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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015593
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ワンタッチ吊下げ具
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/10 20060101AFI20240130BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G09F1/10 U
G09F1/10 E
A47F5/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117744
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】506414565
【氏名又は名称】株式会社エスエスシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】田中 夏緒
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】種々の商品を販売する店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔に、ワンタッチで取り付けでき、種々の商品用のポップ用紙、ポップ部材、等を前記壁面や前記天井面から吊下げることに用いるワンタッチ吊下げ具。
【解決手段】鋭角に屈曲した屈曲部から、それぞれ延びる、一方の線材と、他方の線材とを備えるワンタッチ吊下げ具。一方の線材と、他方の線材とは、前記一方の線材の先端である一方側先端と、前記他方の線材の先端である他方側先端とが、前記屈曲部を中心にして互いに近づく方向及び、互いに離れる方向に弾性変形可能。前記屈曲部の近傍に、吊り下げ紐先端が係止される吊り下げ紐係止部が備えられ、前記屈曲部から前記一方側先端に向かう途中の前記一方の線材に、あるいは、前記屈曲部から前記他方側先端に向かう途中の前記他方の線材に、前記吊り下げ紐が挿通する吊り下げ紐挿通部が備えられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲部で鋭角に屈曲して前記屈曲部から、それぞれ、延びる、一方の線材と、他方の線材を備えていて、
前記一方の線材と、前記他方の線材とは、前記一方の線材の先端である一方側先端と、前記他方の線材の先端である他方側先端とが、前記屈曲部を中心にして、互いに近づく方向及び、互いに離れる方向に弾性変形可能で、
前記屈曲部の近傍に、吊り下げ紐の一方の端側である吊り下げ紐先端が係止される吊り下げ紐係止部が、
前記屈曲部から前記一方側先端に向かう途中の前記一方の線材に、あるいは、前記屈曲部から前記他方側先端に向かう途中の前記他方の線材に、前記吊り下げ紐先端から前記吊り下げ紐の他方の端側である吊り下げ紐後端に向かって延びる前記吊り下げ紐が挿通する吊り下げ紐挿通部が備えられている
ワンタッチ吊下げ具。
【請求項2】
前記ワンタッチ吊下げ具は、一本の金属線からなり、
前記吊り下げ紐係止部は、一本の前記金属線を前記屈曲部において巻曲げして前記屈曲部に形成した円形の第一巻曲部からなり、
前記吊り下げ紐挿通部は、前記第一巻曲部から前記一方側先端に向かって延びる前記一方の線材が、前記屈曲部から前記一方側先端までの途中で巻曲げされることで形成された円形の第二巻曲部あるいは、前記第一巻曲部から前記他方側先端に向かって延びる前記他方の線材が、前記屈曲部から前記他方側先端までの途中で巻曲げされることで形成された円形の第二巻曲部からなる
請求項1記載のワンタッチ吊下げ具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の前記ワンタッチ吊下げ具の前記吊り下げ紐挿通部を挿通する前記吊り下げ紐の前記吊り下げ紐先端が、前記吊り下げ紐係止部に係止されている状態で、
前記一方側先端と、前記他方側先端とを、前記屈曲部を中心にして、互いに近づく方向に弾性変形させ、
店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔を介して、前記一方側先端の側及び前記他方側先端の側を先頭にして、あるいは、前記屈曲部の側を先頭にして、前記吊り下げ紐が、前記壁面や前記天井面の外側である前記店舗の屋内空間に、前記取付孔を介して、垂れ下がっている状態で、前記ワンタッチ吊下げ具の全体を前記内側空間部内に挿入した後、
前記一方側先端と、前記他方側先端とを、前記屈曲部を中心にして、互いに離れる方向に弾性変形させてなる
ワンタッチ吊下げ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、種々の商品を販売する店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔に、ワンタッチで取り付けできる吊り下げ具に関する。特に、前記店舗において販売、陳列、等されている種々の商品などを、宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を前記壁面や前記天井面から吊下げることに用いられるワンタッチ吊下げ具に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の商品を販売する店舗において、販売、陳列、等されている種々の商品などを、宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を掲出することに用いられる治具としては、従来から、種々のものが提案されている。
【0003】
本願出願人も、左右天地360度全方向、望み通りの方向でポップ用紙を掲出することが可能なマルチポップホルダー(特許文献1)や、書籍などが陳列、等される棚などの什器がスチール製である場合であっても簡単にポップ用紙やポップ部材を掲出できるスチール棚用ポップホルダー(特許文献2)を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3202585号公報
【特許文献2】実用新案登録第3204292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、種々の商品を販売する店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔に、ワンタッチで取り付けでき、前記店舗において販売、陳列、等されている種々の商品などを、宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を前記壁面や前記天井面から吊下げることに用いられるワンタッチ吊下げ具を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は以下のように例示される。
[1]
屈曲部で鋭角に屈曲して前記屈曲部から、それぞれ、延びる、一方の線材と、他方の線材を備えていて、
前記一方の線材と、前記他方の線材とは、前記一方の線材の先端である一方側先端と、前記他方の線材の先端である他方側先端とが、前記屈曲部を中心にして、互いに近づく方向及び、互いに離れる方向に弾性変形可能で、
前記屈曲部の近傍に、吊り下げ紐の一方の端側である吊り下げ紐先端が係止される吊り下げ紐係止部が、
前記屈曲部から前記一方側先端に向かう途中の前記一方の線材に、あるいは、前記屈曲部から前記他方側先端に向かう途中の前記他方の線材に、前記吊り下げ紐先端から前記吊り下げ紐の他方の端側である吊り下げ紐後端に向かって延びる前記吊り下げ紐が挿通する吊り下げ紐挿通部が備えられている
ワンタッチ吊下げ具。
【0007】
[2]
前記ワンタッチ吊下げ具は、一本の金属線からなり、
前記吊り下げ紐係止部は、一本の前記金属線を前記屈曲部において巻曲げして前記屈曲部に形成した円形の第一巻曲部からなり、
前記吊り下げ紐挿通部は、前記第一巻曲部から前記一方側先端に向かって延びる前記一方の線材が、前記屈曲部から前記一方側先端までの途中で巻曲げされることで形成された円形の第二巻曲部あるいは、前記第一巻曲部から前記他方側先端に向かって延びる前記他方の線材が、前記屈曲部から前記他方側先端までの途中で巻曲げされることで形成された円形の第二巻曲部からなる
[1]のワンタッチ吊下げ具。
【0008】
[3]
[1]又は[2]の前記ワンタッチ吊下げ具の前記吊り下げ紐挿通部を挿通する前記吊り下げ紐の前記吊り下げ紐先端が、前記吊り下げ紐係止部に係止されている状態で、
前記一方側先端と、前記他方側先端とを、前記屈曲部を中心にして、互いに近づく方向に弾性変形させ、
店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔を介して、前記一方側先端の側及び前記他方側先端の側を先頭にして、あるいは、前記屈曲部の側を先頭にして、前記吊り下げ紐が、前記壁面や前記天井面の外側である前記店舗の屋内空間に、前記取付孔を介して、垂れ下がっている状態で、前記ワンタッチ吊下げ具の全体を前記内側空間部内に挿入した後、
前記一方側先端と、前記他方側先端とを、前記屈曲部を中心にして、互いに離れる方向に弾性変形させてなる
ワンタッチ吊下げ具。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、種々の商品を販売する店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔に、ワンタッチで取り付けでき、前記店舗において販売、陳列、等されている種々の商品などを、宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を前記壁面や前記天井面から吊下げることに用いられるワンタッチ吊下げ具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一本の金属線を一筆書き状に変形することで本発明の一実施形態に係るワンタッチ吊下げ具が形成される一実施例を説明する図であって、(a)は一筆書き状の変形が加えられる前の一本の金属線の正面図、(b)は図1(a)図示の一本の金属線の中間側で屈曲部を形成すると共に、巻曲げ加工を行って当該屈曲部に円形の第一巻曲部からなる吊り下げ紐係止部を形成し、更に、もう一度、巻曲げ加工を行って円形の第二巻曲部からなる吊り下げ紐挿通部を形成した状態のワンタッチ吊下げ具の正面図。
図2】(a)は、図1(b)図示のワンタッチ吊下げ具における吊り下げ紐係止部に、吊り下げ紐挿通部を挿通してきた吊り下げ紐の先端がスリーブ留めによって係止されている状態を説明する一部を省略した正面図、(b)は、図1(b)図示のワンタッチ吊下げ具における吊り下げ紐係止部に、吊り下げ紐挿通部を挿通してきた吊り下げ紐の先端が玉結び留めによって係止されている状態を説明する一部を省略した正面図、(c)は、図1(b)図示のワンタッチ吊下げ具における吊り下げ紐係止部に、吊り下げ紐挿通部を挿通してきた吊り下げ紐の先端が結び留めによって係止されている状態を説明する一部を省略した正面図。
図3】店舗における内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔を介して図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具を取り付ける状態の一例を説明する図であって、(a)は店舗における内側に内側空間部を備えている天井面に取付孔を形成する状態を説明する一部を省略した正面図、(b)は、引き続いて、図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具の一方側先端と他方側先端とを屈曲部を中心にして互いに近づく方向に弾性変形させ、一方側先端の側及び他方側先端の側を先頭にして、取付孔を介して、吊り下げ紐が、天井面の外側である店舗の屋内空間に、取付孔を介して、垂れ下がっている状態で、ワンタッチ吊下げ具を内側空間部内に挿入する状態を説明する一部を省略した正面図、(c)は、引き続いて、内側空間部内に挿入された図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具の一方側先端と他方側先端とが屈曲部を中心にして互いに離れる方向に弾性変形する状態を説明する一部を省略した正面図。
図4】(a)は、図3(c)図示の状態に引き続いて、店舗における天井面の内側の内部空間に、図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具の全体が挿入された後、図2(a)~(c)図示の状態に弾性変形して戻り、吊り下げ紐が、天井面の外側である店舗の屋内空間に、取付孔を介して、垂れ下がっている状態を説明する一部を省略した正面図、(b)は、図4(a)図示の状態に引き続いて、吊り下げ紐後端に、ポップ用紙、ポップ部材、等が取り付けられた状態を説明する一部を省略した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
この実施形態のワンタッチ吊下げ具1は、鋭角に屈曲して屈曲部3から、それぞれ、延びる、一方の線材4と、他方の線材5とを備えている(図1(b))。屈曲部3を中心として一方の線材4と、他方の線材5との間に形成されている鋭角θは、例えば、30度~60度である(図1(b))。
【0013】
一方の線材4と、他方の線材5とは、一方の線材4の先端である一方側先端4aと、他方の線材5の先端である他方側先端5aとが、屈曲部3を中心にして、矢印30a、30bで示すように、互いに近づく方向及び、矢印31a、31bで示すように、互いに離れる方向に弾性変形可能になっている(図1(b))。
【0014】
ワンタッチ吊下げ具1は、屈曲部3の近傍に、吊り下げ紐6の一方の端側である吊り下げ紐先端6aが係止される吊り下げ紐係止部7を備えている。図示の実施形態では、円形の吊り下げ紐係止部7が、屈曲部3に形成されている(図1(b))。
【0015】
また、ワンタッチ吊下げ具1は、屈曲部3から一方側先端4aに向かう途中の一方の線材4に、あるいは、屈曲部3から他方側先端5aに向かう途中の他方の線材5に、吊り下げ紐先端6aから吊り下げ紐6の他方の端側である吊り下げ紐後端6bに向かって延びる吊り下げ紐6が挿通する吊り下げ紐挿通部8を備えている。図示の実施形態では、円形の吊り下げ紐挿通部8が、屈曲部3から他方側先端5aに向かう途中の他方の線材5に形成されている(図1(b))。
【0016】
上述した構造、形態からなるワンタッチ吊下げ具1は、一本の金属線2(図1(a))から形成することができる。この場合、一本の金属線2(図1(a))が屈曲部3で上述したように30度~60度の鋭角に屈曲されることで、屈曲部3から一方側先端4aに向かって延びるところが上述した一方の線材4になり、屈曲部3から他方側先端5a向かって延びるところが上述した他方の線材5となる。
【0017】
一本の金属線2(図1(a))として、ピアノ線材、ステンレス線材、等、ばね性を有する金属線を採用することで、上述したように、一方側先端4aと他方側先端5aとが、屈曲部3を中心にして、矢印30a、30bで示すように、互いに近づく方向及び、矢印31a、31bで示すように、互いに離れる方向に弾性変形可能にすることができる。
【0018】
上述した一本の金属線2のサイズは、例えば、線径3mm~6mm程度、図1(a)の左右方向長さ100mm程度である。
【0019】
一本の金属線2(図1(a))から上述したワンタッチ吊下げ具1を形成する場合、以下に説明するように、一本の金属線2を一筆書き状に変形することでワンタッチ吊下げ具1を形成することができる。
【0020】
すなわち、上述した吊り下げ紐係止部7は、一本の金属線2を、屈曲部3において巻曲げして屈曲部3に円形の第一巻曲部を形成し、この円形の第一巻曲部を上述した吊り下げ紐係止部7とすることができる。
【0021】
また、一本の金属線2(図1(a))を一筆書き状に変形させて、上述したワンタッチ吊下げ具1を形成する場合、一本の金属線2を屈曲部3において上述したように巻曲げして屈曲部3に形成した円形の吊り下げ紐係止部7である第一巻曲部から他方側先端5aに向かって延びる他方の線材5を、屈曲部3から他方側先端5aまでの途中で巻曲げすることで円形の第二巻曲部を形成し、この円形の第二巻曲部を上述した吊り下げ紐挿通部8にすることができる。
【0022】
円形の第二巻曲部からなる吊り下げ紐挿通部8の大きさ、円形の第一巻曲部からなる吊り下げ紐係止部7の大きさは、後述するように、ポップ用紙、ポップ部材、等を吊り下げる、テグス、ワイヤーなどからなる吊り下げ紐6が挿通し、吊り下げ紐先端6aが接合、等、係止されるところであるので、いずれも、その内径が1mm程度の大きさにすることができる。
【0023】
なお、図示では、上述したように、屈曲部3から他方側先端5aまでの他方の線材5の途中に巻曲げによって形成された円形の第二巻曲部が吊り下げ紐挿通部8になっている。
【0024】
これに代えて、一本の金属線2を屈曲部3において巻曲げして屈曲部3に形成した円形の吊り下げ紐係止部7である第一巻曲部から一方側先端4aに向かって延びる一方の線材4を、屈曲部3から一方側先端4aまでの途中で巻曲げされることで円形の第二巻曲部を形成し、この円形の第二巻曲部を上述した吊り下げ紐挿通部8にすることもできる。
【0025】
ピアノ線材、ステンレス線材、等、ばね性を有する一本の金属線2(図1(a))を用いて、この金属線2の一方の端部と他方の端部との間に、鋭角状θに屈曲する屈曲部と、吊り下げ紐係止部7、吊り下げ紐挿通部8とを、金属線2を一筆書き状に変形させることで本実施形態のワンタッチ吊下げ具1を形成することができる。そこで、本実施形態のワンタッチ吊下げ具1は、簡単に作成することができ、また、安価に提供することができる。
【0026】
上述したこの実施形態のワンタッチ吊下げ具1に、ポップ用紙、ポップ部材、等を吊り下げる、テグス、ワイヤーなどからなる吊り下げ紐6を取り付けることで後述するように機能するようになる。
【0027】
以下、店舗において販売、陳列、等されている種々の商品などを、宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を店舗の壁面や天井面から、店舗の屋内空間に、吊下げることに上述した実施形態のワンタッチ吊下げ具1を使用する場合の一例について説明する。
【0028】
吊り下げ紐後端6bの側でポップ用紙、ポップ部材、等を吊り下げる、テグス、ワイヤーなどからなる吊り下げ紐6を、吊り下げ紐挿通部8を挿通させ、吊り下げ紐先端6aを屈曲部3まで延ばし、吊り下げ紐先端6aを吊り下げ紐係止部7に係止する。吊り下げ紐先端6aを吊り下げ紐係止部7に係止する形態としては、接合、等、種々の形態を採用することができる。
【0029】
図2(a)~(c)は、この種々の形態の中のいくつかの例を説明するものである。図2(a)では、吊り下げ紐挿通部8を挿通してきた吊り下げ紐6の吊り下げ紐先端6aがスリーブ留めによって吊り下げ紐係止部7に係止されている。図2(b)では、吊り下げ紐挿通部8を挿通してきた吊り下げ紐6の吊り下げ紐先端6aが玉結び留めによって吊り下げ紐係止部7に係止されている。図2(c)では、吊り下げ紐挿通部8を挿通してきた吊り下げ紐6の吊り下げ紐先端6aが結び留めによって吊り下げ紐係止部7に係止されている。
【0030】
店舗における内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に形成されている取付孔を介して図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1を取り付けることは、例えば、次のようにして行われる。ここでは、店舗における内側に内側空間部10を備えている天井面13に形成されている取付孔20を介して図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1を取り付ける状態の一例を説明する。
【0031】
天井面13の外側である店舗の屋内空間11の側から、電動ドリル14、等を用いて、店舗における内側に内側空間部10を備えている天井面13に取付孔20を形成する(図3(a))。
【0032】
引き続いて、図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1の一方側先端4aと他方側先端5bとを屈曲部3を中心にして互いに近づく方向に弾性変形させ、一方側先端4aの側及び他方側先端5aの側を先頭にして、取付孔20を介して、吊り下げ紐6が、天井面13の外側である店舗の屋内空間11に、取付孔20を介して、垂れ下がっている状態で、ワンタッチ吊下げ具1を内側空間部内10に挿入する(図3(b))。
【0033】
内側空間部内10に挿入されたワンタッチ吊下げ具1の一方側先端4a、他方側先端5bは、その弾性力によって、内側空間部内10内で、屈曲部3を中心にして、互いに離れる方向に弾性変形する(図3(c))。
【0034】
店舗における天井面13の内側の内部空間10に全体が挿入された図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1は、弾性変形によって、図2(a)~(c)図示の状態に戻り、吊り下げ紐6が、天井面13の外側である店舗の屋内空間11に、取付孔20を介して、垂れ下がる。
【0035】
ここで、吊り下げ紐後端6bの側に、ポップ用紙、ポップ部材、等を取り付けて吊り下げることで、吊り下げ紐6に矢印21a、21bで示す方向の力が加えられる(図4(b))。
【0036】
上記では、図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1の一方側先端4aと他方側先端5bとを屈曲部3を中心にして互いに近づく方向に弾性変形させ、一方側先端4aの側及び他方側先端5aの側を先頭にして、取付孔20を介して、吊り下げ紐6が、天井面13の外側である店舗の屋内空間11に、取付孔20を介して、垂れ下がっている状態で、ワンタッチ吊下げ具1を内側空間部内10に挿入していた(図3(b))。これに代えて、図示していないが、図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1の一方側先端4aと他方側先端5bとを屈曲部3を中心にして互いに近づく方向に弾性変形させ、屈曲部3の側を先頭にして、取付孔20を介して、吊り下げ紐6が、天井面13の外側である店舗の屋内空間11に、取付孔20を介して、垂れ下がっている状態で、ワンタッチ吊下げ具1を内側空間部内10に挿入することもできる。
【0037】
また、上記では、店舗における内側に内側空間部10を備えている天井面13に形成されている取付孔20を介して図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1を取り付けていたが、店舗における内側に内側空間部を備えている壁面に取付孔を形成し、この取付孔を介して図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具1を取り付ける場合であっても同様である。
【0038】
いずれにしても、店舗における内側に内側空間部を備えている天井や壁面に孔を開け、図2(a)~(c)図示の状態の本実施形態のワンタッチ吊下げ具1を弾性変形させ、図3(b)、図3(c)、図4(a)図示のように、差し込み、差し込んだ後のワンタッチ吊下げ具1の弾性変形状態を解除して図2(a)~(c)図示の状態に戻すだけで、図4(a)、(b)図示のように、ワンタッチ吊下げ具1がストッパーとなり、ワンタッチ吊下げ具1に係合されたテグスやワイヤーなどからなる吊り下げ紐6を、取付孔20を介して、天井や壁面から丈夫に吊下げることができる。これによって、様々なポップ製品や額縁、等を天井や壁面から店舗の屋内空間に吊下げることができる。
【0039】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限られることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
種々の商品を販売する店舗における天井面や壁面に取り付けて、前記店舗において販売、陳列、等されている種々の商品などを、宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を前記壁面や前記天井面から吊下げることに用いられる吊下げ具として、従来は、天井や壁面に直接ネジの原理で留めるものが存在していた。
【0041】
このような従来品は一般的に高額であり、しかも商業施設において一般的である石膏ボード、等、柔らかい素材の天井、等では使用できない。
【0042】
前述した石膏ボード、等、柔らかい素材の天井、等で使用できる特殊な留め具も存在しているが、形状が複雑で使用方法が煩雑であり、かつ高額である。
【0043】
本発明のワンタッチ吊下げ具のように、天井や壁面に形成した取付孔に、単に差し込むフック構造のものが存在しているが、構造上の理由で吊下げた対象物の安定度が低く、かつフック部が取付孔から露出するため、店舗美観を損なうという問題があった。
【0044】
本発明のワンタッチ吊下げ具は、ばね性を有する一本の金属線を用いて、この金属線の一方の端部と他方の端部との間に、鋭角状に屈曲する屈曲部と、吊り下げ紐係止部、吊り下げ紐挿通部とを、金属線を一筆書き状に変形させることで形成することができ、作成が簡単・容易で、安価に提供することが可能である。
【0045】
また、本発明のワンタッチ吊下げ具を使用する場合には、店舗における、内側に内側空間部を備えている壁面や天井面に取付孔を形成し、図2(a)~(c)図示の状態のワンタッチ吊下げ具の全体を、弾性変形させて取付孔から差し込み、差し込んだ後に弾性変形を解除するだけで簡単に取り付け作業が終了する。
【0046】
その後は、天井や、壁面から、テグスやワイヤーなどからなる吊り下げ紐だけが、直接、天井や壁面から吊下げられる様に見え、従来品の様に、ワンタッチ吊下げ具そのものが天井面や壁面から露出しない。
【0047】
そこで、本発明のワンタッチ吊下げ具によれば、店舗美観を損なうことなく簡単、かつ効果的に宣伝、広告、紹介、等するポップ用紙、ポップ部材、等を掲出することが可能になる。
図1
図2
図3
図4