)を検出した後、検出された状態に対応する電気信号やデータ値を生成することができる。センサモジュール1076は、たとえば、ジェスチャセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、磁気センサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、赤外線(IR)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサを含んでもよい。
【0079】
インターフェース1077は電子デバイス1001を外部電子デバイス1002と直接接続(たとえば有線接続)したり無線接続したりするのに用いられる1つ以上の指定されたプロトコルをサポートすることができる。インターフェース1077は、たとえば、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標、以下同じ))、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、セキュアデジタル(SD)カードインターフェースや音声インターフェースを含んでもよい。
【0080】
接続端子1078は電子デバイス1001を外部電子デバイス1002に物理的に接続することができるコネクタを含むことができる。接続端子1078は、たとえば、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタや音声コネクタ(たとえばヘッドフォンコネクタ)を含んでもよい。
【0081】
触覚モジュール1079は電気信号を、触覚や運動感覚を介してユーザが認識することができる機械的刺激(たとえば、振動や動き)や電気的刺激に変換することができる。触覚モジュール1079は、たとえば、モータ、圧電素子や電気的刺激装置を含んでもよい。
【0082】
カメラモジュール1080は静止画や動画を撮影することができる。カメラモジュール1080は1つ以上のレンズ、イメージセンサ、イメージシグナルプロセッサやフラッシュを含むことができる。電力管理モジュール1088は電子デバイス1001に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュール1088をたとえば電力管理集積回路(PMIC)の少なくとも一部として実施することができる。
【0083】
バッテリー1089は電子デバイス1001の、少なくとも1つの構成要素に電力を供給することができる。バッテリー1089は、たとえば、再充電不可能な一次電池、再充電可能な二次電池や燃料電池を含んでもよい。
【0084】
通信モジュール1090は、電子デバイス1001と外部電子デバイス(たとえば、電子デバイス1002、電子デバイス1004やサーバ1008)との間の直接通信(たとえば有線通信)チャネル又は無線通信チャネルを確立して、確立された通信チャネルを介して通信を実行することをサポートすることができる。通信モジュール1090は、プロセッサ1020(たとえばAP)とは独立して動作可能であって、直接通信(たとえば有線通信)又は無線通信をサポートする1つ以上の通信プロセッサを含むことができる。通信モジュール1090は無線通信モジュール1092(たとえば、セルラ通信モジュール、短距離無線通信モジュール又は全地球航法衛星システム(GNSS)通信モジュール)又は有線通信モジュール1094(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)通信モジュール又は電力線通信(PLC)モジュール)を含むことができる。これらの通信モジュールのうちの対応するモジュールが第1のネットワーク1098(たとえば、BLUETOOTH(登録商標)、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)ダイレクトや赤外線データアソシエーション(IrDA)の規格などの短距離通信ネットワーク)又は第2のネットワーク1099(たとえば、セルラネットワーク、インターネットやコンピュータネットワーク(たとえば、LANやワイドエリアネットワーク(WAN))などの長距離通信ネットワーク)を介して外部電子デバイスと通信することができる。これらの様々なタイプの通信モジュールを単一の構成要素(たとえば、単一のIC)として実施してもよいし、互いに分離している複数の構成要素(たとえば、複数のIC)として実施してもよい。無線通信モジュール1092は加入者識別モジュール1096に記憶されている加入者情報(たとえば、国際移動体加入者識別番号(IMSI))を用いて第1のネットワーク1098や第2のネットワーク1099などの通信ネットワーク内で電子デバイス1001の識別及び認証を行なうことができる。
【0085】
アンテナモジュール1097は電子デバイス1001の外部(たとえば、外部電子デバイス)に信号すなわち電力を送信したり電子デバイス1001の外部から信号すなわち電力を受信したりすることができる。アンテナモジュール1097は1つ以上のアンテナを含むことができ、これらのアンテナから、第1のネットワーク1098や第2のネットワーク1099などの通信ネットワークで用いられる通信方式に適する少なくとも1つのアンテナをたとえば通信モジュール1090(たとえば無線通信モジュール1092)が選択することができる。その後、選択された少なくとも1つのアンテナを介して通信モジュール1090と外部電子デバイスとの間で信号すなわち電力の送信又は受信を行なうことができる。
【0086】
第2のネットワーク1099に接続されているサーバ1008を介して電子デバイス1001と外部電子デバイス1004との間でコマンドやデータの送信又は受信を行なうことができる。電子デバイス1002及び1004の各々は電子デバイス1001と同じタイプのデバイスであっても異なるタイプのデバイスであってもよい。電子デバイス1001で実行される動作の全部又は一部を外部電子デバイス1002、1004又は1008の1つ以上で実行してもよい。たとえば、電子デバイス1001が機能やサービスを自動的に実行したり、ユーザや別のデバイスからの要求に応じて実行したりする必要がある場合、電子デバイス1001は機能やサービスを実行する代わりに又はそれに加えて、1つ以上の外部電子デバイスに機能やサービスの少なくとも一部を実行するように要求してもよい。要求を受け取った1つ以上の外部電子デバイスは要求された機能やサービスの少なくとも一部を実行したり要求に関係する追加機能や追加サービスを実行したりし、実行の結果を電子デバイス1001に渡してもよい。電子デバイス1001は結果をさらに処理するかさらに処理せずに、要求に対する応答の少なくとも一部として結果を提供してもよい。これのために、たとえば、クラウドコンピューティング技術、分散コンピューティング技術やクライアントサーバコンピューティング技術を用いてもよい。
【0087】
本明細書で説明されている保護対象及び動作の実施形態を、本明細書で開示されている構造と、その構造上の均等物とを含む、デジタル電子回路や、コンピュータソフトウェア、ファームウェアやハードウェアで実施してもよいし、これらの1つ以上の組合せで実施してもよい。本明細書で説明されている保護対象の実施形態を、データ処理装置による実行のためにコンピュータ記憶媒体にエンコードされるものであったりデータ処理装置の動作を制御するためのものであったりする1つ以上のコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータプログラム命令の、1つ以上のモジュールとして実施してもよい。
【0088】
上記に加えて又は上記の代わりに、プログラム命令は、人工的に生成された伝播信号、たとえば、装置によって生成された電気、光、または電磁信号にエンコードされることが可能であり、このような信号はデータ処理装置による実行のために適切な受信装置に送信するために情報をエンコードするように生成される。コンピュータ記憶媒体はコンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダム又はシリアルアクセスメモリアレイ又はデバイスや、これらの組合せであることが可能であるし、これに含まれることが可能である。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝播信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は人工的に生成された伝播信号にエンコードされるコンピュータプログラム命令の送信元又は送信先であってもよい。コンピュータ記憶媒体は1つ以上の分離している物理構成要素又は媒体(たとえば、複数のCD、ディスクや他の記憶デバイス)あることも可能であるし、これに含まれることも可能である。上記に加えて、本明細書で説明されている動作を、1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されているデータや、他の提供元から受信したデータに対してデータ処理装置によって実行される動作として実施してもよい。
【0089】
本明細書には多くの具体的な実施の詳細が含まれているといえるが、実施の詳細は請求されているいずれかの保護対象の範囲に対する限定として解釈されないのは当然であり、さらに言えば、特定の実施形態に特有の特徴の説明として当然解釈される。別個の実施形態に関連して本明細書で説明されているいくつかの特徴を1つの実施形態で組み合せて実施することもできる。逆に、1つの実施形態に関連して説明されている様々な特徴を複数の実施形態で個別に実施することもできるし、任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴が特定の組合せで作用するように上記で説明され、当初そのように請求されている場合があるが、場合によっては、請求されている組合せから得られる1つ以上の特徴をその組合せから削除してもよく、請求されている組合せがサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象としてもよい。
【0090】
同様に、動作が特定の順序で図面に示されているが、このことは、望ましい結果を実現するために、このような動作が、示されている特定の順序で実行されたり順番に実行されたりすることや、図示されているすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されないことは当然である。特定の状況では、マルチタスクと並列処理とが有効である場合がある。さらに、上述の実施形態の様々なシステム構成要素の分離が、このような分離がすべての実施形態で必要であるものとしては理解されないことは当然であり、説明されているプログラム構成要素及びシステムを1つのソフトウェアプロダクトにほぼ一緒に組み込んだり、複数のソフトウェアプロダクトにパッケージ化したりすることができることが当然分かる。
【0091】
このように、保護対象の特定の実施形態を本開示で説明してきた。他の実施形態は以下の請求項の範囲に含まれる。場合によっては、請求項に示されている動作を異なる順序で実行してもよく、この場合でも当該動作によって望ましい結果を実現することができる。これに加えて、望ましい結果を実現するために、添付の図に示されているプロセスを示されている特定の順序で行なったり順番に行なったりすることは必ずしも必要ではない。いくつかの実装では、マルチタスクと並列処理とが有効である場合がある。
【0092】
本開示で説明されている革新的な概念の修正及び変形を広範囲の用途にわたって行なうことができることを当業者であれば理解する。したがって、請求されている保護対象の範囲は上記で説明されている特定の例示的な教示のいずれにも限定されるものではないのは当然であり、以下の請求項によって定められるものである。
【符号の説明】
【0093】
102 制御パス
104 gNB
106 第1のUE
108 第2のUE
110 データパス
202 第1のセルDTXアクティブ期間
204 セルDTX非アクティブ期間
206 第2のセルDTXアクティブ期間
302 第1のセルDTXアクティブ期間
304 セルDTX非アクティブ期間
306 第2のセルDTXアクティブ期間
308、310、312 PDCCHオケージョン
502 第1のセルDRXアクティブ期間
504 セルDRX非アクティブ期間
506 第2のセルDRXアクティブ期間
508、510、512 UL WUSオケージョン
602 第1のセルDTXアクティブ期間
604 セルDTX非アクティブ期間
606 第2のセルDTXアクティブ期間
608 ULデータ
610 時間量
612 期間
702 第1のセルDTXアクティブ期間
704 セルDTX非アクティブ期間
706 第2のセルDTXアクティブ期間
708 ダウンリンクデータ
710 NACK
712 時間量
714 期間
802 セルDTX/DRXアクティブ期間
804 セルDTX/DRX非アクティブ期間
806 UE1 C-DRXアクティブ期間
808 UE1 C-DRX非アクティブ期間
810 UE2 C-DRXアクティブ期間
812 UE2 C-DRX非アクティブ期間
814 持続時間T1
816 持続時間T2
1000 ネットワーク環境
1001 電子デバイス
1002 外部電子デバイス
1004 外部電子デバイス
1008 サーバ
1020 プロセッサ
1021 メインプロセッサ
1023 補助プロセッサ
1030 メモリ
1032 揮発性メモリ
1034 不揮発性メモリ
1036 内部メモリ
1038 外部メモリ
1040 プログラム
1044 ミドルウェア
1046 アプリケーション
1050 入力デバイス
1055 音響出力デバイス
1060 ディスプレイデバイス
1070 音声モジュール
1076 センサモジュール
1077 インターフェース
1078 接続端子
1079 触覚モジュール
1080 カメラモジュール
1088 電力管理モジュール
1089 バッテリー
1090 通信モジュール
1092 無線通信モジュール
1094 有線通信モジュール
1096 加入者識別モジュール
1097 アンテナモジュール
1098 第1のネットワーク
1099 第2のネットワーク