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  • 特開-収納ケース 図1
  • 特開-収納ケース 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156302
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/34 20060101AFI20241029BHJP
   A45C 7/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A45C11/34 A
A45C7/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070657
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】390006921
【氏名又は名称】ナカバヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】稲田 健二
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA42
3B045AA51
3B045BA11
3B045BA17
3B045CB05
3B045DA23
3B045DA42
3B045DA44
3B045EA02
3B045EB05
3B045EB10
3B045FA01
3B045FC04
3B045FC05
3B045FC06
3B045FC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マチを深くする必要がなく持ち運びに便利であり、かつ、自立した姿勢が安定する収納ケースを提供すること。
【解決手段】前面部10と背面部20が連結されて内部に物品を収納可能な空間を形成する収納ケースであって、前面部と背面部とは長手方向Xの第1端側12、22では開閉可能に連結され、前面部は、第1端側を、第1端3と反対の第2端5方向に折り曲げ可能であり、背面部は、第1端側22を、第2端方向に折り曲げ、かつ、長手方向と直交する短手方向Yに折り曲げ可能であり、第1端側22を短手方向に折り曲げたときに折り曲げられた部分同士を接続する接続具42を備え、前面部の第1端側を第2端方向に折り曲げ、背面部の第1端側を短手方向に折り曲げると共に第2端方向に折り曲げて接続具を接続することにより、前面部と背面部との第2端側で収納空間を形成して自立する、収納ケース1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記前面部と前記背面部とは、長手方向の第1端側では開閉可能に連結され;
記前面部は、前記第1端側を、第1端と反対の第2端方向に折り曲げ可能であり;
前記背面部は、前記第1端側を、前記第2端方向に折り曲げ、かつ、前記長手方向と直
交する短手方向に折り曲げ可能であり、前記第1端側を前記短手方向に折り曲げたときに
折り曲げられた部分同士を接続する接続具を備え;
前記前面部の前記第1端側を前記第2端方向に折り曲げ、前記背面部の前記第1端側を
前記短手方向に折り曲げると共に前記第2端方向に折り曲げて前記接続具を接続すること
により、前記前面部と前記背面部との第2端側で収納空間を形成して自立する;
収納ケース。
【請求項2】
前記前面部は、前記第1端側を前記第2端方向に折り曲げたときに前記第1端側と前記
第2端側とを接続し、磁石同士または磁石と磁性体材料で形成された接続具を備え;
前記背面部の接続具は、磁石同士または磁石と磁性体材料で形成された接続具である;
請求項1に記載の収納ケース。
【請求項3】
前記前面部には、前記第1端側と前記第2端側とにそれぞれ芯材が設けられ、
前記背面部には、前記第1端側の前記短手方向に折り曲げたときの両側に芯材が設けら
れ、前記第2端側にも、上記両側に芯材が設けられた短手方向の位置と同じ位置に2つの
芯材が設けられた;
請求項2に記載の収納ケース。
【請求項4】
前記背面部に設けられた2つの磁石は、前記背面部の前記第1端側に設けられた前記芯
材より、長手方向の第1端寄りに設けられる;
請求項3に記載の収納ケース。
【請求項5】
前記前面部の前記第1端側の長手方向の前記第1端寄りの内面に前記第1端から離間す
る方向に向けて接続されたフラップであって、前記フラップの先端が折り返され、折り返
された位置でステッチされた;
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の収納ケース。
【請求項6】
前記フラップは2枚の帯状部材を重ねて形成され、1枚の帯状部材は伸縮性を有し、前
記内面に接続された位置から折り返された位置までの間にステッチで挟まれた2枚の帯状
部材が離間可能な領域が形成された;
請求項5に記載の収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ケースに関する。特に、上部を開いて自立させることが可能な収納ケー
スに関する。
【背景技術】
【0002】
鉛筆等の筆記用具を収納するペンケースとしては、袋状にして、ファスナー等の開閉手
段で上部を開き、机の上では自立するペンケースとして使用可能なものへの要求がある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されたペンケースでは、長手方向のほぼ中央部から天面部に
かけてファスナーで開閉可能とし、ファスナーを開いて2つに折り曲げて天面部と底面部
とを載置面に接触させることにより、自立させる。自立させるために、天面部と底面部に
は芯材が設けられている。
【0004】
また、特許文献2に開示されたペンケースに代表される収納具では、長手方向のほぼ中
央部から上側の蓋部と下側の収納部とをファスナーで開閉可能とされ、ファスナーを開い
て2つに折り曲げて蓋部の側面と収納部の側面とを固定することにより、自立可能とされ
ている。
【0005】
さらに、特許文献3に開示されたペンケースでは、長手方向に接続された第1収容部と
第2収容部とを開閉手段で開閉可能で、第2収容部を長手方向に開閉手段可能で、第2収
容部を長手方向に開き、ペンケースに収容されているペン等を第1収容部に収納しつつ第
2収容部の外に取り出し、第1収容部と第2収容部を折り曲げて「へ」の字形にして、第
1収容部の端部と第2収容部の端部とでペンケースを自立させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6224875号公報
【特許文献2】特許第6780192号公報
【特許文献3】特許第6532585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1や特許文献2に開示されたペンケースでは、自立させるために机上
等に接触する面が広くなされ、すなわちマチが広くなされ、よって、太いペンケースとな
り、持ち運びには不便になりがちであった。
【0008】
また、特許文献3に開示されたペンケースでは、「へ」の字形に折り曲げて、両端部で
自立させる構造であるので、自立した姿勢が安定しないという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、マチを深くする必要がなく持ち運びに便利であり、かつ、自立した姿
勢が安定する収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る収納ケースは、例えば図1に示
すように、前面部10と背面部20が連結されて内部に物品を収納可能な空間を形成する
収納ケース1であって、前面部10と背面部20とは、長手方向Xの第1端側12、22
では開閉可能に連結され、前面部10は、第1端側12を、第1端3と反対の第2端5方
向に折り曲げ可能であり、背面部20は、第1端側22を、第2端5方向に折り曲げ、か
つ、長手方向Xと直交する短手方向Yに折り曲げ可能であり、第1端側22を短手方向Y
に折り曲げたときに折り曲げられた部分同士を接続する接続具42(1)、(2)を備え
、前面部10の第1端側12を第2端5方向に折り曲げ、背面部20の第1端側22を短
手方向Yに折り曲げると共に第2端5方向に折り曲げて接続具42(1)、(2)を接続
することにより、前面部10と背面部20との第2端側14、24で収納空間7を形成し
て自立する。
【0011】
このように構成すると、前面部の第1端側を第2端方向に折り曲げ、背面部の第1端側
を短手方向に折り曲げると共に第2端方向に折り曲げて接続具を接続するので、前面部は
第1端側と第2端側とが二重になり、背面部は、第2端側と二重になり、第1端側が短手
方向に折り曲げられT字形の断面となり接続具で接続されてT字形の形状が安定するので
、自立した姿勢が安定する。また、元の形状の端面だけで自立するわけではないので、マ
チを深くとる必要もなく、持ち運びに便利である。
【0012】
また、本発明の第2の態様に係る収納ケースは、例えば図1および図2に示すように、
前面部10は、第1端側12を第2端5方向に折り曲げたときに第1端側12と第2端側
14とを接続し、磁石同士または磁石と磁性体材料で形成された接続具32、34を備え
、背面部20の接続具42は、磁石同士または磁石と磁性体材料で形成された接続具であ
る。このように構成すると、前面部を折り曲げたときに接続具で接続されるので折り曲げ
た状態が保持され、自立した姿勢が安定する。また、接続具は磁石同士または磁石と磁性
体材料で形成されるので、簡単に接続と分離を行える。
【0013】
また、本発明の第3の態様に係る収納ケースは、例えば図1および図2に示すように、
前面部10には、第1端側12と第2端側14とにそれぞれ芯材36、38が設けられ、
背面部20には、第1端側22の短手方向Yに折り曲げたときの両側に芯材46(1)、
(2)が設けられ、第2端側24にも、両側に芯材46(1)、(2)が設けられた短手
方向Yの位置と同じ位置に2つの芯材48(1)、(2)が設けられる。このように構成
すると、前面部は芯材で曲がりにくく形成されるとともに背面も芯材で曲がりにくく形成
されるので、自立した姿勢が安定するとともに、背面部は開いた口の形状が安定して使い
やすい。
【0014】
また、本発明の第4の態様に係る収納ケースは、例えば図2に示すように、背面部20
に設けられた2つの磁石42(1)、(2)は、背面部20の第1端側22に設けられた
芯材46(1)、(2)より、長手方向Xの第1端3寄りに設けられる。このように構成
すると、背面部の第1端側を短手方向に折り曲げたときに、磁石で接続しても、載置した
端部から作用する分離させる方向に作用するモーメントが大きくならず、接続具が分離し
にくく、自立した姿勢が安定する。
【0015】
また、本発明の第5の態様に係る収納ケースは、例えば図3に示すように、前面部10
の第1端側12の長手方向Xの第1端3寄りの内面に第1端3から離間する方向に向けて
接続されたフラップ60であって、フラップ60の先端66が折り返され、折り返された
位置でステッチ68される。このように構成すると、フラップを先端で折り返し、折り返
された位置でステッチするので、折り返された形状を維持するように構成され、携帯電話
などを折り返しで保持することができ、よって、スマホ(スマートホン)スタンドとして
も使用可能な、収納ケースとなる。
【0016】
また、本発明の第6の態様に係る収納ケースは、例えば図3に示すように、フラップ6
0は2枚の帯状部材62、64を重ねて形成され、1枚の帯状部材62は伸縮性を有し、
内面に接続された位置から折り返された位置までの間にステッチで挟まれた2枚の帯62
,64が離間可能な領域70が形成される。このように構成すると、フラップを2枚の帯
状部材を重ねて形成し、1枚の帯状部材は伸縮性を有し、ステッチで挟まれた2枚の帯状
部材が離間可能な領域が形成されるので、その領域に小物を挟むことが可能で、小物入れ
を備えた収納ケースとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の収納ケースによれば、前面部と背面部が連結されて内部に物品を収納可能な空
間を形成しつつ、前面部と背面部とは長手方向の第1端側では開閉可能に連結され、前面
部は第1端側を第1端と反対の第2端方向に折り曲げ可能であり、背面部は第1端側を、
第2端方向に折り曲げ、かつ、長手方向と直交する短手方向に折り曲げ可能であり、第1
端側を短手方向に折り曲げたときに折り曲げられた部分同士を接続する接続具を備え、前
面部の第1端側を第2端方向に折り曲げ、背面部の第1端側を第2端方向に折り曲げると
共に短手方向に折り曲げて接続具を接続することにより、前面部と背面部との第2端側で
収納空間を形成して自立するので、マチを深くする必要がなく持ち運びに便利であり、か
つ、自立した姿勢が安定する収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例としてのペンケースの使用状態を説明する図で、(a)は開閉手段を開くところ、(b)は前面部を第2端方向に折り曲げたところ、(c)は背面部を第2端方向に折り曲げたところ、(d)は背面部を短手方向に折り曲げたところ、(e)はペンケースを自立させたところを示す。
図2図1に示すペンケースに設置される接続具と芯材を示す図で、(a)は前面部、(b)は背面部を示す。
図3】本発明の一実施例としてのペンケースに接続されたフラップを説明する図で、(a)は小物を挟んで保持したところ、(b)は先端の折り返しでスマホスタンドとして使用したところを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、
互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。先ず、図
1を参照して、本発明の一実施の形態としてのペンケース1について説明する。
【0020】
ペンケース1は、前面部10と背面部20が連結されて内部にペン等の筆記具を収納可
能な空間を形成する。図2に示すように、前面部10と背面部20とは、柔軟な素材をほ
ぼ矩形に形成した部材である。柔軟な素材としては、ポリエステル、ナイロン、綿、その
他の布素材、皮革などでよく、特に限定はされない。前面部10と背面部20との周囲を
連結することで、内部に収納空間が形成される。ペンケース1を図1(a)のように見た
とき、長手方向をX方向、短手方向をY方向、厚さ方向(マチを取る方向)をZ方向とす
る。
【0021】
ペンケース1の長手方向Xの一端を第1端3,第1端と反対の他端を第2端5とする。
後述するように、自立させるときには第2端5を載置面に接するようにする(図1(e)
参照)。前面部10と背面部20とは、第1端3寄りでは、開閉可能なように例えばファ
スナー50で連結される。なお、開閉可能な連結手段としては、公知の手段でよく、ファ
スナー50には限定されない。しかし、ファスナーであると、開閉が容易で使い勝手が良
い。前面部10と背面部20とは第2端5寄りでは、縫合するなどにより、恒久的に連結
される。
【0022】
図1(b)に示すようにファスナー50を全開し、すなわち、前面部10と背面部20
の第1端3寄りの連結を解放し、前面部10の第1端側12を第2端5方向に折り曲げる
。この時に折り曲げられた前面部10の第1端3寄りの部分が第1端側12である。折り
曲げられない第2端5寄りの部分を第2端側14という。
【0023】
同様に、図1(c)に示すように、背面部20の第1端側22を第2端5方向に折り曲
げる。この時に折り曲げられた背面部20の第1端3寄りの部分が第1端側22であり、
折り曲げられない第2端5寄りの部分を第2端側24という。そして、図1(d)に示す
ように、背面部20の第1端側22を短手方向Yに折り曲げる。なお、背面部20の第1
端側22を折り曲げる順番は、短手方向Yに折り曲げるのを先にしてもよい。
【0024】
短手方向Yに折り曲げたならば、折り曲げられた2つの部分22(1)、22(2)を
接続具42(1)、42(2)で接続する。なお、符号の後ろの「(1)」、「(2)」
は2つの部材を区別するために付したもので、両方を区別しないで示すときには「(1)
」、「(2)」を付さないときもある。接続具42で背面部20の第1端側22の折り曲
げられた2つの部分22(1)、22(2)を接続することで、折り曲げられた2つの部
分22(1)、22(2)が一体となる。接続具42は、磁石同士、磁石と磁性体材料、
あるいは、面テープ、ハトメ、フック、ボタン等、公知の接続具でよいが、磁石同士また
は磁石と磁性体材料とすると、接続と分離が簡単であり、好ましい。
【0025】
背面部20の第1端側22の折り曲げられた2つの部分22(1)、22(2)が一体
化することで、前面部10の折り曲げられた部分12および前面部10と背面部20の第
2端側14、24とで、いわゆるT字形の面を形成する。すなわち、図1(e)に示すよ
うに、T字形の面で机上などに載置されるので、ペンケース1は、安定して自立する。そ
して、ペンケース1は、連結された第2端側14、24とで収納空間7を形成し、スタン
ドペンケースとなる。このように、背面部20を短手方向Yに折り曲げて接続することで
安定して自立するので、マチを深くとる必要がなく、全体として薄く持ち運びの容易なペ
ンケース1とすることができる。
【0026】
一方、前面部10の第1端側12および背面部20の第1端側22を折り曲げない状態
では、ファスナー50を閉じることにより、ペンケースとしてペン等の筆記具を持ち運ぶ
ことが可能で、さらに、前面部10の第1端側12だけを折り曲げることにより、ペント
レーとして使用できる。さらに、2つの接続具42(1)、42(2)を磁石とした場合
には、スチール製の机等の磁性体に貼り付けるペンスタンドとして使用することもできる
【0027】
続いて、図2をも参照して、ペンケース1をより使いやすくする構成について説明する
図2(a)は、前面部10に接続具32、34と芯材36、38を設けた例を示す図、
図2(b)は背面部20に接続具42(1)、(2)と芯材46(1)、(2)、48(
1)、(2)を設けた例を示す図である。前面部10では、接続具32として磁石を、接
続具32と接続される接続具34としては、磁石または磁性体材料で形成された部材34
を、第1端側12を第2端5方向に折り曲げたときに重なる位置に設ける。よって、第1
端側12を第2端5方向に折り曲げた2つ折りの形状が安定する。なお、接続具32、3
4は、上記に限られず、公知の接続具であってもよい。また、第1側面部12および第2
側面部14には、その中央部分に広がる芯材36、38が設けられてもよい。芯材36、
38が設けられることにより、第1側面部12および第2側面部14が面形状を保ち、ペ
ンケース1をスタンドペンケースとして使用するときに安定して自立しやすい。さらに、
ペンケース1を持ち運ぶときや、ペントレーとして使用するときにも、形状が安定して使
用しやすい。
【0028】
背面部20では、前述の通り、第1端側22を短手方向Yに折り曲げたときに接続する
位置、すなわち重なる位置に磁石同士または磁石と磁性体材料で形成された接続具42(
1)、(2)が設けられる。そして、それぞれの接続具42(1)、(2)の第1端3か
ら離間する方向で、第1端側22を第2端5方向に折り曲げる位置より手前に、それぞれ
芯材46(1)、(2)が設けられてもよい。さらに、第2端側24にも、芯材46(1
)、(2)の短手方向Yの位置と同じ位置で、第1端側22を第2端5方向に折り曲げる
位置の近くに芯材48(1)、(2)を設ける。このように芯材46(1)、(2)、4
8(1)、(2)を設けることにより、第1側面部22および第2側面部24が面形状を
保ち、使いやすい。さらに、ペンケース1をスタンドペンケースとして使用するときに、
第1端側22を第2端5方向に折り曲げ、そして第1端側22を短手方向Yに折り曲げた
ときに、折り曲げた部分は開いた口の形状が、芯材46(1)、(2)、48(1)、(
2)により安定して、使いやすくなる。
【0029】
芯材36、38、46(1)、(2)、48(1)、(2)としては、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニルとポリエステルの混合材、紙板、鉄板等、前面部10および背面部20を
形成する素材より剛性の高い素材で形成されるが、素材は特に限定されない。なお、前面
部10および背面部0は、接続具32、34、42および芯材36、38、46(1)、
(2)、48(1)、(2)を見えなくして、かつ、手触りがよくなるように、布等で覆
われてもよい。
【0030】
芯材36、38、46(1)、(2)、48(1)、(2)を磁性体材料で形成し、接
続具32,34、42として用いてもよい。すなわち、接続される接続具32、34また
は接続具42(1)、(2)の片方が磁石で、他方が磁性体材料で形成された部材であっ
ても、接続具として機能する。その際には、例えば、図2(b)の接続具42(2)を丸
い形状ではなく、その部分を含む矩形の芯材46(2)として形成することができる。な
お、接続具32、42(1)、(2)を磁石とする場合には、接続具42(1)、(2)
は、短手方向Yの中央から離れた位置となるので、接続具32を短手方向Yの中央付近に
配置するのがよい。ペンケース1のファスナー50を閉めるようにしたときに、磁石同士
が反発しないようにするためである。
【0031】
次に図3を参照して、ペンケース1に接続されるフラップ60について説明する。図3
(a)に示すように、フラップ60は、前面部10の第1端側12の第1端3付近の内面
に接続される。フラップ60は、図3(b)に示すように、2枚の帯状部材62、64を
重ねて形成される。2枚の帯状部材62、64のうち1枚が伸縮性を有するのが好ましい
。1枚の帯状部材62が伸縮性を有すると、図3(b)のように、2枚の帯状部材62,
64の間に消しゴム等の小物100を挟み保持することができる。2枚の帯状部材62、
64のいずれが伸縮性を有しても構わないが、フラップ60をペンケース1から外に出し
たときに、上側に来る帯状部材62に伸縮性を持たせると、1枚の帯状部材62を伸ばし
て小物100を挟みやすい。小物100を挟む位置の両側にステッチ72を入れると、挟
む領域70が特定されて好ましい。ステッチ72の間隔、すなわち小物を挟む領域70の
大きさは、適宜選定できる。ステッチ72を3本入れれば2か所の小物を挟む領域70を
形成でき、ステッチ72あるいは小物を挟む領域70の数は任意である。
【0032】
フラップ60の先端66を、フラップ60をペンケース1から外に出したときに上に来
るように折り返し、折り返した位置にステッチ68を入れる。すると、折り返された先端
66の形状が維持される。そのために図3(b)に示すように、スマホ102を立てるな
どが可能で、スマホスタンドとして使用できる。なお、ステッチ60の折り返された先端
66を利用して立てるのはスマホには限られない。
【0033】
これまでは、ペンケース1を例として本発明を説明したが、本発明は、ペンケース1に
は限られず、化粧ポーチ、小物収納ケース、パソコンケース等、種々の用途に用いること
ができる。
【符号の説明】
【0034】
1 収納ケース
3 第1端
5 第2端
7 収納空間
10 前面部
12 第1端側
14 第2端側
20 背面部
22 第1端側
24 第2端側
32、34 接続具
36、38 芯材
接続具 42(1)、(2)
芯材 46(1)、(2)、48(1)、(2)
50 ファスナー
60 フラップ
62、64 帯状部材
66 先端
68 ステッチ
70 挟む領域
72 ステッチ
100 小物
102 スマホ
図1
図2
図3