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  • 特開-著作物複製判断システム。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156223
(43)【公開日】2024-11-05
(54)【発明の名称】著作物複製判断システム。
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241028BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070519
(22)【出願日】2023-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】517335318
【氏名又は名称】株式会社フードリボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】谷川 巧
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】著作物に固有のデータを仕込ませることなく、著作物の複製の違法性などを判断できるようにした著作物複製判断システムを提供する・
【解決手段】サーバー装置3に、著作物の画像および当該著作物の設置場所および当該著作物の著作権者に関する情報を記憶しておく。そして、ユーザー端末2でその著作物が撮影された場合、その画像およびその撮影された位置情報を受信し、その受信した画像および位置情報と、前記記憶手段32にあらかじめ記憶された画像および位置情報とが一致するか否かを判断する。そして、両者が一致している場合は、その著作物に関する情報や、複製を許可するか否かの情報を表示し、画像のみが一致し、位置情報が異なる場合は、違法に複製されたものであることを出力する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
著作物の画像および当該著作物の設置場所および当該著作物の著作権者に関する情報を記憶する記憶手段と、
GPS機能と撮影手段を有するユーザー端末から、当該撮影手段によって撮影された画像およびその撮影された位置情報を受信する通信手段と、
当該通信手段によって受信した画像および位置情報と、前記記憶手段にあらかじめ記憶された画像および位置情報とが一致するか否かを判断する判断手段と、
当該判断手段によって、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されているか否かの情報を出力する出力手段と、
を備えるようにした著作物複製判断システム。
【請求項2】
前記出力手段が、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、違法に複製された画像であることを示す情報と、前記位置情報を出力するようにしたものである請求項1に記載の著作物複製判断システム。
【請求項3】
前記出力手段が、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されている場合、複製を許可するか否かの情報を出力するようにしたものである請求項1に記載の著作物複製判断システム。
【請求項4】
前記出力手段が、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されている場合、複製を許可するか否かの情報を出力するようにしたものであり、さらに、複製を許可する旨の情報を受け付けた場合、複製物の設置場所に関する情報を受け付けて前記記憶手段に記憶させるようにした請求項1に記載の著作物複製判断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作物の複製が適法に行われたものであるか否かを判断できるようにした著作物複製判断システムに関するものであり、より詳しくは、設置場所が特定されている著作物の複製の適法性を判断できるようにしたシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォンやタブレット端末には、カメラなどの撮影機能が備えつけられており、ユーザーが簡単に被写体を撮影できるようになっている。
【0003】
ところで、このようにカメラで撮影された写真については、私的に利用されるものであれば問題はないが、著作権の存在する画像を複製して商業的に利用される場合は問題がある。
【0004】
これに対して、下記の特許文献1には、印刷業者が印刷を行う際、違法なコピーを防止できるようにしたシステムが開示されている。このシステムは、あらかじめ、画像などの著作物に固有のデータを仕込ませておき、撮影された写真に含まれる固有のデータと、サーバーにあらかじめ格納されている固有のデータとを比較して、複製可能な画像であるか否かを判断できるようにしたものである。このようなシステムを用いれば、著作物に仕込まれた固有のデータをチェックすることによって、違法な印刷を事前に防止することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-145946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなシステムにおいては、あらかじめ著作物に固有のデータを仕込ませておかなければならず、その仕込み作業に時間がかかるばかりでなく、著作物である画像に、他のデータを付加するものであるため、著作物の外観を損ねてしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、著作物に固有のデータを仕込ませることなく、著作物の複製の違法性などを判断できるようにした著作物複製判断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、著作物の画像および当該著作物の設置場所および当該著作物の著作権者に関する情報を記憶する記憶手段と、GPS機能と撮影手段を有するユーザー端末から、当該撮影手段によって撮影された画像およびその撮影された位置情報を受信する通信手段と、当該通信手段によって受信した画像および位置情報と、前記記憶手段にあらかじめ記憶された画像および位置情報とが一致するか否かを判断する判断手段と、当該判断手段によって、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されているか否かの情報を出力する出力手段と、を備えるようにしたものである。
【0009】
このように構成すれば、特定場所にしか設置されない著作物を撮影して、複製しようとした場合、本来設置された場所と異なる場所に設置された違法な複製物であることを検出することができるため、違法な複製を簡単に禁止することができるようになる。
【0010】
また、このような発明において、前記出力手段を、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、違法に複製された画像であることを示す情報と、その位置情報を出力するように構成しておく。
【0011】
このように構成すれば、違法に複製された著作物の場所を特定することができるため、その違法行為を排除することができるようになる。
【0012】
さらに、前記出力手段を、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されている場合、複製を許可するか否かの情報を出力するようにしておく。
【0013】
このように構成すれば、合法的かつ簡易に著作物の複製を許可することができ、著作物の利用を促進することができるようになる。
【0014】
また、前記出力手段を、前記通信手段で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段に記憶されている場合、複製を許可するか否かの情報を出力するように構成し、さらに、複製を許可する旨の情報が入力された場合、複製物の設置場所に関する情報を受け付けて前記記憶手段に記憶させるようにする。
【0015】
このように構成すれば、その許可を得て複製された著作物を他のユーザーが撮影した場合、その複製物の設置場所も登録しているので、適法に複製されたものであることを判断できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定場所にしか設置されない著作物を撮影して、複製しようとした場合、本来設置された場所と異なる場所に設置された違法な複製物であることを検出することができるため、違法な複製を簡単に禁止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態における著作物複製判断システムの概要図
図2】同形態における機能ブロック図
図3】同形態におけるサーバー装置の記憶手段のメモリマップ図
図4】同形態におけるユーザー端末のディスプレイの表示例を示す図
図5】同形態におけるフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
この実施の形態における著作物複製判断システム1は、特定場所にしか設置されない著作物をユーザーが撮影した場合、その著作物が適法に設置されたものであるか否かを判断できるようにし、適法なものである場合は、その著作物における複製の許可を受け付けられるようにし、また、違法なものである場合は、その旨を表示できるようにしたものであって、図1図2に示すように、ユーザーが所持するユーザー端末2と、インターネットなどの通信網を介して接続されるサーバー装置3と、著作権者が所持する端末装置4などを備えて構成される。そして、ユーザー端末2に、GPS機能21やカメラなどの撮影手段22を持たせるとともに、その撮影手段22で撮影された画像をサーバー装置3に送信する通信手段23などを備えるようにしておき、また、サーバー装置3側では、ユーザー端末2から送信されてきた情報を受信する通信手段31と、あらかじめ、著作物の画像情報および当該著作物の設置場所および当該著作物の著作権者に関する情報を記憶する記憶手段32と、前記通信手段によって受信した画像および位置情報から、前記記憶手段32にあらかじめ記憶された画像および位置情報と一致する情報が存在するか否かを判断する判断手段33などを備えるようにしている。そして、その判断手段33によって、ユーザー端末2から送信されてきた情報が、サーバー装置3の記憶手段32に記憶されている情報と一致している場合は、著作物に関する情報や、著作権者に関する個人情報、著作物の複製を許可するか否かなどの情報を出力し、一方、それらの情報が一致していない場合は、違法に複製されたものである可能性があることを出力手段34を介して出力できるようにしたものである。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
なお、本実施の形態において、著作物としては、特定の場所にしか設置されない著作物を例に挙げて説明するものとし、例えば、著作物性のある壁面アートや、地面に設置される大型の彫刻物、許可を得た博物館にしか展示されない絵画や彫刻物などを想定して説明する。
【0021】
まず、ユーザー端末2は、スマートフォンやタブレット端末など情報処理端末で構成されるものであって、位置情報を示すGPS機能21や、被写体を撮影するためのカメラなどの撮影手段22、また、サーバー装置3などと通信を行うための通信手段23などを少なくとも備えて構成される。また、これ以外に、一般の情報処理端末に備え付けられているキーボードなどの入力手段や、メモリなどの記憶手段、ディスプレイなどの表示手段なども備えて構成される。
【0022】
このユーザー端末2の撮影手段22は、静止画を撮影するものであって、その撮影された画像や、GPS機能21を介して取得された位置情報、撮影日時などを「撮影情報」としてサーバー装置3に送信できるように構成される。この撮影情報を送信する場合、あらかじめユーザー端末2に、特定のアプリケーションをインストールさせておき、そのアプリケーションを介して取得された撮影情報を、サーバー装置3に送信できるようにしておく。
【0023】
一方、サーバー装置3は、ユーザー端末2や著作権者が所有する端末装置4と通信可能に構成されるものであって、図2に示すように、通信手段31、記憶手段32、判断手段33、出力手段34などを備えて構成される。
【0024】
このうち、通信手段31は、ユーザー端末2の通信手段23を介して送信されてきた撮影情報を受信する。この受信された撮影情報は、判断手段33に出力され、そこで、あらかじめ記憶手段32に記憶されている情報と一致するか否かを判断できるようになっている。
【0025】
この記憶手段32には、あらかじめ、著作物に関する情報が記憶されており、図3に示すように、著作物の画像情報、著作物の設置場所の位置情報、設置日時の情報、著作権者の個人情報などが記憶される。また、著作権者が他人に複製を許可した場合、オリジナルの著作物から複製された情報として、ライセンシーに関する個人情報の他、複製物の画像情報、複製物の設置場所に関する位置情報、設置日時のなど情報を記憶するようにしている。
【0026】
一方、判断手段33は、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報と、サーバー装置3の記憶手段32にあらかじめ記憶されている画像情報および位置情報が一致するか否かを判断する。ここで、画像の一致を判断する場合、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報から画像情報を抽出し、その画像から特徴量を抽出して、サーバー装置3の記憶手段32に記憶された画像の特徴量などと一致するか否かを確認するなどの手法を用いることにより、画像の一致を判断する。また、設置場所については、ユーザー端末2から送信されてきた位置情報と、サーバー装置3の記憶手段32に記憶されている位置情報とが一致するかを確認する。このとき、ユーザー端末2で撮影された位置と、実際に著作物が設置されている位置とが、数メートルあるいは数十メートル程度離れている場合もあるため、一定の距離の範囲内に含まれている場合は、位置情報が一致すると判断する。そして、ユーザー端末2から送信されてきた画像情報と位置情報に一致する情報が記憶手段32に記憶されている場合、適法に設置された著作物であると判断し、一方、画像情報のみが一致している場合(すなわち、位置情報が一致しない場合)は、違法に複製されて設置された著作物であると判断し、さらに、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報のいずれもが記憶手段32に記憶されていない場合は、著作物が登録されていないと判断する。
【0027】
そして、出力手段34は、これらの判断手段33による判断結果を出力し、ユーザー端末2あるいは著作権者の端末装置4に出力する。このとき、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報と、記憶手段32に記憶されている画像情報や位置情報の両方が一致している場合は、記憶手段32から著作物に関する情報を読み出し、通信手段31を介して、ユーザー端末2に著作権者や著作物に関する情報を詳細に表示する。そして、図4の上図に示すように、ユーザー端末2の画面に、著作物の複製を希望するか否かの情報を表示し、複製を希望する場合は、サーバー装置3を介して、著作権者の端末装置4に、著作物の複製依頼を受けた旨の情報を送信する。一方、ユーザー端末2で撮影された撮影情報のうち、画像情報のみが記憶手段32に記憶されている場合(すなわち、位置情報が一致していない場合)は、違法に複製されて設置された著作物であると判断し、通信手段31を介して、その旨をユーザー端末2や著作権者の端末装置4に送信し、著作権法違反の可能性がある旨の情報を表示させる。これにより、違法な著作物の場所を特定できるようにする。また、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報のいずれもが記憶手段32に記憶されていない場合は、著作権者不明である旨の情報をユーザー端末2に表示させる。
【0028】
次に、著作権者側に設けられる端末装置4は、サーバー装置3と通信可能に設けられるスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピューターなどの情報処理端末で構成されるものであって、通信手段41を介して、サーバー装置3から、著作物の複製依頼に関する情報や、違法の可能性のある著作物の画像およびその位置情報に関する情報を受信し、出力手段43を介してディスプレイに表示できるように構成される。また、この著作権者側の端末装置4には、複製を依頼してきたユーザーに複製を許容する場合、入力手段42を介して許容する旨の情報を送信できるようになっており、また、必要に応じて、ライセンスを認めるための条件などを送信できるようになっている。さらに、この端末装置4には、事前に、サーバー装置3に著作権に関する情報を登録するための入力手段42が備えられており、通信手段を介して、サーバー装置3の記憶手段32に著作物に関する情報を登録できるようになっている。
【0029】
次に、このように構成された著作物複製判断システム1を用いた処理のフローについて、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
まず、事前に、著作権者から著作物に関する情報の入力を受け付け(ステップS1)、これをサーバー装置3の記憶手段32に登録させておく(ステップS2)。このとき、著作権者の端末装置4の入力手段42から、画像情報、著作権者の個人情報、著作物の設置場所に関する情報、設置日時などの情報を受け付け、これを通信手段41、31を介してサーバー装置3の記憶手段32に記憶させておく。
【0031】
このように、事前にサーバー装置3に、著作物に関する情報を登録し、また、その著作物を設置した状況において、ユーザーがその著作物を含む写真を撮影した場合(ステップS3)、その撮影した画像と、GPS機能21によって取得された位置情報、撮影日時に関する情報を、通信手段23を介して、サーバー装置3に送信する(ステップS4)。
【0032】
サーバー装置3では、これらの情報を受信すると、判断手段33にその情報を出力し、あらかじめ記憶手段32に記憶されている画像や位置情報などと一致するか否かを判断する(ステップS5)。
【0033】
そして、画像と位置情報の両方が一致している場合は(ステップS6)、適法に設置された著作物から得られた画像であると判断し、その著作物に関する情報をユーザー端末2に送信し(ステップS7)、図4に示すような画面をユーザー端末2に表示させる(ステップS8)。
【0034】
そして、そのユーザー端末2に、その著作物の複製を受け付けるか否かの画面を表示させ、複製を希望する場合は、その旨の入力を受け付けて(ステップS9)、サーバー装置3に送信し(ステップS10)、サーバー装置3から著作権者の端末装置4に送信する(ステップS11)。
【0035】
そして、著作権者が、複製を許可する場合(ステップS12)、著作権者の端末装置4を介して、複製を受け付ける旨の情報を、サーバー装置3を介してユーザー端末2に送信する(ステップS13)。このとき、複製を受け付けるための料金や複製の数などの条件も一緒に送信し、ユーザー端末2に表示させる(ステップS14)。
【0036】
そして、ユーザーがその条件に同意した場合、ユーザー端末2で設置場所に関する情報を入力し、その設置場所に関する情報をサーバー装置3に送信し(ステップS15)、記憶手段32に記憶させておく(ステップS16)。
【0037】
一方、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報のうち、画像情報のみが記憶手段32に記憶されている場合(すなわち、位置情報が一致しない場合)は(ステップS17)、違法に複製されて設置された著作物である旨の情報を、通信手段31を介して、ユーザー端末2に、著作権法違反の可能性がある旨の情報を表示するとともに、著作権者の端末装置4にも、その画像情報と位置情報を送信し、違法に複製された可能性のある旨の情報を表示させる(ステップS18、S19)。
【0038】
一方、これとは別に、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報のうち、画像情報も位置情報も記憶手段32に記憶されていない場合は(ステップS20)、著作権者不明であると判断し、その旨の情報をユーザー端末2に送信して、表示させる(ステップS21)。
【0039】
このように上記実施の形態によれば、著作物の画像および当該著作物の設置場所および当該著作物の著作権者に関する情報を記憶する記憶手段32と、GPS機能21と撮影手段22を有する携帯端末から、当該撮影手段22によって撮影された画像およびその撮影された位置情報を受信する通信手段31と、当該通信手段31によって受信した画像および位置情報と、前記記憶手段32にあらかじめ記憶された画像および位置情報とが一致するか否かを判断する判断手段33と、当該判断手段33によって、前記通信手段31で受信した画像および位置情報と一致する情報が前記記憶手段32に記憶されているか否かを出力する出力手段と、を備えるようにしたので、特定場所にしか設置されない著作物を撮影して、複製しようとした場合、本来設置された場所と異なる場所に設置された違法な複製物であることを検出でき、簡単な方法で違法な複製を禁止させることができるようになる。
【0040】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0041】
例えば、上記実施の形態では、ユーザー端末2から送信されてきた撮影情報が、サーバー装置3の記憶手段32に記憶された情報と一致するか否かを判断するようにしたが、このサーバー装置3に設けられている記憶手段32や判断手段33を、ユーザー端末2側に設けるようにしてもよい。この場合、定期的に、サーバー装置3からユーザー端末2側に、最新の著作物に関する情報を更新させておくようにしておくとよい。
【0042】
また、上記実施の形態では、ユーザーから複製の希望を受け付けた場合、サーバー装置3を介して、著作権者側にその旨の情報を送信するようにしたが、あらかじめ、サーバー装置3側に、著作物の複製許可のための条件を格納しておき、その条件をユーザー端末2に表示させるようにしてもよい。このようにすれば、頻繁に著作権者に同意の有無のための情報が送信させることがなくなり、著作権者側の作業の省力化を図ることができるようになる。
【0043】
さらに、上記実施の形態では、画像と位置情報の両方をチェックするようにしたが、撮影日時も考慮してチェックするようにしてもよい。このような場合として、設置期間が定められている著作物を展示しているような場合に有効となる。
【0044】
また、上記実施の形態では、ユーザー端末2で特定のアプリケーションを起動させて著作物に関する情報を表示させるようにしたが、ユーザー端末2のカメラのアプリケーションにこれらの機能を持たせるようにしておき、カメラの視野に含まれた著作物と一致する情報を検索し、その検索結果に基づくURLなどを表示して、その著作物に関する情報や、著作権者に関する個人情報、複製の許可などをブラウザに表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1・・・著作物複製判断システム
2・・・ユーザー端末
21・・・GPS機能
22・・・撮影手段
23・・・通信手段
3・・・サーバー装置
31・・・通信手段
32・・・記憶手段
33・・・判断手段
34・・・出力手段
4・・・端末装置
41・・・通信手段
42・・・入力手段
43・・・出力手段
図1
図2
図3
図4
図5