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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156280
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、動作制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241029BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070613
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】勅使河原 優里
(72)【発明者】
【氏名】有月 琢哉
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 太朗
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA35
2H270LA25
2H270LA70
2H270LC11
2H270LD05
2H270MA35
2H270MD01
2H270MD02
2H270MD13
2H270MD14
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】過度に昇温した定着部材が降温された後の消費電力を低減可能な画像形成装置、及び動作制御方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置100は、画像形成処理の実行中に定着ベルトの端部の温度が定着温度よりも高い第1温度を超える場合に、シートの給紙及び前記定着ベルトを加熱するヒーターの駆動を停止させる停止処理部71と、シートの給紙及び前記ヒーターの駆動の停止後に定着ベルトが第2温度に降温した場合に、シートの給紙を再開させる第1再開処理部72と、シートの給紙の再開時から予め取得される時間に基づく待機時間が経過したタイミングで前記ヒーターの駆動を再開させる第2再開処理部74と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを給紙する給紙部と、
前記給紙部によって供給される前記シートに転写されるトナー像を当該シートに定着させる定着部材と、
前記定着部材を予め定められた定着温度に加熱するヒーターと、
前記給紙部によって供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記定着部材における前記シートの幅方向の端部の温度が前記定着温度よりも高い第1温度を超える場合に、前記給紙部による前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動を停止させる停止処理部と、
前記停止処理部による前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動の停止後に前記定着部材が前記定着温度よりも低い第2温度に降温した場合に、前記給紙部による前記シートの給紙を再開させる第1再開処理部と、
前記シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初の前記シートが前記定着部材に到達するまでの前記シートの移動時間と前記第2温度まで降温した前記定着部材を前記定着温度に昇温可能な前記ヒーターの駆動時間との差を取得する取得処理部と、
前記シートの給紙の再開時から前記取得処理部によって取得される前記差に基づく待機時間が経過したタイミングで前記ヒーターの駆動を再開させる第2再開処理部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記取得処理部は、前記画像形成装置の設置場所の気温及び前記画像形成装置の累積画像形成枚数のいずれか一方又は両方に基づいて、前記駆動時間を取得する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
シートを給紙する給紙部と、前記給紙部によって供給される前記シートに転写されるトナー像を当該シートに定着させる定着部材と、前記定着部材を予め定められた定着温度に加熱するヒーターと、を備える画像形成装置で実行される動作制御方法であって、
前記給紙部によって供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記定着部材における前記シートの幅方向の端部の温度が前記定着温度よりも高い第1温度を超える場合に、前記給紙部による前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動を停止させる停止ステップと、
前記停止ステップによる前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動の停止後に前記定着部材が前記定着温度よりも低い第2温度に降温した場合に、前記給紙部による前記シートの給紙を再開させる第1再開ステップと、
前記シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初の前記シートが前記定着部材に到達するまでの前記シートの移動時間と前記第2温度まで降温した前記定着部材を前記定着温度に昇温可能な前記ヒーターの駆動時間との差を取得する取得ステップと、
前記シートの給紙の再開時から前記取得ステップによって取得される前記差に基づく待機時間が経過したタイミングで前記ヒーターの駆動を再開させる第2再開ステップと、
を含む動作制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、給紙部から供給されるシートに画像データに基づくトナー像が転写される。そして、ヒーターによって定着温度に加熱された定着ベルトなどの定着部材により、シートに転写されたトナー像が当該シートに定着される。
【0003】
前記画像形成装置では、小サイズのシートへの画像形成が繰り返される場合に、前記定着部材におけるシートのシート幅方向の端部が過度に昇温して、前記定着部材が破損するなどの不具合が発生することがある。これに対し、前記定着部材における前記シート幅方向の端部の温度が前記定着温度よりも高い第1温度を超える場合に、前記定着部材の温度が前記定着温度よりも低い第2温度に低下するまでシートの給紙及び前記ヒーターの駆動を停止させる前記画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-234107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記画像形成装置において、過度に昇温した前記定着部材が降温された後に、シートの給紙及び前記ヒーターの駆動が同時に再開される場合には、シートが前記定着部材に到達する前に前記定着部材が前記定着温度まで昇温して、前記定着部材の温度維持のための電力が消費されることがある。
【0006】
本発明の目的は、過度に昇温した定着部材が降温された後の消費電力を低減可能な画像形成装置、及び動作制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、給紙部と、定着部材と、ヒーターと、停止処理部と、第1再開処理部と、取得処理部と、第2再開処理部とを備える。前記給紙部は、シートを給紙する。前記定着部材は、前記給紙部によって供給される前記シートに転写されるトナー像を当該シートに定着させる。前記ヒーターは、前記定着部材を予め定められた定着温度に加熱する。前記停止処理部は、前記給紙部によって供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記定着部材における前記シートの幅方向の端部の温度が前記定着温度よりも高い第1温度を超える場合に、前記給紙部による前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動を停止させる。前記第1再開処理部は、前記停止処理部による前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動の停止後に前記定着部材が前記定着温度よりも低い第2温度に降温した場合に、前記給紙部による前記シートの給紙を再開させる。前記取得処理部は、前記シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初の前記シートが前記定着部材に到達するまでの前記シートの移動時間と前記第2温度まで降温した前記定着部材を前記定着温度に昇温可能な前記ヒーターの駆動時間との差を取得する。前記第2再開処理部は、前記シートの給紙の再開時から前記取得処理部によって取得される前記差に基づく待機時間が経過したタイミングで前記ヒーターの駆動を再開させる。
【0008】
本発明の他の局面に係る動作制御方法は、シートを給紙する給紙部と、前記給紙部によって供給される前記シートに転写されるトナー像を当該シートに定着させる定着部材と、前記定着部材を予め定められた定着温度に加熱するヒーターと、を備える画像形成装置で実行され、停止ステップと、第1再開ステップと、取得ステップと、第2再開ステップとを含む。前記停止ステップでは、前記給紙部によって供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記定着部材における前記シートの幅方向の端部の温度が前記定着温度よりも高い第1温度を超える場合に、前記給紙部による前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動が停止される。前記第1再開ステップでは、前記停止ステップによる前記シートの給紙及び前記ヒーターの駆動の停止後に前記定着部材が前記定着温度よりも低い第2温度に降温した場合に、前記給紙部による前記シートの給紙が再開される。前記取得ステップでは、前記シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初の前記シートが前記定着部材に到達するまでの前記シートの移動時間と前記第2温度まで降温した前記定着部材を前記定着温度に昇温可能な前記ヒーターの駆動時間との差が取得される。前記第2再開ステップでは、前記シートの給紙の再開時から前記取得ステップによって取得される前記差に基づく待機時間が経過したタイミングで前記ヒーターの駆動が再開される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、過度に昇温した定着部材が降温された後の消費電力を低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる第1テーブルデータの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる第2テーブルデータの一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される温度異常検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置100の構成]
まず、図1、及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、図1は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。
【0013】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(図1に示される状態)における鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図1に示される画像形成装置100の紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0014】
画像形成装置100は、画像データに基づいてシートに画像を形成するプリント機能を有する。具体的に、画像形成装置100は、前記プリント機能に加えて、スキャン機能、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100は、前記プリント機能を有するプリンター、ファクス装置、又はコピー機であってもよい。
【0015】
図1、及び図2に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、シート搬送部4、操作表示部5、記憶部6、制御部7、及び環境温度センサー8を備える。
【0016】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿を搬送する。ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。
【0017】
画像読取部2は、原稿の画像を読み取る。つまり、画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。画像読取部2は、原稿から読み取った画像に対応する画像データを出力する。
【0018】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式に従って、シート搬送部4から供給されるシートにカラー、又はモノクロの画像を形成する。例えば、画像形成部3は、画像読取部2から出力される画像データに基づいて、シートに画像を形成する。また、画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力された画像データに基づいて、シートに画像を形成する。
【0019】
シート搬送部4は、画像形成部3によって画像が形成されるシートを搬送する。
【0020】
操作表示部5は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。操作表示部5は、表示部、及び操作部を備える。前記表示部は、制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記表示部は、液晶ディスプレーである。前記操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部7に各種の情報を入力する。例えば、前記操作部は、タッチパネルである。
【0021】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリーのような不揮発性メモリーである。
【0022】
制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。図2に示されるように、制御部7は、CPU11、ROM12、及びRAM13を備える。CPU11は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM12は、CPU11に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM13は、CPU11が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。制御部7では、CPU11によりROM12に予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。
【0023】
なお、制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。また、制御部7は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。
【0024】
環境温度センサー8は、画像形成装置100の環境温度(つまり、画像形成装置100の設置場所の気温)を検出する。環境温度センサー8は、設置場所における温度(気温)を検出可能なセンサーである。環境温度センサー8は、画像形成装置100の筐体の外部に設けられる。なお、環境温度センサー8は、画像形成装置100の筐体の内部に設けられてもよい。
【0025】
[画像形成部3の構成]
次に、図1図3を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、図3は、複数の画像形成ユニット20、中間転写ベルト26、及び二次転写ローラー27の構成を示す断面図である。
【0026】
図1に示されるように、画像形成部3は、4つの画像形成ユニット20、光走査装置25、中間転写ベルト26、二次転写ローラー27、定着装置28、及び排紙トレイ29を備える。
【0027】
4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット21(図3参照)は、Y(イエロー)のトナー像を形成する。4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット22(図3参照)は、C(シアン)のトナー像を形成する。4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット23(図3参照)は、M(マゼンタ)のトナー像を形成する。4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット24(図3参照)は、K(ブラック)のトナー像を形成する。つまり、画像形成部3は、CMYK各々のトナーを用いてシートに画像を形成する。図1、及び図3に示されるように、4つの画像形成ユニット20は、左右方向D3に沿って、画像形成装置100の左方側からイエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの順に併設される。
【0028】
図3に示されるように、画像形成ユニット20各々は、感光体ドラム31、帯電ローラー32、現像装置33、一次転写ローラー34、及びドラム清掃部35を備える。また、画像形成ユニット20各々は、図1に示されるトナーコンテナ36を備える。
【0029】
感光体ドラム31は、表面に静電潜像が形成される。例えば、感光体ドラム31は、アモルファスシリコンによって形成された感光層を有する。感光体ドラム31は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて、図3に示されるドラム回転方向D4に回転する。これにより、感光体ドラム31は、表面に形成される静電潜像を搬送する。
【0030】
帯電ローラー32は、予め設定された帯電電圧の印加を受けて、感光体ドラム31の表面を帯電させる。例えば、帯電ローラー32は、感光体ドラム31の表面を正極性に帯電させる。帯電ローラー32によって帯電された感光体ドラム31の表面には、光走査装置25から射出される画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
【0031】
現像装置33は、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像を現像する。現像装置33は、一対の撹拌部材、マグネットローラー、及び現像ローラーを備える。前記一対の撹拌部材は、現像装置33の内部に収容された現像剤を撹拌する。前記現像剤には、トナー、及びキャリアが含まれる。これにより、前記現像剤に含まれるトナーは、前記現像剤に含まれるキャリアとの摩擦によって正極性に帯電する。前記マグネットローラーは、前記一対の撹拌部材によって撹拌された前記現像剤を汲み上げて、当該現像剤に含まれるトナーを前記現像ローラーに供給する。前記現像ローラーは、前記マグネットローラーから供給されたトナーを感光体ドラム31との対向位置へ搬送する。また、前記現像ローラーは、予め設定された現像バイアス電圧の印加を受けて、前記対向位置へ搬送されたトナーを感光体ドラム31へ供給する。これにより、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像が可視化(現像)される。なお、現像装置33には、トナーコンテナ36からトナーが供給される。
【0032】
一次転写ローラー34は、予め設定された一次転写電流の供給を受けて、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト26の外周面に転写する。図3に示されるように、一次転写ローラー34は、中間転写ベルト26を挟んで感光体ドラム31と対向して設けられる。
【0033】
ドラム清掃部35は、一次転写ローラー34によるトナー像転写後の感光体ドラム31の表面に残存するトナーを除去する。
【0034】
光走査装置25は、画像形成ユニット20各々の感光体ドラム31の表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。
【0035】
中間転写ベルト26は、画像形成ユニット20各々の感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト26は、駆動ローラー、及び張架ローラーによって所定のテンションで張架される。中間転写ベルト26は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて前記駆動ローラーが回転することで、図1、及び図3に示されるベルト回転方向D5に回転する。これにより、中間転写ベルト26は、外周面に形成されたトナー像を二次転写ローラー27による二次転写位置P1(図1、及び図3参照)へ搬送する。なお、二次転写ローラー27によってトナー像が転写された後の中間転写ベルト26の外周面は、ベルト清掃装置によって清掃される。
【0036】
二次転写ローラー27は、予め設定された二次転写電流の供給を受けて、中間転写ベルト26の外周面に転写されたトナー像をシート搬送部4から供給されるシートに転写させる。二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26を挟んで前記駆動ローラーと対向して設けられる。二次転写ローラー27は、予め定められたニップ圧で中間転写ベルト26と接触するように、不図示の付勢部材によって前記駆動ローラーに向けて付勢される。二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26と接触する二次転写位置P1(図1、及び図3参照)で、中間転写ベルト26に形成されたトナー像をシートに転写する。
【0037】
定着装置28は、二次転写ローラー27によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。図1に示されるように、定着装置28は、定着ベルト41、及び加圧ローラー42を備える。また、定着装置28は、図2に示される駆動部43、ヒーター44、第1温度センサー45、第2温度センサー46、及び駆動制御部47を備える。
【0038】
定着ベルト41は、回転軸48(図1参照)を中心に回転可能に設けられ、シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。回転軸48は、前後方向D2に延在する軸である。ヒーター44は、定着ベルト41を予め定められた定着温度に加熱する。前記定着温度は、シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させることが可能な定着ベルト41の温度として、予め定められた温度である。加圧ローラー42は、予め定められたニップ圧で定着ベルト41と接触するように、不図示の付勢部材によって定着ベルト41に向けて付勢される。駆動部43は、加圧ローラー42に回転駆動力を供給して加圧ローラー42を回転させる。加圧ローラー42が回転することにより、定着ベルト41が図1に示されるベルト回転方向D6に沿って従動回転する。シートに転写されたトナー像は、当該シートが定着位置P2を通過する際に加熱及び加圧されて、当該シートに定着する。定着位置P2は、定着ベルト41と加圧ローラー42とが接触する位置である。定着ベルト41は、本発明の定着部材の一例である。なお、本発明の定着部材は、定着ローラーのような、ベルトとは異なる形状の部材であってもよい。
【0039】
第1温度センサー45は、定着ベルト41におけるベルト幅方向の中央部の温度を検出する。前記ベルト幅方向は、回転軸48に沿った方向である。また、前記ベルト幅方向は、シートのシート幅方向と同じ方向である。第2温度センサー46は、定着ベルト41における前記ベルト幅方向の一方の端部の温度を検出する。
【0040】
駆動制御部47は、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41の温度と予め設定された目標温度との差に基づいて、ヒーター44の駆動を制御する。具体的に、駆動制御部47は、定着ベルト41の温度が前記目標温度となるように、ヒーター44の駆動を制御する。例えば、駆動制御部47は、PID制御により、ヒーター44の駆動を制御する。例えば、画像形成装置100では、不図示の電源とヒーター44との間の給電経路上に、前記給電経路の導通及び遮断を切り替え可能なスイッチング素子(不図示)が設けられている。駆動制御部47は、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41の温度と前記目標温度との差に応じたデューティー比のPWM信号を前記スイッチング素子に入力して、前記スイッチング素子のオンオフを制御する。これにより、ヒーター44への給電量が、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41の温度と前記目標温度との差に応じて調整される。
【0041】
排紙トレイ29には、定着装置28によってトナー像が定着されたシートが排出される。
【0042】
[シート搬送部4の構成]
次に、図1、及び図2を参照しつつ、シート搬送部4の構成について説明する。
【0043】
図1、及び図2に示されるように、シート搬送部4は、給紙ユニット51、及びシート搬送路52を備える。
【0044】
給紙ユニット51は、シートを給紙する。定着ベルト41は、給紙ユニット51によって供給されるシートに転写されるトナー像を当該シートに定着させる。給紙ユニット51は、本発明の給紙部の一例である。
【0045】
図1に示されるように、給紙ユニット51は、給紙カセット61、リフト板62、ピックアップローラー63、給紙ローラー64、及び分離ローラー65を備える。また、給紙ユニット51は、図2に示される給紙センサー66を備える。
【0046】
給紙カセット61は、定着ベルト41によるトナー像の定着位置P2(図1参照)を経由する搬送経路に沿って搬送されるシートを収容する。例えば、給紙カセット61には、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシートが収容される。
【0047】
リフト板62は、給紙カセット61の底部において上下方向D1に昇降可能に設けられる。リフト板62は、給紙カセット61に収容されたシートの束を、ピックアップローラー63と接触する位置まで持ち上げる。
【0048】
ピックアップローラー63は、給紙カセット61の上側に設けられる。ピックアップローラー63は、リフト板62によって持ち上げられたシートの束における最上層のシートと接触して、当該シートを給紙ローラー64へ搬送する。
【0049】
給紙ローラー64は、ピックアップローラー63によって搬送されるシートの上面と接触して、当該シートをシート搬送路52へ搬送する。
【0050】
分離ローラー65は、給紙ローラー64の下側に設けられる。分離ローラー65は、不図示の付勢部材によって給紙ローラー64へ向けて付勢されている。これにより、給紙ローラー64と分離ローラー65との間に、シートをつまむ給紙ニップ部が形成される。分離ローラー65は、前記給紙ニップ部に複数枚のシートが搬送される場合に、その複数枚のシートのうち給紙ローラー64と接触するシートを、他のシートから分離する。
【0051】
給紙センサー66は、給紙ユニット51によって給紙されたシートを検出する。具体的に、給紙センサー66は、給紙ローラー64よりも給紙ローラー64によるシートの搬送方向の下流側の検出位置P3(図1参照)で、シートを検出する。例えば、給紙センサー66は、シート搬送路52に設けられた反射型の光センサーである。給紙センサー66は、給紙ローラー64によって搬送されるシートを検出した場合、つまり給紙ユニット51によるシートの給紙が成功した場合に、その旨を示す電気信号を出力する。
【0052】
シート搬送路52は、給紙ユニット51から二次転写位置P1(図1参照)、及び定着位置P2(図1参照)を経由して排紙トレイ29へ至るシートの移動通路である。シート搬送路52は、画像形成装置100の筐体内部に設けられた一対のガイド部材により形成される。シート搬送路52には、複数の搬送ローラー対が互いに間隔をあけて設けられる。シート搬送路52では、複数の前記搬送ローラー対によってシートが図1に示されるシート搬送方向D7へ搬送される。シート搬送方向D7は、前後方向D2に直交する平面に沿った方向である。前記シート幅方向は、シート搬送方向D7に直交する方向である。
【0053】
[制御部7の構成]
次に、図2を参照しつつ、制御部7の構成について説明する。
【0054】
図2に示されるように、制御部7は、停止処理部71、第1再開処理部72、取得処理部73、及び第2再開処理部74を含む。
【0055】
具体的に、制御部7のROM12には、制御部7のCPU11を上述の各処理部として機能させるための動作制御プログラムが予め格納されている。そして、制御部7のCPU11は、ROM12に格納された前記動作制御プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0056】
なお、前記動作制御プログラムは、CD、DVD、及びフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。また、制御部7に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記動作制御プログラムは、複数のプロセッサーを制御部7に含まれる各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0057】
停止処理部71は、給紙ユニット51によって供給されるシートに画像を形成する画像形成処理の実行中に、定着ベルト41における前記シート幅方向(本発明の幅方向の一例)の端部の温度が前記定着温度よりも高い第1温度を超える温度異常が発生した場合に、給紙ユニット51によるシートの給紙、及びヒーター44の駆動を停止させる。
【0058】
例えば、停止処理部71は、第2温度センサー46によって検出される定着ベルト41における前記シート幅方向の一方の端部の温度が前記第1温度を超える場合に、前記温度異常が発生したと判定する。
【0059】
なお、停止処理部71は、前記シート幅方向におけるサイズが予め定められ基準サイズ以下のシートが定着位置P2を通過した回数が予め定められた上限回数を超えた場合に、前記温度異常が発生したと判定してもよい。
【0060】
停止処理部71は、前記温度異常が発生した場合に、前記画像形成処理を中断させることなく、給紙ユニット51によるシートの給紙、及びヒーター44の駆動を停止させる。例えば、停止処理部71は、前記目標温度を前記定着温度から予め定められた特定温度に変更する。例えば、前記特定温度は、画像形成装置100の設置場所の気温よりも十分に低い温度(例えば、ゼロ度)である。これにより、駆動制御部47は、デューティー比0%(パーセント)のPWM信号を出力するため、ヒーター44の駆動が停止される。なお、ヒーター44の駆動の停止後も、駆動部43の駆動は継続される。これにより、過度に昇温した定着ベルト41における前記シート幅方向の端部からの熱移動が促進され、定着ベルト41における前記シート幅方向の両端部と中央部との温度差が小さくなるとともに、定着ベルト41全体が降温される。
【0061】
画像形成装置100では、前記温度異常が発生した場合に、停止処理部71により、給紙ユニット51によるシートの給紙、及びヒーター44の駆動が停止される。これにより、画像形成装置100において、小サイズのシートへの画像形成が繰り返される場合であっても、定着ベルト41における前記シート幅方向の端部が過度に昇温することが抑制される。
【0062】
第1再開処理部72は、停止処理部71によるシートの給紙、及びヒーター44の駆動の停止後に定着ベルト41が前記定着温度よりも低い第2温度に降温した場合に、給紙ユニット51によるシートの給紙を再開させる。
【0063】
例えば、第1再開処理部72は、第2温度センサー46によって検出される定着ベルト41における前記シート幅方向の一方の端部の温度が前記第2温度以下である場合に、定着ベルト41が前記第2温度に降温したと判定する。
【0064】
なお、第1再開処理部72は、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41における前記シート幅方向の中央部の温度が前記第2温度以下である場合に、定着ベルト41が前記第2温度に降温したと判定してもよい。また、第1再開処理部72は、停止処理部71によるシートの給紙、及びヒーター44の駆動の停止時から予め定められた時間が経過した場合に、定着ベルト41が前記第2温度に降温したと判定してもよい。
【0065】
ところで、従来の画像形成装置において、過度に昇温した定着ベルト41が降温された後に、シートの給紙及びヒーター44の駆動が同時に再開される場合には、シートが定着ベルト41に到達する前に定着ベルト41が前記定着温度まで昇温して、定着ベルト41の温度維持のための電力が消費されることがある。
【0066】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、過度に昇温した定着ベルト41が降温された後の消費電力を低減可能である。
【0067】
取得処理部73は、シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初のシートが定着位置P2に到達するまでのシートの移動時間と、前記第2温度まで降温した定着ベルト41を前記定着温度に昇温可能なヒーター44の駆動時間との差を取得する。
【0068】
例えば、取得処理部73は、検出位置P3から定着位置P2までのシートの移動距離を、再開後のシートの搬送速度で除算することにより、前記移動時間を取得する。なお、シートの給紙の再開後のシートの搬送速度は、停止処理部71によるシートの給紙の停止前と同じであってもよいし、シートの給紙の停止前よりも低速になっていてもよい。
【0069】
また、取得処理部73は、画像形成装置100の設置場所の気温、及び画像形成装置100の累積画像形成枚数の両方に基づいて、前記駆動時間を取得する。
【0070】
例えば、画像形成装置100では、他の画像形成装置100を用いた実験によって取得された計測データが予め記憶部6に格納されている。前記計測データは、17度以上22度未満の気温(図4の「第2常温」参照)下に設置された未使用(つまり、累積画像形成枚数がゼロ)の他の画像形成装置100において、前記第2温度まで降温した定着ベルト41をヒーター44で加熱した場合の、定着ベルト41が前記定着温度に昇温するまでの経過時間を計測する実験によって取得されるデータである。
【0071】
また、画像形成装置100では、図4に示される第1テーブルデータTD10が予め記憶部6に格納されている。図4に示されるように、第1テーブルデータTD10は、画像形成装置100の設置場所の気温と、前記計測データが示す時間の補正に用いられる第1補正値との関係を示すデータである。画像形成装置100の設置場所の気温が高いほど、定着ベルト41は昇温しやすくなるため、前記駆動時間は短くなる。そのため、第1テーブルデータTD10では、画像形成装置100の設置場所の気温が高いほど、前記第1補正値が小さくなるように、画像形成装置100の設置場所の気温と前記第1補正値との対応関係が定められている。
【0072】
また、画像形成装置100では、図5に示される第2テーブルデータTD20が予め記憶部6に格納されている。図5に示されるように、第2テーブルデータTD20は、画像形成装置100の累積画像形成枚数と、前記計測データが示す時間の補正に用いられる第2補正値との関係を示すデータである。画像形成装置100の累積画像形成枚数が多いほど、経時劣化によってヒーター44の発熱性能が低下するため、前記駆動時間は長くなる。そのため、第2テーブルデータTD20では、画像形成装置100の累積画像形成枚数が多いほど、前記第2補正値が大きくなるように、画像形成装置100の累積画像形成枚数と前記第2補正値との対応関係が定められている。
【0073】
例えば、取得処理部73は、以下の手順で、前記駆動時間を取得する。まず、取得処理部73は、前記計測データが示す計測時間を基準駆動時間として取得する。次に、取得処理部73は、環境温度センサー8を用いて画像形成装置100の設置場所の気温を検出する。次に、取得処理部73は、第1テーブルデータTD10において、環境温度センサー8によって検出された気温と対応付けられている前記第1補正値を取得する。次に、取得処理部73は、画像形成装置100の累積画像形成枚数を取得する。次に、取得処理部73は、第2テーブルデータTD20において、取得された累積画像形成枚数と対応付けられている前記第2補正値を取得する。そして、取得処理部73は、前記基準駆動時間に、前記第1補正値と、前記第2補正値とを加算することにより、前記駆動時間を取得する。
【0074】
なお、取得処理部73は、画像形成装置100の設置場所の気温、及び画像形成装置100の累積画像形成枚数のいずれか一方を用いて、前記駆動時間を取得してもよい。
【0075】
第2再開処理部74は、シートの給紙の再開時から取得処理部73によって取得される前記差に基づく待機時間が経過したタイミングで、ヒーター44の駆動を再開させる。
【0076】
例えば、前記待機時間は、前記差の半分の時間である。なお、前記待機時間は、前記差に対して、ヒーター44の駆動再開前の定着ベルト41の降温速度と駆動再開後の定着ベルト41の昇温速度とに基づく係数を乗算することによって取得される時間であってもよい。この係数は、0より大きく、1未満の値である。また、この係数は、ヒーター44の駆動再開前の定着ベルト41の降温速度が駆動再開後の定着ベルト41の昇温速度よりも低い場合には0.5よりも大きくなる値である。また、この係数は、ヒーター44の駆動再開前の定着ベルト41の降温速度が駆動再開後の定着ベルト41の昇温速度よりも高い場合には0.5よりも小さくなる値である。
【0077】
例えば、第2再開処理部74は、給紙の再開後の最初のシートが給紙センサー66によって検出された時から、前記待機時間が経過したタイミングで、ヒーター44の駆動を再開させる。
【0078】
例えば、第2再開処理部74は、前記目標温度を前記特定温度から前記定着温度に変更することにより、ヒーター44の駆動を再開させる。
【0079】
[温度異常検出処理]
以下、図6を参照しつつ、画像形成装置100において制御部7により実行される温度異常検出処理の手順の一例とともに、本発明の動作制御方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部7により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記温度異常検出処理は、前記画像形成処理が実行される場合に、前記画像形成処理の一部の処理として実行される。
【0080】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部7は、前記温度異常が発生したか否かを判定する。
【0081】
具体的に、制御部7は、第2温度センサー46によって検出される定着ベルト41における前記シート幅方向の端部の温度が前記第1温度を超える場合に、前記温度異常が発生したと判定する。
【0082】
ここで、制御部7は、前記温度異常が発生したと判定すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記温度異常が発生していなければ(S11のNo側)、制御部7は、処理をステップS18に移行させる。
【0083】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部7は、給紙ユニット51によるシートの給紙、及びヒーター44の駆動を停止させる。ここで、ステップS12の処理は、本発明の停止ステップの一例であって、制御部7の停止処理部71により実行される。
【0084】
具体的に、制御部7は、前記目標温度を前記定着温度から前記特定温度に変更することにより、ヒーター44の駆動を停止させる。
【0085】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部7は、シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初のシートが定着位置P2に到達するまでのシートの前記移動時間と、前記第2温度まで降温した定着ベルト41を前記定着温度に昇温可能なヒーター44の前記駆動時間との前記差を取得する。ここで、ステップS13の処理は、本発明の取得ステップの一例であって、制御部7の取得処理部73により実行される。
【0086】
具体的に、制御部7は、検出位置P3から定着位置P2までのシートの移動距離を、再開後のシートの搬送速度で除算することにより、前記移動時間を取得する。
【0087】
また、制御部7は、以下の手順で、前記駆動時間を取得する。まず、制御部7は、前記計測データが示す計測時間を前記基準駆動時間として取得する。次に、制御部7は、環境温度センサー8を用いて画像形成装置100の設置場所の気温を検出する。次に、制御部7は、第1テーブルデータTD10において、環境温度センサー8によって検出された気温と対応付けられている前記第1補正値を取得する。次に、制御部7は、画像形成装置100の累積画像形成枚数を取得する。次に、制御部7は、第2テーブルデータTD20において、取得された累積画像形成枚数と対応付けられている前記第2補正値を取得する。そして、制御部7は、前記基準駆動時間に、前記第1補正値と、前記第2補正値とを加算することにより、前記駆動時間を取得する。
【0088】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部7は、定着ベルト41が前記第2温度に降温したか否かを判定する。
【0089】
具体的に、制御部7は、第2温度センサー46によって検出される定着ベルト41における前記シート幅方向の端部の温度が前記第2温度以下である場合に、定着ベルト41が前記第2温度に降温したと判定する。
【0090】
ここで、制御部7は、定着ベルト41が前記第2温度に降温したと判定すると(S14のYes側)、処理をステップS15に移行させる。また、定着ベルト41が前記第2温度に降温していなければ(S14のNo側)、制御部7は、ステップS14で定着ベルト41が前記第2温度に降温するまで待ち受ける。
【0091】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部7は、給紙ユニット51によるシートの給紙を再開させる。ここで、ステップS15の処理は、本発明の第1再開ステップの一例であって、制御部7の第1再開処理部72により実行される。
【0092】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部7は、給紙の再開後の最初のシートが給紙センサー66によって検出された時から、ステップS13で取得された前記差に基づく前記待機時間が経過したか否かを判定する。
【0093】
ここで、制御部7は、前記待機時間が経過したと判定すると(S16のYes側)、処理をステップS17に移行させる。また、前記待機時間が経過していなければ(S16のNo側)、制御部7は、ステップS16で前記待機時間の経過を待ち受ける。
【0094】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部7は、ヒーター44の駆動を再開させる。ここで、ステップS17の処理は、本発明の第2再開ステップの一例であって、制御部7の第2再開処理部74により実行される。
【0095】
具体的に、制御部7は、前記目標温度を前記特定温度から前記定着温度に変更することにより、ヒーター44の駆動を再開させる。
【0096】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部7は、前記画像形成処理の終了タイミングが到来したか否かを判定する。
【0097】
ここで、制御部7は、前記画像形成処理の終了タイミングが到来したと判定すると(S18のYes側)、前記温度異常検出処理を終了させる。また、前記画像形成処理の終了タイミングが到来していなければ(S18のNo側)、制御部7は、処理をステップS11に移行させる。
【0098】
このように、画像形成装置100では、前記温度異常の発生によってシートの給紙及びヒーター44の駆動が停止される場合に、シートの給紙の再開時から給紙再開後の最初のシートが定着ベルト41に到達するまでのシートの前記移動時間と前記第2温度まで降温した定着ベルト41を前記定着温度に昇温可能なヒーター44の前記駆動時間との前記差が取得される。そして、シートの給紙の再開時(シートが給紙センサー66によって検出された時)から、取得された前記差に基づく前記待機時間が経過したタイミングで、ヒーター44の駆動が再開される。これにより、シートが定着ベルト41に到達するタイミングと、定着ベルト41が前記定着温度まで昇温するタイミングとの差を縮めることが可能である。そのため、シートの給紙及びヒーター44の駆動が同時に再開される構成と比較して、定着ベルト41の温度維持のための電力消費量を低減可能である。従って、過度に昇温した定着ベルト41が降温された後の消費電力を低減可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 シート搬送部
5 操作表示部
6 記憶部
7 制御部
8 環境温度センサー
28 定着装置
41 定着ベルト
42 加圧ローラー
43 駆動部
44 ヒーター
45 第1温度センサー
46 第2温度センサー
47 駆動制御部
51 給紙ユニット
52 シート搬送路
61 給紙カセット
64 給紙ローラー
66 給紙センサー
71 停止処理部
72 第1再開処理部
73 取得処理部
74 第2再開処理部
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6