(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156245
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】リフティングマグネット用電源装置
(51)【国際特許分類】
B66C 1/08 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
B66C1/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070545
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】村田 裕彦
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004HA00
3F004HB00
(57)【要約】
【課題】リフティングマグネット用電源装置において、回生動作時に電磁石コイルからの電気エネルギーを蓄電するコンデンサを抹消することを目的とする。
【解決手段】コントローラ50は、出力回路20を構成するスイッチのオンオフを制御して、電磁石コイル71を励磁する力行動作と、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーの回生動作と、を実行可能である。コントローラ50は、力行動作後に実行される回生動作時において、出力回路20の各スイッチをオフし、消費回路40の第5スイッチ、又は第6スイッチをオンすることで、電磁石コイル71と、出力回路20と、消費抵抗41,42との間で閉ループ回路を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフティングマグネットの電磁石コイルを励磁するリフティングマグネット用電源装置であって、
交流電源からの交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路に並列接続され、第1スイッチと第2スイッチとが直列接続された第1回路と、第3スイッチと第4スイッチとが直列接続された第2回路と、によりブリッジ回路を構成する出力回路と、
前記第1回路における前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続点と、前記電磁石コイルの一方の端とを接続する第1出力ラインと、
前記第2回路における前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続点と、前記電磁石コイルの他方の端とを接続する第2出力ラインと、
前記第2出力ラインに接続された第5スイッチと、前記第1出力ラインに接続された第6スイッチと、前記第5スイッチ及び前記第6スイッチに直列接続された消費抵抗と、を有する消費回路と、
前記出力回路を構成するスイッチのオンオフを制御して、前記電磁石コイルを励磁する力行動作と、前記電磁石コイルに蓄電された電気エネルギーの回生動作と、を実行可能な制御回路と、
を備え、
前記出力回路の各スイッチは、還流ダイオードを有し、
前記制御回路は、前記力行動作後に実行される前記回生動作時において、前記出力回路の前記各スイッチをオフし、前記消費回路の前記第5スイッチ、又は前記第6スイッチをオンすることで、前記電磁石コイルと、前記出力回路と、前記消費抵抗との間で閉ループ回路を形成する、ことを特徴とするリフティングマグネット用電源装置。
【請求項2】
前記制御回路は、力行動作として、
前記第1回路の前記第1スイッチと前記第2回路の前記第4スイッチとをオンすることで、前記電磁石コイルを正励磁する力行動作と、
前記第1回路の前記第2スイッチと前記第2回路の前記第3スイッチとをオンすることで、前記電磁石コイルを逆励磁する力行動作と、を実行可能であり、
前記制御回路は、
前記正励磁での力行動作後の前記回生動作では、前記出力回路の前記各スイッチをオフし、前記消費回路の前記第5スイッチをオンすることで、前記電磁石コイルと、前記出力回路と、前記消費抵抗との間で閉ループ回路を形成し、
前記逆励磁での力行動作後の前記回生動作では、前記出力回路の前記各スイッチをオフし、前記消費回路の前記第6スイッチをオンすることで、前記電磁石コイルと、前記出力回路と、前記消費抵抗との間で閉ループ回路を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のリフティングマグネット用電源装置。
【請求項3】
前記消費抵抗の抵抗値は、前記電磁石コイルの内部抵抗よりも低い、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリフティングマグネット用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊上げ装置のリフティングマグネットへの給電を制御するリフティングマグネット用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リフティングマグネット用の電源装置において、交流電源からの交流電力を整流する整流回路と、整流回路に並列接続されたコンデンサと、ブリッジ回路を構成する複数のスイッチを有する出力回路と、を備えるものが知られている。リフティングマグネット用電源装置では、リフティングマグネットにより吊り荷を吊り上げ、所定位置まで搬送し、吊り荷を釈放するまでの間に、リフティングマグネットの電磁石コイルを励磁する力行動作と、電磁石コイルに蓄電された電気エネルギーの回生動作とを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リフティングマグネット用電源装置では、整流回路により整流された直流電力の変動を抑制するため、又は、吊り荷の釈放時において電磁石コイルからの電気エネルギーを短時間貯めるために、コンデンサが用いられる。コンデンサの種類としては、一般に寸法に対して容量が大きい電解コンデンサが用いられる。しかし、電解コンデンサは、寸法や重量、更にはコストがかかる。また、電解コンデンサの寿命は、他の部品と比較して短く、リフティングマグネット用電源装置の寿命に影響を与える場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、リフティングマグネット用電源装置において、回生動作時に電磁石コイルからの電気エネルギーを蓄電するコンデンサを抹消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明では、リフティングマグネットの電磁石コイルを励磁するリフティングマグネット用電源装置であって、交流電源からの交流電力を整流する整流回路と、整流回路に並列接続され、第1スイッチと第2スイッチとが直列接続された第1回路と、第3スイッチと第4スイッチとが直列接続された第2回路と、によりブリッジ回路を構成する出力回路と、第1回路における第1スイッチと第2スイッチとの接続点と、電磁石コイルの一方の端とを接続する第1出力ラインと、第2回路における第3スイッチと第4スイッチとの接続点と、電磁石コイルの他方の端とを接続する第2出力ラインと、第2出力ラインに接続された第5スイッチと、第1出力ラインに接続された第6スイッチと、第5スイッチ及び第6スイッチに直列接続された消費抵抗と、を有する消費回路と、出力回路を構成するスイッチのオンオフを制御して、電磁石コイルを励磁する力行動作と、電磁石コイルに蓄電された電気エネルギーの回生動作と、を実行可能な制御回路と、を備えている。出力回路の各スイッチは、還流ダイオードを有し、制御回路は、力行動作後に実行される回生動作時において、出力回路の各スイッチをオフし、消費回路の第5スイッチ、又は第6スイッチをオンすることで、電磁石コイルと、出力回路と、消費抵抗との間で閉ループ回路を形成する。
【0007】
上記構成では、リフティングマグネット用電源装置は、第2出力ラインに接続された第5スイッチと、第1出力ラインに接続された第6スイッチと、第5スイッチ及び第6スイッチに直列接続された消費抵抗と、を有する消費回路を備えている。制御回路は、回生動作時において、出力回路の各スイッチをオフし、消費回路の第5スイッチ、又は第6スイッチを、オンすることで、電磁石コイルと、出力回路と、消費抵抗との間で閉ループ回路を形成する。これにより、回生動作時において、閉ループ回路が形成されることで、電磁石コイルからの電気エネルギーを消費回路の消費抵抗により消費させることができるため、回生動作時に電磁石コイルからの電気エネルギーを蓄電するコンデンサを抹消することができる。
【0008】
制御回路は、力行動作として、第1回路の第1スイッチと第2回路の第4スイッチとをオンすることで、電磁石コイルを正励磁する力行動作と、第1回路の第2スイッチと第2回路の第3スイッチとをオンすることで、電磁石コイルを逆励磁する力行動作と、を実行可能である。制御回路は、正励磁での力行動作後の回生動作では、出力回路の各スイッチをオフし、消費回路の第5スイッチをオンすることで、電磁石コイルと、出力回路と、消費抵抗との間で閉ループ回路を形成する。逆励磁での力行動作後の回生動作では、出力回路の各スイッチをオフし、消費回路の第6スイッチをオンすることで、電磁石コイルと、出力回路と、消費抵抗との間で閉ループ回路を形成する。上記構成では、正励磁での力行動作においては、第5スイッチがオンされることで閉ループ回路が形成され、電気エネルギーが消費される。一方、逆励磁での力行動作においては、第6スイッチがオンされることで閉ループ回路が形成され、電気エネルギーが消費される。これにより、正励磁での力行動作と、逆励磁での力行動作のそれぞれで、電気エネルギーを消費させることができる。
【0009】
消費抵抗の抵抗値は、電磁石コイルの内部抵抗よりも低い。回生動作において、第5,第6スイッチがオンされることで、電磁石コイルと消費抵抗とが直列回路を形成する。そして、回生動作の開始直後において、消費抵抗には最も大きな電圧が印加され、その電圧は、消費抵抗の抵抗値に応じて定まる。上記構成では、消費抵抗の抵抗値を、電磁石コイルの内部抵抗値よりも低くしているため、回生動作の開始直後において、消費抵抗に接続された第5,第6スイッチに生じる電圧を抑制することができ、第5,第6スイッチの耐圧である定格電圧を低くすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、リフティングマグネット用電源装置において、回生動作時に電磁石コイルからの電気エネルギーを蓄電するコンデンサを抹消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】正励磁の力行動作時の電流の流れを説明する図である。
【
図4】還流動作時の電流の流れを説明する図である。
【
図5】回生動作時の電流の流れを説明する図である。
【
図6】逆励磁の力行動作時の電流の流れを説明する図である。
【
図7】還流動作時の電流の流れを説明する図である。
【
図8】回生動作時の電流の流れを説明する図である。
【
図9】第2実施形態に係るリフティングマグネット用電源装置の構成図である。
【
図10】第3実施形態に係るリフティングマグネット用電源装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
本実施形態に係るリフティングマグネット用電源装置を適用した吊り上げ装置を、図面を参照しつつ説明する。
図1に示す、吊り上げ装置100は、鋼材等の吊り荷をリフティングマグネット70により吊上げる装置である。吊り上げ装置100は、上述のリフティングマグネット70、電源装置60、交流電源90、操作部91を主に備えている。
【0013】
リフティングマグネット70は、不図示のクレーン車両や、クレーン装置に取り付けられる。リフティングマグネット70は、後述する電磁石コイル71と、内部鉄心と、外部鉄心とを備えている。リフティングマグネット70は、電磁石コイル71が励磁されることで、吊り荷に対して吸着力を生じさせる。吊り荷は、鉄片、鉄屑であるが、これに限らず、リフティングマグネット70の吸着力により吸着可能な磁性体であればよい。
【0014】
交流電源90は、交流電力を生じさせる装置である。交流電源90は、例えば、エンジン発電機、モータ発電機である。
【0015】
電源装置60は、交流電源90により生成された交流電力を、変換して、リフティングマグネット70の電磁石コイル71を励磁する装置である。電源装置60は、整流回路10と、出力回路20と、第1出力ライン30と、第2出力ライン31と、消費回路40と、コントローラ50とを、主に備えている。なお、電源装置60を構成する各部の詳細な構成は後述する。本実施形態では、電源装置60がリフティングマグネット用電源装置の一例である。
【0016】
操作部91は、作業者による吊り上げ装置100に対する操作を受け付けるインタフェースである。操作部91は、電源装置60のコントローラ50に接続されている。作業者は、操作部91に対して、リフティングマグネット70に吊り荷を吸着させるための吸着操作と、リフティングマグネット70に吸着された吊り荷を釈放させるための釈放操作とを行うことができる。
【0017】
上記構成の吊り上げ装置100では、作業者が操作部91に対して吸着操作を行うと、電源装置60は、リフティングマグネット70の電磁石コイル71を正励磁することで、リフティングマグネット70に吸着力を生じさせる(後述する、正励磁での力行動作)。作業者が操作部91に対して釈放操作を行うと、電源装置60は、電磁石コイル71の電気エネルギーを電源装置60内で還流させる還流動作、及び回生動作を行う。その後、電源装置60は、リフティングマグネット70に吸着している吊り荷を完全に釈放するために、電磁石コイル71を逆励磁することで、吊り荷の残留磁気を消す(後述する、逆励磁での力行動作)。そして、電源装置60は、電磁石コイル71の電気エネルギーを電源装置60内で還流させる還流動作、及び回生動作を行う。
【0018】
次に、電源装置60の詳細な構成を、
図2を用いて説明する。整流回路10は、交流電源90からの交流電力を整流する回路である。整流回路10は、6つのダイオード11、12、13、14、15、16によりダイオードブリッジ回路が形成されている。整流回路10では、ダイオード11とダイオード12、ダイオード13とダイオード14、ダイオード15とダイオード16のそれぞれが、アノードとカソードとで直列接続されて直列回路を形成している。整流回路10において、3組の直列回路は、並列接続されることでダイオードブリッジ回路が形成されている。ダイオード11のアノードと、ダイオード12のカソードとの接続点には交流電源90が接続されている。同様に、ダイオード13のアノードとダイオード14のカソードとの接続点、ダイオード15のアノードとダイオード16のカソードとの接続点には交流電源90が接続されている。上記構成の整流回路10では、交流電源90からの交流電力を、三相全波整流することで、直流電力を出力回路20に供給する。
【0019】
なお、整流回路10は、ダイオードに代えて、サイリスタが使用されてもよく、ダイオードとサイリスタを組み合わせて使用されてもよい。電源装置60において、整流回路10のダイオード11,13,15のカソードが接続される側のラインを、正側ライン23と記載し、ダイオード12,14,16のアノードが接続される側のラインを、負側ライン24と記載する。
【0020】
整流回路10には、出力回路20が並列接続されている。出力回路20は、整流回路10により整流された直流電力を、リフティングマグネット70の電磁石コイル71に供給する回路である。具体的には、出力回路20は、正側ライン23と、負側ライン24とに接続されることで、整流回路10に並列接続されている。
【0021】
出力回路20は、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2とを直列接続して構成された第1回路21と、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4とを直列接続して構成された第2回路22とを備えている。本実施形態では、第1~第4スイッチQ1~Q4は、スイッチング素子であり、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略称)やFET(Field effect transistorの略称)などが用いられる。
【0022】
第1回路21は、第1スイッチQ1のエミッタと、第2スイッチQ2のコレクタとが接続さることで、直列回路を形成している。第2回路22は、第3スイッチQ3のエミッタと、第4スイッチQ4のコレクタとが接続されることで、直列回路を形成している。第1スイッチQ1及び第3スイッチQ3の各コレクタは、正側ライン23に接続されている。第2スイッチQ2及び第4スイッチQ4の各エミッタは、負側ライン24に接続されている。これにより、出力回路20は、第1~第4スイッチQ1~Q4により、ブリッジ回路が形成されている。
【0023】
第1~第4スイッチQ1~Q4には、コレクタとエミッタ間を繋ぐ還流ダイオードDS1~DS4を有している。還流ダイオードDS1~DS4は、アノードで、第1~第4スイッチQ1~Q4のエミッタに接続され、カソードで第1~第4スイッチQ1~Q4のコレクタに接続されている。これにより、第1~第4スイッチQ1~Q4が、オフ状態である場合、還流ダイオードDSを介して、バイパス電流を流すことができる。なお、後述する第5スイッチQ5、第6スイッチQ6にも還流ダイオードDS5,DS6が接続されている。
【0024】
第1出力ライン30は、第1回路21における第1スイッチQ1のエミッタと、第2スイッチQ2のコレクタとの接続点K1と、電磁石コイル71の一方の端(後述する第1マグネット入力端子72)とを接続するラインである。第2出力ライン31は、第2回路22における、第3スイッチQ3のエミッタと、第4スイッチQ4のコレクタとの接続点K2と、電磁石コイル71の他方の端(後述する第2マグネット入力端子73)とを接続するラインである。なお、第1出力ライン30と、第2出力ライン31とは、1つの配線で構成されている場合のほか、抵抗等の素子を含んだ回路の一部として構成されていてもよい。
【0025】
第1出力ライン30及び第2出力ライン31には、消費回路40が接続されている。消費回路40は、第5スイッチQ5と、第6スイッチQ6と、第1消費抵抗41と、第2消費抵抗42とを有している。本実施形態では、第5,第6スイッチQ5,Q6は、スイッチング素子であり、例えば、IGBTやFETなどが用いられる。
【0026】
第5スイッチQ5は、コレクタで第1消費抵抗41の一端に接続され、エミッタで、負側ライン24に接続されている。第1消費抵抗41の他端は、第2出力ライン31に接続点K3で接続されている。これにより、第5スイッチQ5のコレクタは、第1消費抵抗41を介して第2出力ライン31に接続されている。
【0027】
第6スイッチQ6は、コレクタで第2消費抵抗42の一端に接続され、エミッタで、負側ライン24に接続されている。第2消費抵抗42の他端は、第1出力ライン30に接続点K4で接続されている。これにより、第6スイッチQ6のコレクタは、第2消費抵抗42を介して第1出力ライン30に接続されている。
【0028】
消費回路40において、第1消費抵抗41及び第2消費抵抗42の各抵抗値は、第5スイッチQ5及び第6スイッチQ6の耐圧を示す定格電圧に応じた値になっている。具体的には、第1消費抵抗41の抵抗値は、第5スイッチQ5に定格電圧以上の電圧が生じず、かつ電磁石コイル71の内部抵抗よりも低い値に定められている。なお、第2消費抵抗42の抵抗値は、第6スイッチQ6に定格電圧以上の電圧が生じない値に定められているが、電磁石コイル71の内部抵抗よりも低い値でなくともよい。また、第1消費抵抗41及び第2消費抵抗42は、一つに限らず、必要とされる抵抗値に応じて、複数の抵抗により構成されていてもよい。
【0029】
コントローラ50は、所定の機能を備える集積回路である。コントローラ50は、その内部に、プログラムが記憶されたメモリを有しており、プログラムを実行することにより、上述した、正励磁での力行動作、逆励磁での力行動作、還流動作、回生動作を、所定のタイミングで実行することができる。本実施形態では、コントローラ50が制御部の一例である。
【0030】
コントローラ50は、第1~第6スイッチQ1~Q6のオン状態と、オフ状態とを個別に制御することができる。コントローラ50は、駆動信号を出力する第1~第6駆動信号端子P1,P2,P3,P4,P5,P6を有している。第1駆動信号端子P1は、第1スイッチQ1のゲートに接続されている。第2駆動信号端子P2は、第2スイッチQ2のゲートに接続されている。第3駆動信号端子P3は、第3スイッチQ3のゲートに接続されている。第4駆動信号端子P4は、第4スイッチQ4のゲートに接続されている。第5駆動信号端子P5は、第5スイッチQ5のゲートに接続されている。第6駆動信号端子P6は、第6スイッチQ6のゲートに接続されている。
【0031】
本実施形態では、電源装置60に流れる電流の値を検出する検出端子P7を備えている。検出端子P7は、例えば、整流回路10と出力回路20とを繋ぐ正側ライン23に接続されており、この正側ライン23に流れる電流を検出することができる。これにより、コントローラ50は、出力回路20を介して電磁石コイル71に流れる電流を監視し、力行時において、電磁石コイル71に流れる電流が判定電流値以上になったことを、検出端子P7に入力される電流により判定した場合に、還流動作を行うことができる。なお、コントローラ50は、正側ライン23に生じる電圧を、検出端子P7で監視する構成であってもよい。この場合においても、コントローラ50は、力行時において、電磁石コイル71に印加される電圧が、判定電圧以上になったことを、検出端子P7に入力される電圧により判定した場合に、還流動作を行うことができる。
【0032】
次に、吊り上げ装置100により、吊り荷を吊り上げる際の、電源装置60により実行される処理を
図3~
図8を用いて説明する。コントローラ50は、作業者が操作部91に対して吸着操作を行ったことを検出すると、リフティングマグネット70に吸着力を生じさせるために、正励磁の力行動作を行う。正励磁の力行動作では、電磁石コイル71に対して、第1マグネット入力端子72から、第2マグネット入力端子73に向けて電流を流すことで、電磁石コイル71を正励磁する。以下では、第1マグネット入力端子72から第2マグネット入力端子73に向けて流れる電流を、「正極性の電流」と記載する。また、第2マグネット入力端子73から第1マグネット入力端子72に向けて流れる電流を、「負極性の電流」と記載する。
【0033】
図3に示されるように、正励磁の力行動作では、コントローラ50は、第1駆動信号と第4駆動信号とをハイ状態にし、第2駆動信号、第3駆動信号、第5駆動信号、第6駆動信号を、ロー状態にする。これにより、出力回路20では、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4とがオン状態(ON)になることで、第1出力ライン30が、第1スイッチQ1を介して出力回路20の正側ライン23に接続され、第2出力ライン31が、第4スイッチQ4を介して、負側ライン24に接続される。その結果、整流回路10からの直流電力により、電磁石コイル71に、正極性の電流(図中、矢印の向き)が流れ、電磁石コイル71を正励磁する。電磁石コイル71が正励磁されることで、電磁石コイル71に正極性での電気エネルギーが蓄電され,リフティングマグネット70に吊り荷に対する吸着力を生じさせる。
【0034】
コントローラ50は、作業者が操作部91に対して釈放操作を行ったことを検出すると、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーを、出力回路20内で還流させる還流動作を行う。
図4を用いて正励磁での力行動作後に行う還流動作を説明する。
【0035】
コントローラ50は、第4駆動信号をハイ状態に維持し、第2,第3,第5,第6駆動信号をロー状態に維持し、第1駆動信号をハイ状態からロー状態に変化させることで、第4スイッチQ4のみをオン状態(ON)にする。これにより、出力回路20では、第1出力ライン30と、電磁石コイル71と、第2出力ライン31と、第4スイッチQ4と、負側ライン24の一部と、第2スイッチQ2の還流ダイオードDS2とを含む閉ループ回路80が形成される。閉ループ回路80内には、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより正極性の電流が流れる。
【0036】
図4では、説明の便宜のために、閉ループ回路に流れる電流(図中破線で示す)により、閉ループ回路80を図示している。以下、
図5,
図7,
図8で図示される閉ループ回路81,82,83においても同様である。
【0037】
なお、本実施形態では、コントローラ50は、
図3で示した正極性の力行動作中に、検出端子P7に入力される電流より、電磁石コイル71に流れる電流が、所定の判定電流を超えたことを判定した場合も、力行動作を一端中断し、
図4で示した還流動作を実行する。その後、コントローラ50は、検出端子P7に入力される電流より、電磁石コイル71に流れる電流が所定の判定電流以下となったことを判定した場合、還流動作を終了し、力行動作に戻る。
【0038】
コントローラ50は、還流動作の実行後、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーを出力回路20に流す回生動作を行う。この回生動作中に、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーは、第1消費抵抗41で消費される。
図5を用いて正励磁での力行動作後に行われる回生動作を説明する。
【0039】
コントローラ50は、第1,第2,第3,第6駆動信号をロー状態に維持し、第4駆動信号をハイ状態からロー状態に変化させ、第5駆動信号をロー状態からハイ状態に変化させることで、出力回路20において、第5スイッチQ5のみをオン状態(ON)にする。これにより、第1出力ライン30と、電磁石コイル71と、第2出力ライン31と、第1消費抵抗41と、第5スイッチQ5と、負側ライン24の一部と、第2スイッチQ2の還流ダイオードDS2とを含む閉ループ回路81が形成される。
【0040】
電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路81には、正極性での電流(回生電流)が流れる。この回生動作では、第1スイッチQ1がオフ状態であるため、正極性での電流は、閉ループ回路81内のみを流れる。閉ループ回路81には、閉ループ回路80と異なり、第1消費抵抗41を含んでいるため、回生動作が実行されることで、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーは、第1消費抵抗41により消費される。
【0041】
第5スイッチQ5がオン状態になることで、電磁石コイル71と第1消費抵抗41とが直列回路(即ち、LR回路)を形成し、電磁石コイル71と、第1消費抵抗41とに流れる電流は同じ値になる。回生動作の開始直後、即ち、LR回路の形成直後において、第1消費抵抗41に印加される電圧は最も高い値となり、その値は、第1消費抵抗41の抵抗値により定まる。本実施形態では、第1消費抵抗41の抵抗値は、電磁石コイル71の抵抗値よりも低く、かつ第5スイッチQ5の定格電圧を超えないようにその値が定められている。そのため、回生動作の開始時において、第5スイッチQ5のコレクタに生じる最大電圧を低くすることができる。
【0042】
コントローラ50は、正励磁での回生動作の実行後、リフティングマグネット70により吸着されていた吊り荷を完全に釈放するために、逆励磁の力行動作を行う。この逆励磁の力行動作では、電磁石コイル71に対して、第2マグネット入力端子73から、第1マグネット入力端子72に向けて電流を流すことで、電磁石コイル71を逆励磁する。電磁石コイル71を逆励磁することで、吊り荷の残留磁気を消す。なお、一般に、逆励磁の力行動作は、正励磁の力行動作よりも短い期間実行される。
図6を用いて逆励磁での力行動作を説明する。
【0043】
コントローラ50は、第1,第4,第6駆動信号をロー状態に維持し、第2駆動信号と第3駆動信号とをロー状態からハイ状態に変化させ、第5駆動信号をハイ状態からロー状態に変化させる。これにより、出力回路20では、第2スイッチQ2と、第3スイッチQ3とがオン状態(ON)になることで、第2出力ライン31が、第3スイッチQ3を介して正側ライン23に接続され、第1出力ライン30が、第2スイッチQ2を介して、負側ライン24に接続される。その結果、整流回路10からの直流電力により、電磁石コイル71に、負極性の電流(図中、矢印の向き)が流れ、電磁石コイル71を逆励磁する。電磁石コイル71が逆励磁することで、吊り荷の残留磁気が消され、また、電磁石コイル71には、負極性での電気エネルギーが蓄電される。
【0044】
コントローラ50は、逆励磁での力行動作を所定期間実行した後、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーを、出力回路20内で還流させる還流動作を行う。
図7を用いて正励磁での力行動作後に行われる還流動作を説明する。
【0045】
コントローラ50は、第2駆動信号をハイ状態に維持し、第1,第4,第5,第6駆動信号を、ロー状態に維持し、第3駆動信号をハイ状態からロー状態に変化させることで、第2スイッチQ2のみをオン状態にする。これにより、出力回路20では、電磁石コイル71と、第1出力ライン30と、第2スイッチQ2と、負側ライン24の一部と、第4スイッチQ4の還流ダイオードDS4と、第2出力ライン31とを含む閉ループ回路82が形成される。電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路82に負極性の電流が流れる。
【0046】
コントローラ50は、還流動作の実行後、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーを出力回路20に流す回生動作を行う。本実施形態では、コントローラ50による回生動作中に、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーを、第2消費抵抗42で消費させる。
図8を用いて負励磁での力行動作後に行う回生動作を説明する。
【0047】
コントローラ50は、第1,第3,第4,第5駆動信号をロー状態に維持し、第2駆動信号をハイ状態からロー状態に変化させ、第6駆動信号をロー状態からハイ状態に変化させることで、出力回路20において、第6スイッチQ6のみをオン状態にする。これにより、電磁石コイル71と、第1出力ライン30の一部(第2消費抵抗42の接続点K4から電磁石コイル71までの間)と、第2消費抵抗42と、第6スイッチQ6と、負側ライン24の一部と、第4スイッチQ4の還流ダイオードDS4とを含む閉ループ回路83が形成される。
【0048】
電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路83には、負極性での電流(回生電流)が流れる。この回生動作では、負極性での電流は、閉ループ回路83内のみを流れる。閉ループ回路83には、閉ループ回路82と異なり、第2消費抵抗42を含んでいる。逆励磁での回生動作が実行されることで、電磁石コイル71からの電気エネルギーは、第2消費抵抗42により消費される。
【0049】
以上説明した本実施形態では、電源装置60のコントローラ50は、正励磁の力行動作後に実行される回生動作において、消費回路40の第5スイッチQ5のみがオンされることで、電磁石コイル71と、出力回路20と、消費抵抗41との間で閉ループ回路81を形成する。これにより、正励磁の力行動作後に実行される回生動作において、電磁石コイル71からの電気エネルギーを消費回路40の第1消費抵抗41により消費させることができるため、電磁石コイル71からの電気エネルギーを蓄電するコンデンサを抹消することができる。
【0050】
電源装置60では、逆励磁での力行動作後に実行されるにおいては、第6スイッチQ6のみがオンされることで、電磁石コイル71と、出力回路20と、第2消費抵抗42との間で閉ループ回路83を形成する。これにより、逆励磁の力行動作後に実行される回生動作において、電磁石コイル71からの電気エネルギーを消費回路40の第2消費抵抗42により消費させることができる。即ち、電源装置60では、正励磁での力行動作と、逆励磁での力行動作のそれぞれで、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーを消費させることができる。
【0051】
正励磁での力行動作後に実行される回生動作において、第5スイッチQ5がオンされることで、電磁石コイル71と第1消費抵抗41とが直列回路を形成するため、回生動作の開始直後において、第1消費抵抗41側に印加される電圧は第1消費抵抗41の抵抗値に応じて定まる。上記構成では、第1消費抵抗41の抵抗値を、電磁石コイル71の内部抵抗値よりも低くしているため、回生動作の開始時において第5スイッチQ5に印加される電圧を抑制することができ、第5スイッチQ5の耐圧を低くすることができる。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第2実施形態において第1実施形態と同一の箇所については同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、第1実施形態と比べて、電源装置60の消費回路40は、第1実施形態と異なる構成である。
【0053】
図9に示されるように、第5スイッチQ5のコレクタは、第6スイッチQ6のコレクタに接続されて、エミッタは、第1消費抵抗41を介して、第1出力ライン30の接続点K5に接続されている。第6スイッチQ6のエミッタは、第2消費抵抗42を介して、第2出力ライン31の接続点K6に接続されている。
【0054】
コントローラ50は、正励磁での還流動作の実行後、出力回路20において、第5スイッチQ5のみをオン状態(ON)にする。これにより、第1出力ライン30の一部(接続点K5から電磁石コイル71までの間)と、電磁石コイル71と、第2出力ライン31の一部(電磁石コイル71から接続点K6までの間)と、第2消費抵抗42と、第6スイッチQ6の還流ダイオードDS6と、第5スイッチQ5と、第1消費抵抗41を含む閉ループ回路が形成される。
【0055】
電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路に正極性での電流が流れる。そして、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーは、第1消費抵抗41及び第2消費抵抗42により消費される。
【0056】
コントローラ50は、逆励磁での還流動作の実行後、出力回路20において、第6スイッチQ6のみをオン状態(ON)にする。これにより、電磁石コイル71と、第1出力ライン30の一部(電磁石コイル71から接続点K5までの間)と、第1消費抵抗41と、第5スイッチQ5の還流ダイオードDS5と、第6スイッチQ6と、第2消費抵抗42と、第2出力ライン31の一部(接続点K6から電磁石コイル71までの間)とを含む閉ループ回路が形成される。即ち、第6スイッチQ6のみをオン状態にした場合の閉ループ回路は、第5スイッチQ5のみをオン状態にした場合の閉ループ回路に対して、第6スイッチQ6の還流ダイオードDS6が第6スイッチQ6に、第5スイッチQ5が第5スイッチQ5の還流ダイオードDS5に置き換わった点が異なる。
【0057】
電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路には、負極性での電流(回生電流)が流れる。そして、電磁石コイル71からの電気エネルギーは、第1消費抵抗41と第2消費抵抗42とにより消費される。
【0058】
以上説明した本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第3実施形態において第1実施形態と同一の箇所については同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、
図10に示されるように、電源装置60の消費回路40は、第1実施形態と異なる構成である。
【0060】
図10に示されるように、消費回路40では、第5スイッチQ5のコレクタは、第3消費抵抗43の一端に接続され、エミッタは、第1出力ライン30と接続点K7で接続されている。第6スイッチQ6のコレクタは、第3消費抵抗43の他端に接続され、エミッタは、第2出力ライン31と接続点K8で接続されている。即ち、本実施形態の消費回路40では、第5スイッチQ5に接続されている消費抵抗と、第6スイッチQ6に接続される消費抵抗とを第3消費抵抗43により共通化している。
【0061】
コントローラ50は、正励磁での還流動作の実行後、出力回路20において、第5スイッチQ5のみをオン状態(ON)にする。これにより、第1出力ライン30の一部(接続点K7から電磁石コイル71までの間)と、電磁石コイル71と、第2出力ライン31の一部(電磁石コイル71から接続点K8までの間)と、第6スイッチQ6の還流ダイオードDS6と、第3消費抵抗43と、第5スイッチQ5とを含む閉ループ回路が形成される。電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路に正極性での電流が流れる。そして、電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーは、第3消費抵抗43により消費される。
【0062】
コントローラ50は、逆励磁での還流動作の実行後、出力回路20において、第6スイッチQ6のみをオン状態(ON)にする。これにより、電磁石コイル71と、第1出力ライン30の一部(電磁石コイル71から接続点K7までの間)と、第5スイッチQ5の還流ダイオードDS5と、第3消費抵抗43と、第6スイッチQ6と、第2出力ライン31の一部(接続点K8から電磁石コイル71までの間)とを含む閉ループ回路が形成される。即ち、第6スイッチQ6のみをオン状態にした場合の閉ループ回路は、第5スイッチQ5のみをオン状態にした場合の閉ループ回路に対して、第6スイッチQ6の還流ダイオードDS6が第6スイッチQ6に、第5スイッチQ5が第5スイッチQ5の還流ダイオードDS5に置き換わった点が異なる。
【0063】
電磁石コイル71に蓄電された電気エネルギーにより、閉ループ回路には、負極性での電流(回生電流)が流れる。そして、電磁石コイル71からの電気エネルギーは、第3消費抵抗43により消費される。
【0064】
以上説明した本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
(その他の実施形態) 本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上述の実施形態では、コントローラ50は、力行動作と回生動作との間で、還流動作を行った。これに代えて、コントローラ50は、力行動作と回生動作との間で、還流動作を行わなくともよい。
コントローラ50は、還流動作を行う場合でも、上述のように、検出端子P7に入力される電流より、電磁石コイル71に流れる電流が、所定の判定電流を超えたことを判定した場合に限り、還流動作を行うものであってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、電源装置60は、交流電源90を含んでいない構成であった。これに代えて、電源装置60は、交流電源90をその構成に含んでいてもよい。
上述の実施形態では、整流回路10に三相交流が入力される構成であった。これに代えて、整流回路10に単相交流が入力される構成でもよく、出力回路20に対して直接直流電力を供給する構成でもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…整流回路、20…出力回路、30…第1出力ライン、31…第2出力ライン、40…消費回路、41…第1消費抵抗、42…第2消費抵抗、50…コントローラ(制御部)、60…電源装置、70…リフティングマグネット、71…電磁石コイル、90…交流電源