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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156279
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20241029BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20241029BHJP
【FI】
G09B7/04
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070612
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智也
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦明
(72)【発明者】
【氏名】生駒 拓也
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028BC01
2C028BD03
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】テストの採点結果に応じた複数の問題から構成される復習用紙画像を容易に生成する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の問題及び解答欄を有し、各解答欄に学習者による各問題の解答が記入された解答用紙画像を取得して表示する。また、情報処理装置は、解答の正誤情報を取得する。そして、情報処理装置は、不正解の解答を削除または切り抜いて復習用紙画像を生成し、出力する。これにより、情報処理装置は、学習者が振り返り学習に利用する復習用紙画像を容易に生成し、出力することができる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の問題及び解答欄を有し、各解答欄に学習者による各問題の解答が記入された解答用紙画像を取得して表示する解答用紙画像取得部と、
解答の正誤情報を取得する正誤情報取得部と、
不正解の解答を削除または切り抜いて復習用紙画像を生成する復習用紙画像生成部と、
前記復習用紙画像を出力する復習用紙画像出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記復習用紙画像生成部は、前記解答用紙画像において、不正解の解答を削除することで、前記復習用紙画像を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記復習用紙画像生成部は、前記解答用紙画像から、解答が不正解である問題とその解答欄を切り抜いて抽出し再配置することで、前記復習用紙画像を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記問題は、大問と小問から構成されており、前記大問は複数の小問にまたがる前提条件を表すものであって、
前記学習者による解答が記入されていない解答用紙画像である見本用紙画像を取得する見本用紙画像取得部と、
前記見本用紙画像において、前記大問、前記小問、及び、前記解答欄それぞれの領域を示す位置座標と、前記大問、前記小問、及び、前記解答欄の対応関係とを検出する領域検出部と、を備え、
前記復習用紙画像生成部は、前記領域を示す位置座標と前記対応関係に基づいて、前記小問とその解答欄を抽出して再配置する場合、当該小問に関連する大問と、当該大問に関連する全ての小問とその解答欄も抽出して再配置することで、前記復習用紙画像を生成する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記学習者の学力ランクと前記問題の難易度に基づいて、解答が正解である問題を要注意問題に設定する要注意問題設定部をさらに備え、
前記復習用紙画像生成部は、前記要注意問題を解答が不正解である問題として前記復習用紙画像を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
複数の問題及び解答欄を有し、各解答欄に学習者による各問題の解答が記入された解答用紙画像を取得して表示する解答用紙画像取得部、
解答の正誤情報を取得する正誤情報取得部、
不正解の解答を削除または切り抜いて復習用紙画像を生成する復習用紙画像生成部、
前記復習用紙画像を出力する復習用紙画像出力部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習に関する情報を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、学習者のテスト結果に応じて復習問題を提供する学習システムが知られている。特許文献1には、学習者による判定用テストの結果に応じて、復習問題を1日1問提供する学習システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-133251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
復習では、テストにおいていずれの問題が正解または不正解であるかを学習者がしっかりと確認し、解きなおすことが重要である。しかしながら、特許文献1に係る発明は、判定用テストで不正解の問題が復習問題として提供されるとは限らず、1日1問の提供であるため不正解の問題が複数ある場合は一度に復習することができなかった。また、採点結果は学習者毎に異なるため、指導者が手動で学習者毎に不正解の問題から構成される復習用のテストを生成することは負荷が高く難しかった。
【0005】
本発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、テストの採点結果に応じた複数の問題から構成される復習用紙画像を容易に生成することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、情報処理装置は、複数の問題及び解答欄を有し、各解答欄に学習者による各問題の解答が記入された解答用紙画像を取得して表示する解答用紙画像取得部と、解答の正誤情報を取得する正誤情報取得部と、不正解の解答を削除または切り抜いて復習用紙画像を生成する復習用紙画像生成部と、前記復習用紙画像を出力する復習用紙画像出力部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、不正解の解答を削除または切り抜くことで学習者が振り返り学習に利用する復習用紙画像を容易に生成し、出力することができる。よって、教師をはじめとする指導者の負荷を軽減することができる。
【0007】
上記の情報処理装置の一態様では、前記復習用紙画像生成部は、前記解答用紙画像において、不正解の解答を削除することで、前記復習用紙画像を生成する。この態様によれば、情報処理装置は、解答用紙画像とレイアウトは同様で、不正解や部分点となった解答のみを削除して解答欄が空欄となった復習用紙画像を生成する。これによれば、復習用紙画像において、正解の解答は問題とともに表示されているため、いずれの問題が正解または不正解であるかを生徒がしっかりと確認し、間違えた問題を復習することで理解を深めることができる。
【0008】
上記の情報処理装置の一態様では、前記復習用紙画像生成部は、前記解答用紙画像から、解答が不正解である問題とその解答欄を切り抜いて抽出し再配置することで、前記復習用紙画像を生成する。この態様によれば、復習用紙画像には、不正解の問題とその解答欄しか表示されていないため、使い勝手がよく、学習者は、間違えた問題に集中して取り組むことができる。
【0009】
上記の情報処理装置の一態様では、前記問題は、大問と小問から構成されており、前記大問は複数の小問にまたがる前提条件を表すものであって、前記学習者による解答が記入されていない解答用紙画像である見本用紙画像を取得する見本用紙画像取得部と、前記見本用紙画像において、前記大問、前記小問、及び、前記解答欄それぞれの領域を示す位置座標と、前記大問、前記小問、及び、前記解答欄の対応関係とを検出する領域検出部と、を備え、前記復習用紙画像生成部は、前記領域を示す位置座標と前記対応関係に基づいて、前記小問とその解答欄を抽出して再配置する場合、当該小問に関連する大問と、当該大問に関連する全ての小問とその解答欄も抽出して再配置することで、前記復習用紙画像を生成する。この態様によれば、大問が複数の小問から構成されている場合、情報処理装置は、その中の特定の小問及び解答欄のみを抽出して再配置することはなく、大問に関連する全ての小問及び解答欄を抽出して再配置することで復習用紙画像を生成する。これにより、復習用紙画像において、特定の小問のみを表示し、関連性のある小問を表示しないことで、問題として成り立たなくなるといった弊害を防止することができる。
【0010】
上記の情報処理装置の一態様では、前記学習者の学力ランクと前記問題の難易度に基づいて、解答が正解である問題を要注意問題に設定する要注意問題設定部をさらに備え、前記復習用紙画像生成部は、前記要注意問題を解答が不正解である問題として前記復習用紙画像を生成する。この態様によれば、情報処理装置は、学習者の学力ランクが低いにも関わらず、難易度の高い問題の解答が正解である場合、当該問題は、まぐれ当たりである可能性が高いため、要注意問題に設定する。そして、情報処理装置が、復習用紙画像生成時に要注意問題を解答が不正解である問題として取り扱うことで、学習者は、まぐれ当たりの問題も復習用紙画像により復習することができる。
【0011】
本発明の別の観点では、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムは、複数の問題及び解答欄を有し、各解答欄に学習者による各問題の解答が記入された解答用紙画像を取得して表示する解答用紙画像取得部、解答の正誤情報を取得する正誤情報取得部、不正解の解答を削除または切り抜いて復習用紙画像を生成する復習用紙画像生成部、前記復習用紙画像を出力する復習用紙画像出力部、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータにインストールして実行させることで、本発明に係る情報処理装置を構成させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る情報処理装置によれば、テストの採点結果に応じた複数の問題から構成される復習用紙画像を容易に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における学習支援システムの構成を示す。
図2】解答用紙画像の一例である。
図3】第1実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】採点結果DBのデータ構成の一例である。
図5】第1実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
図6】画像生成画面の一例である。
図7】採点結果を表示した画像生成画面の一例である。
図8】対象生徒に対応する採点結果DBのデータ構成の一例である。
図9】見本用紙画像、解答用紙画像、差分画像の一例である。
図10】非表示問題の解答の特定を説明する図である。
図11】第1実施形態における復習用紙画像の一例である。
図12】復習用紙画像を表示した画像生成画面の一例である。
図13】第1実施形態の画像生成処理のフローチャートである。
図14】第2実施形態における学習支援システムの構成を示す。
図15】第2実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図16】第2実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
図17】領域の検出結果及び領域情報のデータ構成の一例である。
図18】表示問題と関連要素及び白紙にした画像の一例である。
図19】第2実施形態における復習用紙画像の一例である。
図20】第1実施形態の画像生成処理のフローチャートである。
図21】誤った再配置及び正しい再配置の例である。
図22】第3変形例における学習支援システムの構成を示す。
図23】第4変形例における学習支援システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。第1実施形態において、学習支援システム100aは、テストの採点結果に応じて解答を表示または非表示にすることで、当該テストの振り返り学習に利用できる復習用紙画像を容易に生成するシステムである。なお、説明の便宜上、学習者は生徒、指導者は教師とする。また、本実施形態では、テストの一例として、複数の問題とその解答欄から構成される解答用紙を適用するものとする。
【0015】
学習支援システム100aは、サーバ10aと、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。サーバ10aは、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ(PC)または汎用のタブレット等である。また、サーバ10aは、後述する採点結果データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)31と接続されている。サーバ10aは、本発明の情報処理装置の一例である。
【0016】
教師用端末20は、教師が使用するものであって、例えば、タブレットやPC等の情報処理機器である。具体的に、教師用端末20は、詳細は後述するが、見本用紙画像、解答用紙画像、採点結果情報、条件情報等をサーバ10aに送信したり、採点結果に応じた復習用紙画像をサーバ10aから取得して出力したりする端末装置である。また、教師用端末20は、スキャナーやプリンタと接続されており、見本用紙や解答用紙をスキャナーによりスキャンして画像化したり、OCR(Optical Character Reader)を用いて解答用紙画像から採点結果情報を取得してサーバ10aに送信したりする。
【0017】
なお、本実施形態では、教師用端末20がOCRを用いて解答用紙画像から採点結果情報を取得しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ10aが所定のDB等から解答用紙画像に紐づけられた採点結果情報を取得することとしてもよい。
【0018】
ここで、解答用紙画像について説明する。図2は、解答用紙画像の一例である。図2に示すように、解答用紙画像51は、複数の問題とその解答欄とから構成された解答用紙の画像であって、生徒による解答が記入されている。解答用紙はテストの一例であるため、解答用紙画像51は、テストの実施時期や対象学年、教科、所要時間等を表示するテスト内容エリア52と、生徒の識別情報である学年、組、番号及び氏名を記入する生徒識別情報エリア53と、複数の問題、解答欄及び図表から構成される問題解答欄エリア54とを有する。本実施形態において、問題は、大問と小問の2種類存在し、大問は複数の小問にまたがる前提条件等を表すものであって、解答用紙画像51の大問は4つの小問と1つの図から構成されている。なお、解答用紙画像51はテストの画像の一例であって、本発明に適用されるテストは、これに限定されるものではなく、問題の種類やレイアウトを任意に設定することができる。
【0019】
なお、各問題の解答欄を囲む点線は、詳細は後述するが説明の便宜上記載されたものであって、実際には存在しないものである。
【0020】
[サーバのハードウェア構成]
図3は、サーバ10aのハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10aは、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。なお、これらの構成要素と、採点結果DB31とは、バス19を介して相互に接続されている。
【0021】
なお、サーバ10aはコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良いし、仮想マシンで分散して実行しても良い。
【0022】
通信部11は、ネットワーク5を通じて教師用端末20と通信を行うための通信ユニットである。具体的に、通信部11は、教師用端末20から見本用紙画像、解答用紙画像、採点結果情報、条件情報等を受信したり、採点結果に応じた復習用紙画像を教師用端末20に送信したりする。
【0023】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、サーバ10aに係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、プログラムは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、図3では制御部12を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0024】
記憶部13はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部12が処理を実行するために必要なプログラムまたはデータ等を記憶している。また、記憶部13は、制御部12が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0025】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリ等の不揮発性で非一時的な記録媒体であり、サーバ10aに対して着脱可能に構成される。記録媒体14は、制御部12が実行する各種プログラムを記録している。サーバ10aが画像生成処理を実行する際には、記録媒体14に記録されているプログラムが記憶部13にロードされ、制御部12により実行される。
【0026】
表示部15は、液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部12の指示に従い各種情報を表示する。入力部16は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部12へ出力する。
【0027】
図4は、採点結果DB31のデータ構成の一例である。図4に示すように、採点結果DB31は、テストの一例である解答用紙を識別するテストIDと、生徒を識別する学年、組、番号及び氏名と、解答用紙を構成する問題を識別する問題番号と、採点結果とを対応付けた採点結果情報を記憶している。
【0028】
なお、生徒の氏名は、説明の便宜上、学習者1、学習者2等とする。また、詳細は後述するが、採点結果情報は、教師用端末20が採点済みの解答用紙画像からOCR等を用いて取得してもよいし、教師用端末20を使用して解答用紙画像を基に教師が採点することで取得してもよい。本実施形態では、正解を丸、不正解をバツ、部分点を三角とする採点記号で採点しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、部分点はなく正解と不正解のみで採点する等、採点方法や採点記号は任意に設定することができる。
【0029】
[サーバの機能構成]
図5は、サーバ10aの機能構成を示すブロック図である。サーバ10aは、採点結果DB31に接続されており、機能的には、画面出力部40と、見本用紙画像取得部41と、解答用紙画像取得部42と、判定部43と、採点結果情報取得部44と、条件情報取得部45と、問題特定部46と、差分画像取得部47と、復習用紙画像生成部48と、復習用紙画像出力部49とを備える。
【0030】
なお、画面出力部40、見本用紙画像取得部41、解答用紙画像取得部42、判定部43、採点結果情報取得部44、条件情報取得部45、問題特定部46、差分画像取得部47、復習用紙画像生成部48、及び、復習用紙画像出力部49は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
画面出力部40は、各種画面要求に応じて、画像生成画面や採点画面の画面情報を教師用端末20に送信して表示させる。例えば、教師が教師用端末20を使用して、所定のサイト等にログインしたり、所定のアプリケーションを起動したりすることで、画面出力部40は、画像生成画面の画面要求を取得する。すると、画面出力部40は、画像生成画面を教師用端末20に送信する。また、教師が教師用端末20を使用して、画像生成画面において後述する採点ボタン75を押下することで、画面出力部40は、採点画面の画面要求を取得する。すると、画面出力部40は、採点画面を教師用端末20に送信する。
【0032】
図6は、画像生成画面の一例である。画像生成画面は、教師用端末20上に表示され、教師が所定の操作をすることで復習用紙画像を生成する画面である。具体的に、教師は、見本用紙画像や解答用紙画像のアップロード、表示対象となる解答の条件選択等を行う。ここで、復習用紙画像とは、対象生徒の解答用紙画像の採点結果に応じた問題及びその解答欄から構成される復習用紙の画像である。また、対象生徒とは、復習用紙画像を生成する対象となる生徒である。
【0033】
図6に示すように、画像生成画面は、学年表示エリア61と、組表示エリア62と、氏名表示エリア63と、教科表示エリア64と、教師表示エリア65と、条件選択ボックス66a~66cと、画像表示エリア70と、保存ボタン71と、拡大ボタン72と、縮小ボタン73と、採点結果表示エリア74と、採点ボタン75とを有する。
【0034】
学年表示エリア61、組表示エリア62及び氏名表示エリア63は、対象生徒の学年、組及び氏名を表示するエリアである。教科表示エリア64は、復習用紙画像の対象となる教科、換言すると、解答用紙の教科を表示するエリアである。教師表示エリア65は、教師の氏名や識別情報を表示するエリアである。なお、学年表示エリア61、組表示エリア62、氏名表示エリア63及び教科表示エリア64に表示する対象生徒の学年、組、氏名及び教科は、教師の入力に基づいて表示してもよいし、アップロードされた解答用紙画像からOCR等により取得してから表示してもよい。また、学年表示エリア61、組表示エリア62、氏名表示エリア63及び教科表示エリア64を囲む点線は、説明の便宜上記載されたものであって実際には存在しないものである。
【0035】
条件選択ボックス66a~66cは、復習用紙画像の表示対象となる解答の条件を教師が選択してチェックマークを記入するボックスである。条件選択ボックス66a、条件選択ボックス66b及び条件選択ボックス66cは、正解(丸)の解答を表示する場合、部分点(三角)の解答を表示する場合、不正解(バツ)の解答を表示する場合にそれぞれチェックマークが記入される。
【0036】
画像表示エリア70は、所定の操作により教師がアップロードした見本用紙画像や解答用紙画像、生成した復習用紙画像を表示するエリアである。保存ボタン71、拡大ボタン72及び縮小ボタン73は、クリックすることで表示された画像を保存、拡大及び縮小するボタンである。採点結果表示エリア74は、解答用紙画像の各問題を識別する問題番号と、解答と、採点結果とを表示するエリアである。採点ボタン75は押下により採点画面の画面要求をサーバ10aに送信する。これにより、教師用端末20に採点画面が表示され、教師は、所定の操作により解答用紙画像を採点することができる。
【0037】
見本用紙画像取得部41は、教師用端末20から、見本用紙をスキャナーにより画像化した見本用紙画像を取得する。見本用紙とは、生徒による解答が記入されていない解答用紙である。具体的に、教師は教師用端末20を使用し、画像生成画面において所定の操作により見本用紙画像をアップロードする。これにより、見本用紙画像取得部41は、教師用端末20から見本用紙画像を取得し、記憶部13等に記憶することができる。
【0038】
なお、見本用紙画像を事前に所定のDBに保存しておき、見本用紙画像取得部41は、後述する解答用紙画像取得部42が取得した解答用紙画像の情報に基づいて、対応する見本用紙画像を当該DBから取得することとしてもよい。ここで、解答用紙画像の情報とは、例えば、OCR等で認識可能なテスト名や問題文に関する情報であり、見本用紙画像はテスト名や問題文に対応付けて所定のDBに記憶されているものとする。
【0039】
解答用紙画像取得部42は、教師用端末20から、対象生徒による解答が記入された解答用紙をスキャナーにより画像化した解答用紙画像を取得する。具体的に、教師は教師用端末20を使用し、画像生成画面において所定の操作により解答用紙画像をアップロードする。これにより、解答用紙画像取得部42は、教師用端末20から解答用紙画像を取得し、記憶部13等に記憶することができる。
【0040】
判定部43は、解答用紙画像が採点済みか否かを判定する。具体的に、判定部43は、まず、図2に示すような解答用紙画像51から各問題の解答欄領域を検出する。領域検出方法は、例えば、R-CNN(Rich feature hierarchies for accurate object detection and semantic segmentation)等、ディープラーニングを用いて画像に写る物体を矩形領域として検出する方法を適用することができる。図2に示す解答用紙画像51において点線で囲んだ領域が各問題の解答欄領域である。このとき、判定部43は、検出した解答欄領域が解答用紙画像51において上から及び左から何番目の解答欄領域であるかを算出し、対応する問題番号を特定してラベリングしてもよい。判定部43は、パターンマッチングにより解答欄領域に採点記号(丸、バツ、三角など)が記入されている場合、採点済みと判定する。
【0041】
なお、領域検出方法は、R-CNN等のディープラーニングを用いる方法に限定されるものではなく、画像に含まれる物体を検知するアルゴリズムであれば任意の方法を適用することができる。また、解答欄領域に対応する問題番号の特定方法は、解答用紙画像における解答欄領域の順番に基づいて特定する方法に限定されるものではなく、例えば、各領域についてOCRによる文字認識を行うことで、括弧内に記載されている問題番号を特定する等、任意の方法を適用することができる。また、解答用紙画像が採点済みか否かを判定する方法は、パターンマッチングによる方法に限定されるものではなく、任意の方法を適用することができる。
【0042】
採点結果情報取得部44は、解答用紙画像の採点結果情報を取得し、採点結果DB31に記憶する。採点結果情報には、対象生徒が記入した各問題の解答の正誤に関する情報が含まれている。具体的に、解答用紙画像が採点済みの場合、採点結果情報取得部44は、解答用紙画像の各解答欄領域に存在する採点記号(丸、バツ、三角など)をパターンマッチングにより認識し、各問題の問題番号及び採点結果を取得する。取得した問題番号及び採点結果は、解答用紙を識別するテストID、対象生徒の学年、組及び氏名と対応付け、採点結果情報として採点結果DB31に記憶される。そして、採点結果情報取得部44は、画像生成画面の採点結果表示エリア74に問題番号及び採点結果を表示する。図7は、採点結果を表示した画像生成画面の一例である。図7に示すように、採点結果情報取得部44は、問題番号及び採点結果と併せて、解答用紙画像から各問題番号がラベリングされた解答欄領域上の解答を切り抜いて抽出し、問題番号及び採点結果に対応付けて採点結果表示エリア74に表示してもよい。
【0043】
なお、テストIDは、例えば、解答用紙画像にテストIDを示す2次元バーコードが記載されている等、任意の方法で取得できるものとする。
【0044】
一方、解答用紙画像が未採点の場合、採点結果情報取得部44は、教師に採点を促すポップアップ画面を別ウィンドウで採点画面上に表示させる。教師は、教師用端末20を使用し、画像生成画面上の採点ボタン75を押下することで採点画面の画面要求をサーバ10aに送信する。そして、教師は、教師用端末20に表示された採点画面を用いて解答用紙画像を基に採点を行う。採点結果情報取得部44は、採点画面上で行われた採点により、解答用紙画像の各問題を識別する問題番号及び採点結果を取得する。取得した問題番号及び採点結果は、解答用紙を識別するテストID、対象生徒の学年、組及び氏名と対応付け、採点結果情報として採点結果DB31に記憶される。そして、採点結果情報取得部44は、図7に示すように、問題番号、解答及び採点結果を採点結果表示エリア74に表示する。
【0045】
条件情報取得部45は、復習用紙画像で表示対象となる解答の条件に関する条件情報を取得する。具体的に、教師は、教師用端末20を使用して、画像生成画面上の条件選択ボックス66a~66cのいずれかにチェックマークを記入することで、条件情報をサーバ10aに送信する。これにより、条件情報取得部45は、教師用端末20から教師が任意に選択した表示対象となる解答の条件情報を取得することができる。
【0046】
問題特定部46は、条件情報に基づいて採点結果DB31を参照し、教師が表示対象となる解答として選択した条件に合致しない解答の問題を、解答を表示しない非表示問題に特定する。図8は、対象生徒である学習者1の解答用紙画像に対応する採点結果情報が記憶された採点結果DB31aのデータ構成を示す。具体的に、正解(丸)の解答を表示する条件選択ボックス66aにチェックマークが記入された場合、問題特定部46は、採点結果DB31aを参照して、点線で囲んだ採点結果が正解(丸)である問題の解答を表示することを認識する。そして、問題特定部46は、採点結果が不正解(バツ)である問題番号3及び4の問題を、解答を非表示とする非表示問題に特定する。
【0047】
差分画像取得部47は、見本用紙画像と解答用紙画像の差分画像を取得する。図9は、見本用紙画像、解答用紙画像及び差分画像の一例である。図9に示すように、差分画像取得部47は、見本用紙画像50と解答用紙画像51の差分として、対象生徒が記入した学年、組、番号及び氏名と、対象生徒が記入した各問題の解答とを差分画像80として取得する。
【0048】
復習用紙画像生成部48は、対象生徒が取り組んだ解答用紙画像の採点結果に応じて、解答を表示または非表示とすることで復習用紙画像を生成する。図10は、非表示問題の解答の特定を説明する図である。具体的に、復習用紙画像生成部48は、図10に示すように、例えば、R-CNN等を用いた方法により、見本用紙画像50から点線で示すような各問題の解答欄領域を検出する。このとき、検出した解答欄領域が見本用紙画像50上で何番目の解答欄領域であるかを算出し、対応する問題番号をラベリングしておく。復習用紙画像生成部48は、各解答欄領域の情報を基に、差分画像80から非表示問題である問題番号3及び4の解答として、点線で囲んだ解答81及び解答82を特定する。そして、復習用紙画像生成部48は、解答用紙画像51において、特定した問題番号3及び4の解答を背景色で塗りつぶす等により削除又は消去することで、図11に示すような復習用紙画像90を生成する。このように、復習用紙画像生成部48は、解答用紙画像51のレイアウトを変えることなく、非表示問題の解答が空欄となっている復習用紙画像90を生成する。
【0049】
これにより、教師が選択した条件の解答のみが表示された復習用紙画像を生成することができる。なお、上記の例では採点結果が不正解または部分点の問題を非表示問題としているが、教師が表示対象となる問題を部分点(三角)の解答と選択すると、サーバ10aは、採点結果が正解または不正解の問題を非表示問題とし、非表示問題の解答が空欄となっている復習用紙画像を生成する。また、教師が表示対象となる問題を不正解(バツ)の解答と選択すると、サーバ10aは、採点結果が正解または部分点の問題を非表示問題とし、非表示問題の解答が空欄となっている復習用紙画像を生成する。
【0050】
なお、見本用紙画像は、解答用紙画像と比較すると生徒による解答等の余計な情報がないため領域検出精度が高い。そのため、復習用紙画像生成部48は、見本用紙画像から各問題の解答欄領域を検出し、差分画像から非表示問題の解答を特定して復習用紙画像を生成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定部43が解答用紙画像から各問題の解答欄領域を検出している場合、検出した解答欄領域に基づいて復習用紙画像を生成してもよい。
【0051】
復習用紙画像出力部49は、生成した復習用紙画像を教師用端末20に送信し、画像生成画面の画像表示エリア70に表示させる。図12は、復習用紙画像90を表示した画像生成画面の一例である。教師は、教師用端末20を使用し、図12に示すように画像生成画面に表示された復習用紙画像90を、PDF(Portable Document Format)等として保存することができる。また、教師は、復習用紙画像90をデータとして対象生徒が使用する生徒用端末に送信したり、プリンタを用いて紙媒体に印刷して対象生徒に渡したりする。よって、復習用紙画像90は、各生徒の採点結果に応じた振り返り学習に応用することができる。
【0052】
上記の構成において、サーバ10aの見本用紙画像取得部41、解答用紙画像取得部42、採点結果情報取得部44、条件情報取得部45、復習用紙画像生成部48、及び、復習用紙画像出力部49は、本発明の見本用紙画像取得部、解答用紙画像取得部、正誤情報取得部、条件情報取得部、復習用紙画像生成部、及び、復習用紙画像出力部の一例である。
【0053】
[画像生成処理]
次に、解答用紙画像の採点結果に応じて解答を表示または非表示にすることで復習用紙画像を生成する画像生成処理ついて説明する。図13は、画像生成処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10aが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0054】
教師が教師用端末20を使用して、所定のサイト等にログインしたり、所定のアプリケーションを起動したりすることで、サーバ10aは、画像生成画面の画面要求を取得する。そして、サーバ10aは、図6に示すような画像生成画面の画面情報を教師用端末20に送信し、教師用端末20に画像生成画面を表示させる(ステップS10)。
【0055】
教師は、教師用端末20を使用して、所定の操作により画像生成画面上で見本用紙画像をアップロードする。これにより、サーバ10aは、見本用紙画像を取得する(ステップS11)。また、教師は、教師用端末20を使用して、所定の操作により画像生成画面上で対象生徒の解答用紙画像をアップロードする。これにより、サーバ10aは、解答用紙画像を取得する(ステップS12)。そして、サーバ10aは、取得した解答用紙画像が採点済みか否かを判定する(ステップS13)。解答用紙画像が採点済みであると判定した場合(ステップS13;Yes)、サーバ10aは、ステップS15の処理に進む。一方、解答用紙画像が未採点であると判定した場合(ステップS13;No)、サーバ10aは、採点を促す旨のポップアップ画面を画像生成画面上に表示させる。教師が教師用端末20を使用して、画像生成画面の採点ボタン75を押下することで、サーバ10aは、採点画面の画面要求を取得する。そして、サーバ10aは、採点画面の画面情報を教師用端末20に送信し、教師用端末20に採点画面を表示させる(ステップS14)。これにより、教師は、採点画面を用いて、未採点の解答用紙画像の各問題を採点することができる。
【0056】
サーバ10aは、解答用紙画像の各問題を識別する問題番号及び採点結果を取得する(ステップS15)。取得した問題番号及び採点結果は、対象生徒を識別する情報や教科と対応付け、採点結果情報として採点結果DB31に記憶される。そして、教師は、教師用端末20を使用し、画像生成画面においてチェックマークを記入することで、表示対象となる解答の条件を条件情報としてサーバ10aに送信する。これにより、サーバ10aは、教師用端末20から条件情報を取得する(ステップS16)。
【0057】
サーバ10aは、条件情報に基づいて採点結果DB31を参照し、見本用紙画像及び解答用紙画像の差分画像を用いて、非表示問題の解答を削除又は消去した復習用紙画像を生成する(ステップS17)。そして、サーバ10aは、生成した復習用紙画像を教師用端末20に送信することで、画像生成画面上に表示させ(ステップS18)、画像生成処理は終了する。これにより、教師は、教師用端末20を使用して、復習用紙画像を対象生徒の生徒用端末に送信したり、プリンタを用いて紙媒体に印刷した復習用紙を対象生徒に渡したりすることができる。よって、対象生徒は、復習用紙画像を利用して、各問題の採点結果をしっかり確認し、間違えた問題を復習することができる。
【0058】
本実施形態の学習支援システム100aは、指導者が選択した表示対象となる解答の条件に基づいて、各学習者それぞれの採点結果に応じた復習用紙画像を容易に生成することができる。例えば、表示対象を正解の解答とした場合、図11に示す復習用紙画像90のように部分点や不正解の解答が空欄となっている復習用紙画像を生成することができる。これにより、学習者は、デジタルデータの復習用紙画像や紙媒体の復習用紙を利用して理解を深めるための振り返り学習をすることができる。また、復習用紙画像において、正解の解答は問題とともに表示されているため、いずれの問題が正解または不正解であるかを生徒がしっかりと確認し、間違えた問題を復習することで理解を深めることができる。よって、指導者が振り返り学習のために復習問題や復習テストを作成する負荷を軽減することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、見本用紙や解答用紙が紙媒体であってスキャナーによりスキャンすることで見本用紙画像や解答用紙画像を取得することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、見本用紙や解答用紙がはじめからデジタルデータの画像であってもよい。
【0060】
<第2実施形態>
[全体構成]
図14は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。第2実施形態において、学習支援システム100bは、採点結果に応じた複数の問題及び解答欄を解答用紙画像から切り抜いて抽出し、再構成することで復習用紙画像を容易に生成するシステムである。なお、説明の便宜上、学習者は生徒、指導者は教師とする。また、本実施形態では、テストの一例として、問題とその解答欄から構成される解答用紙を適用するものとする。
【0061】
学習支援システム100bは、サーバ10bと、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。サーバ10bは、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、領域情報DB30及び採点結果DB31と接続されている。サーバ10bは、本発明の情報処理装置の一例である。なお、教師用端末20は、第1実施形態と同様のため、便宜上説明は省略する。
【0062】
[サーバのハードウェア構成]
図15は、サーバ10bのハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10bは、サーバ10aと同様に、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。なお、これらの構成要素と、領域情報DB30と、採点結果DB31とは、バス19を介して相互に接続されている。領域情報DB30以外は、第1実施形態と同様のため、便宜上説明は省略する。
【0063】
領域情報DB30は、テストIDに対応付けて見本用紙画像の各領域に関する領域情報を記憶している。
【0064】
[サーバの機能構成]
図16は、サーバ10bの機能構成を示すブロック図である。サーバ10bは、領域情報DB30及び採点結果DB31に接続されており、機能的には、画面出力部40と、見本用紙画像取得部41xと、解答用紙画像取得部42と、判定部43と、採点結果情報取得部44と、条件情報取得部45と、問題特定部46xと、復習用紙画像生成部48xと、復習用紙画像出力部49とを備える。
【0065】
なお、画面出力部40、見本用紙画像取得部41x、解答用紙画像取得部42、判定部43、採点結果情報取得部44、条件情報取得部45、問題特定部46x、復習用紙画像生成部48x、及び、復習用紙画像出力部49は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。また、画面出力部40、解答用紙画像取得部42、判定部43、採点結果情報取得部44、条件情報取得部45、及び、復習用紙画像出力部49は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
見本用紙画像取得部41xは、教師用端末20から、見本用紙をスキャナーにより画像化した見本用紙画像を取得する。そして、見本用紙画像取得部41xは、見本用紙画像から各問題とその解答欄、図表の領域を検出し、見本用紙画像の横をx軸、縦をy軸として、各領域を示す位置座標を特定する。また、見本用紙画像取得部41xは、大問領域、小問領域、解答欄領域及び図表領域の対応関係を推定する。ここで、大問領域、小問領域、解答欄領域及び図表領域それぞれに対応する要素を大問、小問、解答欄及び図表とする。また、1つしかない大問及び図はそれぞれ大問1及び図1とし、複数ある小問及び解答欄はそれぞれ問題番号と組み合わせて小問1及び解答欄1等とする。そして、見本用紙画像取得部41xは、テストIDに対応付けて、要素と、各要素の領域を表す矩形の左上の点のx座標、y座標、幅及び高さから成る領域と、各要素に関連する別の要素である関連要素と、を対応付けた領域情報を領域情報DB30に記憶する。なお、テストIDは、見本用紙画像から任意の方法で取得できるものとする。
【0067】
図17は、領域の検出結果及び領域情報DB30のデータ構成の一例である。具体的に、見本用紙画像取得部41xは、例えば、R-CNN等を用いた方法により、見本用紙画像から各問題及び解答欄、図表の領域を検出する。また、見本用紙画像取得部41xは、各領域についてOCRにより文字認識を行うことで、問題文や記号、問題番号を認識する。そして、見本用紙画像取得部41xは、各領域が大問領域、小問領域、解答欄領域、図表領域のいずれであるかを特定し、問題番号とともに各領域にラベリングしておく。
【0068】
次に、見本用紙画像取得部41xは、領域の対応付けを行う。例えば、小問領域の問題番号「1」と解答欄領域の問題番号「1」が一致する場合、小問1の解答を記入する解答欄1であることが分かり、見本用紙画像取得部41xは、当該小問領域と当該解答欄領域を対応付け、図17に示すように紐づける。また、見本用紙画像取得部41xは、黒いひし形の記号が記載された大問領域を検出すると、当該大問領域から次の大問領域または当該大問領域から見本用紙画像下部までの小問領域及び図表領域を検出する。そして、見本用紙画像取得部41xは、検出した全ての小問領域及び図表領域と大問領域を対応付け、図17に示すように紐づける。これにより、見本用紙画像取得部41xは、見本用紙画像から検出された大問領域、小問領域、解答欄領域及び図表領域の対応関係を推定することができる。これにより、見本用紙画像取得部41xは、図17に示すように、テストIDに対応付けて、要素と、各要素の領域を表す矩形の左上の点のx座標、y座標、幅及び高さから成る領域と、各要素の関連要素とを対応付けた領域情報を領域情報DB30に記憶する。
【0069】
なお、小問領域と解答欄領域を対応付ける方法としてOCRにより認識した問題番号を用いているが、問題番号を認識できない場合、領域同士の距離や見本用紙画像における領域の順番等に基づいて領域同士の対応関係を推定してもよい。
【0070】
問題特定部46xは、条件情報に基づいて採点結果DB31を参照し、教師が表示対象となる解答として選択した条件に合致する解答の問題を表示問題に特定する。図8は、対象生徒である学習者1の解答用紙画像に対応する採点結果情報が記憶された採点結果DB31aのデータ構成を示す。具体的に、不正解(バツ)の解答を表示する条件選択ボックス66cにチェックマークが記入された場合、問題特定部46xは、採点結果DB31aを参照して、採点結果が不正解(バツ)である問題番号3及び4の問題を表示問題に特定する。
【0071】
復習用紙画像生成部48xは、採点結果に応じた1つ以上の問題及び解答欄を解答用紙画像から切り抜いて抽出し、再構成することで復習用紙画像を生成する。図18(a)は、表示問題と関連要素を表す図の一例である。具体的に、表示問題が問題番号3及び4の問題の場合、復習用紙画像生成部48xは、要素「小問3」及び「小問4」に基づいて領域情報DB30を参照し、要素「小問3」の関連要素「解答欄3」及び要素「小問4」の関連要素「解答欄4」を認識する。そして、復習用紙画像生成部48xは、図18(a)に示すように、問題番号3の問題と解答欄、及び、問題4の問題と解答欄を見本用紙画像から抽出する。
【0072】
また、復習用紙画像生成部48xは、解答用紙画像から問題、解答欄及び図表を全て白紙にした画像を生成する。生成した画像に、表示問題とその関連要素を重複なく配置することで、復習用紙画像生成部48xは、復習用紙画像95を生成する。図18(b)は、問題、解答欄及び図表を白紙にした画像の一例である。また、図19は、復習用紙画像の一例である。具体的に、復習用紙画像生成部48xは、図18(b)に示すような画像に、問題番号3の問題と解答欄、及び、問題4の問題と解答欄を重複なく配置することで、図19に示すような復習用紙画像を生成する。なお、配置のルールは、1つずつ縦に並べる、横に並べる等、任意に設定することができる。
【0073】
上記の構成において、サーバ10bの見本用紙画像取得部41x、解答用紙画像取得部42、採点結果情報取得部44、条件情報取得部45、復習用紙画像生成部48x、及び、復習用紙画像出力部49は、本発明の見本用紙画像取得部、解答用紙画像取得部、正誤情報取得部、条件情報取得部、復習用紙画像生成部、及び、復習用紙画像出力部の一例である。また、サーバ10bの見本用紙画像取得部41xは、本発明の領域検出部の一例である。
【0074】
[画像生成処理]
次に、採点結果に応じた1つ以上の問題とその解答欄を解答用紙画像から抽出し、再構成することで復習用紙画像を生成する画像生成処理ついて説明する。図20は、画像生成処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10bが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0075】
教師が教師用端末20を使用して、所定のサイト等にログインしたり、所定のアプリケーションを起動したりすることで、サーバ10bは、画像生成画面の画面要求を取得する。そして、サーバ10bは、図6に示すような画像生成画面の画面情報を教師用端末20に送信し、教師用端末20に画像生成画面を表示させる(ステップS20)。
【0076】
教師は、教師用端末20を使用して、所定の操作により画像生成画面上で見本用紙画像をアップロードする。これにより、サーバ10bは、見本用紙画像を取得することができる(ステップS21)。サーバ10bは、取得した見本用紙画像から各領域を検出し、各領域の位置情報や関連要素に関する領域情報を領域情報DB30に記憶する(ステップS22)。また、教師は、教師用端末20を使用して、所定の操作により画像生成画面上で対象生徒の解答用紙画像をアップロードする。これにより、サーバ10bは、解答用紙画像を取得する(ステップS23)。そして、サーバ10bは、取得した解答用紙画像が採点済みか否かを判定する(ステップS24)。解答用紙画像が採点済みであると判定した場合(ステップS24;Yes)、サーバ10bは、ステップS26の処理に進む。一方、解答用紙画像が未採点であると判定した場合(ステップS24;No)、サーバ10bは、採点を促す旨のポップアップ画面を画像生成画面上に表示させる。教師が教師用端末20を使用して、画像生成画面の採点ボタン75を押下することで、サーバ10bは、採点画面の画面要求を取得する。そして、サーバ10bは、採点画面の画面情報を教師用端末20に送信し、教師用端末20に採点画面を表示させる(ステップS25)。これにより、教師は、採点画面を用いて、未採点の解答用紙画像の各問題を採点することができる。
【0077】
サーバ10bは、解答用紙画像の各問題を識別する問題番号及び採点結果を取得する(ステップS26)。取得した問題番号及び採点結果は、対象生徒を識別する情報や教科と対応付け、採点結果情報として採点結果DB31に記憶される。そして、教師は、教師用端末20を使用し、画像生成画面においてチェックマークを記入することで、表示対象となる解答の条件を条件情報としてサーバ10bに送信する。これにより、サーバ10bは、教師用端末20から条件情報を取得する(ステップS27)。
【0078】
サーバ10bは、条件情報に基づいて採点結果DB31を参照し、表示問題を特定する。そして、サーバ10bは、領域情報DBを参照し、見本用紙画像から表示問題とその関連要素を抽出する。サーバ10bは、解答用紙画像から問題、解答欄及び図表を全て白紙にした画像を生成し、表示問題とその関連要素を重複なく配置することで、復習用紙画像を生成する(ステップS28)。そして、サーバ10bは、生成した復習用紙画像を教師用端末20に送信することで、画像生成画面上に表示させ(ステップS29)、画像生成処理は終了する。これにより、教師は、教師用端末20を使用して、復習用紙画像を対象生徒の生徒用端末に送信したり、プリンタを用いて紙媒体に印刷した復習用紙を対象生徒に渡したりすることができる。よって、対象生徒は、復習用紙画像を利用して、間違えた問題を復習することができる。
【0079】
本実施形態の学習支援システム100bは、指導者が選択した表示対象となる解答の条件に基づいて、各学習者それぞれの採点結果に応じた復習用紙画像を容易に生成することができる。例えば、表示対象を不正解(バツ)の解答とした場合、図19に示す復習用紙画像95のように不正解の問題とその解答欄から構成された復習用紙画像を生成することができる。これにより、学習者は、デジタルデータの復習用紙画像や紙媒体の復習用紙を利用して理解を深めるための復習をすることができる。また、復習用紙画像には、不正解の問題とその解答欄しか表示されていないため、使い勝手がよく、学習者は、間違えた問題に集中して取り組むことができる。
【0080】
なお、本実施形態のように大問が図表や複数の小問から構成されている場合、サーバ10bは、その中の特定の小問のみを抽出及び再配置することで復習用紙画像を生成することはない。大問を構成する図表や小問は、前後の小問がないと解けない等、図表や小問同士に関連性が存在し、問題として成り立たなくなるためである。
【0081】
図21は、誤った再配置及び正しい再配置の例である。具体的に、表示問題が図17に示す見本用紙画像の問題番号3、4及び6の場合、問題番号3及び4は単独の小問であり、問題番号6は問題番号5、7及び8とともに大問1を構成する小問である。そのため、サーバ10bは、図21に示す誤った再配置の例のように、表示問題である問題番号3、4及び6の問題と解答欄のみを抽出し、配置することで復習用紙画像を生成することはない。この場合、サーバ10bは、図21に示す正しい再配置の例のように、領域情報DB30を参照し、表示問題である問題番号3及び4それぞれの問題及び解答欄と、大問1、大問1の関連要素である図1、小問5~8それぞれの問題及び解答欄とを抽出し、配置することで復習用紙画像を生成する。
【0082】
このとき、サーバ10bは、図21に示す正しい再配置の例のように、表示問題ではない問題番号5、7及び8の解答を解答用紙画像から抽出して配置してもよいし、問題番号5、7及び8の解答は空欄のままとしてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、見本用紙や解答用紙が紙媒体であってスキャナーによりスキャンすることで見本用紙画像や解答用紙画像を取得することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、見本用紙や解答用紙がはじめからデジタルデータの画像であってもよい。
【0084】
<第1変形例>
上記の第1実施形態及び第2実施形態において、サーバ10a及びサーバ10bは、生徒の学力ランクと解答用紙を構成する各問題の難易度に基づいて、採点結果が正解である問題を要注意問題に設定することとしてもよい。ここで、生徒の学力ランクとは、例えば偏差値等、生徒の理解度を示す指標である。
【0085】
具体的に、サーバ10a及びサーバ10bは、生徒の学力ランクが低いにも関わらず、難易度の高い問題の採点結果が正解である場合に、まぐれ当たりである可能性が高いため、当該問題を要注意問題に設定する。そして、サーバ10a及びサーバ10bは、条件情報に基づいて復習用紙画像を生成する際、要注意問題を採点結果が不正解である問題として取り扱う。これにより、対象生徒は、まぐれ当たりの問題も復習用紙画像により復習することができる。
【0086】
なお、サーバ10a及びサーバ10bは、問題の難易度及び生徒の学力ランクを所定のサーバ等から取得してもよいし、採点結果DB31を参照し項目応答理論(IRT:Item Response Theory)や潜在ランク理論(LRT:Latent Rank Theory)を用いて算出してもよい。
【0087】
<第2変形例>
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、教師が教師用端末20を使用し、画像生成画面を用いて復習用紙画像を生成している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、生徒が、ネットワーク5を介してサーバ10a又はサーバ10bと通信可能な生徒用端末を使用し、教師用端末20と同様の処理を行うことで、画像生成画面を用いて復習用紙画像を生成することとしてもよい。
【0088】
<第3変形例>
上記の第1実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10aの機能を有する教師用端末110aを使用することとしてもよい。教師用端末110aは、サーバ10aと同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。
【0089】
図22は、この場合の学習支援システム200aの構成例を示す。教師用端末110aは、採点結果DB131が接続されている。教師用端末110aは、サーバ10aが行っていた画像生成処理を実行し、採点結果に応じて解答用紙画像の解答を表示または非表示とすることで復習用紙画像を容易に生成することができる。
【0090】
<第4変形例>
上記の第2実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10bの機能を有する教師用端末110bを使用することとしてもよい。教師用端末110bは、サーバ10bと同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。
【0091】
図23は、この場合の学習支援システム200bの構成例を示す。教師用端末110bは、領域情報DB130、及び、採点結果DB131が接続されている。教師用端末110bは、サーバ10bが行っていた画像生成処理を実行し、採点結果に応じた複数の問題とその解答欄を解答用紙画像から抽出し、再構成することで容易に復習用紙画像を生成することができる。
【符号の説明】
【0092】
5 ネットワーク
10a、10b サーバ
20、110a、110b 教師用端末
30、130 領域情報DB
31、131 採点結果DB
40 画面出力部
41、41x 見本用紙画像取得部
42 解答用紙画像取得部
43 判定部
44 採点結果情報取得部
45 条件情報取得部
46、46x 問題特定部
47 差分画像取得部
48、48x 復習用紙画像生成部
49 復習用紙画像出力部
100a、100b、200a、200b 学習支援システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23