IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ケーブイケーの特許一覧

<>
  • 特開-センサーユニット 図1
  • 特開-センサーユニット 図2
  • 特開-センサーユニット 図3
  • 特開-センサーユニット 図4
  • 特開-センサーユニット 図5
  • 特開-センサーユニット 図6
  • 特開-センサーユニット 図7
  • 特開-センサーユニット 図8
  • 特開-センサーユニット 図9
  • 特開-センサーユニット 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156260
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】センサーユニット
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20241029BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
E03C1/05
E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070575
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA05
2D060BB01
2D060BE07
2D060BF03
2D060CA04
2D060CC02
2D060CC20
(57)【要約】
【課題】ハーネスが水栓内の他の部材に干渉することを抑制する。
【解決手段】水栓に取り付けて用いられるセンサーユニット20であって、センサーユニット本体21と、センサーユニット本体21に接続されたハーネス22とを備える。センサーユニット本体21は、ハーネス22が接続された接続部と、接続部から延びるハーネス22を係止する係止部とを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓に取り付けて用いられるセンサーユニットであって、
センサーユニット本体と、当該センサーユニット本体に接続されたハーネスとを備え、
前記センサーユニット本体は、前記ハーネスが接続された接続部と、前記接続部から延びるハーネスを係止する係止部とを有することを特徴とするセンサーユニット。
【請求項2】
前記センサーユニット本体は、前記水栓に取り付けられた状態で前記水栓の外周側に面する外周面と、前記水栓の内周側に面する内周面とを有しており、
前記センサーユニット本体は、前記内周面に前記接続部、及び前記係止部を有する請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項3】
前記係止部は、前記センサーユニット本体から延びる腕部を有しており、
前記腕部と前記センサーユニット本体との間に前記ハーネスが係止される請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項4】
前記センサーユニット本体は、前記腕部に対向する位置に凹部を有する請求項3に記載のセンサーユニット。
【請求項5】
前記ハーネスは、前記センサーユニット本体の接続部において、前記内周面に直交する方向に対して前記係止部側に傾斜した方向に延びている請求項2に記載のセンサーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓に取り付けて用いられるセンサーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、検知部を収納した自動水栓について記載している。
図10に示すように、自動水栓90は、スパウト本体91と、スパウト本体91の内部を挿通する給水管92と、スパウト本体91の内部に取り付けられた検知部93とを有する。また、自動水栓90は、検知部93の背面から延びるハーネスとしての電源線94と信号線95とを有している。電源線94は電源アダプター(図示省略)に接続されており、信号線95はバルブ部の電磁弁(図示省略)に接続されている。スパウト本体91の前面開口部には、光透過性物質で形成された窓部96が接着されている。窓部96に手をかざすと、検知部93で手を検知することができる。検知部93で手を検知すると、電磁弁に電気信号が送られることによって、電磁弁の開閉状態が切り替わる。これによって、スパウト本体91の吐水口91aからの吐水や止水が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-132025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の自動水栓90において、ハーネスは検知部93の背面側から突出している。さらにハーネスは湾曲しながら下方に延びている。ハーネスにおける検知部93の背面側から突出した箇所はフリーな状態になっているため、自動水栓90のメンテナンス時等に給水管92に干渉する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
態様1のセンサーユニットは、水栓に取り付けて用いられるセンサーユニットであって、センサーユニット本体と、当該センサーユニット本体に接続されたハーネスとを備え、前記センサーユニット本体は、前記ハーネスが接続された接続部と、前記接続部から延びるハーネスを係止する係止部とを有することを要旨とする。
【0006】
この構成によれば、センサーユニットは、係止部によって接続部から延びるハーネスがフリーな状態で移動することを抑制することができるため、ハーネスが水栓内の他の部材に干渉することを抑制することができる。
【0007】
態様2は、態様1のセンサーユニットにおいて、前記センサーユニット本体は、前記水栓に取り付けられた状態で前記水栓の外周側に面する外周面と、前記水栓の内周側に面する内周面とを有しており、前記センサーユニット本体は、前記内周面に前記接続部、及び前記係止部を有する。この構成によれば、接続部から延びるハーネスを、接続部と同一表面上の係止部で係止することができるため、ハーネスの移動をより効率良く抑制することができる。
【0008】
態様3は、態様1又は2のセンサーユニットにおいて、前記係止部は、前記センサーユニット本体から延びる腕部を有し、当該腕部と前記センサーユニット本体との間に前記ハーネスが係止される。この構成によれば、ハーネスが複数存在する場合であっても全てのハーネスをまとめて簡単に係止することができる。
【0009】
態様4は、態様1~3のいずれか一態様に記載のセンサーユニットにおいて、前記センサーユニット本体は、前記腕部に対向する位置に凹部を有する。この構成によれば、腕部からハーネスに加わる応力を凹部に逃がすことができる。
【0010】
態様5は、態様2に記載のセンサーユニットにおいて、前記ハーネスは、前記センサーユニット本体の接続部において、前記内周面に直交する方向に対して前記係止部側に傾斜した方向に延びている。この構成によれば、接続部においてハーネスに加わる応力を緩和しやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセンサーユニットによれば、ハーネスが水栓内の他の部材に干渉することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、水栓の斜視図である。
図2図2は、センサーユニットを取り外した状態の水栓の斜視図である。
図3図3は、センサーユニットを取り外した状態の水栓の別角度の斜視図である。
図4図4は、固定用部材の斜視図である。
図5図5は、固定用部材の別角度の斜視図である。
図6図6は、センサーユニットの斜視図である。
図7図7は、センサーユニットの分解斜視図である。
図8図8は、水栓に取り付けた状態のセンサーユニットの断面図である。
図9図9は、変更例のセンサーユニットの部分斜視図である。
図10図10は、従来技術の水栓の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
センサーユニットの第1実施形態を説明する。
図1に示すように、水栓10は、キッチンキャビネットのカウンタである壁部11に設置されている。水栓10は、筒状の水栓本体12と、水栓本体12の上部に取り付けられたグースネック状の吐水管13と、水栓本体12の側部に取り付けられたレバーハンドル14とを有する。また、水栓10は、吐水管13の先端に着脱可能に取り付けられた吐水ヘッド15と、壁部11の下方に配置された浄水カートリッジ(図示省略)とを有する。吐水管13は、水栓10の手前側に位置する先端部に吐水口13gを有する。
【0014】
図1、8に示すように、吐水ヘッド15は切替ボタン16を有するとともに、ホース17が接続されている。ホース17は、吐水口13gから吐水管13内を摺動する。水栓10は、吐水管13に取り付けられて、人体等を非接触で検出可能なセンサーユニット20を有する。
【0015】
水栓本体12は、内部に弁部材(図示省略)を有する。弁部材には、給水源に接続された給水用の配管と、給湯源に接続された給湯用の配管と、吐水用の配管(いずれも図示省略)とが接続されている。
【0016】
給水用の配管と給湯用の配管は、水栓本体12から壁部11に設けられた貫通孔(図示省略)を通って下方に延び、給水源と給湯源とに接続されている。
吐水用の配管は、水栓本体12から壁部11に設けられた貫通孔を通って下方に延び、電磁弁(図示省略)に接続されている。
【0017】
電磁弁における吐水用の配管に接続された側の端部とは反対側の端部に、吐水用のホース17が接続されている。このホース17は、壁部11に設けられた貫通孔を通って水栓本体12の内部を通り、吐水管13に収容されている。
【0018】
吐水管13が有するセンサーユニット20において、人の手等が検出されると、その検出に基づく信号が電磁弁の開閉状態を制御する制御部(図示省略)に伝達される。そして、制御部によって、吐水口13gからの吐止水を切り換えるように電磁弁が動作する。これにより、水栓10をセンサー式水栓として使用することができる。
【0019】
図2、3に示すように、吐水管13は、周面に略長方形状の開口部13aを有している。また、開口部13aの周縁に切欠き13bを有している。具体的には、吐水管13は、開口部13aの長手方向の両端部における左右方向の中央部に、長手方向の外側に凸となる一対の切欠き13bを有している。一対の切欠き13bは、開口部13aの一部を構成するものとする。一対の切欠き13bの周縁の形状は、後述する固定用部材30の溝部30aの外形に沿った形状になっている。
【0020】
図2、8に示すように、以下では、吐水管13の開口部13aと、開口部13aに取り付けられたセンサーユニット20の下面(アウターケース50の底壁51の下面)との位置を基準にする。吐水管13の軸方向に沿う先端側を前後方向の前方とし、基端側を前後方向の後方とする。また、水栓10が壁部11に設置された状態を手前側から見て、吐水管13の右側を左右方向の右方とし、吐水管13の左側を左右方向の左方とする。また、吐水管13の径方向における手前側を上下方向の上方とし、奥側を上下方向の下方とする。
【0021】
以下では、センサーユニット20の詳細について説明する。
図2、3に示すように、センサーユニット20は、ネジ孔51b、83aを有するセンサーユニット本体21と、ネジ孔33aを有する一対の固定用部材30と、一対のネジ40とを備える。センサーユニット本体21にハーネス22が接続されている。センサーユニット20は、吐水管13の開口部13aに取り付けて用いられる。
【0022】
<固定用部材>
一対の固定用部材30は同じ形状であるため、以下では、図2の前方に位置する固定用部材30について説明し、後方に位置する固定用部材30については説明を省略する。
【0023】
図4、5に示すように、固定用部材30は、筒状の本体部33を有する。また、本体部33の軸方向に沿う一端側の端部である上端部に第1鍔部31を有する。また、本体部33の軸方向に沿う他端側の端部である下端部に第2鍔部32を有する。本体部33の内周がネジ溝を有するネジ孔33aとなっている。本体部33の軸方向に沿う長さは、吐水管13の周壁13cの厚さよりも大きく構成されている。
【0024】
第1鍔部31は、本体部33の前方側と、左右両側とにおいて、本体部33の径方向外側に突出している。第2鍔部32は、本体部33の左右両側において、本体部33の径方向外側に突出している。
【0025】
図5に示すように、本体部33の後端部側に、第1鍔部31と第2鍔部32は形成されてなく、第1鍔部31と第2鍔部32の後端部は、本体部33の後端部と面一になっている。
【0026】
本体部33の軸方向に沿って、言い換えれば上下方向に沿って固定用部材30を見た際に、本体部33、第1鍔部31は、前方側が凸となるように湾曲している。また、本体部33、第1鍔部31、及び第2鍔部32の後端部は、左右方向に略直線状に延びている。
【0027】
上下方向において、第1鍔部31と第2鍔部32は、一定の間隔をおいて設けられており、第1鍔部31と第2鍔部32の間に溝部30aが形成されている。溝部30aの形状は、後述する吐水管13の開口部13aが有する切欠き13bの周縁の形状と略等しくなっている。また、溝部30aの幅は、吐水管13の周壁13cの厚さと略等しいか、周壁13cの厚さよりも若干大きくなっている。溝部30aの幅は、吐水管13の周壁13cの厚さよりも若干小さくなっていて、溝部30aが吐水管13の周壁13cに無理嵌めされるように構成されていてもよい。
【0028】
固定用部材30を前方から見ると、固定用部材30は、左右両外側が若干上方に位置するように湾曲している。固定用部材30が上記のように湾曲していることによって、固定用部材30を吐水管13の開口部13aに取り付けた際に、吐水管13の周壁13cの形状に沿った状態で取り付けることができる。
【0029】
固定用部材30の材質は特に制限されない。固定用部材30の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。ネジ孔33aのネジ溝部分は、金属製であることが好ましい。例えば、内周にネジ溝が形成された金属製の筒状体を用意し、この筒状体の外周に樹脂を一体成形することによって、固定用部材30を製造してもよい。
【0030】
<センサーユニット本体>
図2、3に示すように、センサーユニット本体21は、横長の箱状に構成されており、上面にハーネス22が接続されている。具体的には、センサーユニット本体21は、吐水管13の開口部13aに取り付けた状態で、水栓10の外周側に面する外周面としてのアウターケース50の底壁51の下面を有している。また、水栓10の内周側に面する内周面としてのアウターカバー80の天壁81の上面を有している。この上面にハーネス22が接続されている。後述するように、センサーユニット本体21においてハーネス22が接続された箇所を接続部というものとする。
【0031】
センサーユニット本体21を前方から見ると、センサーユニット本体21は、上下方向よりも左右方向に長い略矩形状である。また、センサーユニット本体21の上面は、左右方向の中央部が下方に凸となるように湾曲している。
【0032】
図8に示すように、センサーユニット本体21を左右方向から見ると、センサーユニット本体21は、前後方向の中央部が上方に凸となるように湾曲している。センサーユニット本体21が上記のように湾曲していることによって、センサーユニット本体21を吐水管13の開口部13aに取り付けた際に、吐水管13の周壁13cの形状に沿った状態で取り付けることができる。
【0033】
図7に示すように、センサーユニット本体21は、アウターケース50と、インナーケース60と、インナーカバー70と、アウターカバー80とを有する。
(アウターケース)
図7に示すように、アウターケース50は、長尺で矩形板状の底壁51を有する。また、アウターケース50は、底壁51における短手方向の両端部に、底壁51の厚さ方向である上下方向に沿って延びる一対の側壁52を有する。一対の側壁52の上端部は、底壁51の長手方向である前後方向の中央部が最も高くなるように曲線状になっている。
【0034】
アウターケース50は、底壁51の長手方向における略中央部に、ボタン51aを有する。このボタン51aは、壁部11の下方に配置された浄水カートリッジを交換した際に、交換時期の表示設定をリセットするために使用される。
【0035】
アウターケース50は、底壁51の長手方向においてボタン51aを挟んだ両外側に、底壁51の厚さ方向に突出するとともに、底壁51の短手方向に沿って延びる一対の区画壁53を有する。一対の区画壁53の左右方向の両端部は、一対の側壁52に接続されている。底壁51の長手方向における一対の区画壁53の両外側に、一対のネジ孔51bを有する。このネジ孔51bは、内周にネジ溝を有してなく、ネジ40を螺合させずに挿入することができるように構成されている。
【0036】
図3に示すように、ネジ孔51bは、ネジ40のネジ頭を収容することができるように下端部の内径が若干大きく構成されている。
一対の区画壁53の高さは、左右両側に位置する側壁52の高さよりも若干低く構成されている。また、一対の区画壁53の上端部は、左右方向の中央部が最も下方に位置するように曲線状になっている。底壁51、一対の側壁52、及び一対の区画壁53によって囲まれた箇所が、後述するインナーケース60を収容する収容部となる。
【0037】
また、一対の側壁52は、側壁52の下端部から上端部側に延びるとともに内周側に突出した第1肉厚部52aを有する。第1肉厚部52aの上端部は、後述するインナーケース60の縦壁部62の上端部と同じ曲線状になっている。底壁51の上面から第1肉厚部52aの上端部までの長さは、後述するインナーケース60の横壁部61の厚さと縦壁部62の高さの合計の長さよりも長い。
【0038】
また、一対の区画壁53は、第1肉厚部52aに連続する第2肉厚部53aを有する。第2肉厚部53aの上端部は、後述するインナーカバー70の長手方向の両端部と同じ曲線状になっている。
【0039】
図7に示すように、一対の側壁52は、底壁51の長手方向において区画壁53よりも両外側の位置であって、一対の側壁52の互いに対向する内周側の位置に被係合部としての凹部52bを有する。この凹部52bに、後述するアウターカバー80の係合部としての爪部83bが係合することによって、アウターカバー80はアウターケース50に固定された状態で取付けられる。
【0040】
アウターケース50の材質は特に制限されない。アウターケース50の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。後述するように、少なくとも内部に収容されるセンサー部品による人の手等の検知を妨げないように、光透過性を有する等、センサーの種類に合わせた材質であることが好ましい。
【0041】
(インナーケース)
図7に示すように、インナーケース60は、長尺で矩形板状の横壁部61を有する。また、インナーケース60は、横壁部61における短手方向の両端部に、横壁部61の厚さ方向である上下方向に沿って延びる一対の縦壁部62を有する。
【0042】
横壁部61の長手方向の長さは、アウターケース50の一対の区画壁53の間隔よりも若干小さく構成されている。また、横壁部61の短手方向の長さは、アウターケース50の一対の側壁52の間隔よりも若干小さく構成されている。横壁部61は、アウターケース50の収容部に収容できる大きさを有しており、アウターケース50の収容部に収容された際に、アウターケース50のボタン51aに重なる位置に矩形状の貫通孔61aを有している。
【0043】
一対の縦壁部62の上端部は、前後方向の中央部が最も高くなるように曲線状になっている。一対の縦壁部62は、長手方向の中央部に、長手方向に長い貫通孔62aを有している。
【0044】
インナーケース60の横壁部61、及び一対の縦壁部62の内周側や各貫通孔61a、62aには、図示を省略したセンサーが取り付けられている。具体的には、センサーを構成する基板等の複数の部品(以下、センサー部品ともいう。)が取り付けられている。センサー部品にハーネス22が接続されている。
【0045】
センサーの種類としては、特に制限されず、公知の非接触式のセンサーを採用することができる。公知の非接触式のセンサーとしては、例えば光電センサー、レーザーセンサー、赤外線センサー、電波センサー等が挙げられる。
【0046】
例えば右側の縦壁部62の貫通孔62aに原水の吐止水を切り換えるセンサーを配置し、左側の縦壁部62の貫通孔62aに浄水の吐止水を切り換えるセンサーを配置してもよい。これにより、原水の吐水と浄水の吐水を切り換えることが可能になる。
【0047】
図2に示すように、ハーネス22には、コネクタ23を介して配線(図示省略)が接続されている。ハーネス22を介して電源から電力を供給されたり、制御部との間で電気信号の送受信を行ったりできるように構成されている。ハーネス22は、リード線ともいう。
【0048】
インナーケース60の材質は特に制限されない。インナーケース60の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。
(インナーカバー)
図7に示すように、インナーカバー70は、長尺で矩形板状に構成されている。インナーカバー70の長手方向の長さは、インナーケース60の横壁部61の長手方向の長さに略等しい。インナーカバー70の短手方向の長さは、インナーケース60の横壁部61の短手方向の長さよりも若干長く、アウターケース50の一対の側壁52における第1肉厚部52a以外の箇所同士の間隔に略等しい。
【0049】
図8に示すように、インナーカバー70を左右方向から見ると、インナーカバー70は、長手方向である前後方向の中央部が最も上方に位置するように曲線状になっている。
図7に示すように、インナーカバー70は、インナーケース60の一対の縦壁部62の上端部に沿う形状になっている。インナーカバー70を前後方向から見ると、インナーカバー70は、左右方向の両端部が左右方向に延びるとともに、中央部が下方に位置するように曲線状になっている。インナーカバー70の長手方向の両端部は、アウターケース50の一対の区画壁53における第2肉厚部53aの上端部に沿う形状になっている。
【0050】
図7に示すように、インナーカバー70は、長手方向の中央部よりも若干後方側に、下方に窪んだ凹部70aを有する。凹部70aの外周縁は、前後方向に長い四角形となっている。凹部70aは周壁72を有しており、周壁72の下端部に底部71を有している。底部71の外周縁は、前後方向において凹部70aの外周縁よりも小さい四角形となっている。周壁72のうち、前後方向の前方側に位置する周壁72を第1周壁72a1、後方側に位置する周壁72を第2周壁72a2とする。
【0051】
図8に示すように、第1周壁72a1は、上方に向かうにつれて前方側に傾斜している。第2周壁72a2は、上方に向かうにつれて後方側に傾斜している。第2周壁72a2の傾斜角度は、第1周壁72a1の傾斜角度よりも大きい。
【0052】
図8に示すように、第1周壁72a1は、貫通孔72bを有している。この貫通孔72bにパッキンとして機能するゴムブッシュ73が取り付けられている。また、ゴムブッシュ73を挿通した状態で、ハーネス22はインナーカバー70の内部に挿通されている。貫通孔72bにゴムブッシュ73が取付けられていることによって、貫通孔72bを通過するハーネス22の周囲が水密状態になっている。
【0053】
本発明では、インナーカバー70の凹部70aを、センサーユニット本体21の凹部70aともいう。
図8に示すように、凹部70aの第1周壁72a1が前方側に傾斜しているため、第1周壁72a1の貫通孔72bに取り付けられたゴムブッシュ73から、ハーネス22は上方に対して斜め後方に傾斜して延びている。
【0054】
インナーカバー70の材質は特に制限されない。インナーカバー70の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。
(アウターカバー)
図7に示すように、アウターカバー80は、長尺で矩形板状の天壁81を有する。アウターカバー80は、天壁81における長手方向の両端部に、天壁81の厚さ方向である上下方向の下方に延びる一対の垂下壁82を有する。
【0055】
アウターカバー80は、天壁81と一対の垂下壁82とに跨って配置された環状のパッキン85を有する。天壁81は、長手方向に延びるとともに上方に突出する一対の仕切り壁81aを有する。一対の仕切り壁81aは、左右方向に一定の間隔をおいて延びている。一対の仕切り壁81aの外側に環状のパッキン85が配置される。
【0056】
図7に示すように、アウターカバー80は、一対の垂下壁82の下端部から、長手方向の両外側に延びる一対の台座壁83を有する。一対の台座壁83は、ネジ孔83aを有する。このネジ孔83aは、内周にネジ溝を有してなく、ネジ40を螺合させずに挿入することができるように構成されている。後述のように、センサーユニット20を、吐水管13の開口部13aに取り付ける際に、台座壁83上に固定用部材30を配置する。
【0057】
また、一対の台座壁83は、左右方向の両端部から上方に延びるとともに、左右方向の外側に突出する係合部としての爪部83bを有する。
図7に示すように、天壁81の長手方向の長さは、インナーケース60の横壁部61における長手方向の長さよりも長い。天壁81の短手方向の長さは、インナーケース60の横壁部61における短手方向の長さに略等しい。
【0058】
図8に示すように、天壁81を左右方向から見ると、天壁81は、長手方向である前後方向の中央部が最も上方に位置するように曲線状になっている。また、天壁81を前後方向から見ると、天壁81は、左右方向の両端部が左右方向に延びるとともに、一対の仕切り壁81aよりも中央部側が下方に位置するように曲線状になっている。天壁81は、インナーカバー70の上面に沿う形状になっている。天壁81が上記のように曲線状の形状であることによって、センサーユニット20を吐水管13の開口部13aに取り付けた際に、天壁81の上面が、吐水管13の周壁13cに沿った状態になる。そのため、天壁81が吐水管13内の他の部材、例えばホース17に干渉しにくくなる。
【0059】
図6、7に示すように、天壁81は、長手方向の中央部よりも若干後方側に、矩形状の貫通孔81bを有している。この貫通孔81bは、アウターカバー80をインナーカバー70上に配置した際に、インナーカバー70の凹部70aに重なる位置に設けられている。天壁81は、貫通孔81bの後端部の周縁に、上方に対して斜め後方に傾斜したテーパ部81dを有する。テーパ部81dにおける傾斜角度は、貫通孔81bの後端部以外における周縁の傾斜角度よりも大きい。テーパ部81dを有することによって、テーパ部81dにハーネス22が干渉してもハーネスの摩耗や損傷を抑制することができる。
【0060】
アウターカバー80は、天壁81の貫通孔81bよりも左側に、上方に突出するとともに屈曲して右方に延びる係止部としての腕部81cを有している。腕部81cの先端は、開放されている。また、腕部81cの先端に、下方に突出した爪部(図示省略)が形成されている。爪部が形成されていることによって、後述のように腕部81cにハーネス22を係止した際に、ハーネス22がはずれにくくなる。
【0061】
アウターカバー80の材質は特に制限されない。アウターカバー80の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。
<ネジ>
図2、3、6、7に示すように、ネジ40は、センサーユニット本体21のネジ孔、具体的には、アウターケース50のネジ孔51bとアウターカバー80の台座壁83のネジ孔83aに挿入した際に、ネジ頭が台座壁83上に突出する。突出したネジ頭を、固定用部材30のネジ孔33aのネジ溝に螺合させることによって、センサーユニット20を構成する各部材は一体に組み付けられる。
【0062】
以下では、センサーユニット本体21を組み立てる手順について説明する。
<センサーユニット本体の組み立て手順>
図7、8に示すように、まず、インナーカバー70の貫通孔72bに取り付けられていないゴムブッシュ73を用意する。次に、ハーネス22を用意して、ハーネス22の先端側をアウターカバー80の天壁81の貫通孔81bを挿通させた後、ゴムブッシュ73に挿通させる。ゴムブッシュ73を挿通したハーネス22の先端側をインナーカバー70の貫通孔72bに挿入する。さらに、ハーネス22の先端部を、インナーケース60内のセンサー部品に接続する。
【0063】
次に、インナーケース60の一対の縦壁部62の上端部に、インナーカバー70を接着剤で接続する。インナーカバー70の短手方向の長さが、インナーケース60の横壁部61の短手方向の長さよりも若干長いため、インナーカバー70の短手方向の両端部は、インナーケース60の一対の縦壁部62の上端部よりも左右方向に若干突出した状態になる。ハーネス22が挿通したゴムブッシュ73を、インナーカバー70の貫通孔72bに取り付ける。
【0064】
次に、接続されたインナーケース60とインナーカバー70とを、アウターケース50の収容部に収容する。インナーカバー70の外周縁が、アウターケース50の一対の側壁52における第1肉厚部52aと、一対の区画壁53における第2肉厚部53a上に載置された状態でインナーケース60とインナーカバー70は収容される。
【0065】
図7、8に示すように、ボタン51aが作動するためのインナーケース60の貫通孔61aがボタン51a直上に配置される。
次に、アウターケース50にアウターカバー80を取り付ける。アウターカバー80の一対の台座壁83に設けられた爪部83bが、アウターケース50の一対の側壁52に設けられた凹部52bに係合することによって、アウターカバー80はアウターケース50に固定された状態になる。この状態で、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bは、インナーカバー70の凹部70aに重なる位置に配置される。また、アウターカバー80の腕部81cも、インナーカバー70の凹部70aに重なる位置に配置される。
【0066】
図6に示すように、インナーカバー70のゴムブッシュ73から突出するとともに、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bを挿通した状態で延びるハーネス22を、アウターカバー80の腕部81cの下側に配置する。ハーネス22をアウターカバー80の腕部81cの下側に配置することによって、ハーネス22は腕部81cに係止された状態になるため、ハーネス22がフリーな状態で移動することが抑制される。
【0067】
次に、インナーカバー70の凹部70aにウレタン樹脂(図示省略)を流し込む。ウレタン樹脂は、インナーカバー70の凹部70aに位置する貫通孔72bと、この貫通孔72bに取り付けられたゴムブッシュ73とが共に埋設される程度充填する。すなわち、ウレタン樹脂は、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bを塞ぐ位置まで充填するのではなく、アウターカバー80の天壁81より下方の位置まで充填する。ウレタン樹脂に埋設することによって、凹部70aに位置する貫通孔72b、ゴムブッシュ73、及びゴムブッシュ73を挿通したハーネス22の周囲が水密状態になる。
【0068】
図8に示すように、ウレタン樹脂を充填した状態で、ハーネス22は、インナーカバー70の凹部70aにおける樹脂が充填された箇所から、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bを挿通した状態で延びる。そのため、本発明では、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bを、センサーユニット本体21においてハーネス22が接続された接続部とする。センサーユニット本体21は、アウターカバー80の天壁81の上面である内周面に、接続部と係止部を有する。
【0069】
以上の手順によって、センサーユニット本体21を構成する各部材は組み立てられる。各部材を組み立てる順序は、適宜変更することができる。
以下では、センサーユニット20を吐水管13の開口部13aに取り付ける手順について説明する。
【0070】
<センサーユニットの取付け手順>
図2、3、8に示すように、まず、固定用部材30を、吐水管13の開口部13aに取り付ける。具体的には、吐水管13の切欠き13bの周縁に、固定用部材30の溝部30aが当接するように固定用部材30を取り付ける。そして、固定用部材30の第1鍔部31と第2鍔部32で吐水管13の周壁13cを挟持させる。これにより、固定用部材30は、切欠き13bから外れにくくなる。
【0071】
また、固定用部材30の溝部30aは、切欠き13bの周縁に係合した状態になる。固定用部材30の第1鍔部31が、吐水管13の内側に位置する状態になるため、吐水管13の径方向において、固定用部材30が下方に移動することが規制される。すなわち、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置される。
【0072】
図8に示すように、吐水管13の切欠き13bに固定用部材30を取り付けると、固定用部材30の後端部は、切欠き13bの部分を除いた開口部13aの周縁と面一となる。これにより、固定用部材30の後端部が、切欠き13bの部分を除いた開口部13a内に突出しない状態となる。これによって、開口部13a内の空間を効率良く利用することが可能になる。例えば、固定用部材30が、吐水管13の開口部13aを挿通するハーネス22に干渉することを抑制することができる。
【0073】
図8に示すように、コネクタ23を介して配線に接続したハーネス22を、吐水管13の開口部13aから吐水管13の内部に挿入する。さらに、センサーユニット本体21の一対の台座壁83上に、固定用部材30が配置されるように、センサーユニット本体21を開口部13aに取り付ける。アウターカバー80の天壁81上のパッキン85が、開口部13aの周縁に当接することによって、吐水管13の開口部13aとアウターカバー80の天壁81との間が水密状態になる。この状態で、固定用部材30のネジ孔33aと、センサーユニット本体21の台座壁83のネジ孔83aと、アウターケース50のネジ孔51bとが重なる位置となる。
【0074】
図8に示すように、センサーユニット本体21の下方から、センサーユニット本体21のアウターケース50のネジ孔51bにネジ40を挿入する。ネジ40は、ネジ頭がアウターケース50のネジ孔51bに収容されつつ、ネジ溝がアウターカバー80の台座壁83のネジ孔83a上に突出する。ネジ40のネジ溝を、固定用部材30のネジ孔33aに螺合させる。
【0075】
以上の手順によって、センサーユニット20を、吐水管13の開口部13aに取り付けることができる。センサーユニット20を吐水管13に組み付ける順序は、適宜変更することができる。
【0076】
図8に示すように、ハーネス22は、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bから、アウターカバー80の天壁81の上面(内周面)に直交する方向に対して、腕部81c側(係止部側)に傾斜した方向(図8の矢印参照)に延びた状態になる。
【0077】
<作用及び効果>
第1実施形態の作用について説明する。
図6、8に示すように、センサーユニット本体21におけるハーネス22との接続部、すなわちアウターカバー80の天壁81の貫通孔81bにおいて、貫通孔81bから延びるハーネス22は、係止部としての腕部81cに係止されている。これによって、接続部(貫通孔81b)から延びるハーネス22がフリーな状態で移動することが抑制される。そのため、吐水管13の内部において、ハーネス22が他の部材、例えばホース17に干渉することが抑制される。
【0078】
第1実施形態の効果について説明する。
(1)センサーユニット本体21と、センサーユニット本体21に接続されたハーネス22とを備える。センサーユニット本体21は、ハーネス22が接続された接続部(貫通孔81b)と、接続部(貫通孔81b)から延びるハーネス22を係止する係止部(腕部81c)とを有する。
【0079】
したがって、接続部(貫通孔81b)から延びるハーネス22がフリーな状態で移動することを抑制することができるため、ハーネス22が水栓10内の他の部材であるホース17等に干渉することを抑制することができる。例えば水栓10の組み付け時、ホース17の交換等のメンテナンス時、ホース17の摺動を伴う水栓の使用時等に、ハーネス22が他の部材に干渉したり、ハーネス22が摩耗したりすることを抑制することができる。また、ハーネス22が他の部材に干渉することを抑制するためのスペースをより小さくすることができるため、水栓10の小型化に寄与することができる。
【0080】
(2)センサーユニット本体21は、水栓10に取り付けられた状態で水栓10の外周側に面する外周面と、水栓10の内周側に面する内周面とを有している。センサーユニット本体21は、内周面に接続部(貫通孔81b)、及び係止部(腕部81c)を有する。接続部(貫通孔81b)から延びるハーネス22を、接続部(貫通孔81b)と同一表面上の係止部(腕部81c)で係止することができるため、接続部(貫通孔81b)と係止部(腕部81c)の離間距離をより小さくすることができる。そのため、ハーネス22の移動をより効率良く抑制することができる。
【0081】
(3)係止部は、センサーユニット本体21から延びる腕部81cを有しており、腕部81cとセンサーユニット本体21との間にハーネス22が係止される。したがって、ハーネス22が複数存在する場合であっても全てのハーネス22をまとめて簡単に係止することができる。
【0082】
(4)センサーユニット本体21は、腕部81cに対向する位置に凹部70aを有する。したがって、腕部81cからハーネス22に加わる応力を凹部70aに逃がすことができる。
【0083】
(5)ハーネス22は、センサーユニット本体21の接続部(貫通孔81b)において、内周面に直交する方向に対して係止部(腕部81c)側に傾斜した方向に延びている。したがって、係止部(腕部81c)でハーネス22を係止する際や、メンテナンス時等において接続部(貫通孔81b)に応力が加わっても、ハーネス22に加わる応力を緩和しやすくなる。ハーネス22に加わる応力を緩和することによって、ハーネス22の断線を抑制することができる。
【0084】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0085】
・本実施形態において、アウターカバー80の腕部81cは、インナーカバー70の凹部70aに重なる位置に配置されていたが、この態様に限定されない。アウターカバー80の腕部81cは、インナーカバー70の凹部70aに重なっていなくてもよい。すなわち、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bはインナーカバー70の凹部70aに重なる位置に配置されているものの、腕部81cは凹部70aに重なっていなくてもよい。例えば、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bの大きさを、インナーケース60の凹部70aに対して、凹部70aの後方側に大きくして、凹部70aの後方側であって、凹部70aに重ならない位置に腕部81cが配置されていてもよい。さらに、インナーケース60における凹部70aの後方に、凹部70aとは別に凹部を設け、この凹部に腕部81cが重なるようにしてもよい。また、凹部70a内に、アウターカバー80の天壁81の上面と略面一になるようにウレタン樹脂を充填してもよい。この態様では、アウターカバー80の天壁81の貫通孔81bにおいて、天壁81の上面と略面一となるウレタン樹脂の上面が、センサーユニット20におけるハーネス22の接続部となる。
【0086】
・本実施形態において、係止部は、アウターカバー80に設けられた腕部81cによって構成されていたが、この態様に限定されない。係止部は、ハーネス22がフリーな状態で移動することを抑制できる任意の形状を採用することができる。
【0087】
図9に示すように、例えば、アウターカバー80の天壁81に、上方に突出するとともに前後方向に延びる複数の突起86を設け、これらの突起86の間にハーネス22が挟持されるように構成されていてもよい。この態様においても、ハーネス22のフリーな移動を抑制することができる。
【0088】
・本実施形態において、係止部としての腕部81cは、アウターカバー80の天壁81に設けられていたが、この態様に限定されない。例えば腕部81cは、インナーカバー70に設けられていてもよいし、アウターカバー80の垂下壁82に設けられていてもよい。腕部81cがアウターカバー80の垂下壁82に設けられている態様では、ハーネス22の接続部と係止部の両方が、同一平面としてのアウターカバー80の天壁81の上面(内周面)に位置していない態様になる。
【0089】
・センサーユニット本体21の内周面は、アウターカバー80の天壁81の上面に限定されない。例えば、センサーユニット本体21の大半が水栓10の吐水管13に内蔵されていてもよく、吐水管13の内部に位置するアウターケース50の側壁52の表面や、アウターカバー80の垂下壁82の表面が内周面として機能してもよい。すなわち、センサーユニット本体21が、直方体形状であると仮定して、その大半が水栓10の吐水管13の内部に配置されている場合、内部に位置するセンサーユニット本体21の上面に隣接する各側面が内周面として機能してもよい。接続部と係止部が同一の内周面に存在すると、より効果的である。
【0090】
・センサーユニット本体21は、インナーカバー70の凹部70aに充填するウレタン樹脂が省略されていてもよい。
・センサーユニット本体21は、腕部81cに対向する位置の凹部であるインナーカバー70の凹部70aが省略されていてもよい。すなわち、インナーカバー70の平面部分に貫通孔72bが設けられており、この貫通孔72bにゴムブッシュ73が取り付けられていてもよい。
【0091】
・本実施形態において、ハーネス22は、センサーユニット本体21の接続部(貫通孔81b)において、内周面に直交する方向(上方)に対して係止部(腕部81c)側に傾斜した方向に延びていたが、この態様に限定されない。ハーネス22は、センサーユニット本体21の接続部(貫通孔81b)において、内周面に直交する方向に延びていてもよい。すなわち、ハーネス22は、インナーカバー70の接続部(貫通孔81b)から上方に延びていてもよい。ハーネス22がインナーカバー70の接続部(貫通孔81b)から上方に延びていても、ホース17に干渉しない範囲で後方側に湾曲していればよい。
【0092】
・吐水管13の内部に収容されたホース17は、ホース17の外周に保護部材を有していてもよい。この態様では、接続部(貫通孔81b)から延びるハーネス22を係止する係止部(腕部81c)を有することによって、ハーネス22が水栓10内のホース17の保護部材に干渉することを抑制することができる。
【0093】
・本実施形態において、センサーユニット20は水栓10の吐水管13に取り付けられていたが、この態様に限定されない。センサーユニット20は、水栓10の水栓本体12や吐水ヘッド15に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…水栓、20…センサーユニット、21…センサーユニット本体、22…ハーネス、81b…貫通孔(接続部)、81c…腕部(係止部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10