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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156020
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】遊技機島の構造体
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A63F7/02 349A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024146451
(22)【出願日】2024-08-28
(62)【分割の表示】P 2020212634の分割
【原出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000127628
【氏名又は名称】株式会社エース電研
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】早野 一樹
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】薩摩 泰友
(57)【要約】
【課題】施工が簡易化され、遊技機の入れ替え作業も簡易化することが可能な遊技機島の構造体を提供する。
【解決手段】島長手方向に並べて立設される島柱20と、該島柱20に取り付けるフレーム33とを有し、島柱20は、上下方向に延びる基部21と、該基部21に沿って突出する係合部22と、を備えて成り、該係合部22が遊技機2の正面方向を向くように配置される。フレーム33に、島柱20の係合部22に係合させて取り付け可能な被係合部35が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機島を構成し、島内に遊技機とその関連機器を設置するための構造体において、
島長手方向に並べて立設される島柱と、該島柱に取り付けるフレームと、を有し、
前記島柱は、上下方向に延びる基部と、該基部に沿って突出する係合部と、を備えて成り、該係合部が前記遊技機の正面方向を向くように配置され、
前記フレームに、前記島柱の係合部に係合させて取り付け可能な被係合部が設けられ、
前記島柱は、前記基部である細幅な基板の両側に、前記係合部として略直角に連なる両側板を備えたコ字形断面に形成され、該コ字形断面の開口側が前記遊技機の正面方向を向くように配置され、
前記フレームに、前記被係合部として、前記島柱の両側板に対して前記遊技機の正面方向から略水平に嵌め込むスリットが設けられていることを特徴とする遊技機島の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機島を構成し、島内に遊技機とその関連機器を設置するための構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機島の構造体として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。すなわち、島柱ユニットは、平行起立する2本の支柱と、各支柱を連結する連結アームによって梯子状に形成され、対向させた腰下ユニット間に起立させて、該腰下ユニットを連結する。
【0003】
ここで支柱の下側には、L字形断面のガイド片が設けられ、このガイド片を腰下ユニットの水平受け板に当接させてネジで固定していた。また、支柱の途中には、当て片が設けられ、この当て片を腰下ユニットの膳板(天板)の内側端面に当接させてネジで固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-68991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載の技術では、支柱に対する水平受け板や膳板の取り付けはネジ止めが前提である。そのため、部品点数が多くなり組み付け工数が増大するだけでなく、島内の狭い箇所でのネジ止め作業は手や目で確認しづらく面倒であり、施工が大変であった。
【0006】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、組み立て時の施工が簡易化され、遊技機の入れ替え時は容易に解体でき入れ替え作業も簡易化することが可能となる遊技機島の構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、
遊技機島を構成し、島内に遊技機とその関連機器を設置するための構造体において、
島長手方向に並べて立設される島柱と、該島柱に取り付けるフレームと、を有し、
前記島柱は、上下方向に延びる基部と、該基部に沿って突出する係合部と、を備えて成り、該係合部が前記遊技機の正面方向を向くように配置され、
前記フレームに、前記島柱の係合部に係合させて取り付け可能な被係合部が設けられ、
前記島柱は、前記基部である細幅な基板の両側に、前記係合部として略直角に連なる両側板を備えたコ字形断面に形成され、該コ字形断面の開口側が前記遊技機の正面方向を向くように配置され、
前記フレームに、前記被係合部として、前記島柱の両側板に対して前記遊技機の正面方向から略水平に嵌め込むスリットが設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る遊技機島の構造体を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る遊技機島の構造体の島柱を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る遊技機島の構造体の島柱とフレームの要部を拡大して示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る遊技機島の構造体の島柱の配置の変形例を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る遊技機島の構造体における遊技機の配置例を平面視で示す割付図である。
図6】本発明の実施形態に係る遊技機島を示す正面図である。
図7】本発明の別実施形態に係る遊技機島の構造体の島柱下側を示す(a)分解斜視図および(b)斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
本実施形態に係る遊技機島1の構造体10は、遊技機島1全体の骨組みを構成して、島内に遊技機とその関連機器を設置するものである。なお、各図面において、構成要素の相対的な寸法関係や形状等は、適宜設計変更されるものであり実際とは異なる場合がある。また、既に周知な事項の詳細な説明は、適宜省略する場合がある。
【0010】
<遊技機島1の概要>
図1に示すように、構造体10は、島長手方向に並べて立設される島柱20と、該島柱20に取り付けるフレームと、を有する。構造体10において、島柱20の下側には各種フレームが取り付けられて、遊技機島1の下部を成す下部ユニット11(図6参照)が構成される。また、島柱20の上側にも、図示省略したが各種フレームが取り付けられて、遊技機島1の上部を成す上部ユニット12(図6参照)が構成される。
【0011】
図5および図6に示すように、構造体10において、下部ユニット11と上部ユニット12の間における各島柱20間の空間に、複数の遊技機が背中合わせの状態で前後両面(2列)に設置されている。ここで遊技機は、遊技媒体に遊技球を使用するパチンコ機2Aと、遊技媒体にメダルを使用するスロットマシン2Bとがある。本実施形態の遊技機島1では、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bとが、それぞれ混在して設置されている。なお、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bを総称するときは、遊技機2と表記する。
【0012】
パチンコ機2Aは、通常は盤面上に遊技球を打ち出して遊技を行うものである。パチンコ機2Aごとに正面視で左側に隣接して、カードや紙幣の投入により遊技球を貸し出す台間球貸機3Aが並設されている。一方、スロットマシン2Bは、通常はメダルを投入して各リールを回転停止させて遊技を行うものである。スロットマシン2Bごとに正面視で右側に隣接して、カードや紙幣の投入によりメダルを貸し出す台間メダル貸機3Bが並設されている。なお、台間球貸機3Aと台間メダル貸機3Bを総称するときは、台間貸機3と表記する。
【0013】
図6に示すように、遊技機島1には、各遊技機2で使用する遊技媒体を島内で循環させて繰り返し使用するための装置等、様々な関連機器が設置されている。例えば、下部タンク(図示せず)や研磨揚送装置4が設置されている場合は、各遊技機2で使用された遊技媒体を下部タングに回収して貯留し、研磨揚送装置4により、下部タンクから受け渡された遊技媒体を上部ユニット12へ研磨しながら揚送する。また、下部タンクが設置されていない場合は、回収樋4aにより、各遊技機2で使用された遊技媒体を回収して研磨揚送装置4に受け渡し、研磨揚送装置4により、遊技媒体を上部ユニット12へ研磨しながら揚送する。
【0014】
上部ユニット12には、各遊技機2に補給する研磨済みの遊技媒体を貯留する上部タンク5が設置されている。また、上部ユニット12には、上部タンク5から島端に向かって配給樋6が下り傾斜するように配設されている。配給樋6は、各遊技機2や台間貸機3に遊技媒体を補給するものである。その他、構造体10の内部には、図示省略したが紙幣搬送装置が島長手方向に延びるように配設される。紙幣搬送装置は、台間貸機3に投入された紙幣を島終端まで搬送するものである。
【0015】
<構造体10について>
図1に示すように、構造体10は、島長手方向に並べて立設される島柱20と、該島柱20に取り付ける各種フレームと、を備えて成る。島柱20は、島長手方向に例えば遊技機2の2台分の間隔おきに立設される。図2に示すように、島柱20は、基本的には前後一対の組みを成し、床面上にレベル調整するベース23を介して垂直に立ち上がるように固定される。ベース23は、床面上での基礎高さや傾きを調整可能なものであれば足り、その構成は周知のものを採用すれば良く詳細な説明は省略する。なお、島柱20を島長手方向に並べる間隔は、遊技機2の2台分に限らず、他に例えば1台ごとや3台分の間隔おきで立設しても良い。
【0016】
前後一対の島柱20,20は、島長手方向と直交する島奥行方向に対向しており、各島柱20間に架設された上下に並ぶ複数のビーム26a,26b,26cによって一体に組み付けられている。各ビーム26a,26b,26cは、それぞれ島奥行方向に直線上に延びている。なお、複数のビーム26a,26b,26cを総称するときは、ビーム26と表記する。
【0017】
また、図4に示すように、前後一対の島柱20,20が、島奥行方向の直線上に並ばず互いに島長手方向に所定寸法だけずれて配置される場合もある。この場合も各島柱20間には、上下に並ぶ複数のビーム27a,27b,27cが架設されている。ここで各ビーム27a,27b,27cは、直線上に延びるものではなく、それぞれ途中から段違いに折り曲がるクランク状に形成されている。なお、複数のビーム27a,27b,27cを総称するときは、ビーム27と表記する。
【0018】
図4に示した前後一対の島柱20,20の並びの変形例は、島内において遊技機2自体の背面側や他の関連機器等の配置の関係で必要な場合がある。例えば図5の右側半分に示すように、遊技機島1の前後両面にスロットマシン2Bを設置する場合、台間球貸機3Aよりも大型で嵩張る台間メダル貸機3Bの配置に適している。その他、島柱20の変形例として、図示省略したが施工上の必要性に応じて、前後一対のうち一方だけ一部を切断するように構成することも考えられる。
【0019】
<<島柱20の詳細>>
図2に示すように、個々の島柱20は、上下方向に延びる基部と、該基部に沿って突出し同じく上下方向に延びる係合部とを備え、例えば板金を加工して形成されている。詳しく言えば島柱20は、基部である細幅な基板21の両側に、係合部として略直角に連なる両側板22,22を備えたコ字形断面に形成されている。ここで島柱20は、コ字形断面の開口側が遊技機2の正面方向を向くように配置される。
【0020】
島柱20の開口側に突出した両側板22,22は、後述するフレームにある被係合部に係合させて、該フレームを島柱20に取り付け可能な部位となる。なお、本実施形態では島柱20をコ字形断面として例示したが、この形状に限定されることはなく、他に例えば、細幅な基板の中央に沿って一側板が略直角に連なるT字形断面(T形鋼)としたり、コ字形断面が背中合わせとなるH字形断面(H形鋼)として形成しても良い。
【0021】
また、島柱20の両側板22,22の下側と上側には、それぞれ開口側に矩形に突出する段部24,25が形成されている。各段部24,25は、例えば後述の各種フレームの端部を補助的にネジ止めしたりするのに用いる部位である。また、下側の段部24と上側の段部25については、それぞれ上側に各種フレームを載置した状態で取り付けることも可能である。
【0022】
<<下部ユニット11のフレーム>>
図1に示すように、構造体10において島柱20の下側には、下部ユニット11を構成する各種フレームが取り付けられている。すなわち、構造体10の前後両面で各島柱20の下側に亘り、各種フレームとして、例えば島長手方向に延びる略水平で細幅な底板31と、その上方に所定高さの空間をあけて平行に延びる略水平で細幅な上板32と、が取り付けられている。なお、底板31と上板32の間には、島長手方向に所定間隔おきに並ぶ複数の中柱39が設けられている。
【0023】
また、上板32の上には、パチンコ機2Aまたはスロットマシン2Bをそれぞれ異なる最適な高さ位置に支持するために、例えば必要に応じて別部材等を介在させた上に、天板33が設けられている。天板33も各島柱20に取り付けるフレームの一種であり、上板32よりも奥行幅が広い略水平な板材であり、遊技機2の正面方向に所定幅で出っ張る状態に取り付けられている。天板33で島内を向く端縁側の上面(および下面)には、補強用の板材を張り合わせても良く、当該部位が各遊技機2を島長手方向に並べて載置する載置部34となっている。
【0024】
天板33の載置部34は、島柱20に対して遊技機2の正面方向から略水平に取り付けられる。図3に示すように、載置部34で島内を向く端縁側には、前記被係合部として島柱20の側板22を嵌め込むスリット35が設けられている。ここで一つの天板33が島柱20に交差する状態に取り付けられる場合、一つの天板33に島柱20の両側板22,22を嵌め込む一対のスリット35,35が設けられる。一方、図1および図3に示すように、島柱20を間にして左右2つの天板33が島長手方向に連なる場合、各天板33の互いに対接する端部に、それぞれ島柱20の両側板22,22を片方ずつ嵌め込むスリット35を1つずつ設けることになる。
【0025】
図3に示すように、互いに対接する天板33の端部には、島長手方向に合致する位置決め溝36を形成しても良い。位置決め溝36は、例えば一直線状に並ぶように形成されている。位置決め溝36は、島柱20に各天板33の端部(載置部34の端)を取り付ける際に、各位置決め溝36を島長手方向に連なるように一致させた状態で一の留め具37を差し込むことにより、各天板33の端部同士を固定するための構造となる。ここで留め具37は、例えば左右の位置決め溝36に合致する一枚の平板材から成る。
【0026】
図示省略したが底板31と上板32にも、それぞれ被係合部として島柱20の両側板22,22に嵌め込む一対のスリットを形成しても良い。さらに、天板33の下側に重なる上板32にも、位置決め溝36と平面視で上下に貫通して重なる位置決め溝(図示せず)を形成しても良い。この位置決め溝まで留め具37を差し込むことにより、天板33と上板32も互いに固定することができる。なお、天板33をはじめ各種フレームの素材は、例えば木材が加工容易な点で適している。
【0027】
また、図3に示すように、島柱20の側板22の外面と、該外面と略直交する天板33の載置部34の上面とを、それぞれ補強部材38によって固定しても構わない。補強部材38としては、具体的には例えば、細巾の金属板を略直角に折り曲げて成るL字金具等が適している。このような補強部材38は、島柱20と天板33に対接する部位を適宜ネジ等で固定すると良い。
【0028】
さらに、図4に示すように、前後一対の島柱20,20間のビーム27の略中央に、該ビーム27の前後を上下に亘って仕切ることが可能で島長手方向に延びる仕切り板40を設置可能に構成しても良い。仕切り板40は、例えば島長手方向に延びる長方形の平板材であり、下部ユニット11の内部を島長手方向に亘って前後に2分割することができる。なお、仕切り板40の素材も、前記各種フレームと同様に例えば木材が加工容易な点で適している。
【0029】
仕切り板40を設置可能な構成としては、具体的には例えば、下段のビーム27cの略中央に、仕切り板40の上端縁を島奥行方向から当接させる当て部材41を設けると共に、ベース23に含まれる最下段のビーム27dの略中央に、仕切り板40の下端縁を受け止める受け部材42を設けると良い。ここで当て部材41は、仕切り板40の上端縁をネジ止め可能な単なる平板状のブラケットであれば足る。また、受け部材42は、仕切り板40の下端縁を上から嵌め込めるような略U字形のブラケットであれば足る。
【0030】
図2に示した前後一対の島柱20,20においても、下段のビーム26cの略中央に当て部材41を設けると共に、ベース23側(の図示省略した最下段のビーム等)に受け部材42を設けても良い。これにより、前後一対の島柱20,20間のビーム26においても、該ビーム26の前後を上下に亘って仕切ることが可能で島長手方向に延びる仕切り板40を設置することが可能となる。
【0031】
<<上部ユニット12のフレーム>>
図1に示した構造体10において、島柱20の上側にも、実際には上部ユニット12を構成する各種フレームが取り付けられる。すなわち、構造体10の前後両面で各島柱20の上側に亘り、図示省略したが各種フレームとして、例えば前述した下部ユニット11と同様に、島長手方向に延びる略水平で細幅な複数の板が上下に並ぶように取り付けられている。なお、上下の板の間には、島長手方向に所定間隔おきに並ぶ複数の中柱も設けられている。
【0032】
上部ユニット12の基本的な枠組みの上下幅を、例えば共通の一定の規格に設定した場合、該枠組みの下端から遊技機2の上端までの隙間の高さは、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bとで異なる。そのため、前記枠組みと遊技機2の隙間には、遊技機2の種類に応じた高さの別部材等を介在させると良い。また、図示省略したが島柱20の上側に取り付けるフレーム(板)にも、それぞれ前記被係合部として島柱20の両側板22,22に嵌め込む一対のスリットを設けると良い。
【0033】
<遊技機島1とその構造体10の作用>
次に、本実施形態に係る遊技機島1とその構造体10の作用について説明する。
本遊技機島1における島全体の基本的な骨組みは、構造体10によって構築する。構造体10は、遊技店内の施工現場で組み立てる。すなわち、床面上の設置箇所に、先ずは島柱20をベース23によりレベル調整しつつ立設する。ここで島柱20は、図2に示すように、通常は前後一対を一組みとしてビーム26で組み付けられ、島長手方向に亘り所定間隔(例えば遊技機2の2台分)おきに配置する。
【0034】
各島柱20を立設するに際して、島内に設置する遊技機2や関連設備等との干渉を避ける必要がある場合には、図4に示すように、前後一対の島柱20,20を、島奥行方向の直線上には並ばせず互いに島長手方向に所定寸法だけずらして配置する。かかる場合は、各島柱20間をクランク状のビーム27を介して組み付ける。このような島柱20の並びは、図5に示したように、遊技機島1の右側半分で前後両面にスロットマシン2Bを設置する場合の台間メダル貸機3Bの配置に適している。
【0035】
各島柱20を床面上に立設し終えたら、図1に示すように、構造体10の前後両面で、それぞれ島長手方向に並ぶ各島柱20の下側に亘り、下部ユニット11を構成する各種フレームを順に取り付ける。すなわち、各島柱20間には例えば下から順に、底板31、上板32、それに天板33等を取り付ける。特に天板33は、その載置部34で島内を向く端縁側に、島柱20の側板22を嵌め込むスリット35があり、側板22をスリット35に嵌め込むようにして容易に取り付けることが可能である。
【0036】
ここで図3に示すように、島柱20を間にして左右2つの天板33を島長手方向に連ねる場合、各天板33の端部同士を対接させた状態で、各端部にあるスリット35に島柱20の側板22を嵌め込むことになる。また、図示省略したが底板31と上板32にも、それぞれ島柱20の両側板22,22に嵌め込む一対のスリットを形成すれば、島柱20に対して容易に取り付けることが可能となる。
【0037】
また、天板33の端部に、互いに対接させた際に島長手方向に合致する位置決め溝36を形成した場合、各位置決め溝36を直線上に合致させた状態で留め具37を差し込むことにより、各天板33の端部同士を正確に位置決めして確実に固定することが可能となる。ここで天板33の下方に重なる上板32にも、位置決め溝36と平面視で上下に貫通して重なる位置決め溝を形成すれば、この位置決め溝まで留め具37を差し込むことにより、天板33と上板32も互いに正確に位置決めして確実に固定することが可能となる。
【0038】
図3に示すように、島柱20の側板22の外面と、該外面と略直交する天板33の載置部34の上面とを、それぞれ補強部材38によって固定すれば、島柱20に対する天板33の撓みを防止することが可能となる。また、島柱が天板33に対して上下方向に相対的にずれる虞もなく、島柱20自体が浮いたり床面から外れたり、天板33から外れてしまうことを防止することが可能となる。
【0039】
図4に示すように、前後一対の島柱20,20間のビーム27の略中央に、仕切り板40を設置可能に構成すれば、構造体10の下部を仕切り板40によって、ビーム27の前後で上下に亘り容易に仕切ることが可能となる。ここで例えば、下段のビーム27cの略中央に当て部材41を設けると共に、ベース23に含まれる最下段のビーム27dの略中央に受け部材42を設ければ、簡易な構成で仕切り板40を容易に設置することができる。
【0040】
また、仕切り板40の設置については、島柱20がクランク状のビーム27で連結されたものに設置される場合に限定されることはない。すなわち、図1および図2の示すように、ビーム26が、それぞれ島奥行方向に直線上に延びているものに対しても、当て部材41と受け部材42を設けて仕切り板40を設置しても良い。
【0041】
以上のように、各島柱20の下側には、各種フレームを簡単に取り付けることが可能となり、構造体10を容易に構築することができる。また、各島柱20の上側にも、上部ユニット12を構成する各種フレームを順に取り付けることになる。また、構造体10の組み立て中に、前述した下部タンク、研磨揚送装置4、上部タンク5等の関連機器も適宜設置する。なお、構造体10の前後両面は腰板で覆われ、構造体10の前後両面は幕板で覆われる。
【0042】
構造体10の前後両面において、下部ユニット11と上部ユニット12との間に、遊技機2を設置するスペースが確保される。このスペースにおける天板33の載置部34に、複数の遊技機2および台間貸機3を順に並べて設置する。ここで天板33の高さ位置は、設置する遊技機2の種類に応じて異なる。すなわち、図6に示すように、パチンコ機2Aは、スロットマシン2Bを載置する天板33よりも高い位置に取り付けられた天板33上に載置される
【0043】
このような遊技機島1において、後から遊技機2を入れ替える際に、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bとを交換する場合、それぞれの高さ位置が異なることから、少なくとも天板33を島柱20から取り外して、天板33を別の高さに調整して再び島柱20に取り付ける必要がある。かかる場合も、島柱20の両側板22から天板33のスリット35を引き抜くようして、島柱20から天板33を容易に取り外して解体でき、再び容易に取り付けることが可能であり、遊技機2の入れ替え作業も簡易化することができる。
【0044】
<別実施形態>
図7(a)は、別実施形態に係る遊技機島1の構造体10の島柱20の下側の構造を示す分解斜視図であり、同図(b)は斜視図である。なお、前述した実施形態と同種の部位についての重複した説明は省略する。
【0045】
図7(a),(b)に示すように、別実施形態では、ベースプレート28を床面上に載置して、(島柱20の)ベース23を、ベースプレート28にあるベース設置部29へ嵌め込んで設置する。ここでベースプレート28は、例えば島奥行方向に延びる長方形の平板材であり、その前後端に一対のベース設置部29,29が溝状に形成されている。
【0046】
ベースプレート28において、一対のベース設置部29,29の間の略中央には、長手方向に延びる受け部材43が立設されている。受け部材43は、仕切り板40の下端縁を横から当てる平板状のブラケットで足る。このように受け部材43は、前記受け部材42とは形状が異なり前記当て部材41に類似するものであるが、特に形状は限定されるものではない。
【0047】
受け部材43は、その下端面をベースプレート28上に、例えば接着剤や両面デープ等で固定してから、ベースプレート28の底面からネジ止めして固定すると良い。また、仕切り板40は、一対のベース23,23の間で受け部材43に横から当てて、受け部材43にネジ止めしたり、ベース23の端面にネジ止めすると良い。なお、ベースプレート28や受け部材43の素材も、前記仕切り板40と同様に例えば木材が加工容易な点で適している。
【0048】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態および別実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態および別実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態および別実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0049】
[1]先ず、本発明は、
遊技機島1を構成し、島内に遊技機2とその関連機器を設置するための構造体10において、
島長手方向に並べて立設される島柱20と、該島柱20に取り付けるフレーム33と、を有し、
前記島柱20は、上下方向に延びる基部21と、該基部21に沿って突出する係合部22と、を備えて成り、該係合部22が前記遊技機2の正面方向を向くように配置され、
前記フレーム33に、前記島柱20の係合部22に係合させて取り付け可能な被係合部35が設けられていることを特徴とする。
【0050】
このように、島柱20の係合部22に、フレーム33の被係合部35を係合させることで、島柱20に対してフレーム33を容易に取り付けることが可能となる。従って、構造体10ないし遊技機島1全体の組み立て時の施工を簡易化することができる。また、遊技機2の入れ替え時は、島柱20からフレーム33を容易に解体できるため、入れ替え作業も簡易化することができる。
【0051】
[2]また、本発明では、
前記島柱20は、前記基部である細幅な基板21の両側に、前記係合部として略直角に連なる両側板22,22を備えたコ字形断面に形成され、該コ字形断面の開口側が前記遊技機2の正面方向を向くように配置され、
前記フレーム33に、前記被係合部として、前記島柱20の両側板22,22を嵌め込むスリット35が設けられている。
【0052】
このような島柱20によれば、簡易な構成で必要な剛性や強度を確保可能であり、島柱20自体の撓みや歪みを防止することができる。しかも、島柱20のコ字形断面における両側板22,22を、そのまま係合部として活用することができる。一方、フレーム33における被係合部も、両側板22,22を嵌め込むスリット35で足りるため、より簡易な構成としてコストを低減することが可能となる。
【0053】
[3]また、本発明では、
前記フレーム33は、前記遊技機島1の下部を成す下部ユニット11を構成し、前記遊技機2を載置する載置部34を備え、
前記載置部34は、前記島柱20に対して前記遊技機2の正面方向から略水平に取り付けられ、該載置部34で島内を向く端縁に前記スリット35が設けられていることを特徴とする。
【0054】
このようにフレーム33を、遊技機2を載置する載置部34を備えた天板とすることにより、遊技機2を入れ替える際も、簡単に解体したり、再び取り付けることが可能となる。従って、遊技機島1全体の組み立て時の構築作業だけでなく、後から遊技機2を入れ替える作業も簡易化することが可能となる。
【0055】
[4]また、本発明では、
前記フレーム33は、前記島柱20を間にして複数が島長手方向に連なり、互いに対接する端部に、それぞれ前記島柱20の両側板22,22を片方ずつ嵌め込むスリット35が1つずつ設けられていることを特徴とする。
【0056】
これにより、フレーム33を、島長手方向に並ぶ島柱20の間隔ごとに区切って、作業しやすい単位で取り付けることができる。また、施工しやすいだけでなく、各フレーム33同士の端部を島柱20で突き合わすことにより、各フレーム33の取り付け強度も高めることができる。
【0057】
[5]また、本発明では、
互いに対接する前記フレーム33の端部に、島長手方向に合致する位置決め溝36が形成され、前記島柱20に前記各フレーム33の端部を取り付ける際に、前記各位置決め溝36を島長手方向に一致させた状態で一の留め具37を差し込むことにより、前記各フレーム33の端部同士を固定することを特徴とする。
【0058】
このような位置決め溝36という簡易な構成により、フレーム33同士の端部を付き合わせる際の位置決めを容易に行うことができる。しかも、各位置決め溝36に一の留め具37を差し込むだけで、各フレーム33同士の端部の位置ずれも確実に防止することができる。
【0059】
[6]また、本発明では、
前記島柱20の側板22の外面と、該外面と略直交する前記載置部34の上面とを、それぞれ補強部材38により固定することを特徴とする。
【0060】
このように、補強部材38によれば、島柱20とフレーム33の載置部34とを、より強固に結合することができる。また、補強部材38によって、島柱20やフレーム33自体も補強され、いっそう取り付け強度を高めることができる。
【0061】
[7]さらに、本発明では、
前記島柱20は、前後一対の組みを成し、該前後の各島柱20間には、上下に亘り複数のビーム27が架設され、前記ビーム27の略中央に、該ビーム27の前後を上下に亘って仕切ることが可能で島長手方向に延びる仕切り板40を設置可能としたことを特徴とする。
【0062】
これにより、構造体10の内部を前後に2分割するように、仕切り板40を容易に設置することができる。従って、一つの構造体10に、例えばパチンコ機2Aとスロットマシン2Bとの入れ替えに適した互換島として施工しやすくなる。
【0063】
<別の本発明の構成と作用効果>
また、前述した実施形態および別実施形態からは、次の別の本発明も導かれる。
【0064】
[8]別の発明では、
前記下部ユニット11は、前記フレーム33とは別に前記載置部34の下方で前記島柱20に取り付ける一または複数の別フレーム32を備え、
前記別フレーム32にも、前記位置決め溝36と平面視で上下に貫通して重なる別位置決め溝が形成され、前記位置決め溝36および前記別位置決め溝に前記留め具37を差し込むことにより、前記フレーム33および前記別フレーム32も互いに固定することを特徴とする。
【0065】
これにより、互いに付き合わせた2つのフレーム33だけでなく、その下方に位置する別フレーム32も合わせて、それぞれが島柱20に対して位置ずれしない状態に確実に固定することが可能となる。なお、例えば前記上板32が「別フレーム」の一例である。
【0066】
[9]さらに別の発明では、
前記島柱20の途中に、前記フレーム33または前記別フレーム32の何れかを載置可能な段部24を設けたことを特徴とする。
【0067】
このように段部24を利用して、各種フレーム33,34の端部を補助的にネジ止めすることが可能となる。また、段部24の上側に、各種フレーム33,34を載置した状態で取り付けることも可能となる。
【0068】
以上、本発明の実施形態および別実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記遊技機島1における遊技機2の配置や台数は、前述した実施形態の態様に限られることはない。
【0069】
また、前記遊技機島1では、前後両面にそれぞれ遊技機2を並べて設置したが、例えば遊技機島を壁際に沿わせて構成する場合には、片面だけに遊技機2が一列に並ぶように構成しても良い。この場合の遊技機島(いわゆる壁島)の前後幅は、前記遊技機島1(いわゆる両島)に比べて狭く設定され、一対の島柱20,20の間隔も狭くなる。
【0070】
さらに、前記遊技機島1では、前後両面の一方にパチンコ機2Aとスロットマシン2Bを混在させたが(図6参照)、島全体でパチンコ機2Aだけ、あるいはスロットマシン2Bだけを設置するようにしても良い。また、遊技機島1の前後両面の一方にパチンコ機2Aを並べて、他方にスロットマシン2Bを並べたり、あるいはパチンコ機2Aとスロットマシン2Bとを交互に並べる等、遊技機2の混在に関する配置も、特に限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、様々な種類の遊技機を設置する遊技機島として広く適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1…遊技機島
2A…パチンコ機(遊技機)
2B…スロットマシン(遊技機)
3A…台間球貸機
3B…台間メダル貸機
10…構造体
11…下部ユニット
12…上部ユニット
20…島柱
21…基板
22…側板(係合部)
23…ベース
24…段部
25…段部
26…ビーム
27…ビーム
31…底板(フレーム)
32…上板(フレーム)
33…天板(フレーム)
34…載置部
35…スリット(被係合部)
36…位置決め溝
37…留め具
38…補強部材
40…仕切り板
41…当て部材
42…受け部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7