(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156293
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】センターコンソールボックス用収納部材
(51)【国際特許分類】
B60R 7/04 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
B60R7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070637
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000114709
【氏名又は名称】槌屋ヤック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】北原 一徳
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC03
3D022CC19
3D022CD03
3D022CD04
3D022CD09
(57)【要約】
【課題】開蓋時における上面開口部の開口幅が収納空間の横幅より狭いセンターコンソールボックスに簡単に設置することが出来る仕切り用の収納部材を提供する。
【解決手段】センターコンソールボックス50は収納空間51と運転席90側又は助手席95側に交互に起倒して前記上面開口部52を開閉する両開き可能な蓋70とを備えている。収納空間51は、開蓋時、蓋70の下面70uから蓋70が存在しない方の収納空間51の運転席側壁54(助手席側壁56)までの開口幅HAが収納空間51の横幅HBより狭い。センターコンソールボックス用収納部材Aは収納空間51の運転席側壁54と助手席側壁56の内面にそれぞれ設置される第1吊持部材11と第2吊持部材21、及び前記第1吊持部材11と第2吊持部材21に係止されるセンタートレイ1とで構成されている。センタートレイ1の横幅H1は、前記開口幅HAよりも小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の室内における運転席90と助手席95の間に設けられ、上面開口部52を備えた収納空間51と、前記収納空間51の運転席側壁54又は助手席側壁56上にて運転席90又は助手席95側に交互に起倒して前記上面開口部52を開閉する両開き可能な蓋70とを備え、開蓋時の前記蓋70の下面70uから該蓋70が存在しない方の収納空間51の側壁54(56)までの開口幅HAが前記収納空間51の横幅HBより狭くなるセンターコンソールボックス50の前記収納空間51に設置されるセンターコンソールボックス用収納部材Aであって、
前記収納空間51の運転席側壁54と助手席側壁56の内面にそれぞれ設置される第1吊持部材11と第2吊持部材21、及び前記第1吊持部材11と第2吊持部材21に係止されるセンタートレイ1とで構成され、
前記センタートレイ1の横幅H1は、前記開口幅HAよりも小さく形成されてなることを特徴とするセンターコンソールボックス用収納部材。
【請求項2】
前記センタートレイ1の両側縁に外側方に向かって第1係止鍔4と第2係止鍔5とが形成されており、
前記第1吊持部材11に前記第1係止鍔4が係止される第1係止部13aが設けられており、
前記第2吊持部材21に前記第2係止鍔5が係止される第2係止部22aが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセンターコンソールボックス用収納部材。
【請求項3】
前記センタートレイ1の底部7の裏面側にティッシュボックス85を取り付けるための保持部材41が、前記センタートレイ1に設けられ、
前記底部7に前記ティッシュボックス85の取出口に合わせてティッシュ取り出し用の開口部7aが形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンターコンソールボックス用収納部材。
【請求項4】
前記センタートレイ1の底部7の裏面のコーナー部にティッシュボックス85の角が当接する位置決めリブ7sが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のセンターコンソールボックス用収納部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両開型のセンターコンソールボックスに収納されて使用される収納部材に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転席と助手席との間には、センターコンソールボックスが設置され、内部が空洞となっている収納空間の上面開口部に開閉可能な蓋が設けられている。運転者は、高速道路や料金所での支払い時にその領収証や釣銭などを受け取り、これを保管しておかねばならない。その他、たばこや飲み物のボトルなど運転時に必要な小物類を保管しておく必要がある。
そのためにはセンターコンソールボックス内を区画分けして、小銭収納スペースや書類・領収書のようなペーパー類の収納スペース、ティッシュボックスのような小物類収納スペースを備えておく必要がある。
【0003】
車種によっては、小銭収納スペースやペーパー類の収納スペースを設けたトレイと、該トレイの下が空洞となったセンターコンソールボックスを備えたもの、小銭収納スペースやトレイもなく、センターコンソールボックスの内部が単に空洞になったものなどがある。また、自動車の運転席と助手席との間が空間となっていてセンターコンソールボックスが後付けとなっているものもある(特許文献1)。
【0004】
また、その蓋もセンターコンソールボックスの後端が丁番となっており、該蝶番を回転中心として前後に前開きで開閉するもの、センターコンソールボックスの両側部に丁番が設けられ、観音開きになっているもの(特許文献1)、或いは蓋全体が運転席側からも助手席側からも開くことができる両開きになっているものなど、さまざまなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような様々なものの内、センターコンソールボックス50の収納空間51の内部がトレイもなく単なる深い空洞で、蓋70が両開きのものがある(
図1)。蓋70は閉じている時、収納空間51の上面開口部52を閉塞し、必要な時は運転席90側からも助手席95側からも開けられるようになっている。
構造の概略の一例を示せば、このようなセンターコンソールボックス50の前面57と後面58の左右2箇所に軸孔59a・59bが設けられている。
蓋70の前壁77と後壁78には、これらの軸孔59a・59bに一致する位置に回転軸79a・79bが設けられている。回転軸79a・79bは蓋70の両側辺に設けられた開閉レバー70a・70bを操作することで前記軸孔59a・59bに交互に挿脱するようになっており、前記軸孔59a(59b)のいずれか一方に挿入された回転軸79a(79b)を中心に蓋70が回転して上面開口部52を開閉するようになっている。
【0007】
この回転軸79a・79bは、蓋70の前壁77と後壁78の、蓋70の下面70uから離れた位置に設けられている。それ故、蓋70を開いた時点で蓋70の下面70uの部分が上面開口部52の運転席90側又は助手席95側にかかり、上面開口部52の開口幅HAを狭くする。
収納空間51の横幅(内寸)HBは上記上面開口部52の開口幅HAより大きい(
図1(a))。
【0008】
それ故、収納空間51の横幅HBと同じ横幅を持ち、上記各種スペースを設けた1つの収納部材(図示せず)をそのまま上面開口部52から挿入しようとしても上面開口部52の内側に迫り出した蓋70の下面70uが邪魔になり、挿入することが出来ない。
【0009】
本発明はこのような開蓋時における上面開口部の開口幅が収納空間の横幅より狭いセンターコンソールボックスに簡単に設置することが出来る仕切り用の収納部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、両開き可能なセンターコンソールボックス50の収納空間51に設置可能な収納部材Aである(
図1)。
自動車の室内における運転席90と助手席95の間に設けられ、上面開口部52を備えた収納空間51と、前記収納空間51の運転席側壁54又は助手席側壁56上にて運転席90又は助手席95側に交互に起倒して前記上面開口部52を開閉する両開き可能な蓋70とを備え、開蓋時の前記蓋70の下面70uから該蓋70が存在しない方の収納空間51の側壁54(56)までの開口幅HAが前記収納空間51の横幅HBより狭くなるセンターコンソールボックス50の前記収納空間51に設置されるセンターコンソールボックス用収納部材Aであって、
前記収納空間51の運転席側壁54と助手席側壁56の内面にそれぞれ設置される第1吊持部材11と第2吊持部材21、及び前記第1吊持部材11と第2吊持部材21に係止されるセンタートレイ1とで構成され、
前記センタートレイ1の横幅H1は、前記開口幅HAよりも小さく形成されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項2は、センタートレイ1の係止構造(
図3~
図5)に関する。
請求項1に記載のセンターコンソールボックス用収納部材Aにおいて、
前記センタートレイ1の両側縁に外側方に向かって第1係止鍔4と第2係止鍔5とが形成されており、
前記第1吊持部材11に前記第1係止鍔4が係止される第1係止部13aが設けられており、
前記第2吊持部材21に前記第2係止鍔5が係止される第2係止部22aが設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1又は2に記載のセンターコンソールボックス用収納部材Aにおいて、
前記センタートレイ1の底部7の裏面側にティッシュボックス85を取り付けるための保持部材41が、前記センタートレイ1に設けられ、
前記底部7に前記ティッシュボックス85の取出口に合わせてティッシュ取り出し用の開口部7aが形成されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項4は、請求項3に記載のセンターコンソールボックス用収納部材Aにおいて、
前記センタートレイ1の底部7の裏面のコーナー部にティッシュボックス85の角が当接する位置決めリブ7sが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
これにより、開口幅HAの狭い両開型のセンターコンソールボックス50の収納空間51に収納部材Aを簡単に設置可能することが出来る。
また、位置決めリブ7sによりティッシュボックス85の取出口をセンタートレイ1のティッシュ取り出し用の開口部7aに簡単に合わせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)本発明が適用される両開きのセンターコンソールボックスにおいて、蓋を助手席側に回転させた概略断面図、(b)同蓋を閉じた概略断面図、(c)同蓋を運転席側に回転させた概略断面図である。
【
図2】本発明の組み立てられた収納部材の斜視図である。
【
図9】(a)第2収納部材をセットした状態の概略断面図、(b)第1収納部材をセットした状態の概略断面図、(c)センタートレイをセットしようとした状態の概略断面図、(d)センタートレイをセットした状態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)~(c)は本発明の収納部材Aがセットされた状態で、蓋70の開閉状態を示す両開型のコンソールボックス50の概略断面図であり、
図2はその収納空間51に装着された収納部材Aの斜視図である。
【0017】
センターコンソールボックス50は、自動車の室内における運転席90と助手席95の間に設けられている。その構造の一例は上記の通りである。即ち、センターコンソールボックス50には運転席90と助手席95の間に収納空間51が設けられており、その上面開口部52に蓋70が設置されている。収納空間51の内部は底の深い空洞である。
【0018】
蓋70は両開きである。収納空間51の上面開口部52より上にて、センターコンソールボックス50の前面57と後面58の左右2箇所に軸孔59a・59bが設けられている。
閉塞状態において、蓋70の前壁77と後壁78の、前記軸孔59a・59bに一致する位置に回転軸79a・79bが設けられており、レバー操作でこの回転軸79a・79bが蓋70の前壁77と後壁78から突出・没入するようになっている。これによって、一方又は他方のレバー操作で回転軸79a・79bがセンターコンソールボックス50の前面57と後面58の軸孔59a・59bに交互に挿脱する。そして、蓋70は軸孔59a(59b)のいずれか一方に挿入された回転軸79a(79b)を中心に回転して上面開口部52を両開きにて開閉するようになっている。
【0019】
上記回転軸79a・79bの軸孔59a(59b)に対する挿脱は、上記のように当該回転軸79a(79b)に対応する、蓋70の両側面に設けられたいずれかの開閉レバー70a・70bを操作して行う。
【0020】
この回転軸79a・79bは、蓋70の下面70uから離れた位置に設けられているので、回転軸79a・79bから蓋70の下面70uまで厚み(距離)がある。それ故、蓋70を開いた時点で蓋70の下面70uの部分が上面開口部52の運転席90側又は助手席95側にかかる。開蓋状態で蓋70の下面70uから、蓋70が存在しない側壁54(56)までの距離を開蓋状態における上面開口部52の開口幅HAとする(
図1(a))。
これに対して、収納空間51の横幅(内寸)HBは上記上面開口部52の開口幅HAより大きい。
【0021】
収納部材Aは、基本的にセンタートレイ1、第1吊持部材11及び第2吊持部材21とで構成される。
本実施例では、運転席90側に第2吊持部材21が設置され、助手席95側に第1吊持部材11が設置されている。逆にすることも可能である。(なお、図示していないが、実施例では、第1吊持部材11と第2吊持部材21とを異なる形状にしているが、センタートレイ1を吊り持ち出来る寸法にすることで、同じ形状にすることが出来る。)
【0022】
また、付属部材として必要に応じてティッシュボックス85用の保持部材41が用いられる。保持部材41はティッシュボックス85をセンタートレイ1の底部7の下面に固定できるものであればどのようなものでも良いが、ここでは吊りベルトが用いられる。以下、吊りベルトを保持部材41として説明する。
吊りベルト41は帯材で、その一端が折り返して縫着され、その厚みが2倍となった抜止部41nを有する。
【0023】
(実施形態1)
センタートレイ1は、浅い四角形の部材で、底部7の四周が壁に囲まれている。第1吊持部材11に係止して接続される壁を第1側壁3、反対側の壁で第2吊持部材21に係止接続される壁を第2側壁2、
図2の右側の壁をトレイ前壁8、左の壁をトレイ後壁9とする。
第1側壁3の上端にはその全長に亘って外側に延出した第1係止鍔4が一体的に突設されている。第1係止鍔4のトレイ後壁9側の端部には第1係止鍔4の長手方向に沿った細長い第1係止孔4hが穿設されており、第1係止鍔4の下面には第1係止鍔4のほぼ全長に亘って長手方向に第1係止溝4mが凹設されている(
図6)。
第1側壁3の中央寄りの下端には壁側ベルト孔3hが底部7に沿って穿設されている。
【0024】
第2側壁2の上端にはその全長に亘って外側に延出した吊持用の第2係止鍔5が一体的に突設されている。第2係止鍔5の中央部分には第2係止鍔5の長手方向に細長い第2係止孔5hが穿設されており、第2係止鍔5の下面には第2係止鍔5の長手方向に第2係止溝5mが凹設されている。
【0025】
センタートレイ1の横幅H1(第1側壁3から第2側壁2の外寸)は開蓋時の蓋70の下面70uから該蓋70が存在しない方の収納空間51の運転席壁54(助手席側壁56)までの開口幅HAよりも小さく形成されている。
【0026】
第2側壁2の内面中央寄りの部分には、該第2側壁2の底部から上端にかけて内側に膨出した縦方向の膨出部2aが形成されている。この膨出部2aの外面側が空洞となっており、後述する吊りベルト41の一端を固定するレバー部材6の装着部分2sとなっている。膨出部2aの外面側である装着部分2sの下面と外側面は開放状態である。
【0027】
センタートレイ1の底部7は平坦な面でその中央に前後方向(第2側壁2と平行な方向)にティッシュ取り出し用の開口部7aが形成されている。開口部7aの一方の長辺には該長辺を凹湾曲状態に切り込んだ切欠部7bが形成されている。切欠部7bはティッシュ取り出しの時に指が入る部分である。ティッシュ取り出し用の開口部7aはセンタートレイ1のトレイ前壁8からトレイ後壁9方向に伸びており、底部7の中央を越え、トレイ後壁9に近い位置まで形成されている。
ティッシュ取り出し用の開口部7aの上面縁全周及び該開口部7aの端部からトレイ後壁9までの間に背の低い補強リブ7rが突設されている。
そして、底部7の下面の1つのコーナー部(勿論、これに限られないが、本実施例では、トレイ後壁9側で助手席95側)にL形の位置決めリブ7sが設けられている。
底部7の、壁側ベルト孔3hの近傍に底側ベルト孔7hが穿設されている。
【0028】
膨出部2aの外側空洞である装着部分2sには断面L形のレバー部材6が取り付けられている。レバー部材6の屈曲部分の前・後面には回転軸6gが突設されている。レバー部材6の長い部分が操作レバー6sで、短い部分が吊りベルト41を噛み込む噛合部6rである。
【0029】
レバー部材6は、膨出部2aの装着部分2sに嵌め込まれ、レバー部材6の回転軸6gは膨出部2aの前壁と後壁に設けた軸孔2hに枢支されて搖動する。設置状態のレバー部材6は、噛合部6rが膨出部2aの外面側に向けられ、操作レバー6sは膨出部2aの外面に平行で下方に向いている。
【0030】
噛合部6rの長さは、その先端と膨出部2aの外面との間のクリアランスが吊りベルト41のベルト部分41aの厚みより狭い間隔となるように形成され、噛み込み時にベルト部分41aを膨出部2aの外面に押圧してこれをロック出来るようになっている。
【0031】
第1吊持部材11は、前後方向及び上下方向に長く底の深い直方体で上面が開放し、内部が空洞のケース部分11aと、そのアーム側側壁12の前端から中央を越えた範囲で上方に向けて一体に設けられている吊り持ちアーム31とで構成されている。
ここで、センタートレイ1が係止する側壁をトレイ係止側側壁13、その反対側で吊り持ちアーム31が伸びている側壁をアーム側側壁12とする。
【0032】
吊り持ちアーム31は、逆L形の部材で、上記のようにアーム側側壁12の上端から上に伸びたアーム部32と、アーム部32の先端から外側方に伸びた取付片33とで構成されている。取付片33は例えば両面テープでセンターコンソールボックス50の上面開口部52の助手席側壁56の上面とその内面に接着される。
第1吊持部材11のトレイ係止側側壁13の上縁部分である第1係止部13aは、センタートレイ1の第1係止鍔4の第1係止溝4mに対する挿入部分で、その端部に係止突起13tが突設されている。
【0033】
第2吊持部材21は逆L形に形成され、垂直方向に伸びたアーム部22と、アーム部22の上部外側面から水平方向に伸びた取付片23とで構成されている(
図8)。
アーム部22は、その内面であるセンタートレイ1側の面にその全長に亘って分岐した浅い凸片が設けられており、この部分の上縁部分を第2係止部22aとする。この第2係止部22aがセンタートレイ1の第2係止鍔5の第2係止溝5mに対して挿入されて係合する部分で、第2係止部22aの中央部分に係止突起22tが更に突設されている。
【0034】
次に、センターコンソールボックス用収納部材Aの組み立て方法について説明する(
図9)。
センタートレイ1の底部7の底側ベルト孔7hに底部7の下面側から吊りベルト41のベルト部分41aの先端を上面側に通し、続いて第1側壁3の壁側ベルト孔3hに内側から外に向けて通す。そして、吊りベルト41の抜止部41nが底側ベルト孔7hの孔縁に当接するまで吊りベルト41を引く。
【0035】
センタートレイ1の底部7の下面に開封したティッシュボックス85をあてがい、ティッシュボックス85の角をセンタートレイ1の下面の位置決めリブ7sに接触させて位置決めを行う。これによりティッシュボックス85のティッシュ取出口とセンタートレイ1のティッシュ取り出し用の開口部7aは一義的に一致することになる。
【0036】
この状態で、吊りベルト41のベルト部分41aをティッシュボックス85の底に当て、ベルト部分41aの先端を開いたレバー部材6の噛合部6rと膨出部2aの外面との間の隙間に挿入し、吊りベルト41を引っ張ってティッシュボックス85をセンタートレイ1の底部7の下面に押圧する。この状態で操作レバー6sを閉じ、噛合部6rをベルト部分41aに噛み込ませて吊りベルト41を固定する。
ティッシュボックス85の長さはセンタートレイ1より長く、その先端部分はトレイ前壁8より前方に突き出している。
【0037】
次に、運転席90側に蓋70を開く(
図9(a))。そして、第2吊持部材21の取付片23とアーム部22を上面開口部52の運転席側壁54の上面と収納空間51の内面の所定の場所に、例えば、両面テープのような接着手段で張り付ける。これによってアーム部22は運転席側壁54の内面に沿って吊下げられる。
【0038】
第2吊持部材21の取り付けが終わると、蓋70を運転席90側に反転させる(
図9(b))。この状態で第1吊持部材11の取付片33とアーム側側壁12を助手席側壁56の上面と収納空間51の内面に、例えば、両面テープのような接着手段で張り付ける。第1吊持部材11のケース部分11aは助手席側壁56の内面に沿って吊下げられる。
第1吊持部材11のトレイ係止側側壁13の第1係止部13aと第2吊持部材21のアーム部22の第2係止部22aとの間隔はセンタートレイ1の左右の第1・第2係止溝4m・5mの間隔に等しい。
【0039】
第1吊持部材11の設置が終了すると、最後にティッシュボックス85を吊り下げた状態でセンタートレイ1を第1吊持部材11と第2吊持部材21に取り付ける(
図9(c))。センタートレイ1の横幅H1は、開蓋状態の上面開口部52の開口幅HAより狭いので、簡単に収納空間51に挿入できる。
そして、第1吊持部材11のトレイ係止側側壁13の第1係止部13aがセンタートレイ1の第1側壁3の第1係止鍔4に嵌り込み、同時にその第1係止孔4hに第1吊持部材11の係止突起13tが入り込むようにして、両者を連結する。
【0040】
一方、第2吊持部材21も同様に、そのアーム部22の第2係止部22aがセンタートレイ1の第2側壁2の第2係止鍔5の第2係止溝5mに嵌り込み、同時に第2係止部22aの係止突起22tが第2係止溝5mの第2係止孔5hに嵌り込むようにして、両者を連結する。これによってセンタートレイ1は第1吊持部材11と第2吊持部材21とで吊下げ状態で固定される。
このセンタートレイ1は上記のように、溝に嵌め込まれた状態で第1吊持部材11と第2吊持部材21によって吊り持ちされることになり、センタートレイ1を持ち上げれば簡単に取り出せることが出来る。
そして、係止突起13t・22tが第1係止孔4hや第2係止孔5hに嵌め込まれることで、センタートレイ1の前後方向の動きが止められる。
【0041】
センタートレイ1をセットすれば、例えば、センタートレイ1の補強リブ7rで仕切られた部分に電子タバコ、タブレット菓子その他の小物を収納し、第1吊持部材11のケース部分11aにウエットティシュなどを収納して運転時の使用に供する。
ティッシュが必要な場合は、センタートレイ1のティッシュ取り出し用の開口部7aからこれを取り出す。
ティッシュがなくなれば、センタートレイ1を持ち上げ、レバー部材6を緩めることでティッシュボックス85を交換することが出来る。
【0042】
以上より、実施形態1において、開蓋時における上面開口幅HAが収納空間51の横幅HBより狭い両開きのセンターコンソールボックス50に仕切り用の収納部材Aを簡単に設置することが出来るようになった。
なお、上記実施形態1では、先にセットされた第1吊持部材11のトレイ係止側側壁13の第1係止部13aと、第2吊持部材21のアーム部22の第2係止部22aにセンタートレイ1の第1係止鍔4の第1係止溝4m、第2係止鍔5の第2係止溝5mを係止して吊り持ちするようにしているが、センタートレイ1を係脱可能に接続されるのであれば上記のような構造に限定されるものではない。
【0043】
例えば、センタートレイ1の第1係止鍔4の第1係止溝4mや第2係止鍔5の第2係止溝5mを無くし、第1係止鍔4と第2係止鍔5を第2吊持部材21のアーム部22の第2係止部22aと、第1吊持部材11のトレイ係止側側壁13の第1係止部13aに載置するだけの構造でも良い。
本発明の仕切り用の収納部材Aは、開蓋時における上面開口部52の開口幅HAが収納空間51の横幅HBより狭いセンターコンソールボックス50に簡単に設置することが出来る。
【符号の説明】
【0044】
A:センターコンソールボックス用収納部材、HA:開蓋時の開口幅、HB:収納空間の横幅、H1:センタートレイの横幅、
1:センタートレイ、2:第2側壁、2a:膨出部、2h:軸孔、2s:装着部分、3:第1側壁、3h:壁側ベルト孔、4:第1係止鍔、4h:第1係止孔、4m:第1係止溝、5:第2係止鍔、5h:第2係止孔、5m:第2係止溝、6:レバー部材、6g:回転軸、6r:噛合部、6s:操作レバー、7:底部、7a:ティッシュ取り出し用の開口部、7b:切欠部、7r:補強リブ、7s:位置決めリブ、8:トレイ前壁、9:トレイ後壁、11:第1吊持部材、11a:ケース部分、12:アーム側側壁、13:トレイ係止側側壁、13a:第1係止部、13t:係止突起、21:第2吊持部材、22:アーム部、22a:第2係止部、22t:係止突起、23:取付片、21m:係合凸部、31:吊り持ちアーム、32:アーム部、33:取付片、41:保持部材(吊りベルト)、41a:ベルト部分、41n:抜止部、50:センターコンソールボックス、51:収納空間、52:上面開口部、54:運転席側壁、56:助手席側壁、57:前面、58:後面、59a・59b:軸孔、70:蓋、70a・70b:開閉レバー、70u:蓋の下面、72:運転席側々部、74:助手席側々部、77:蓋の壁、78:蓋の壁、79a・79b:回転軸、85:ティッシュボックス、90:運転席、95:助手席