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特開2024-155855マイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155855
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】マイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20241024BHJP
【FI】
H01L33/62
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067861
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】112114491
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】113106760
(32)【優先日】2024-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】314014379
【氏名又は名称】隆達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 修邑
(72)【発明者】
【氏名】許 國翊
(72)【発明者】
【氏名】羅 錦宏
(72)【発明者】
【氏名】林 志豪
(72)【発明者】
【氏名】李 政憲
(72)【発明者】
【氏名】馬 維遠
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA56
5F142AA86
5F142CA11
5F142CB14
5F142CG04
5F142CG05
5F142FA30
5F142FA31
5F142FA46
(57)【要約】
【課題】 マイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、マイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法を提供する。マイクロLEDパッケージ構造は、複数のマイクロLEDダイ、透光層、第一絶縁層、複数の再分配層、および、複数の導電素子、を有する。マイクロLEDダイは並んで設置され、且つ、それぞれ、電極表、発光面、および、側面を有し、電極表面と発光面は、互いに対向しており、且つ、側面は、電極表面と発光面の間に位置する。透光層は、発光面と側面を被覆する。第一絶縁層は、マイクロLEDダイ下に設置され、且つ、電極表面は、第一絶縁層に直接接触する。再分配層は、第一絶縁層下に設置されるとともに、第一絶縁層を通過して、電極表面に電気的に接続される。導電素子は、複数の再分配層下に設置されるとともに、再分配層に電気的に接続される。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロLEDパッケージ構造であって、
並んで設置され、それぞれ、電極表面、発光面、および、複数の側面を有し、前記電極表面と前記発光面は、互いに対向しており、且つ、それらの側面が、前記電極表面と前記発光面の間に位置する複数のマイクロLEDダイと、
前記マイクロLEDダイの前記発光面とそれらの側面を被覆する透光層と、
前記マイクロLEDダイ下に設置され、且つ、前記マイクロLEDダイの前記電極表面が直接接触する第一絶縁層と、
前記第一絶縁層下に設置されるとともに、前記第一絶縁層を通過して、それぞれ、前記マイクロLEDダイの前記電極表面と電気的に接続する複数の再分配層、および、
前記再分配層下に設置されるとともに、前記再分配層に電気的に接続される複数の導電素子、
を有することを特徴とするマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項2】
前記第一絶縁層は、エポキシ樹脂(epoxy)、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリベンゾオキサゾール(polybenzoxazole、PBO)、シリコーン(silicone)、二酸化ケイ素(silicon dioxide)、窒化ケイ素(silicon nitride)、あるいは、その組み合わせを有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項3】
前記透光層は、エポキシ樹脂(epoxy)、シリコーン(silicone)、ポリウレタン(Polyurethane)、あるいは、その組み合わせを有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項4】
前記透光層の光透過率は、前記第一絶縁層の光透過率より大きいことを特徴とする請求項1に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項5】
前記第一絶縁層と前記透光層の間に、第一接触面を有し、前記第一絶縁層と前記マイクロLEDダイの前記電極表面の間に、第二接触面を有し、且つ、前記第一接触面と前記第二接触面は、異なる平面であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項6】
前記第一絶縁層は、前記マイクロLEDダイの前記側面を部分的に被覆することを特徴とする請求項1に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項7】
更に、第二絶縁層を有し、前記第二絶縁層は、前記第一絶縁層下に設置され、且つ、前記再分配層は、前記第二絶縁層中に埋設されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項8】
前記導電素子は、ボンデイングパッドであり、且つ、前記マイクロLEDパッケージ構造は、更に、ハードマスク層を有し、前記ハードマスク層は、前記第二絶縁層下に設置されるとともに、前記導電素子を囲繞することを特徴とする請求項7に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項9】
前記ハードマスク層は、酸化ケイ素を有することを特徴とする請求項8に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項10】
前記導電素子は金属柱であり、且つ、前記マイクロLEDパッケージ構造は、更に、充填材料層を有し、前記充填材料層は、前記第二絶縁層下に設置されるとともに、前記導電素子を囲繞することを特徴とする請求項7に記載のマイクロLEDパッケージ構造。
【請求項11】
マイクロLEDパッケージ構造の形成方法であって、
複数のマイクロLEDダイを、第一基板上に並べて配置し、前記マイクロLEDダイは、それぞれ、電極表面、発光面、および、複数の側面を有し、前記電極表面と前記発光面は、互いに対向しており、前記側面が、前記電極表面と前記発光面の間に位置する工程と、
透光層を設置して、前記マイクロLEDダイの前記発光面、および、前記側面を被覆する工程と、
前記第一基板を除去して、前記マイクロLEDダイの前記電極表面を露出する工程と、
第一絶縁層を、前記マイクロLEDダイの前記電極表面に設置し、前記第一絶縁層が、前記マイクロLEDダイの前記電極表面に直接接触するとともに、被覆する工程と、
複数の再分配層を、前記第一絶縁層上に設置し、前記再分配層は、前記第一絶縁層を通過して、それぞれ、前記マイクロLEDダイの前記電極表面に電気的に接続される工程、および、
複数の導電素子を、前記再分配層上に設置し、前記導電素子と前記再分配層が電気的に接続する工程、を有することを特徴とするマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項12】
前記第一基板を除去する工程は、前記第一基板と前記マイクロLEDダイの間のゲルを除去して、前記第一基板を除去するとともに、前記電極表面を露出する工程を有することを特徴とする請求項11に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項13】
前記第一基板を除去する前、前記形成方法は、更に、
第二基板を、前記透光層上に貼合する工程、および、
前記第二基板を貼合後、前記第一基板を反転させる工程、
を有することを特徴とする請求項11に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項14】
複数の前記導電素子を、前記再分配層上に設置後、前記形成方法は、更に:
第三基板を、前記導電素子上に貼合する工程と、
前記第三基板を貼合後、翻轉前記第二基板を反転させる工程、および、
前記第二基板を除去する工程、
を有することを特徴とする請求項13に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項15】
前記第二基板を除去後、前記形成方法は、更に、前記第三基板を除去する工程を有することを特徴とする請求項14に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項16】
前記第一絶縁層と前記透光層の間に、第一接触面を有し、前記第一絶縁層と前記マイクロLEDダイの前記電極表面の間は、第二接触面を有し、且つ、前記第一接触面と前記第二接触面は、異なる平面であることを特徴とする請求項11に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項17】
前記第一絶縁層の設置工程は、更に、前記第一絶縁層に、前記マイクロLEDダイの前記側面を部分的に被覆させる工程を有することを特徴とする請求項11に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項18】
複数の前記導電素子を、前記再分配層上に設置する工程の前、前記形成方法は、更に、第二絶縁層を、前記第一絶縁層上に設置し、前記第二絶縁層が、前記再分配層を被覆する工程を有することを特徴とする請求項11に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項19】
前記導電素子は、ボンデイングパッドであり、且つ、複数の前記導電素子を、前記再分配層上に設置する工程の後、前記形成方法は、更に、ハードマスク層を、前記第二絶縁層上に設置し、前記ハードマスク層は、前記導電素子を囲繞する工程を有することを特徴とする請求項18に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【請求項20】
前記導電素子は金属柱であり、且つ、複数の前記導電素子を、前記再分配層上に設置する工程の後、前記形成方法は、更に、充填材料層を、前記第二絶縁層上に設置し、前記充填材料層が、前記導電素子を囲繞する工程を有することを特徴とする請求項18に記載のマイクロLEDパッケージ構造の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードに関するものであって、特に、マイクロLEDパッケージ構造(MICRO LIGHT-EMITTING DIODE PACKAGE STRUCTURE)、および、その形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子装置の高度な発展に伴い、電子装置内の各構成要素は徐々に微細化(scaling down)されている。マイクロLEDパッケージ構造を例に取ると、発光ダイオードデバイスのサイズの縮小はプロセスの難易度を著しく上昇させ、歩留まりの低下などの問題を引き起こす。よって、既存のマイクロLEDパッケージ構造はそれらの特定の用途を段階的に満たしてきたが、すべての側面で要件を満たすわけではない。そのため、マイクロLEDパッケージ構造に関しては、まだ克服すべきいくつかの問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、マイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造を提供し、複数のマイクロLEDダイ、透光層、第一絶縁層、複数の再分配層、および、複数の導電素子を有する。複数のマイクロLEDダイは並んで設置され、且つ、それぞれ、電極表面、発光面、および、複数の側面を有し、電極表面と発光面は、互いに対向しており、且つ、複数の側面は、電極表面と発光面の間に位置する。透光層は、複数のマイクロLEDダイの発光面と複数の側面を被覆する。第一絶縁層は、複数のマイクロLEDダイ下に設置され、且つ、複数のマイクロLEDダイの電極表面は、第一絶縁層と直接接触する。複数の再分配層は、第一絶縁層下に設置されるとともに、第一絶縁層を通過して、複数のマイクロLEDダイの電極表面に電気的に接続される。複数の導電素子は、複数の再分配層下に設置されるとともに、複数の再分配層に電気的に接続される。
【0005】
一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造の形成方法を提供する。複数のマイクロLEDダイを、第一基板上に並べて配置し、複数のマイクロLEDダイは、それぞれ、電極表面、発光面、および、複数の側面を有する。電極表面と発光面は、互いに対向しており、複数の側面は、電極表面と発光面の間に位置する。透光層を設置して、複数のマイクロLEDダイの発光面、および、複数の側面を被覆する。第一基板を除去して、複数のマイクロLEDダイの電極表面を露出する。第一絶縁層を、複数のマイクロLEDダイの電極表面に設置し、第一絶縁層は、マイクロLEDダイと直接接触するとともに、被覆する。複数の再分配層を、第一絶縁層上に設置し、複数の再分配層は、第一絶縁層を通過して、それぞれ、複数のマイクロLEDダイの電極表面に電気的に接続される。複数の導電素子を、複数の再分配層上に設置し、複数の導電素子と複数の再分配層は、電気的に接続される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のマイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法は、各種タイプの電子裝置中に応用することができる。この開示に関する特徴や利点をより明確に理解するために、以下に各種の実施例を挙げ、付属の図面とともに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図3A】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図3B】本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDダイの拡大図である。
図3C】本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDダイのスタンプ転写工程を示す図である。
図3D】本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDダイのスタンプ転写工程を示す図である。
図3E】周期的に配置された凹凸模様を持つ青色LED、および、緑色LEDの上表面を示す図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図8A】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図8B】接合工程により接続された電極と錫ペーストの間を示す図である。
図8C】電気メッキ、スパッタリング工程、あるいは、電子ビーム工程により接続された電極と再分配層の間を示す図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図10】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図11】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図12】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図13】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図14】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図15】本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の上視図である。
図17】本発明のもう一つの実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図18】本発明のもう一つの実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図19】本発明のもう一つの実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図20】本発明のもう一つの実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図21】本発明のもう一つの実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図22】本発明のもう一つの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の上視図である。
図23A】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図23B】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図23C】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図24A】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図24B】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図24C】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図24D】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図25】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図26】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図27】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図28】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図29】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図30】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図31】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図32】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図33】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図34】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図35】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図36】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図37】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図38】本発明のさらに別の実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。
図39】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の上視図である。
図40】本発明のいくつかの実施形態によるディスプレイモジュールを示す図である。
図41】本発明のいくつかの実施形態によるスプライシングディスプレイ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明と添付の図面を組み合わせることで、本開示の実施例をより理解することができる。注意すべきことは、工業界の標準的な慣習に従い、一部の部品(feature)は比例して描かれていない場合があることである。実際には、明確な説明のために、異なる部品のサイズは、拡大、または、縮小される場合がある。
以下には、提供されたマイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法の実施例、または、例が多数示されており、本開示の実施例を簡素化するために、各部品、および、その配置の具体的な例が記載されている。ただし、これらの記述は本開示を制限するためではなく、例えば、記載されたように、第一部品が第二部品の上に配置される場合、第一部品と第二部品が直接接触する実施例だけでなく、第一部品と第二部品の間に追加の部品が配置され、第一部品と第二部品が直接接触しない実施例も含まれる。さらに、本開示の実施例や例において、部品記号や文字が繰り返されることがあるが、これは異なる実施例や例の関係を示すためではなく、説明を明確にするためのものである。
【0009】
本文中の方向語句、「上」、「下」、「左」、「右」など類似の語句は、図に基づく方向を参照している。したがって、使用される方向語句は、本開示を説明するためのものであり、制約するものではない。
【0010】
本開示のいくつかの実施例において、「設置」、「接続」などの用語は、特に定義されていない限り、2つの部品が直接接触している場合だけでなく、2つの部品の間に追加の部品がある場合も指すことができる。設置や接続に関する用語は、両方の構造が移動可能である場合や、両方の構造が固定されている場合も含まれることがある。
【0011】
さらに、本説明書や特許請求の範囲における「第一」、「第二」といった類似の用語は、異なる部品を識別したり、異なる実施例や範囲を区別するために使用されるものであり、部品数の上限や下限を制限するためではなく、部品の製造順序や配置順序を制限するために使用されるものではない。
【0012】
以下の文脈では、「おおよそ」、「実質的に」、またはそれに類する用語は、与えられた値や値の範囲の10%以内、または、5%以内、または、3%以内、または、2%以内、または1%以内、または、0.5%以内を意味する。ここでの数量は、おおよその数量であり、特に「おおよそ」、または、「実質的に」と明示されていない場合でも、その意味が暗黙的に含まれることがある。
【0013】
特に定義されない限り、本明細書で使用される用語(技術用語および科学用語)は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書において定義されるような用語は、関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想化された意味または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0014】
以下は、実施例の変更に関する説明である。異なる図面や説明の実施例では、同じ、または、類似の部品を示すために、同じ、または、類似の部品記号が使用される。また、方法の前、中、後に追加の工程を提供することができ、一部の記載された工程は、他の実施例の方法で置き換えられるか、削除される。
【0015】
現有の技術において、一般的に、パッケージ材料により、マイクロLEDダイを被覆して、マイクロLEDダイを、外部の不純物から保護する。このほか、パッケージ材料により、複数のマイクロLEDダイを互いに電気的に隔離して、電気的な安定を確保することもある。しかし、マイクロ発光ダイオードダイ尺寸が縮小するにつれて、パッケージ材料は、適切なマイクロLEDダイの被覆が困難になる。特に、ダイの微細化を目指す場合、マイクロ発光ダイオードの元の基板を除去することを選択して、ダイの厚さを大幅に減少させ、従来のパッケージ技術中のダイの取り扱いや固定(プローブ先端の高さ調整/吸引ノズルによる吸引/圧力による固定)に関する多くの工程方法が、マイクロ発光ダイオードにとって、実行可能ではなくなる。また、マイクロLEDダイとパッケージ材料の間には、予期しないギャップが生成されやすく、これらのギャップは、不必要な光の散乱、および、寄生容量を生じ、且つ、散熱效果を低下させる。このほか、パッケージ材料中で、予期しない応力が生成される場合があり、これによって、製造期間中や使用期間中に、マイクロLEDダイが破損する可能性があり、予期しない損失になる。よって、本発明は、マイクロLEDダイ、および、その形成方法を提供して、現有の技術における少なくとも上記の問題を改善する。
【0016】
図1図3A図4図8A、および、図9図15を参照すると、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。図1に示されるように、第一基板10を提供する。一実施形態において、第一基板10は:IV族元素またはIV族化合物、例えば、シリコン(Si)、ダイヤモンド(C)、炭化ケイ素(SiC)、III-V族化合物、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、その他の適当な材料、または、それらの組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第一基板10は、可撓性基材、軟性基材、剛性基材、または、これらの組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第一基板10は、ガラス、石英、サファイヤ、セラミックス、その他の適切な材料、またはそれらの組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第一基板10は、ポリイミド(polyimide,PI)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、第一基板10は、サファイヤ基板である。一実施形態において、第一基板10は、透明な基材、半透明な基材、あるいは、不透明な基材であるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。
【0017】
図2に示されるように、一実施形態において、第一剥離層(debond layer)11を、第一基板10上に設置する。一実施形態において、第一剥離層11は、熱剥離(thermal release)、UV剥離(UV release)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。注意すべきことは、図2では、第一剥離層11が、第一基板10の上表面を完全に被覆する実施形態を示しているが、本開示はこれに制限されない。その他の実施形態において、第一剥離層11は、第一基板10の上表面を部分的に被覆している。たとえば、第一剥離層11は、後続で設置されるマイクロLEDダイの位置に対応して、第一基板10の上表面を部分的に被覆する。
【0018】
図3Aに示されるように、一実施形態において、複数のマイクロLEDダイ13を、第一基板10上の第一剥離層11上に並んで設置する。一実施形態において、マイクロLEDダイ13は、フリップチップ(Flip Chip)マイクロLEDダイ13であるか、あるいは、それを有する。たとえば、まず、複数のマイクロLEDダイ13を、一時的基板(図示しない)の粘着層(図示しない)上に設置するとともに、レーザー転写(laser transfer)工程やその類似工程により、粘着層、および、その上の一時的基板を除去して、複数のマイクロLEDダイ13を、第一剥離層11上に転写させるが、本開示はこれに制限されない。あるいは、ピックアップ (pick-up)工程により、複数のマイクロLEDダイ13を、第一剥離層11上に転写させることもできる。
【0019】
図3Bも一緒に参照すると、図3Bは、本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDダイの拡大図である。図のように、いくつかの実施形態において、フリップチップ(Flip Chip)マイクロLEDダイ13は、二種の反射層、たとえば、第一反射層131と第二反射層132を有することができる。第一反射層131は、マイクロLEDダイ(たとえば、半導体スタック層133)上に設置され、第一反射層131は、発光ダイオードダイ(たとえば、半導体スタック層133)からの出射光を反射して、これにより、発光ダイオードの外部量子效率(EQE)を増加させるとともに、発光ダイオードの発光効率を増加させることができる。第二反射層132は、第一反射層131上に設置されるとともに、第二反射層132は、レーザー光を反射することができ、レーザー光の波長は、420nmより小さいとともに、第一反射層131は、第二反射層132よりも、マイクロLEDダイ13の活性層(たとえば、半導体スタック層133中に位置する)に接近する。よって、レーザー転写(laser transfer)工程時、第二反射層132は、レーザー光を反射するのに用いられて、レーザー光が、マイクロLEDダイ13を傷つけるのを防止する。一実施形態において、フリップチップ(Flip Chip)マイクロLEDダイ13は、発光ダイオードダイ(たとえば、半導体スタック層133)からの出射光を反射する第一反射層131だけを有し、レーザー光の波長を反射する第二反射層132を有さない。
【0020】
図3C、および、図3Dを参照すると、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDダイのスタンプ転写工程を示す図である。図のように、一実施形態において、スタンプ転写(Stamp transfer)により、マイクロLEDダイ13を、第一剥離層11上に転写させることができる。マイクロLEDダイ13を転写させるのに用いられる基板は、搭載基板160、粘着層170、および、犠牲層140を有する。粘着層170は、搭載基板160上に設置され、且つ、犠牲層140は、粘着層170上方に設置される。一実施形態において、犠牲層140をエッチングして、マイクロLEDダイ13を支持する支承フレーム142を形成する。スタンプ転写により、マイクロLEDダイ13を、第一剥離層11上に転写させる時、マイクロLEDダイ13は、支承フレーム142の断裂によって得られた支承断裂点を有する。図3Cに示されるように、一実施形態において、支承断裂点は、マイクロLEDダイ13の発光面13A上に位置する。図3Dに示されるように、一実施形態において、支承断裂点は、マイクロLEDダイ13の両電極130の間に位置する。しかし、本開示は、この限りではない。支承フレーム142は、マイクロLEDダイ13の任意の位置に接続され、よって、断裂後、各種位置の支承断裂点に留まる。たとえば、一実施形態において、支承断裂点は、マイクロLEDダイ13の側面に位置する。一実施形態において、支承断裂点は、マイクロLEDダイ13側面の対角線位置に位置する。一実施形態において、マイクロLEDダイ13は、複数の支承断裂点を有する。
【0021】
引き続き、図3Aを参照すると、一実施形態において、複数のマイクロLEDダイ13は、それぞれ、発光面13A、電極表面13B、および、複数の側面13Cを有する。電極表面13Bと発光面13Aは、互いに対向しており、且つ、複数の側面13Cは、電極表面13Bと発光面13Aの間に位置する。注意すべきことは、ここで、電極表面13Bというのは、マイクロLEDダイ13自身が電極130を設置する表面のことを指し、電極130の表面のことではない。一実施形態において、マイクロLEDダイ13の電極表面13Bは、電極130により、その他の電子素子と電気的に接続されるために配置され、且つ、発光面13Aは、光源の生成のために配置される。これらの実施形態において、マイクロLEDダイ13の電極表面13Bは、第一基板10を向き、発光面13Aは、第一基板10に背く。
【0022】
一実施形態において、マイクロLEDダイ13は、赤色LED、青色LED、あるいは、緑色LEDである。一実施形態において、赤色LED、青色LED、および、緑色LEDの発光面13Aは、粗化構造を有する。一実施形態において、マイクロLEDダイ13中の青色LED、あるいは、緑色LEDの発光面13Aは、均一な粗化構造を有する。図3Eを併せて参照すると、図3Eは、本発明のいくつかの実施形態による青色LED、および、緑色LEDの周期排列を有する凹凸紋様の上表面(すなわち、発光面13A)を示す図である。たとえば、青色LED、および、緑色LED自身は、パターン化されたサファイヤ基板(Patterned Sapphire Substrate、PSS)のようなエピタキシャル基板を有さず(たとえば、マイクロLEDダイ13は、半導体スタック層133を有するが、パターン化されたサファイヤ基板を有さない)、且つ、その発光面13Aは、レーザー光により、パターン化されたサファイヤ基板を剥離後に生成された周期的に排列された凹凸紋様を有する。具体的には、前述の凹凸紋様は、光線の取り出しを増加させるとともに、マイクロLEDダイ13の指向角を調整する。一実施形態において、マイクロLEDダイ13中の赤色LEDの発光面13Aは、不均一な粗化構造(たとえば、不均一な紋様)を有する。一実施形態において、化学エッチングを発光面13Aに施して、マイクロLEDダイ13中の赤色LEDの発光面13Aに、不均一な粗化構造を生成させる。
【0023】
注意すべきことは、図3A、および、後続の図面で、厚さが等しい複数のマイクロLEDダイ13が示されているが、本開示はこれに制限されないことである。一実施形態において、マイクロLEDダイ13は、異なる厚さを有してもよい。たとえば、マイクロLEDダイ13中の赤色LED、青色LED、および、緑色LEDの任意の二個は、異なる厚さを有することができる。たとえば、青色LEDと緑色LEDは、等しい厚さを有するが、青色LEDと赤色LEDは、異なる厚さを有することができ、且つ、緑色LEDと赤色LEDは、異なる厚さを有することができる。このような状況下で、後文中で設置される再分配層により、厚さが異なるこれらのマイクロLEDダイ13の発光面13Aを互いに同じ高さにして、好ましい表示効果を維持する。
【0024】
図3Aを続けて参照すると、一実施形態において、マイクロLEDダイ13と第一剥離層11の間に、更に、粘着層12を設置することができる。たとえば、先ず、粘着層12を、マイクロLEDダイ13上に設置するとともに、マイクロLEDダイ13を、粘着層12と一緒に、第一剥離層11上に転写させることができる。あるいは、先ず、粘着層12を、第一剥離層11上に設置するとともに、マイクロLEDダイ13を、粘着層12上に貼合することができる。一実施形態において、粘着層12は、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリベンゾオキサゾール(polybenzoxazole、PBO)、エポキシ樹脂(epoxy)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。
【0025】
図4に示されるように、一実施形態において、まず、マイクロLEDダイ13により被覆されていない粘着層12、および、第一剥離層11を除去する。たとえば、粘着層12、および/または、第一剥離層11の材料に基づいて、加熱、レーザー、UV光等の方式を使用して、粘着層12、および、第一剥離層11を除去するが、本開示はこれに制限されない。その他の実施形態において、物理方式を結合、あるいは、単独使用して、粘着層12、および、第一剥離層11を除去することもできる。上記の工程に続いて、透光層14を設置して、マイクロLEDダイ13の発光面13A、および、側面13Cを被覆する。たとえば、圧縮成形(compression molding)、ラミネート、トランスファー成形(transfer molding)、その他の適当な方法、あるいは、その組み合わせにより、覆うように(blanketly)、透光層14を、マイクロLEDダイ13上に形成して、マイクロLEDダイ13の発光面13A、および、側面13C、粘着層12の側面、第一剥離層11の側面、および、二個のマイクロLEDダイ13の間で露出する第一基板10を被覆する。
【0026】
一実施形態において、透光層14は、エポキシ樹脂(epoxy)、シリコーン(silicone)、ポリウレタン(polyurethane)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、透光層14のショアD(Shore D)は、90以下である。たとえば、透光層14のショアDは、90、80、70、60、50、40、30、あるいは、上述の数値の任意の範囲である。透光層14のショアDが90より大きい時、透光層14が固化する過程で、過大な応力によって、チップが引き裂かれる可能性がある。
【0027】
一実施形態において、マイクロLEDダイ13が発する光は、順に、発光面13A、透光層14から外向けに伝達される。よって、透光層14の光透過率(たとえば、可視光範囲の光透過率)は80%以上で、好ましい表示効果を提供するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、透光層14の光透過率は、80%、85%、90%、95%、100%、あるいは、上述の数値の任意の範囲である。
【0028】
図5に示されるように、一実施形態において、まず、第二基板16を、透光層14上に貼合するとともに、第一基板10を反転させる。たとえば、まず、第二剥離層15を、第二基板16上に設置して、さらに、第二剥離層15により、第二基板16を、透光層14上に貼合する。あるいは、先ず、第二剥離層15を、透光層14上に設置して、第二基板16を第二剥離層15上に貼合してもよい。
【0029】
一実施形態において、第二基板16は、IV族元素、あるいは、IV族化合物、例えば、シリコン、ダイヤモンド、炭化ケイ素、III-V族化合物、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第二基板16は、可撓性基材、軟性基材、剛性基材、あるいは、その組み合わせであるか、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第二基板16は、ガラス、石英、サファイヤ(sapphire)、セラミック、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第二基板16は、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、第二基板16は、サファイヤ基板である。一実施形態において、第二基板16は、透光基材、半透光基材、あるいは、不透光基材である、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第二基板16の材料は、第一基板10の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。
【0030】
一実施形態において、第二剥離層15は、熱剥離、UV剥離、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第二剥離層15の材料は、第一剥離層11の材料に類似する、あるいは、第一剥離層11の材料と同じであるが、本開示はこれに制限されない。
【0031】
上述の工程に続いて、第一基板10を除去する。一実施形態において、レーザー剥離(laser lift-off)工程、その他の適当な工程、あるいは、その組み合わせにより、第一基板10を除去するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、第一基板10とマイクロLEDダイ13間のゲル(存在する場合、ゲルは図示されない)を除去することにより、第一基板10を除去する。注意すべきことは、上述方法は単なる例であり、本開示は、この限りではないことである。その他のいくつかの実施形態において、物理破壊の方式により、直接、第一基板10の一部分を除去して、マイクロLEDダイ13と分けることもできる。
【0032】
図6に示されるように、一実施形態において、第一基板10を除去した後、第一剥離層11、粘着層12、および、一部分の透光層14を除去して、マイクロLEDダイ13の電極表面13B、および、側面13Cの一部分を露出する。一実施形態において、エッチング工程、研磨工程、その他の適当な工程、あるいは、その組み合わせにより、上述の材料を除去するが、本開示はこれに制限されない。
【0033】
一実施形態において、一部分の透光層14を除去した後、残りの透光層14の厚さt1とマイクロLEDダイ13の厚さt2の間の比率は、1:1~30:1の間であるが、本開示はこれに制限されない。たとえば、透光層14の厚さt1とマイクロLEDダイ13の厚さt2の間の比率は、1:1、3:1、5:1、7:1、10:1、15:1、20:1、25:1、上述の数値の間の任意の数値、あるいは、任意の数値範囲である。一実施形態において、透光層14の厚さt1とマイクロLEDダイ13の幅w1の間の比率は、30:1~0.4:1の間であるが、本開示はこれに制限されない。たとえば、透光層14の厚さt1とマイクロLEDダイ13の幅w1の間の比率は、30:1、20:1、15:1、10:1、5:1、2:1、1:1、0.4:1、上述の数値の間の任意の数値、あるいは、任意の数値範囲である。透光層14の厚さとマイクロLEDダイ13の厚さ/幅の間を、特定の関係にすることにより、効果的に、素子全体の表示効果を向上させることができる。
【0034】
図7に示されるように、一実施形態において、第一絶縁層17を、マイクロLEDダイ13の電極表面13B上に設置し、第一絶縁層17が、直接、マイクロLEDダイ13の電極表面13Bに接触するとともに、マイクロLEDダイ13の電極130を露出する。一実施形態において、マイクロLEDダイ13は、二個の電極130を有し、且つ、二個の電極130は互いに隔てられる。このような状況下で、第一絶縁層17は、二個の電極130の間のギャップを充填して、マイクロLEDダイ13の電極表面13Bが、電極130以外、完全に、第一絶縁層17に被覆されるようにする。一実施形態において、第一絶縁層17は、連続して、マイクロLEDダイ13の側面を環繞する。一実施形態において、第一絶縁層17は、連続で、マイクロLEDダイ13の電極130の側面を環繞する。
【0035】
一実施形態において、第一絶縁層17と透光層14の間に、第一接触面S1を有し、第一絶縁層17とマイクロLEDダイ13の電極表面13Bの間に、第二接触面S2を有し、且つ、第一接触面S1と第二接触面S2は、同一平面ではない。具体的には、前述の除去工程により、残った透光層14の水平高度を、電極表面13Bより低くし、これにより、第一接触面S1の図7中の水平高度は、第二接触面S2の水平高度より低く、且つ、第一絶縁層17に、更に、部分的に、マイクロLEDダイ13の側面13Cを被覆させる。第一絶縁層17に、部分的に、マイクロLEDダイ13の側面13Cを被覆させることにより、第一絶縁層17とマイクロLEDダイ13の間の接触面積を増加させて、二個の素子の間の密合度を増加させる。一実施形態において、第一絶縁層17は、連続して、マイクロLEDダイ13の一部分の側面13Cを環繞する。
【0036】
一実施形態において、第一絶縁層17は、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、シリコーン、二酸化ケイ素(silicon dioxide)、窒化ケイ素(silicon nitride)、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第一絶縁層17の材料は、透光層14の材料と異なる。別のいくつかの実施形態において、第一絶縁層17の材料は、透光層14の材料に類似してもよいが、両者の少なくとも一部の物理性質は異なる。たとえば、第一絶縁層17の硬度は、透光層14の硬度と異なってもよい。あるいは、第一絶縁層17の透光度は、透光層14の透光度と異なってもよい。
【0037】
一実施形態において、第一絶縁層17のショアD(Shore D)は、40以上である。たとえば、第一絶縁層17のショアDは、40、50、60、70、80、90、100、あるいは、上述の数値の任意の範囲である。第一絶縁層17のショアDが、上述の数値より小さい時、第一絶縁層17は、後続の過程において、応力のせいで、内向けに延伸して、チップを引き裂く可能性がある。
【0038】
一実施形態において、第一絶縁層17の光透過率(たとえば、可視光範囲の光透過率)は、70%以下である。たとえば、第一絶縁層17の光透過率は、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、あるいは、上述の数値の任意の範囲である。一実施形態において、第一絶縁層17の透光度は、透光層14の透光度より低くてもよい。一実施形態において、第一絶縁層17に、光吸收率が90%より大きい材料である、あるいは、それらを有させることにより、第一絶縁層17の光透過率を調整する。たとえば、第一絶縁層17中に、カーボンブラックなどの黒色分散粒子を添加して、第一絶縁層17の光透過率を10%より低くすることにより、第一絶縁層17を黒色にする。第一絶縁層17を黒色にすることにより、上面図中で、各マイクロLEDパッケージ構造中の黒色が占める割合を高め、これにより、素子全体の表示効果を向上させる。たとえば、マイクロLEDパッケージ構造を有するディスプレイ装置のコントラストを向上させることができる。一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造中の黒色が占める割合は、80%以上に達する。
【0039】
図8Aに示されるように、一実施形態において、複数の再分配層18を、第一絶縁層17上に設置し、さらに、再分配層18は、第一絶縁層17を通過して、それぞれ、マイクロLEDダイ13の電極表面13B上の電極130に電気的に接続される。
【0040】
一実施形態において、電気メッキなどのメッキ工程、スパッタリング、または、電子ビーム蒸着工程により、電極130上に、再分配層18を形成する。このような状況下で、再分配層18と電極130の間の接触表面は、明らかな境界を有してもよく、且つ、平坦表面でもよい。図8Bは、それぞれ、接合工程(bonding process)により接続された電極130と錫ペーストSPの間を示す図である。具体的には、接合工程で生成される粗造界面と比べると、たとえば、図8Bでは、電極130と錫ペーストSPは、ぼやけた界面を有する。図8Cは、電気メッキ、スパッタリング工程、あるいは、電子ビーム工程により接続された電極と再分配層の間を示す図である。電気メッキ、スパッタリング工程、あるいは、電子ビーム工程により形成される再分配層18と電極130の間の接触表面は、滑らかな界面(図8Cで示されるクリアな界面)を有する。つまり、再分配層18と電極130の間の接触表面の粗造度は、接合工程で生成される接触表面の粗造度より小さい。たとえば、再分配層18と電極130の間の接触表面の最大粗造度は1μmを超えないが、本開示はこれに制限されない。再分配層18と電極130の間の接触表面が明らかな境界を有し、且つ、平坦表面な表面を有するので、マイクロLEDパッケージ構造1の信頼度が向上する。
【0041】
一実施形態において、再分配層18は、共形で(conformally)、電極130の表面上に形成される。これにより、再分配層18は、電極130の表面形状に貼合する。たとえば、図8Cに示されるように、マイクロLEDダイ13の電極130は、上部130A、および、下部130Bを有し、且つ、上部130A、および、下部130Bは、段差を有する。このような状況下で、再分配層18は、上部130A、下部130B、および、両者間の段差に沿って、電極130上に設置されるとともに、電極130に似た形状を有する。
【0042】
図9に示されるように、一実施形態において、再分配層18は、垂直接続部18A、および、水平接続部18Bを有し、垂直接続部18Aは、マイクロLEDダイ13に電気的に接続され、且つ、水平接続部18Bは、その他の電子素子、例えば、後文で提示される導電素子20に電気的に接続される。一実施形態において、マイクロLEDダイ13の半導体スタック層の総厚さが互いに異なる時、再分配層18の垂直接続部18Aの延伸長さ(あるいは、厚さ)が異なる。よって、各マイクロLEDダイ13の発光面13Aが、実質上、同一平面になるとともに、各マイクロLEDダイ13が対応する再分配層18の水平接続部18Bが、実質上、同一平面になる。
【0043】
一実施形態において、再分配層18は、導電材料である、あるいは、導電材料を有する。たとえば、導電材料は、金属、金属化合物、その他の適当な導電材料、あるいは、その組み合わせを有するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、金属は、錫(Sn)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、あるいは、その合金である。たとえば、金属化合物は、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、ケイ化タングステン(WSi)、インジウムスズ酸化物(ITO)等である。
【0044】
図9に示されるように、一実施形態において、第二絶縁層19を、第一絶縁層17上に設置し、第二絶縁層19は、再分配層18を被覆する。つまり、再分配層18は、第二絶縁層19中に埋設される。一実施形態において、第二絶縁層19は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、シリコーン樹脂、酸化ケイ素、窒化ケイ素、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第二絶縁層19の材料は、第一絶縁層17の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。
【0045】
一実施形態において、第二絶縁層19の光透過率(たとえば、可視光範囲の光透過率)は、70%以下である。たとえば、第二絶縁層19の光透過率は、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、あるいは、上述の数値の任意の範囲である。一実施形態において、第二絶縁層19の透光度は、透光層14の透光度より小さくてもよい。一実施形態において、第二絶縁層19を、光吸收率が90%より大きい材料にする、あるいは、有させることにより、第二絶縁層19の光透過率を調整する。たとえば、第二絶縁層19中に、カーボンブラック等の黒色分散粒子を添加することにより、第二絶縁層19の光透過率を10%より低くして、これにより、第二絶縁層19を黒くする。第二絶縁層19を黒くすることにより、上面図中で、各マイクロLEDパッケージ構造中の黒色の割合を増加させ、これにより、素子全体の表示効果を向上させる。
【0046】
一実施形態において、第二絶縁層19の光透過率は、第一絶縁層17の光透過率より大きい。たとえば、第一絶縁層17は、不透明の黒色にできるとともに、第二絶縁層19を、透明、あるいは、半透明の任意の色にすることができる。このような状況下で、上面図中で、各マイクロLEDパッケージ構造中の黒色の高い割合を維持することができる。一実施形態において、黒色の高い割合は、80%以上であるが、本開示は、この限りではない。一実施形態において、第一絶縁層17を、不透明の黒色にすることができるとともに、第二絶縁層19を、半透明、あるいは、不透明の黒色にすることができ、上面図中で、さらに、各マイクロLEDパッケージ構造中の黒色の高い割合を増加させる。
【0047】
図10に示されるように、設置複数の導電素子20を、第二絶縁層19、および、再分配層18上に設置し、導電素子20と再分配層18を電気的に接続する。一実施形態において、導電素子20は、ボンデイングパッドであるが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、導電素子20は、導電材料であるか、あるいは、それを有する。たとえば、導電材料は、金属、金属化合物、その他の適当な導電材料、あるいは、その組み合わせを有するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、金属は、錫、銅、金、銀、ニッケル、インジウム、プラチナ、パラジウム、イリジウム、チタン、クロム、タングステン、アルミニウム、モリブデン、マグネシウム、亜鉛、ゲルマニウム、あるいは、その合金である。たとえば、金属化合物は、窒化タンタル、窒化チタン、ケイ化タングステン、インジウムスズ酸化物等である。一実施形態において、導電素子20の材料は、再分配層18の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。
【0048】
図11に示されるように、一実施形態において、ハードマスク層21を、第二絶縁層19上に設置し、ハードマスク層21は、導電素子20を囲繞する。一実施形態において、リソグラフィ工程、その他の適当な工程、あるいは、その組み合わせにより、パターン化されたハードマスク層21を形成するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、ハードマスク層21は、酸化ケイ素を有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、ハードマスク層21は、第二絶縁層19の一部分を露出して、露出した第二絶縁層19を、カット領域にして、後続の工程で使用する。一実施形態において、三個のマイクロLEDダイ13を一組として定義するとともに、多組のマイクロLEDダイ13の間の第二絶縁層19を露出させる(即ち、ハードマスク層21により被覆されない)。注意すべきことは、上述の数量は単なる例であり、本開示は、この限りではないことである。
【0049】
図12に示されるように、ハードマスク層21を保護層として、一組の(たとえば、図12中で示される三個)マイクロLEDダイ13ともう一組の(図示しない)マイクロLEDダイ13の間の第二絶縁層19、および、その下の第一絶縁層17、透光層14、および、第二剥離層15に対して、第二基板16まで、カッティングを施す。たとえば、プラズマダイシング(plasma dicing)を使用して、上述の工程を実行することができるが、本開示はこれに制限されない。その他の実施形態において、レーザー、刀具、その他の適当な方式や工具、あるいは、その組み合わせ等を用いて、二組のマイクロLEDダイ13の間のカッティング工程を実行することもできる。一実施形態において、一個の第二基板16上に、複数組のマイクロLEDダイ13が存在し、且つ、一組のマイクロLEDダイ13の透光層14、第一絶縁層17、および、第二絶縁層19を被覆し、このカッティング工程を経た後、もう一組のマイクロLEDダイ13を被覆する対応素子と互いに分離される (連続しない)。
【0050】
図13、および、図14に示されるように、一実施形態において、まず、第三基板23を、導電素子20上に貼合するとともに、第二基板16を反転させる。たとえば、まず、第三剥離層22を、第三基板23上に設置し、さらに、第三剥離層22により、第三基板23を、導電素子20上に貼合する。あるいは、まず、第三剥離層22を、導電素子20上に設置し、第三基板23を、第三剥離層22上に貼合することもできる。
【0051】
一実施形態において、第三基板23は、IV族元素、あるいは、IV族化合物、例えば、シリコン、ダイヤモンド、炭化ケイ素、III-V族化合物、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGan)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第三基板23は、可撓性基材、軟性基材、剛性基材、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第三基板23は、ガラス、石英、サファイヤ(sapphire)、セラミック、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第三基板23は、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、第三基板23は、サファイヤ基板である。一実施形態において、第三基板23は、透光基材、半透光基材、あるいは、不透光基材である、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第三基板23の材料は、第一基板10の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第三剥離層22は、熱剥離、UV剥離、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第三剥離層22の材料は、第一剥離層11の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。
【0052】
上述の工程に続いて、第二基板16を除去する。たとえば、第二剥離層15の種類に基づいて、加熱、UV光、レーザー等の方式により、第二剥離層15に粘着性を喪失させて、その上の第二基板16を除去する。続いて、物理方式、あるいは、化学方式により、第二剥離層15を除去する。注意すべきことは、同一工程中で、適当な工程を用いて、同時に、第二剥離層15と第二基板16を除去することもでき、上述の方式に制限されないことである。
【0053】
図15に示されるように、一実施形態において、第三基板23を除去する。たとえば、第三剥離層22の種類に基づいて、加熱、UV光、レーザー等の方式により、第三剥離層22に、粘着性を喪失させて、移除その上の第三基板23を除去する。続いて、物理方式、あるいは、化学方式により、第三剥離層22を除去する。注意すべきことは、注意すべきことは、同一工程中で、適当な工程を用いて、同時に、第三剥離層22と第三基板23を除去することもでき、上述の方式に制限されないことである。
【0054】
図16を併せて参照すると、図16は、本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の上視図であり、且つ、図15は、図16中のA-A’に沿った断面図である。図16に示されるように、上述の工程を経た後、マイクロLEDパッケージ構造1を形成する。一実施形態において、導電素子20は、負極の導電素子20b、あるいは、正極の導電素子20aである。マイクロLEDパッケージ構造1中、並べて配置された三個のマイクロLEDダイ13を有し、且つ、各マイクロLEDダイ13の一個の電極130は、共同で、一個のコモン負極の導電素子20bに電気的に接続され、各マイクロLEDダイ13のもう一個の電極130は、各自、正極の導電素子20aに接続される。一実施形態において、上視図中、導電素子20の形状は同じでもよい。一実施形態において、上視図中、導電素子20の形状は、異なってもよい。一実施形態において、コモンの導電素子20の形状は正方形であり、且つ、一個の三角形ノッチを有し、その他の非コモンの導電素子20の形状は正方形である。一実施形態において、コモンの導電素子20の三角形ノッチは、正方形の左上角、右上角、左下角、あるいは、右下角に位置する。一実施形態において、コモンの導電素子20の形状は正方形で、二個の三角形ノッチを有する。注意すべきことは、図16で示されるは単なる例であり、本開示は、この限りではないことである。その他の実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造1は、三個より多い、あるいは、三個より少ないマイクロLEDダイ13を有し、且つ、複数のマイクロLEDダイ13は、個別で、異なる導電素子20に接続される。一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造1中のマイクロLEDダイ13の電極接続方式は、前述と異なってもよい。たとえば、各マイクロLEDダイ13の一個の電極130は、共同で、一個のコモン正極の導電素子に接続され、各マイクロLEDダイ13のもう一個の電極130は、各自、負極の導電素子(図示しない)に接続される。
【0055】
上述の工程により、工程が簡潔なマイクロLEDパッケージ構造1を実現することができる。一方、第一絶縁層17に、大面積で、且つ、部分的に横向けに、マイクロLEDダイ13を被覆させることにより、マイクロLEDダイ13周囲の応力制御を確保するとともに、マイクロLEDダイ13とその他の素子の間により優れた絶縁性を有させ、これにより、高い歩留まりを有するマイクロLEDパッケージ構造1を実現する。このほか、単一のマイクロLEDダイ13に対する電気特性テストと比較して、マイクロLEDパッケージ構造1を単位として、電気特性テストを実行することにより、テスト接点が、小面積の六個の電極130から、大面積の四個の導電素子20に移行するので、テストの難易度が大幅に減少し、テストにかかる費用が削減される。
【0056】
図17図21は、それぞれ、本発明のもう一つの実施形態による形成方法における各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。注意すべきことは、図17は、図9の後続工程を受けたもので、その前のすべての工程は、皆、図1図9で示されるので、ここで詳述しない。このほか、前述の工程に類似する工程も、ここで詳述しない。本実施形態と前述の実施形態の主な差異は、本実施形態の導電素子24が、前述の実施形態中のボンデイングパッドではなくて、金属柱であることである。注意すべきことは、金属柱の導電素子24を使用して、金属層の厚度さと体積を増加させることができ、電流の分配、LEDの冷却、応力の放出、後続のダイボンディング時の圧力緩和、および部品の寿命の改善に大きな利益がもたらされる。一実施形態において、金属柱の導電素子24は、電気メッキ、蒸着、スクリーン印刷、真空スプレイ等の方法を用いて形成し、その厚さは、前述のもう一種の実施形態中のボンデイングパッドの導電素子20の数倍から、数十倍である。一実施形態において、金属柱の導電素子24の厚さは、5μm~100μmである。
【0057】
図9を引き続き参照し、図17に示されるように、一実施形態において、複数の導電素子24を、第二絶縁層19、および、再分配層18上に設置し、導電素子24と再分配層18は、電気的に接続する。一実施形態において、導電素子24は、金属柱であるが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、導電素子24の材料は、再分配層18の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。
【0058】
一実施形態において、更に、充填材料層25を、第二絶縁層19上に設置し、充填材料層25は、導電素子24を囲繞する。一実施形態において、充填材料層25は、ポリイミド(PI)、エポキシ樹脂(epoxy)、その他の適当な材料、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。
【0059】
一実施形態において、充填材料層25の光透過率(たとえば、可視光範囲の光透過率)は、70%以下である。たとえば、充填材料層25の光透過率は、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、あるいは、上述の数値の任意の範囲である。
一実施形態において、充填材料層25を、光吸收率が90%より大きい材料にする、あるいは、有させることにより、充填材料層25の光透過率を調整する。たとえば、充填材料層25中に、カーボンブラック等の黒色分散粒子を添加することにより、充填材料層25の光透過を10%より小さくすることにより、充填材料層25を黒く見せる。充填材料層25を黒色く見せることにより、光学上で、充填材料層25下方の位置する素子(たとえば、再分配層18)を遮蔽して、後続の接合(bonding)工程中で、たとえば、撮影装置の光学設備が、更に、導電素子24とその他の電子素子の間の照準を行いやすくする。
【0060】
一実施形態において、充填材料層25は、高い光吸收率の材料である、あるいは、それを有する。
一実施形態において、充填材料層25の光吸收率は、第二絶縁層19の光吸收率より大きい。
【0061】
図18に示されるように、一実施形態において、上記に類似して、一組の(たとえば、図18で示される三個)マイクロLEDダイ13ともう一組の(図示しない)マイクロLEDダイ13の間の充填材料層25、および、その下の第二絶縁層19、第一絶縁層17、透光層14、および、第二剥離層15に対してカッティングを施す。たとえば、プラズマダイシング(plasma dicing)を使用して、上述の工程を実行できるが、本開示はこれに制限されない。その他の実施形態において、たとえば、レーザー、刀具、その他の適当な方式、あるいは、工具、あるいは、その組み合わせを使用して、二組のマイクロLEDダイ13の間のカッティング工程を実行することもできる。
【0062】
図19、および、図20に示されるように、一実施形態において、まず、第三基板23を、導電素子24上に貼合するとともに、第二基板16を反転させる。たとえば、まず、第三剥離層22を第三基板23上に設置し、第三剥離層22により、第三基板23を、導電素子24上に貼合する。あるいは、先ず、第三剥離層22を、導電素子24上に設置して、第三基板23を、第三剥離層22上に貼合することもできる。上述の工程に続いて、第二基板16を除去する。
【0063】
図21に示されるように、一実施形態において、第三基板23を除去する。たとえば、第三剥離層22の種類に基づいて、加熱、UV光、レーザー等の方式により、第三剥離層22に、粘着性を喪失させて、その上の第三基板23を除去する。続いて、物理方式、あるいは、化学方式により、第三剥離層22を除去する。注意すべきことは、同一工程中で、適当な工程を用いて、同時に、第三剥離層22と第三基板23を除去することもでき、上述の方式に制限されないことである。
【0064】
この実施形態が、上述の実施形態の長所を有する以外に、この実施形態の導電素子24は、さらに大きい体積を有し、これにより、その他の素子との間の良好な電気的接続を実現することができる。図22を併せて参照すると、図22は、本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の上視図であり、且つ、図22は、図21中の線B-B’に沿った断面図である。一実施形態において、上視図中、導電素子24の形状は同じである。一実施形態において、上視図中、導電素子24の形状は異なる。一実施形態において、コモンの導電素子24の形状は正方形で、一個の三角形ノッチを有し、その他の非コモンの導電素子24の形状は正方形である。一実施形態において、コモンの導電素子24の三角形ノッチは、正方形の左上角、右上角、左下角、あるいは、右下角に位置する。一実施形態において、コモンの導電素子24の形状は正方形であり、二個の三角形ノッチを有する。注意すべきことは、本開示は、導電素子の具体的な形状、尺寸や材料等に制限されず、当業者なら、必要に応じて、適当な導電素子を選択して、上述の導電素子20、および/または、導電素子24、および/または、導電素子37を代替することができることである。
【0065】
上文中、すでに、本発明のいくつかの実施形態に基づいて、特定の再分配構造を有するマイクロLEDパッケージ構造、および、その形成方法をほぼ描写している。上記のマイクロLEDパッケージ構造は、再分配ラスト(RDL last)方式で製造される。以下の文で、本発明のもう一つの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造のいくつかの変化例を示し、および、もう一種の再分配ラスト方式で製造されるマイクロLEDパッケージ構造を描写する。具体的には、以下の各種実施形態と前述の実施形態の主な差異は、以下の実施形態中のマイクロLEDパッケージ構造が、更に、余分の素子、あるいは、特徴を有する、あるいは、異なる形成順序で、各種素子や特徴を形成することができる。
【0066】
図23A図23Cは、本発明のさらにいくつかの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造は、さらに、反射構造(たとえば、以下の反射構造26a~反射構造26c)を有し、且つ、反射構造は、マイクロLEDダイ13の周囲に設置される。
【0067】
図23Aに示されるように、反射構造26aは、マイクロLEDダイ13の周囲に環繞設置される。一実施形態において、反射構造26aの底表面は、マイクロLEDダイ13の電極表面13Bと同一平面でもよいが、本開示はこれに制限されない。あるいは、図23Bに示されるように、反射構造26bは、共形で、マイクロLEDダイ13の下表面(たとえば、電極表面13B)上、および、二個のマイクロLEDダイ13の間に設置されるとともに、マイクロLEDダイ13の電極130を露出する。このような状況下で、反射構造26bは、反射構造26aよりさらに大きい被覆面積を有して、さらに好ましい光反射效果を達成する。
【0068】
一実施形態において、反射構造26a、あるいは、反射構造26bは、反射材料を有する。たとえば、反射材料は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、その類似物、あるいは、その組み合わせを有するが、本開示はこれに制限されない。あるいは、反射材料は、白色塗料やその他の白色材料、その類似物、あるいは、その組み合わせである、あるいは、それらを有するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、第一絶縁層17の形成前(たとえば、図6の形成工程中)、電気メッキ、化学気相蒸着、スパッタリング(sputtering)、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、その他の適当な形成工程、あるいは、その組み合わせにより、マイクロLEDダイ13上に、反射構造26a、あるいは、反射構造26bを形成することができる。一実施形態において、反射構造26a、あるいは、反射構造26bは、異なる屈折率を有する複数の膜層を有して、分布フラッグ反射素子(distributed Bragg reflector)を形成する。
【0069】
あるいは、図23Cに示されるように、反射構造26cを設置して、第一絶縁層17を代替してもよい。このような状況下で、マイクロLEDパッケージ構造は、第一絶縁層を有さず、且つ、反射構造26cは、同時に、電気的隔離と光線の反射に用いられる。一実施形態において、直接、反射材料を設置して、第一絶縁層17を代替することができる。たとえば、図7の形成工程中、誘電材料を設置せず、よって、第一絶縁層17を形成しないとともに、反射材料を設置することにより、反射構造26cを形成する。このような状況下で、反射構造26cに、異なる屈折率の複数の膜層を有させて、分布フラッグ反射素子(distributed Bragg reflector)を形成する。
【0070】
図24A、および、図24Bは、本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造の透光層14は、粗化構造を有して、表示効果を向上させる。たとえば、凹凸不平な表面や特定の弧度を有する表面により、マイクロLEDダイ13の光線を収束、あるいは、散乱させる。図24Aに示されるように、透光層14は、不規則な粗化表面14s2を有する。このような状況下で、マイクロLEDダイ13から発射される光線は、粗化表面14s2の影響を受けて分散し、光線を均一に発散させる。
【0071】
図24Bに示されるように、透光層14は、規則的な粗化表面14s3を有してもよい。たとえば、透光層14は、複数のレンズユニットを有し、複数のレンズユニットは、アレイで、透光層14の粗化表面14s3上から突出する。しかし、本開示は、この限りではない。その他の実施形態において、透光層14の複数のレンズユニットの数量は、マイクロLEDダイ13の数量と対応する。たとえば、マイクロLEDダイ13の数量が3個の時、レンズユニットの数量も3個である。このような状況下で、複数のレンズユニットは、各自、一個のマイクロLEDダイ13に対応するとともに、マイクロLEDダイ13上に設置されて、光線の制御效果を実現する。
【0072】
一実施形態において、透光層14上に、光学層(図示しない)を設置して、マイクロLEDダイ13が発射する光線の透光層14に対する光透過度を向上させることもできる。図24C、および、図24Dは、本発明のさらに別の実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。図24Dは、図24C中の領域Aの拡大図である。図のように、開示中、導電素子24の第二絶縁層19に隣接する位置は、内凹構造CSを有し、且つ、充填材料層25が、導電素子24を環繞するとともに、導電素子24の内凹構造CS中に充填される。一実施形態において、内凹構造CSは、導電素子24の両端に位置し、且つ、充填材料層25は、導電素子24両端に位置する内凹構造CS中に充填される。一実施形態において、内凹構造CSは、導電素子24の周縁に、環形で設置され、且つ、充填材料層25は、導電素子24周縁に位置する内凹構造CS中に充填される。一実施形態において、内凹構造CSは、導電素子24の辺縁から、導電素子24の内部に向かって、徐々に先端を形成する。一実施形態において、断面中、内凹構造CSは、錘状である。いくつかの実施形態において、充填材料層25は、充填物250(たとえば、図24D中的黒色部分)、および、拡散粒子251(Filler)(たとえば、図24D中の白色部分)を有する。いくつかの実施形態において、拡散粒子は、二酸化チタン (TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化ホウ素 (BN)、酸化アルミニウム(Al)、あるいは、ジルコニア (ZrO)を有する。いくつかの実施形態において、拡散粒子は、中空の二酸化ケイ素(SiO)、あるいは、実心の二酸化ケイ素(SiO)が含まれる。いくつかの実施形態において、充填材料層25は、二種以上の異なる尺寸の拡散粒子を有する。たとえば、充填材料層25は、二種の異なる尺寸、三種の異なる尺寸、四種の異なる尺寸、あるいは、五種異なる尺寸以上の拡散粒子を有する。いくつかの実施形態において、拡散粒は、球形や長方形である。いくつかの実施形態において、充填材料層25は、二種以上の異なる半径の球形の拡散粒子を有する。いくつかの実施形態において、充填材料層25は、内凹構造CSの領域を充填し、充填物250だけを有してもよい。いくつかの実施形態において、充填材料層25は、内凹構造CSの領域を充填し、充填物250、および、拡散粒子251(Filler)を有することができる。
【0073】
一実施形態において、内凹構造CSは、導電素子24の種晶層と導電素子24自身の間の界面を形成することにより生成される構造特徴であるが、本開示はこれに制限されない。この構造特徴により、導電素子24と充填材料層25の間の付着力を増加させることができる(たとえば、接触面積を増加させる)。充填材料層25は、導電素子24に位置する内凹構造CS中に充填され、マイクロLEDパッケージ構造の信頼度を向上させることができる。図25図38は、それぞれ、本発明のさらにいくつかの実施形態による形成方法の各階段のマイクロLEDパッケージ構造の断面図である。注意すべきことは、図25図38で示される素子や部品の材料や功能は、それぞれ、図1図22で示される素子や部品の材料や功能に類似、あるいは、同じであるので、ここで詳述しない。たとえば、第一基板30は、第一基板10に類似する、あるいは、同じである。第一絶縁層34は、第一絶縁層17に類似する、あるいは、同じである。充填材料層38は、充填材料層25に類似する、あるいは、同じである。このほか、前述の工程と類似する工程も、ここで詳述しない。本実施形態と前述の実施形態の主な差異は、本実施形態の形成方法の工程と前述の実施形態が異なることである。
【0074】
図25に示されるように、第一基板30を提供する。図26に示されるように、一実施形態において、第一剥離層(debond layer)31を、第一基板30上に設置する。図26に示されるように、粘着層32を、第一剥離層31上に設置し、且つ、複数のマイクロLEDダイ33を、粘着層32上に並べて配置する。図27に示されるように、これらの実施形態において、マイクロLEDダイ33の発光面33Aは、第一基板30に向き、電極表面33Bは、第一基板30に背く。つまり、マイクロLEDダイ33の発光面33Aは、粘着層32に向くとともに、粘着層32と接触する。
【0075】
図28に示されるように、粘着層32の一部分を除去する。具体的には、たとえば、エッチングの除去工程により、粘着層32がマイクロLEDダイ33により遮蔽されていない部分を除去することができる。
【0076】
図29に示されるように、第一絶縁層34を、マイクロLEDダイ33の電極表面33B上に設置し、第一絶縁層34は、マイクロLEDダイ33の電極表面33B、および、側面33Cに直接接触するとともに、マイクロLEDダイ33の電極330を露出する。一実施形態において、第一絶縁層34は、連続で、途切れることなく、マイクロLEDダイ33の側面33Cを囲繞する。一実施形態において、マイクロLEDダイ33の厚さが異なる時、たとえば、赤色マイクロLEDダイ、青色マイクロLEDダイ、緑色マイクロLEDダイの厚さは異なる。マイクロLEDダイ33上に、第一絶縁層34を形成するとともに、マイクロLEDダイ33の電極330を露出するホール340の深さを異ならせる。一実施形態において、マイクロLEDダイ13中の赤色LED、青色LED、および、緑色LEDの任意の二者は、異なる厚さを有する。たとえば、青色LEDと緑色LEDは、同じ厚さを有するが、青色LEDと赤色LEDは、異なる厚さを有し、且つ、緑色LEDとLEDは、異なる厚さを有する。後述の文中で設置される再分配層により、厚さが異なるこれらのマイクロLEDダイ13の発光面13Aを互いに均等にして、好ましい表示効果を維持する。一実施形態において、青色LED、緑色LEDの厚さは、赤色LEDより厚い。
【0077】
図30に示されるように、複数の再分配層35を、第一絶縁層34上に設置し、再分配層35は、第一絶縁層34を通過して、それぞれ、マイクロLEDダイ33の電極表面33B上の電極330に電気的に接続される。上記に類似して、再分配層35の垂直接続部35Aの延伸長さ(あるいは、厚さ)は異なる。これにより、各マイクロLEDダイ33の発光面33Aを、実質上、同一平面にするとともに、各マイクロLEDダイ33が対応する再分配層35の水平接続部35Bを、実質上、同一平面にする。
【0078】
一実施形態において、マイクロLEDダイ33の厚さが同じとき、たとえば、赤色LED、青色LED、LEDダイの厚さは同じである。
【0079】
一実施形態において、マイクロLEDダイ33の厚さが同じ時、マイクロLEDダイ33上に、第一絶縁層34を形成するとともに、マイクロLEDダイ33の電極330を露出するホール340の深さを同じにする。複数の再分配層35を、第一絶縁層34上に設置し、再分配層35が、第一絶縁層34を通過して、それぞれ、マイクロLEDダイ33の電極表面33B上の電極330に電気的に接続される。再分配層35の垂直接続部35Aの延伸長さ(あるいは、厚さ)は互いに同じである。これにより、各マイクロLEDダイ33の発光面33Aを、実質上、同一平面にするとともに、各マイクロLEDダイ33が対応する再分配層35の水平接続部35Bを、実質上、同一平面にする。
【0080】
図31に示されるように、第二絶縁層36を、第一絶縁層34上に設置し、第二絶縁層36が、再分配層35を被覆する。つまり、再分配層35は、第二絶縁層36中に埋設される。
【0081】
図32に示されるように、複数の導電素子37を、第一絶縁層34、および、再分配層35上に設置し、導電素子37と再分配層35は電気的に接続する。一実施形態において、導電素子37は、金属柱であるが、本開示はこれに制限されない。
【0082】
図33に示されるように、充填材料層38を第二絶縁層36上に設置し、充填材料層38は、導電素子37を囲繞し、且つ、完全に被覆する。
【0083】
図34に示されるように、充填材料層38の一部分を除去して、導電素子37の上表面を露出する。たとえば、たとえば、化学機械研磨、エッチング、その他の適当な方法、あるいは、その組み合わせの方式により、充填材料層38を除去するが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、導電素子37の上表面を露出後、充填材料層38の上表面と導電素子37が、同一平面になる。
【0084】
図35に示されるように、導電パッド39を、導電素子37上に設置し、且つ、導電パッド39の上表面と充填材料層38の上表面は、異なる平面である。導電パッド39は、導電素子37に電気的に接続される。一実施形態において、導電パッド39は、垂直方向上で、導電素子37、および、一部の充填材料層38を被覆する。つまり、上視方向で、導電パッド39は、導電素子37に重なるとともに、直接接触し、且つ、導電パッド39の端部、あるいは、周縁は、重なるとともに、充填材料層38の一部分と直接接触する。一実施形態において、導電パッド39の上面積は、導電素子37の上面積より大きい。これにより、上視方向で、導電パッド39は、導電素子37と完全に重なるとともに、直接接触し、且つ、導電パッド39の二個の端部、あるいは、全周縁が、充填材料層38の一部分と重なるとともに、直接接触する。図39を併せて参照すると、図39は、本発明のいくつかの実施形態によるマイクロLEDパッケージ構造の上視図であり、且つ、図39は、図38中のC-C’に沿った断面図である。一実施形態において、導電パッド39の数量は四個であり、そのうちの一個が、コモンの導電パッド39である。一実施形態において、上視図中、導電パッド39の形状は同じでもよい。一実施形態において、上視図中、導電パッド39の形状は、異なってもよい。一実施形態において、コモンの導電パッド39の形状は正方形で、且つ、一個の三角形ノッチを有し、その他の非コモンの導電パッド39の形状は正方形である。一実施形態において、コモンの導電パッド39の三角形ノッチは、正方形の左上角、右上角、左下角、あるいは、右下角に位置することができる。一実施形態において、コモンの導電パッド39の形状は正方形で、且つ、二個の三角形ノッチを有する。
【0085】
一実施形態において、上視方向上で、導電パッド39は、再分配層35と重なる。一実施形態において、上視方向上で、いくつかのマイクロLEDダイ33は、二個の導電パッド39と重なり、たとえば、その配置方式は、図16に類似するが、本開示はこれに制限されない。注意すべきことは、図1図22の実施形態は、特に導電パッドを示していないが、本実施形態の導電パッドを、前述の実施形態に応用することもできる。
【0086】
一実施形態において、導電パッド39は、導電材料である、あるいは、導電材料を有する。たとえば、導電材料は、金属、金属化合物、その他の適当な導電材料、あるいは、その組み合わせを有するが、本開示はこれに制限されない。たとえば、金属は、錫(Sn)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、インジウム (In)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン (W)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、あるいは、その合金である。たとえば、金属化合物は、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、ケイ化タングステン(WSi)、インジウムスズ酸化物(ITO)等である。
【0087】
図36に示されるように、第一基板30を反転させるとともに、第一基板30を除去する。たとえば、第一剥離層31の種類に基づいて、加熱、UV光、レーザー等の方式により、第一剥離層31に、粘着性を喪失させて、その上の第一基板30を除去する。
【0088】
図37に示されるように、粘着層32、および、第一絶縁層34の一部分を除去して、マイクロLEDダイ33の発光面33Aを露出する。たとえば、エッチング、研磨、その他の適当な方法、あるいは、その組み合わせ等の除去工程により、粘着層32、および、第一絶縁層34の一部分を除去する。粘着層32、および、第一絶縁層34の一部分を除去した後、第一絶縁層34の上表面34Aは、発光面33Aと同一平面であるが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、粘着層32、および、第一絶縁層34の一部分を除去して、第一絶縁層34の上表面34Aが、発光面33Aより低くなるまで、発光面33A上の粘着層32を確実に、完全に除去する。このような状況下で、第一絶縁層34の上表面34Aは、マイクロLEDダイ33の側面33Cに接触する。一実施形態において、第一絶縁層34は、連続で、マイクロLEDダイ33の側面33Cを囲繞する。第一絶縁層34は、マイクロLEDダイ33の電極330の間に充填される。よって、粘着層32、および、第一絶縁層34の一部分を除去する前述の工程前に、第一絶縁層34は、マイクロLEDダイ33を脱落させない。また、粘着層32、および、第一絶縁層34の一部分の除去工程後、第一絶縁層34は、マイクロLEDダイ33を、マイクロLEDパッケージ構造1中に固定する。図38に示されるように、透光層40を設置して、マイクロLEDダイ33の発光面33Aを被覆して、マイクロLEDパッケージ構造1を形成する。一実施形態において、第一絶縁層34の上表面34Aが、発光面33Aより低い時、透光層40は、マイクロLEDダイ33の発光面33A、および、側面33Cを被覆することができる。一実施形態において、透光層40の側面、第一絶縁層34の側面、第二絶縁層36と充填材料層38は、同一平面である。一実施形態において、マイクロLEDパッケージ構造1は、立方体、あるいは、直方体である。
【0089】
図40は、本発明のいくつかの実施形態によるディスプレイモジュールを示す図である。マイクロLEDパッケージ構造1は、画素ユニットとして、ディスプレイ装置中に応用される。一実施形態において、本発明のマイクロLEDパッケージ構造1は、ディスプレイモジュール2中に応用されるとともに、画素ユニットとして使用する。図38に示されるように、ディスプレイモジュール2は、マイクロLEDパッケージ構造1、プリント回路基板PCBを有する。マイクロLEDパッケージ構造1は、プリント回路基板PCBに電気的に接続される。一実施形態において、接合材料により、マイクロLEDパッケージ構造1とプリント回路基板PCBを電気的に接続する。一実施形態において、パッケージ材料ELを使用して、これらのマイクロLEDパッケージ構造1を被覆して、一個のディスプレイモジュール2を形成する。一実施形態において、パッケージ材料ELの材料は、透光層14、40の材料に類似する、あるいは、同じであるが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、パッケージ材料の材料は、透光層14、40の材料と異なるが、本開示はこれに制限されない。一実施形態において、パッケージ材料ELは、透明の材料であるが、本開示はこれに制限されない。
【0090】
注意すべきことは、図40は、ディスプレイモジュール2の可能な構造、および、その配置を示しているが、本開示はこれに制限されないことである。その他の実施形態において、本発明のマイクロLEDパッケージ構造1は、当業者なら熟知している各種ディスプレイモジュール中に応用することができる。一実施形態において、本発明のディスプレイモジュール2は、各種尺寸のディスプレイ装置に接合することができる。
【0091】
図41は、本発明のいくつかの実施形態によるスプライシングディスプレイ装置を示す図である。一実施形態において、本発明のマイクロLEDパッケージ構造1は、ディスプレイモジュール2中に応用することができ、且つ、複数のディスプレイモジュール2は、複数のディスプレイ装置中に応用することができる。図のように、複数のディスプレイモジュール2を有する複数のディスプレイ装置を、共同で、スプライシングディスプレイ装置に応用することができる。
【0092】
この実施例における部品は、発明の精神に適合し、かつ衝突しない限り、任意に組み合わせて使用することができる。また、本開示の保護範囲は、説明書内で特定の実施例に限定される製造方法、機器、製造、物質組成、装置、方法、および、手順に限定されない。当業者は、本開示の内容から、現在、または、将来に開発される製造方法、機器、製造、物質組成、装置、方法、および手順を理解することができる。これらは、本実施例において本質的に同等の機能を実施するか、本質的に同等の結果を得ることができる場合、本開示に基づいて使用することができる。したがって、本開示の保護範囲は、上記の製造方法、機器、製造、物質組成、装置、方法、および手順を含む。本開示の任意の実施例、または、請求項は、本開示に公開されたすべての目的、利点、および/または、特徴を達成する必要はない。
【0093】
上述は、いくつかの実施例を概説することで、当業者が本開示された実施例の視点をより理解できるようにするためのものである。当業者が理解すべきことは、本開示された実施例を基にして、他のプロセスや構造を設計または変更し、ここで紹介された実施例と同じ目的や利点を達成することが可能であることである。当業者が理解すべきことは、このような同等のプロセスや構造が、本開示の精神や範囲から逸脱していないことであり、そして、本開示の精神や範囲を侵害しない範囲で、さまざまな変更、代替、および、置換が行われ得る。
【符号の説明】
【0094】
1 マイクロLEDパッケージ構造、2 ディスプレイモジュール、10,30 第一基板、11,31 第一剥離層、12,32 粘着層、13,33 マイクロLEDダイ、13A,33A 発光面、13B,33B 電極表面、13C,33C 側面、14 透光層、14s2,14s3 粗化表面、15 第二剥離層、16 第二基板、17,34 第一絶縁層、18,35 再分配層、18A,35A 垂直接続部、18B,35B 水平接続部、19,36 第二絶縁層、20,20a,20b,24,37 導電素子、21 ハードマスク層、22 第三剥離層、23 第三基板、25,38 充填材料層、26a,26b,26c 反射構造、39 導電パッド、40 透光層、130 電極、130A 上部、130B 下部、131 第一反射層、132 第二反射層、133 半導体スタック層、140 犠牲層、142 支承フレーム、160 搭載基板、170 粘着層、330 電極、340 孔洞、A 領域、A-A’,B-B’,C-C’ 線、EL パッケージ材料、PCB プリント回路基板、S1 第一接触面、S2 第二接触面、SP 錫ペースト、t1,t2 厚さ、w1 幅。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
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図6
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図8B
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図9
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図23C
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図24B
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