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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015598
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/15 20210101AFI20240130BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20240130BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240130BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20240130BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240130BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20240130BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/548 101
H01M50/531
H01M50/184 A
H01M50/188
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117769
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】大岡 愛佳
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA00
5H011AA10
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG02
5H043AA00
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA09
5H043EA06
5H043EA22
(57)【要約】
【課題】電池セルの封止性を向上させる。
【解決手段】電池セル10は、電池要素100と、電池要素100に電気的に接続された正極タブ110と、電池要素100の一端を覆い、正極タブ110が引き出される前方蓋材210と、前方蓋材210と正極タブ110とを互いに接合する前方接合材410と、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池要素と、
前記電池要素に電気的に接続されたタブと、
電池要素の一端を覆い、前記タブが引き出される蓋材と、
前記タブと前記蓋材とを互いに接合する接合材と、
を備える電池セル。
【請求項2】
前記タブが通過する切欠きが前記蓋材に設けられており、
前記蓋材の前記切欠きから露出した少なくとも一部分が前記接合材によって覆われていない、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記タブが通過する孔が前記蓋材に設けられており、
前記タブの外周面と前記孔の内周面との間に前記接合材が設けられている、請求項1に記載の電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池セル等の電池セルの様々な構造が開発されている。例えば、特許文献1及び2に記載されている電池セルは、電池要素、2つの蓋材及び外装フィルムを備えている。2つの蓋材は、電池要素の長手方向の両端部を覆っている。外装フィルムは、電池要素の長手方向の周りに巻き付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/157731号
【特許文献2】特開2011-108623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1及び2に記載されている電池セルでは、電池要素に電気的に接続されたタブが、蓋材に設けられた孔又は切欠きを通過して引き出されることがある。しかしながら、この場合、タブと蓋材との間の隙間を水分やガスが通過することがある。このため、電池セルの封止性を向上させることが難しいことがある。
【0005】
本発明の目的の一例は、電池セルの封止性を向上させることにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、以下のとおりである。
[1]
電池要素と、
前記電池要素に電気的に接続されたタブと、
電池要素の一端を覆い、前記タブが引き出される蓋材と、
前記タブと前記蓋材とを互いに接合する接合材と、
を備える電池セル。
[2]
前記タブが通過する切欠きが前記蓋材に設けられており、
前記蓋材の前記切欠きから露出した少なくとも一部分が前記接合材によって覆われていない、[1]に記載の電池セル。
[3]
前記タブが通過する孔が前記蓋材に設けられており、
前記タブの外周面と前記孔の内周面との間に前記接合材が設けられている、[1]に記載の電池セル。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記態様によれば、電池セルの封止性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る電池セルの前方斜視図である。
図2】実施形態に係る電池セルの一部分の前方拡大斜視図である。
図3】実施形態に係る電池セルの右側面図である。
図4】実施形態に係る電池セルの前面図である。
図5】実施形態に係る電池セルの製造方法の一例を説明するための図である。
図6】実施形態に係る電池セルの製造方法の一例を説明するための図である。
図7】実施形態に係る電池セルの製造方法の一例を説明するための図である。
図8】変形例1に係る電池セルの前面図である。
図9】変形例2に係る電池セルの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態及び変形例について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る電池セル10の前方斜視図である。図2は、実施形態に係る電池セル10の一部分の前方拡大斜視図である。図3は、実施形態に係る電池セル10の右側面図である。図4は、実施形態に係る電池セル10の前面図である。図3では、説明のため、外装フィルム300を透過させた状態で図示している。図4では、外装フィルム300の図示が省略されている。
【0011】
各図には、説明のため、X方向、Y方向及びZ方向が付されている。X方向は、電池セル10の前後方向を示している。Y方向は、X方向に直交している。Y方向は、電池セル10の左右方向を示している。Z方向は、X方向及びY方向の双方に直交している。Z方向は、電池セル10の上下方向を示している。X方向を示す矢印によって指し示される方向、Y方向を示す矢印によって指し示される方向及びZ方向を示す矢印によって指し示される方向は、それぞれ、後方向、左方向及び上方向である。ただし、電池セル10のX方向、Y方向、Z方向、前後方向、左右方向及び上下方向の関係は、この例に限定されない。
【0012】
なお、X方向、Y方向又はZ方向を示すX付き白丸は、紙面の手前から奥に向かう方向が当該方向を示す矢印によって指し示される方向であることを示している。
【0013】
電池セル10は、電池要素100、正極タブ110、負極タブ120、前方蓋材210、後方蓋材220及び外装フィルム300を備えている。外装フィルム300は、巻付部分302及び引出部分304を有している。
【0014】
電池要素100は、略直方体形状となっている。電池要素100の長手方向は、X方向に略平行となっている。電池要素100のX方向の長さは、以下に限定されないが、例えば、300mm以上500mm以下、好ましくは450mm以下である。電池要素100の短手方向は、Z方向に略平行となっている。電池要素100のZ方向の長さは、以下に限定されないが、例えば、90mm以上130mm以下、好ましくは120mm以下である。電池要素100の厚み方向は、Y方向に略平行となっている。電池要素100のY方向の厚さは、以下に限定されないが、例えば、20mm以上50mm以下、好ましくは45mm以下である。ただし、電池要素100の形状は、この例に限定されない。
【0015】
電池要素100は、不図示の少なくとも1つの正極、不図示の少なくとも1つの負極及び不図示の少なくとも1つのセパレータを有している。例えば、複数の正極及び複数の負極がY方向に交互に積層されている。セパレータの少なくとも一部分は、Y方向に隣り合う正極及び負極の間に位置している。例えば、複数枚のシート状のセパレータの各々がY方向に隣り合う正極及び負極の間に位置していてもよい。或いは、1枚のシート状のセパレータがY方向に隣り合う正極及び負極の間の領域を通過するつづら折り形状になっていてもよい。或いは、正極、負極及びセパレータは、セパレータが正極及び負極の間に配置されるように巻回されていてもよい。一例において、正極及び負極の一方の両面がセパレータによって覆われた状態で正極、負極及びセパレータは巻回されている。他の例において、正極、セパレータ及び負極をこの順に含む単位積層体を複数含む積層体が巻回されていてもよい。ただし、正極、負極及びセパレータの巻回構造は、これらの例に限定されない。
【0016】
図3に示すように、正極タブ110は、電池要素100の前方に配置されている。正極タブ110の後端部は、正極集電体102aに電気的に接続されている。正極集電体102aは、正極102から前方に向けて引き出されている。これによって、正極タブ110は、複数の正極102に電気的に接続されている。
【0017】
図3に示すように、負極タブ120は、電池要素100の後方に配置されている。負極タブ120の前端部は、負極集電体104aに電気的に接続されている。負極集電体104aは、負極104から後方に向けて引き出されている。これによって、負極タブ120は、複数の負極104に電気的に接続されている。
【0018】
前方蓋材210は、電池要素100の前端部を覆っている。前方蓋材210は、例えば、樹脂、金属等からなっている。前方蓋材210の前面からは、正極タブ110の前端部が突出している。前方から見て、前方蓋材210は、略長方形形状となっている。前方から見て、前方蓋材210の長手方向はZ方向に略平行となっており、前方蓋材210の短手方向はY方向に略平行となっている。
【0019】
後方蓋材220は、電池要素100の後端部を覆っている。後方蓋材220は、例えば、樹脂、金属等からなっている。後方蓋材220の後面からは、負極タブ120の後端部が突出している。後方から見て、後方蓋材220は、略長方形形状となっている。後方から見て、後方蓋材220の長手方向はZ方向に略平行となっており、後方蓋材220の短手方向はY方向に略平行となっている。
【0020】
図1及び図2に示すように、巻付部分302は、前方及び後方の双方に向けて開口した略筒形状となっている。巻付部分302の前方の開口の内部には、前方蓋材210が配置されている。巻付部分302の後方の開口の内部には、後方蓋材220が配置されている。巻付部分302は、電池要素100、前方蓋材210及び後方蓋材220のX方向の周りに1周巻き付けられている。これによって、前方蓋材210、後方蓋材220及び巻付部分302は、電池要素100を収容する収容空間500を形成している。収容空間500には、電池要素100とともに、不図示の電解液が収容されている。なお、巻付部分302の電池要素100の巻き付きの態様は、上述した例に限定されない。
【0021】
前方蓋材210のX方向の周りの外周面と、巻付部分302の前方の開口のX方向の周りの内周面と、は例えば熱融着によって互いに接合されている。これによって、前方封止部510が形成されている。
【0022】
後方蓋材220のX方向の周りの外周面と、巻付部分302の後方の開口のX方向の周りの内周面と、は例えば熱融着によって互いに接合されている。これによって、後方封止部520が形成されている。
【0023】
図1及び図2に示すように、前方から見て、引出部分304は、巻付部分302の電池要素100の左上側の角から引き出されている。具体的には、図2に示すように、引出部分304は、第1引出部分304a及び第2引出部分304bを含んでいる。第1引出部分304aは、巻付部分302のX方向の周りの周方向の両端の一方から引き出されている。第2引出部分304bは、巻付部分302のX方向の周りの周方向の両端の他方から引き出されている。第1引出部分304a及び第2引出部分304bは、例えば熱融着によって互いに接合されている。これによって、前方から見て、側方封止部530が形成されている。引出部分304は、電池要素100の上面に沿って折り曲げられている。ただし、引出部分304は、折り曲げられていなくてもよい。また、引出部分304の折り曲げの形状は、実施形態に係る形状に限定されない。
【0024】
図4に示すように、前方蓋材210の右側面には、前方切欠き212が設けられている。正極タブ110は、前方切欠き212を通過して前方蓋材210から前方に向けて引き出されている。正極タブ110及び前方蓋材210は、前方接合材410によって互いに接合されている。前方接合材410は、正極タブ110の前方切欠き212を通過する部分のX方向の全周に亘って設けられている。実施形態において、前方接合材410は、変性ポリプロピレン(PP)である。前方接合材410が変性PPである場合、正極タブ110が金属であって前方蓋材210が樹脂であっても、正極タブ110及び前方蓋材210を互いに接合することができる。ただし、前方接合材410の材料は、変性PPに限定されない。
【0025】
実施形態では、前方接合材410によって正極タブ110及び前方蓋材210を互いに固定しやすくすることができる。さらに、正極タブ110のX方向の周りの外周面と、前方切欠き212のX方向の周りの内周面と、の間の隙間を前方接合材410によって埋め込むことができる。したがって、前方接合材410が設けられていない場合と比較して、正極タブ110のX方向の周りの外周面と、前方切欠き212のX方向の周りの内周面と、の間の隙間を水分やガスが通過しにくくすることができる。このため、前方接合材410が設けられていない場合と比較して、電池セル10の封止性を向上させることができる。
【0026】
前方切欠き212が設けられる位置は、図4に示す例に限定されない。前方切欠き212は、例えば、前方蓋材210の左側面に設けられていてもよい。また、負極タブ120及び後方蓋材220も、正極タブ110及び前方蓋材210と同様にして、前方接合材410と同様の後方接合材によって互いに接合されていてもよい。
【0027】
図5図7は、実施形態に係る電池セル10の製造方法の一例を説明するための図である。この例において、電池セル10は、以下のようにして製造されている。
【0028】
まず、電池要素100を製造する。電池要素100は、少なくとも1つの正極、少なくとも1つの負極及び少なくとも1つのセパレータを有している。
【0029】
次いで、図5及び図6に示すように、正極タブ110に前方接合材410を設ける。前方接合材410は、正極タブ110の、後段の工程で前方切欠き212を通過する部分のX方向の周りの全周に亘って設けられている。
【0030】
次いで、図7に示すように、正極タブ110の前方接合材410によって覆われた部分を前方蓋材210の前方切欠き212にY方向に重ねる。これによって、正極タブ110及び前方蓋材210が前方接合材410を介して互いに接合される。
【0031】
次いで、正極タブ110と、正極集電体102aと、を互いに接合させる。
【0032】
負極タブ120及び後方蓋材220も、正極タブ110及び前方蓋材210の接合方法と同様の接合方法によって互いに接合する。次いで、負極タブ120と、負極集電体104aと、を互いに接合させる。
【0033】
上述した例では、正極タブ110及び前方蓋材210を互いに接合した後、正極タブ110及び正極集電体102aを互いに接合している。しかしながら、正極タブ110及び正極集電体102aを互いに接合した後、正極タブ110及び前方蓋材210を互いに接合してもよい。同様にして、上述した例では、負極タブ120及び後方蓋材220を互いに接合した後、負極タブ120及び負極集電体104aを互いに接合している。しかしながら、負極タブ120及び負極集電体104aを互いに接合した後、負極タブ120及び後方蓋材220を互いに接合してもよい。
【0034】
次いで、外装フィルム300を電池要素100、前方蓋材210及び後方蓋材220のX方向の周りに1周巻き付ける。これによって、巻付部分302が形成される。また、外装フィルム300の余長を引出部分304として引き出す。
【0035】
次いで、前方蓋材210のX方向の周りの外周面と、巻付部分302の前方の開口のX方向の周りの内周面と、を熱融着によって互いに接合する。これによって、前方封止部510が形成される。次いで、後方蓋材220のX方向の周りの外周面と、巻付部分302の後方の開口のX方向の周りの内周面と、を熱融着によって互いに接合する。これによって、後方封止部520が形成される。
【0036】
次いで、第1引出部分304a及び第2引出部分304bの間の隙間を介して収容空間500に電解液を注入する。次いで、第1引出部分304a及び第2引出部分304bの間の隙間を介して収容空間500を真空引きする。次いで、第1引出部分304a及び第2引出部分304bを熱融着によって接合して側方封止部530を形成する。これによって、収容空間500が真空封止される。
【0037】
なお、収容空間500の真空封止の方法は、上述した例に限定されない。他の例においては、まず、第1引出部分304a及び第2引出部分304bを熱融着によって接合して側方封止部530を形成する。次いで、前方蓋材210及び後方蓋材220の少なくとも一方に設けられた注液孔を介して収容空間500に電解液を注入する。次いで、当該注液孔を介して収容空間500を真空引きする。次いで、当該注液孔を所定の蓋材によって塞ぐ。
【0038】
次いで、側方封止部530を電池要素100の上面に沿って折り曲げる。
【0039】
このようにして、電池セル10が製造される。
【0040】
図8は、変形例1に係る電池セル10Aの前面図である。変形例1に係る電池セル10Aは、以下の点を除いて、実施形態に係る電池セル10と同様である。図8では、外装フィルムの図示が省略されている。
【0041】
変形例1では、実施形態と同様にして、前方蓋材210Aの右側面に前方切欠き212Aが設けられている。正極タブ110Aは、前方切欠き212Aを通過して前方蓋材210Aから前方に向けて引き出されている。正極タブ110A及び前方蓋材210Aは、前方接合材410Aを介して互いに接合されている。前方接合材410Aは、前方切欠き212AのX方向の周りの内周面と、正極タブ110AのX方向の周りの外周面のうちの前方切欠き212Aの内周面と対向する部分と、に設けられている。
【0042】
変形例1においても、実施形態1と同様にして、正極タブ110A及び前方蓋材210Aを前方接合材410Aによって固定しやすくすることができる。さらに、前方接合材410Aが設けられていない場合と比較して、正極タブ110AのX方向の周りの外周面と、前方切欠き212AのX方向の周りの内周面と、の間の隙間を水分やガスが通過しにくくすることができる。このため、前方接合材410Aが設けられていない場合と比較して、電池セル10Aの封止性を向上させることができる。
【0043】
変形例1では、正極タブ110Aの前方切欠き212Aから露出した面の少なくとも一部分が前方接合材410Aによって覆われていない。図8に示す例では、正極タブ110Aの右側面が前方接合材410Aによって覆われていない。したがって、変形例1では、実施形態と比較して、前方接合材410Aの量を低減することができる。このため、前方接合材410Aを通しての水分やガスの通過を抑制しやすくすることができる。
【0044】
変形例1において、正極タブ110A及び前方蓋材210Aは、例えば、以下のようにして接合されている。まず、前方蓋材210Aの前方切欠き212AのX方向の周りの内周面に前方接合材410Aを設ける。次いで、正極タブ110Aを前方切欠き212AにY方向に重ねる。これによって、正極タブ110A及び前方蓋材210Aが前方接合材410Aを介して互いに接合される。この場合、正極タブ110Aの前方切欠き212Aから露出した面の少なくとも一部分が前方接合材410Aによって覆われない。ただし、正極タブ110AのX方向の周りの外周面と、前方切欠き212AのX方向の周りの内周面と、の間の隙間から漏れ出た前方接合材410Aに一部分が、正極タブ110Aの前方切欠き212Aから露出した面の一部分を覆ってもよい。
【0045】
変形例1では、正極タブ110A及び前方蓋材210Aの接合について説明した。しかしながら、変形例1で説明した事項は、負極タブ及び後方蓋材の接合にも同様に適用可能である。
【0046】
図9は、変形例2に係る電池セル10Bの前面図である。変形例2に係る電池セル10Bは、以下の点を除いて、実施形態に係る電池セル10と同様である。図8では、外装フィルムの図示が省略されている。
【0047】
変形例2では、X方向から見て、前方蓋材210Bの略中央に前方孔212Bが設けられている。正極タブ110Bは、前方孔212Bを通して前方蓋材210Bの前方に向けて引き出されている。正極タブ110B及び前方蓋材210Bは、前方接合材410Bを介して互いに接合されている。前方接合材410Bは、正極タブ110BのX方向の周りの外周面と、前方孔212BのX方向の周りの内周面と、の間に設けられている。
【0048】
変形例2においても、実施形態1と同様にして、正極タブ110B及び前方蓋材210Bを前方接合材410Bによって固定しやすくすることができる。さらに、前方接合材410Bが設けられていない場合と比較して、正極タブ110BのX方向の周りの外周面と、前方孔212BのX方向の周りの内周面と、の間の隙間を水分やガスが通過しにくくすることができる。このため、前方接合材410Bが設けられていない場合と比較して、電池セル10Bの封止性を向上させることができる。
【0049】
変形例2において、正極タブ110B及び前方蓋材210Bは、例えば、以下のようにして接合されている。まず、前方孔212Bに正極タブ110Bを通過させる。次いで、正極タブ110BのX方向の周りの外周面と前方孔212BのX方向の周りの内周面との間の隙間に前方接合材410Bを注入する。これによって、正極タブ110B及び前方蓋材210Bが前方接合材410Bを介して互いに接合される。
【0050】
変形例2では、正極タブ110B及び前方蓋材210Bの接合について説明した。しかしながら、変形例2で説明した事項は、負極タブ及び後方蓋材の接合にも同様に適用可能である。
【0051】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0052】
例えば、実施形態では、正極タブ110及び負極タブ120が電池要素100のX方向の互いに反対側に配置されている。しかしながら、正極タブ110及び負極タブ120の双方が電池要素100のX方向の前側及び後側の一方のみに配置されていてもよい。この場合においても、電池要素100の前端部及び後端部は、2つの蓋材によって覆われている。
【符号の説明】
【0053】
10,10A,10B 電池セル
100 電池要素
102 正極
102a 正極集電体
104 負極
104a 負極集電体
110,110A,110B 正極タブ
120 負極タブ
210,210A,210B 前方蓋材
212,212A 前方切欠き
212B 前方孔
220 後方蓋材
300 外装フィルム
302 巻付部分
304 引出部分
304a 第1引出部分
304b 第2引出部分
410,410A,410B 前方接合材
500 収容空間
510 前方封止部
520 後方封止部
530 側方封止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9