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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155895
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】パネルブースシステム
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068579
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2023069255
(32)【優先日】2023-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】新居 貴志
(72)【発明者】
【氏名】宮田 理恵子
(72)【発明者】
【氏名】西森 俊也
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 將人
(57)【要約】
【課題】快適なミーティングスペースを構成できるパネルブースシステムを提供する。
【解決手段】パネルブースシステム(2P)は、第1ソファ(610)の背面側および第2ソファ(620)の背面側のそれぞれに複数の第1空間形成パネル(FBP)が隣接配置され複数人のミーティングに利用可能な第1空間(S1)を形成する第1パネルブース(PB1)と、第1パネルブースに隣接して配置され、少なくとも第2パネルブーステーブル(T2)の背面側に第2空間形成パネル(SBP)が隣接配置され第2空間(S2)を形成する第2パネルブース(PB2)と、を備える。第2ソファ(620)の背と第2パネルブースソファ(710)の背との間に第1空間形成パネルが位置する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフィスに設置されるパネルブースシステムであって、
複数人のミーティングに利用可能な第1空間を形成する第1パネルブースと、
前記第1パネルブースに隣接して配置され第2空間を形成する第2パネルブースと、
を備え、
前記第1パネルブースは、前記第1空間を形成する複数の第1空間形成パネルと、複数人が着座可能な第1ソファと、前記第1ソファに対向配置されるとともに複数人が着座可能な第2ソファと、前記第1ソファと前記第2ソファとの間に配置される第1パネルブーステーブルと、を有し、
前記第2パネルブースは、前記第2空間を形成する少なくとも1つ以上の第2空間形成パネルと、複数人が着座可能な第2パネルブースソファと、前記第2パネルブースソファの正面側に配置される第2パネルブーステーブルと、を有し、
前記第1パネルブースにおいて、前記第1空間形成パネルは、前記第1ソファの背面側および前記第2ソファの背面側のそれぞれに隣接配置され、
前記第2パネルブースにおいて、前記第2空間形成パネルは、少なくとも前記第2パネルブーステーブルの背面側に隣接配置され、
前記第2ソファの背面側に隣接配置される第1空間形成パネルは、前記第2ソファの背と前記第2パネルブースソファの背との間に位置する、パネルブースシステム。
【請求項2】
前記第1パネルブースには、前記第1ソファと前記第2ソファとの間にディスプレイが配置される、請求項1に記載のパネルブースシステム。
【請求項3】
前記第2パネルブースには、前記第2パネルブースソファの正面側にディスプレイが配置される、請求項1に記載のパネルブースシステム。
【請求項4】
前記第1空間形成パネルには、前記第1ソファおよび前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネルの一端同士の間に配置されるパネルが含まれる、請求項1に記載のパネルブースシステム。
【請求項5】
前記第2空間形成パネルには、前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの一端と、前記第2パネルブーステーブルの背面側に配置される前記第2空間形成パネルの一端と、の間に配置されるパネルが含まれる、請求項1に記載のパネルブースシステム。
【請求項6】
前記第1ソファおよび/若しくは前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネル、並びに前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの少なくとも一方には、スピーカーが配置される、請求項1に記載のパネルブースシステム。
【請求項7】
前記第1ソファおよび/若しくは前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネル、並びに前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの少なくとも一方には、ヘッドレスト部が配置される、請求項1に記載のパネルブースシステム。
【請求項8】
前記ヘッドレスト部は、前記第1パネルブースまたは前記第2パネルブースの内側方向に突出し、前記第1ソファ、前記第2ソファまたは前記第2パネルブースソファの背もたれとは別体に設けられる、請求項7に記載のパネルブースシステム。
【請求項9】
前記ヘッドレスト部は、前記第1ソファ、前記第2ソファまたは前記第2パネルブースソファに着座する複数人が同時に頭部をもたれかけられるように、上下方向の寸法よりも幅方向の寸法のほうが大きく構成される、請求項7に記載のパネルブースシステム。
【請求項10】
前記第1ソファおよび/若しくは前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネル、並びに前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの少なくとも一方にはスピーカーが配置され、
前記ヘッドレスト部は、前記スピーカーを外側から覆い、スピーカーカバーとして機能する、請求項7に記載のパネルブースシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パネルブースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや学校等の共有空間においてミーティングブースを構築するための技術として、例えば、特許文献1が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-101074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のオンライン会議の急激な普及から、上述のようなミーティングブースにつき、ミーティングを快適に実施することの必要性が高まりつつある。また、様々な場所において、パネルブースを設置して空間が画定(形成)されることもある。
【0005】
本開示は、快適なミーティングスペースを構成できるパネルブースシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るパネルブースシステムは、オフィスに設置されるパネルブースシステムであって、複数人のミーティングに利用可能な第1空間を形成する第1パネルブースと、前記第1パネルブースに隣接して配置され第2空間を形成する第2パネルブースと、を備え、前記第1パネルブースは、前記第1空間を形成する複数の第1空間形成パネルと、複数人が着座可能な第1ソファと、前記第1ソファに対向配置されるとともに複数人が着座可能な第2ソファと、前記第1ソファと前記第2ソファとの間に配置される第1パネルブーステーブルと、を有し、前記第2パネルブースは、前記第2空間を形成する少なくとも1つ以上の第2空間形成パネルと、複数人が着座可能な第2パネルブースソファと、前記第2パネルブースソファの正面側に配置される第2パネルブーステーブルと、を有し、前記第1パネルブースにおいて、前記第1空間形成パネルは、前記第1ソファの背面側および前記第2ソファの背面側のそれぞれに隣接配置され、前記第2パネルブースにおいて、前記第2空間形成パネルは、少なくとも前記第2パネルブーステーブルの背面側に隣接配置され、前記第2ソファの背面側に隣接配置される第1空間形成パネルは、前記第2ソファの背と前記第2パネルブースソファの背との間に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、快適なミーティングスペースを構成できるパネルブースシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。
図2】本開示の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための平面図である。
図3】本開示の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための平面図である。
図4】本開示の一実施形態におけるソファの構成について説明するための図である。
図5】本開示の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための図である。
図6】本開示の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための平面図である。
図7】本開示の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための斜視図である。
図8】本開示の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための斜視図である。
図9】本開示の一実施形態における、ミーティングブースを複数配置させたミーティングブースシステムの一例について説明するための平面図である。
図10】別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。
図11】別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。
図12】本開示の実施形態2におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための斜視図である。
図13】本開示の実施形態2におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための平面図である。
図14】別構成例におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための斜視図である。
図15】別構成例におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための平面図である。
図16】本開示の実施形態3におけるパネルブースの構成について説明するための斜視図である。
図17】本開示の実施形態3におけるパネルブースの構成について説明するための平面図である。
図18】本開示の実施形態3におけるパネルブースの一構成例について説明するための斜視図である。
図19】本開示の実施形態3におけるパネルブースの一構成例について説明するための斜視図である。
図20】本開示の実施形態3におけるパネルブースの別構成例について説明するための斜視図である。
図21】本開示の実施形態3におけるパネルブースの別構成例について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。但し、以下の記載は発明の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本開示を限定するものではない。
【0010】
<用語の定義>
本明細書において、「共有空間」の用語は、複数の人によって共有される空間の意味で用いる。共有空間は、ミーティングブースを設置することが想定される空間であればよく、具体的に特に限定されない。共有空間の一例として、オフィス空間、店舗内空間、施設内空間、住空間、複数の住戸が共用するコモンスペース等が挙げられる。店舗および施設は特に限定されず、店舗としては例えばカフェ、レストラン等が挙げられ、施設としては例えば学校等が挙げられる。共有空間は、屋内空間であってよく、屋外空間であってもよい。共有空間は、オープンスペースであってよい。オープンスペースとは、オフィス空間等に関して一般的に用いられる用語であり、会議室等の閉鎖空間とは異なる空間であると言える。
【0011】
本明細書において、「ミーティングブース」の用語は、共有空間内にミーティング用の空間を画定するために設置される各種の什器(パネル等)の組(セット)の意味で用いる。また、本明細書では、各種の什器を設置することによって共有空間内に画定されるミーティング用の空間自体は、上記ミーティングブースと区別して、「ミーティング空間」または「ブース内」と称する。本明細書では、ミーティングブースを利用してブース内でミーティングに参加する者を「ブース利用者」と称する。
【0012】
<ミーティングブースの全体構成>
以下では、本実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明し、その後、共有空間中に設置される各種の什器(パネル等)の構成について詳細に説明する。
【0013】
近年、プライバシー保護の重要性が高まっている。そのため、共有空間においてミーティングを実施する場合、ミーティング空間の外部からミーティング内容が察知されていないという安心感をブース内に居る人に与えながらミーティングを快適に実施することの必要性が高まりつつある。本開示の一態様における目的は、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせながら、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを提供することにある。
【0014】
図1は、本開示の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための斜視図である。図2は、本開示の一実施形態におけるミーティングブースの全体構成について説明するための平面図である。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態におけるミーティングブース1は、共有空間に設置され、互いに対向して配置される第1長椅子10および第2長椅子20と、第1長椅子10の背後に設置される第1背面パネル100と、第2長椅子20の背後に設置される第2背面パネル200と、を備えている。
【0016】
第1背面パネル100および第2背面パネル200は、それぞれ共有空間における互いに対向する位置に立設されており、第1背面パネル100の高さと第2背面パネル200の高さとは互いに揃っている。以下では、第1背面パネル100および第2背面パネル200のそれぞれの高さ方向(鉛直方向)をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直なXY平面を規定する。XY平面は、ミーティングブース1が設置される床面と平行であってよい。Z軸と平行な視線で対象物を視る(透視的な場合を含む)ことを「平面視」と称する。X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。XYZ軸座標系において、説明の便宜上、ミーティングブース1の出入口側をY軸方向の正方向とし、第1背面パネル100から第2背面パネル200に向かう方向をX軸方向の正方向としている。本明細書における以下の説明においても、同様にXYZ軸方向を規定して説明し、参照のために各図中にXYZ軸座標系を図示している。
【0017】
第1背面パネル100および第2背面パネル200は、平面視において、それぞれX軸方向(第1方向)に並んで配置されており、Y軸方向(第2方向)に沿って一端側から他端側に延びる形状を有している。図1、2に示す例では、第1背面パネル100と第2背面パネル200との間における、Y軸方向の一端側(ミーティングブース1の出入口側)にブース内への出入口400が形成されており、Y軸方向の他端側(ミーティングブース1の奥側)に第3パネル300が位置している。図1、2に示す例では、第3パネル300の高さと、第1背面パネル100および第2背面パネル200の高さとは互いに揃っており、第3パネル300は、Y軸方向の他端側において第1背面パネル100と第2背面パネル200との間を繋いでいる。
【0018】
第1長椅子10は第1座11を含み、第2長椅子20は第2座21を含む。平面視において、第1長椅子10の第1座11は、第1座前端縁(前端縁)11Fが傾斜して延びており、第2座21は、第2座前端縁(前端縁)21Fが傾斜して延びている。第1座前端縁11Fは、平面視における第1座11の外縁のうち、第1背面パネル100から遠い側をY軸方向に沿って傾斜して直線状に延びる部分である。第2座前端縁21Fは、平面視における第2座21の外縁のうち、第2背面パネル200から遠い側をY軸方向に沿って傾斜して直線状に延びる部分である。換言すれば、ミーティングブース1では、平面視においてY軸方向に延びるミーティングブース1の中心線CLに対して、第1座前端縁11Fおよび第2座前端縁21Fがそれぞれ傾斜している。平面視において、第1座前端縁11Fおよび第2座前端縁21Fが中心線CLに対して傾斜している角度を傾斜角度θ1(図示省略)と称する。傾斜角度θ1は、例えば2°であってよい。傾斜角度θ1は、例えば、1°以上であってよく、10°以下であってよい。
【0019】
第1長椅子10の第1座11は、底面、座面、およびそれらの間にわたって位置する側面を有し、底面よりも座面の方が広い面積を有するように一部の側面が傾斜した形状を有している。図1、2に示す例では、第1長椅子10は、第1座11の側面のうち、第1背面パネル100から遠い側(前側)に位置する側面が傾斜している。平面視における第1座11の外縁は、第1座11の座面の外縁であると言える。このことは、第2座21についても同様である。
【0020】
ミーティングブース1は、第1座11の第1座前端縁11Fと、第2座21の第2座前端縁21Fとの間の距離について、ミーティングブース1の出入口側における距離D1の方が、ミーティングブース1の奥側における距離D2よりも狭く構成されている。
【0021】
ミーティングブース1では、ブース内における奥側の空間(特に第1座11と第2座21との間の空間)を比較的広くすることができる。そのため、ブース内の閉塞感を軽減できる。また、第1座11または第2座21に腰掛ける(着座する)ブース利用者は、ミーティングブース1の奥側に向かって身体の向きが少し傾く。このような身体の向きを、以下では「ブース奥側向き」と称する。複数のブース利用者のそれぞれが第1座11または第2座21にブース奥側向きに着座することにより、互いに親密性を高めることができるとともに、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。したがって、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0022】
第1背面パネル100は、X軸方向においてミーティング空間の外側を向く表面である第1外面101と、ミーティング空間の内側(第1長椅子10側)を向く表面である第1内面102とを有する。第2背面パネル200は、X軸方向においてミーティング空間の外側を向く表面である第2外面201とミーティング空間の内側(第2長椅子20側)を向く表面である第2内面202とを有する。第1外面101および第2外面201は平面であるとともに互いに平行であってよい。ミーティングブース1は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101と、第2背面パネル200の第2外面201との間の距離D10が、出入口側の端部から、奥側の端部にかけて一定である。
【0023】
これにより、複数の異なるミーティングブース1を、例えばX軸方向に直線的に隣接して配置することが容易となる。これは、或る1つのミーティングブース1の第2外面201と別のミーティングブース1の第1外面101とを互いに密着させ易くすることができるためである(後述の複数配置例を参照)。その結果、共有空間のスペースを効率的に利用し易くできる。
【0024】
平面視において、第1背面パネル100の出入口側の端部を第1手前側端部100P、奥側の端部を第1奥側端部100Nと称し、第2背面パネル200の出入口側の端部を第2手前側端部200P、奥側の端部を第2奥側端部200Nと称する。ミーティングブース1は、平面視において、第1手前側端部100Pの第1外面101と第2手前側端部200Pの第2外面201との距離、および、第1奥側端部100Nの第1外面101と第2奥側端部200Nの第2外面201との距離が、それぞれ距離D10を有している。
【0025】
第1長椅子10は、第1座11の上方に位置する第1背もたれ16を含み、第2長椅子20は、第2座21の上方に位置する第2背もたれ26を含む。第1座11と第1背もたれ16とは互いに別体であってよく、この場合、第1座11と第1背もたれ16とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第1長椅子10は、第1座11および第1背もたれ16の少なくとも何れか一方が第1背面パネル100に固定されていてよい。第2座21と第2背もたれ26とは互いに別体であってよく、この場合、第2座21と第2背もたれ26とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第2長椅子20は、第2座21および第2背もたれ26の少なくとも何れか一方が第2背面パネル200に固定されていてよい。
【0026】
第1背もたれ16は、第1背面パネル100の第1内面102に定着されていてよく、第2背もたれ26は、第2背面パネル200の第2内面202に定着されていてよい。平面視における第1背もたれ16の外縁のうち、第1背面パネル100から遠い側をY軸方向に沿って延びる部分を第1背前端縁(前端縁)16F、第1背面パネル100に近い側を第1内面102に沿ってY軸方向に延びる部分を第1背後端縁(後端縁)16Bと称する。平面視における第2背もたれ26の外縁のうち、第2背面パネル200から遠い側をY軸方向に沿って延びる部分を第2背前端縁(前端縁)26F、第2背面パネル200に近い側をY軸方向に沿うとともに第2内面202に沿って延びる部分を第2背後端縁(後端縁)26Bと称する。
【0027】
平面視において、第1背もたれ16は、第1背前端縁16Fが傾斜して直線状に延びており、第2背もたれ26は、第2背前端縁26Fが傾斜して直線状に延びている。換言すれば、ミーティングブース1では、中心線CLに対して、第1背前端縁16Fおよび第2背前端縁26Fがそれぞれ傾斜している。ミーティングブース1は、第1長椅子10の第1背もたれ16における第1背前端縁16Fと、第2長椅子20の第2背もたれ26における第2背前端縁26Fとの間の距離について、ミーティングブース1の出入口側における距離D3の方が、ミーティングブース1の奥側における距離D4よりも狭く構成されている。
【0028】
ミーティングブース1では、ブース内における奥側の空間(特に第1背もたれ16と第2背もたれ26との間の空間)を比較的広くすることができる。また、ミーティングブース1では、平面視において、中心線CLに対して第1座11および第1背もたれ16が同方向に傾斜しており、中心線CLに対して第2座21および第2背もたれ26が同方向に傾斜している。そのため、第1座11または第2座21にブース奥側向きに着座するブース利用者は、第1背もたれ16または第2背もたれ26に自然に背を預けることができる。そのため、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の快適性を高めつつ安心感を向上させ、ミーティングブース内部の閉塞感をより軽減できる。その結果、より快適なミーティング実施を実現することができる。
【0029】
ミーティングブース1は、第1背面パネル100においてミーティングブース1の奥側となる第1奥側端部100Nと、第2背面パネル200においてミーティングブース1の奥側となる第2奥側端部200Nとの間に、第3パネル300が配置されている。これにより、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の安心感をさらに向上させることができる。
【0030】
また、一般に、共有空間においてミーティングを行う場合、ミーティングにて生じた音によってミーティングの参加者ではない周囲の人にストレスを生じさせることがあり、共有空間よりも会議室等の閉鎖空間でミーティングを行うことが好まれるという現状にある。ミーティングブース1では、第1背面パネル100、第2背面パネル200、および第3パネル300によって、出入口400を除いてミーティング空間の周囲が覆われている。そして、ブース利用者がブース奥側向きに着座して会話をすることにより、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。その結果、共有空間において気軽に、より快適にミーティングを実施できる。なお、このような効果は、第3パネル300を備えることに代替して、共有空間に設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等を利用することによっても得られる。
【0031】
ミーティングブース1は、第1長椅子10におけるミーティングブース1の奥側の端部10Nと、第2長椅子20におけるミーティングブース1の奥側の端部20Nとの間に、ディスプレイ30が配置されていてよい。ディスプレイ30は、例えば第3パネル300に取り付けられていてよい。ディスプレイ30を備えることにより、多様なミーティング内容でも円滑に進行させることができる。また、ミーティング参加者の意識合わせも確実に行うことができる。
【0032】
ミーティングブース1は、例えばディスプレイ30の近傍(ブース奥側)に配置された、ブース内を撮像するカメラ31を備えていてよい。ブース利用者は、ディスプレイ30およびカメラ31を用いてWeb会議等を行うことができる。
【0033】
ミーティングブース1は、平面視において、第1長椅子10における第1座11の第1座前端縁11Fと第1背もたれ16の第1背前端縁16Fとが互いに平行であり、第2長椅子20における第2座21の第2座前端縁21Fと第2背もたれ26の第2背前端縁26Fとが互いに平行であってよい。例えば、ミーティングブース1における第1長椅子10および第2長椅子20は、それぞれブース利用者が3人ずつ着座することができるサイズを有していてよい。複数人のブース利用者は、平面視において、Y軸方向に並ぶとともにX軸方向に少しずれて第1長椅子10に着座することができる。そのため、ミーティングブース1では、出入口400側に位置するブース利用者がディスプレイ30を比較的視認し易くすることができるとともに、カメラ31の撮像視野において複数のブース利用者が重なりにくくすることができる。また、ミーティングブース1では、奥側に位置するブース利用者が、ディスプレイ30およびカメラ31の方向を向き易くすることができる。
【0034】
ミーティングブース1は、第1長椅子10の上方に位置する第1スピーカー150および第2長椅子20の上方に位置する第2スピーカー250を備えていてよい。第1スピーカー150および第2スピーカー250は、ブース内でWeb会議等を行う場合に用いられてよい。このようなスピーカーについて詳しくは後述する。
【0035】
近年、オフィス等に位置する端末とテレワーク社員の勤務場所に位置する端末とをネットワーク接続して行われるハイブリッド会議も一般的となっているが、一般に、スピーカーから発せられる音の音量および音質は、人の肉声よりも周囲の人にストレスを感じさせ易い。共有空間において、ミーティングブース1を用いてWeb会議を行うことによれば、スピーカーから発せられる音を外部に漏れにくくすることができる。そのため、共有空間において気軽に、より快適にWeb会議等のミーティングを実施できる。第1スピーカー150および第2スピーカー250として、例えば、出力音が比較的強い指向性を有するスピーカー(指向性スピーカー)を用いる場合、出入口側(通路側)への音漏れを効果的に抑制できる。
【0036】
図1、2に示す例では、第3パネル300は、Y軸方向においてミーティング空間の外側を向く表面である第3外面301と、ミーティング空間の内側を向く表面である第3内面302とを有する。第3外面301と第3内面302とは互いに平行であってよい。ミーティングブース1では、平面視において、第3パネル300の第3内面302はX軸方向に平行な面であってよい。第3内面302は、XZ平面に平行な平面であってよい。
【0037】
ミーティングブース1では、第1長椅子10の第1座11および第2長椅子20の第2座21の少なくとも一方は、平面視で、後端縁に対して側端縁のなす角が鋭角となるよう構成されている。本実施形態におけるミーティングブース1では、第2長椅子20は、中心線CLを対称軸として第1長椅子10と線対称な形状を有しているため、第1長椅子10に関して以下に説明する。
【0038】
平面視における第1座11の外縁のうち、第1背面パネル100に近い側を第1内面102に沿ってY軸方向に延びる部分を第1座後端縁(後端縁)11Bと称する。平面視において第1座後端縁11Bと第1背後端縁16Bとは互いに重なっていてよい。なお、図2中、平面視における第2座21の外縁のうち、第2背面パネル200に近い側を第2内面202に沿ってY軸方向に延びる部分を第2座後端縁(後端縁)21Bとして参照符号を図示している。平面視において第2座後端縁21Bと第2背後端縁26Bとは互いに重なっていてよい。
【0039】
また、平面視において、第1座後端縁11Bと第1座前端縁11Fとを接続する2つの側端縁のうち、Y軸方向の手前側に位置する側端縁を第1手前側端縁11SP、奥側に位置する側端縁を第1奥側端縁11SNと称する。第1手前側端縁11SPおよび第1奥側端縁11SNは、それぞれ少なくとも一部にX軸方向に沿って直線状に延びる部分を有しており、上記のように後端縁に対して側端縁のなす角を規定する場合、側端縁における上記直線状に延びる部分を対象とする。
【0040】
ここで、ミーティングブース1では、前述のように、第1座前端縁11Fが中心線CLに対して傾斜している。ここで、説明の便宜上、「一般的な長椅子G」として、平面視において座の前端縁と側端縁とが直交する形状を有する長椅子を仮定する。第1背面パネル100、第2背面パネル200、および第3パネル300によって囲まれるブース内に、仮に、一般的な長椅子Gを、前端縁が中心線CLに対して傾斜するように配置する場合、側端縁を第3パネル300の第3内面302に沿わせることができない。これに対して、第1長椅子10の第1座11は、前述の傾斜角度θ1に対応して、平面視において、第1座後端縁11Bの仮想延長直線と、第1奥側端縁11SNの仮想延長直線とのなす鋭角が、例えば90°-θ1の角度を有している。これにより、第1奥側端縁11SNが第3パネル300の第3内面302に沿うように配置することができる。なお、このような効果は、第3パネル300を備えることに代替して共有空間に設けられた壁面等を利用する場合にも得られる。
【0041】
ミーティングブース1では、第1長椅子10および第2長椅子20の奥側の側端縁を第3パネル300または壁面に当接させて配置することにより、第1座11の第1座前端縁11Fと第2座21の第2座前端縁21Fとの間の距離について、出入口側が奥側よりも狭められたレイアウトを簡単に実現することができる。
【0042】
また、第1長椅子10は、左右対称な形状(着座者が並ぶ横幅方向に対称な形状)を有していてよく、すなわち、奥側の端部10Nと、出入口側の端部10Pとが互いに対称な形状を有していてよい。この場合、第1座後端縁11Bの仮想延長直線と、第1手前側端縁11SPの仮想延長直線とのなす鋭角が、例えば90°-θ1の角度を有している。このような第1長椅子10を用いることにより、Z軸を回転中心に第1長椅子10を180°回転させて第2長椅子20として配置することができる。そのため、ミーティングブース1を構築するために用いられる部品点数を低減することができる。
【0043】
ミーティングブース1は、第1長椅子10と第2長椅子20との間に配置される机5をさらに備えていてよい。机5の天板50は、平面視において、第1座前端縁11Fに対向する第1辺51と、第2座前端縁21Fに対向する第2辺52とを有する。机5の天板50は、平面視において、第1辺51が第1座前端縁11Fに沿うように延びており、第2辺52が第2座前端縁21Fに沿うように延びている。第1辺51および第2辺52はそれぞれ直線形状を有している。
【0044】
上記構成によれば、第1長椅子10または第2長椅子20と、机5の天板50との間に所定間隔が設けられるので、ブース内において第1長椅子10と机5との間または第2長椅子20と机5との間をブース利用者が移動し易くできる。
【0045】
また、机5の天板50は、平面視において、第3パネル300の第3内面302に対向する第3辺53を有していてよい。机5の天板50は、平面視において、第3辺53が第3内面302に沿うように延びている。平面視において、第1辺51と第3辺53とのなす鋭角、または第2辺52と第3辺53とのなす鋭角は、それぞれ例えば90°-θ1の角度を有している。これにより、第3辺53を第3パネル300または壁面に当接させて机5を配置することにより、第1長椅子10または第2長椅子20と、机5の天板50との間に所定間隔を有するレイアウトを簡単に実現することができる。
【0046】
(その他の構成例)
第1背面パネル100は、例えば、骨組み等の基部の周りにクッション材(吸音材)が配置され、表面が不織布等によって覆われて形成されていてよい。第2背面パネル200および第3パネル300についても同様である。これにより、ブース外への音漏れを低減し易くできる。
【0047】
カメラ31は、マイク機能を有していてよい。図1、2に示す例では、机5の天板50上にマイク52が設けられている。机5の天板50上に給電部53が設けられていてもよい。マイク52および給電部53に接続される配線は、天板50の内部を通っていてよく、天板50裏面に沿って配設されていてよい。第1スピーカー150への配線は第1背面パネル100の内部を通っていてよく、第2スピーカー250への配線は第2背面パネル200の内部を通っていてよい。これにより、ブース利用者から配線が見えにくくすることができ、ミーティングをより快適に実施することができる。
【0048】
ミーティングブース1は、例えば、第2背面パネル200および第2長椅子20を備えることに代替して、共有空間における壁面等を利用することによってミーティング空間を形成することもできる(後述の別構成例を参照)。ミーティングブース1としては、第1スピーカー150および第2スピーカー250、ディスプレイ30、カメラ31、マイク52、および給電部53はそれぞれ必須ではなく、このことは上述の説明から容易に理解できる。
【0049】
また、ミーティングブース1において、第1背面パネル100、第2背面パネル200、および第3パネル300のそれぞれの具体的な形態は、図1、2に示す例に限定されず、適宜変更可能である。例えば、第1内面102、第2内面202、および第3内面302は、それぞれZ軸方向に対して傾斜していてもよい。また、第1長椅子10および第2長椅子20のそれぞれの具体的な形態、並びに、机5の具体的な形態は、図1、2に示す例に限定されず、適宜変更可能である。
【0050】
第3パネル300は、第1背面パネル100および第2背面パネル200と高さが揃っていなくてもよい。ミーティングブース1において、第3パネル300は、適宜省略されてよい。
【0051】
<パネル>
次に、本開示の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、パネルの構成について詳細に説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1背面パネル100を例示して説明する。前述のミーティングブース1における第2背面パネル200は、中心線CLを面内に含むYZ平面を対称面として、第1背面パネル100に対して空間的に面対称な形状を有していてよい。
【0052】
なお、第1背面パネル100について以下に説明すること以外の構成は、ミーティングブース1の全体構成に関して前述した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本開示の一態様におけるパネルの構成は、以下に説明することに限定されず、第1背面パネル100について前述した構成も本開示の一態様におけるパネルの範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1背面パネル100の詳細構成として理解することができる。但し、本開示の一態様におけるパネルを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。
【0053】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを、フレキシブルに構築して提供することにある。フレキシブルに構築するとは、ミーティングブースの設置位置に柔軟性があることを意味する。本開示の一態様におけるパネルを準備することによって、パネルを設置するスペースを確保すれば、当該パネルを用いてミーティングブースを構築できる。
【0054】
図3は、本開示の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための平面図である。図3の符号3001で示す図は、パネルの構成について説明するための平面図であり、符号3002で示す図は、パネルの構成について説明するための部分拡大した平面図である。
【0055】
図3に示すように、本実施形態における第1背面パネル100は、共有空間に設置されるパネルであって、第1外面101および第1内面102を含み、第1内面102は、平面視において、第1外面101が延びる方向に対して傾斜して延びている。第1背面パネル100の一端側をミーティングブース1の出入口400側とし、第1背面パネル100の他端側をミーティングブース1の奥側に設定する。第1背面パネル100における第1内面102と第1外面101との距離は、第1背面パネル100における一端側の距離D21の方が、第1背面パネル100における他端側の距離D22の方よりも大きく構成されている。ここでいう距離D21および距離D22は、第1背面パネル100における後述の第1部位110について特定されてよい。第1背面パネル100が後述する第1部位110、第2部位120および第3部位130を備える場合、上記第1内面102は、第1部位110の内面112であってよい。
【0056】
このような第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構築すれば、ミーティング空間の奥側が広く構成され、ブース内の閉塞感を軽減でき、快適なミーティング実施を実現することができる。また、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1をフレキシブルに構築することができる。そして、出入口400側が奥側よりも狭められることにより、ブース内の親密性を高め、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0057】
第1背面パネル100は、平面視において、一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなる第1部位110を含む。これにより、出入口400側が奥側よりも狭められたミーティング空間を有するミーティングブース1を簡易に構築することができる。
【0058】
第1背面パネル100は、第1部位110の一端側に、第2部位120を含む。第1背面パネル100において、平面視で、第1外面101に対する第2部位120の内面122の傾斜角度θ3は、第1外面101に対する第1部位110の内面112の傾斜角度θ2よりも大きい。第1背面パネル100において、第2部位120は、平面視で、第1部位110との接続部位CP1から第1背面パネル100の一端側にかけて厚みが漸次大きくなるものである。第1部位110の内面112および第2部位120の内面122はそれぞれ平面であってよい。傾斜角度θ2は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101(第1部位110の外面でもある)の仮想延長直線と、第1部位110の内面112の仮想延長直線とのなす鋭角の角度である。傾斜角度θ2は、前述の傾斜角度θ1(図示省略)と同じ角度であってよい。傾斜角度θ3は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101に対して第2部位120の内面122の仮想延長直線のなす鋭角の角度である。第2部位120の内面122は湾曲面であってもよく、この場合、平面視において、内面122の両端点を通る仮想直線を用いて上記傾斜角度θ3を特定することができる。
【0059】
上記のような第2部位120を有する第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構築することによれば、ミーティングブース1の外部の共有空間(特に、出入口400に連通する通路)に対してミーティング空間をより明瞭に画定することができ、ブース内のこもり感を向上させることができる。そのため、ブース内の親密性を高め、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0060】
第1背面パネル100は、第1部位110の他端側に、第3部位130を含む。第3部位130は、前述の第1奥側端部100Nに対応していてよい。第1背面パネル100において、平面視で、第1外面101に対する第3部位130の内面132の傾斜角度θ4は、第1外面101に対する第1部位110の内面112の傾斜角度θ2よりも大きい。第1背面パネル100において、第3部位130は、平面視で、第1部位110との接続部位CP2から第1背面パネル100の他端側にかけて厚みが漸次大きくなるものである。第3部位130の内面132は平面であってよい。傾斜角度θ4は、平面視において、第1背面パネル100の第1外面101に対して第3部位130の内面132の仮想延長直線のなす鋭角の角度である。第3部位130の内面132は湾曲面であってもよく、この場合、平面視において、内面132の両端点を通る仮想直線を用いて上記傾斜角度θ4を特定することができる。
【0061】
第2部位120の内面122または第3部位130の内面132について、第1外面101に対する傾斜角度(θ3、θ4)を、第1部位110の内面112の第1外面101に対する傾斜角度θ2よりも大きく設定した第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構築することができる。これにより、ミーティングブース1の隅部において、ブース内の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。そのため、ブース内で生じた音をブース外に音漏れしにくくできる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0062】
第1背面パネル100は、第1部位110の一端側に第2部位120を含み、他端側に第3部位130を含み、平面視で、第2部位120の一端側の厚みT1が、第3部位130の他端側の厚みT2よりも大きくなっていてよい。これにより、ブース内のこもり感を向上させることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0063】
第2部位120および第3部位130は、互いにY軸方向における長さが同程度であってよい。第2部位120のY軸方向における長さは、平面視において、Y軸方向で接続部位CP1から第1背面パネル100の一端側の端面までの距離であってよい。第3部位130のY軸方向における長さは、平面視において、Y軸方向で接続部位CP2から第1背面パネル100の他端側の端面までの距離であってよい。第1背面パネル100は、厚みT1が厚みT2よりも大きくなるように、傾斜角度θ3が傾斜角度θ4よりも大きい形状を有していてよい。第2部位120および第3部位130の形状は適宜調整されてよく、これにより、ミーティング空間として求められる仕様に対応してミーティングブース1を構築し易くすることができる。
【0064】
本開示の一態様におけるミーティングブースは、対向して配置される一対の長椅子と、一対の長椅子のそれぞれの背後に配置されるパネルと、一対の長椅子の間に配置される天板を有する机と、を備えていてよい。上記パネルとして上述の第1背面パネル100を用いることができる。上記長椅子の具体的な態様は特に限定されず、上記長椅子として、例えば前述の第1長椅子10または第2長椅子20が用いられてよく、前述の一般的な長椅子Gが用いられてもよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0065】
(その他の構成例)
第1背面パネル100は、例えば、底面および上面(天面)が互いに同じ形状を有していてもよく、この場合、第1背面パネル100の上下を逆転させて(Y軸回りに180°反転させて)配置することで第2背面パネル200として使用することができる。そのため、ミーティングブース1を構築するために用いられる部品点数を低減することができる。
【0066】
第1背面パネル100は、Z軸方向におけるサイズ(高さ)が例えば120cm以上であってよく、150cm以上であってよく、250cm以下であってよい。第1背面パネル100は、Y軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、300cm以下であってよい。
【0067】
<ソファ>
次に、本開示の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、ソファの構成について詳細に説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1長椅子10を例示して説明する。前述のミーティングブース1における第2長椅子20は、中心線CLを面内に含むYZ平面を対称面として、第1長椅子10に対して空間的に面対称な形状を有していてよい。
【0068】
なお、第1長椅子10について以下に説明すること以外の構成は、ミーティングブース1の全体構成に関して前述した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本開示の一態様におけるソファの構成は、以下に説明することに限定されず、第1長椅子10について前述した構成も本開示の一態様におけるソファの範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1長椅子10の詳細構成として理解することができる。但し、本開示の一態様におけるソファを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。また、本開示の一態様におけるソファは第1長椅子10のような長椅子形状に必ずしも限定されず、以下に説明する構成を有する一人用の椅子も本開示の一態様におけるソファの範疇に入る。
【0069】
本開示の一態様における目的は、共有空間に構築されたミーティングブースの利便性を向上させることにある。
【0070】
図4は、本開示の一実施形態におけるソファの構成について説明するための図である。図4の符号4001で示す図は、ソファの構成について説明するための平面図であり、符号4002で示す図は、ソファの構成について説明するための斜視図である。
【0071】
図4に示すように、本実施形態における第1長椅子10は、ミーティングブースを構成可能なソファであって、第1座11と、第1背もたれ16とを備え、長椅子としての形状を有する。第1背もたれ16は、中央背部161と、中央背部161の一端側に配置される一端側背部(端側背部)162と、中央背部161の他端側に配置される他端側背部(端側背部)163と、を含む。ミーティングブース1の出入口400側を一端側とし、ミーティングブース1の奥側を他端側とする。
【0072】
第1長椅子10は、平面視において、中央背部161の下端BT1から第1座11の第1座前端縁11Fまでの距離D31よりも、一端側背部162の下端BT2または他端側背部163の下端BT3から第1座11の第1座前端縁11Fまでの距離D32のほうが大きい。中央背部161の下端BT1、一端側背部162の下端BT2、および他端側背部163の下端BT3は、それぞれ平面視における第1背もたれ16の外縁に対応する。第1背もたれ16の形状によっては、平面視における第1背もたれ16の外縁(下端BT1、下端BT2、および下端BT)よりも、空間的にZ軸方向の下方に第1背もたれ16の実体が存在してもよい。上記距離D32は、平面視における、第1座前端縁11Fの仮想延長線と、下端BT2または下端BT3との間の距離である。
【0073】
上記構成を有する第1長椅子10をミーティングブース1内に配置することによれば、第1座11の上方の空間において、中央背部161よりも出入口400側にブース利用者が通過する空間的な余裕を持たせることができる。そのため、ブース利用者が第1長椅子10の端部から中央部まで移動しやすくすることができる。その結果、ミーティングブース1の利便性を向上させることができる。
【0074】
一端側背部162の下端BT2は、平面視で、一端側背部162と中央背部161との接続部位CP3から、一端側背部162において接続部位CP3と反対となる側にかけて、第1座前端縁11Fとの距離D32が漸次大きくなるように傾斜している。これにより、ブース利用者が第1長椅子10の端部から中央部までさらに移動しやすくなり、ミーティングブース1の利便性をより向上させることができる。また、他端側背部163の下端BT3は、平面視で、他端側背部163と中央背部161との接続部位CP4から、他端側背部163において接続部位CP4と反対となる側にかけて、第1座前端縁11Fとの距離D32が漸次大きくなるように傾斜している。
【0075】
第1長椅子10において、一端側背部162または他端側背部163は、側面視で三角形状の面を有していてよい。これにより、洗練されたデザインを有する第1長椅子10とすることができる。また、第1長椅子10において、一端側背部162または他端側背部163は、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。これにより、デザイン性がさらに向上する。また、第1長椅子10において、一端側背部162または他端側背部163は、平面視において略三角形状を有していてよく、当該三角形の少なくとも1つの角が丸みを帯びていてよい。
【0076】
第1長椅子10において、中央背部161は、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。中央背部161の表面は緩やかに湾曲した湾曲面であってよい。そして、第1長椅子10において、第1座11は、水平方向に対して、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fに向かう方向に座面14が上るように傾斜していてよい(図5も参照)。上記水平方向とは、第1座後端縁11Bを含む、床面に平行な仮想平面(XY平面に平行な仮想平面)の面内方向において、第1座後端縁11Bに直交する方向である。
【0077】
上記構成を有する第1長椅子10をミーティングブース1内に配置することによれば、第1長椅子10に着座するブース利用者は、中央背部161に自然に背をもたれさせることができる。そのため、第1長椅子10の快適性を高めることができ、ミーティングブース1の利便性をより一層向上させることができる。また、中央背部161の付近(例えば上方)に第1スピーカー150を設置した場合、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭が自然に第1スピーカー150に近づき、第1スピーカー150の出力音を聞き取りやすくすることができる。そのため、第1スピーカー150の音量を相対的に低下させる(ように設定する)ことができる。その結果、ブース外への音漏れを効果的に抑制できる。
【0078】
第1長椅子10では、平面視において、第1背もたれ16の第1背後端縁16Bと、第1座11の第1手前側端縁11SPまたは第1奥側端縁11SNとが、鋭角をなすように構成されている。第1背後端縁16Bは、平面視における中央背部161の外縁のうち第1背面パネル100に近い側を第1内面102に沿ってY軸方向に延びる部分である。平面視において第1座後端縁11Bと第1背後端縁16Bとは互いに重なっていてよい。第1長椅子10では、平面視において、第1背後端縁16Bの仮想延長直線と、第1手前側端縁11SPまたは第1奥側端縁11SNの仮想延長直線とが鋭角をなすように構成されていてよい。この鋭角の角度をθ5とすると、この角度θ5は例えば88°であってよく、80°以上であってよく、89°以下であってよい。角度θ5は、前述の90°-θ1の角度に対応していてよい(前述のミーティングブース1における傾斜角度θ1を参照)。
【0079】
上記構成を有する第1長椅子10は、例えば第3パネル300の第3内面302に沿うように第1奥側端縁11SNを当接させて配置させることができる。これにより、第1長椅子10の第1背もたれ16が、平面視で第1背面パネル100の第1外面101に対して傾斜した状態となるように第1長椅子10を配置することができる。また、第1長椅子10を平面視においてZ軸を回転中心に180°回転させて、第2長椅子20として第1長椅子10に対向配置させることができる。これにより、ブース内の一端側において第1長椅子10と第2長椅子20との間隔が比較的狭く、ブース内の他端側において第1長椅子10と第2長椅子20との間隔が比較的広く設定されたレイアウトを容易に実現することができる。
【0080】
本開示の一態様におけるミーティングブースは、共有空間に設置され、対向して配置される一対の長椅子と、前記一対の長椅子のそれぞれの背後に配置されるパネルと、前記一対の長椅子の間に配置される天板を有する机と、を備える。上記一対の長椅子の少なくとも一方として、上述の第1長椅子10を用いることができる。上記パネルの具体的な態様は特に限定されず、上記パネルとして、例えば前述の第1背面パネル100または第2背面パネル200が用いられてよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0081】
(その他の構成例)
第1長椅子10は、平面視で、中央背部161の背面161Bに対して一端側背部162の背面162Bが傾斜していてよく、中央背部161の背面161Bに対して他端側背部163の背面163Bが傾斜していてよい。第1背面パネル100が第1部位110、第2部位120、および第3部位130を備える場合、背面162Bは、第2部位120の内面122に対向し、背面163Bは、第3部位130の内面132に対向する。
【0082】
第1長椅子10は、平面視において、背面161Bに対する背面162Bの傾斜角度(鋭角)が、前述の傾斜角度θ3から傾斜角度θ2を減算した角度に対応していてよい。また、第1長椅子10は、平面視において、背面161Bに対する背面163Bの傾斜角度(鋭角)が、前述の傾斜角度θ2に傾斜角度θ4を加算した角度に対応していてよい。第1長椅子10は、背面161Bに対する背面162Bの傾斜角度と、背面161Bに対する背面163Bの傾斜角度とが互いに同一または略同一であってよく、この場合、第1背面パネル100が以下の構成を有していてよい。すなわち、第1背面パネル100では、θ3-θ2の値とθ4+θ2の値とが互いに同一または略同一となるように(すなわち、θ4+2×θ2により得られる値がθ3と同一または略同一となるように)、第1部位110、第2部位120、および第3部位130が構成されていてよい。本明細書において、角度が「略同一」とは、製造過程等において生じる±1°程度の誤差を許容する。
【0083】
<スピーカーおよびソファの形態>
本開示の一態様における、共有空間中にソファ、パネル、およびスピーカーを設置して構築されるミーティングブースについて、さらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1長椅子10、第1背面パネル100、および第1スピーカー150を例示して説明する。
【0084】
なお、ミーティングブース1について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本開示の一態様におけるミーティングブース1の構成は、以下に説明することに限定されず、共有空間に設置される各種の什器について前述した構成も本開示の一態様におけるミーティングブース1の範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1の詳細構成として理解することができる。
【0085】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現することにある。
【0086】
図5は、本開示の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための図である。図5の符号5001で示す図は、ミーティングブースの構成について説明するための斜視図であり、符号5002で示す図は、ミーティングブースの構成について説明するための部分拡大した側面図である。
【0087】
図5に示すように、本実施形態におけるミーティングブース1は、共有空間に設置されるオンライン会議を行うためのミーティングブースであって、第1座11および第1背もたれ16を有する第1長椅子(ソファ)10と、第1長椅子10の背後に設置される第1背面パネル(パネル)100と、第1長椅子10の上方において第1背面パネル100に配置される第1スピーカー(スピーカー)150と、を備えている。第1背もたれ16および第1座11の少なくとも一方は、第1座11に着座するブース利用者(着座者)の頭が第1スピーカー150に接近するように構成されている。
【0088】
本実施形態におけるミーティングブース1では、上記構成を有することにより、オンライン会議に係る音声等を第1スピーカー150から出力する場合、以下の効果を奏する。すなわち、第1長椅子10に着座するブース利用者が音声を聞き取り易くなるとともに、第1スピーカー150について、ブース外に音漏れしない程度となるように比較的低い音量に設定しやすくできる。よって、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1を提供することができる。また、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0089】
第1長椅子10において、第1背もたれ16は、前述のように、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。また、第1長椅子10において、第1座11は、前述のように、水平方向に対して、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fに向かう方向に座面14が上るように傾斜していてよい。第1長椅子10において、第1座11の座面14は、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fにかけて曲率半径が小さくなるように形成されていてよい。
【0090】
本実施形態におけるミーティングブース1では、上記構成を有することにより、第1座11に着座するブース利用者は、第1背もたれ16に自然に背をもたれさせることができる。そのため、第1長椅子10の快適性を高めることができる。また、第1背もたれ16の付近に第1スピーカー150を設置した場合、ブース利用者が第1背もたれ16に背をもたれさせることで、ブース利用者の頭が自然に第1スピーカー150に近づく。その結果、ブース利用者が第1スピーカー150の出力音を聞き取りやすくすることができる。
【0091】
側面視において、座面14に対応する、第1座11の外縁のうちZ軸方向上側(天井側)に位置する部分を上端縁11Tと称する。上端縁11Tは、第1座後端縁11B側に位置する後側上端縁11TBと、第1座前端縁11F側に位置する前側上端縁11TFとを含む。第1長椅子10は、後側上端縁11TBの曲率半径よりも前側上端縁11TFの曲率半径が小さい形状の第1座11を有している。側面視において、前側上端縁11TFは、後側上端縁11TBよりもZ軸方向上側に位置している。
【0092】
本実施形態におけるミーティングブース1では、第1背面パネル100は、第1長椅子10側の面である第1内面102と、第1内面102とは反対の面である第1外面101(図2等を参照)とを含む。そして、ミーティングブース1では、前述のように、平面視において、一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなるよう、第1内面102は第1外面101が延びる方向に対して傾斜して延びている。また、第1長椅子10は、第1背もたれ16が、第1背面パネル100の第1内面102に沿うように配置されている。
【0093】
第1背面パネル100の一端側をミーティングブース1の出入口400側とし、第1背面パネル100の他端側をミーティングブース1の奥側とする。このようにしてミーティングブース1を構築すれば、ブース内において、出入口400側が奥側よりも狭められ、ブース内の親密性を高めることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。また、奥側を広く構成することで、ブース内の閉塞感を軽減でき、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0094】
第1背面パネル100は、前述のように、平面視で一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなる第1部位110と、第1部位110の一端側に配置される第2部位120と、を含む。そして、第1背面パネル100は、前述のように、平面視で、第2部位120の内面122の第1外面101に対する傾斜角度θ3は、第1部位110の内面112の第1外面101に対する傾斜角度θ2よりも大きい(図3参照)。第1背面パネル100は、平面視で、第1部位110の一端(一端側の端部)から第2部位120の一端(一端側の端部)にかけて厚みが漸次大きくなっている(図3参照)。
【0095】
上記のように他端側から一端側に向かって厚みが漸次大きく構成された第2部位120を第1背面パネル100に設けることにより、出入口400側が奥側よりも狭められたミーティングブース1を簡易に構築することができる。また、ミーティングブース1の隅部において、出入口400側に、ミーティング空間の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。これにより、ブース内の音がブース外に音漏れすることを抑制し、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0096】
本開示の一態様におけるミーティングブースは、ソファを複数備え、複数の前記ソファのうち、少なくとも2つのソファのそれぞれを第1ソファおよび第2ソファとすると、前記第1ソファと前記第2ソファとは、互いに対向するように配置されている。そして、前記第1ソファと前記第2ソファとの間には、天板を有する机が配置されていてよい。上記ソファの具体的な態様は限定されないが、例えば上記ソファとして第1長椅子10を用いることができる。上記第1ソファおよび第2ソファはそれぞれ第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0097】
第1スピーカー150は、音声出力方向に指向性を有するものであってよい。これにより、ブース利用者が第1スピーカー150の出力音声をより確実に聞き取りやすくなるように第1スピーカー150を設定することができる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてのブース利用者の安心感を向上させることができる。
【0098】
<スピーカーの角度>
本開示の一態様における、共有空間中にソファ、パネル、およびスピーカーを設置して構築されるミーティングブースについて、さらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1長椅子10、第1背面パネル100、および第1スピーカー150を例示して説明する。
【0099】
なお、ミーティングブース1について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。換言すれば、本開示の一態様におけるミーティングブース1の構成は、以下に説明することに限定されず、共有空間に設置される各種の什器について前述した構成も本開示の一態様におけるミーティングブース1の範疇に入る。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1の詳細構成として理解することができる。
【0100】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現することにある。
【0101】
図6は、本開示の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための平面図である。図7は、本開示の一実施形態におけるミーティングブースの構成について説明するための斜視図である。
【0102】
図6および図7に示すように、本実施形態におけるミーティングブース1は、共有空間に設置されるオンライン会議を行うためのミーティングブースであって、第1座11および第1背もたれ16を有する第1長椅子(ソファ)10と、第1長椅子10の背後に設置される第1背面パネル(パネル)100と、第1長椅子10の上方において第1背面パネル100に配置される第1スピーカー(スピーカー)150と、を備えている。第1スピーカー150は、第1座11の上方空間に対し、少なくとも下方向に傾斜して音を出力するように設置されている。
【0103】
上記構成を備えるミーティングブース1では、オンライン会議に係る音声等を第1スピーカー150から出力する場合、第1長椅子10に着座するブース利用者が確実に音声を聞き取り、なおかつブース外に音漏れしにくい音量に第1スピーカー150を設定しやすくできる。よって、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0104】
第1スピーカー150の具体的な態様は特に限定されず、公知のスピーカーを用いることができる。第1スピーカー150は、音の出力方向を特定できる種類のスピーカーであってよい。第1スピーカー150は、例えば、音の出力部(放音部)を有し、当該出力部の法線方向を音の出力方向として特定することができる。上記放音部は平面形状であってよく、曲面形状であってもよい。第1スピーカー150は、音の出力方向(放音方向)が水平方向よりも下方を向くように、第1背面パネル100に設置されていてよい。
【0105】
第1スピーカー150は、側面視で、ミーティングブース1の内側方向(ミーティング空間の内側方向)に膨らむ形状を有していてよい。なお、上記形状は、第1スピーカー150の装置本体自体がミーティング空間の内側方向に膨らむ形状を有していることに限定されず、第1スピーカー150を覆うスピーカーカバーがミーティング空間の内側方向に膨らむ形状を有する場合も含む。これにより、第1スピーカー150から発せられる音(出力音)が或る程度の広がりを有するように、第1スピーカー150からブース内に音を出力できる。そのため、ブース内において第1スピーカー150の出力音をブース利用者が聞き取りやすくすることができる。第1スピーカー150は、形状における突出方向が水平方向よりも下方を向くように、第1背面パネル100に設置されていてよい。第1スピーカー150は、第1背面パネル100の第1内面102の表面に設置されていてよい。或いは、第1スピーカー150が第1背面パネル100に埋め込まれて設置されており、第1スピーカー150を覆うスピーカーカバーが設けられていてもよい。
【0106】
ミーティングブース1では、前述のように、第1背もたれ16は、下端側から上端側にかけて、曲率半径が小さくなるように湾曲していてよい。また、ミーティングブース1では、前述のように、第1座11は、水平方向に対して、第1座後端縁11Bから第1座前端縁11Fに向かう方向に座面14が上るように傾斜していてよい。これにより、第1長椅子10に着座するブース利用者は、背中を第1背もたれ16に自然にもたれさせることができる。そのため、第1長椅子10の快適性を高めることができる。また、第1背もたれ16の付近に第1スピーカー150を設置した場合において、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭が自然に第1スピーカー150に近づき、第1スピーカー150の出力音をより一層聞き取りやすくすることができる。
【0107】
ミーティングブース1では、前述のように、第1背面パネル100は、第1長椅子10側の面である第1内面102と、第1内面102とは反対の面である第1外面101とを含む。そして、平面視において、一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなるよう、第1内面102は第1内面102が延びる方向に対して傾斜して延びている。第1長椅子10は、第1背もたれ16が、第1背面パネル100の第1内面102に沿うように配置されている。
【0108】
第1背面パネル100の一端側をミーティング空間の出入口400側とし、第1背面パネル100の他端側をミーティング空間の奥側に設定する。このようにしてミーティングブース1を構築すれば、出入口400側が奥側よりも狭められ、ブース内の親密性を高め、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。また、奥側を広く構成することで、ブース内の閉塞感を軽減でき、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0109】
ミーティングブース1では、前述のように、第1背面パネル100は、平面視で一端側から他端側にかけて厚みが漸次薄くなる第1部位110と、第1部位110の一端側に配置される第2部位120と、を含む。ミーティングブース1では、平面視で、第2部位120の内面122の第1外面101に対する傾斜角度θ3は、第1部位110の内面112の第1外面101に対する傾斜角度θ2よりも大きい(図3参照)。そして、平面視で、第1部位110の一端から第2部位120の一端にかけて厚みが漸次大きくなっている。
【0110】
上記のように他端側から一端側に向かって厚みが漸次大きく構成された第2部位120を第1背面パネル100に設けることにより、出入口400側が奥側よりも狭められたミーティングブース1を簡易に構築することができる。また、ミーティングブース1の隅部において、出入口400側に、ミーティング空間の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。これにより、ブース内の音がブース外に音漏れすることを抑制し、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0111】
本開示の一態様におけるミーティングブースは、ソファを複数備え、複数の前記ソファのうち、少なくとも2つのソファのそれぞれを第1ソファおよび第2ソファとすると、前記第1ソファと前記第2ソファとは、互いに対向するように配置されている。そして、前記第1ソファと前記第2ソファとの間には、天板を有する机が配置されていてよい。上記ソファの具体的な態様は限定されないが、例えば上記ソファとして第1長椅子10を用いることができる。上記第1ソファおよび第2ソファはそれぞれ第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0112】
第1スピーカー150は、音声出力方向(音の出力方向)に指向性を有するものであってよい。音声出力方向は、放音方向と称することもでき、放音面の法線方向であってよい。これにより、ブース利用者がより確実に第1スピーカー150の出力音声を聞き取りやすくなるように第1スピーカー150を設定することができる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてのブース利用者の安心感を向上させることができる。また、第1スピーカー150における音の出力方向がX軸方向よりもブース奥側方向を向くことによれば、ブース外への音漏れを効果的に抑制することができる。
【0113】
<パネルヘッドレスト>
本開示の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、パネルの構成についてさらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1背面パネル100を例示して説明する。
【0114】
なお、第1背面パネル100について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1背面パネル100の詳細構成として理解することができる。但し、本開示の一態様におけるパネルを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。
【0115】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを、フレキシブルに構築して提供することにある。
【0116】
再び図6および図7を参照して、本実施形態における第1背面パネル100は、共有空間に設置されるパネルであって、第1外面101および第1内面102を含み、第1内面102には、第1内面102側に位置する第1長椅子10の着座者が頭部をもたれかけることができるヘッドレスト部8が設けられている。ヘッドレスト部8は、第1内面102から水平方向に突出し、第1長椅子10の第1背もたれ16とは別体で設けられている。
【0117】
上記構成を有する第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構成した場合、第1背面パネル100にヘッドレスト部8が設けられているため、ブース利用者は、リラックスした状態で第1長椅子10に着座することができる。さらに、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭部を後方に傾き過ぎないようにして、ブース利用者がミーティング内容を集中して聞くための姿勢を自然と作り出すことができる。このようにして、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1をフレキシブルに構築することができる。
【0118】
ヘッドレスト部8は、上下方向(Z軸方向)の寸法よりも、幅方向(Y軸方向)の寸法が大きく構成されていてよい。これにより、第1長椅子10に着座する複数のブース利用者が同時に頭部をヘッドレスト部8にもたれかけることができる。
【0119】
第1背面パネル100では、前述の第1スピーカー150に代替してヘッドレスト部8が設けられていてよい。すなわち、ヘッドレスト部8は、スピーカーとしての機能を有していなくてもよい。
【0120】
或いは、第1背面パネル100には、第1内面102側(ブース内側)に音声を出力するスピーカーが設けられており、ヘッドレスト部8は、当該スピーカーを外側から覆うスピーカーカバーとして機能してよい。前述の第1スピーカー150は、上記スピーカー(音の出力部)と、当該スピーカーを外側から覆うヘッドレスト部8とを有していてよい。上記スピーカーは、装置における音出力部(振動系)に対応する部分であってよい。上記スピーカーは、指向性スピーカーであってよい。これにより、ブース外への音漏れを低減させることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。
【0121】
本開示の一態様におけるミーティングブースは、パネルと、前記パネルの内面側に配置されたソファと、を備えていてよい。また、本開示の一態様におけるミーティングブースは、対向して配置される一対のソファと、前記一対のソファのそれぞれが内面側に配置されたパネルと、前記一対のソファの間に配置される机と、を備えていてよい。上記パネルとして上述の第1背面パネル100を用いることができる。上記ソファの具体的な態様は特に限定されないが、上記ソファとして、例えば上述の第1長椅子10を用いることができ、上記一対のソファは第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0122】
<スピーカーカバー>
本開示の一態様における、共有空間中に設置される什器のうち、パネルの構成についてさらに説明する。以下では、前述のミーティングブース1に含まれる第1背面パネル100を例示して説明する。
【0123】
なお、第1背面パネル100について以下に説明すること以外の構成は、ここまで説明した構成と同じであり、説明を繰り返すことは省略する。また、以下に説明することは、前述のミーティングブース1における第1背面パネル100の詳細構成として理解することができる。但し、本開示の一態様におけるパネルを共有空間に設置して構築されるミーティングブースは、前述の全体構成を有するミーティングブース1に限定されるものではない。そのため、以下に記載するミーティングブース1は、異なる全体構成を有するミーティングブースに適宜読み替えることができる。
【0124】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するミーティングブースを、フレキシブルに構築して提供することにある。
【0125】
図8は、本開示の一実施形態におけるパネルの構成について説明するための斜視図である。
【0126】
図8に示すように、本実施形態における第1背面パネル100は、共有空間に設置されるパネルであって、第1外面101および第1内面102を含み、第1内面102には、第1内面102側に音声を出力するスピーカーSPと、スピーカーSPを覆うスピーカーカバー9とが設けられている。スピーカーカバー9は、第1内面102から水平方向に突出し、第1内面102側に位置する第1長椅子10の着座者が頭部をもたれかけることができるヘッドレスト部8として機能する。
【0127】
上記構成の第1背面パネル100を用いてミーティングブース1を構成した場合、第1背面パネル100に設けられたスピーカーカバー9がヘッドレスト部8として機能するので、ブース利用者は、リラックスした状態で第1長椅子10に着座することができる。さらに、第1長椅子10に着座するブース利用者の頭部を後方に傾き過ぎないようにして、ブース利用者がミーティング内容を集中して聞くための姿勢を自然と作り出すことができる。このようにして、快適なミーティング実施を実現するミーティングブース1をフレキシブルに構築することができる。
【0128】
スピーカーSPは、平板状であってよい。これにより、第1背面パネル100に対してスピーカーSPを安定して固定させることができる。そして、スピーカーカバー9の形状の設計の自由度を高めることができる。スピーカーSPは、具体的には、装置における音出力部(振動系)であってよい。スピーカーSPの種類は特に限定されず、公知のスピーカーを用いることできる。スピーカーSPは、筐体に覆われていてもよく、筐体に覆われていなくてもよい。
【0129】
スピーカーSPは、第1長椅子10の第1座11の上方空間に対し、少なくとも下方向に傾斜して音を出力するように設置されていてよい。これにより、ブース外への音漏れを低減させることができ、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者に安心感を抱かせることができる。スピーカーSPは第1背面パネル100に少なくとも一部が埋め込まれて設置されていてよく、第1背面パネル100の表面に取り付けられていてもよい。スピーカーSPの音の出力方向が水平方向よりも下方を向いている一方で、スピーカーカバー9は表面の法線方向が水平方向となっていてもよい。
【0130】
スピーカーカバー9は、上下方向の寸法よりも、幅方向の寸法が大きく構成されていてよい。これにより、第1長椅子10に着座する複数のブース利用者が同時に頭部をスピーカーカバー9にもたれかけることができる。
【0131】
スピーカーカバー9は、表面に張られた張地90と、張地90とスピーカーSPとの間に位置し、通音性を有する第1中間材91と、張地90と第1中間材91との間に位置し、第1中間材91よりも軟質な第2中間材92と、を含んでいてよい。張地90としては、具体的な態様は特に限定されず、例えば不織布であってよい。第1中間材91の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、有孔形状の金属板(パンチングメタル等)であってよく、多孔形状のスチール板であってよい。第1中間材91の材質は金属に限定されない。また、第2中間材92の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、クッション性を有する材料(ウレタン等)を含んでいてよい。第2中間材92を含むことにより、第1長椅子10の着座者がスピーカーカバー9に頭を当てたときのクッション性をスピーカーカバー9に生じさせることができる。そして、張地90の表面の形状が第1中間材91の形状の影響を受けて変形することを防止することができる。
【0132】
上記構成によれば、張地90のデザイン変更によりスピーカーカバー9のデザインバリエーションの幅を広げることができる。また、第1中間材91について通音性を有するものとしつつ、第2中間材92は第1中間材より軟質なものとすることによって、スピーカーSPから出力される音量について適切なものとし、スピーカーカバー9に頭をもたれかける際の快適さも担保できる。
【0133】
第1背面パネル100では、1つのスピーカーカバー9の内部に、幅方向(Y軸方向)に並んで複数のスピーカーSPが含まれていてよい。スピーカーカバー9は複数の第1中間材91を含み、複数のスピーカーSPのそれぞれに、1つずつ第1中間材91が取り付けられていてよい。スピーカーカバー9では、スピーカーSPおよび第1中間材91の複数の組が1つの第2中間材92によって覆われていてよく、第2中間材92の表面が張地90によって覆われていてよい。
【0134】
本開示の一態様におけるミーティングブースは、パネルと、前記パネルの内面側に配置されたソファと、を備えていてよい。また、本開示の一態様におけるミーティングブースは、対向して配置される一対のソファと、前記一対のソファのそれぞれが内面側に配置されたパネルと、前記一対のソファの間に配置される机と、を備えていてよい。上記パネルとして上述の第1背面パネル100を用いることができる。上記ソファの具体的な態様は特に限定されないが、上記ソファとして、例えば上述の第1長椅子10を用いることができ、上記一対のソファは第1長椅子10および第2長椅子20であってよい。上記机の具体的な態様は特に限定されず、上記机として例えば前述の机5が用いられてよい。
【0135】
〔別構成例〕
(a)図9は、本開示の一実施形態における、ミーティングブースを複数配置させたミーティングブースシステムの一例について説明するための平面図である。図9に示すように、本開示の一実施形態におけるミーティングブースシステム2では、ミーティングブース1が複数、隣接して配置されている。
【0136】
図9に示す例では、複数のミーティングブース1がX軸方向に並んで一次元配置されているが、2つのミーティングブース1の第3パネル300の第3外面301同士を当接させることにより、Y軸方向に並んで配置させることもできる。
【0137】
(b)図10は、別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。別構成例におけるミーティングブース1Aは、第1背面パネル100と、第1長椅子10と、第1スピーカー150とを備えていてよく、第1背面パネル100に対向する第4立設部材500を備えていてよい。第4立設部材500は、内面501にディスプレイ30およびカメラ31が設置されていてよい。第4立設部材500は、内面501に机55が設けられていてよい。第4立設部材500の具体的態様は特に限定されず、共有空間に設置された内壁、パネル、パーティション等であってよい。
【0138】
第4立設部材500の内面501は、平面視において、Y軸方向に平行であってよく、或いは、前述のミーティングブース1における第2背面パネル200の第2内面202と同様にY軸方向に対して傾斜していてもよい。机55の天板における第1背面パネル100に対向する辺56は、第1座前端縁11Fに沿うように延びていてよく、第4立設部材500に当接する辺57は、第4立設部材500の内面501に沿って延びていてよい。ミーティングブース1Aは、1人のブース利用者がオンライン会議のために使用するためのブース(ソロブース)であってよい。
【0139】
(c)図11は、別構成例におけるミーティングブースについて説明するための斜視図である。別構成例におけるミーティングブース1Bは、第3パネル300の高さが例えば第1背面パネル100および第2背面パネル200よりも低い形状を有していてよい。
【0140】
〔SDGsへの貢献〕
本開示の一態様によれば、快適なミーティング環境を提供できる。例えばオープンスペース等の共有空間においてミーティング(Web会議含む)を気軽に実施し易くできる。ミーティング等のコミュニケーションは社会活動(経済活動)の根幹であり、本開示の一態様によれば、働き方の多様化の促進および事業活動の円滑な推進に貢献することにより、経済の発展に寄与することができる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「働きがいも経済成長も」等の達成にも貢献するものである。
【0141】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1と同じであってよい。
【0142】
前記実施形態1にて説明したように、共有空間内に各種の什器の組を設置してミーティングブースを構築することにより、共有空間内にミーティング空間を画定(形成)することができる。本実施形態では、オフィス空間(オフィス)内に各種の什器の組を設置してパネルブースを構築することにより、オフィスに執務空間を画定(形成)するパネルブースシステムについて説明する。
【0143】
オフィスとは、典型的には、事務的な作業等を行う作業者(ワーカー)が働く場所であってよく、具体例としては、会社や事務所等が挙げられる。執務空間とは、作業者が業務(例えば、PCを用いた各種の作業、ミーティング等)を行うための空間であってよい。本実施形態におけるパネルブースシステムは、オフィスにおけるオープンスペースに設置されてよい。前述のように、オープンスペースとは、オフィス等に関して一般的に用いられる用語であり、会議室等とは異なって、間取りが固定化されていない空間であるといえる。
【0144】
近年、オフィスの空間づくりに対する注目が高まっているとともに、テレワークやハイブリッドワークの普及に伴い、オフィスの役割も変化しつつある。オフィスの限られた面積を有効に活用しつつ執務空間を確保することが求められる。
【0145】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティングスペースを構成できるパネルブースシステムを提供することにある。
【0146】
<パネルブースシステムの全体構成>
図12は、本開示の実施形態2におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための斜視図である。図13は、本開示の実施形態2におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための平面図である。以下では、パネルブースによって画定される空間自体は、上記パネルブースと区別して、「執務空間(空間)」または「ブース内」と称し、パネルブースを利用してブース内で作業(ミーティングを含む)を行う作業者を「ブース利用者」と称する。
【0147】
図12および図13に示すように、パネルブースシステム2Pは、複数人のミーティングに利用可能な第1空間S1を形成する第1パネルブースPB1と、第1パネルブースPB1に隣接して配置され第2空間S2を形成する第2パネルブースPB2と、を備えている。パネルブースシステム2Pは、オフィスに設置されてよく、典型的にはオフィスのオープンスペースに設置されてよい。以下、説明の便宜上、前記実施形態1と同様にXYZ軸座標系を規定し、参照のために各図中にXYZ軸座標系を図示している。第1パネルブースPB1における、ブース内への出入口600側をY軸方向の正方向とし、Y軸方向の負方向をブース奥側とする。図12および図13に示す例では、第2パネルブースPB2におけるブース内への出入口700は、第1パネルブースPB1の出入口600と同じ側に位置している。
【0148】
第1パネルブースPB1は、第1空間S1を形成する複数の第1空間形成パネルFBPと、複数人が着座可能な第1ソファ610と、第1ソファ610に対向配置されるとともに複数人が着座可能な第2ソファ620と、第1ソファ610と第2ソファ620との間に配置される第1パネルブーステーブルT1と、を有する。また、第2パネルブースPB2は、第2空間S2を形成する少なくとも1つ以上の第2空間形成パネルSBPと、複数人が着座可能な第2パネルブースソファ710と、第2パネルブースソファ710の正面側に配置される第2パネルブーステーブルT2と、を有する。
【0149】
第1パネルブースPB1において、第1空間形成パネルFBPは、第1ソファ610の背面側(背後)および第2ソファ620の背面側(背後)のそれぞれに隣接配置されている。第2パネルブースPB2において、第2空間形成パネルSBPは、少なくとも第2パネルブーステーブルT2の背面側(背後)に隣接配置されている。そして、パネルブースシステム2Pでは、第2ソファ620の背面側(背後)に隣接配置される第1空間形成パネルFBP(後述の第2背側パネルFBP2)が、第2ソファ620の背もたれ(背)626と第2パネルブースソファ710の背もたれ(背)716との間に位置する。
【0150】
本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pでは、第1パネルブースPB1(両面ブース)と第2パネルブースPB2(片面ブース)とがX軸方向に隣接(連接)している。第1パネルブースPB1は、複数人のミーティングに利用可能な執務空間としての第1空間S1を形成し、第2パネルブースPB2は、執務空間としての第2空間S2を形成する。オフィスにおいて、第1パネルブースPB1および第2パネルブースPB2を設置するスペースを確保すれば、パネルブースシステム2Pを設置することにより快適なミーティングスペースを構成できる。また、本開示の一態様におけるパネルブースシステムは、設置位置に柔軟性を有していてよく、執務空間を柔軟に構成(構築)することができる。
【0151】
パネルブースシステム2Pを用いることにより、作業者は、会議室等の閉鎖空間を予め確保しなくても第1空間S1にてミーティングを実施でき、また、第2空間S2にて各種の作業を行うことができる。また、執務空間の位置を適宜変更することができる。そのため、オフィスの限られた面積を効率的に利用しつつ執務空間を適宜構築することができる。したがって、快適性、生産性等の向上を意図したオフィスの空間づくりを行いやすくすることができる。
【0152】
パネルブースシステム2Pにおいて、第1パネルブースPB1および第2パネルブースPB2は、それぞれ第1空間S1および第2空間S2の天井側が閉塞されない(開放される)ように構築されていてよい。パネルブースシステム2Pでは、第1空間S1および第2空間S2の上方が完全開放されていてよい。第1パネルブースPB1は、第1空間形成パネルFBPのZ軸方向の正方向側(上端部)に、天井部、屋根部材、または遮蔽部等が設けられていなくてよく、第2パネルブースPB2は、第2空間形成パネルSBPのZ軸方向の正方向側(上端部)に、天井部、屋根部材、または遮蔽部等が設けられていなくてよい。
【0153】
第1パネルブースPB1は、第1ソファ610と第2ソファ620との間にディスプレイ30が配置されていてよい。ディスプレイ30は、第1空間S1におけるブース奥側に位置していてよい。ディスプレイ30を備えることにより、第1空間S1において、多様なミーティング内容でも円滑に進行させることができ、ミーティング参加者の意識合わせも確実に行うことができる。第1パネルブースPB1としては、ディスプレイ30は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0154】
第2パネルブースPB2は、第2パネルブースソファ710の正面側にディスプレイ30が配置されていてよい。ディスプレイ30を備えることにより、第2空間S2におけるブース利用者の作業環境をより快適なものとすることができる。第2パネルブースPB2としては、ディスプレイ30は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0155】
第1パネルブースPB1は、例えばディスプレイ30の近傍(ブース奥側)に、ブース内を撮像するカメラ31が配置されていてよい。ブース利用者は、第1空間S1において、ディスプレイ30およびカメラ31を用いてWeb会議等を行うことができる。また、第2パネルブースPB2は、例えばディスプレイ30の近傍に、ブース内を撮像するカメラ31が配置されていてよい。ブース利用者は、第2空間S2において、ディスプレイ30およびカメラ31を用いてWeb会議等を行うことができる。カメラ31は、マイク機能を有していてよい。パネルブースシステム2Pとしては、カメラ31は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0156】
図12および図13に示す例では、第1パネルブースPB1は、第1空間形成パネルFBPとして、第1ソファ610の背面側(背後)に隣接配置される第1背側パネルFBP1と、第2ソファ620の背面側(背後)に隣接配置される第2背側パネルFBP2と、第1空間S1におけるブース奥側に設置される第1奥側パネルFBP3と、を含む。換言すれば、第1パネルブースPB1には、第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2のそれぞれの一端同士の間に配置されるパネル(第1奥側パネルFBP3)が含まれていてよい。なお、ここでいう「一端」とは、第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2のそれぞれのブース奥側(出入口600の反対側)の端を意味する。
【0157】
出入口600を除いて第1空間S1の周囲が覆われることで、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。これにより、第1空間S1で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の安心感を向上させることができる。なお、このような効果は、第1奥側パネルFBP3を備えることに代替して、例えばオフィスに設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等を利用することによっても得られる。そのため、第1パネルブースPB1としては、第1奥側パネルFBP3は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。パネルブースシステム2Pでは、オフィスに設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等がブース奥側に位置するように第1パネルブースPB1が設置されてよい。
【0158】
図12に示す例では、第1パネルブースPB1において、第1背側パネルFBP1、第2背側パネルFBP2、および第1奥側パネルFBP3の高さが互いに揃っているが、これに限定されない。一例における第1パネルブースPB1では、第1奥側パネルFBP3の高さは、第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2よりも低くてもよい。オフィスに設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等に隣接して第1パネルブースPB1を設置することにより、比較的低い高さを有する第1奥側パネルFBP3を用いる場合であっても、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。ガラス窓に隣接して設置される場合、ブース内の採光性が向上し得る。
【0159】
第1パネルブースPB1では、ディスプレイ30が、第1奥側パネルFBP3の内面IF103に取り付けられていてよく、或いは、第1パネルブーステーブルT1の天板T11における第1奥側パネルFBP3に近接した位置に設置されていてよい。第1空間S1にてディスプレイ30を用いてWeb会議等を行うブース利用者が、ブース奥側に顔を向けた状態で発話し易くなることによれば、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。その結果、ブース内で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の安心感を向上させ、オフィスにおいて気軽に、より快適にミーティングを実施できる。
【0160】
図12および図13に示す例では、第2パネルブースPB2は、第2空間形成パネルSBPとして、第2パネルブースソファ710の背面側(背後)に隣接配置されるソファ側パネルSBP1と、第2パネルブーステーブルT2の背面側(背後)に配置されるテーブル側パネルSBP2と、第2空間S2におけるブース奥側に設置される第2奥側パネルSBP3と、を含む。換言すれば、第2パネルブースPB2には、ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2のそれぞれの一端同士の間に配置されるパネル(第2奥側パネルSBP3)が含まれていてよい。なお、ここでいう「一端」とは、ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2のそれぞれのブース奥側(出入口700とは反対側)の端を意味する。
【0161】
一般に、開放的な環境で作業を行う場合、作業者の集中力が損なわれ得る。これに対して、パネルブースシステム2Pでは、第2パネルブースPB2により形成される第2空間S2(執務空間)において、出入口700を除いて第2空間S2の周囲が覆われている。これにより、第2空間S2にて作業を行うブース利用者は、ブース外の音が聞こえにくくなるとともに、視界から得られる情報量が低減される。また、ブース利用者の背後にソファ側パネルSBP1が存在する作業環境によって集中力が高められ得る。その結果、ブース利用者の集中力を効果的に高め易い執務空間を形成することができる。
【0162】
また、第2空間S2で例えばミーティングを行う場合、ブース利用者の正面に位置するテーブル側パネルSBP2の方向に発話することになる。そのため、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。これにより、第2空間S2で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の安心感を向上させることができる。
【0163】
なお、上記のような効果は、第2奥側パネルSBP3を備えることに代替して、オフィスに設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等を利用することによっても得られる。そのため、第2パネルブースPB2としては、第2奥側パネルSBP3は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。パネルブースシステム2Pでは、オフィスに設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等がブース奥側に位置するように第2パネルブースPB2が設置されてよい。
【0164】
図12に示す例では、第2パネルブースPB2において、ソファ側パネルSBP1、テーブル側パネルSBP2、および第2奥側パネルSBP3の高さが互いに揃っているが、これに限定されない。一例における第2パネルブースPB2では、第2奥側パネルSBP3の高さは、ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2よりも低くてもよい。オフィスに設けられた壁面、ガラス窓、パーティション等に隣接して第2パネルブースPB2を設置することにより、比較的低い高さを有する第2奥側パネルSBP3を用いる場合であっても、上記のような効果が得られる。ガラス窓に隣接して設置される場合、ブース内の採光性が向上し得る。
【0165】
パネルブースシステム2Pは、第1ソファ610および/若しくは第2ソファ620の背面側(背後)に隣接配置される第1空間形成パネルFBP、並びに第2パネルブースソファ710の背面側(背後)に隣接配置される第2空間形成パネルSBPの少なくとも一方に、スピーカーSPが配置されていてよい。図12および図13に示す例では、パネルブースシステム2Pは、第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2のそれぞれにおける第1空間S1側の内面IF101・IF102に配置された第1空間スピーカー装置910と、ソファ側パネルSBP1における第2空間S2側の内面IF211に配置された第2空間スピーカー装置920とを備えていてよい。第1空間スピーカー装置910および第2空間スピーカー装置920は、前記実施形態1のミーティングブース1における第1スピーカー150と同様の構成を有していてよく、内部にスピーカーSPを含む(図8を参照)。
【0166】
第1空間スピーカー装置910は、第1ソファ610および第2ソファ620のそれぞれの上方に位置していてよく、第2空間スピーカー装置920は、第2パネルブースソファ710の上方に位置していてよい。第1空間スピーカー装置910は、第1空間S1にてWeb会議等を行う場合に用いられてよい。第2空間スピーカー装置920は、第2空間S2にてWeb会議等を行う場合に用いられてよく、また、ブース利用者が作業を行う際に、集中力を高めるための各種の音を発する用途に用いることもできる。第1空間スピーカー装置910および/または第2空間スピーカー装置920は、マスキング音を出力(放音)可能に構成されていてよい。本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pによれば、オフィスにおいて、より快適なミーティングスペースを構成することができる。
【0167】
パネルブースシステム2Pでは、スピーカーSPにおける音の出力方向(放音方向)が水平方向よりも下方を向くようになっていてよく、これにより、ブース外への音漏れを効果的に抑制することができる。スピーカーSPは、出力音が比較的強い指向性を有するスピーカー(指向性スピーカー)であってよく、この場合、ブース利用者がスピーカーSPの出力音声をより確実に聞き取りやすくできるとともに、ブース外への音漏れ(特に出入口側への音漏れ)をより一層効果的に抑制できる。或いは、スピーカーSPは、音声出力方向に指向性を有していなくてよく、この場合、コストを低減し易くできる。パネルブースシステム2Pとしては、スピーカーSPは必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0168】
パネルブースシステム2Pは、第1ソファ610および/若しくは第2ソファ620の背面側(背後)に隣接配置される第1空間形成パネルFBP、並びに第2パネルブースソファ710の背面側(背後)に隣接配置される第2空間形成パネルSBPの少なくとも一方に、ヘッドレスト部(第1空間ヘッドレスト部81、第2空間ヘッドレスト部82)が配置されていてよい。図12および図13に示す例では、パネルブースシステム2Pは、第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2のそれぞれにおける第1空間S1側の内面IF101・IF102に配置された第1空間ヘッドレスト部81と、ソファ側パネルSBP1における第2空間S2側の内面IF211に配置された第2空間ヘッドレスト部82とを備えていてよい。
【0169】
第1空間ヘッドレスト部81が設けられていることにより、第1空間S1において、ブース利用者は、リラックスした状態で第1ソファ610または第2ソファ620に着座することができる。第2空間ヘッドレスト部82が設けられていることにより、第2空間S2において、ブース利用者は、リラックスした状態で第2パネルブースソファ710に着座することができる。本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pによれば、オフィスにおいて、より快適なミーティングスペースを構成することができる。パネルブースシステム2Pとしては、ヘッドレスト部は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0170】
上記ヘッドレスト部(第1空間ヘッドレスト部81、第2空間ヘッドレスト部82)は、第1パネルブースPB1または第2パネルブースPB2の内側方向に突出していてよい。第1空間ヘッドレスト部81は、第1ソファ610の背もたれ616または第2ソファ620の背もたれ626とは別体に設けられていてよい。第2空間ヘッドレスト部82は、第2パネルブースソファ710の背もたれ716とは別体に設けられていてよい。第1空間ヘッドレスト部81は、第1背側パネルFBP1の内面IF101または第2背側パネルFBP2の内面IF102に、第1ソファ610または第2ソファ620の着座者が頭部をもたれかけることができるように設けられていてよい。第2空間ヘッドレスト部82は、ソファ側パネルSBP1の内面IF211に、第2パネルブースソファ710の着座者が頭部をもたれかけることができるように設けられていてよい。
【0171】
上記構成を有することにより、第1空間S1において、第1ソファ610または第2ソファ620に着座するブース利用者の頭部を後方に傾き過ぎないようにして、ブース利用者がミーティング内容を集中して聞くための姿勢を自然と作り出すことができる。また、第2空間S2において、第2パネルブースソファ710に着座して執務に従事するブース利用者は、第2空間ヘッドレスト部82に対して任意に頭部をもたれかけることができるので、疲労感を効果的に軽減できる。本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pによれば、より快適なミーティングをブース利用者が実施できる第1空間S1をフレキシブルに構成することができる。また、より快適にブース利用者が作業を行うことができる第2空間S2をフレキシブルに構成することができる。パネルブースシステム2Pとしては、ヘッドレスト部の具体的な構成は特に限定されない。第1空間ヘッドレスト部81は、第1ソファ610の背もたれ616または第2ソファ620の背もたれ626と一体に設けられていてよく、第2空間ヘッドレスト部82は、第2パネルブースソファ710の背もたれ716と一体に設けられていてもよい。
【0172】
上記ヘッドレスト部(第1空間ヘッドレスト部81、第2空間ヘッドレスト部82)は、第1ソファ610、第2ソファ620または第2パネルブースソファ710に着座する複数人が同時に頭部をもたれかけられるように、上下方向(Z軸方向)の寸法よりも幅方向(Y軸方向)の寸法のほうが大きく構成されていてよい。これにより、第1ソファ610、第2ソファ620または第2パネルブースソファ710に複数人が着座した場合の快適性を高めやすくできる。パネルブースシステム2Pとしては、ヘッドレスト部の具体的な構成は特に限定されず、適宜変更または省略が可能であり、例えば、Y軸方向に並ぶ複数の第1空間ヘッドレスト部81が設けられていてよく、また、Y軸方向に並ぶ複数の第2空間ヘッドレスト部82が設けられていてもよい。
【0173】
パネルブースシステム2Pでは、第1ソファ610および/若しくは第2ソファ620の背面側(背後)に隣接配置される第1空間形成パネルFBP、並びに第2パネルブースソファ710の背面側(背後)に隣接配置される第2空間形成パネルSBPの少なくとも一方にはスピーカーSPが配置され、上記ヘッドレスト部(第1空間ヘッドレスト部81、第2空間ヘッドレスト部82)は、スピーカーSPを外側から覆い、スピーカーカバーとして機能してよい。第1空間スピーカー装置910および第2空間スピーカー装置920は、前記実施形態1のミーティングブース1における第1スピーカー150と同様の構成を有していてよく、ヘッドレスト部として機能するスピーカーカバーを有していてよい(図8を参照)。上記スピーカーカバーは、第1背側パネルFBP1の内面IF101、第2背側パネルFBP2の内面IF102、またはソファ側パネルSBP1の内面IF211から水平方向に突出する形状を有していてよい。
【0174】
ブース利用者の頭部が第1空間スピーカー装置910または第2空間スピーカー装置920に自然に近づくことで、第1空間スピーカー装置910または第2空間スピーカー装置920の出力音を聞き取りやすくすることができる。そのため、第1空間スピーカー装置910または第2空間スピーカー装置920の音量を比較的小さくする(ように設定する)ことができる。その結果、ブース利用者の声量も比較的小さくなり易いことにより、ブース外への音漏れをより一層低減し易くできる。パネルブースシステム2Pとしては、上記の例に限定されず、適宜変更または省略が可能であり、例えば、第1パネルブースPB1において第1空間スピーカー装置910および第1空間ヘッドレスト部81の両方が個別に設けられていてよく、また、第2パネルブースPB2において第2空間スピーカー装置920および第2空間ヘッドレスト部82の両方が個別に設けられていてもよい。
【0175】
(その他の構成)
図12および図13に示す例のように、第1パネルブースPB1は、第1パネルブーステーブルT1の天板T11上に設けられたマイク6を備えていてよい。また、第2パネルブースPB2は、第2パネルブーステーブルT2の天板T21上に設けられたマイクT26を備えていてよい。マイクT26は、収音方向に比較的強い指向性を有する指向性マイクであってよく、この場合、ブース利用者の声量を比較的小さくしても、音声がマイクT26に入力され易くでき、その結果、ブース外への音漏れをより一層低減し易くできる。パネルブースシステム2Pとしては、マイク6またはマイクT26は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0176】
第1パネルブースPB1は、第1パネルブーステーブルT1の天板T11上に設けられた給電部7を備えていてよい。給電部7は、通信ケーブルを含んでいてよい。マイク6および給電部7に接続される配線は、天板T11の内部を通っていてよく、天板T11の裏面に沿って配設されていてよい。第1空間スピーカー装置910への配線は第1空間形成パネルFBPの内部を通っていてよい。第2パネルブースPB2は、第2パネルブーステーブルT2の天板T21上に設けられた給電部7を備えていてよい。マイクT26および給電部7に接続される配線は、天板T21の内部を通っていてよく、天板T21の裏面に沿って配設されていてよい。第2空間スピーカー装置920への配線は第2空間形成パネルSBPの内部を通っていてよい。これにより、ブース利用者から配線が見えにくくすることができ、快適な執務空間を構成することができる。パネルブースシステム2Pとしては、給電部7は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0177】
第1空間形成パネルFBPは、例えば、骨組み等の基部の周りにクッション材(吸音材)が配置され、表面が不織布等によって覆われて形成されていてよい。第2空間形成パネルSBPについても同様に、例えば、骨組み等の基部の周りにクッション材(吸音材)が配置され、表面が不織布等によって覆われて形成されていてよい。これにより、ブース外への音漏れをさらに低減し易くできる。
【0178】
第1パネルブースPB1において、第1ソファ610の座611と背もたれ616とは互いに別体であってよく、この場合、座611と背もたれ616とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第1ソファ610は、座611および背もたれ616の少なくとも何れか一方が第1背側パネルFBP1に固定されていてよい。第2ソファ620についても同様に、座621と背もたれ626とは互いに別体であってよく、この場合、座621と背もたれ626とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第2ソファ620は、座621および背もたれ626の少なくとも何れか一方が第2背側パネルFBP2に固定されていてよい。また、第2パネルブースPB2において、第2パネルブースソファ710の座711と背もたれ716とは互いに別体であってよく、この場合、座711と背もたれ716とは互いに少なくとも一部が接触していてよく、互いに接触していなくてもよい。第2パネルブースソファ710は、座711および背もたれ716の少なくとも何れか一方がソファ側パネルSBP1に固定されていてよい。
【0179】
第1パネルブーステーブルT1は、第1奥側パネルFBP3に固定されていてよい。第2パネルブーステーブルT2は、テーブル側パネルSBP2に固定されていてよい。第1空間スピーカー装置910は、第1空間形成パネルFBPを設置した後の時点において、第1空間形成パネルFBPに設置されてよく、具体的な手法は特に限定されない。また、第2空間スピーカー装置920は、第2空間形成パネルSBPを設置した後の時点において、第2空間形成パネルSBPに設置されてよく、具体的な手法は特に限定されない。
【0180】
図12および図13に示す例では、第1パネルブースPB1における第2背側パネルFBP2の外面OF102と、第2パネルブースPB2におけるソファ側パネルSBP1の外面OF210とが、互いに平面状であるとともに密着している。これにより、第1パネルブースPB1および第2パネルブースPB2を省スペースで配置することができる。パネルブースシステム2Pでは、例えば接続部材を用いて、第1パネルブースPB1および第2パネルブースPB2が、互いに相対的な位置関係が変位しないように固定されていてよい。
【0181】
パネルブースシステム2Pでは、例えば、第1空間S1と第2空間S2との間のパネル(第2背側パネルFBP2、ソファ側パネルSBP1)の上面に、マスキング音を出力するマスキング装置を設置してもよい。マスキング装置から例えば天井に向かってマスキング音を放音し、天井でマスキング音を反射させることにより、第1空間S1および第2空間S2並びにその周辺に、音がマスキングされる空間(マスキング場)を形成することができる。マスキング装置は、マスキング音の放音部の上方に、マスキング音を反射させる反射板を備えていてもよい。
【0182】
図12に示す例のように、第2空間形成パネルSBPは、上下(Z軸方向)に分割されたパーツを組み合わせてオフィスに設置されていてよい。このことは、第1空間形成パネルFBPについても同じであってよく、また、前記実施形態1のミーティングブースが備える各種パネルについても同じであってよい。
【0183】
図12および図13に示す例に限定されず、パネルブースシステム2Pは、第2ソファ620の背もたれ626と第2パネルブースソファ710の背もたれ716との間に第2背側パネルFBP2が位置していればよく、第2パネルブースPB2にソファ側パネルSBP1が含まれていなくてもよい。この場合、第2パネルブースソファ710の背面側(背後)に第2背側パネルFBP2が隣接配置され、第1空間S1と第2空間S2とで第2背側パネルFBP2が共用されていてよい。
【0184】
第1空間形成パネルFBPおよび第2空間形成パネルSBPは、オフィスにおける床面に、取り外し可能に固定されて設置されていてよい。パネルブースシステム2Pは、オフィスにおける設置位置を柔軟に変更可能であってよい。
【0185】
図12および図13に示す例では、第1パネルブースPB1および第2パネルブースPB2がX軸方向に並んで一次元配置されているが、第2パネルブースPB2は、第1パネルブースPB1に対してX軸方向の負方向側に位置していてもよいことは、上述の説明を参照して容易に理解できる。パネルブースシステム2Pは、複数の第1パネルブースPB1を含んでいてよく、複数の第2パネルブースPB2を含んでいてもよい。
【0186】
<第1パネルブースの構成例>
本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pは、第1パネルブースPB1として、例えば前記実施形態1のミーティングブース(ミーティングブース1・1B)を備えていてよい。具体的には、第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2は、それぞれ前述の第1背面パネル100および第2背面パネル200であってよく、第1奥側パネルFBP3は、前述の第3パネル300であってよい。第1ソファ610は、前述の第1長椅子10であってよく、第2ソファ620は、前述の第2長椅子20であってよい。第1パネルブーステーブルT1は、前述の机5であってよい。第1パネルブースPB1は、前記実施形態1のミーティングブース(ミーティングブース1・1B)について説明したその他の構成を適宜備えていてよい。これにより、オフィスにおいて、第1空間S1(執務空間)として、前記実施形態1のミーティングブースについて説明したことと同様の効果を奏する快適なミーティングスペースを構成することができる。
【0187】
上記の例に限定されず、第1パネルブースPB1における第1空間形成パネルFBP、第1ソファ610、第2ソファ620、および第1パネルブーステーブルT1としては、本開示の効果を奏する範囲で、それぞれ一般的な什器(公知の什器)を適用することもできる。第1空間形成パネルFBPは、間仕切りとして機能する一般的なパネルであってよく、具体的な種類は特に限定されない。第1ソファ610および第2ソファ620は、例えば、一般的なソファ(背もたれ付きの長椅子)であってよく、オフィスチェア若しくはワークチェアであってよく、背もたれやひじ掛けを有しないスツール若しくはパイプ椅子であってよく、ベンチであってもよい。第1パネルブーステーブルT1は、一般的な机であってよく、具体的な形態は特に限定されない。
【0188】
例えば、第1ソファ610および第2ソファ620は、それぞれブース利用者が2人ずつ着座することができるサイズを有していてよく、また、ブース利用者が3人ずつ着座することができるサイズを有していてよい。第1ソファ610および第2ソファ620のサイズが互いに異なっていてもよい。第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2は、Z軸方向におけるサイズ(高さ)が例えば120cm以上であってよく、250cm以下であってよい。第1背側パネルFBP1および第2背側パネルFBP2は、Y軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、300cm以下であってよい。第1奥側パネルFBP3は、X軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば200cm以上であってよく、300cm以下であってよい。
【0189】
<第2パネルブースの構成例>
本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pの第2パネルブースPB2について、図12および図13をさらに参照して以下に説明する。以下では、第1パネルブースPB1が前述の実施形態1のミーティングブース1である例について説明する。
【0190】
平面視においてY軸方向に延びる第1パネルブースPB1の中心線をCL1とし、平面視においてY軸方向に延びる第2パネルブースPB2の中心線をCL2とする。第1パネルブースPB1の中心線CL1は、前述のミーティングブース1の中心線CLと同じである。第2空間S2の出入口700側を、ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2の一端側とし、第2空間S2における奥側(出入口700とは反対側)を、ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2の他端側とする。
【0191】
ソファ側パネルSBP1は、X軸方向において第2空間S2の外側を向く表面である外面OF210と、第2空間S2の内側(第2パネルブースソファ710側)を向く表面である内面IF211とを有する。また、テーブル側パネルSBP2は、X軸方向において第2空間S2の外側を向く表面である外面OF220と、第2空間S2の内側(第2パネルブーステーブルT2側)を向く表面である内面IF221とを有する。
【0192】
ソファ側パネルSBP1の外面OF210およびテーブル側パネルSBP2の外面OF220は平面であるとともに互いに平行であってよい。第2パネルブースPB2は、平面視において、ソファ側パネルSBP1の外面OF210と、テーブル側パネルSBP2の外面OF220との間の距離D50が、出入口側の端部から、ブース奥側の端部にかけて一定である。
【0193】
ソファ側パネルSBP1は、一端側から他端側にかけて厚みが(実質的に)変化しない等厚部SBP11を含む。また、テーブル側パネルSBP2は、一端側から他端側にかけて厚みが(実質的に)変化しない等厚部SBP21を含む。「厚みが実質的に変化しない」とは、製造過程において生じる寸法誤差等を許容する意味である。
【0194】
平面視において、ソファ側パネルSBP1における、出入口700側の端部を一端側端部SBP12、ブース奥側の端部を他端側端部SBP13と称し、テーブル側パネルSBP2における、出入口700側の端部を一端側端部SBP22、ブース奥側の端部を他端側端部SBP23と称する。ソファ側パネルSBP1の内面IF211は、等厚部SBP11における内面であり、テーブル側パネルSBP2の内面IF221は、等厚部SBP21における内面である。内面IF211および内面IF221はそれぞれ平面であってよく、互いに平行であってよい。等厚部SBP11において、外面OF210および内面IF211は互いに平行であってよく、等厚部SBP21において、外面OF220および内面IF221は互いに平行であってよい。
【0195】
ソファ側パネルSBP1において、一端側端部SBP12は、等厚部SBP11との接続部位から一端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有し、他端側端部SBP13は、等厚部SBP11との接続部位から他端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有する。テーブル側パネルSBP2において、一端側端部SBP22は、等厚部SBP21との接続部位から一端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有し、他端側端部SBP23は、等厚部SBP21との接続部位から他端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有する。
【0196】
ソファ側パネルSBP1において、一端側端部SBP12と他端側端部SBP13とは、互いにY軸方向における長さが同程度であってよく、互いにXZ平面を対称面として面対称な形状を有していてよい。ソファ側パネルSBP1は、平面視において、外面OF210または内面IF211に対する、一端側端部SBP12の内面IF212の傾斜角度θ6(図示省略)と、外面OF210または内面IF211に対する、他端側端部SBP13の内面IF213の傾斜角度θ7(図示省略)とが互いに同等であってよい。
【0197】
ソファ側パネルSBP1は、平面視において、前記実施形態1のミーティングブース1と同構成を有する第1パネルブースPB1における第1背面パネル100の第2部位120についての傾斜角度θ3(図3参照)よりも上記傾斜角度θ6が小さい一端側端部SBP12を有していてよい。また、ソファ側パネルSBP1は、平面視において、第1背面パネル100の第3部位130についての傾斜角度θ4(図3参照)よりも上記傾斜角度θ7が大きい他端側端部SBP13を有していてよい。
【0198】
ソファ側パネルSBP1は、例えば、一端側端部SBP12の傾斜角度θ6が、前記実施形態1で説明した傾斜角度θ3から傾斜角度θ2を減算した角度(θ3-θ2により得られる値)と同等であってよく、他端側端部SBP13の傾斜角度θ7が、前記実施形態1で説明した傾斜角度θ4に傾斜角度θ2を加算した角度(θ4+θ2により得られる値)と同等であってよい。また、例えば、一端側端部SBP12および他端側端部SBP13のそれぞれのY軸方向における大きさが、第1背面パネル100の第2部位120および第3部位130と同等であってよい。この場合、第2パネルブースソファ710として第1長椅子10を用いることができる。そのため、パネルブースシステム2Pを構築するために用いられる部品点数を低減することができる。
【0199】
ソファ側パネルSBP1では、等厚部SBP11の厚さが、前記実施形態1のミーティングブース1と同構成を有する第1パネルブースPB1における、第1背面パネル100の第1部位110の平均厚さよりも小さくてよい。これにより、第2パネルブースPB2の設置面積を低減し易くできる。
【0200】
テーブル側パネルSBP2は、ソファ側パネルSBP1と同等の形状を有していてよい。例えば、テーブル側パネルSBP2は、Y軸またはZ軸を回転軸としてソファ側パネルSBP1と回転対称な形状を有してよい。そのため、テーブル側パネルSBP2について繰り返して説明することは省略するが、上記の説明を参照して、テーブル側パネルSBP2の等厚部SBP21、一端側端部SBP22および他端側端部SBP23について理解できる。ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2がそれぞれ同じ部品(部材)により構成されていてよく、この場合、第2パネルブースPB2を構築するために用いられる部品点数を低減することができる。
【0201】
上記のような一端側端部SBP12を有するソファ側パネルSBP1および一端側端部SBP22を有するテーブル側パネルSBP2を用いて第2パネルブースPB2を構築することによれば、第2パネルブースPB2の外部のオフィス空間に対して第2空間S2をより明瞭に画定することができ、ブース内のこもり感を向上させることができる。また、ソファ側パネルSBP1が他端側端部SBP13を有し、テーブル側パネルSBP2が他端側端部SBP23を有することにより、第2パネルブースPB2の隅部において、ブース内の中央に向かう方向が法線となる壁面が構成される。そのため、ブース内で生じた音をブース外に音漏れしにくくできる。上記の例に限定されず、ソファ側パネルSBP1において、内面IF212および内面IF213並びに内面IF222および内面IF223は湾曲面であってもよい。
【0202】
第2パネルブースソファ710は、長椅子としての形状を有している。第2パネルブースソファ710の背もたれ716は、前述のミーティングブース1の第1長椅子10における背もたれ16と同様に、中央背部761と、中央背部761の一端側に配置される一端側背部(端側背部)762と、中央背部761の他端側に配置される他端側背部(端側背部)763と、を含む。第2パネルブースソファ710は、平面視において、中央背部761の下端BT71から座711の座前端縁711Fまでの距離D61よりも、一端側背部762の下端BT72または他端側背部763の下端BT73から座711の座前端縁711Fまでの距離D62のほうが大きい。中央背部761の下端BT71、一端側背部762の下端BT72、および他端側背部763の下端BT73は、それぞれ平面視における背もたれ716の外縁に対応する。上記距離D62は、平面視における、座前端縁711Fの仮想延長線と、下端BT2または下端BT3との間の距離である。
【0203】
上記構成を有することにより、座711の上方の空間において、中央背部761よりも出入口700側にブース利用者が通過する空間的な余裕を持たせることができる。そのため、ブース利用者が第2パネルブースソファ710の端部から中央部まで移動しやすくすることができる。その結果、第2パネルブースPB2の利便性を向上させることができる。
【0204】
第2パネルブースPB2では、第2パネルブースソファ710の座711の座前端縁(前端縁)711Fが上記中心線CL2と平行に延びていてよい。座前端縁711Fは、平面視における座711の外縁のうち、ソファ側パネルSBP1から遠い側をY軸方向に沿って直線状に延びる部分である。第2パネルブースソファ710は、平面視において、座711の座前端縁711Fと背もたれ716における中央背部761の下端BT71とが互いに平行であってよい。第2パネルブースソファ710は、平面視において、背もたれ716(中央背部761)の背後端縁716Bの仮想延長直線と、座711のブース奥側の座側端縁711Sの仮想延長直線とが直交する形状を有していてよい。これにより、座711の座側端縁711Sを第2奥側パネルSBP3の内面IF230に当接させ易くできる。第2パネルブースソファ710は、幅方向(Y軸方向)において左右対称な形状を有していてよい。
【0205】
第2パネルブースPB2では、第2パネルブーステーブルT2の天板T21は、平面視において、座前端縁711Fに対向する対向辺T211を有している。第2パネルブーステーブルT2の天板T21は、平面視において、対向辺T211が上記中心線CL2と平行に延びている。対向辺T211は直線形状を有している。また、第2パネルブーステーブルT2の天板T21は、平面視において、出入口700側に位置する一端側の側辺T212と、ブース奥側に位置し、第2奥側パネルSBP3の内面IF230に対向する他端側の側辺T213とを有している。第2パネルブーステーブルT2の天板T21は、平面視において、対向辺T211の仮想延長直線と、側辺T212または側辺T213の仮想延長直線とが直交する形状を有していてよい。第2パネルブーステーブルT2の天板T21は、側辺T213が内面IF230に当接していてよい。
【0206】
パネルブースシステム2Pでは、第2パネルブースPB2の中心線CL2が第1パネルブースPB1の中心線CL1と平行または略平行であってよい。
【0207】
(第2パネルブースの別構成例)
一端側端部SBP12・SBP22および他端側端部SBP13・SBP23の形状は適宜調整されてよく、これにより、第2空間S2として求められる仕様に対応して第2パネルブースPB2を構築し易くすることができる。
【0208】
また、第2パネルブースPB2における第2空間形成パネルSBP、第2パネルブースソファ710、第2パネルブーステーブルT2としては、それぞれ一般的な什器(公知の什器)を適用することもできる。第2空間形成パネルSBPは、間仕切りとして機能する一般的なパネルであってよく、具体的な種類は特に限定されない。第2パネルブースソファ710は、例えば、一般的なソファ(背もたれ付きの長椅子)であってよく、オフィスチェア若しくはワークチェアであってよく、背もたれやひじ掛けを有しないスツール若しくはパイプ椅子であってよく、ベンチであってもよい。第2パネルブーステーブルT2は、一般的な机であってよく、具体的な形態は特に限定されない。
【0209】
例えば、第2パネルブースソファ710は、ブース利用者が2人着座することができるサイズを有していてよく、また、ブース利用者が3人着座することができるサイズを有していてよい。ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2は、Z軸方向におけるサイズ(高さ)が例えば130cm以上であってよく、250cm以下であってよい。ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2は、Y軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、300cm以下であってよい。第2奥側パネルSBP3は、X軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、200cm以下であってよい。
【0210】
(パネルブースシステムの別構成例)
図12および図13に示す例に限定されず、第2パネルブースPB2は、一端側に第2奥側パネルSBP3を配置することにより、他端側に出入口700が位置していてもよい。パネルブースシステム2Pは、連接されたパネルブースのそれぞれの出入口の向きが異なっていてもよい。
【0211】
図12および図13に示す例では、2つのパネルブースが連接されているが、これに限定されず、本開示の一態様におけるパネルブースシステムは、3つ以上のパネルブースが連接されていてもよい。
【0212】
図14は、別構成例におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための斜視図である。図15は、別構成例におけるパネルブースシステムの全体構成について説明するための平面図である。図14および図15に示すように、別構成例におけるパネルブースシステム2Pは、第1パネルブースPB1と、第2パネルブースPB21と、第2パネルブースPB22とがX軸方向(第1方向)においてこの順に並んで連接されている。
【0213】
図14および図15に示す例では、第2パネルブースPB21は、前述の第2パネルブースPB2と同様の構成を有している。第2パネルブースPB22は、ソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2のY軸方向におけるサイズ(横幅)が、第2パネルブースPB21よりも大きい。例えば、第2パネルブースPB21の第2パネルブースソファ710は、ブース利用者が2人着座することができるサイズを有しており、第2パネルブースPB22の第2パネルブースソファ710は、ブース利用者が3人着座することができるサイズを有していてよい。
【0214】
本開示の一態様におけるパネルブースシステム2Pは、第2パネルブースPB2として、後述の実施形態3において説明するパネルブースを適宜備えていてもよく、そのような構成も本開示のパネルブースシステム2Pの範疇に含まれる。
【0215】
〔実施形態3〕
本開示の他の実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1または実施形態2と同じであってよい。
【0216】
前記実施形態2では、オフィスに執務空間を画定(形成)するパネルブースシステムについて説明した。本実施形態では、様々な場所において空間を画定(形成)できるパネルブースについて説明する。
【0217】
本開示の一態様における目的は、快適なミーティング実施を実現するパネルブースを提供することにある。
【0218】
図16は、本開示の実施形態3におけるパネルブースの構成について説明するための斜視図である。図17は、本開示の実施形態3におけるパネルブースの構成について説明するための平面図である。以下、説明の便宜上、前記実施形態1、2と同様にXYZ軸座標系を規定し、参照のために各図中にXYZ軸座標系を図示している。また、以下では、本実施形態におけるパネルブースによって画定される空間自体を「画定空間」または「ブース内」と称し、本実施形態におけるパネルブースを利用してブース内のソファに着座する者を「ブース利用者」と称する。
【0219】
図16および図17に示すように、本開示の実施形態3におけるパネルブース1Pは、画定空間S3(空間)を形成する少なくとも1つの空間形成パネルBPと、ソファ810と、ソファ810の正面側に配置されるテーブルT3と、を有する。パネルブース1Pにおける、ブース内への出入口800側をY軸方向の正方向とし、Y軸方向の負方向をブース奥側とする。
【0220】
空間形成パネルBPには、ソファ810の背面側に隣接配置されるソファ側パネルBP1と、テーブルT3の背面側に隣接配置されるテーブル側パネルBP2と、が含まれ、ソファ側パネルBP1には、空間側に音声を出力するスピーカーSPが配置される。
【0221】
本開示の一態様におけるパネルブース1Pを設置することにより、様々な場所において、快適なミーティング実施を実現することができる。また、空間形成パネルBPを設置するスペースを確保すれば、パネルブース1Pを設置することにより、様々な用途の空間を構成(構築)することができる。パネルブース1Pの設置位置を変更することにより、パネルブース1Pにより画定される空間の位置を適宜変更することができる。本開示の一態様におけるパネルブース1Pは、スピーカーを有する片面ブースに対する需要がある場所および用途に適宜用いられてよく、具体的な設置場所および用途は特に限定されない。設置場所の一例としては、オフィス内、店舗内、施設内、(旅客機・客船・列車等の)客室内、住居内等が挙げられ、空間の用途の一例としては、作業用、執務用、芸術鑑賞用、学習用、休息用等が挙げられる。
【0222】
図16および図17に示す例では、パネルブース1Pは、ソファ側パネルBP1における画定空間S3側の内面IF11に配置されたスピーカー装置850を備えている。スピーカー装置850は、前記実施形態1のミーティングブース1における第1スピーカー150と同様の構成を有していてよく、内部にスピーカーSPを含む(図8を参照)。スピーカー装置850は、ソファ810の上方に位置していてよい。スピーカーSPは、画定空間S3の用途に応じて用いられる。スピーカーSPは、例えば、マスキング音を出力(放音)可能に構成されていてもよい。
【0223】
パネルブース1Pでは、スピーカーSPにおける音の出力方向(放音方向)が水平方向よりも下方を向くようになっていてよく、これにより、ブース外への音漏れを効果的に抑制することができる。スピーカーSPは、出力音が比較的強い指向性を有するスピーカー(指向性スピーカー)であってよく、この場合、ブース利用者がスピーカーSPの出力音声をより確実に聞き取りやすくできるとともに、ブース外への音漏れ(特に出入口側への音漏れ)をより一層効果的に抑制できる。或いは、スピーカーSPは、音声出力方向に指向性を有していなくてよく、この場合、コストを低減し易くできる。本開示の一態様におけるパネルブース1Pでは、例えば、画定空間S3の中央での音の強さが70db(デシベル)のとき、ブース外での音の強さを50db(デシベル)に低減することができる。
【0224】
図16および図17に示す例では、パネルブース1Pは、空間形成パネルBPとして、ソファ側パネルBP1およびテーブル側パネルBP2に加えて、画定空間S3におけるブース奥側に設置される中間パネルBP3を含む。換言すれば、パネルブース1Pにおいて、空間形成パネルBPには、ソファ側パネルBP1の一端と、テーブルT3の背面側に配置されるテーブル側パネルBP2の一端と、の間に配置される中間パネルBP3がさらに含まれる。なお、ここでいう「一端」とは、ソファ側パネルBP1およびテーブル側パネルBP2のそれぞれのブース奥側(出入口800とは反対側)の端を意味する。
【0225】
出入口800を除いて画定空間S3の周囲が覆われることで、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。また、ブース内のこもり感を向上させることができる。上記のような効果は、中間パネルBP3を備えることに代替して、パネルブース1Pの設置場所に存在する壁面、ガラス窓、パーティション等を利用することによっても得られる。そのため、空間形成パネルBPとしては、中間パネルBP3は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。パネルブース1Pは、壁面、ガラス窓、パーティション等がブース奥側に位置するように設置されてよい。
【0226】
図16に示す例では、パネルブース1Pにおいて、ソファ側パネルBP1、テーブル側パネルBP2、および中間パネルBP3の高さが互いに揃っているが、これに限定されない。
【0227】
図18は、本開示の実施形態3におけるパネルブースの一構成例について説明するための斜視図である。図18に示すように、一例におけるパネルブース1Pでは、中間パネルBP3の高さは、ソファ側パネルBP1およびテーブル側パネルBP2よりも低くてもよい。例えば、図18に示す例のパネルブース1Pを、ブース奥側がガラス窓に隣接するように設置することにより、ブース内の採光性が向上し得る。画定空間S3の用途に応じて、中間パネルBP3の具体的態様は適宜変更されてよい。
【0228】
図19は、本開示の実施形態3におけるパネルブースの一構成例について説明するための斜視図である。図19に示すように、一例におけるパネルブース1Pでは、出入口800が逆方向に位置しており、中間パネルBP3が、ソファ810の着座者から見て右手側に位置している。
【0229】
パネルブース1Pでは、ソファ側パネルBP1には、ソファ810の着座者が頭部をもたれかけるためのヘッドレスト部808が配置されていてよい。ヘッドレスト部808が設けられていることにより、画定空間S3において、ブース利用者は、リラックスした状態でソファ810に着座することができる。本開示の一態様におけるパネルブース1Pによれば、より快適なミーティング実施を実現することができる。パネルブース1Pとしては、ヘッドレスト部808は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0230】
パネルブース1Pでは、ソファ810は、複数人が着座可能に構成され、ヘッドレスト部808は、ソファ810に着座する複数人が同時に頭部をもたれかけられるように、上下方向の寸法よりも幅の寸法のほうが大きく構成されていてよい。これにより、ソファ810に複数人が着座した場合の快適性を高めやすくできる。パネルブース1Pとしては、ソファ810およびヘッドレスト部808の具体的な構成は特に限定されず、適宜変更または省略が可能である。パネルブース1Pは、例えば、Y軸方向に並ぶ複数のヘッドレスト部808が設けられていてもよい。ソファ810は、1人用のサイズを有していてもよい。
【0231】
パネルブース1Pでは、ヘッドレスト部808は、パネルブース1Pの内側方向に突出し、ソファ810とは別体に設けられていてよい。上記構成を有することにより、画定空間S3において、例えばミーティングを行う場合、ソファ810に着座するブース利用者の頭部を後方に傾き過ぎないようにして、ブース利用者がミーティング内容を集中して聞くための姿勢を自然と作り出すことができる。また、ブース利用者は、ヘッドレスト部808に対して任意に頭部をもたれかけることができるので、疲労感を効果的に軽減できる。本開示の一態様におけるパネルブース1Pによれば、より快適なミーティング実施を実現することができる。ヘッドレスト部808は、ソファ810の背もたれ816と一体に設けられていてもよい。
【0232】
パネルブース1Pでは、ヘッドレスト部808は、スピーカーSPを外側から覆い、スピーカーカバーとして機能してよい。例えば、スピーカー装置850は、前記実施形態1のミーティングブース1における第1スピーカー150と同様の構成を有していてよく、ヘッドレスト部として機能するスピーカーカバーを有していてよい(図8を参照)。上記スピーカーカバーは、ソファ側パネルBP1の内面IF11から水平方向に突出する形状を有していてよい。
【0233】
パネルブース1Pでは、画定空間S3には、ソファ810の着座者と対向する位置に、画像を表示するためのディスプレイ30が配置されてよい。ディスプレイ30を備えることにより、より快適なミーティング実施を実現することができる。パネルブース1Pとしては、ディスプレイ30は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0234】
パネルブース1Pでは、テーブルT3には、画定空間S3においてオンライン会議を行う際に、ソファ810の着座者から発せられる音声を入力するためのマイクT36が配置される。上記構成によれば、画定空間S3でオンライン会議を行う場合、ブース利用者は、テーブル側パネルBP2の方向に発話することになる。そのため、ブース内の音を外部に漏れにくくすることができる。これにより、画定空間S3で実施されているミーティング内容の秘匿性についてブース利用者の安心感を向上させることができる。パネルブース1Pとしては、マイクT36は必須ではなく、適宜変更または省略が可能である。
【0235】
本開示の一態様におけるパネルブース1Pは、例えば、前記実施形態2における第2パネルブースPB2と同様の構成を有していてよい。そのため、パネルブース1Pの各部の具体的な構成について繰り返して説明することは省略する。具体的には、ソファ側パネルBP1およびテーブル側パネルBP2は、それぞれ前述のソファ側パネルSBP1およびテーブル側パネルSBP2であってよく、中間パネルBP3は、前述の第2奥側パネルSBP3であってよい。ソファ810は、前述の第2パネルブースソファ710であってよく、テーブルT3は、前述の第2パネルブーステーブルT2であってよい。マイクT36は、マイクT26と同じ構成を有していてよい。パネルブース1Pは、前記実施形態2のパネルブースシステム2Pの第2パネルブースPB2について説明したその他の構成を適宜備えていてよい。これにより、前記実施形態2のパネルブースシステム2Pの第2パネルブースPB2について説明したことと同様の効果を奏し、快適なミーティング実施を実現することができる。
【0236】
パネルブース1Pでは、例えば、ソファ810は、ブース利用者が2人着座することができるサイズを有していてよく、また、ブース利用者が3人着座することができるサイズを有していてよく、ブース利用者が1人着座することができるサイズを有していてよい。ソファ側パネルBP1およびテーブル側パネルBP2は、Z軸方向におけるサイズ(高さ)が例えば130cm以上であってよく、250cm以下であってよい。ソファ側パネルBP1およびテーブル側パネルBP2は、Y軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、300cm以下であってよい。中間パネルBP3は、X軸方向におけるサイズ(横幅)が例えば100cm以上であってよく、200cm以下であってよい。
【0237】
(パネルブースの別構成例)
図20は、本開示の実施形態3におけるパネルブースの別構成例について説明するための斜視図である。図20に示すように、ソファ側パネルBP1における、出入口800側の端部を一端側端部BP12、ブース奥側の端部を他端側端部BP13と称し、パネルブース1Pは、一端側端部BP12と他端側端部BP13との間に位置し、一端側から他端側にかけて厚みが(実質的に)変化しない等厚部BP11を有する。そして、ソファ側パネルBP1は、等厚部BP11と一端側端部BP12との間に位置する一端側中間部BP121と、等厚部BP11と他端側端部BP13との間に位置する他端側中間部BP131とを有する。ソファ側パネルBP1の内面IF11は、等厚部BP11における内面である。等厚部BP11において、外面OF10および内面IF11は互いに平行であってよい。
【0238】
一端側端部BP12は、一端側中間部BP121との接続部位から一端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有し、他端側端部BP13は、他端側中間部BP131との接続部位から他端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有する。また、一端側中間部BP121は、等厚部BP11との接続部位から一端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有し、他端側端部BP13は、等厚部BP11との接続部位から他端側にかけて厚みが漸次大きくなる形状を有する。
【0239】
ソファ側パネルBP1は、平面視において、外面OF10または内面IF11に対する、一端側端部BP12の内面IF12の傾斜角度が、外面OF10または内面IF11に対する、一端側中間部BP121の内面IF121の傾斜角度よりも大きくてよい。ソファ側パネルBP1は、平面視において、外面OF10または内面IF11に対する、他端側端部BP13の内面IF13の傾斜角度が、外面OF10または内面IF11に対する、他端側中間部BP131の内面IF131の傾斜角度よりも大きくてよい。
【0240】
図20に示す例では、ソファ810は、座811および背もたれ816の一端側および他端側が、ソファ側パネルBP1の一端側中間部BP121の内面IF121および他端側中間部BP131の内面IF131に沿うように屈曲した形状を有している。ソファ810は、平面視において、座811の座前端縁811Fが、ソファ側パネルBP1の内面IF121・11・131に対応するように屈曲した形状を有している。また、テーブルT3の天板T31における、座前端縁811Fに対向する対向辺T311が、座前端縁811Fの形状に対応するように屈曲した形状を有している。
【0241】
図20に示す例では、ソファ810は、ブース利用者が3人着座することができるサイズを有しており、パネルブース1Pは、ブース利用者が3人着座した場合の画定空間S3の快適性を高めやすくできる。
【0242】
図21は、本開示の実施形態3におけるパネルブースの別構成例について説明するための斜視図である。図21に示す例では、ソファ側パネルBP1が、一端側中間部BP121および他端側中間部BP131を有していなくてもよく、一方で、平面視において、外面OF10または内面IF11に対する、一端側端部BP12の内面IF12および他端側端部BP13の内面IF13の傾斜角度が比較的大きくなっていてよく、当該傾斜角度が例えば45°程度であってよい。図21に示す例では、ソファ810は、座811および背もたれ816の一端側および他端側が、ソファ側パネルBP1の一端側端部BP12の内面IF12および他端側端部BP13の内面IF13のそれぞれに沿うように屈曲した形状を有している。ソファ810は、平面視において、座811の座前端縁811Fが、ソファ側パネルBP1の内面IF12・11・13に対応するように屈曲した形状を有している。また、テーブルT3の天板T31における、座前端縁811Fに対向する対向辺T311が、座前端縁811Fの形状に対応するように屈曲した形状を有している。
【0243】
図21に示す例では、ソファ810は、ブース利用者が3人着座することができるサイズを有しており、パネルブース1Pは、ブース利用者が3人着座した場合の画定空間S3の快適性を高めやすくできる。
【0244】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係るパネルブースシステムは、オフィスに設置されるパネルブースシステムであって、複数人のミーティングに利用可能な第1空間を形成する第1パネルブースと、前記第1パネルブースに隣接して配置され第2空間を形成する第2パネルブースと、を備え、前記第1パネルブースは、前記第1空間を形成する複数の第1空間形成パネルと、複数人が着座可能な第1ソファと、前記第1ソファに対向配置されるとともに複数人が着座可能な第2ソファと、前記第1ソファと前記第2ソファとの間に配置される第1パネルブーステーブルと、を有し、前記第2パネルブースは、前記第2空間を形成する少なくとも1つ以上の第2空間形成パネルと、複数人が着座可能な第2パネルブースソファと、前記第2パネルブースソファの正面側に配置される第2パネルブーステーブルと、を有し、前記第1パネルブースにおいて、前記第1空間形成パネルは、前記第1ソファの背面側および前記第2ソファの背面側のそれぞれに隣接配置され、前記第2パネルブースにおいて、前記第2空間形成パネルは、少なくとも前記第2パネルブーステーブルの背面側に隣接配置され、前記第2ソファの背面側に隣接配置される第1空間形成パネルは、前記第2ソファの背と前記第2パネルブースソファの背との間に位置する。
【0245】
本開示の態様2に係るパネルブースシステムは、前記態様1において、前記第1パネルブースには、前記第1ソファと前記第2ソファとの間にディスプレイが配置される。
【0246】
本開示の態様3に係るパネルブースシステムは、前記態様1または2において、前記第2パネルブースには、前記第2パネルブースソファの正面側にディスプレイが配置される。
【0247】
本開示の態様4に係るパネルブースシステムは、前記態様1から3の何れか一態様において、前記第1空間形成パネルには、前記第1ソファおよび前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネルの一端同士の間に配置されるパネルが含まれる。
【0248】
本開示の態様5に係るパネルブースシステムは、前記態様1から4の何れか一態様において、前記第2空間形成パネルには、前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの一端と、前記第2パネルブーステーブルの背面側に配置される前記第2空間形成パネルの一端と、の間に配置されるパネルが含まれる。
【0249】
本開示の態様6に係るパネルブースシステムは、前記態様1から5の何れか一態様において、前記第1ソファおよび/若しくは前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネル、並びに前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの少なくとも一方には、スピーカーが配置される。
【0250】
本開示の態様7に係るパネルブースシステムは、前記態様1から6の何れか一態様において、前記第1ソファおよび/若しくは前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネル、並びに前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの少なくとも一方には、ヘッドレスト部が配置される。
【0251】
本開示の態様8に係るパネルブースシステムは、前記態様1から7の何れか一態様において、前記ヘッドレスト部は、前記第1パネルブースまたは前記第2パネルブースの内側方向に突出し、前記第1ソファ、前記第2ソファまたは前記第2パネルブースソファの背もたれとは別体に設けられる。
【0252】
本開示の態様9に係るパネルブースシステムは、前記態様1から8の何れか一態様において、前記ヘッドレスト部は、前記第1ソファ、前記第2ソファまたは前記第2パネルブースソファに着座する複数人が同時に頭部をもたれかけられるように、上下方向の寸法よりも幅方向の寸法のほうが大きく構成される。
【0253】
本開示の態様10に係るパネルブースシステムは、前記態様1から9の何れか一態様において、前記第1ソファおよび/若しくは前記第2ソファの背面側に隣接配置される前記第1空間形成パネル、並びに前記第2パネルブースソファの背面側に隣接配置される前記第2空間形成パネルの少なくとも一方にはスピーカーが配置され、前記ヘッドレスト部は、前記スピーカーを外側から覆い、スピーカーカバーとして機能する。
【0254】
〔附記事項〕
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上記説明において開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0255】
1、1A、1B:ミーティングブース 2:ミーティングブースシステム 8:ヘッドレスト部 9:スピーカーカバー 10:第1長椅子(ソファ) 11:第1座(座) 11F:第1座前端縁(前端縁) 16:第1背もたれ(背もたれ) 161:中央背部 162:一端側背部(端側背部) 163:他端側背部(端側背部) 20:第2長椅子(ソファ) 21:第2座(座) 21F:第2座前端縁(前端縁) 26:第2背もたれ(背もたれ) 100:第1背面パネル(パネル) 101:第1外面 102:第1内面 150:第1スピーカー(スピーカー) 250:第2スピーカー 200:第2背面パネル(パネル) 201:第2外面 202:第2内面 400:出入口 1P:パネルブース 2P:パネルブースシステム 30:ディスプレイ 610:第1ソファ 620:第2ソファ 710:第2パネルブースソファ 810:ソファ BP:空間形成パネル BP1:ソファ側パネル BP2:テーブル側パネル BP3:中間パネル FBP:第1空間形成パネル PB1:第1パネルブース PB2:第2パネルブース S1:第1空間 S2:第2空間 S3:画定空間(空間) SBP:第2空間形成パネル SP:スピーカー T1:第1パネルブーステーブル T2:第2パネルブーステーブル T3:テーブル
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