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  • 特開-空気供給モジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155883
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】空気供給モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20241024BHJP
【FI】
H01M8/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024068308
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】10 2023 203 636.3
(32)【優先日】2023-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジモン フント
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AC07
5H127BB02
5H127BB23
5H127BB34
5H127BB39
5H127EE15
5H127EE17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吸気冷却器と空気加湿器を備えたコンパクトな構造形態の燃料電池システム用空気供給モジュールを提供する。
【解決手段】空気供給モジュール1が、冷却器出口4と新空気入口6とに流体接続されている新空気分配器10を有し、給気冷却器2が、冷却器ハウジング11と、この冷却器ハウジング11内に配置された熱交換器ブロック12とを有し、冷却器ハウジング11が、内部に熱交換器ブロック12が配置されている冷却器ボックス13と、この冷却器ボックス13に冷却器入口3を接続する入口ボックス14と、冷却器出口4に冷却器ボックス13を接続する出口ボックス15とを有し、出口ボックス15と冷却器出口4とが、冷却器ボックス13に直接取り付けられた、給気冷却器2とは異なるモジュール構成要素10、17の入口接続部16によって形成される構造を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システム用の新空気を処理する空気供給モジュール(1)であって、
- 冷却されていない新空気用の冷却器入口(3)と、冷却された新空気用の冷却器出口(4)とを有する、過給された新空気を冷却する給気冷却器(2)と、
- 乾燥した新空気用の新空気入口(6)、加湿された新空気用の新空気出口(7)、湿った燃料電池廃空気用の廃空気入口(8)および乾燥させた燃料電池廃空気用の廃空気出口(9)を有する、新空気を加湿しかつ燃料電池廃空気を乾燥させるための新空気加湿器(5)と
を備える、空気供給モジュール(1)において、
- 前記空気供給モジュール(1)は、入口側で前記冷却器出口(4)にかつ出口側で前記新空気入口(6)に流体接続されている新空気分配器(10)を有し、
- 前記給気冷却器(2)は、冷却器ハウジング(11)と、該冷却器ハウジング(11)内に配置された熱交換器ブロック(12)とを有し、
- 前記冷却器ハウジング(11)は、内部に前記熱交換器ブロック(12)が配置されている冷却器ボックス(13)と、該冷却器ボックス(13)に前記冷却器入口(3)を接続する入口ボックス(14)と、前記冷却器出口(4)に前記冷却器ボックス(13)を接続する出口ボックス(15)とを有し、
- 前記出口ボックス(15)と前記冷却器出口(4)とは、前記冷却器ボックス(13)に直接取り付けられた、前記給気冷却器(2)とは異なるモジュール構成要素(10;17)の入口接続部(16)によって形成されている
ことを特徴とする、空気供給モジュール(1)。
【請求項2】
- 前記モジュール構成要素は、前記新空気分配器(10)への冷却された新空気の流れを制御する入口弁(17)であり、
- 前記入口弁(17)は、出口側で前記新空気分配器(10)に接続されている弁ハウジング(18)を有し、
- 前記入口接続部(16)は、前記弁ハウジング(18)に一体形に成形されている
ことを特徴とする、請求項1記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項3】
- 前記モジュール構成要素は、前記新空気分配器(10)によって形成されており、
- 前記新空気分配器(10)は、分配器ハウジング(19)を有し、
- 前記入口接続部(16)は、前記分配器ハウジング(19)に一体形に成形されている
ことを特徴とする、請求項1記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項4】
- 前記入口接続部(16)は、プラスチックから成る射出成形部材であるか、または金属、好ましくは軽金属から成るダイカスト部材である
ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項5】
- 前記空気供給モジュール(1)は、前記新空気加湿器(5)を迂回するためのバイパス(22)を有し、該バイパス(22)は、入口側で前記新空気分配器(10)にかつ出口側で前記空気供給モジュール(1)の新空気接続片(23)に流体接続されており、該新空気接続片(23)は、前記新空気出口(7)に流体接続されている
ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項6】
- 前記バイパス(22)は、前記新空気加湿器(5)を迂回する冷却された新空気の流れを制御するバイパス弁(24)を有し、
- 前記バイパス弁(24)は、入口側で接続区分(26)を介して前記新空気分配器(10)に接続されている弁ハウジング(25)を有し、
- 前記新空気分配器(10)は、分配器ハウジング(19)を有し、
- 前記接続区分(26)は、前記分配器ハウジング(19)に一体形に成形されている
ことを特徴とする、請求項5記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項7】
- 前記空気供給モジュール(1)は、加湿された新空気の流れを制御する出口弁(27)を有し、該出口弁(27)は、入口側で前記新空気出口(7)にかつ出口側で前記空気供給モジュール(1)の新空気接続片(23)に流体接続されている
ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項8】
- 前記バイパス(22)は、出口側で前記出口弁(27)を介して前記新空気接続片(23)に流体接続されている
ことを特徴とする、請求項7および5記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項9】
- 前記新空気加湿器(5)は、支持ステー(29)が一体形に成形されている加湿器ハウジング(28)を有し、
- 前記冷却器ハウジング(11)には、支持輪郭部(30)が一体形に成形されており、
- 前記支持ステー(29)は、前記支持輪郭部(30)に取り付けられている
ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の空気供給モジュール(1)。
【請求項10】
- 前記新空気加湿器(5)は、前記加湿器ハウジング(28)内に水捕集室(31)を含み、該水捕集室(31)は、導出通路(32)に流体接続されており、該導出通路(32)を通って前記水捕集室(31)から水が導出可能であり、
- 前記導出通路(32)は、前記支持ステー(29)および/または前記支持輪郭部(30)を通って案内されていて、特に前記給気冷却器(2)に接続可能である
ことを特徴とする、請求項9記載の空気供給モジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部の特徴を有する、燃料電池システム用の新空気を処理する空気供給モジュールに関する。
【0002】
冒頭に記載した空気供給モジュールは、例えば、独国特許出願公開第102014008085号明細書から公知であり、冷却されていない新空気用の冷却器入口と、冷却された新空気用の冷却器出口とを有する、過給された新空気を冷却する給気冷却器と、乾燥した新空気用の新空気入口、加湿された新空気用の新空気出口、湿った燃料電池廃空気用の廃空気入口および乾燥させた燃料電池廃空気用の廃空気出口を有する、新空気を加湿しかつ燃料電池廃空気を乾燥させるための新空気加湿器とを備えている。
【0003】
別の空気供給モジュールは、独国特許出願公開第102009026568号明細書から公知である。
【0004】
独国特許出願公開第102013007207号明細書から、燃料電池システム用の空気処理装置が公知であり、この公知の空気処理装置では、熱交換器が新空気加湿器内に統合されている。
【0005】
国際公開第2008/089884号から、燃料電池廃空気と燃料電池新空気との間で熱移動と湿分移動とが生じる組み合わされた加湿・熱回収ユニットが公知である。
【0006】
本発明が取り組む課題は、前述の形態の空気供給モジュールに対して、特にコンパクトな構造形態および/または減じられた製造コストの点で優れた改善された実施形態または少なくとも1つの別の実施形態を提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、独立請求項の対象により解決される。有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0008】
本発明は、空気供給モジュールに新空気分配器を装備するという一般的な思想に基づいている。この新空気分配器は、入口側で給気冷却器の冷却器出口にかつ出口側で新空気加湿器の新空気入口に流体接続されている。この新空気分配器を介して、給気冷却器から新空気加湿器への新空気の案内が行われる。このような新空気分配器は、給気冷却器および新空気加湿器のほぼあらゆる任意の空間的な配置に適合させることができるように特に簡単に構成することができる。したがって、新空気分配器を用いて、給気冷却器および新空気加湿器を特に省スペースに配置することが可能となる。特にこれにより、新空気加湿器を新空気の流れ方向において給気冷却器に直接接続することが必ずしも必要ではなくなる。そのため、新空気加湿器と給気冷却器とを、例えば、新空気分配器が新空気を冷却器出口から新空気入口へと約180°変向させるように、相並べて配置することができる。さらに新空気分配器は、付加的な機能をもたらす。これについては後でさらに詳しく言及する。
【0009】
これに関連して、「入口側」および「出口側」という相対的な場所表記は、新空気の流れ方向に関する。
【0010】
有利な一実施形態によれば、給気冷却器は、冷却器ハウジングと、この冷却器ハウジング内に配置された熱交換器ブロックとを有していてもよい。この場合、有利には、冷却器ハウジングは、内部に熱交換器ブロックが配置されている冷却器ボックスと、この冷却器ボックスに冷却器入口を接続する入口ボックスと、冷却器出口に冷却器ボックスを接続する出口ボックスとを有していてもよい。これにより、冷却器ハウジングは、基本的には従来の構造を有していてもよく、上述の3つの構成要素、つまり冷却器ボックス、入口ボックスおよび出口ボックスから組み立てられていてもよい。
【0011】
特に有利な一実施形態によれば、出口ボックスと冷却器出口とが、冷却器ボックスに直接取り付けられた、給気冷却器とは異なるモジュール構成要素の入口接続部によって形成されていることが想定されていてもよい。換言すると、冷却器ハウジングの構成部材、つまり出口ボックスは、この実施形態では、給気冷却器とは異なるモジュール構成要素の入口接続部により形成される。こうして、空気供給モジュール内の統合度が高められ、これによって製造コストを削減することができる。さらに、これにより、特にコンパクトな構造形態のための可能性が生じる。空気供給モジュールの上述のモジュール構成要素は、給気冷却器、新空気加湿器および新空気分配器である。したがって、給気冷却器とは異なるモジュール構成要素は、少なくとも新空気加湿器および新空気分配器である。
【0012】
別の一実施形態によれば、空気供給モジュールは、更なるモジュール構成要素、例えば、新空気分配器への冷却された新空気の流れを制御する入口弁を有していてもよい。有利には、この入口弁が、出口ボックスを形成する入口接続部を有するモジュール構成要素を形成していることが想定されていてもよい。このために入口弁は、弁ハウジングと、特に弁ハウジング内に調節可能に配置された弁体とを有していてもよく、弁ハウジングは、出口側で新空気分配器に接続されている。これにより入口弁は、新空気の流れに関して、熱交換器ブロックと新空気分配器との間に位置している。前述した入口接続部は、弁ハウジングに一体形に成形されていてもよい。換言すると、出口ボックスと冷却器出口とを形成する入口接続部は、入口弁の弁ハウジングの一体形の構成部分である。これにより、一方では、特にコンパクトな構造形態が生じる。他方では、組付けが簡単になる。なぜならば、入口弁に給気冷却器を取り付けるための付加的な取付け手段を省くことができるからである。
【0013】
これに対して代替的に、入口接続部を有するモジュール構成要素が、新空気分配器によって形成されていてもよい。この場合、新空気分配器は分配器ハウジングを有し、この分配器ハウジングに入口接続部が一体形に成形されている。これにより、給気冷却器は、新空気分配器に直接接続されている。この構造形態は、特に、前述した形態の入口弁を省くことができる場合に適している。これにより、この実施形態は特にコンパクトに構成される。さらに、組付けが簡略化される。
【0014】
有利な一実施形態によれば、入口接続部は、プラスチックから成る射出成形部材であってもよい。これに対して代替的に、入口接続部は、金属、好ましくは軽金属から成るダイカスト部材であってもよい。いずれにせよ、入口接続部は、この場合、特に簡単に大量生産可能であるので、比較的廉価に多くの個数で製造することができる。この場合、相応のことが、入口接続部が一体形に成形されている各モジュール構成要素の各構成部分にも必然的に当てはまる。これは、例えば、新空気分配器の前述した分配器ハウジングまたは入口弁の前述した弁ハウジングであってもよい。
【0015】
別の有利な一実施形態では、空気供給モジュールは、新空気加湿器を迂回するためのバイパスを有していてもよい。このためには、バイパスは、入口側で新空気分配器にかつ出口側で空気供給モジュールの新空気接続片に流体接続されている。前記新空気接続片自体は、新空気加湿器の新空気出口に流体接続されている。このようなバイパスは、燃料電池システムの特定の運転状態にとって特に有利であり得る。例えばバイパスを介して、新空気の湿度を調整することができる。さらにこの場合、空気供給モジュール内へのこのようなバイパスの特に簡単な統合を可能にする、新空気分配器の特別な利点が見られる。特に新空気分配器を介して、給気冷却器から到来した冷却された新空気を、必要に応じてバイパスおよび/または新空気加湿器に分配することができる。この分配は、特にバイパスの制御により行うことができる。
【0016】
有利な一実施形態によれば、バイパスは、新空気加湿器を迂回する冷却された新空気の流れを制御するバイパス弁を有していてもよい。バイパス弁が大きく開放されるほど、バイパスを通流する新空気の割合は大きくなる。バイパス弁が完全に開放されている場合には、新空気はほぼ完全にバイパスを通って流れる。それというのも、新空気加湿器は、バイパス弁が完全に開放されている場合のバイパスよりも明らかに大きな通流抵抗を有するからである。バイパス弁が完全に閉鎖されている場合には、新空気は、専ら新空気加湿器を通って流れる。
【0017】
バイパス弁は、この場合、弁ハウジングと、特に弁ハウジング内に調節可能に配置された弁体とを有していてもよい。弁ハウジングは、入口側で接続区分を介して新空気分配器に接続されている。新空気分配器は、この場合にも分配器ハウジングを有している。有利には、接続区分は、分配器ハウジングに一体形に成形されていることが想定されていてもよい。これにより、付加的な統合度が得られ、このことが製造コストを削減する。
【0018】
別の一実施形態によれば、空気供給モジュールは、加湿された新空気の流れを制御する出口弁を有していてもよい。このような出口弁は、入口側で新空気加湿器の新空気出口にかつ出口側で空気供給モジュールの新空気接続片に流体接続されていてもよい。この場合、新空気接続片を介して、燃料電池システムに、冷却されて加湿された新空気を供給することができる。
【0019】
特に、上述したバイパスは、出口側で出口弁を介して新空気接続片に流体接続されていることが想定されていてもよい。特に、出口弁はこのために、3ポート2位置弁として構成されていることが可能であり、この弁は特に、比例弁として構成されていてもよい。これにより、出口弁を介して、新空気加湿器およびバイパスへの新空気の分配を調整することができる。したがって、特に別個のバイパス弁を省くことができる。
【0020】
別の一実施形態では、新空気加湿器は、支持ステーが一体形に成形されている加湿器ハウジングを有していてもよい。さらに、冷却器ハウジングには、支持輪郭部が一体形に成形されていてもよい。特に有利な構成では、支持ステーが、支持輪郭部に取り付けられている。換言すると、加湿器ハウジングと冷却器ハウジングとが互いに取り付けられており、これにより、空気供給モジュールが、高められた安定性を有している。特に空気供給モジュールを自立式の構造体として構成することができる。有利には、加湿器ハウジングと冷却器ハウジングとは、一方では新空気分配器を介して互いに取り付けられていてもよく、他方では新空気分配器とは反対の側で、さらに支持ステーと支持輪郭部とを介して互いに取り付けられていてもよい。これにより、空気供給モジュールのための特に安定した構造が得られる。
【0021】
有利な一実施形態では、新空気加湿器は、加湿器ハウジング内に水捕集室を含んでいてもよく、この水捕集室は、導出通路に流体接続されており、この導出通路を通って水捕集室から水が排出可能である。燃料電池システムの運転状態に応じて、新空気加湿器内で水蒸気を凝縮させ、水捕集室内に捕集することができる。
【0022】
特に有利な構成では、導出通路が、支持ステーおよび/または支持輪郭部を通って案内されている。こうして、新空気加湿器と給気冷却器との間の支持部を、水を導出するために利用することができる。特に、導出通路は、支持ステーおよび支持輪郭部を通って案内されていて、さらに、給気冷却器に接続されていることが想定されていてもよい。特に、新空気を湿らすために、給気冷却器内の水を再び蒸発させることが可能である。
【0023】
本発明の重要な更なる特徴および利点は、従属請求項、図面および図面に基づく対応する図説から明らかとなる。
【0024】
当然ながら、上述した特徴およびこれから以下に説明する特徴は、請求項によって規定された本発明の範囲から逸脱することなしに、それぞれ記載された組み合わせだけでなく、他の組み合わせでも、または単独でも使用可能である。上位のユニット、例えば設備、装置またはアセンブリの、別個に名称を付した上述した構成要素およびこれから後述する構成要素は、図中に異なって示されていたとしても、このユニットの別個の構成部材もしくは構成要素を成していてもよいし、このユニットの一体形の領域もしくは区分であってもよい。
【0025】
本発明の好適な実施例を図面に示し、以下の説明において詳しく説明する。なお、同一の参照符号は、同一または類似の構成要素もしくは機能的に同一の構成要素に該当する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】それぞれ異なる実施形態における空気供給モジュールの極めて簡単な概略的な原理図である。
図2】それぞれ異なる実施形態における空気供給モジュールの極めて簡単な概略的な原理図である。
【0027】
図1および図2に相応して、燃料電池システム(図示せず)用の新空気を処理するために用いられる空気供給モジュール1は、過給された新空気を冷却するために用いられる給気冷却器2を備えている。この給気冷却器2は、冷却されていない新空気用の冷却器入口3と、冷却された新空気用の冷却器出口4とを有している。空気供給モジュール1はさらに、新空気を加湿しかつ同時に燃料電池廃空気を乾燥させるために用いられる新空気加湿器5を有している。このために新空気加湿器5は、乾燥した新空気用の新空気入口6と、加湿された新空気用の新空気出口7と、湿った燃料電池廃空気用の廃空気入口8と、乾燥させた燃料電池廃空気用の廃空気出口9とを有している。
【0028】
空気供給モジュール1はさらに、入口側で冷却器出口4にかつ出口側で新空気入口6に流体接続されている新空気分配器10を備えている。給気冷却器2は、冷却器ハウジング11と、この冷却器ハウジング11内に配置された熱交換器ブロック12とを有している。この熱交換器ブロック12は、図中では破線で示してある。冷却器ハウジング11は、冷却器ボックス13と、入口ボックス14と、出口ボックス15とを有している。冷却器ボックス13内には、熱交換器ブロック12が配置されている。入口ボックス14は、冷却器ボックス13に冷却器入口3を接続している。出口ボックス15は、冷却器出口4に冷却器ボックス13を接続している。
【0029】
本明細書に示した各実施形態では、出口ボックス15は、冷却器出口4と共に、入口接続部16により形成されており、この入口接続部16は、給気冷却器2とは異なるモジュール構成要素の構成部材である。この別のモジュール構成要素または更なるモジュール構成要素は、冷却器ボックス13に直接取り付けられている。
【0030】
図1の例では、前記モジュール構成要素は、新空気分配器10への冷却された新空気の流れを制御するために用いられる入口弁17により形成されている。この入口弁17は、弁ハウジング18と、この弁ハウジング18内に調節可能に配置された弁体とを有しているが、弁体はこの図には示されていない。弁ハウジング18は、出口側で新空気分配器10に接続されている。出口ボックス15を冷却器出口4と共に形成する入口接続部16は、この弁ハウジング18に一体形に成形されている。
【0031】
図2に示した実施形態では、入口弁17は設けられていない。この場合、入口接続部16が属しているモジュール構成要素は、新空気分配器10により形成されている。このために、新空気分配器10は、分配器ハウジング19を有している。出口ボックス15と冷却器出口4とを形成する入口接続部16は、分配器ハウジング19に一体形に成形されている。この例では、分配器ハウジング19は、2つのシェル、つまり下側シェル20と上側シェル21とを有している。これらの下側シェル20と上側シェル21とは、適切に互いに取り付けられている。例えば、両方のシェル20,21は、互いに接着または溶接されている。図2の例では、入口接続部16は、下側シェル20に一体形に成形されている。
【0032】
基本的には、入口接続部16は、プラスチックから成る射出成形部材であってもよいし、金属、好ましくは軽金属から成るダイカスト部材であってもよい。これにより、特に廉価な製造が達成される。したがって、各弁ハウジング18もしくは各分配器ハウジング19も、射出成形部材またはダイカスト部材である。
【0033】
本明細書に示した実施形態では、空気供給モジュール1はさらに、新空気加湿器5を迂回するためのバイパス22を有している。このバイパス22は、入口側で新空気分配器10にかつ出口側で空気供給モジュール1の新空気接続片23に流体接続されている。この新空気接続片23自体は、新空気出口7に流体接続されている。バイパス22は、新空気加湿器5を迂回する冷却された新空気の流れを制御するために用いられるバイパス弁24を有していてもよい。このバイパス弁24は、弁ハウジング25と、この弁ハウジング内に調節可能に配置された弁体(図示せず)とを有していてもよい。弁ハウジング25は、入口側で接続区分26を介して新空気分配器10に接続されている。本実施例では、この接続区分26は、分配器ハウジング19に一体形に、具体的には特に下側シェル20に一体形に成形されている。
【0034】
本明細書に示した例では、空気供給モジュール1は、さらに、加湿された新空気の流れを制御するために用いられる出口弁27を備えている。このためには、出口弁27は、入口側で新空気出口7にかつ出口側で新空気接続片23に接続されている。有利には、バイパス22も同じく出口弁27に接続されていて、出口弁27を介して新空気接続片23に接続されていてもよい。この場合には、バイパス弁24を省くことができる。
【0035】
したがって、図2の例では、給気冷却器2は、出口側で新空気分配器10に直接接続されているので、ここでは、入口弁17は省かれる。
【0036】
新空気加湿器5は、支持ステー29が一体形に成形されている加湿器ハウジング28を有している。冷却器ハウジング11には、支持輪郭部30が一体形に成形されている。図示の例では、支持輪郭部30は、入口ボックス14に一体形に成形されている。支持ステー29は、支持輪郭部30に取り付けられており、これにより、新空気加湿器5と給気冷却器2とが、互いに取り付けられている。このとき、支持ステー29および支持輪郭部30は、新空気加湿器5の、新空気分配器10とは反対の側に配置されている。新空気分配器10を介して、同様に給気冷却器2への新空気加湿器5の支持が行われている。
【0037】
加湿器ハウジング28内には、水捕集室31が形成されていてもよく、この水捕集室31は、導出通路32に流体接続されているので、導出通路32を通して、水捕集室31内に捕集された水を加湿器ハウジング28から導出することができる。導出通路32は、図1および図2に破線で示してある。導出通路32は、図示の例では、支持ステー29および/または支持輪郭部30を通って案内されている。この場合、さらに、導出通路32が給気冷却器2に接続されていることも可能である。これにより、新空気加湿器5内に捕集された水を給気冷却器2に供給することができる。
図1
図2
【外国語明細書】