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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156300
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】仮想空間管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241029BHJP
   H04L 51/52 20220101ALI20241029BHJP
   H04L 67/02 20220101ALN20241029BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
H04L51/52
H04L67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070652
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信也
(72)【発明者】
【氏名】北川 巧
(72)【発明者】
【氏名】稲川 尚之
(72)【発明者】
【氏名】片岡 敬志郎
(72)【発明者】
【氏名】勝丸 徳浩
(72)【発明者】
【氏名】山添 隆文
(72)【発明者】
【氏名】上田 一将
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA11
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA09
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA08
(57)【要約】
【課題】入場先としてユーザによって指定された個別空間から当該個別空間以外の他の個別空間への移動を容易にする。
【解決手段】本開示の一実施形態による仮想空間サーバ20は、受付部230a、生成部230b、及び管理部230cを備える。受付部230aは、複数の個別空間の各々へのアクセス情報が配列されたリストの中から、入場先としてユーザに指定された個別空間を受け付ける。生成部230bは、複数の個別空間のうちユーザに指定された個別空間以外の1又は複数の他の個別空間をユーザに指定された個別空間の周囲に配置することにより、仮想空間を生成する。管理装置230cは、ユーザがリストの中から入場先となる個別空間を指定した場合、当該ユーザに対応するアバターを当該ユーザに指定された個別空間に配置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別空間の各々へのアクセス情報が配列されたリストの中から、入場先としてユーザに指定された個別空間を受け付ける受付部と、
前記複数の個別空間のうち前記ユーザに指定された個別空間以外の1又は複数の他の個別空間を前記ユーザに指定された個別空間の周囲に配置することにより、仮想空間を生成する生成部と、
前記ユーザが前記リストの中から入場先となる個別空間を指定した場合、前記ユーザに対応するアバターを前記ユーザに指定された個別空間に配置する管理部と、
を備える仮想空間管理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記1又は複数の他の個別空間の各々について前記ユーザの特徴との適合の度合いを算出し、適合の度合いに応じて前記1又は複数の他の個別空間を前記ユーザにより指定された個別空間の周囲に配置して前記仮想空間を生成する、請求項1に記載の仮想空間管理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記ユーザの特徴との適合の度合いが高い他の個別空間ほど前記ユーザにより指定された個別空間の近くに配置して前記仮想空間を生成する、請求項2に記載の仮想空間管理装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記ユーザにより指定された個別空間、及び前記ユーザにより指定された個別空間の周囲に配置される他の個別空間の各々に外観を統一する編集を施す、請求項1に記載の仮想空間管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仮想空間管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想店舗、仮想オフィス、仮想公園、又は仮想住宅等の各種メタバース空間の利用が可能となっている。メタバース空間に入場したユーザは、自身の分身であるアバターを用いて各種活動を行える。従来、無数にあるメタバース空間の中から好みのメタバース空間に入場する場合、各メタバース空間にアクセスするためのアクセス情報を用いて入場先のメタバース空間を指定することが一般的であった(例えば、特許文献1)。メタバース空間へ入場するためのアクセス情報の具体例としては、メタバース空間に割り当てられたURL(Uniform Resource Locator)が挙げられる。また、複数のメタバース空間の各々に対応するアクセス情報が掲載されたリストから入場先のメタバース空間を選択することも一般に行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-40296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のメタバース空間の各々は、それらを包含するより大きな仮想空間の一部と考えることができる。以下では、メタバース空間は個別空間と称される場合がある。複数の個別空間の間には、現実空間におけるような位置的な繋がりはない。このため、ある個別空間に入場したユーザが他の個別空間へ移動する場合、再度リスト等を用いて移動先の個別空間を選択する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の好適な態様に係る仮想空間管理装置は、受付部と、生成部と、管理部と、を備える。受付部は、複数の個別空間の各々へのアクセス情報が配列されたリストの中から、入場先としてユーザに指定された個別空間を受け付ける。生成部は、前記複数の個別空間のうち前記ユーザに指定された個別空間以外の1又は複数の他の個別空間を前記ユーザに指定された個別空間の周囲に配置することにより、仮想空間を生成する。管理部は、前記ユーザが前記リストの中から入場先となる個別空間を指定した場合、前記ユーザに対応するアバターを前記ユーザに指定された個別空間に配置する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、入場先としてユーザによって指定された個別空間の周囲に当該個別空間以外の1又は複数の他の個別空間を配置して仮想空間が生成されるので、ユーザは自身に対応するアバターを何れかの他の個別空間に向けて移動させることで、各個別空間へのアクセス情報が掲載されたリストに戻ることなく他の個別空間へ移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の仮想空間管理装置の一実施形態による仮想空間サーバ20を含む通信システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】ユーザ装置10(k)の構成例を示すブロック図である。
図3】ユーザ装置10(k)の表示装置150に表示される指定画面G1の一例を示す図である。
図4】仮想空間サーバ20の構成例を示すブロック図である。
図5】仮想空間サーバ20の記憶装置220に記憶されている第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2の格納内容の一例を示す図である。
図6】仮想空間サーバ20の処理装置230がプログラムPR1に従って実現する生成部230bの機能を説明するための図である。
図7】仮想空間サーバ20の処理装置230がプログラムPR1に従って実現する生成部230bの機能を説明するための図である。
図8】仮想空間サーバ20の処理装置230がプログラムPR1に従って実現する生成部230bの機能を説明するための図である。
図9】処理装置230がプログラムPR1に従って実行する管理方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(A:実施形態)
図1は、本開示の仮想空間管理装置の一実施形態による仮想空間サーバ20を含む通信システム1の構成例を示すブロック図である。通信システム1において、仮想空間サーバ20は、有線又は無線により通信網NWに接続される。通信網NWは例えばインターネット等の電気通信回線である。図1に示されるように、通信網NWには、仮想空間サーバ20の他に、ユーザ装置10(1)、10(2)、…10(j)が、夫々仮想空間サーバ20と通信可能に接続される。jは2以上の任意の整数である。
【0009】
ユーザ装置10(1)、10(2)、…10(j)は、ユーザU(1)、U(2)、…U(j)によって使用される。以下では、ユーザ装置10(1)、10(2)、…10(j)の各々を区別する必要が無い場合には、ユーザ装置10(1)、10(2)、…10(j)は、ユーザ装置10(k)と称される。kは1以上j以下の任意の整数である。また、ユーザU(1)、U(2)、…U(j)の各々を区別する必要が無い場合には、ユーザU(1)、U(2)、…U(j)はユーザU(k)と称される。
【0010】
仮想空間サーバ20は、利用登録を行ったユーザに対して仮想空間サービスを提供する情報処理装置である。仮想空間サービスとは、ユーザに対応するアバターを仮想空間に配置し、このアバターの動作を通じて様々な活動を仮想空間において行えるようにすることをいう。本実施形態では、ユーザU(k)は、仮想空間サービスの利用登録済である。仮想空間サーバ20は、ユーザ装置10(k)からの要求に応じて仮想空間データを生成し、生成した仮想空間データをユーザ装置10(k)へ送信する。仮想空間データは、ユーザ装置10(k)に仮想空間の画像を表示させるためのデータである。仮想空間データには、仮想空間に配置される仮想オブジェクトの位置、形状、及び大きさを示す情報が含まれる。この仮想オブジェクトには、仮想空間へ入場したユーザU(k)のアバターが含まれる。
【0011】
本実施形態における仮想空間は、複数のメタバース空間の集合体、即ち複数の個別空間の集合体である。本実施形態における個別空間は、ユーザU(1)~U(j)の各々の仮想住居及び仮想公園であるが、仮想オフィス又は仮想店舗であってもよい。個別空間が仮想住宅及び仮想公園である場合の仮想空間の具体例としては、仮想住宅地が挙げられる。また、個別空間が仮想店舗である場合の仮想空間の具体例としては、仮想ショッピングモールが挙げられる。本実施形態では、ユーザU(k)は、複数の個別空間のうちから入場先となる個別空間を指定することができる。以下では、ユーザU(k)によって入場先として指定された個別空間は、入場先空間と称される。仮想空間サーバ20は、ユーザU(k)により入場先空間が指定されると、当該入場先空間の周囲に複数の他の個別空間を配置した仮想空間を生成し、当該入場先空間にユーザU(k)のアバターを配置する。
【0012】
ユーザ装置10(k)は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末或いはスマートフォン等の携帯機器、又はヘッドマウントディスプレイ等の画像を表示する機能を備えた情報処理装置によって構成される。ユーザ装置10(k)は、携帯機器とヘッドマウントディスプレイとを組み合わせて構成されてもよい。ユーザ装置10(k)がヘッドマウントディスプレイを含む場合、ユーザ装置10(k)は3次元の仮想空間の一部、即ちユーザU(k)の視野に対応する当該仮想空間の画像をユーザU(k)に提供する。ユーザ装置10(k)がヘッドマウントディスプレイを含まない場合、ユーザ装置10(k)は2次元の仮想空間の一部を示す画像をユーザU(k)に提供する。
【0013】
図2は、ユーザ装置10(k)の構成例を示すブロック図である。図2に示されるように、ユーザ装置10(k)は、通信装置110と、記憶装置120と、処理装置130と、バス140と、表示装置150と、入力装置160と、を含む。通信装置110、記憶装置120、表示装置150、及び入力装置160の各々と、処理装置130とは、データ授受を仲介するバス140によって相互に接続される。バス140は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、要素間毎に異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0014】
通信装置110は、他の装置と通信するためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置110は、有線又は無線により通信網NWに接続される。通信装置110は、通信網NWに無線又は有線により接続される他の装置と通信網NWを介して通信する。この他の装置の一例としては仮想空間サーバ20が挙げられる。通信装置110は、通信網NWを介して仮想空間サーバ20から送信されたデータを受信する。通信装置110は、通信網NWを介して仮想空間サーバ20から受信したデータを処理装置130へ与える。また、通信装置110は、処理装置130から与えられるデータを通信網NWへ送信する。
【0015】
表示装置150は、外部に対して情報を表示するハードウェアである。表示装置150の具体例としては、液晶表示パネル又は有機EL表示パネルが挙げられる。入力装置160は、外部からの入力を受け付ける入力ハードウェアである。入力装置160の具体例としては、キーボード、マウス、スイッチ、又はボタンが挙げられる。表示装置150及び入力装置160は、一体となった構成であってもよい。表示装置150及び入力装置160が一体となった構成の具体例としては、タッチパネルが挙げられる。また、ユーザ装置10(k)がヘッドマウントディスプレイである場合には、表示装置150に代えて、ユーザU(k)の両目の前方に配置されるレンズに画像を投影する投影装置が設けられる。
【0016】
記憶装置120は、処理装置130が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及びRAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置220には、プログラムPR1が予め記憶されている。プログラムPR1は、ユーザU(k)に仮想空間サービスを利用させるためのプログラムである。
【0017】
処理装置130は、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。処理装置230は、入力装置160に対する入力によりプログラムPR1の実行を指示されたことを契機として、記憶装置120からプログラムPR1を読み取る。処理装置130は、読み取ったプログラムPR1を実行する。処理装置130は、プログラムPR1を実行することによって、図2に示される指定部130a、送信部130b、及び表示制御部130cとして機能する。つまり、図2に示される指定部130a、送信部130b及び表示制御部130cは、CPU等のコンピュータをプログラム等のソフトウェアに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。指定部130a、送信部130b、及び表示制御部130cの各々が担う機能は次の通りである。
【0018】
指定部130aは、入場先空間をユーザU(k)に指定させる。より詳細に説明すると、指定部130aは、通信装置110を用いて仮想空間サーバ20と通信することにより、入場先空間をユーザU(k)に指定させるための指定画面G1の画像を表示装置150に表示させる。図3は、表示装置150に表示される指定画面G1の一例を示す図である。図3に示されるように、指定画面G1は、複数の個別空間の各々を一意に示す空間識別情報に対応付けて、各個別空間へのアクセス情報が配列されたリストを含む。空間識別情報の具体例としては、個別空間を表す文字列が挙げられる。図3に示す例における「ユーザU(k)の家」は、ユーザU(k)の仮想住宅を表す空間識別情報であり、「URL(k)」はユーザU(k)の仮想住宅のURLである。また、図3に示す例における「○○広場」は、仮想公園を表す空間識別情報であり、「URL(j+1)」は当該仮想公園のURLである。図3に示される指定画面G1を視認したユーザU(k)は、入場を所望する個別空間のアクセス情報を、入力装置160に対する操作により選択することにより、入場先空間を指定できる。
【0019】
指定部130aは、入場先空間が指定されると、当該指定された入場先空間の空間識別情報、及びユーザU(k)を一意に示すユーザ識別情報を、仮想空間サーバ20へ送信する。ユーザ識別情報の具体例としては、仮想空間サービスの利用登録の際にユーザU(k)に割り当てられたユーザIDが挙げられる。詳細については後述するが、仮想空間サーバ20は、ユーザ装置10(k)から空間識別情報及びユーザ識別情報を受信すると、当該空間識別情報の示す個別空間の周囲に、当該ユーザ識別情報の示すユーザU(k)の特徴に適合した複数の他の個別空間を配置した仮想空間を生成し、当該仮想空間を表す仮想空間データをユーザ装置10(k)へ送信する。この仮想空間データは通信装置110によって受信される。
【0020】
表示制御部130cは、通信装置110によって仮想空間データが受信される毎に、当該仮想空間データの表す仮想空間の画像を表示装置150に表示する。送信部130bは、アバターの動作を示す入力が入力装置160に対して為される毎に、当該アバターの動作を示す動作データを仮想空間サーバ20へ送信する。詳細については後述するが、仮想空間サーバ20は、ユーザ装置10(k)から送信された動作データを受信すると、当該動作データに従ってユーザU(k)のアバターを動作させた状態の仮想空間を表すように仮想空間データを更新し、当該更新後の仮想空間データをユーザ装置10(k)へ送信する。動作データの送信、動作データに応じて仮想空間データの更新、及び更新後の仮想空間データに従った表示制御が行われることによって、ユーザU(k)のアバターが仮想空間において動作する様子が表示装置150に表示される。
以上が、ユーザ装置10(k)の構成である。
【0021】
図4は、仮想空間サーバ20の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、仮想空間サーバ20は、通信装置210と、記憶装置220と、処理装置230と、バス240と、を含む。通信装置210及び記憶装置220の各々と、処理装置230とは、データ授受を仲介するバス240によって相互に接続される。バス240は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、要素間毎に異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0022】
図4では詳細な図示を省略したが、仮想空間サーバ20は、入力装置と表示装置とを含んでもよい。入力装置は、入力装置160と同様に、外部からの入力を受け付けるハードウェアである。仮想空間サーバ20の入力装置は、仮想空間サーバ20の運用及び保守を行う作業者の入力を受け付ける。表示装置は、表示装置150と同様に、外部に対して情報を表示するハードウェアである。仮想空間サーバ20の表示装置は、処理装置230による制御の下、各種画像を表示する。処理装置230による制御の下で仮想空間サーバ20の表示装置が表示する画像の一例としては、仮想空間サーバ20の運用及び保守のための各種入力を受け付ける入力画面の画像が挙げられる。
【0023】
通信装置210は、通信装置110と同様に、他の装置と通信するためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置210は、有線又は無線により通信網NWに接続される。通信装置210は、通信網NWに無線又は有線により接続される他の装置と通信網NWを介して通信する。この他の装置の一例としてはユーザ装置10(k)が挙げられる。通信装置210は、通信網NWを介してユーザ装置10(k)から送信されたデータを受信する。通信装置210は、通信網NWを介してユーザ装置10(k)から受信したデータを処理装置230へ与える。また、通信装置210は、処理装置230から与えられるデータを通信網NWへ送信する。
【0024】
記憶装置220は、処理装置230が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置220は、記憶装置120と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及びRAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置220には、プログラムPR2、第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2が予め記憶されている。
【0025】
図5は、第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2の格納内容の一例を示す図である。図5に示されるように、第1テーブルTBL1には、ユーザU(1)~U(j)の各々のユーザ識別情報に対応付けて、第1特徴量群が記憶されている。ユーザU(k)を示すユーザ識別情報に対応付けられた第1特徴量群は、ユーザU(k)の趣味嗜好に関する特徴を表す。本実施形態における第1特徴量群には、特徴量V1、V2、及びV3が含まれる。特徴量V1は、ユーザU(k)のスポーツに対する興味の程度を表す。特徴量V2は、ユーザU(k)のファッションに対する興味の程度を表す。特徴量V3は、ユーザU(k)の旅行に対する興味の程度を表す。特徴量V1、V2及びV3は、何れも、0~100の範囲の値であり、値が大きいほど興味の程度が高いことを表す。第1特徴量群は、例えば仮想空間サービスの利用登録の際にユーザU(k)に対して行われる趣味嗜好に関するアンケートの結果に基づいて生成される。
【0026】
図5に示されるように、第2テーブルTBL2には、前述の空間識別情報に対応付けて、当該空間識別情報の示す個別空間に関するアクセス情報と第2特徴量群とが記憶されている。第2特徴量群は、前述の特徴量V1、V2、及びV3を含み、当該第2特徴量群に対応する個別空間の特徴を表す。前述したように、本実施形態における個別空間は、ユーザU(1)~U(j)の各々の仮想住宅及び仮想公園である。仮想公園を示す空間識別情報に対応付けて第2テーブルTBL2に格納される第2特徴量群に含まれる特徴量V1、V2、及びV3には、全て0がセットされている。これに対して、ユーザU(k)の仮想住宅を示す空間識別情報に対応付けて第2テーブルTBL2に格納される第2特徴量群は、ユーザU(k)についての第1特徴量群と同一である。つまり、本実施形態では、ユーザU(k)の仮想住宅については、当該ユーザU(k)の趣味嗜好の特徴がそのまま当該仮想住宅の特徴となっている。
【0027】
第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2の格納内容は、入場先空間の周囲に配置する他の個別空間の選択の際に利用される。本実施形態における第1特徴量群は、当該第1特徴量群に対応付けられた空間識別情報の示す個別空間に対応するユーザU(k)の趣味嗜好の特徴を表すが、行動特性の特徴を表してもよい。また、個別空間が仮想店舗である場合、第2特徴量群は、当該店舗における取り扱い品目の特徴を表し、第1特徴量群はユーザU(k)が過去に購入した商品等の品目の特徴を表してもよい。なお、本実施形態における第1特徴量群及び第2特徴量群は、一種類の特徴量で構成されるが、一種類或いは二種類の特徴量、又は四種類以上の特徴量により構成されてもよい。
【0028】
処理装置230は、処理装置130と同様に、1又は複数のCPUを含む。処理装置230は、仮想空間サーバ20の入力装置に対する入力によりプログラムPR2の実行を指示されたことを契機として、記憶装置220からプログラムPR2を読み取る。処理装置230は、読み取ったプログラムPR2を実行する。処理装置230は、プログラムPR2を実行することによって、図4に示される受付部230a、生成部230b、及び管理部230cとして機能する。つまり、図4に示される受付部230a、生成部230b、及び管理部230cは、指定部130a、送信部130b、及び表示制御部130cと同様にソフトウェアモジュールである。受付部230a、生成部230b、及び管理部230cの各々が担う機能は次の通りである。
【0029】
受付部230aは、複数の個別空間の各々へのアクセス情報が配列されたリストの中から、ユーザU(k)に指定された入場先空間を受け付ける。より詳細に説明すると、受付部230aは、ユーザ装置10(k)からの要求を契機として、第2テーブルTBL2に互いに対応付けて格納されている空間識別情報及びアクセス情報を配列したリストを含む指定画面G1を表すデータを生成し、生成したデータをユーザ装置10(k)へ送信する。前述したように、指定画面G1を表示している状態のユーザ装置10(k)は、入場先空間を指定する入力が入力装置160に対して為されると、入場先空間の空間識別情報とユーザU(k)のユーザ識別情報とを仮想空間サーバ20へ送信する。受付部230aは、当該空間識別情報を受信することにより、ユーザU(k)に指定された入場先空間を受け付ける。
【0030】
生成部230bは、受付部230aにより入場先空間を受け付けた場合に、複数の個別空間のうち入場先空間以外の複数の他の個別空間を、入場先空間の周囲に配置することにより、仮想空間を生成する。本実施形態では、生成部230bは、まず、複数の他の個別空間の各々について、入場先空間を指定したユーザU(k)の特徴との適合の度合いを算出する。そして、生成部230bは、ユーザU(k)の特徴との適合の度合いが高い個別空間ほど入場先空間の近くに配置し、更に入場先空間及び入場先空間の周囲に配置される他の個別空間の各々に外観を統一する編集を施して仮想空間を生成する。入場先空間及び入場先空間の周囲に配置される他の個別空間の外観を統一する編集の一例としては、入場先空間及び入場先空間の周囲に配置される他の個別空間の各々に配置される仮想オブジェクトの色合いを統一する編集が挙げられる。
【0031】
本実施形態では、ユーザU(k)及びユーザU(k)に対応する個別空間の特徴は、図6に示されるように、特徴量V1、特徴量V2及び特徴量V3の各々に対応する3つの座標軸により規定される座標空間(以下、特徴量空間)内の点(以下、特徴点)として表される。例えば、図6における特徴点P(1)は、ユーザU(1)及びユーザU(1)に対応する個別空間の特徴を表す。図6における特徴点P(2)は、ユーザU(2)及びユーザU(2)に対応する個別空間の特徴を表す。図6における特徴点P(3)は、ユーザU(3)及びユーザU(3)に対応する個別空間の特徴を表す。
【0032】
図6に示される特徴量空間では、2つの特徴点の間のユークリッド距離が短いほど、各点に対応するユーザの趣味嗜好の特徴が似ていること、即ち両ユーザの特徴の適合の度合いが高いことを意味する。なお、特徴量空間における座標が(a、b、c)である第1の特徴点と、特徴量空間における座標が(x、y、z)である第2の特徴点の間のユークリッド距離rは、以下の式(1)により表わされる。
【数1】
【0033】
例えば、図6に示された例では、特徴点P(1)と特徴点P(3)の間のユークリッド距離r13は、特徴点P(1)と特徴点P(2)の間のユークリッド距離r12よりも短く、これは、ユーザU(3)の方がユーザU(2)よりも、ユーザU(1)との趣味嗜好の適合の度合いが高いことを表す。本実施形態では、生成部230bは、図6に示される特徴量空間におけるユークリッド距離に基づいて、ユーザU(k)により指定された入場先空間の周囲に配置する他の個別空間を選択する。
【0034】
具体的には、生成部230bは、まず、複数の他の個別空間の各々について第2特徴量群を第2テーブルTBL2から読み出すとともに、入場先空間を指定したユーザU(k)についての第1特徴量群を第1テーブルTBL1から読み出す。そして、生成部230bは、読み出した第1特徴量群及び第2特徴量群に基づいて、ユーザU(k)に対応する特徴点と複数の他の個別空間の各々に対応する特徴点との間のユークリッド距離を算出する。次いで、生成部230bは、ユークリッド距離が短い順に所定の個数の個別空間を選択する。本実施形態では、上記所定の個数は3である。次いで、生成部230bは、図7に示される2×2のマトリクスにおける左上隅のエリアに入場先空間を配置し、エリアA、エリアB、及びエリアCに上記3個の他の個別空間をユークリッド距離が短い順に配置する。より詳細には、生成部230bは、上記ユークリッド距離が最も短い個別空間を図7におけるエリアAに、上記ユークリッド距離が次に短い個別空間を図7におけるエリアBに、上記ユークリッド距離が次に短い個別空間を図7におけるエリアCに、夫々配置する。そして、生成部230bは、互いに隣り合う個別空間が地続きとなるように、互いに隣り合う個別空間同士を連結する。
【0035】
例えば、ユーザU(1)がユーザ装置10(1)の入力装置160に対する入力により、仮想公園を入場先空間として指定し、当該ユーザU(1)の特徴との適合の度合いが高い順に、ユーザU(1)の仮想住宅、ユーザU(3)の仮想住宅、及びユーザU(j)の仮想住宅が選択されたとする。この場合、生成部230bは、図7における2×2のマトリクスの左上隅に仮想公園を、エリアAにユーザU(1)の仮想住宅を、エリアBにユーザU(3)の仮想住宅を、エリアCにユーザU(j)の仮想住宅を配置し、且つ互いに隣り合う個別空間が地続きとなるように、互いに隣り合う個別空間同士を連結する。そして、生成部230bは、2×2のマトリクス状に配置した各個別空間に外観を統一する編集を施すことにより、図8に示される仮想空間を生成する。
【0036】
管理部230cは、リストの中から入場先空間をユーザU(k)が指定した場合、当該ユーザU(k)のアバターを当該入場先空間に配置した仮想空間を表す仮想空間データを生成し、当該仮想空間データをユーザ装置10(k)へ送信する。また、管理部230cは、ユーザ装置10(k)から動作データを受信する毎に、当該動作データに従ってユーザU(k)のアバターを動作させた状態の仮想空間を表すように仮想空間データを更新する。そして、管理部230cは、更新後の仮想空間データをユーザ装置10(k)へ送信する。
【0037】
また、プログラムPR2に従って作動している処理装置230は、本開示に特有の管理方法を実行する。図9は、本開示の管理方法における処理の流れを示すフローチャートである。図9に示されるように、本開示の管理方法には、受付処理SA110、生成処理SA120、及び管理処理SA130が含まれる。図9に示される各処理の処理内容は次の通りである。
【0038】
受付処理SA110では、処理装置230は、受付部230aとして機能する。受付処理SA110では、処理装置230は、複数の個別空間の各々へのアクセス情報が配列されたリストの中から、ユーザU(k)により指定された入場先空間を受け付ける。
【0039】
受付処理SA110に後続する生成処理SA120では、処理装置230は、生成部230bとして機能する。生成処理SA120では、処理装置230は、複数の個別空間のうち入場先空間以外の複数の他の個別空間を、入場先空間の周囲に配置することにより、仮想空間を生成する。
【0040】
生成処理SA120に後続する管理処理SA130では、処理装置230は、管理部230cとして機能する。管理処理SA130では、処理装置230は、入場先空間を指定したユーザU(k)に対応するアバターを当該ユーザU(k)により指定された入場先空間に配置した仮想空間を表す仮想空間データを生成し、ユーザ装置10(k)へ送信する。また、管理処理SA130では、処理装置230は、ユーザ装置10(k)から動作データを受信する毎に、受信した動作データに従って仮想空間データを更新し、更新後の仮想空間データをユーザ装置10(k)へ送信する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の仮想空間サーバ20によれば、入場先空間に当該入場先空間以外の他の個別空間を地続きに連結して仮想空間が生成されるので、ユーザU(k)は自身に対応するアバターを複数の他の個別空間の何れかに向けて移動させる操作を行うことで、指定画面G1に戻ることなく他の個別空間へ移動することができる。つまり、本実施形態の仮想空間サーバ20によれば、入場先空間から他の個別空間への移動が容易になる。また、ユーザU(k)が入場先空間を選択したことを契機として当該入場先空間に複数の他の個別空間が動的に連結されるので、仮想空間全体における個別空間の配置に自由度を持たせることができる。
【0042】
また、入場先空間及び当該入場先空間の周囲に配置される複数の他の個別空間に複数の仮想店舗が含まれる場合には、仮想店舗間の移動が容易になることにより、仮想店舗間の人流が増加し、また、仮想空間内のユーザの回遊性及びユーザの滞在時間が向上する。この結果、仮想空間サービスの利用登録者の増加及び仮想店舗の出店者の増加等、仮想空間サービスの利用拡大が期待される。
【0043】
本実施形態の仮想空間サーバ20によれば、入場先空間の周囲に配置する複数の他の個別空間がユーザU(k)の趣味嗜好の特徴に基づいて選択されるので、ユーザU(k)は自身の好みにあう他の個別空間又は他のユーザを自身で探さなくても、仮想空間内を移動することで、偶発的な出会いが生まれ、仮想空間の滞在性が向上する。加えて、本実施形態の仮想空間サーバ20によれば、入場先空間を指定したユーザU(k)の特徴との適合の度合いが高い個別空間ほど入場先空間の近くに配置されるので、ユーザU(k)の特徴との適合の度合いが高い個別空間ほど、入場先空間からの移動が容易になる。
【0044】
(B:変形)
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様は以下の通りである。以下の例示から任意に選択された2以上の態様が併合されてもよい。
(B-1:変形例)
上記実施形態では、入場先空間の周囲に複数の他の個別空間が配置されたが、入場先空間の周囲に配置される他の個別空間は1つであってもよい。また、上記実施形態では、入場先空間及び入場先空間の周囲に配置される他の個別空間に、外観を統一する編集が施されたが、この編集は省略されてもよい。入場先空間及び入場先空間の周囲に配置される他の個別空間の外観を統一する編集が省略されても、入場先空間から他の個別空間への移動が容易になることに変わりはないからである。
【0045】
(B-2:変形例2)
上記実施形態では、入場先空間を指定したユーザU(k)の特徴との適合の度合いを示す指標としてユークリッド距離が用いられたが、マハラノビス距離が用いられてもよく、また、特徴量空間の原点から特徴点に至るベクトルの内積が用いられてもよい。また、上記実施形態では、2×2のマトリクスの左上隅に入場先空間が配置されたが、入場先空間は当該マトリクスの右上隅、右下隅、又は左下隅に配置されてもよく、N×Mのマトリクスの任意の位置に入場先空間が配置され、当該マトリクスにおける他の位置に1又は複数の他の個別空間が配置されてもよい。なお、N及びMは1以上の任意の整数であるが、NとMが同時に1になることはない。
【0046】
(B-3:変形例3)
上記実施形態における生成部230bは、入場先空間を指定したユーザU(k)の特徴との適合の度合いが高い個別空間ほど入場先空間の近くに配置して仮想空間を生成した。しかし、生成部230bは、入場先空間を指定したユーザU(k)の特徴との適合の度合いが低い個別空間ほど入場先空間の近くに配置して仮想空間を生成してもよい。また、生成部230bは、指定画面G1のリストにおける掲載順が入場先空間に近い他の個別空間ほど、入場先空間の近く又は遠くに配置して仮想空間を生成してもよい。また、生成部230bは、入場先空間の周囲における1又は複数の他の仮想空間の並びを、疑似乱数等を利用して決定してもよい。要は、入場先空間以外の1又は複数の他の個別空間を、入場先空間の周囲に配置することにより、仮想空間が生成されればよい。
【0047】
(B-4:変形例4)
上記実施形態では、仮想空間サーバ20の記憶装置220にプログラムPR2が記憶されていたが、プログラムPR2が単体で製造又は販売されてもよい。プログラムPR2を販売する際の購入先へのプログラムPR2の提供態様としては、フラッシュROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムPR2を書き込んで配布する態様、又は電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が挙げられる。
【0048】
(B-5:変形例5)
上記実施形態における受付部230a、生成部230b、及び管理部230cは何れもソフトウェアモジュールであった。しかし、受付部230a、生成部230b、及び管理部230cのうちの何れか一つ、何れか二つ、又は全部はハードウェアモジュールであってもよい。ハードウェアモジュールの具体例としては、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。受付部230a、生成部230b、及び管理部230cのうちの何れか一つ、何れか二つ、又は全部がハードウェアモジュールであっても、上記実施形態と同一の効果が奏される。
【0049】
(C:その他)
(1)上述した実施形態では、記憶装置220としてROM及びRAM等が例示されたが、記憶装置220は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体であってもよい。
【0050】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号等は、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0051】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0052】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0053】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素が提示されており、提示された特定の順序に限定されない。
【0054】
(6)図4に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0055】
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0056】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0057】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0058】
(9)本開示において説明した情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0059】
(10)上述した実施形態において、携帯機器には、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「端末装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0060】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は、「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0061】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0062】
(13)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0063】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0064】
(15)本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0065】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBが夫々Cと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0066】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0067】
(D:上述の形態又は変形例から把握される態様)
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。上述の実施形態又は変形例の少なくとも1つから以下の態様が把握される。
【0068】
本開示の第1の態様による仮想空間管理装置は、受付部と、生成部と、管理部と、を備える。受付部は、複数の個別空間の各々へのアクセス情報が配列されたリストの中から、入場先としてユーザに指定された個別空間を受け付ける。生成部は、前記複数の個別空間のうち前記ユーザに指定された個別空間以外の1又は複数の他の個別空間を前記ユーザに指定された個別空間の周囲に配置することにより、仮想空間を生成する。管理部は、前記ユーザが前記リストの中から入場先となる個別空間を指定した場合、前記ユーザに対応するアバターを前記ユーザに指定された個別空間に配置する。
【0069】
第1の態様の仮想空間管理装置によれば、入場先としてユーザによって指定された個別空間の周囲に当該個別空間以外の1又は複数の他の個別空間を配置して仮想空間が生成されるので、ユーザは自身に対応するアバターを1又は複数の他の個別空間の何れかに向けて移動させる操作を行うことで、リストに戻ることなく他の個別空間へ移動することができる。
【0070】
本開示の第2の態様(第1の態様の例)による仮想空間管理装置における生成部は、前記1又は複数の他の個別空間の各々について前記ユーザの特徴との適合の度合いを算出し、算出した適合の度合いに応じて前記1又は複数の他の個別空間を前記ユーザにより指定された個別空間の周囲に配置して前記仮想空間を生成してもよい。
【0071】
第2の態様の仮想空間管理装置によれば、ユーザの特徴との適合の度合いに応じて1又は複数の他の個別空間を、ユーザにより指定された個別空間の周囲に配置して仮想空間を生成することができる。
【0072】
本開示の第3の態様(第2の態様の例)による仮想空間管理装置における生成部は、前記ユーザの特徴との適合の度合いが高い他の個別空間ほど前記ユーザにより指定された個別空間の近くに配置して前記仮想空間を生成してもよい。
【0073】
第3の態様の仮想空間管理装置によれば、ユーザの特徴との適合の度合いが高い個別空間ほどユーザにより指定された個別空間の近くに配置されるので、ユーザの特徴との適合の度合いが高い個別空間ほど、入場先として指定された個別空間からの移動が容易になる。
【0074】
本開示の第4の態様(第1の態様の例)による仮想空間管理装置における生成部は、前記ユーザにより指定された個別空間、及び前記ユーザにより指定された個別空間の周囲に配置される他の個別空間の各々に外観を統一する編集を施してもよい。
【0075】
第4の態様の仮想空間管理装置によれば、ユーザの入場する仮想空間の外観を統一することができる。
【符号の説明】
【0076】
1…通信システム、10…ユーザ装置、20…仮想空間サーバ、110,210…通信装置、120,220…記憶装置、130,230…処理装置、130a…指定部、130b…送信部、130c…表示制御部、230a…受付部、230b…生成部、230c…管理部、140,240…バス、150…表示装置、160…入力装置、PR1,PR2…プログラム、TBL1…第1テーブル、TBL2…第2テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9