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特開2024-156248乾燥機、乾燥用ホルダー、および乾燥ユニット
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  • 特開-乾燥機、乾燥用ホルダー、および乾燥ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156248
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】乾燥機、乾燥用ホルダー、および乾燥ユニット
(51)【国際特許分類】
   F26B 9/00 20060101AFI20241029BHJP
   D06F 59/00 20060101ALI20241029BHJP
   D06F 59/04 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
F26B9/00 A
D06F59/00 A
D06F59/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070550
(22)【出願日】2023-04-24
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】523039204
【氏名又は名称】合同会社blue tube
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】土屋 敦史
【テーマコード(参考)】
3B168
3L113
【Fターム(参考)】
3B168AB27
3B168AD03
3B168AE02
3B168BA55
3L113AA01
3L113AB01
3L113AC07
3L113AC48
3L113AC49
3L113AC52
3L113AC69
3L113BA06
3L113BA09
3L113DA01
(57)【要約】
【課題】内部に多くの水を含む被乾燥物を効率的に乾燥させることができる乾燥機を提供する。
【解決手段】
本発明に係る乾燥機は、周壁が径方向に貫かれた複数の貫通孔を有する中空状の筐体と、筐体の内部のうち、貫通孔の上方に配置された送風ファンと、複数の貫通孔それぞれに連結された複数のコネクタと、複数のコネクタそれぞれに接続され、送風ファンからの送風を外部に向けて排出する可撓性を備えた複数のチューブと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁を径方向に貫く複数の貫通孔を有する中空状の筐体と、
前記筐体の内部のうち、前記貫通孔の上方に配置された送風ファンと、
複数の前記貫通孔それぞれに連結された複数のコネクタと、
複数の前記コネクタそれぞれに接続され、前記送風ファンからの送風を外部に向けて排出する可撓性を備えた複数のチューブと、を備えた乾燥機。
【請求項2】
前記筐体は、円筒状の本体筒と、前記本体筒の下端開口を閉塞する有底筒状の底蓋12と、を有し、
前記送風ファンは、前記筐体の上端開口に挿入されている、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記コネクタは、前記周壁から径方向の内側に向けて突出し、
前記送風ファンは、複数の前記コネクタのうち、最上部に位置する前記コネクタと干渉することで、前記筐体と軸方向に位置決めされている、請求項2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記周壁における上端縁には、前記送風ファンの電源コードが挿入される引込口が形成されている、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記コネクタは、前記周壁から径方向の外側に向けて突出し、
前記チューブは、前記コネクタの内部に挿入されている、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項6】
前記チューブは、径方向の外側に向かうに従って、次第に周方向の一方側に向けて延びるように湾曲している、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項7】
前記チューブの先端には、当該先端の位置を固定可能な固定部材が取り付けられている、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項8】
上下方向に延びる複数のピラー部材、および横方向に延びるとともに複数の前記ピラー部材と連結されるビーム部材を有し、
請求項1から7のいずれかに記載の乾燥機を使用する際に、前記ピラー部材の先端に被乾燥物が引っ掛けられることで、当該被乾燥物を保持する乾燥用ホルダー。
【請求項9】
前記ピラー部材の先端には、請求項5に記載の乾燥機を使用する際に、前記固定部材が着脱自在に取り付けられる取り付け部が形成されている、請求項8に記載の乾燥用ホルダー。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の乾燥機と、
請求項8又は9のいずれか1項に記載の乾燥用ホルダーと、を備えた乾燥ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乾燥機、乾燥用ホルダー、および乾燥ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、靴を乾燥させるための乾燥機が広く用いられている。
例えば、下記特許文献1には、乾燥機の吹出口を被乾燥物である靴の内部に配置して靴の内部に送風を行う乾燥機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3085286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サーフブーツやサーフグローブ等のようなマリンスポーツで使用される道具は使用後に内部に水を多く含んだ状態となる。このため、例えば特許文献1に記載の乾燥機を用いて乾燥を試みると、内部の水が乾燥機の内部に進入することで不具合が生じ、乾燥機の故障の原因となることがあった。
このため、内部に多くの水を含むサーフブーツやサーフグローブを効率的に乾燥させることができる乾燥機が求められていた。
【0005】
本開示の目的は、内部に多くの水を含む被乾燥物を効率的に乾燥させることができる乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乾燥機は、周壁が径方向に貫かれた複数の貫通孔を有する中空状の筐体と、筐体の内部のうち、貫通孔の上方に配置された送風ファンと、複数の貫通孔それぞれに連結された複数のコネクタと、複数のコネクタそれぞれに接続され、送風ファンからの送風を外部に向けて排出する可撓性を備えた複数のチューブと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、内部に多くの水を含む被乾燥物を効率的に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る乾燥機の外観図である。
図2図1に示す乾燥機の縦断面図である。
図3図2に示す送風ファンの外観図である。
図4図1に示す乾燥機から送風ファンを取り外した状態の平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る乾燥用ホルダーの外観図である。
図6】本発明の一実施形態に係る乾燥ユニットの外観図である。
図7図6に示す乾燥ユニットの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)乾燥機1の構成
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
本発明の一実施形態に係る乾燥機1は、例えばサーフィンなどのマリンスポーツに用いられる道具(装身具)の乾燥に特に適した乾燥器具である。以下の説明では、サーフグローブおよびサーフブーツを乾燥させる場合の使用を例に挙げて説明する。
【0011】
サーフグローブおよびサーフブーツは、冬季サーフィンでは防寒の観点から必需品である。しかしながら、これらの道具は、その高い防水性のために内部を乾燥させにくいという懸念があった。このため、例えば連日使用をする場合には、内部が十分に乾燥していないことでの着用時の不快感、および常に湿潤環境にあるため内部に細菌が繁殖し、悪臭が発生しやすいという問題があった。
【0012】
また、サーフグローブおよびサーフブーツは、一般的な靴乾燥機では、サイズが合わないこともあり、内部の水分が靴乾燥機に進入することによる機器の破損のおそれもあった。本発明の乾燥機1は、このような課題を解決する構成を備えている。
【0013】
図1は、乾燥機1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、乾燥機1は、円筒状の筐体10と、筐体10の上方に配置された送風ファン20と、筐体10に連結された複数のコネクタ30と、複数のコネクタ30それぞれに接続された複数のチューブ40と、を備えている。これらの各部材の構成について順に説明する。
【0014】
なお、以下の説明において、円筒状の筐体10の中心軸Oが延びる方向を軸方向とし、横方向のうち、中心軸Oと直交する方向を径方向とする。また、平面視において、中心軸O周りに周回する方向を、周方向とする。
【0015】
(1-1)筐体10の構成
まず、筐体10の構成について説明する。図2は、図1に示す乾燥機1の縦断面図である。
図1および図2に示すように、筐体10は、本体筒11と底蓋12とを備えている。
本体筒11は、中心軸Oが上下に延びる中空状を呈している。本体筒11は上下の双方向に対して開口する円筒状を呈している。
【0016】
本体筒11には、周壁11Aを径方向に貫く貫通孔13が形成されている。貫通孔13は、軸方向および周方向に間隔をあけて複数配置されている。
図示の例では、筐体10には、軸方向に2つずつ、周方向に4つずつの合計8個の貫通孔13が形成されている。なお、貫通孔13の数量は任意に選択することができる。
【0017】
底蓋12は、平面視で円形となる有底筒状を呈している。底蓋12は、平面視で円形の底部と、底部の外周縁の全周に形成され、底部から軸方向に延びる外壁部と、を備えている。
外壁部の径方向の内側の大きさは、本体筒11の周壁11Aの外形よりも大きくなっている。このため、本体筒11は、底蓋12における外壁部の内部に嵌め合わされる。これにより、底蓋12は、本体筒11の下端開口11Cを閉塞する。
本体筒11の周壁11Aにおける上端縁には、送風ファン20の電源コード22が挿入される引込口11Dが形成されている。
【0018】
(1-2)送風ファン20の構造
次に、図1に示す送風ファン20の構成について説明する。図3は、図2に示す送風ファン20の外観図である。
図3に示すように、送風ファン20は、ダクト用換気性として用いられるダクトファンである。送風ファン20は、主に、回転により送風を行う羽根車21Aと、羽根車21Aを回転させるモーター(不図示)と、を備えている。
【0019】
羽根車21Aおよびモーターは、ファン本体21の内部に内蔵されている。ファン本体21には、モーターに電力を供給する電源コード22が接続されている。送風ファン20は、図示しないスイッチをオンにすることで、定常的に羽根車21Aを回転させることで、継続的な送風を実行する。ファン本体21は円筒状を呈し、
【0020】
図2に示すように、送付ファンは、筐体10の内部のうち、貫通孔13の上方に配置されている。送風ファン20は、筐体10の上端開口11Bに挿入されている。ファン本体21の外形は、本体筒11の周壁11Aの外形よりも僅かに小さい。このため、ファン本体21の外周面と、本体筒11の内周面と、の間には隙間が形成されている。
【0021】
なお、送風ファン20にはヒータは設けられていない。ヒータが設けられていると熱の影響によりゴム製品であるサーフグローブやサーフシューズが変形するおそれがあるためである。なお、ゴム製品への使用をしない場合には、ヒータが内蔵された送風ファン20を用いてもよい。
【0022】
(1-3)コネクタ30の構造
次に、コネクタ30の構造について説明する。図4は、図1に示す乾燥機1から送風ファン20を取り外した状態の平面図である。
図2に示すように、コネクタ30は、複数の貫通孔13それぞれに連結されている。コネクタ30は、本体筒11の周壁11Aとの気密を確保した状態で、貫通孔13の内部に挿入されている。このため、コネクタ30には、周壁11Aから径方向の内側に向けて突出する内側突出部30Bと、周壁11Aから径方向の外側に向けて突出する外側突出部と、が形成される(図4参照)。
【0023】
そして、図2に示すように、送風ファン20は、複数のコネクタ30のうち、最上部に位置するコネクタ30と干渉することで、筐体10と軸方向に位置決めされている。すなわち、送風ファン20におけるファン本体21の外形は、本体筒11の周壁11Aの外形よりも小さいが、コネクタ30の内側突出部30Bと上下方向に干渉することで、本体筒11の内部への没入が回避され、ファン本体21の軸方向の一部が本体筒11から露出した状態で保持されている。
【0024】
(1-4)チューブ40の構造
次に、チューブ40の構造について説明する。
図2および図4に示すように、チューブ40は、複数のコネクタ30それぞれに接続されている。チューブ40は、コネクタ30の外側突出部の内部に挿入されている。図示の例では、チューブ40は、コネクタ30の外側突出部の内側に気密を確保した状態で挿入されている。このため、チューブ40は、送風ファン20からの送風を外部に向けて排出する。
【0025】
チューブ40は可撓性を備えた合成樹脂材料により形成されている。
図1に示すように、チューブ40は、径方向の外側に向かうに従って、次第に周方向の一方側に向けて延びるように湾曲している。チューブ40の先端40Aには、当該先端40Aの位置を固定可能な固定部材41が取り付けられている。
【0026】
固定部材41は、ヒンジを介して連結されたスリーブをユーザの操作により回動させることで、スリーブにより構成されるゲートが開閉可能なカナビラ様の構造を備えている。固定部材41は、チューブ40の先端40Aに形成された挿入孔を貫くように配置されている。図示の例では、8本のチューブ40のうち、2本の先端40Aに固定部材41が取り付けられている。
【0027】
(2)乾燥用ホルダー2の構造
次に、乾燥機1とともに使用される乾燥用ホルダー2の構造について説明する。図5は、乾燥用ホルダー2の外観図である。乾燥用ホルダー2は、被乾燥物の内部に送風ファン20からの送風を円滑に供給するために、被乾燥物の姿勢を保持する器具である。
【0028】
図5に示すように、乾燥用ホルダー2は、上下方向に延びる複数のピラー部材50と、横方向に延びるとともに複数のピラー部材50と連結されるビーム部材51を有している。
乾燥用ホルダー2は、全体として直方体状の空間を示す構造を有している。ピラー部材50は、乾燥長ホルダー全体の縦の辺に沿って延びる第1ピラー部材50Aと、第1ピラー部材50Aの水平方向の内側に設けられた第2ピラー部材50Bと、を備えている。
【0029】
第1ピラー部材50Aは、木材により形成され、木材であるビーム部材51により互いに連結されている。
第2ピラー部材50Bは、一定の剛性を備えつつ、任意に形状を変更可能な線状の金属部材により形成されている。第2ピラー部材50Bの先端には、乾燥機1のチューブ40の先端40Aに取り付けられた固定部材41が着脱自在に取り付けられる取り付け部50Cが形成されている。
【0030】
(3)乾燥ユニット100の構造
次に、乾燥機1と乾燥用ホルダー2とにより構成される乾燥ユニット100の構造について説明する。図6は、乾燥ユニット100の外観図である。図7は、乾燥ユニット100の使用状態を示す図である。乾燥ユニット100は、前述した乾燥機1と乾燥用ホルダー2とにより効率的に被乾燥物を乾燥するための乾燥用設備である。
【0031】
図6および図7に示すように、乾燥ユニット100では、乾燥用ホルダー2の、ピラー部材50の先端に被乾燥物が引っ掛けられることで、当該被乾燥物が保持される。この際、サーフグローブおよびサーフシューズは、内部にピラー部材50が挿入されるように乾燥用ホルダー2にセットされる。この状態において、複数のチューブ40は、先端40Aが被対象物の内部に位置するように、任意の形状に調整されながらホルダーに保持される被対象物の内部に挿入される。
【0032】
この際、図6に示すように、第2ピラー部材50Bの取り付け部50Cに、チューブ40の先端40Aに取り付けられた固定部材41が着脱自在に取り付けられている。これにより、チューブ40の先端40Aが、第2ピラー部材50Bの先端近傍に固定されている。
【0033】
(4)乾燥ユニット100の使用方法
次に、このような乾燥ユニット100を用いて被乾燥物を乾燥させる際の使用方法について説明する。図7は、乾燥ユニット100の使用状態を示す図である。
【0034】
図7に示すように、被乾燥物であるサーフグローブGおよびサーフシューズSは、それぞれ、ピラー部材50に引っ掛けられることで、ホルダーにより保持されている。
そして、サーフグローブGの内側には1本のチューブ40が挿入され、サーフシューズSの内側には3本のチューブ40が挿入されている。挿入するチューブ40の本数は被乾燥物の大きさ、内部構造、および材質などにより決まる乾燥のしやすさと、送風ファン20からの送風の出力により任意に選択することができる。
【0035】
この状態において、送風ファン20のスイッチをONにすることで、送風ファン20から排気される空気が筐体10の内部を通ってコネクタ30を介してチューブ40の内部に届き、チューブ40の先端40Aから被乾燥物の内部に送出される。このような一連の空気の流れを維持することで、被乾燥物を乾燥させることができる。例えば数時間の間、送風ファン20を駆動させたのちに送風ファン20のスイッチをOFFにし、被乾燥物の内部が十分に乾燥していることを確認することで、乾燥作業が終了する。
【0036】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態に係る乾燥機1では、貫通孔13が形成された中空状の筐体10と、貫通孔13の上方に配置された送風ファン20と、送風ファン20からの送風を外部に向けて排出するチューブ40と、を備えている。このため、チューブ40の先端40Aを被乾燥物の内部に挿入し、送風ファン20からの排気により被乾燥物の内部を効果的に乾燥させることができる。
【0037】
また、乾燥機1では、筐体10の貫通孔13よりも送風ファン20が上方に配置されているので、仮に被乾燥物の内部に含まれる水がチューブ40の内部から筐体10の内部に進入しても、送風ファン20の内部に水が進入することがなく、水が送風ファン20に進入して不具合を起こすことを回避することができる。
【0038】
また、乾燥機1では、チューブ40が可撓性を備えているので、チューブ40の先端40Aを被乾燥物の内部に挿入する際に、チューブ40を空気の流れが阻害されない程度に折り曲げてチューブ40の先端40Aを被乾燥物の内部に配置することができ、被乾燥物の内部構造に合わせて自由度の高いチューブ40の配置をすることができる。これにより、どのようなサイズの被乾燥物に対しても、内部に十分に空気を送ることができる。
【0039】
また、乾燥機1では、チューブ40が、筐体10の貫通孔13それぞれに連結されたコネクタ30に接続されているので、チューブ40と筐体10との間の気密性を確保することができ、送風ファン20からの排気が漏れることなくチューブ40を先端40Aまで送出することが可能になり、乾燥機1全体の排気効率を確保することができる。
【0040】
また、乾燥機1では、送風ファン20にヒータが設けられていないので、ゴム製品である被乾燥物の熱による変形を回避することができる。
【0041】
また、乾燥機1では、筐体10が、円筒状の本体筒11と、本体筒11の下端開口11Cを閉塞する有底筒状の底蓋12と、を有し、送風ファン20は、筐体10の上端開口11Bに挿入されている。このため、一般に広く流通している配管資材を筐体10とし、汎用的な円筒状のダクトファンを送風ファン20として利用することができる。これにより、乾燥機1を安価に製造することができる。
【0042】
また、乾燥機1では、コネクタ30は、周壁11Aから径方向の内側に向けて突出し、送風ファン20は、複数のコネクタ30のうち、最上部に位置するコネクタ30と干渉することで、筐体10と軸方向に位置決めされている。このため、筐体10の内部に送風ファン20の位置決め部材を設けなくても、送風ファン20を常に貫通孔13よりも上方に配置することができる。このため、簡易な構成により製造コストを低減することができる。
【0043】
また、乾燥機1では、周壁11Aにおける上端縁には、送風ファン20の電源コード22が挿入される引込口11Dが形成されている。このため、筐体10の上端開口11Bに送風ファン20を嵌め込んだときに、電源コード22と筐体10の周壁11Aが干渉することを抑え、送風ファン20の筐体10への収まりをよくすることができる。
【0044】
また、乾燥機1では、コネクタ30は、周壁11Aから径方向の外側に向けて突出し、チューブ40は、コネクタ30の内部に挿入されている。このため、チューブ40とコネクタ30の間の気密性を確保することができる。
【0045】
また、乾燥機1では、チューブ40は、径方向の外側に向かうに従って、次第に周方向の一方側に向けて延びるように湾曲している、請求項1に記載の乾燥機1。
【0046】
また、乾燥機1では、チューブ40の先端40Aには、当該先端40Aの位置を固定可能な固定部材41が取り付けられている。このため、チューブ40の先端40Aの位置を、被乾燥物の内部に位置する部分に固定することができる。
【0047】
また、乾燥用ホルダー2が、乾燥機1を使用する際に、ピラー部材50の先端に被乾燥物が引っ掛けられることで、当該被乾燥物を保持する。このため、被乾燥物の姿勢をチューブ40が内部に挿入された状態で保持することが可能になり、例えばサーフブーツの指先の部分など、特に乾燥させにくい部分についても、充分に乾燥させることができる。
【0048】
また、乾燥用ホルダー2の第2ピラー部材50Bの先端に、乾燥機1を使用する際に、チューブ40の先端40Aに設けられた固定部材41が着脱自在に取り付けられる取り付け部50Cが形成されている。このため、第2ピラー部材50Bの先端近傍にチューブ40の先端40Aを保持することができ、第2ピラー部材50Bに引っ掛けられた被乾燥物の内部に十分に空気を送出することができる。
【0049】
(6)その他の変形例
本発明は、上記実施形態の構成に限定されない。
例えば、被乾燥物は、マリンスポーツに用いられる道具でなくてもよい。
また、乾燥機1の筐体10は円筒でなくてもよい。すなわち、筐体10の形状は任意に変更することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能である。
【0051】
(8)付記
以上の実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0052】
(付記1)
周壁11Aを径方向に貫く複数の貫通孔13を有する中空状の筐体10と、
筐体10の内部のうち、貫通孔13の上方に配置された送風ファン20と、
複数の貫通孔13それぞれに連結された複数のコネクタ30と、
複数のコネクタ30それぞれに接続され、送風ファン20からの送風を外部に向けて排出する可撓性を備えた複数のチューブ40と、を備えた乾燥機1。
【0053】
(付記2)
筐体10は、円筒状の本体筒11と、本体筒11の下端開口11Cを閉塞する有底筒状の底蓋12と、を有し、
送風ファン20は、筐体10の上端開口11Bに挿入されている、付記1に記載の乾燥機1。
【0054】
(付記3)
コネクタ30は、周壁11Aから径方向の内側に向けて突出し、
送風ファン20は、複数のコネクタ30のうち、最上部に位置するコネクタ30と干渉することで、筐体10と軸方向に位置決めされている、付記2に記載の乾燥機1。
【0055】
(付記4)
周壁11Aにおける上端縁には、送風ファン20の電源コード22が挿入される引込口11Dが形成されている、付記1に記載の乾燥機1。
【0056】
(付記5)
コネクタ30は、周壁11Aから径方向の外側に向けて突出し、
チューブ40は、コネクタ30の内部に挿入されている、付記1に記載の乾燥機1。
【0057】
(付記6)
チューブ40は、径方向の外側に向かうに従って、次第に周方向の一方側に向けて延びるように湾曲している、付記1に記載の乾燥機1。
【0058】
(付記7)
チューブ40の先端40Aには、当該先端40Aの位置を固定可能な固定部材41が取り付けられている、付記1に記載の乾燥機1。
【0059】
(付記8)
上下方向に延びる複数のピラー部材50、および横方向に延びるとともに複数のピラー部材50と連結されるビーム部材51を有し、
付記1から7のいずれかに記載の乾燥機1を使用する際に、ピラー部材50の先端に被乾燥物が引っ掛けられることで、当該被乾燥物を保持する乾燥用ホルダー2。
【0060】
(付記9)
ピラー部材50の先端には、付記5に記載の乾燥機1を使用する際に、固定部材41が着脱自在に取り付けられる取り付け部50Cが形成されている、付記8に記載の乾燥用ホルダー2。
【0061】
(付記10)
付記1から7のいずれか1項に記載の乾燥機1と、
付記8又は9のいずれか1項に記載の乾燥用ホルダー2と、を備えた乾燥ユニット100。
【符号の説明】
【0062】
1 乾燥機
2 乾燥用ホルダー
10 筐体
11 本体筒
12 底蓋12
13 貫通孔
20 送風ファン
21 ファン本体
22 電源コード
30 コネクタ
40 チューブ
50 ピラー部材
51 ビーム部材
100 乾燥ユニット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7