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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156021
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024146487
(22)【出願日】2024-08-28
(62)【分割の表示】P 2020156873の分割
【原出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】吉田 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】志村 一樹
(57)【要約】
【課題】操作ボタンの振動が遊技者に伝達しやすく演出効果を高めることができる遊技機を提供。
【解決手段】演出操作ユニット60は、遊技者の操作によって変位可能な操作ボタン61と、前面扉12に対して操作ボタン61を支持するベース部材62と、振動演出を実行する分銅モータ63aと、を備える。操作ボタン61は、操作されない状態の第一位置と遊技者により操作された状態の第二位置との間を変位し、第二位置においてベース部材62の切欠き部69fに当接する突起67dを有し、突起67dが切欠き部69fに点接触可能に構成されている。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作によって変位可能な操作部材と、
遊技機本体に対して前記操作部材を支持するベース部材と、
前記ベース部材に設けられて振動演出を実行する振動体と、を備え、
前記操作部材は、操作されない状態の第一位置と遊技者により操作された状態の第二位置との間を変位し、前記第二位置において前記ベース部材の被当接部に当接する当接部を有し、
前記当接部および前記被当接部のうち少なくとも一方は他方に向かって突出して形成され、前記当接部と前記被当接部とが点接触可能に構成され、
前記振動体は、前記操作部材が前記第二位置にある場合に振動演出を実行可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。このような遊技機は、遊技者が操作するための操作ボタン等の操作部や、各種の遊技演出を表示するディスプレイ等の表示手段を備えている。操作ボタンとして、ディスプレイに表示される遊技演出や遊技者による押し込み操作などに連動して振動するとともに発光するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された振動発光型の操作ボタンは、演出操作ユニットとして構成され、遊技機本体の前面パネルに開口した収容部に演出操作ユニットが収容されている。演出操作ユニットは、ケースと、ケース内の基体に進退自在に支持されたボタンと、ボタンを突出方向に付勢するばねと、ボタンに振動を付与する振動体と、ボタンを発光させる発光体と、ボタンの押込み動作を検知するセンサと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-32653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のような振動発光型の操作ボタンでは、ボタンの押込み操作に連動して振動体が振動しても、その振動がユニット内部で減衰してしまい、ボタンを介して遊技者に手まで振動が伝達されにくく、演出効果を十分に高めることが難しかった。
【0006】
本発明の目的は、操作ボタンの振動が遊技者に伝達されやすくなって振動演出効果を高めることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、
遊技者の操作によって変位可能な操作部材と、
遊技機本体に対して前記操作部材を支持するベース部材と、
前記ベース部材に設けられて振動演出を実行する振動体と、を備え、
前記操作部材は、操作されない状態の第一位置と遊技者により操作された状態の第二位置との間を変位し、前記第二位置において前記ベース部材の被当接部に当接する当接部を有し、
前記当接部および前記被当接部のうち少なくとも一方は他方に向かって突出して形成され、前記当接部と前記被当接部とが点接触可能に構成され、
前記振動体は、前記操作部材が前記第二位置にある場合に振動演出を実行可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0008】
このような本発明に係る遊技機によれば、第二位置まで変位した操作部材の当接部がベース部材の被当接部に点接触によって当接することで、ベース部材に設けられた振動体の振動が増幅されて遊技者に伝達され、振動演出効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態におけるスロットマシンの斜視図である。
図2】スロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図である。
図3】スロットマシンの前面扉の背面図である。
図4】スロットマシンの筐体の正面図である。
図5】前面扉の構造を示す斜視図である。
図6】前面扉の構造を示す斜視図である。
図7】前面扉の構造を示す背面図である。
図8】(A)、(B)は、演出操作ユニットを示す正面図および背面図である。
図9】(A)、(B)は、演出操作ユニットの動作を示す側面図である。
図10】演出操作ユニットを斜め上方から見た分解斜視図である。
図11】演出操作ユニットを斜め下方から見た分解斜視図である。
図12】(A)、(B)は、演出操作ユニットの動作を示す断面図である。
図13】(A)、(B)は、演出操作ユニットを簡略して示す断面図である。
図14】(A)、(B)は、演出操作ユニットを簡略して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下では、本発明を遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシン10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、スロットマシン10の斜視図であり、図2は、スロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図3は、前面扉12の背面図であり、図4は、筐体11の正面図である。
【0011】
〔遊技機の全体構造〕
図1から図4に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製のパネルを組み合わせて、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。なお、筐体11は、木製のパネルによって構成されるものに限らず、合成樹脂製パネルまたは金属製パネルによって構成されてもよいし、合成樹脂材料または金属材料によって一体の箱状に形成されたものでもよい。筺体11の側面下部には、スロットマシン10を運搬する際に利用される取手部11aが設けられている。
【0012】
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下三箇所の支軸13a,13b,13c(図4参照)が設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13b,13cと対応する位置に軸受部14a,14b,14c(図3参照)が設けられている。そして、各軸受部14a,14b,14cに各支軸13a,13b,13cが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して各支軸13a,13b,13cを結ぶ上下方向に延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。
【0013】
また、前面扉12において開閉軸の反対側(正面から見て右側)には、その背面に施錠装置15が設けられ、筐体11における施錠装置15に対応した位置には錠受部16が設けられている。この施錠装置15は、筐体11に対して閉鎖した前面扉12を開放不能な施錠状態とするものである。前面扉12の前面右端部には、施錠装置15と一体化されたキーシリンダ15aが設けられており、キーシリンダ15aに対する所定のキー操作によって施錠装置15の施錠状態と解錠状態とが切り替えられるように構成されている。すなわち、キーシリンダ15aをキー操作することにより、施錠装置15を錠受部16に係合させて施錠状態とすることで、前面扉12が開放不能となり、施錠装置15と錠受部16との係合を解除して解錠状態とすることで、前面扉12が開放可能となる。なお、キーシリンダ15aとしては、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。
【0014】
前面扉12の前面中央部には、遊技に関する情報を表示するための遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20は、合成樹脂材料から透明に構成されており、遊技パネル20を通じてスロットマシン10の内部が視認可能となっている。この遊技パネル20に対応した前面扉12の背面側には、図2、3に示すように、リールユニット21が取り付けられている。リールユニット21は、後述する主中継基板71から延びる電力の分配配線(不図示)や信号線(不図示)を接続するためのコネクタ21a,21bを備え、主制御装置90によってリールユニット21の動作が制御されるようになっている。
【0015】
リールユニット21は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール22L,中リール22M,右リール22Rを備えている。各リール22L,22M,22Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール22L,22M,22Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、各リール22L,22M,22Rの表面の一部は遊技パネル20を通じて視認可能な状態となっている。また、各リール22L,22M,22Rが正回転すると、遊技パネル20を通じて各リール22L,22M,22Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように視認される。
【0016】
ここで、リールユニット21の構成を簡単に説明する。各リール22L,22M,22Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール22L,22M,22Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット21には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール22L,22M,22Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置90に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置90は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール22L,22M,22Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
【0017】
各リール22L,22M,22Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個、具体的には、各リール22L,22M,22R毎に、21個の図柄が等間隔に描かれており、そのうち連続する3個の図柄が遊技パネル20の上段、中段、下段の位置にそれぞれ視認可能に構成されている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置90は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、遊技パネル20から視認可能な状態となっている図柄を把握したり、遊技パネル20から視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
【0018】
遊技パネル20の下方左側には、各リール22L,22M,22Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー23が設けられている。スタートレバー23は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)するレバーであり、所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー23が操作されると、各リール22L,22M,22Rの回転が一斉に(但し、同時である必要はない)開始されるようになっている。
【0019】
スタートレバー23の右側には、回転している各リール22L,22M,22Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ24L,24M,24Rが設けられている。各ストップスイッチ24L,24M,24Rは、停止対象となるリール22L,22M,22Rに対応して配置されている。すなわち、左ストップスイッチ24Lが操作された場合には左リール22Lの回転が停止し、中ストップスイッチ24Mが操作された場合には中リール22Mの回転が停止し、右ストップスイッチ24Rが操作された場合には右リール22Rの回転が停止する。
【0020】
遊技パネル20の下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入部25が設けられている。メダル投入部25から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられたセレクタ(不図示)によって取込用通路26か排出用通路27のいずれかへ導かれる。そして、取込用通路26に導かれたメダルは、筺体11の内部に収容されたホッパ装置31へと導かれる。一方、排出用通路27に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口28からメダル受け皿29へと導かれ、遊技者に返還される。
【0021】
ホッパ装置31は、図2、4に示すように、メダルを貯留する貯留タンク32と、メダルを遊技者に払い出す払出装置33とにより構成されている。払出装置33は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路27に設けられた開口27aへメダルを排出し、排出用通路27を介してメダル受け皿29へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置31の右方には、貯留タンク32内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク34が設けられている。ホッパ装置31の貯留タンク32内部には、この貯留タンク32から予備タンク34へとメダルを排出する誘導プレート(不図示)が設けられている。したがって、誘導プレートが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク34に貯留されることとなる。
【0022】
また、スタートレバー23の左方には、精算スイッチ(不図示)が設けられている。本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチが操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口28からメダル受け皿29に払い出されるようになっている。また、メダル投入部25に投入されたメダルがセレクタ内に詰まった状況下で精算スイッチが操作された場合、セレクタが機械的に連動して動作され、当該セレクタ内に詰まったメダルがメダル排出口28から返却されるようになっている。
【0023】
遊技パネル20の下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを最大に投入(例えば、一度に3枚投入)するためのMAXBETボタン36が設けられている。また、本実施形態のスロットマシン10には搭載されていないが、MAXBETボタン36の近傍に、仮想メダルを一度に2枚投入するためのボタン(2BETボタン)や、仮想メダルを1枚投入するためのボタン(1BETボタン)が設けられていてもよい。精算スイッチおよびMAXBETボタン36は、スロットマシン10における主要な遊技操作を行う操作部であることから、これらの操作部からの操作信号は後述する主制御装置90に伝送されて処理される。
【0024】
MAXBETボタン36の左側には、情報表示部37が設けられている。情報表示部37は、クレジットされている仮想メダル数や、ボーナス状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数、入賞時に払い出したメダルの枚数、等のメダル数に関する情報がそれぞれ表示される7セグメント表示器から構成されている。なお、情報表示部37は、7セグメント表示器によって構成されるものに限らず、表示するメダル数の情報を一画面の中に表示する液晶表示器等によって構成されてもよい。情報表示部37の表示は、主制御装置90によって制御される。
【0025】
遊技パネル20の下方中央には、演出操作ユニット60(後述)としての演出ボタン38が設けられている。演出ボタン38は、後述する液晶表示装置55に表示される画像や動画を切り替えたり、上部ランプ51や側部ランプ53の点灯状態を切り替えたりするために用いられる。演出ボタン38からの操作信号は後述するサブ制御装置80に伝送されて処理される。また、メダル受け皿29の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート39が装着されている。
【0026】
前面扉12の前面側において、上部には、上部ランプ51と左右一対のスピーカグリル52とが設けられ、左右両側辺には、一対の側部ランプ53が設けられ、下段プレート41の両側には、左右一対のスピーカグリル54が設けられている。上部ランプ51および側部ランプ53は、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりすることで演出を行う。また、遊技パネル20の上方には、遊技者に各種情報を与える液晶表示装置55が設けられている。液晶表示装置55は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行したり、電源投入時やエラー発生時にその状態を報知したりするためのものであり、映像を表示する液晶ディスプレイ56を備えて構成されている。
【0027】
図3に示すように、前面扉12の背面側において、上部には、左右一対の上部スピーカ57(図中、右側の上部スピーカは不図示)が設けられ、下部には、左右一対の下部スピーカ58が設けられ、液晶表示装置55の背面には、副スピーカ(ウーファー)59が設けられている。上部スピーカ57は、遊技の進行に伴い種々の効果音を発生し、この効果音がスピーカグリル52を通して前面扉12の前面側に送出される。下部スピーカ58は、遊技者に遊技状態を報知する報知音を発生し、この報知音がスピーカグリル54を通して前面扉12の前面側に送出される。副スピーカ59は、遊技の進行に伴い重低音等の効果音を発生するものである。
【0028】
液晶表示装置55は、液晶ケース55aにより外郭が形成され、その液晶ケース55aに液晶ディスプレイおよび液晶基板(不図示)が収容されて構成されている。液晶基板には、映像出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)や各種メモリ等の電子部品が搭載されている。液晶ケース55aにはコネクタ口が形成され、液晶基板に搭載されるコネクタ55bがコネクタ口を通して前面扉12の背面側に露出されている。コネクタ55bには、後述するサブ制御装置80から延びる配線(不図示)が接続されるようになっている。
【0029】
上部ランプ51や側部ランプ53、液晶表示装置55、上部スピーカ57や下部スピーカ58、副スピーカ59は、サブ制御装置80によって制御される。サブ制御装置80は、図2、4に示すように、筐体11の背面板11cの内面に本体ベース85を介して取り付けられている。さらに、本体ベース85には、リールユニット21やホッパ装置31を制御して遊技を統括管理する主制御装置90が取り付けられている。また、筐体11の内部においてホッパ装置31の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置(不図示)を収容するとともに、サブ制御装置80や主制御装置90を始めとする各部に電力を供給するための電源スイッチ(不図示)を備えている。
【0030】
前面扉12の背面側には、図3に示すように、主中継基板71とサブ中継基板72とが設けられている。主中継基板71は、電源ボックス70から主制御装置90を介して供給される電力、および主制御装置90から伝送される制御信号をリールユニット21や、スタートレバー23、ストップスイッチ24L,24M,24R、精算スイッチ5、MAXBETボタン36、情報表示部37等の各部に中継するものである。サブ中継基板72は、電源ボックス70からサブ制御装置80を介して供給される電力、およびサブ制御装置80から伝送される制御信号を演出ボタン38、液晶表示装置55、上部ランプ51、側部ランプ53、上部スピーカ57、下部スピーカ58、副スピーカ59等の各部に中継するものである。これらの主中継基板71とサブ中継基板72には、それぞれ主制御装置90およびサブ制御装置80からの配線(不図示)を接続する入力コネクタと、各部に接続される分配配線(不図示)を接続する分配コネクタと、が設けられている。
【0031】
サブ制御装置80は、図4に示すように、基板ケース81により外郭が形成され、その基板ケース81にサブ基板(不図示)が収容されて構成されている。サブ基板には、演出ボタン38や、上部ランプ51、側部ランプ53、上部スピーカ57や下部スピーカ58、副スピーカ59等の主たる制御を担うMPU(Micro Processing Unit)や、各種メモリ等の電子部品の他に、外部との電気的接続を行うための複数のコネクタ82が搭載されている。このサブ基板は、電子部品の搭載面がサブ制御装置80の前面側を向くように基板ケース81に収容されている。基板ケース81は、その背面側を形成するベース部材(不図示)と、前面側を形成するカバー部材83とにより構成されている。カバー部材83にはコネクタ口が開口形成され、コネクタ口を通してコネクタ82が露出されている。
【0032】
主制御装置90は、基板ケース91により外郭が形成され、その基板ケース91に主基板(不図示)が収容されて構成されている。主基板には、リールユニット21やホッパ装置31等の主たる制御を担うMPU(Micro Processing Unit)や、各種メモリ等の電子部品の他に、外部との電気的接続を行うための複数のコネクタ92が搭載されている。この主基板は、電子部品の搭載面が主制御装置90の前面側を向くように基板ケース91に収容されている。基板ケース91は、その背面側を形成するベース部材(不図示)と、前面側を形成するカバー部材93とにより構成されている。カバー部材93には複数のコネクタ口が開口形成され、コネクタ口を通してコネクタ92が露出されている。また、主制御装置90には、リセットスイッチ94および設定キー挿入孔95が設けられている。
【0033】
リセットスイッチ94は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ94を押しながら電源をオンすると、バックアップデータがリセット(初期化)されるようになっている。また、電源がオンされている状態でリセットスイッチ94を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
【0034】
設定キー挿入孔95は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔95へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(各入賞態様の当選確率の設定)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。そして、設定状態が「設定1」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も低くなるように入賞態様(役)の抽選を行い、設定状態が「設定6」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も高くなるように入賞態様の抽選を行うように構成されている。なお、リセットスイッチ94は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の設定状態を変更する場合にも操作される。
【0035】
〔前面扉の構造〕
以下、図5から図7を参照し、前面扉12の構造について説明する。図5、6は、前面扉12の構造を示す斜視図である。図7は、前面扉12の構造を示す背面図である。前面扉12は、基体としての金属製のシャーシ12aと、シャーシ12aの前面に取り付けられる樹脂製の前面パネル12bと、を備えている。遊技パネル20は、シャーシ12aの開口を覆うように取り付けられ、図1に示す上部ランプ51や側部ランプ53は、シャーシ12aの前面に取り付けられている。
【0036】
前面パネル12bは、遊技パネル20よりも前方に向かって若干の下り傾斜を有して延びる上面部12cを有し、この上面部12cにメダル投入部25、MAXBETボタン36、情報表示部37および演出ボタン38が設けられている。上面部12cには、演出ボタン38としての演出操作ユニット(第1操作ユニット)60を受け入れる第1凹部12dと、MAXBETボタン36を受け入れる凹部12eと、が形成されている。また、上面部12cの前側下方には、ストップスイッチ24L,24M,24Rが組み込まれたスイッチユニット(第2操作ユニット)24aを受け入れる第2凹部12fが形成されている。第1凹部12dは、上面部12cと略直交する上方に向かって開口し、第2凹部12fは、前方側に向かって開口し、前面パネル12bの内部において第1凹部12dおよび第2凹部12fは、互いに連通して設けられている。
【0037】
一方、図7に示すように、前面扉12の背面側において、シャーシ12aには、演出操作ユニット60を取り付けるための第1ユニット取付部12gと、スイッチユニット24aを取り付けるための第2ユニット取付部12hと、が設けられている。これらの第1ユニット取付部12gと第2ユニット取付部12hとは、上下に並んで設けられている。第1ユニット取付部12gは、図示しない4本のビス(螺合部材)を挿通させて演出操作ユニット60を固定するための4個のビス孔121を有している。第2ユニット取付部12hは、4本のビス(螺合部材)122を挿通させてスイッチユニット24aを固定するための4個のビス孔(不図示)を有している。第1ユニット取付部12gおよび第2ユニット取付部12hは、上下に隣り合って設けられるとともに、互いの一部であるビス122が左右方向に見て重なるように近接して設けられている。
【0038】
演出操作ユニット60およびスイッチユニット24aは、それぞれ個別に第1ユニット取付部12gおよび第2ユニット取付部12hに対して前面扉12の背面側から取り付けあるいは取り外しの作業ができるように構成されている。すなわち、図5に示すように、演出操作ユニット60は、スイッチユニット24aが前面扉12に取り付けられた状態であっても、第1凹部12dに上下に抜き差し可能になっており、演出操作ユニット60を第1凹部12dに挿入し、前面扉12の背面側から第1ユニット取付部12gにビス固定することで演出操作ユニット60が取り付けられる。一方、図6に示すように、スイッチユニット24aは、演出操作ユニット60が前面扉12に取り付けられた状態であっても、第2凹部12fに前後に抜き差し可能になっており、スイッチユニット24aを第2凹部12fに挿入し、前面扉12の背面側から第2ユニット取付部12hにビス固定することでスイッチユニット24aが取り付けられる。
【0039】
〔演出操作ユニットの構造〕
以下、図8から図14を参照し、演出操作ユニット60の構造について説明する。図8(A)、(B)は、演出操作ユニット60を示す正面図および背面図である。図9(A)、(B)は、演出操作ユニット60の動作を示す側面図である。図10は、演出操作ユニット60を斜め上方から見た分解斜視図である。図11は、演出操作ユニット60を斜め下方から見た分解斜視図である。図12(A)、(B)は、演出操作ユニット60の動作を示す断面図である。図13(A)、(B)は、演出操作ユニット60を簡略して示す断面図である。図14(A)、(B)は、演出操作ユニット60を簡略して示す断面図である。
【0040】
演出操作ユニット60は、図8から図14に示すように、遊技者によって押し込み操作可能な操作部材としての操作ボタン61(演出ボタン38)と、操作ボタン61を進退自在に支持するベース部材62と、操作ボタン61に振動演出を付加する振動演出部63と、操作ボタン61に視覚演出を付加する視覚演出部64と、操作ボタン61の押込み動作を検知する検知部65と、を備えている。この演出操作ユニット60は、液晶ディスプレイ56に表示される遊技演出などと連動し、遊技者による操作ボタン61の押し込み操作に伴って、振動演出部63によって操作ボタン61を振動させるとともに、視覚演出部64によって操作ボタン61を発光させることで、遊技者に向かって振動演出や視覚演出を実行する。演出操作ユニット60は、図9(A)に示すように、操作ボタン61の表面がベース部材62から上方に突出した初期位置(第一位置)から、図9(B)に示すように、操作ボタン61がベース部材64に向かって押し込まれた押込位置(第二位置)まで変位可能に構成されている。
【0041】
操作ボタン61は、図10、11に示すように、ベース部材64から上方(表面側)に露出する表面側部材としての第1操作部材66Aと、第1操作部材66Aの内部に収容される表面側部材としての第2操作部材66Bと、第1操作部材66Aおよび第2操作部材66Bに連結される背面側部材としての第3操作部材67と、を有して構成されている。第1操作部材66Aは、透明な合成樹脂材料から下方に開口した皿状に形成され、遊技者から内部が透過して視認可能に構成されている。第1操作部材66Aは、左右方向に長い多角形状の上面部66aと、上面部66aの周辺から下方に延びる側面部66bと、側面部66bからさらに下方に延びる4個の係合部66cと、を有して形成されている。第2操作部材66Bは、半透明な合成樹脂材料から下方に開口した皿状に形成され、文字等の加飾部が設けられた上面部66dと、上面部66dの周辺から下方に延びる側面部66eと、側面部66eからさらに下方に延びる2個の係合部66fと、を有して形成されている。第1操作部材66Aと第2操作部材66Bとは、上面部66aの内面に上面部66dの表面が密接し、側面部66bの内面に側面部66eの外面が密接した状態で互いに組み合わされる。
【0042】
操作ボタン61の第3操作部材67は、合成樹脂材料から全体略板状に形成され、ベース部材64の第1ベース67(後述)を挟んで第1操作部材66Aおよび第2操作部材66Bの下方に配置される。第3操作部材67は、平面部67aと、その周辺から上方に突出する6個の係合部67bと、平面部67aの左右両端部から側方(交差方向である左右方向)に延びる延出部67cと、を有している。6個の係合部67bのうち、4個の係合部67bが第1操作部材66Aの係合部66cと係合し、2個の係合部67bが第2操作部材66Bの係合部66fと係合することで、第1操作部材66Aおよび第2操作部材66Bと第3操作部材67とが連結される。左右の延出部67cの下面には、それぞれ前後(第2交差方向である前後方向)に離隔した2個の当接部としての突起67dが形成され、第3操作部材67には合計4個の突起67dが設けられている。第3操作部材67の上面略中央には、後述する突片67e(図12~14参照)が形成され、この突片67eが検知部65に検知される被検知部として機能する。第3操作部材67の下面側には、振動演出部63を保持する保持部67fと、操作ボタン61を突出方向(上方)に付勢する2個のコイルばね67gと、コイルばね67gをガイドする2本のガイド軸67hと、が設けられている。
【0043】
ベース部材62は、それぞれ合成樹脂材料から形成される中間部材としての第1ベース68および固定部材としての第2ベース69を有して構成されている。第1ベース68は、前面パネル12bの上面部12cに当接する環状の鍔部68aと、鍔部68aに連続して下方に延び第1凹部12dに嵌入する筒状の外側部68bと、外側部68bの下端部を塞ぐ底面部68cと、を有して上方に開口した全体皿状に形成されている。第1ベース68の内部には操作ボタン61の第1操作部材66Aが上下方向に進退自在に収容され、外側部68bの内面によって第1操作部材66Aの側面部66bが案内されるようになっている。底面部68cには、下方に延びて第2ベース69と固定される4本の固定柱68dと、操作ボタン61の係合部66c,66f,67bを挿通させる6個の第1挿通孔68eと、が設けられている。また、底面部68cの上面側には、視覚演出部64が保持され、底面部68cの略中央には、検知部65を挿通させる挿通孔68fが形成されている。
【0044】
第2ベース69は、底面部69aと、底面部69aに連続して上方に延びる外側部69bと、を有して形成されている。底面部69aおよび外側部69bには、シャーシ12aの第1ユニット取付部12gにビス固定されるそれぞれ2個の固定部69cが設けられている。また、底面部69aの略中央には、振動演出部63を挿通させる第2挿通孔69dが設けられている。さらに、底面部69aには、第1ベース68の固定柱68dとビス固定するための4個の固定部69eが設けられている。第1ベース68および第2ベース69は、固定柱68dと固定部69eを下方からのビスにより固定することで一体に結合され、互いの外側部68b,69bが連続するとともに、互いの底面部68c,69c間に操作ボタン61の第3操作部材67の平面部67aが位置するようになっている。第2ベース69の左右両端部には、外側部69bを切り欠いた2箇所の切欠き部(被当接部)69fが設けられ、これらの切欠き部69fと第1ベース68の底面部68cとの間に第3操作部材67の延出部67cが位置するようになっている。また、底面部69aの左右2箇所には、第3操作部材67のガイド軸67hを挿通させてコイルばね67gを案内する案内筒部69g(第3挿通孔)が設けられている。
【0045】
振動演出部63は、操作ボタン61の第3操作部材67の下側に固定された振動体としての分銅モータ63aで構成されている。分銅モータ63aは、第3操作部材67の保持部67fにねじ止め固定されるとともに、サブ制御装置80と配線によって接続され、サブ制御装置80からの制御信号によって駆動制御される。視覚演出部64は、電子部品等が搭載された基板64aと、この基板64aに設けられた複数の発光素子であるLED(Light Emitting Diode)64bと、を有して構成されている。基板64aは、第1ベース68の底面部68cにねじ止め固定されるとともに、サブ制御装置80と配線によって接続され、サブ制御装置80からの制御信号によってLED64bが点灯制御される。検知部65は、光センサによって構成され、第3操作部材67の突片67eが光センサの受光部を遮るON状態と受光部を開放するOFF状態とを検知し、検知信号をサブ制御装置80に送信する。
【0046】
〔演出操作ユニットの動作〕
以下、図13および図14を参照し、演出操作ユニット60の動作について説明する。図13(A)、(B)は、演出操作ユニット60を短辺方向(前後方向)に断面した断面図であり、図13(A)は、操作ボタン61が操作前の初期位置にある状態を示し、図13(B)は、操作ボタン61が押込位置まで押し込まれた状態を示す図である。図14(A)、(B)は、演出操作ユニット60を長辺方向(左右方向)に断面した断面図であり、図14(A)は、操作ボタン61が操作前の初期位置にある状態を示し、図14(B)は、操作ボタン61が押込位置まで押し込まれた状態を示す図である。
【0047】
図13(A)、図14(A)に示すように、初期位置にある状態において、操作ボタン61は、コイルばね67gの付勢力によって上方に付勢され、第3操作部材67の平面部67aが第1ベース68の底面部68cに接近するとともに、延出部67cが外側部68bの下端部に当接することで、初期位置が維持されている。この際、振動演出部63の分銅モータ63aは、第2ベース69の第2挿通孔69dからわずかに下方に露出した位置にあるとともに、第3操作部材67のガイド軸67hは、第2ベース69の案内筒部69gに収容され、下方に突出しないようになっている。
【0048】
また、操作ボタン61の初期位置において、第3操作部材67の突片67eが光センサの受光部に進入し、光を遮ることで光センサがON状態となり、その検知信号がサブ制御装置80に送信されることで、操作ボタン61が初期位置にあることが検知される。操作ボタン61が初期位置にあれば、サブ制御装置80は、振動演出部63に対して分銅モータ63aを停止させ、視覚演出部64に対してLED64bを消灯させるように制御信号を発信する。すなわち、操作ボタン61が初期位置にあるときは、振動演出部63による振動演出、視覚演出部64による視覚演出のいずれも実行されないようになっている。
【0049】
次に、遊技者によって操作ボタン61が操作され、図13(B)、図14(B)に示すように、操作ボタン61がコイルばね67gの付勢力に抗して押し込まれると、第3操作部材67の平面部67aが第1ベース68の底面部68cから離隔する。そして、第3操作部材67の延出部67cの突起67dが第2ベース69の切欠き部69fの上面(被当接部)に当接することで、それ以上の下方への操作ボタン61の移動が規制され、押込み位置まで操作ボタン61が押し込まれる。この際、振動演出部63の分銅モータ63aは、第2ベース69の第2挿通孔69dから下方に突出するとともに、第3操作部材67のガイド軸67hは、第2ベース69の案内筒部69gから下方に突出するようになっている。
【0050】
操作ボタン61が押込み位置まで押し込まれると、第3操作部材67の突片67eが光センサの受光部から離脱し、光センサがOFF状態となることで、その検知信号がサブ制御装置80に送信され、操作ボタン61が押込み位置にあることが検知される。サブ制御装置80は、振動演出部63に対して分銅モータ63aを回転させ、視覚演出部64に対してLED64bを発光させるように制御信号を発信する。すなわち、操作ボタン61が押込み位置にあるときは、振動演出部63による振動演出、視覚演出部64による視覚演出のいずれの演出も実行される。振動演出部63の分銅モータ63aが回転すると、その回転による振動が第3操作部材67に伝達され、延出部67cの突起67dが切欠き部69fの上面に当接していることで、操作ボタン61全体が強く振動することになり、その振動が遊技者の手に伝達されて振動演出が効果的に実行されるようになっている。また、視覚演出部64のLED64bが発光すると、第2操作部材66Bの上面部66dの加飾部を透過して散乱した光が第1操作部材66Aの上面部66aを通して照射され、遊技者に対して操作ボタン61が発光する視覚演出が実行される。
【0051】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)演出操作ユニット60において、操作ボタン61が押込み位置まで押し込まれ、振動演出部63による振動演出が実行される際に、第3操作部材67の延出部67cの突起67dが第2ベース69の切欠き部69fの上面に当接することで、この点接触により分銅モータ63aの振動を増幅して操作ボタン61全体を強く振動させることができ、遊技者に対する振動演出の効果を高めることができる。
【0052】
(2)操作ボタン61において、第3操作部材67の長手方向(左右方向)両側に延びて延出部67cが設けられ、これらの延出部67cにそれぞれ前後2個の突起67dが形成されていることで、第2ベース69の左右の切欠き部69fに対して、4個の突起67dの少なくとも1個または数個を確実に当接させることができる。すなわち、操作ボタン61の押込み操作が雑になされた場合に、操作ボタン61が前後左右に多少傾いて押し込まれたとしても、少なくとも1個または数個の突起67dを切欠き部69fの上面に当接させることができ、振動を遊技者に確実に伝達することができる。
【0053】
(3)また、操作ボタン61において、第3操作部材67の長手方向(左右方向)両側に延びる延出部67cに突起67dが設けられ、延出部67cの近傍に設けられた係合部67bが、第1操作部材66Aおよび第2操作部材66Bの係合部66c,66fと係合することで、突起67dと切欠き部69fとの当接により増幅された振動は、係合部66c,66f,67bを介して第1操作部材66Aおよび第2操作部材66Bに伝達されやすくなり、振動を遊技者に確実に伝達することができる。
【0054】
(4)また、演出操作ユニット60において、ベース部材62の第1ベース68に視覚演出部64の基板64aが固定されていることで、操作ボタン61の振動が基板64aに伝達されにくくなり、基板64aに搭載されたLED64bや電子部品等に対する振動の影響を抑制し、基板64aの故障や劣化を防止することができる。この際、操作ボタン61の係合部66c,66f,67bが第1ベース68の第1挿通孔68eに挿通され、基板64aが固定される底面部68cには、操作ボタン61の各部が接触しないようになっているので、操作ボタン61から基板64aに対する振動の伝達をより一層抑制することができる。
【0055】
(5)また、演出操作ユニット60において、操作ボタン61は、係合部66c,66f,67bの係合によって、第1操作部材66Aおよび第2操作部材66Bと、第3操作部材67と、が連結されるとともに、係合部66c,66f,67bが第1ベース68の第1挿通孔68eに挿通されることで、第1ベース68の底面部68cを挟む形でベース部材62と組付けられる。このような組付け構造によって、操作ボタン61はベース部材62に対して進退可能に組付けられるので、別途の進退案内構造を設けなくてもよくなり、演出操作ユニット60の小型化を図る、特に、操作ボタン61の進退方向(上下方向)の高さ寸法を抑制することができる。
【0056】
(6)また、演出操作ユニット60において、操作ボタン61が押込み位置まで押し込まれた際に、分銅モータ63aが第2ベース69の第2挿通孔69dから下方に突出し、第3操作部材67のガイド軸67hが第2ベース69の案内筒部69gから下方に突出するようになっているので、分銅モータ63aやガイド軸67hの高さ寸法を確保しつつ、これらを演出操作ユニット60の内部に完全に収容する必要がない。一方、操作ボタン61が初期位置にある状態では、分銅モータ63aやガイド軸67hが下方に大きく突出することがないので、演出操作ユニット60の高さ寸法を抑制することができる。
【0057】
(7)また、前面扉12において、前面パネル12bの上面部12cに第1凹部12dが設けられ、上面部12cの前側下方に第2凹部12fが設けられ、第1凹部12dに演出操作ユニット60が上方から収容されるとともに、第2凹部12fに前方からスイッチユニット24aが収容され、前面扉12の背面側から演出操作ユニット60およびスイッチユニット24aがそれぞれシャーシ12aの第1ユニット取付部12gおよび第2ユニット取付部12hによって固定されている。このような固定構造によれば、演出操作ユニット60およびスイッチユニット24aの取り付けまたは取り外しが容易に実施でき、組付け作業の効率を向上させることができる。
【0058】
(8)さらに、演出操作ユニット60およびスイッチユニット24aの固定構造において、前面扉12背面側のシャーシ12aに第1ユニット取付部12gおよび第2ユニット取付部12hが上下に隣接して設けられ、演出操作ユニット60およびスイッチユニット24aがそれぞれ個別に取り付けまたは取り外し可能に構成されているので、組付け作業の効率をさらに向上させることができる。また、第1ユニット取付部12gおよび第2ユニット取付部12hは、互いの一部であるビス122が隣接交差方向である左右方向に重なるようにして、上下に近接して設けられているので、演出操作ユニット60およびスイッチユニット24aの設置スペースをコンパクトにすることができる。
【0059】
(9)また、前述したように演出操作ユニット60の高さ寸法が小型化できることで、スイッチユニット24aと上下に並んで配置されていても、これらのユニット同士を高さ方向に近づけて配置することができ、前面パネル12bの大型化を抑制しつつ設置スペースの効率化を図ることができる。
【0060】
〔各実施形態の変形例〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(1)前記実施形態では、スロットマシン10の第1操作ユニットとしての演出操作ユニット60は、前面扉12における前面パネル12bの上面部12cに設けられ、操作ボタン61が下方に押し込み操作可能に設けられていたが、演出操作ユニットの設置位置は遊技者が操作可能な任意の位置に設けられていればよく、操作ボタン(操作部材)の操作方向も上下方向に限らず、前後方向や左右方向、任意の斜め方向であってもよい。また、前記実施形態では、演出操作ユニット60の前方下側に隣り合って第2操作ユニットとしてのスイッチユニット24aが設けられていたが、第1操作ユニットと第2操作ユニットとは、上下ではなく左右や斜め方向に隣り合って設けられていてもよい。
【0061】
(2)前記実施形態では、演出操作ユニット60は、発光素子を含む電子部品が搭載された基板を有する発光演出部(視覚演出部64)を備えていたが、発光演出部は省略されてもよいし、視覚演出部として、LCD(Liquid Crystal Display)等による画像表示部を設けてもよいし、可動物が動く可動演出部を設けてもよい。また、第2操作ユニットとしては、ストップスイッチ24L,24M,24Rが組み込まれたスイッチユニット24aに限らず、スタートレバー23やMAXBETボタン36、その他の操作ボタン、スイッチ類等であってもよく、遊技者が操作可能な操作部を有したものであればよい。
【0062】
(3)前記実施形態では、演出操作ユニット60は、操作部材としての操作ボタン61とベース部材62とを有し、操作ボタン61に当接部としての突起67dが形成され、ベース部材62に被当接部としての切欠き部69fが形成されていたが、これに限らず、操作部材に被当接部が設けられ、ベース部材に当接部が設けられていてもよい。また、前記実施形態では、当接部としての突起67dが4個設けられていたが、当接部の数は任意であり、1個でもよいし、2個、3個または5個以上でもよい。また、前記実施形態では、当接部および被当接部が演出操作ユニット60の左右両端部に対称に設けられていたが、当接部および被当接部の設置位置は任意であり、前後対称に設けられていてもよいし、ランダムな位置に設けられていてもよい。
【0063】
(4)前記実施形態では、操作ボタン61の変位を検知する検知部65は、ベース部材62に設けられた光センサと、操作ボタン61に設けられた突片67eと、で構成されていたが、操作部材に光センサが設けられ、ベース部材に突片等の遮光部が設けられていてもよい。さらに、前記実施形態では、操作部材が第一位置(突出位置)にあるときに突片67eが光センサの受光部を遮るON状態となり、操作部材が第二位置(押込み位置)に変位すると光センサの受光部を開放するOFF状態となる構成、すなわち常時ONの構成であったが、これに限らず、常時OFFの検知部であってもよい。また、前記実施形態では、振動演出部63の分銅モータ63aは、操作ボタン61に設けられていたが、ベース部材62に設けられていてもよい。
【0064】
(5)前記実施形態では、ベース部材62における中間部材としての第1ベース68に第1挿通孔68eが設けられ、第1挿通孔68eに操作部材の係合部66c,66f,67bが挿通される構成であったが、この構成に限らず、挿通孔の代わりに中間部材の周縁に切欠きが設けられていてもよいし、中間部材の周縁よりも外側を係合部が通るように構成されていてもよい。また、前記実施形態では、ベース部材62における固定部材としての第2ベース69に第2挿通孔69dが設けられ、第2挿通孔69dに操作部材の分銅モータ63aが挿通される構成であったが、この構成に限らず、ベース部材の中間部材に挿通孔や凹部が設けられて振動体が挿通される構成であってもよい。
【0065】
(6)さらに、前記実施形態では、操作ボタン61の背面側部材である第3操作部材67にコイルばね67gをガイドするガイド軸67hが設けられ、ベース部材62における固定部材としての第2ベース69にガイド軸67hを挿通させる案内筒部69g(第3挿通孔)が設けられていたが、これに限らず、ベース部材の中間部材や固定部材にガイド軸が設けられ、ガイド軸を挿通させる挿通孔が操作部材の背面側部材に設けられていてもよい。
【0066】
(7)前記実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン10を例示して説明した。これに対して、本発明の遊技機は、スロットマシン10とは異なる他のタイプのスロットマシンであってもよい。また、本発明の遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口や作動口などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すパチンコ機であってもよいし、アレンジボール機や、雀球等の他のタイプの遊技機であってもよい。
【0067】
〔各実施形態から抽出される発明群〕
以下、前記各実施形態から抽出される発明群の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記各実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等や、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。
【0068】
<特徴A群>
特徴A1.
遊技者の操作によって変位可能な操作部材(操作ボタン61)と、
遊技機本体に対して前記操作部材を支持するベース部材(ベース部材62)と、
振動演出を実行する振動体(分銅モータ63a)と、を備え、
前記操作部材は、操作されない状態の第一位置と遊技者により操作された状態の第二位置との間を変位し、前記第二位置において前記ベース部材の被当接部(切欠き部69f)に当接する当接部(突起67d)を有し、
前記当接部および前記被当接部のうち少なくとも一方は他方に向かって突出して形成され、前記当接部と前記被当接部とが点接触可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0069】
本発明群の特徴A1によれば、第二位置まで変位した操作部材の当接部がベース部材の被当接部に点接触によって当接することで、操作部材に設けられた振動体の振動が増幅されて遊技者に伝達され、振動演出効果を高めることができる。
【0070】
特徴A2.
本発明群の特徴A1に記載の遊技機において、
前記当接部および前記被当接部は、前記操作部材の変位方向と交差する交差方向に沿った両端側の対称位置に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0071】
本発明群の特徴A2によれば、当接部および被当接部が操作部材の変位方向と交差する交差方向に沿った両端側の対称位置に設けられていることで、操作部材が偏って押込み操作されて交差方向に傾斜した場合であっても、両端側の少なくとも一方にある当接部と被当接部とを当接させることができ、振動体の振動を遊技者に伝達することができる。
【0072】
特徴A3.
本発明群の特徴A2に記載の遊技機において、
前記対称位置に設けられた前記当接部および前記被当接部は、それぞれ前記変位方向および前記交差方向と交差する第2交差方向に離隔した2箇所で点接触可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0073】
本発明群の特徴A3によれば、対称位置の当接部および被当接部が第2交差方向に離隔した2箇所で点接触可能に構成されていることで、合計4箇所で当接部と被当接部とを当接させることができ、振動体の振動を遊技者に効率よく伝達することができる。また、操作部材が第2交差方向に傾斜した場合であっても、当接部と被当接部とを確実に当接させることができる。
【0074】
特徴A4.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載の遊技機において、
発光素子(LED64b)を含む電子部品が搭載された基板(基板64a)を有する発光演出部(視覚演出部64)をさらに備え、前記基板が前記ベース部材に固定され、前記発光素子からの光が前記操作部材を透過して照射される
ことを特徴とする遊技機。
【0075】
本発明群の特徴A4によれば、発光素子を含む電子部品が搭載された基板がベース部材に固定されることで、操作部材に設けられた振動体からの振動が基板に伝達されにくくなり、電子部品の故障を抑制することができる。また、振動体によって操作部材を振動させる振動演出に加えて、発光素子からの光が操作部材を透過することによる視覚演出を備えることで、二種類の演出の相乗作用によって演出効果をさらに向上させることができる。
【0076】
特徴A5.
本発明群の特徴A1から特徴A4のいずれかに記載の遊技機において、
前記操作部材は、表面側に設けられる表面側部材(第1操作部材66A、第2操作部材66B)と、背面側に設けられる背面側部材(第3操作部材67)と、を有し、前記表面側部材および前記背面側部材は、少なくとも一方から延びる係合部(係合部66c,66f,67b)が他方に係合することによって互いに連結され、
前記ベース部材は、前記遊技機本体に固定される固定部材(第2ベース69)と、前記固定部材よりも表面側に所定の隙間を介して設けられる中間部材(第1ベース68)と、を有し、前記中間部材には、前記係合部を挿通させる第1挿通孔(挿通孔68e)が設けられ、
前記操作部材の変位に伴い、前記背面側部材は、前記ベース部材の前記固定部材と前記中間部材との隙間を移動し、前記係合部は、前記第1挿通孔の内部を非接触で移動する
ことを特徴とする遊技機。
【0077】
本発明群の特徴A5によれば、操作部材は、係合部の係合によって表面側部材と背面側部材とが連結されるとともに、係合部が中間部材の第1挿通孔に挿通されることで、中間部材を挟む形でベース部材と組付けられる。このような組付け構造によって、操作部材はベース部材に対して進退可能に組付けられるので、別途の進退案内構造を設けなくてもよくなり、進退方向の寸法を抑制することができる。また、発光演出部の基板がベース部材の中間部材に固定されていれば、係合部が第1挿通孔の内部を非接触で移動することで、振動体の振動が中間部材および基板により伝達されにくくなり、電子部品の故障の可能性を低減することができる。
【0078】
特徴A6.
本発明群の特徴A5に記載の遊技機において、
前記固定部材には、前記振動体を受け入れる第2挿通孔(挿通孔69d)が設けられ、
前記操作部材の変位に伴い、前記振動体は、前記固定部材の前記第2挿通孔に挿通される
ことを特徴とする遊技機。
【0079】
本発明群の特徴A6によれば、操作部材の変位に伴って振動体が固定部材の第2挿通孔に挿通されることで、比較的大きな体積を有する振動体の移動に伴うクリアランズを設けなくてもよくなり、進退方向の寸法を抑制することができる。また、発光演出部の基板がベース部材に固定されていれば、振動体が固定部材の第2挿通孔に挿通されることで、振動体の振動がベース部材および基板により伝達されにくくなり、電子部品の故障の可能性をさらに低減することができる。
【0080】
このような本発明の特徴A群によれば、操作ボタンの振動が遊技者に伝達されやすくなって振動演出効果を高めることができるので、次のような課題を解決することができる。
【0081】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。このような遊技機は、遊技者が操作するための操作ボタン等の操作部や、各種の遊技演出を表示するディスプレイ等の表示手段を備えている。操作ボタンとして、ディスプレイに表示される遊技演出や遊技者による押し込み操作などに連動して振動するとともに発光するものが提案されている。振動発光型の操作ボタンは、演出操作ユニットとして構成され、遊技機本体の前面パネルに開口した収容部に演出操作ユニットが収容されている。演出操作ユニットは、ケースと、ケース内の基体に進退自在に支持されたボタンと、ボタンを突出方向に付勢するばねと、ボタンに振動を付与する振動体と、ボタンを発光させる発光体と、ボタンの押込み動作を検知するセンサと、を備えている。
【0082】
しかしながら、従来のような振動発光型の操作ボタンでは、ボタンの押込み操作に連動して振動体が振動しても、その振動がユニット内部で減衰してしまい、ボタンを介して遊技者に手まで振動が伝達されにくく、演出効果を十分に高めることが難しかった。
【0083】
<特徴B群>
特徴B1.
遊技者の操作によって変位可能な操作部材(操作ボタン61)と、
遊技機本体に対して前記操作部材を支持するベース部材(ベース部材62)と、
振動演出を実行する振動体(分銅モータ63a)と、を備え、
前記操作部材は、表面側に設けられる表面側部材(第1操作部材66A、第2操作部材66B)と、背面側に設けられる背面側部材(第3操作部材67)と、を有し、前記表面側部材および前記背面側部材は、少なくとも一方から延びる係合部(係合部66c,66f,67b)が他方に係合することによって互いに連結され、
前記ベース部材は、前記遊技機本体に固定される固定部材(第2ベース69)と、前記固定部材よりも表面側に所定の隙間を介して設けられる中間部材(第1ベース68)と、を有し、前記中間部材には、前記係合部を挿通させる第1挿通孔(第1挿通孔68e)が設けられ、前記固定部材には、前記振動体を受け入れる第2挿通孔(第2挿通孔69d)が設けられ、
前記操作部材の変位に伴い、前記背面側部材は、前記ベース部材の前記固定部材と前記中間部材との隙間を移動し、前記係合部は、前記第1挿通孔の内部を移動し、前記振動体は、前記固定部材の前記第2挿通孔に挿通される
ことを特徴とする遊技機。
【0084】
本発明群の特徴B1によれば、操作部材は、係合部の係合によって、表面側部材と背面側部材とが連結されるとともに、係合部が中間部材の第1挿通孔に挿通されることで、中間部材を挟む形でベース部材と組付けられるとともに、操作部材がベース部材に対して進退可能に組付けられるので、別途の進退案内構造を設けなくてもよくなり、小型化を図ることができる。また、操作部材の変位に伴って振動体が固定部材の第2挿通孔に挿通されることで、比較的大きな体積を有する振動体の移動に伴う空間をユニット内に設けなくてもよくなり、進退方向の寸法を抑制することができる。
【0085】
特徴B2.
本発明群の特徴B1に記載の遊技機において、
前記背面側部材と前記固定部材との間には、前記操作部材を突出方向に付勢するばね(コイルばね67g)が設けられ、前記背面側部材には、前記固定部材に向かって延び前記ばねを案内するガイド軸(ガイド軸67h)が設けられ、
前記固定部材には、前記ガイド軸を受け入れる第3挿通孔(案内筒部69g)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0086】
本発明群の特徴B2によれば、背面側部材にばねを案内するガイド軸が設けられ、固定部材にガイド軸を受け入れる第3挿通孔が設けられているで、操作部材の傾きを抑制して進退移動をガイドすることができるとともに、ガイド軸の移動に伴う空間を内部に設ける必要がなくなり進退方向の寸法を抑制することができる。
【0087】
特徴B3.
本発明群の特徴B1またはB2に記載の遊技機において、
発光素子(LED64b)を含む電子部品が搭載された基板(基板64a)を有する発光演出部(視覚演出部64)をさらに備え、前記基板が前記ベース部材の前記中間部材に固定され、前記発光素子からの光が前記操作部材の前記表面側部材を透過して照射される
ことを特徴とする遊技機。
【0088】
本発明群の特徴B3によれば、発光素子を含む電子部品が搭載された基板がベース部材の中間部材に固定されることで、操作部材に設けられた振動体からの振動が基板に伝達されにくくなり、電子部品の故障を抑制することができる。また、振動体によって操作部材を振動させる振動演出に加えて、発光素子からの光が操作部材を透過することによる視覚演出を備えることで、二種類の演出の相乗作用によって演出効果をさらに向上させることができる。
【0089】
特徴B4.
本発明群の特徴B2または特徴B3に記載の遊技機において、
前記操作部材は、操作されない状態の第一位置と遊技者により操作された状態の第二位置との間を変位し、前記第二位置において前記ベース部材の被当接部(切欠き部69f)に当接する当接部(突起67d)を有し、
前記当接部および前記被当接部のうち少なくとも一方は他方に向かって突出して形成され、前記当接部と前記被当接部とが点接触可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0090】
本発明群の特徴B4によれば、第二位置まで変位した操作部材の当接部がベース部材の被当接部に点接触によって当接することで、操作部材に設けられた振動体の振動が増幅されて遊技者に伝達され、振動演出効果を高めることができる。
【0091】
特徴B5.
本発明群の特徴B4に記載された遊技機において、
前記当接部および前記被当接部は、前記操作部材の変位方向と交差する交差方向(左右方向)に沿った両端側の対称位置に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0092】
本発明群の特徴B5によれば、当接部および被当接部が操作部材の変位方向と交差する交差方向に沿った両端側の対称位置に設けられていることで、操作部材が偏って押込み操作されて交差方向に傾斜した場合であっても、両端側の少なくとも一方にある当接部と被当接部とを当接させることができ、振動体の振動を遊技者に伝達することができる。
【0093】
特徴B6.
本発明群の特徴B5に記載された遊技機において、
前記対称位置に設けられた前記当接部および前記被当接部は、それぞれ前記変位方向および前記交差方向と交差する第2交差方向(前後方向)に離隔した2箇所で点接触可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0094】
本発明群の特徴B6によれば、対称位置の当接部および被当接部が第2交差方向に離隔した2箇所で点接触可能に構成されていることで、合計4箇所で当接部と被当接部とを当接させることができ、振動体の振動を遊技者に効率よく伝達することができる。また、操作部材が第2交差方向に傾斜した場合であっても、当接部と被当接部とを確実に当接させることができる。
【0095】
このような本発明の特徴B群によれば、操作ボタンユニットを薄型化し設置スペースの効率化を図ることができるので、次のような課題を解決することができる。
【0096】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。このような遊技機は、遊技者が操作するための操作ボタン等の操作部や、各種の遊技演出を表示するディスプレイ等の表示手段を備えている。操作ボタンとして、ディスプレイに表示される遊技演出や遊技者による押し込み操作などに連動して振動するとともに発光するものが提案されている。従来の振動発光型の操作ボタンは、演出操作ユニットとして構成され、遊技機本体の前面パネルに開口した収容部に演出操作ユニットが収容されている。演出操作ユニットは、ケースと、ケース内の基体に進退自在に支持されたボタンと、ボタンを突出方向に付勢するばねと、ボタンに振動を付与する振動体と、ボタンを発光させる発光体と、ボタンの押込み動作を検知するセンサと、を備えている。
【0097】
しかしながら、従来のような振動発光型の操作ボタンユニットでは、ボタン本体、振動体、ボタンの進退部、ばね、基板等の各種部品がユニット内部でボタンの進退方向(高さ方向)に並んで配置され、ボタンの進退移動のための空間がユニット内部に設けられているため、操作ボタンユニットの高さ寸法が大型化してしまうという問題がある。
【0098】
<特徴C群>
特徴C1.
遊技者からの操作を受け付ける第1操作ユニット(演出操作ユニット60)および第2操作ユニット(スイッチユニット24a)を備えた遊技機であって、
遊技機本体の外部側には、前記第1操作ユニットおよび前記第2操作ユニットをそれぞれ受け入れる第1凹部(第1凹部12d)および第2凹部(第2凹部12f)が設けられ、
前記第1凹部および第2凹部は、前記遊技機本体の外部側に向かって互いに交差する方向に開口するとともに、前記遊技機本体の内部において互いに連通して設けられ、
前記遊技機本体の内部側には、前記第1操作ユニットおよび前記第2操作ユニットをそれぞれ固定するための第1ユニット取付部(第1ユニット取付部12g)および第2ユニット取付部(第2ユニット取付部12h)が隣り合って設けられ、前記第1ユニット取付部および前記第2ユニット取付部は、互いの一部が隣接交差方向に重なって設けられ、
前記第1操作ユニットおよび前記第2操作ユニットは、いずれか一方が前記遊技機本体に固定された状態で他方が着脱可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0099】
本発明群の特徴C1によれば、第1凹部に第1操作ユニットが収容されるとともに、第2凹部に第2操作ユニットが収容され、背面側から第1操作ユニットおよび第2操作ユニットがそれぞれ第1ユニット取付部および第2ユニット取付部によって固定されるので、各ユニットの取り付けまたは取り外しが容易に実施でき、組付け作業の効率を向上させることができる。さらに、第1操作ユニットおよび第2操作ユニットがそれぞれ個別に取り付けまたは取り外し可能に構成されているので、組付け作業の効率をさらに向上させることができる。また、第1ユニット取付部および第2ユニット取付部は、互いの一部が隣接交差方向に重なるようにして近接して設けられているので、これらのユニットの設置スペースをコンパクトにすることができる。
【0100】
特徴C2.
本発明群の特徴C1に記載の遊技機において、
前記第1操作ユニットは、
遊技者の操作によって変位可能な操作部材(操作ボタン61)と、
遊技機本体に対して前記操作部材を支持するベース部材(ベース部材62)と、
振動演出を実行する振動体(分銅モータ63a)と、を備え、
前記操作部材は、表面側に設けられる表面側部材(第1操作部材66A、第2操作部材66B)と、背面側に設けられる背面側部材(第3操作部材67)と、を有し、
前記ベース部材は、前記遊技機本体に固定される固定部材(第2ベース69)と、前記固定部材よりも表面側に所定の隙間を介して設けられる中間部材(第1ベース68)と、を有し、前記固定部材には、前記振動体を受け入れる第2挿通孔(第2挿通孔69d)が設けられ
前記操作部材の変位に伴い、前記背面側部材は、前記ベース部材の前記固定部材と前記中間部材との隙間を移動し、前記振動体は、前記固定部材の前記第2挿通孔に挿通される
ことを特徴とする遊技機。
【0101】
本発明群の特徴C2によれば、第1操作ユニットの操作部材は、表面側部材と背面側部材とを有し、これらの間にベース部材の中間部材を挟む形で操作部材が進退可能に組付けられ、操作部材の変位に伴って振動体が固定部材の第2挿通孔に挿通されることで、比較的大きな体積を有する振動体の移動に伴う空間をユニット内部に設けなくてもよくなり、操作部材の進退方向における第1操作ユニットの寸法を抑制することができる。したがって、第1操作ユニットと第2操作ユニットを並べて設置するための設置スペースをさらにコンパクトにすることができる。
【0102】
特徴C3.
本発明群の特徴C2に記載の遊技機において、
前記表面側部材および前記背面側部材は、少なくとも一方から延びる係合部(係合部66c,66f,67b)が他方に係合することによって互いに連結され、
前記中間部材には、前記係合部を挿通させる第1挿通孔(第1挿通孔68e)が設けられ、
前記操作部材の変位に伴い、前記係合部は、前記第1挿通孔の内部を移動する
ことを特徴とする遊技機。
【0103】
本発明群の特徴C3によれば、第1操作ユニットの操作部材は、係合部の係合によって、表面側部材と背面側部材とが連結されるとともに、係合部が中間部材の第1挿通孔に挿通されることで、別途の進退案内構造を設けなくてもよくなり、第1操作ユニットの小型化を図ることができる。
【0104】
特徴C4.
本発明群の特徴C2または特徴C3に記載の遊技機において、
前記背面側部材と前記固定部材との間には、前記操作部材を突出方向に付勢するばね(コイルばね67g)が設けられ、前記背面側部材には、前記固定部材に向かって延び前記ばねを案内するガイド軸(ガイド軸67h)が設けられ、
前記固定部材には、前記ガイド軸を受け入れる第3挿通孔が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0105】
本発明群の特徴C4によれば、背面側部材にばねを案内するガイド軸が設けられ、固定部材にガイド軸を受け入れる第3挿通孔が設けられているで、操作部材の傾きを抑制して進退移動をガイドすることができるとともに、ガイド軸の移動に伴う空間を設ける必要がなくなり進退方向の寸法を抑制することができる。
【0106】
特徴C5.
本発明群の特徴C2から特徴C4のいずれかに記載された遊技機において、
第1操作ユニットは、発光素子(LED64b)を含む電子部品が搭載された基板(基板64a)を有する発光演出部(視覚演出部64)をさらに備え、前記基板が前記ベース部材の前記中間部材に固定され、前記発光素子からの光が前記操作部材の前記表面側部材を透過して照射される
ことを特徴とする遊技機。
【0107】
本発明群の特徴C5によれば、発光素子を含む電子部品が搭載された基板がベース部材の中間部材に固定されることで、操作部材に設けられた振動体からの振動が基板に伝達されにくくなり、電子部品の故障を抑制することができる。また、振動体によって操作部材を振動させる振動演出に加えて、発光素子からの光が操作部材を透過することによる視覚演出を備えることで、二種類の演出の相乗作用によって演出効果をさらに向上させることができる。
【0108】
特徴C6.
本発明群の特徴C1から特徴C5のいずれかに記載された遊技機において、
第1ユニット取付部および第2ユニット取付部は、前記遊技機本体の内部側に位置する板状の基体(シャーシ12a)に設けられるとともに、内部側から前方に向かって螺合される螺合部材(ビス122)を有して構成され、前記第1ユニット取付部の螺合部材と前記第2ユニット取付部の螺合部材とが隣接交差方向(左右方向)に重なって設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0109】
本発明群の特徴C5によれば、第1ユニット取付部および第2ユニット取付部は、互いの一部である螺合部材が隣接交差方向に重なるようにして、上下に近接して設けられているので、第1操作ユニットおよび第2操作ユニットをより接近させて設置することができ、ユニットの設置スペースをさらにコンパクトにすることができる。
【0110】
このような本発明の特徴C群によれば、操作ユニットの設置スペースを効率化して組付け作業の作業性向上を図ることができるので、次のような課題を解決することができる。
【0111】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。このような遊技機は、遊技者が操作するための操作ボタン等の操作部や、各種の遊技演出を表示するディスプレイ等の表示手段を備えている。操作ボタンとして、ディスプレイに表示される遊技演出や遊技者による押し込み操作などに連動して振動するとともに発光するものが提案されている。従来の振動発光型の操作ボタンは、演出操作ユニットとして構成され、遊技機本体の前面パネルに開口した収容部に演出操作ユニットが収容されている。演出操作ユニットは、ケースと、ケース内の基体に進退自在に支持されたボタンと、ボタンを突出方向に付勢するばねと、ボタンに振動を付与する振動体と、ボタンを発光させる発光体と、ボタンの押込み動作を検知するセンサと、を備えている。
【0112】
しかしながら、従来のような振動発光型の操作ボタンでは、ボタン本体、振動体、ボタンの進退部、ばね、基板等の各種部品がユニット内部でボタンの進退方向(高さ方向)に並んで配置され、ボタンの進退移動のための空間がユニット内部に設けられているため、操作ボタンの高さ寸法が大型化してしまう。このためボタンユニットの前側等には他の大型の操作ユニットを設置できず設置スペースの制約が大きいという問題がある。
【0113】
以上のように、本発明は、スロットマシン、パチンコ遊技機等の遊技機に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0114】
10 スロットマシン(遊技機)
12 前面扉(遊技機本体)
12a シャーシ(基体)
12b 前面パネル
12d 第1凹部
12f 第2凹部
12g 第1ユニット取付部
12h 第2ユニット取付部
24a スイッチユニット(第2操作ユニット)
60 演出操作ユニット(第1操作ユニット)
61 操作ボタン(操作部材)
62 ベース部材
63 振動演出部
63a 分銅モータ(振動体)
64 視覚演出部(発光演出部)
64a 基板
64b LED(発光素子)
65 検知部
66A 第1操作部材(表面側部材)
66B 第2操作部材(表面側部材)
66c,66f,67b 係合部
67 第3操作部材(背面側部材)
67d 突起(当接部)
67g コイルばね
67h ガイド軸
68 第1ベース(中間部材)
68e 第1挿通孔
69 第2ベース(固定部材)
69d 第2挿通孔
69g 案内筒部(第3挿通孔)
121 ビス孔
122 ビス(螺合部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14