(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015602
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】材料供給装置、および、可塑化装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/18 20060101AFI20240130BHJP
B29C 48/36 20190101ALI20240130BHJP
B29C 48/92 20190101ALI20240130BHJP
B29C 48/285 20190101ALI20240130BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B29C45/18
B29C48/36
B29C48/92
B29C48/285
B01J4/00 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117776
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 英伸
(72)【発明者】
【氏名】姉川 賢太
(72)【発明者】
【氏名】梶原 あさみ
【テーマコード(参考)】
4F206
4F207
4G068
【Fターム(参考)】
4F206AC01
4F206AL08
4F206AL10
4F206AL11
4F206AL13
4F206AL16
4F206AL17
4F206JA07
4F206JF01
4F206JF12
4F206JF23
4F206JF48
4F206JL02
4F206JM01
4F206JN03
4F206JQ90
4F207AJ08
4F207AL09
4F207AL10
4F207AL12
4F207AL13
4F207AL15
4F207AL16
4F207AL17
4F207AL21
4F207AR12
4F207AR14
4F207KF01
4F207KF12
4G068AA01
4G068AB22
4G068AC01
4G068AD01
4G068AD32
(57)【要約】
【課題】回転部材とその近傍の部材の間に材料が入り込んだ場合でも、材料が回転部材の回転を阻害することを抑制する材料供給装置を提供する。
【解決手段】材料を可塑化して可塑化材料を生成する可塑化部に材料を供給する材料供給装置は、可塑化部に材料を投入する投入口を有し、材料を収容する筐体と、筐体内の投入口よりも上方に設けられ、鉛直方向に交差する回転軸を中心に回転する回転部材と、を備え、材料は、筐体内の回転部材よりも上方に収容されており、回転部材が回転することによって、材料が投入口に間欠的に供給される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を可塑化して可塑化材料を生成する可塑化部に前記材料を供給する材料供給装置であって、
前記可塑化部に前記材料を投入する投入口を有し、前記材料を収容する筐体と、
前記筐体内の前記投入口よりも上方に設けられ、鉛直方向に交差する回転軸を中心に回転する回転部材と、を備え、
前記材料は、前記筐体内の前記回転部材よりも上方に収容されており、
前記回転部材が回転することによって、前記材料が前記投入口に間欠的に供給される、
材料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記回転部材は、外周に凹部を有する、
材料供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載の材料供給装置であって、
前記凹部内に突起部を有する、
材料供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記回転軸は前記回転部材の中心から偏心しており、
前記回転部材が回転した場合に前記回転部材と前記筐体との間隔が変化することによって、前記材料が前記投入口に間欠的に供給される、
材料供給装置。
【請求項5】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記回転軸を回転させる駆動部と、
前記駆動部を支持し、鉛直方向に伸縮する伸縮部材と、を備え、
前記伸縮部材が鉛直方向に伸縮することによって、前記筐体内での前記回転部材の鉛直方向の位置が変化する、
材料供給装置。
【請求項6】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体の下方に位置する第2筐体と、を有し、
前記材料は、前記第1筐体に収容されており、
一端が前記第1筐体に固定され、他端が前記第2筐体に固定された伸縮部を備え、
前記伸縮部は、前記筐体を鉛直方向に伸縮させ、前記筐体内での前記回転部材の鉛直方向の位置を変化させる、
材料供給装置。
【請求項7】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記回転部材の外周と前記筐体の側面との間に設けられ、前記材料の一部を支持する仕切部材と、
前記仕切部材を動かし、前記回転部材と前記仕切部材との間隔を調整する調整部と、を備える、
材料供給装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の材料供給装置と、
前記可塑化部と、を備える、
可塑化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、材料供給装置、および、可塑化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、可塑化機構に材料を少量ずつ供給可能な材料供給機構を備える可塑化装置が開示されている。この材料供給機構は、複数の貫通孔を有する回転部材が、材料供給機構と可塑化機構を接続する連通孔の上部に設けられている。材料は、回転部材が水平面内で回転することによって貫通孔のいずれかと連通孔が連通した場合に、貫通孔を通って可塑化機構に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献の可塑化装置では、回転部材とその近傍の部材との間に材料が入り込んだ場合、入り込んだ材料が連通孔に落下せず、回転部材の回転を阻害する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、材料供給装置が提供される。この材料供給装置は、材料を可塑化して可塑化材料を生成する可塑化部に前記材料を供給する材料供給装置であって、前記可塑化部に前記材料を投入する投入口を有し、前記材料を収容する筐体と、前記筐体内の前記投入口よりも上方に設けられ、鉛直方向に交差する回転軸を中心に回転する回転部材と、を備え、前記材料は、前記筐体内の前記回転部材よりも上方に収容されており、前記回転部材が回転することによって、前記材料が前記投入口に間欠的に供給される。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、可塑化装置が提供される。この可塑化装置は、前記材料供給装置と、前記可塑化部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】射出成形装置の概略構成を示す説明図である。
【
図2】可塑化部及び型締装置の概略構成を示す断面図である。
【
図3】フラットスクリューの概略構成を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図6】第1実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図7】第2実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図8】第3実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図9】第4実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図10】第5実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図11】第6実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図12】第7実施形態における回転部材の斜視図である。
【
図13】第8実施形態における材料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【
図14】第9実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、本実施形態における、射出成形装置10の概略構成を示す説明図である。
図1には、互いに直交するX,Y,Z方向を表す矢印が示されている。X方向およびY方向は、水平面に平行な方向である。Z方向は、鉛直方向に平行な方向である。
図1におけるX,Y,Z方向と、他の図におけるX,Y,Z方向とは、同じ方向を指し示している。向きを特定する場合には、矢印の指し示す方向である正の方向を「+」、矢印の指し示す方向とは反対の方向である負の方向を「-」として、方向表記に正負の符号を併用する。
【0009】
射出成形装置10は、材料供給装置20と、可塑化部30と、型締装置40と、制御部50と、を備える。材料供給装置20は、可塑化部30に上方から接続されている。可塑化部30と型締装置40は、基台15に固定されている。基台15には、制御部50が備えられている。射出成形装置10は、可塑化部30によって生成された可塑化材料を、型締装置40に配置された成形型41に射出することで、成形品を成形する。
【0010】
制御部50は、CPUと記憶部を備えるコンピューターによって構成されている。CPUは、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。記憶部は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。制御部50は、CPUが記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、材料供給装置20と、可塑化部30と、型締装置40の動作を制御する。なお、制御部50は、回路によって構成されていてもよい。
【0011】
材料供給装置20は、可塑化部30に成形品の材料を供給する。材料供給装置20は、ペレット状の材料を収容する。材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)などの熱可塑性樹脂が用いられる。材料供給装置20を、ホッパーとも呼ぶ。なお、材料供給装置20に収容される材料は、例えば、粉砕機で粉砕された、大きさや形状が統一されていない粉体であってもよい。材料供給装置20の詳細については後述する。
【0012】
可塑化部30は、材料供給装置20から供給された材料の少なくとも一部を可塑化して可塑化材料を生成する。本明細書において「可塑化」とは、溶融を含む概念であり、固体から流動性を有する状態に変化させることである。具体的には、ガラス転移が起こる材料の場合、可塑化とは、材料の温度をガラス転移点以上にすることである。ガラス転移が起こらない材料の場合、可塑化とは、材料の温度を融点以上にすることである。材料供給装置20と可塑化部30とを合わせて可塑化装置とも呼ぶ。
【0013】
図2は、可塑化部30及び型締装置40の概略構成を示す断面図である。
【0014】
可塑化部30は、フラットスクリュー310と、バレル320と、加熱部330と、吸引送出部340と、を備える。
【0015】
フラットスクリュー310は、スクリューケース311に収納されている。フラットスクリュー310は、駆動軸312に接続されている。フラットスクリュー310は、駆動モーター313が駆動軸312に駆動力を与えることによって、駆動軸312と一体として回転する。フラットスクリュー310の回転軸RXは、駆動軸312の軸線と一致する。フラットスクリュー310の回転軸RXの軸線方向は、X方向に沿う方向である。フラットスクリュー310の回転速度は、制御部50が駆動モーター313の回転速度を制御することによって制御される。なお、フラットスクリュー310は、減速機を介して駆動モーター313によって駆動されてもよい。フラットスクリュー310は、ローター、あるいは、スクリューとも呼ばれる。
【0016】
バレル320は、フラットスクリュー310の+X方向側に設置されている。バレル320は、バレルケース321に収納されている。バレル320の中心には、連通孔322が形成されている。連通孔322は、流路323に連通している。流路323には、後述する吸引送出シリンダー341およびノズル350が接続されている。流路323内には、吸引送出シリンダー341よりも上流側に逆止弁324が設けられている。逆止弁324は、ノズル350側からフラットスクリュー310側への可塑化材料の逆流を防止する。
【0017】
加熱部330は、バレル320の内部に設けられている。加熱部330は、バレル320および吸引送出シリンダー341を加熱する。加熱部330の温度は、制御部50によって制御される。加熱部330は、例えば、ヒーターである。
【0018】
図3は、フラットスクリュー310の概略構成を示す斜視図である。フラットスクリュー310は、回転軸RXに沿った方向における長さが回転軸RXに垂直な方向における長さよりも小さい略円柱状を有する。フラットスクリュー310の、バレル320に対向する溝形成面315には、中央部316を中心に、渦状の溝317が形成されている。溝317は、フラットスクリュー310の側面に形成された材料投入口314に連通している。材料供給装置20から供給される材料は、材料投入口314を通じて溝317に供給される。溝317は、凸条部318によって隔てられることにより形成されている。
図3には、溝317が3本形成されている例を示しているが、溝317の数は、1本でもよいし、2本以上であってもよい。なお、溝317は、渦状に限らず、螺旋状あるいはインボリュート曲線状であってもよいし、中央部316から外周に向かって弧を描くように延びる形状であってもよい。
【0019】
図4は、バレル320の概略平面図である。バレル320は、駆動軸312に沿った方向においてフラットスクリュー310の溝形成面315に対向する、対向面325を有している。対向面325の中央には、流路323に連通する連通孔322が形成されている。対向面325には、連通孔322に接続され、連通孔322から外周に向かって渦状に延びている複数の案内溝326が形成されている。なお、バレル320には案内溝326は設けられていなくてもよい。また、案内溝326は、連通孔322に直接的に接続されていなくてもよい。
【0020】
フラットスクリュー310の溝317に供給された材料は、フラットスクリュー310の回転と加熱部330の加熱とによって、フラットスクリュー310とバレル320との間において可塑化されながら、フラットスクリュー310の回転によって溝317及び案内溝326に沿って流動し、フラットスクリュー310の中央部316へと導かれる。中央部316に流入した材料は、バレル320の中心に設けられた連通孔322に流出する。
【0021】
図2に示すように、吸引送出部340は、吸引送出シリンダー341と、プランジャー342と、プランジャー駆動部343と、を備える。吸引送出部340は、吸引送出シリンダー341内の可塑化材料を、成形型41に射出注入する機能を有する。吸引送出シリンダー341は、流路323に接続された円筒形状の部材である。プランジャー342は、その一部が吸引送出シリンダー341の内部に設けられた、略円柱形状の部材である。プランジャー342は、吸引送出シリンダー341の内部を流路323から離れる方向に移動して、吸引送出シリンダー341内に可塑化材料を吸引して計量する。その後、プランジャー342は、吸引送出シリンダー341の内部を流路323に近づく方向に移動して、流路323に可塑化材料を送出する。流路323に送出された可塑化材料は、ノズル350に圧送され、ノズル350から成形型41に射出される。プランジャー342は、モーターによって構成されるプランジャー駆動部343によって駆動される。ノズル350から射出される可塑化材料の射出量や射出速度、射出圧力は、制御部50がプランジャー駆動部343を制御することによって制御される。
【0022】
成形型41は、固定型42と可動型43から構成される。固定型42は、可塑化部30に固定されている。可動型43は、型締装置40により固定型42に対して型締め方向に進退可能に設けられている。可塑化部30によって生成された可塑化材料は、ノズル350から固定型42と可動型43によって区画されるキャビティーに射出される。成形型41は、金属製でもよいし、樹脂製でもよいし、セラミック製でもよい。金属製の成形型41を金型とも呼ぶ。
【0023】
型締装置40は、型駆動部44を備える。型駆動部44は、モーターやギア等によって構成され、ボールネジ45を介して可動型43に接続されている。型締装置40は、制御部50の制御下で型駆動部44を駆動することによって、ボールネジ45を回転させ、可動型43を固定型42に対して移動させて成形型41を開閉させる。
【0024】
図5および
図6は、第1実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。本実施形態では、材料供給装置20は、筐体210と、回転部材230と、を備える。
【0025】
筐体210は、内部に材料MRを収容する。筐体210は、筒部211と、蓋212と、を有する。筒部211は、Z方向に垂直な断面の形状が枠状である筒状の部材である。筒部211は、供給口213と、投入口214と、を有する。供給口213は、筒部211の上端の開口である。投入口214は、筒部211の下端の開口である。材料は、供給口213から筐体210内に投入される。筐体210内の材料は、投入口214から可塑化部30に投入される。蓋212は、供給口213を覆うように筒部211に載置されている。
【0026】
回転部材230は、筐体210内の投入口214よりも上方に設けられている。本実施形態では、回転部材230は、Y方向から見て歯車形状である。回転部材230は、Y方向に沿う回転軸231を中心に回転可能に設けられている。回転軸231は、一端が回転部材230の中心に接続されており、他端が筐体210の外部に設けられた駆動部240に接続されている。駆動部240は、例えば、モーターである。回転部材230は、駆動部240が回転軸231に駆動力を与えることによって回転軸231回りに回転する。
図5には、8つの溝232を有する歯車形状の回転部材230が示されているが、回転部材230は、3つ以上7つ以下、または、9つ以上の溝232を有する歯車形状であってもよい。
【0027】
筒部211の内側には、筐体210の一部である仕切板215が形成されている。仕切板215は、筒部211の内面から突き出すようにして、筒部211と回転部材230の間に形成されている。本実施形態では、仕切板215は、支持部216と、壁部217と、を有する。支持部216は、Z方向に貫く穴218が形成された、Z方向に垂直な板状の部分である。支持部216は、回転部材230の中心よりも上方に設けられている。壁部217は、支持部216の穴218の縁から-Z方向に突出している部分である。回転部材230は、Z方向から見て、支持部216の穴218の内部に位置し、壁部217に囲まれている。なお、仕切板215は、支持部216および壁部217を有さずに、筒部211の内面から回転部材230に向かって下方に傾斜した形状でもよい。
【0028】
供給口213から筐体210に投入された材料は、回転部材230および仕切板215の上方に収容される。筐体210に収容された材料の一部は、回転部材230の溝232に入る。回転部材230が回転軸231回りに回転すると、溝232に入った材料は溝232と共に下方に移動し、重力によって回転部材230から離れて投入口214に落下する。材料は、回転部材230が回転軸231回りに回転して、材料が入ったそれぞれの溝232が下方に移動した場合に投入口214に供給される。そのため、回転部材230の回転に伴って材料が間欠的に投入口214に供給される。
【0029】
以上で説明した本実施形態における射出成形装置10によれば、歯車形状の回転部材230がY方向に沿う回転軸231回りに回転することに伴い、回転部材230のそれぞれの溝232に入った材料が投入口214に落下することで、材料が間欠的に投入口214に供給される。回転軸231が沿う方向は重力方向と異なるため、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んだ場合に、材料が重力によって投入口214に落下しやすくなる。したがって、回転部材230と仕切板215との間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0030】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。第2実施形態における材料供給装置20以外の射出成形装置10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態では、材料供給装置20は、筐体210と、回転部材230と、駆動部240と、固定部241と、伸縮部材242と、を備える。
【0031】
固定部241は、筒部211の外面に固定されている。伸縮部材242は、その下端が固定部241の上面に固定されており、その上端が駆動部240に固定されている。すなわち、駆動部240は、伸縮部材242によって支持されている。
【0032】
伸縮部材242は、鉛直方向に伸縮する。伸縮部材242は、例えば、ばね等の弾性体である。伸縮部材242が鉛直方向に伸縮することにより、駆動部240の鉛直方向の位置が変化する。駆動部240は回転軸231を介して回転部材230に接続されているため、駆動部240の鉛直方向の位置の変化に伴って回転部材230の鉛直方向の位置が変化する。
【0033】
以上で説明した第2実施形態における射出成形装置10によれば、伸縮部材242が鉛直方向に伸縮することによって駆動部240の鉛直方向の位置が変化し、駆動部240に接続された回転部材230の鉛直方向の位置が変化する。したがって、筐体210内での回転部材230の鉛直方向の位置が変化するため、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料を重力によって投入口214に落下しやすくでき、材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0034】
C.第3実施形態:
図8は、第3実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。第3実施形態における材料供給装置20以外の射出成形装置10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。第3実施形態では、材料供給装置20は、筐体210と、回転部材230と、伸縮部250と、を備える。筐体210は、蓋212と、第1筐体221と、第2筐体222と、を有する。
【0035】
第1筐体221は、供給口213と、収容部223と、接続部224と、第1突出部225と、を有する。供給口213は、第1筐体221の上端に設けられている。収容部223は、その内部に材料を収容する。収容部223は、底面に穴を有する箱形状である。接続部224は、収容部223の底面の穴の縁から-Z方向に突出するように、収容部223の下方に設けられている。接続部224の内部には回転部材230が位置している。第1突出部225は、収容部223のY方向に沿う外面からX方向に突出するように設けられている。なお、第1突出部225は、収容部223のX方向に沿う外面からY方向に突出するように設けられていてもよい。
【0036】
第2筐体222は、第1筐体221の下方に位置する。第2筐体222は、接続口226と、投入口214と、第2突出部227と、を有する。接続口226は、第2筐体222の上面に形成された穴であり、第1筐体221の接続部224が挿入される。接続口226に接続部224が挿入されることで、第1筐体221と第2筐体222が連通する。投入口214は、第2筐体222の下端に設けられている。第2突出部227は、第2筐体222のY方向に沿う外面からX方向に突出するように設けられている。なお、第2突出部227は、第2筐体222のX方向に沿う外面からY方向に突出するように設けられていてもよい。
【0037】
回転軸231は、第2筐体222を貫くように第2筐体222に固定されている。回転部材230は、回転軸231を介して第2筐体222に固定されている。
【0038】
伸縮部250は、その一端が第1突出部225に固定され、その他端が第2突出部227に固定されている。伸縮部250は、例えば、ばね等の弾性体である。伸縮部250は、鉛直方向に伸縮する。伸縮部250が鉛直方向に伸縮することで、第1筐体221と第2筐体222の距離が変化し、筐体210が鉛直方向に伸縮する。また、伸縮部250が鉛直方向に伸縮することで、第1筐体221と回転部材230の相対的な位置が変化する。言い換えれば、伸縮部250が鉛直方向に伸縮することで、筐体210内での回転部材230の鉛直方向の位置が変化する。
図8には、伸縮部250が最も縮んだ状態の材料供給装置20が示されている。なお、収容部223の側面は、蛇腹等の鉛直方向に伸縮可能な形状であってもよい。
【0039】
以上で説明した第3実施形態における射出成形装置10によれば、伸縮部250が鉛直方向に伸縮することにより、筐体210が鉛直方向に伸縮し、第1筐体221と回転部材230の相対的な位置が変化する。また、伸縮部250が鉛直方向に伸縮することにより、接続部224と回転部材230の鉛直方向の相対的な位置が変化する。また、伸縮部250が鉛直方向に伸縮することにより、筐体210内での回転部材230の鉛直方向の位置が変化する。したがって、回転部材230と接続部224の間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料を重力によって投入口214に落下しやすくでき、材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0040】
D.第4実施形態:
図9は、第4実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。第4実施形態における材料供給装置20以外の射出成形装置10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。第4実施形態では、材料供給装置20は、筐体210と、回転部材230と、仕切部材260と、調整部261と、を備える。筐体210は、蓋212と、筒部211と、を有する。
【0041】
仕切部材260は、回転部材230の外周と筐体210の側面との間に設けられた、二枚の板状の部材である。仕切部材260は、筒部211のY方向に沿う二つの内面のそれぞれから回転部材230に向かう方向に突出するように設けられている。仕切部材260は、回転軸AXを有する。回転軸AXは、仕切部材260の、筒部211に取り付けられている端部に位置する。回転軸AXの軸線方向は、Y方向に沿う方向である。仕切部材260は、回転軸AXを中心として回転可能に設けられている。仕切部材260は、筐体210内の材料の一部を支持する。
【0042】
調整部261は、仕切部材260を動かし、回転部材230と仕切部材260との間隔を調整する。調整部261は、例えば、ねじである。調整部261は、筒部211のY方向に沿う面をX方向に貫くように、仕切部材260の下方に設けられている。調整部261は、回転部材230に近い側の端部が仕切部材260の底面に接触する。調整部261は、X方向に移動可能に設けられている。調整部261がX方向に移動することにより、仕切部材260が回転軸AXを中心として回転し、回転部材230と仕切部材260との間隔が変化する。すなわち、調整部261がX方向に移動することにより、回転部材230と筐体210の内縁の間隔が変化する。
【0043】
以上で説明した第4実施形態における射出成形装置10によれば、調整部261がX方向に移動することにより、仕切部材260が回転軸AXを中心として回転し、回転部材230と仕切部材260との間隔が変化する。したがって、回転部材230と仕切部材260の間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料を重力によって投入口214に落下しやすくでき、材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0044】
E.第5実施形態:
図10は、第5実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。第5実施形態における材料供給装置20以外の射出成形装置10の各部の構成は、第4実施形態と同じである。第4実施形態では、材料供給装置20は、筐体210と、回転部材230と、仕切部材260と、調整部261と、を備える。
【0045】
筐体210は、蓋212と、筒部211と、を有する。筒部211には仕切板215が形成されている。仕切板215は、筒部211のY方向に沿う内面から筒部211の中心に向かって突き出している。
【0046】
調整部261は、仕切板215の下方に、筒部211のY方向に沿う面をX方向に貫くように設けられている。調整部261は、例えば、ねじである。仕切部材260は、調整部261の回転部材230に近い側の端部に、調整部261と一体として設けられている。調整部261は、X方向に移動可能である。調整部261がX方向に移動することにより、仕切部材260が調整部261と一体となってX方向に移動し、回転部材230と仕切部材260の間隔が変化する。
【0047】
以上で説明した第5実施形態における射出成形装置10によれば、調整部261がX方向に移動することにより、仕切部材260がX方向に移動し、回転部材230と仕切部材260との間隔が変化する。したがって、回転部材230と仕切部材260の間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料を重力によって投入口214に落下しやすくでき、入り込んだ材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0048】
F.第6実施形態:
図11は、第6実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。第6実施形態における材料供給装置20以外の射出成形装置10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。また、第6実施形態における回転部材230以外の材料供給装置20の各部の構成は、第1実施形態と同じである。
【0049】
第6実施形態では、回転部材230は、外周に凹部235を有する。回転部材230の形状は、Y方向に沿う軸線を有する円柱の外周の一部が切り欠けられた形状である。凹部235は、回転部材230の外周の一部が切り欠けられた部分である。なお、
図11に示す回転部材230には一つの凹部235が形成されているが、回転部材230には2つ以上の凹部235が形成されていてもよい。
【0050】
筐体210に収容された材料の一部は、凹部235が上方に位置している場合に凹部235に入る。回転部材230が回転軸周りに回転すると、凹部235に入った材料は凹部235と共に下方に移動し、重力によって回転部材230から離れて投入口214に落下する。材料は、回転部材230が回転軸231回りに回転して凹部235が下方に移動した場合に投入口214に供給される。そのため、回転部材230の回転に伴って材料が間欠的に投入口214に供給される。
【0051】
以上で説明した第6実施形態における射出成形装置10によれば、凹部235を有する回転部材230がY方向に沿う回転軸周りに回転することに伴い、凹部235に入った材料が投入口214に落下することで、材料が間欠的に投入口214に供給される。回転軸RXが沿う方向は重力方向と異なるため、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んだ場合に、材料が重力によって投入口214に落下しやすくなる。したがって、回転部材230と仕切板215との間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0052】
G.第7実施形態:
図12は、第7実施形態における回転部材230の斜視図である。第7実施形態における回転部材230以外の射出成形装置10の各部の構成は、第6実施形態と同じである。
【0053】
第7実施形態では、回転部材230は、凹部235内に突起部236を有する。突起部236は、凹部235から回転部材230の半径方向に突出するように形成されている。突起部236は、回転部材230の中で最も回転部材230の半径方向の長さが長い部分である。
【0054】
以上で説明した第7実施形態における射出成形装置10によれば、回転部材230は凹部235を有するため、回転部材230が回転軸231回りに回転することに伴い、凹部235に入った材料が投入口214に落下することで、材料が間欠的に投入口214に供給される。回転軸231が沿う方向は重力方向と異なるため、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んだ場合に、材料が重力によって投入口214に落下しやすくなる。したがって、回転部材230と仕切板215との間に材料が入り込んだ場合でも、材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0055】
また、本実施形態では、回転部材230は凹部235内に突起部236を有し、突起部236は、回転部材230の中で最も回転部材230の半径方向の長さが長いため、回転部材230が回転軸231回りに回転した場合に、回転部材230と仕切板215の間に詰まった材料を突起部236によって破壊または押し出しやすくできる。
【0056】
本実施形態において、突起部236は、回転部材230の中で最も回転部材230の半径方向の長さが長くなくてもよい。すなわち、突起部236の先端は、回転部材230を形成する円柱の半径よりも半径方向に突出していなくてもよい。この場合、回転部材230が回転軸231回りに回転した場合に、突起部236の近傍に位置する材料を撹拌できる。
【0057】
H.第8実施形態:
図13は、第8実施形態における材料供給装置20の概略構成を示す断面図である。第8実施形態における材料供給装置20以外の射出成形装置10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。また、第8実施形態における回転部材230以外の材料供給装置20の各部の構成は、第1実施形態と同じである。
【0058】
第8実施形態では、回転部材230の形状は、Y方向に沿う軸線を有する円柱状である。回転部材230の中心BXは、回転部材230の軸線に一致する。回転部材230は、その中心BXが回転軸231から偏心するように、回転軸231に接続されている。
図13には、回転部材230が回転軸231回りに回転した場合に回転部材230が動く範囲が破線で示されている。仕切板215は、回転部材230の中心BXが回転軸231の鉛直上方にある場合に、筐体210に収容された材料が回転部材230と仕切板215の隙間から投入口214に落下しない位置に設けられている。回転部材230と仕切板215の間隔は、回転部材230が回転軸231回りに回転することで変化する。すなわち、回転部材230と筐体210の内縁の間隔は、回転部材230が回転軸231回りに回転することで変化する。
【0059】
回転部材230が回転軸231回りに回転し、回転部材230の中心BXが回転軸231の鉛直上方から移動すると、回転部材230と仕切板215の間隔が大きくなる。回転部材230と仕切板215の間隔は、回転部材230の中心BXが回転軸231の鉛直下方に位置する場合に最も大きくなる。筐体210に収容された材料は、回転部材230が回転軸231回りに回転して回転部材230と仕切板215の間隔が広くなった場合に、回転部材230と仕切板215の隙間から投入口214へ落下する。回転部材230が回転軸231回りに回転して回転部材230と仕切板215の間隔が狭くなった場合、材料の投入口214への落下は停止する。そのため、回転部材230の回転に伴って材料が間欠的に投入口214に供給される。
【0060】
以上で説明した第8実施形態における射出成形装置10によれば、回転部材230は、回転部材230の中心BXが回転軸231から偏心するように回転軸231に接続されており、回転部材230が回転軸回りに回転することで、回転部材230と仕切板215の間隔が変化して筐体210内の材料が間欠的に投入口214へ供給される。そのため、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んでも、回転部材230を回転軸231回りに回転させて回転部材230と仕切板215の間隔を変化させることで、入り込んだ材料を投入口214に落下させやすくできる。また、回転軸231が沿う方向は重力方向と異なるため、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んだ場合に、材料が重力によって投入口214に落下しやすくなる。したがって、回転部材230と仕切板215との間に材料が入り込んだ場合でも、入り込んだ材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0061】
I.第9実施形態:
図14は、第9実施形態における三次元造形装置400の概略構成を示す説明図である。三次元造形装置400は、材料供給装置20と、可塑化部30と、造形ステージ410と、移動機構420と、を備える。本実施形態における材料供給装置20は、第1実施形態の構成と同様である。
【0062】
可塑化部30は、フラットスクリュー310と、バレル320と、加熱部330と、吸引送出部340と、を備える。本実施形態では、バレル320の連通孔322とノズル350とを接続する流路323中に、逆止弁324ではなく、ノズル350からの可塑化材料の吐出量あるいは吐出の有無を切り替えるバルブ430が設けられている。バルブ430は、制御部50の制御下で駆動される。可塑化部30のその他の構成は第1実施形態における可塑化部30と同様である。
【0063】
造形ステージ410は、ノズル350に対向している。ノズル350から吐出された可塑化材料は、ステージ上の造形面411に堆積される。本実施形態では、造形面411は、水平方向に沿っている。造形ステージ410は、移動機構420によって支持されている。
【0064】
移動機構420は、ノズル350と造形ステージ410との相対的な位置を変化させる。本実施形態では、移動機構420は、造形ステージ410を移動させることによって、ノズル350と造形ステージ410との相対的な位置を変化させる。本実施形態における移動機構420は、3つのモーターが発生させる動力によって、造形ステージ410をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成されている。各モーターは、制御部50の制御下で駆動される。なお、移動機構420は、造形ステージ410を移動させずに、可塑化部30を移動させることによって、ノズル350と造形ステージ410との相対的な位置を変化させるように構成されてもよい。また、移動機構420は、造形ステージ410と可塑化部30との両方を移動させることによって、ノズル350と造形ステージ410との相対的な位置を変化させるように構成されてもよい。
【0065】
三次元造形装置400は、制御部50の制御下で、ノズル350と造形ステージ410との相対的な位置を変化させつつノズル350から可塑化材料を吐出させることによって、造形ステージ410上に可塑化材料の層を積層して所望の形状の三次元造形物を造形する。制御部50は、バルブ430を用いてノズル350から一時的に可塑化材料の吐出を停止させる際には、吸引送出部340に備えられたプランジャー342を駆動して吸引送出シリンダー341内に、ノズル周辺の可塑化材料を吸引する。そして、バルブ430を用いてノズル350からの可塑化材料の吐出を再開させる際には、プランジャー342を駆動して吸引送出シリンダー341内に吸引した可塑化材料をノズル350に向けて圧送する。
【0066】
以上で説明した第9実施形態における三次元造形装置400によれば、第1実施形態と同様に、回転部材230と仕切板215の間に材料が入り込んだ場合に、材料が重力によって投入口214に落下しやすくなり、材料が回転部材230の回転を阻害することを抑制できる。
【0067】
本実施形態において、材料供給装置20は、第2実施形態で説明した伸縮部材242を備えていてもよいし、第3実施形態で説明した伸縮部250を備えていてもよいし、第4実施形態または第5実施形態で説明した仕切部材260および調整部261を備えていてもよい。また、本実施形態において、回転部材230は、第6実施形態で説明した凹部235を有してもよいし、凹部235内に第7実施形態で説明した突起部236を有してもよいし、第8実施形態で説明したように回転軸231は回転部材230の中心BXから偏心していてもよい。
【0068】
J.他の実施形態:
(J-1)第1実施形態、第6実施形態、または第7実施形態において、回転部材230の外周が筒部211の内面と隣接している場合は、筒部211には仕切板215が形成されていなくてもよい。
【0069】
(J-2)第1実施形態から第5実施形態において、回転部材230は、Y方向に沿う軸線を有する円柱の一部がY方向に切り落とされた形状でもよい。
【0070】
(J-3)
図15は、回転部材230の形状の例を示す図である。第1実施形態から第5実施形態において、回転部材230は、
図15に示すような形状であってもよい。
【0071】
(J-4)第6実施形態及び第7実施形態において、凹部235の角は丸みを有していてもよい。この場合、粒径の小さい材料が凹部235の角に溜まることを抑制できる。
【0072】
(J-5)上記各実施形態では、回転軸231は、Y方向に沿う方向に設けられている。これに対して、回転軸231は、鉛直方向に交差する方向に設けられていればよい。
【0073】
(J-6)上記実施形態において、射出成形装置10は、可塑化部30と、型締装置40と、制御部50と、の一部または全部を備えていなくてもよい。
【0074】
(J-7)上記実施形態において、三次元造形装置400は、可塑化部30と、造形ステージ410と、移動機構420と、の一部または全部を備えていなくてもよい。
【0075】
K.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0076】
(1)本開示の一形態によれば、材料を可塑化して可塑化材料を生成する可塑化部に前記材料を供給する材料供給装置が提供される。この材料供給装置は、前記可塑化部に前記材料を投入する投入口を有し、前記材料を収容する筐体と、前記筐体内の前記投入口よりも上方に設けられ、鉛直方向に交差する回転軸を中心に回転する回転部材と、を備え、前記材料は、前記筐体内の前記回転部材よりも上方に収容されており、前記回転部材が回転することによって、前記材料が前記投入口に間欠的に供給される。このような形態によれば、回転部材が鉛直方向に交差する回転軸回りに回転するため、回転部材と筐体の間に材料が入り込んだ場合でも、材料を重力によって投入口に落下しやすくでき、材料が回転部材の回転を阻害することを抑制できる。
【0077】
(2)上記形態において、前記回転部材は、外周に凹部を有してもよい。このような形態によれば、回転部材が回転軸回りに回転して凹部が下方に移動した場合に凹部の材料が投入口に供給されるため、材料を間欠的に投入口に供給できる。
【0078】
(3)上記形態において、前記凹部内に突起部を有してもよい。このような形態によれば、回転部材と筐体の間に材料が詰まった場合に、突起部によって詰まった材料を破壊できる。また、回転部材が回転軸回りに回転した際に突起部の近傍の材料を撹拌できる。
【0079】
(4)上記形態において、前記回転軸は前記回転部材の中心から偏心しており、前記回転部材が回転した場合に前記回転部材と前記筐体との間隔が変化することによって、前記材料が前記投入口に間欠的に供給されてもよい。このような形態によれば、回転部材の形状を単純化できるため、回転部材の整備を簡単にできる。
【0080】
(5)上記形態において、前記回転軸を回転させる駆動部と、前記駆動部を支持し、鉛直方向に伸縮する伸縮部材と、を備え、前記伸縮部材が鉛直方向に伸縮することによって、前記筐体内での前記回転部材の鉛直方向の位置が変化してもよい。このような形態によれば、筐体内での回転部材の鉛直方向の位置を変化させることで、回転部材と筐体の間に詰まった材料を重力によって投入口へ落下させやすくできる。
【0081】
(6)上記形態において、前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体の下方に位置する第2筐体と、を有し、前記材料は、前記第1筐体に収容されており、一端が前記第1筐体に固定され、他端が前記第2筐体に固定された伸縮部を備え、前記伸縮部は、前記筐体を鉛直方向に伸縮させ、前記筐体内での前記回転部材の鉛直方向の位置を変化させてもよい。このような形態によれば、筐体内での回転部材の鉛直方向の位置を変化させることで、回転部材と筐体の間に詰まった材料を重力によって投入口へ落下させやすくできる。
【0082】
(7)上記形態において、前記回転部材の外周と前記筐体の側面との間に設けられ、前記材料の一部を支持する仕切部材と、前記仕切部材を動かし、前記回転部材と前記仕切部材との間隔を調整する調整部と、を備えてもよい。このような形態によれば、筐体に収容された材料の大きさや硬さに基づいて、回転部材と仕切部材の間隔を調整できる。
【0083】
(8)本開示の第2の形態によれば、可塑化装置が提供される。この可塑化装置は、前記材料供給装置と、前記可塑化部と、を備える。
【0084】
本開示は、材料供給装置及び可塑化装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、射出成形装置や、三次元造形装置等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0085】
10…射出成形装置、15…基台、20…材料供給装置、30…可塑化部、40…型締装置、41…成形型、42…固定型、43…可動型、44…型駆動部、45…ボールネジ、50…制御部、210…筐体、211…筒部、212…蓋、213…供給口、214…投入口、215…仕切板、216…支持部、217…壁部、218…穴、221…第1筐体、222…第2筐体、223…収容部、224…接続部、225…第1突出部、226…接続口、227…第2突出部、230…回転部材、231…回転軸、232…回転部材の溝、235…凹部、236…突起部、240…駆動部、241…固定部、242…伸縮部材、250…伸縮部、260…仕切部材、261…調整部、310…フラットスクリュー、311…スクリューケース、312…駆動軸、313…駆動モーター、314…材料投入口、315…溝形成面、316…中央部、317…溝、318…凸条部、320…バレル、321…バレルケース、322…連通孔、323…流路、324…逆止弁、325…対向面、326…案内溝、330…加熱部、340…吸引送出部、341…吸引送出シリンダー、342…プランジャー、343…プランジャー駆動部、350…ノズル、400…三次元造形装置、410…造形ステージ、411…造形面、420…移動機構、430…バルブ、AX…仕切部材の回転軸、BX…回転部材の中心、MR…材料、RX…フラットスクリューの回転軸