(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156232
(43)【公開日】2024-11-05
(54)【発明の名称】円筒型電池及び電気機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/533 20210101AFI20241028BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20241028BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20241028BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20241028BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20241028BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20241028BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20241028BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/107
H01M50/566
H01M50/152
H01M50/545
H01M50/184 D
H01M50/186
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068358
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】202320922089.1
(32)【優先日】2023-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524152768
【氏名又は名称】江蘇正力新能電池技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU ZENERGY BATTERY TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 68, Xin’anjiang Road, Southeast Street, Changshu, Suzhou City, Jiangsu 215500, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】於 洪将
(72)【発明者】
【氏名】羅 志高
(72)【発明者】
【氏名】陳 継程
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC06
5H011DD15
5H011FF03
5H011GG02
5H043AA05
5H043CA03
5H043DA03
5H043EA35
5H043HA08
5H043JA01E
5H043JA06
5H043LA02D
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電池モジュール内に取り付けられる場合の占有スペースを低減できる、高さの低い円筒型電池を提供する。
【解決手段】円筒型電池は、ハウジング1と、第1集電部材2とを含み、ハウジングは開口と、電極体3を収容するための収容室11とを有し、第1集電部材は、収容室内に位置し、電極体に接続される第1本体部21及びハウジングに接続される第2本体部22を含む。ハウジングの側壁にはビーディング部位12が設けられており、ビーディング部位は収容室へ凹むことによって、ハウジングの外部側壁において第1凹部を形成するとともにハウジングの内部側壁において第1突起を対応して形成し、第2本体部は第1本体部のエッジから、第1突起の、開口に向く側まで延在する。第1集電部材をハウジングの側壁に溶接し、ビーディング工程によって溶接区間を前記ビーディング部位の突起面に溶接する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒型電池であって、
ハウジング(1)と、第1集電部材(2)とを含み、
前記ハウジング(1)は、開口(14)と、電極体(3)を収容するための収容室(11)とを有し、
前記第1集電部材(2)は、前記収容室(11)内に位置し、第1本体部(21)及び第2本体部(22)を含み、前記第1本体部(21)は前記電極体(3)に接続され、第2本体部(22)は前記ハウジング(1)に接続され、
前記ハウジング(1)の側壁にはビーディング部位(12)が設けられており、前記ビーディング部位(12)は前記収容室(11)へ凹むことによって、前記ハウジング(1)の外部側壁において第1凹部(16)を形成するとともに前記ハウジング(1)の内部側壁において第1突起(13)を対応して形成し、
前記第2本体部(22)は前記第1本体部(21)のエッジから、前記第1突起(13)の、前記開口(14)に向く側まで延在する
ことを特徴とする円筒型電池。
【請求項2】
前記第2本体部(22)は、溶接区間(24)と、位置制限区間(25)とを含み、前記位置制限区間(25)は前記溶接区間(24)と前記第1本体部(21)を連結し、前記第2本体部(22)は前記溶接区間(24)によって前記第1突起(13)に接続する
ことを特徴とする請求項1に記載の円筒型電池。
【請求項3】
前記溶接区間(24)は前記第1突起(13)の、前記開口(14)に向く側に位置する
ことを特徴とする請求項2に記載の円筒型電池。
【請求項4】
前記溶接区間(24)の長さは位置制限区間(25)の長さより短い
ことを特徴とする請求項3に記載の円筒型電池。
【請求項5】
前記位置制限区間(25)及び前記溶接区間(24)は前記第1突起(13)の表面に当接する
ことを特徴とする請求項2に記載の円筒型電池。
【請求項6】
前記位置制限区間(25)と前記第1突起(13)は断面形状が一致する
ことを特徴とする請求項2に記載の円筒型電池。
【請求項7】
前記位置制限区間(25)及び前記第1突起(13)はいずれも断面形状がV字形である
ことを特徴とする請求項2に記載の円筒型電池。
【請求項8】
前記第1本体部(21)と前記第2本体部(22)は一体成形される
ことを特徴とする請求項1に記載の円筒型電池。
【請求項9】
前記開口(14)をカバーする蓋板アセンブリ(5)を更に含み、前記蓋板アセンブリ(5)は蓋板(51)と第1絶縁封止部材(52)とを含み、前記蓋板(51)は前記第1絶縁封止部材(52)内に嵌められて前記ハウジング(1)と絶縁する
ことを特徴とする請求項1に記載の円筒型電池。
【請求項10】
電気機器であって、
請求項1~9のいずれか1項に記載の円筒型電池を含む
ことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池技術分野に関し、特に円筒型電池及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、円筒型電池の中には溶接位置及びビーディング部位を予め用意する必要があるため、電池ハウジングの高さが高くなる。それにより、電池が電池モジュールに組み立てられた場合、電池モジュールではより広い内部空間を確保する必要があり、エネルギー密度が明らかに降下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、電池モジュール内に取り付けられる場合の占有スペースを低減できる、高さの低い円筒型電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以上の技術的課題を解決するために、以下の技術的解決手段を採用する。
【0005】
円筒型電池であって、ハウジングと、第1集電部材とを含む。前記ハウジングは開口と、電極体を収容するための収容室とを有する。前記第1集電部材は、前記収容室内に位置し、第1本体部及び第2本体部を含む。前記第1本体部は前記電極体に接続され、第2本体部は前記ハウジングに接続される。前記ハウジングの側壁にはビーディング部位が設けられており、前記ビーディング部位は前記収容室へ凹むことによって、前記ハウジングの外部側壁において第1凹部を形成するとともに前記ハウジングの内部側壁において第1突起を対応して形成し、前記第2本体部は前記第1本体部のエッジから、前記第1突起の、前記開口に向く側まで延在する。
【0006】
好ましくは、前記第2本体部は、溶接区間と、位置制限区間とを含み、前記位置制限区間は前記溶接区間と前記第1本体部を連結し、前記第2本体部は前記溶接区間によって前記第1突起に接続する。具体的に、前記ビーディング部位が前記収容室へ凹む前に、前記第2主体部は溶接区間と、前記溶接区間と前記第1主体部の間に位置する緩衝区間を含む。前記ビーディング部位は前記緩衝区間に対応するように設けられ、前記緩衝区間は前記ビーディング部位に伴って内側へ凹んで湾曲変形することができる。前記ビーディング部位が前記収容室へ凹んで前記ハウジングの内部側壁で前記第1突起を対応して形成する際、前記第1突起は、前記緩衝区間が内向きに屈曲変形して位置制限区間を形成するように前記緩衝区間を押圧する。前記第1突起と前記位置制限区間とはビーディング工程によってともに成形されるため、前記位置制限区間を適合に成型するための追加工程は必要がない。
【0007】
好ましくは、前記ハウジングには、前記収容室に連通する開口が設けられ、前記溶接区間は、前記第1突起の一側に位置しかつ前記開口に向く。前記溶接区間の位置ではレーザ溶接が直接実施可能であり、それによって前記溶接区間と前記第1突起とを固定接続する。
【0008】
好ましくは、前記位置制限区間と前記第1突起とは、断面形状が一致する。成形された前記位置制限区間と前記第1突起の形状を一致させることにより、前記第1集電部材をより確実に固定することができる。
【0009】
好ましくは、前記位置制限区間と前記第1突起とは、いずれも断面形状がV字形である。V字形に成形することにより、優れた位置制限固定効果を実現することができる。
【0010】
好ましくは、前記位置制限区間及び前記溶接区間は、前記第1突起の表面に当接する。前記位置制限区間が前記第1突起に当接することにより、位置制限固定効果を保証することができ、前記溶接区間が前記第1突起に当接することにより、溶接作業を容易にするとともに溶接効果を向上させることができる。
【0011】
好ましくは、前記緩衝区間は、断面形状が折り線形(例えば、逆Z字形)又は弧形である。2つの点の間で、折り線形と弧形はいずれも直線より長さが長いため、前記緩衝区間の中間部分が十分な変形長さを提供できるようになる。
【0012】
好ましくは、前記第1本体部と前記第2本体部は一体成形される。一体成形によって、前記第1本体部と、変形後に形成された前記位置制限区間及び溶接区間とは確実な構造強度を有する。
【0013】
好ましくは、前記第2本体部は、延在方向が前記第1本体部に垂直である。前記第2本体部が前記第1本体部に垂直になることにより、前記緩衝区間が追加された前記第1集電部材は、前記収容室内に直接組み込まれることができる。
【0014】
好ましくは、前記円筒型電池は、開口をカバーする蓋板アセンブリを更に含む。前記蓋板アセンブリは蓋板と第1絶縁封止部材とを含み、前記蓋板は前記第1絶縁封止部材内に嵌められて前記ハウジングと絶縁する。
【0015】
本発明は、上述した円筒型電池を含む電気機器をさらに開示する。前記電気機器は、携帯電話、腕時計、車両、電動玩具、電動工具などの製品であってもよく、その具体的な製品における他の具体的な構成は従来技術と近似し、説明を省略するが、主に本発明に係る円筒型電池を適用した点で相違する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る円筒型電池の技術的効果は以下の通りである。前記緩衝区間が前記ハウジングの前記ビーディング部位に対応して設けられるため、円筒型電池のビーディング工程が行われるとき、前記ビーディング部位の内壁が突起すると、前記緩衝区間も従って屈曲して変形する。この場合、前記緩衝区間は引張変形する。前記溶接区間は前記ビーディング部位の突起面へ当接し、前記溶接区間と前記ビーディング部位の突起面とは溶接接続される。溶接位置をビーディング部位に対応して設置することにより、電池ハウジングにおいて2つの位置を用意する必要がなくなって、電池の高さを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術における円筒型電池の側面構造の断面模式図である。
【
図2】本発明に係る円筒型電池の、ビーディング工程が行われておらずかつ蓋板アセンブリが取り付けられていない場合の側面構造の断面模式図である。
【
図3】
図1におけるA部分の部分構造拡大模式図である。
【
図4】本発明に係る円筒型電池の、ビーディング工程が完成したが蓋板アセンブリが取り付けられていない場合の側面構造の断面模式図である。
【
図5】
図3におけるB部分の部分構造拡大模式図である。
【
図6】本発明に係る円筒型電池の、ビーディング工程が完成しかつ蓋板アセンブリが取り付けられた場合の側面構造の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者が理解しやすくするために、以下、実施形態に関連して本発明をさらに説明する。実施形態に記載する内容は、本発明を限定するものではない。
【0019】
関連技術による円筒型電池においては、
図1に示すように、第1極性接続板が第1極性タブに溶接され、第2極性接続板が第2極性タブに溶接され、そして、第1極性接続板が第1極性端子に溶接され、第2極性接続板7の周方向側壁がハウジング1の内側壁に溶接され、ビーディング部位12は、ビーディング工程によって内向きに突出してボス17を形成し、蓋板アセンブリ51(図示せず)は、開口14をカバーしてボス17に当接し、第2極性接続板7とハウジング側壁との溶接位置71は、ボス17の下側に位置する。このように、溶接位置71及びビーディング部位12を予め用意する必要があるため、電池ハウジングの高さが高くなって、占用空間が大きくなることを、発明者らが発見した。
これに鑑みて、本開示は円筒型電池を提供し、詳しくは以下の実施形態を参照して説明する。
【0020】
<実施形態1>
図2~
図5に示すように、円筒型電池は、ハウジング1と、前記ハウジング1に設けられる収容室11と、前記収容室11に連通する開口14及び端子貫通孔15とを含む。前記収容室11内には、電極体3と、前記電極体3の両端にそれぞれ接続される第1集電部材2及び第2集電部材4とが取り付けられる。前記第1集電部材2は負極接続部材であり、前記開口14に向くように設けられ、前記第2集電部材4は正極接続部材であり、前記端子貫通孔15に向くように設けられる。前記ハウジング1は鋼材料で製造される。
前記第1集電部材2は、溶接によりタブに電気接続される第1本体部21と、前記第1本体部21のエッジから外向きに延在する第2本体部22とを含む。前記第2本体部22は緩衝区間23と溶接区間24とを含み、前記緩衝区間23は、一端が前記第1本体部21に接続され、他端が前記溶接区間24に接続される。前記ハウジング1の側壁にはビーディング部位12が設けられ、前記ビーディング部位12は前記緩衝区間23に対応して設けられる。前記円筒型電池は、ビーディング工程が行われた後、前記ハウジング1の前記ビーディング部位12が内向きに凹んで、前記ハウジング1の外部側壁において第1凹部16を形成するとともに前記ハウジング1の内部側壁において第1突起13を対応して形成し、前記第1突起13の頂部が前記緩衝区間23を押し付けることにより前記緩衝区間23が屈曲変形して位置制限区間25を形成する。このとき、前記第2本体部22は前記第1本体部21のエッジから、前記第1突起13の、前記開口14に向く側まで延在する。ここで、前記第1突起13と前記位置制限区間25とは断面形状が一致する(例えば、いずれも断面形状がV字形である)。前記位置制限区間25と前記溶接区間24は前記第1突起13に当接する。
前記円筒型電池は、前記開口14をカバーする蓋板アセンブリ5と、前記第2集電部材4に接続される端子アセンブリ6とをさらに含む。前記蓋板アセンブリ5と前記開口14はカシメ封口される。前記蓋板アセンブリ5は、蓋板51と、第1絶縁封止部材52とを含み、前記蓋板51は前記第1絶縁封止部材52に嵌められ、カシメされた後、前記蓋板51は前記ハウジング1から絶縁される。前記蓋板51の中心位置には注液口が設けられ、前記蓋板51には環状薄肉領域がさらに設けられ、該環状薄肉領域は圧力を逃がして爆発を防止するために用いられる。前記端子アセンブリ6は、端子61と、第2絶縁封止部材62と、絶縁部材63とを含む。前記端子61は、一端が前記第2集電部材4に接続され、他端が前記端子貫通孔15を介して貫通する。前記第2絶縁封止部材62は、前記端子貫通孔15のエッジを囲んで設けられ、前記第2絶縁封止部材62は、前記端子61に緊密に当接して封止を実現する。前記絶縁部材63は、前記第2絶縁封止部材62と前記第2集電部材4との間に設けられる。
【0021】
本実施形態において、前記溶接区間24は前記第1突起13の一側に位置し且つ前記開口14に向くため、溶接するときには前記開口14を介して直接溶接することができ、溶接作業が容易になる。また、前記溶接区間24は前記第1突起13の上側面に当接しているため、溶接の良品率が高い。なお、前記第1突起13の上側面とは、前記第1突起13の、前記開口14に向く側の表面である。
【0022】
本実施形態において、前記溶接区間24の長さは位置制限区間25の長さより短い。このように設計することにより、位置制限区間25は十分な長さを有して、第1突起13の頂部を覆うことができ、したがって位置制限区間25の、第1突起13に対する位置制限固定効果を向上させる。
【0023】
本実施形態において、前記緩衝区間23は、断面形状が折り線形(例えば、逆Z字形)である。折り線形の中間部分の長さは、変形のために十分な長さを確保できるとともに、溶接時に前記溶接区間24の伸びのために十分な長さを提供して、緩衝区間23の解放を保証する。
【0024】
本実施形態に係る円筒型電池の製造プロセスの主なステップは、以下の2種類を含む。
【0025】
第1種類:
ステップ1において、巻回して円筒型のベア電極体を得る。
ステップ2において、正極タブ、負極タブを平らにこする。
ステップ3において、正極タブを第2集電部材4に溶接し、負極タブを第1集電部材2に溶接する。
ステップ4において、電極体アセンブリをハウジングに入れる。
ステップ5において、第2集電部材4を正極端子61に超音波トルク溶接する。
ステップ6において、溝入れすることにより、前記ハウジング1の前記ビーディング部位12が内向きに凹み、前記ビーディング部位12の外部側壁が凹んで第1凹部16を形成し、内部側壁が突起して第1突起13を形成し、前記緩衝区間23が前記第1突起13によって押し付けられて屈曲変形して位置制限区間25を形成し、前記第1突起13が前記位置制限区間25によって形成された溝に緊密に当接し、前記第1突起13と前記位置制限区間25が固定される。
ステップ7において、前記第1突起13の上面において溶接区間24を前記第1突起13に溶接する。
ステップ8において、蓋板アセンブリ5を取り付け、カシメ封口する。
【0026】
第2種類:
ステップ1において、正極板と負極板に対して、複数のタブを形成するようにダイカットする。
ステップ2において、巻回して円筒型のベア電極体を取得し、正極タブ、負極タブを平らに叩く。
ステップ3において、正極タブを第2集電部材4に溶接し、負極タブを第1集電部材2に溶接する。
ステップ4において、電極体アセンブリをハウジングに入れる。
ステップ5において、第2集電部材4を正端子61に超音波トルク溶接する。
ステップ6において、溝入れすることにより、前記ハウジング1の前記ビーディング部位12が内向きに凹み、前記ビーディング部位12の外部側壁が凹んで第1凹部16を形成し、内部側壁が突起して第1突起13を形成し、前記緩衝区間23が前記第1突起13によって押し付けられて屈曲変形して位置制限区間25を形成し、前記第1突起13が前記位置制限区間25によって形成された溝に緊密に当接し、前記第1突起13と前記位置制限区間25が固定される。
ステップ7において、前記第1突起13の上面において溶接区間24を前記第1突起13に溶接する。
ステップ8において、蓋板アセンブリ5を取り付け、カシメ封口する。
【0027】
本実施形態に係る円筒型電池は、ビーディングプロセスステップにより、前記ハウジング1の前記ビーディング部位12を内向きに凹ませ、したがって前記ビーディング部位12の内部側壁が突起して形成する第1突起13が前記緩衝区間23を押し付けて屈曲変形させ、この場合に前記緩衝区間23が引張変形し、前記第1突起13と前記位置制限区間25とはいずれも断面形状がV字形になり、前記溶接区間24が前記第1突起13の上面に当接し、さらに前記溶接区間24を前記ボス13の上面に直接溶接し、溶接時、前記溶接区間24は伸びるが、前記位置制限25は前記溶接区間24に接続されているため、前記溶接区間24が伸びるときには十分な長さが提供される。
【0028】
前記緩衝区間23を設置するとともにビーディングプロセスステップを行い、溝入れしてから溶接することにより、前記溶接区間24を前記ビーディング部位12の突起面に溶接して溶接の良品率を向上させる。それとともに、溶接位置をビーディング部位12に対応して設置することにより、電池ハウジングにおいて2つの位置を用意する必要がなくなって、電池の高さを低減できる。また、前記緩衝区間23を設けることによって溶接及び屈曲による応力を大きく緩和して、第1集電部材2のき裂を効果的に防止し、溶接箇所における構造の剛性及び安定性を向上させ、円筒型電池の使用安定性及び耐用性が保証される。
【0029】
<実施形態2>
電気機器であって、前記円筒型電池を含む。当該電気機器は、車両、携帯電話、携帯装置、ノートパソコン、汽船、宇宙機、電動玩具、電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。電動玩具は、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具及び電動飛行機玩具などの定置式又は移動式の電動玩具を含む。電動工具は、例えば電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、インパクトドリル、コンクリートバイブレータ及び電動カンナなどの、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含む。本願実施形態は、以上の電気機器に対して特に限定しない。
【0030】
なお、本発明の説明において、「中心」、「横方向(X)」、「縦方向(Y)」、「高さ方向(Z)」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの方位用語で示す方位及び位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を記述しやすくしかつ説明を簡素化するためのものに過ぎず、係る装置又は部品が特定方位を有するか、特定方位で構造や操作されることを指示又は暗示するものではなく、本発明の具体的な保護範囲に対する制限として理解されるべきではない。
【0031】
また、「第1」、「第2」などの用語は、単に説明の目的で用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示するか又は技術的構成の数を暗黙的に指示するものとして理解されるべきではない。よって、「第1」、「第2」で記述された構成は、1つ又は複数の当該構成を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本発明の説明において、「複数」とは、別途説明がない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0032】
本発明において、別途に明確に規定及び限定しない限り、「組立」、「連接」、「接続」などの用語は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体化接続であってもよく、機械接続であってもよく、直接接続又は中間媒体を介する接続であってもよく、2つの素子の内部連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて、これらの用語の、本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0033】
上述した実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を示したものに過ぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲に対する制限として理解されるべきではない。なお、当業者であれば、本発明の構想から逸脱せずにいくつかの変形や改良を作り出すことができるが、これらもすべて本発明の保護範囲に該当する。つまり、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0034】
1 ハウジング
11 収容室
12 ビーディング部位
13 第1突起
14 開口
15 端子貫通孔
16 第1凹部
17 ボス
2 第1集電部材
21 第1本体部
22 第2本体部
23 緩衝区間
24 溶接区間
25 位置制限区間
3 電極体
4 第2集電部材
5 蓋板アセンブリ
51 蓋板
52 第1絶縁封止部材
6 端子アセンブリ
61 端子
62 第2絶縁封止部材
63 絶縁部材
7 第2極性接続板
71 溶接位置