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特開2024-156306画像形成装置、硬化度検査方法、および硬化度検査プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156306
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、硬化度検査方法、および硬化度検査プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241029BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20241029BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20241029BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20241029BHJP
   G01N 21/17 20060101ALN20241029BHJP
【FI】
B41J2/01 127
B41J2/01 451
B41J2/01 401
B41J2/01 305
B05C9/12
B05C5/00 101
B05C11/10
G01N21/17 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070662
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊泉 輝彦
【テーマコード(参考)】
2C056
2G059
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EB32
2C056EB52
2C056EC08
2C056EC26
2C056EC41
2C056EC42
2C056HA29
2G059AA05
2G059BB04
2G059BB08
2G059EE02
2G059FF01
2G059KK04
2G059MM05
4F041AA02
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA12
4F041BA34
4F042AA02
4F042AB00
4F042BA02
4F042BA04
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA21
4F042BA22
4F042DB42
4F042DF19
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】インクを硬化させる活性線光源の経年劣化を正確に判断できる。
【解決手段】画像形成装置100は、活性線の照射により硬化するUVインクを記録媒体6に吐出するヘッドユニット31と、UVインクに活性線を照射して硬化させる活性線照射部40と、記録媒体6にUVインクが吐出されて形成された画像を読み取る読取部50と、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたはヘッドユニット31が出力可能な最大のインク液滴サイズにより検査画像の作成を指示する検査画像作成指示部34と、検査画像におけるUVインクの硬化度を判断する硬化度判断部51と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性線の照射により硬化するインクを記録媒体に吐出するインク吐出部と、
前記インクに活性線を照射して硬化させる活性線照射部と、
前記記録媒体にインクが吐出されて形成された画像を読み取る読取部と、
画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたは前記インク吐出部が出力可能な最大のインク液滴サイズにより検査画像の作成を指示する検査画像作成指示部と、
前記検査画像における前記インクの硬化度を判断する硬化度判断部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記インク吐出部は、
前記インク液滴サイズを変化させることが可能である、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記インク吐出部は、
駆動塗布電圧を変化させ、前記画像の1ドットに対して打ち込むインク滴の数を可変することで、前記インク液滴サイズを変化させる、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記インク液滴サイズとは、前記インク吐出部が吐出したのち前記記録媒体に着弾する前におけるインク液滴の大きさのことをいう、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記インク液滴サイズとは、前記インク吐出部が吐出したのち前記記録媒体に着弾した後におけるインク液滴の大きさのことをいう、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記インク吐出部は、
ヘッドに加えるドットパルスを変更し、吐出するインクの量を変更することで、前記インク液滴サイズを変化させる、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検査画像作成指示部は、
前記記録媒体の有効画像領域の外に前記検査画像を形成するように指示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記インク吐出部は、複数の色インクを吐出可能であり、
前記検査画像作成指示部は、
黒インク以外のインクで前記検査画像の作成を指示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記読取部は、
イメージセンサである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、前記活性線照射部が照射する光量を増加させる光量調整部を、さらに備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、ユーザに通知する通知部を、さらに備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、前記活性線照射部が前記インクに紫外線を照射する光量を、第1の閾値の範囲内で増加させる光量調整部と、
前記光量調整部が前記インクに紫外線を照射する光量が、前記第1の閾値よりも小さく、第2の閾値以上の光量を照射する場合、ユーザに、前記活性線照射部の交換時期を通知する通知部と、をさらに備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、前記記録媒体を搬送する搬送部の搬送速度を引き下げる搬送制御部を、さらに備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズを小さくする液滴サイズ調整部を、さらに備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項15】
インク吐出部が、活性線の照射により硬化するインクを、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたは出力可能な最大のインク液滴サイズにより記録媒体に吐出することで検査画像を形成するステップと、
活性線照射部が前記インクに活性線を照射して硬化させるステップと、
前記記録媒体にインクが吐出されて形成された画像を読取部が読み取るステップと、
硬化度判断部が、前記検査画像における前記インクの硬化度を判断するステップと、
を備える硬化度検査方法。
【請求項16】
インク吐出部に、活性線の照射により硬化するインクを、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたは出力可能な最大のインク液滴サイズにより記録媒体に吐出させて検査画像を形成する手順、
活性線照射部が前記インクに活性線を照射して硬化させる手順、
前記記録媒体にインクが吐出されて形成された画像を読取部が読み取る手順、
硬化度判断部が、前記検査画像における前記インクの硬化度を判断する手順、
をコンピュータに実行させるための硬化度検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、硬化度検査方法、および硬化度検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、UV(ultraviolet)インク(例えば、紫外線硬化型インク)を用いたプリンタが開発されている。UV硬化型インクを用いたプリンタでは、UVインクにUV光を照射することで、UVインクを外側から徐々に硬化させる。UV光を照射した結果、最終的には、UVインクの中まで硬化させる。ここで、記録媒体にUVインクによる印字を行った場合、そのUVインクが適切に硬化しているかどうかを確認したい場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、「分光光度計を紫外線硬化型インクの硬化の測定に利用できるようにするとともに、それを印刷装置に取り付けて硬化の測定と測色にも利用できる」硬化度測定装置が開示されている。
【0004】
また、この特許文献1の要約には、「硬化度測定装置を、分光光度計と、これにインターフェイスを介して接続するコンピュータとで構成する。コンピュータを、分光光度計の検出データを受信する入力データ受信手段と、紫外線硬化型インクの硬化度の判定の基準となる基準値を保管する基準値保管手段と、分光光度計で検出した反射光を解析し、反射光全体の反射量及び/又は波長の光の強さを予め測定した基準値と比較しインクの硬化度を推定する判定手段として機能させる。紫外線硬化型インクで印刷媒体に印刷された印字部に分光光度計の光源を照射し、分光光度計の検出データをコンピュータに入力して非接触で印字部のインクの硬化度を測定する。」旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-166701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、UV光を照射する光源は、初期に設定した状態で光量を出力する。しかし、経年変化としての寿命劣化や使用による汚れにより、光量は徐々に低下する。そのため、光源の劣化を検出することが要求される。
【0007】
例えば、光源の経年劣化を検出する方法として、特許文献1に記載された所定の濃度の画像パッチによりインクの硬度化の測定を行い、そのインクの硬度化が基準を下回るか否かにより、光源の経年劣化を判断することが考えられる。
【0008】
しかしながら、光源が経年劣化している場合、硬化度測定装置がその経年劣化を正しく判断することは難しい。すなわち、UVインクは、UV光が照射されることで、インクの外側から徐々に硬化し、最終的にはインクの中まで硬化する。
【0009】
ところが、画像の濃度が所定以上でも、インクの液滴の大きさが小さい場合やインクのサイズがばらついている場合、弱いUV光でもインクの中心まで硬化してしまうことがある。この場合、インクを硬化させる活性線光源が経年劣化していても、UVインクが十分硬化している、と判断されてしまうことがあるため、光源の経年劣化を正しく判断することができない。
【0010】
このような課題に関し、本発明では、インクを硬化させる活性線光源の経年劣化を正確に判断できる、画像形成装置、硬化度検査方法および硬化度検査プログラムを、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明の上記課題は、下記の構成により解決される。
(1) 活性線の照射により硬化するインクを記録媒体に吐出するインク吐出部と、
前記インクに活性線を照射して硬化させる活性線照射部と、
前記記録媒体にインクが吐出されて形成された画像を読み取る読取部と、
画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたは前記インク吐出部が出力可能な最大のインク液滴サイズにより検査画像の作成を指示する検査画像作成指示部と、
前記検査画像における前記インクの硬化度を判断する硬化度判断部と、
画像形成装置。
【0012】
(2) 前記インク吐出部は、
前記インク液滴サイズを変化させることが可能である、
(1)に記載の画像形成装置。
【0013】
(3) 前記インク吐出部は、
駆動塗布電圧を変化させ、前記画像の1ドットに対して打ち込むインク滴の数を可変することで、前記インク液滴サイズを変化させる、
(2)に記載の画像形成装置。
【0014】
(4) 前記インク液滴サイズとは、前記インク吐出部が吐出したのち前記記録媒体に着弾する前におけるインク液滴の大きさのことをいう、
(3)に記載の画像形成装置。
【0015】
(5) 前記インク液滴サイズとは、前記インク吐出部が吐出したのち前記記録媒体に着弾した後におけるインク液滴の大きさのことをいう、
(3)に記載の画像形成装置。
【0016】
(6) 前記インク吐出部は、
ヘッドに加えるドットパルスを変更し、吐出するインクの量を変更することで、前記インク液滴サイズを変化させる、
(2)に記載の画像形成装置。
【0017】
(7) 前記検査画像作成指示部は、
前記記録媒体の有効画像領域の外に前記検査画像を形成するように指示する、
(1)に記載の画像形成装置。
【0018】
(8) 前記インク吐出部は、複数の色インクを吐出可能であり、
前記検査画像作成指示部は、
黒インク以外のインクで前記検査画像の作成を指示する、
(1)に記載の画像形成装置。
【0019】
(9) 前記読取部は、
イメージセンサである、
(1)に記載の画像形成装置。
【0020】
(10) 前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、前記活性線照射部が照射する光量を増加させる光量調整部を、さらに備える、
(1)に記載の画像形成装置。
【0021】
(11) 前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、ユーザに通知する通知部を、さらに備える、
(1)に記載の画像形成装置。
【0022】
(12) 前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、前記活性線照射部が前記インクに紫外線を照射する光量を、第1の閾値の範囲内で増加させる光量調整部と、
前記光量調整部が前記インクに紫外線を照射する光量が、前記第1の閾値よりも小さく、第2の閾値以上の光量を照射する場合、ユーザに、前記活性線照射部の交換時期を通知する通知部と、をさらに備える、
(1)に記載の画像形成装置。
【0023】
(13) 前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、前記記録媒体を搬送する搬送部の搬送速度を引き下げる搬送制御部を、さらに備える、
(1)に記載の画像形成装置。
【0024】
(14) 前記硬化度判断部が判断した前記インクの硬化度が所定の閾値未満の場合、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズを小さくする液滴サイズ調整部を、さらに備える、
(1)に記載の画像形成装置。
【0025】
(15) インク吐出部が、活性線の照射により硬化するインクを、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたは出力可能な最大のインク液滴サイズにより記録媒体に吐出することで検査画像を形成するステップと、
活性線照射部が前記インクに活性線を照射して硬化させるステップと、
前記記録媒体にインクが吐出されて形成された画像を読取部が読み取るステップと、
硬化度判断部が、前記検査画像における前記インクの硬化度を判断するステップと、
を備える硬化度検査方法。
【0026】
(16) インク吐出部に、活性線の照射により硬化するインクを、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたは出力可能な最大のインク液滴サイズにより記録媒体に吐出させて検査画像を形成する手順、
活性線照射部が前記インクに活性線を照射して硬化させる手順、
前記記録媒体にインクが吐出されて形成された画像を読取部が読み取る手順、
硬化度判断部が、前記検査画像における前記インクの硬化度を判断する手順、
をコンピュータに実行させるための硬化度検査プログラム。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、インクを硬化させる活性線光源の経年劣化を正確に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の本実施形態に係る画像形成装置の全体構成の概略構成を示した機能ブロック図である。
図2】活性線照射部の光源の配置を画像形成装置の上から見た平面図である。
図3】画像形成装置の機能を示す機能ブロック図である。
図4】UVインクの濃度とセンサ信号の強度の関係を示したグラフである。
図5】UV光量と、UVインクが硬化する概念を示した説明図である。
図6A】UVインクが硬化する概念を示した説明図である(完全硬化)。
図6B】UVインクが硬化する概念を示した説明図である(一部非硬化)。
図7A】2つのUVインクの大液滴で検査画像を硬化する概念を示した説明図である。
図7B】UVインクの大液滴を含む実際の印字画像を硬化する概念を示した説明図である。
図8】ヘッドユニットを構成する記録ヘッドが、マルチドロップ方式により、インク液滴サイズを変化させることを示した説明図である。
図9A】検査画像作成指示部が、記録媒体の有効画像領域内に検査画像を形成するように指示した場合を示した説明図である。
図9B】検査画像作成指示部が、記録媒体の有効画像領域の外に検査画像を形成するように指示した場合を示した説明図である。
図10A】UVインクの小液滴または中液滴を使用して検査画像を硬化する概念を示した説明図である。
図10B】UVインクの大液滴を含む実際の印字画像を硬化する概念を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、同一の構成については、同一の符号を付すこととし、説明を適宜、省略する。
【0030】
<本実施形態>
[画像形成装置の概略構成]
図1は、本発明の本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成の概略構成を示した機能ブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、媒体供給部10、搬送部20、画像形成部30、活性線照射部40、読取部50、および媒体排出部60を備えて構成されている。
【0032】
媒体供給部10には、画像が形成される記録媒体6が載置されている。媒体供給部10は、載置トレー(図示せず)やピックアップ部(図示せず)を有し、載置された記録媒体6を搬送部20に供給する。なお、記録媒体6は、用紙(例えば、枚葉紙)や樹脂シートが使用される。
【0033】
搬送部20は、供給された記録媒体6を搬送ベルト23に載せて搬送する。搬送部20は、搬送ローラ21,22、搬送ベルト23、駆動ローラ24、従動ローラ25、搬送ローラ26,27を備えて構成されている。
【0034】
搬送ローラ21,22と搬送ローラ26,27は、記録媒体6を上下から挟持する回転自在なローラであり、記録媒体6を水平に送出する。搬送ローラ21,22には、記録媒体6の搬送方向に垂直な幅方向に対し、記録媒体6を所定の位置に合わせるガイド部材(図示せず)が取り付けられている。搬送ローラ21,22は、幅方向の位置合わせがなされた状態で、記録媒体6を搬送ベルト23上に搬送する。搬送ベルト23は、記録媒体6を搬送ローラ26,27まで搬送する。搬送ローラ26,27は、搬送ローラ21,22から搬送された記録媒体6を、媒体排出部60に排出する。
【0035】
搬送ベルト23は、駆動ローラ24および従動ローラ25の回りに架け渡された無端状(環状)の帯状部材である。搬送ベルト23は、例えば、ゴムなどの樹脂製のベルトや、ステンレス鋼やアルミ合金などのスチールベルトなどで形成される。搬送ベルト23は、搬送モータ29(図3参照)による回転駆動動作に応じて駆動ローラ24が回転することにより、駆動ローラ24および従動ローラ25の回りの周回経路を所定の速度で周回移動する。
【0036】
搬送ベルト23の外周面の上流側には、媒体供給部10から搬送ローラ21,22によって搬送された記録媒体6が載置される。搬送ベルト23に載置された記録媒体6は、搬送ベルト23の周回移動に伴って搬送方向に所定速度で搬送される。記録媒体6は、搬送経路上で、画像形成部30のヘッドユニット31Y,31M,31C,31K(インク吐出部)によるインクの吐出範囲と、活性線照射部40による紫外線の照射範囲と、読取部50による読取範囲を通過する。
【0037】
画像形成部30は、搬送部20により搬送される記録媒体6に対し、UVインクを吐出(付与)し、画像を形成する。画像形成部30は、記録媒体6にUVインクをそれぞれ吐出する4つのヘッドユニット31Y,31M,31C,31Kを備えている。
【0038】
4つのヘッドユニット31Y,31M,31C,31Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒色(K)の各色のインクタンクに接続され、これらYMCKの各色のインクを吐出する。なお、ヘッドユニット31は、これらの色に限定されない。また、ヘッドユニット31Y,31M,31C,31Kのうち、いずれかの色に限定しない場合、単にヘッドユニット31という。
【0039】
ヘッドユニット31は、搬送ベルト23の外周面と対向する位置に設けられる。ヘッドユニット31において、搬送ベルト23と対向する面には、ノズルの開口部が設けられ、インク吐出面が形成されている。これにより、ヘッドユニット31は、搬送ベルト23の外周面に載置されて搬送される記録媒体6に対し、活性線の照射により硬化するUVインクをノズルから吐出する。また、ヘッドユニット31には、ノズルの開口部が所定の配列で設けられる。各色のヘッドユニット31は、それぞれ各色に対応した記録ヘッド33(記録ヘッド33Y,33M,33C,33K)(図3参照)を有している。記録ヘッド33は、当該ノズルの開口部からのインク吐出に係る動作を行う。
【0040】
ヘッドユニット31におけるノズルの幅方向の配置範囲は、記録媒体6に対する幅方向の画像の記録範囲を網羅する。ヘッドユニット31は、画像の記録時には位置が固定され、記録媒体6の搬送に応じて、搬送方向の異なる位置に所定の間隔で順次、インクを吐出する。このように、ヘッドユニット31は、シングルパス方式で画像を記録する。なお、画像形成装置100は、シングルパス形式に限定されるものではなく、記録ヘッド33を副走査方向に走査させながら画像の記録を行うスキャン方式(マルチパス方式)であってもよい。
【0041】
本実施形態では、活性線(例えば紫外線)を照射することにより硬化する性質を有するインク(例えば、UV(ultraviolet:紫外線)硬化型インク)が用いられる。UVインクは、活性線重合性化合物を含み、活性線の照射により活性線重合性化合物が、重合および架橋して硬化するインクである。また、活性線硬化型インクは、必要に応じて重合開始剤、ゲル化剤、重合禁止剤、染料および顔料などの色材、顔料を分散させるための分散剤、顔料を基材に定着させるための定着樹脂、界面活性剤、pH調整剤、保湿剤、紫外線吸収剤などを含有してもよい。
【0042】
活性線照射部40は、光源41により活性線を照射して、インクを硬化させる。本実施形態の活性線照射部40の光源41は、紫外線を照射してUVインクを硬化させる。活性線照射部40は、搬送ベルト23の外周面と対向する位置に設けられ、当該外周面に向けて紫外線を照射する光源41を備えている。光源41は、紫外領域の波長を発光するLED(Light Emitting Diode)が用いられる。
【0043】
また、活性線照射部40は、画像形成部30に対して、記録媒体6の搬送方向の下流側に設けられる。活性線照射部40は、搬送ベルト23に載置されて搬送される記録媒体6上のUVインクに紫外線を照射して硬化させ、記録媒体6に定着させる。
【0044】
図2は、活性線照射部40の光源41の配置を画像形成装置100の上から見た平面図である。
【0045】
図2に示すように、光源41は、活性線照射部40の幅方向に沿って配置されている。これにより、光源41は、搬送ベルト23によって搬送される記録媒体6に対し、紫外線を照射する。なお、図2では、光源41は、5つ記載されているが、例示であり、5個に限定されるものではない。
【0046】
図1に戻りに、説明を続ける。
読取部50は、記録媒体6上にUVインクが吐出されて、形成された画像を読み取る。読取部50は、例えば、イメージセンサで構成される。読取部50は、記録媒体6の搬送方向に対して、活性線照射部40の下流側に設けられる。これにより、読取部50は、搬送ベルト23に載置されて搬送される記録媒体6の表面を読み取ることができる。
【0047】
媒体排出部60は、記録媒体6を載置する排出トレー(図示せず)を有し、搬送部20の搬送ローラ26,27によって排出された記録媒体6を載置する。
【0048】
[画像形成装置の機能ブロック図]
次に、画像形成装置100の機能を示す機能ブロックについて説明する。図3は、画像形成装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0049】
図3に示すように、画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、記憶部102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、搬送部20、画像形成部30、活性線照射部40、および読取部50を備えて構成されている。また、画像形成装置100は、検査画像作成指示部34、硬化度判断部51、搬送制御部28、液滴サイズ調整部38、光量調整部39、通知部70、および通信部80を備えて構成されている。
【0050】
CPU101は、記憶部102から、硬化度検査プログラム1021を読み出して実行することで、検査画像作成指示部34、硬化度判断部51、搬送制御部28、液滴サイズ調整部38、光量調整部39および通知部70を具現化する。また、画像形成装置100の全体動作を制御する。
【0051】
画像形成装置100は、記憶部102に格納されている各種データを参照して、各処理を実行する。なお、検査画像作成指示部34、硬化度判断部51、搬送制御部28、液滴サイズ調整部38、光量調整部39、および通知部70は、ハードウェアにより構成されてもよい。
【0052】
記憶部102は、例えば、半導体メモリやハードディスクドライブなどの大容量記憶媒体で構成される。
【0053】
ROM103は、CPU101により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。RAM104は、CPU101に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。なお、RAM104は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0054】
CPU101は、通信部80を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置との間で、各種データの送受信を行う。
【0055】
通信部80は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信制御カードで構成される。
【0056】
検査画像作成指示部34は、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズ、または、ヘッドユニット31が出力可能な最大のインク液滴サイズにより、検査画像(例えばパッチなど)の作成を指示する。検査画像作成指示部34は、記録媒体6の有効画像領域内に検査画像を形成するように指示する。また、検査画像作成指示部34は、記録媒体6の有効画像領域の外に検査画像を形成するように指示することもできる。さらに、検査画像作成指示部34は、黒インク以外のUVインクで検査画像の作成を指示することもできる。
【0057】
硬化度判断部51は、検査画像におけるUVインクの硬化度を判断する。
【0058】
搬送制御部28は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、記録媒体6を搬送する搬送部20の搬送速度を引き下げる。
【0059】
液滴サイズ調整部38は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、画像形成部30の画像形成で使用するインク液滴サイズを小さくする。
【0060】
光量調整部39は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、活性線照射部40の光源41が照射する光量を増加させる。例えば、光量調整部39は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、活性線照射部40の光源41がUVインクに紫外線を照射する光量を、第1の閾値の範囲内で増加させる。
【0061】
通知部70は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、ユーザに通知する。通知部70は、光量調整部39がUVインクに紫外線を照射する光量が第1の閾値よりも小さく、第2の閾値以上の光量を照射する場合、ユーザに、活性線照射部40の交換時期を通知する。
【0062】
また、画像形成部30のヘッドユニット31Y,31M,31C,31K(インク吐出部)のそれぞれは、インク液滴サイズを変化させることが可能である。各ヘッドユニット31Y,31M,31C,31Kは、いわゆるマルチドロップ方式により、駆動塗布電圧を変化させ、画像の1ドットに対して打ち込むインク滴の数を可変することで、インク液滴サイズを変化させることができる。この場合、インク液滴サイズとは、ヘッドユニット31が吐出したのち記録媒体6に着弾する前におけるインク液滴の大きさのことをいう。なお、インク液滴サイズとは、ヘッドユニット31が吐出したのち記録媒体6に着弾した後におけるインク液滴の大きさのことであってもよい。
【0063】
なお、各ヘッドユニット31Y,31M,31C,31Kは、マルチドロップ方式に限定されるものではない。例えば、ヘッドユニット31は、バリアブルドット方式により、各記録ヘッド33Y,33M,33C,33Kに加えるドットパルスを変更し、吐出するUVインクの量を変更することで、インク液滴サイズを変化させてもよい。
【0064】
[インクの硬化の濃度とセンサ信号の強度との関係]
図4は、検査画像の濃度とセンサ信号の強度の関係を示したグラフである。横軸は、検査画像の濃度を示している。縦軸は、センサ信号の強度を示している。
【0065】
図4に示すように、検査画像の濃度とセンサ信号の関係は、検査画像の濃度が高いほど、センサ信号の強度が低くなる。検査画像の濃度が高い、とは、検査画像を形成するUVインクの液滴が大きいことを意味する。センサ信号の強度が低いとは、検査画像をセンシングしたときの光量が小さいことを意味する。
【0066】
また、特性201は、硬化したインクの特性である。特性202は、非硬化のインクの特性である。特性201と特性202とを比較すると、検査画像の濃度が同一ならば、特性201の方が特性202よりもセンサ信号の強度が高い。
【0067】
[UV光量とインク硬化度の関係]
図5は、UV光量と、UVインクが硬化する概念を示した説明図である。横軸は、センサ信号の強度を示している。縦軸は、UV光量を示している。
【0068】
図5に示すように、UVインクが硬化する閾値を示す閾値203は、センサ信号が示す硬化度が飽和するまでUV光は増加するが、硬化度が所定値204を超えると、飽和することを示している。
【0069】
[UVインクが硬化する概念]
図6Aおよび図6Bは、UVインクが硬化する概念を示した説明図である。
【0070】
図6Aの硬化部90は、記録媒体6上の液滴状のUVインクに活性線が照射されることで、UVインクの外側から内側の内部まで、完全硬化した状態を示している。また、図6Bでは、記録媒体6上の液滴状のUVインクの外側から徐々に固まり、外側は、硬化部90により硬化しているが、硬化部90の内部は、硬化していない非硬化部91が存在することを示している。
【0071】
[比較例]
ここで、従来技術を示す比較例を用いて、従来の課題を説明する。
【0072】
図10Aは、UVインクの小液滴または中液滴を使用して検査画像を硬化する概念を示した説明図である。また、図10Bは、UVインクの大液滴を含む実際の印字画像を硬化する概念を示した説明図である。
【0073】
図10Aに示すように、ヘッドユニット31を構成する記録ヘッド33Pは、例えば、マルチドロップ方式により、UVインクの小液滴93と中液滴94を記録媒体6に吐出する。
【0074】
この場合、活性線照射部40の光源41が照射する照射光42は、正常光であっても、または、劣化光であっても、UVインクの小液滴93と中液滴94の体積が小さいため、いずれも完全硬化した状態903,904になる。この場合、光源41の照射光42が、正常光であるか劣化光であるかを判断することはできない。
【0075】
一方、図10Bに示すように、記録ヘッド33Pは、例えば、マルチドロップ方式により、UVインクの小液滴93と中液滴94と大液滴95とを記録媒体6に吐出する。
【0076】
活性線照射部40の光源41が照射する照射光42は、正常光であっても劣化光であっても、小液滴93と中液滴94は完全硬化した状態903,904になる。しかしながら、照射光42が劣化光であれば、大液滴95は、UVインクの内部の一部に未硬化を示す非硬化部91が存在する状態905となる。そのため、硬化度判断部51が、状態905が非硬化部91を有することを判断することで、光源41の照射光42は、劣化光であると判断できる。
【0077】
[本実施形態の特徴]
画像形成装置100は、検査画像作成指示部34と硬化度判断部51とを備えている。検査画像作成指示部34は、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたはヘッドユニット31が出力可能な最大のインク液滴サイズにより検査画像の作成を指示する。硬化度判断部51は、検査画像におけるUVインクの硬化度を判断する。
【0078】
<第1実施形態>
図7Aは、2つのUVインクの大液滴95で検査画像を硬化する概念を示した説明図である。図7Aに示すように、記録ヘッド33は、例えば、マルチドロップ方式により、2つのUVインクの大液滴95を記録媒体6に吐出している。
【0079】
活性線照射部40の光源41が照射する照射光42が劣化光の場合、2つのUVインクの大液滴95は、両方とも内部の一部に非硬化部91が存在する状態905となる。そのため、読取部50が読み取った画像の何れかの部位が非硬化部91を有することを、硬化度判断部51が判断することで、光源41の照射光42は、劣化光であると判断できる。
【0080】
したがって、本実施形態に係る画像形成装置100は、活性線照射部40の光源41を交換することで、UVインクの大液滴95を非硬化部91が存在しない完全硬化した状態906にすることができる。または、画像形成装置100は、活性線照射部40の光量を、光量調整部39が増加させることで、UVインクの大液滴95を非硬化部91が存在しない完全硬化した状態906にしてもよい。
【0081】
図7Bは、UVインクの大液滴95を含む実際の印字画像を硬化する概念を示した説明図である。図7Bに示すように、記録ヘッド33は、例えば、マルチドロップ方式により、UVインクの小液滴93と中液滴94と大液滴95を記録媒体6に吐出している。
【0082】
図7Bに示すように、硬化度判断部51は、UVインクの小液滴93と中液滴94と大液滴95の硬化度を判断する。これにより、硬化度判断部51は、UVインクの小液滴93と中液滴94と大液滴95の3つとも完全硬化した状態903,904,906であれば、照射光42は、正常光であると判断できる。
【0083】
このように、第1実施形態に係る画像形成装置100は、インクを硬化させる活性線照射部40の光源41の経年劣化を正確に判断することができる。
【0084】
[マルチドロップ方式]
図8は、ヘッドユニット31を構成する記録ヘッド33が、マルチドロップ方式により、インク液滴サイズを変化させることを示した説明図である。
【0085】
図8に示すように、記録ヘッド33は、駆動塗布電圧を変化させ、画像の1ドットに対して打ち込むインク滴の数を可変する。これにより、ヘッドユニット31は、インク液滴サイズを変化させることができる。
【0086】
例えば、UVインクの小液滴93の場合、記録ヘッド33は、ノズルから1回分の液滴931を吐出する。UVインクの中液滴94の場合、記録ヘッド33は、ノズルから2回分の液滴941,942を吐出する。UVインクの大液滴95の場合、記録ヘッド33は、ノズルから3回分の液滴951,952,953を吐出する。なお、液滴931,941,942,951,952,953は、記録ヘッド33がUVインクを吐出する最小単位とすることができる。
【0087】
このように、記録ヘッド33を備えるヘッドユニット31は、記録ヘッド33が液滴を吐出する回数を制御することで、液滴931,941,942,951,952,953が記録媒体6に到達する前に、ドットサイズを小液滴93、中液滴94、大液滴95に変化させることができる。また、インク液滴サイズは、ヘッドユニット31が吐出したのち記録媒体6に着弾する前におけるインク液滴の大きさのことをいうが、これに限定されるものではない。すなわち、インク液滴サイズは、ヘッドユニット31が吐出したのち記録媒体6に着弾した後におけるインク液滴の大きさでもよい。
【0088】
なお、ヘッドユニット31は、上述したマルチドロップ方式に限定されるものではなく、例えば、記録ヘッド33に加えるドットパルスを変更し、吐出するインクの量を変更することで、インク液滴サイズを変化させるバリアブルドット方式でもよい。
【0089】
<第2実施形態>
画像形成装置100の検査画像作成指示部34は、記録媒体6の有効画像領域の外に検査画像を形成するように指示する。
【0090】
図9Aは、検査画像作成指示部34が、記録媒体6の有効画像領域内に検査用のパッチ61~63を形成するように指示した場合を示した説明図である。図9Bは、検査画像作成指示部34が、記録媒体6の有効画像領域67の外に、検査用のパッチ64~66を形成するように指示した場合を示した説明図である。
【0091】
検査画像作成指示部34は、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズまたはヘッドユニット31が出力可能な最大のインク液滴サイズにより検査画像の作成を指示するだけでなく、検査用のパッチを形成する位置も指示できる。
【0092】
これにより、第2実施形態に係る画像形成装置100は、検査用のパッチの全面印刷をすることなく、通常の印刷ジョブを実行しているときに、非画像領域に印刷された検査用のパッチにより、UVインクの硬化度を判断することができる。
【0093】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る画像形成装置100は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、活性線照射部40が照射する光量を増加させる光量調整部39を、さらに備えて構成されている。
【0094】
光量調整部39は、UVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、活性線照射部40が照射する光量を増加させることができるので、画像形成装置100は、引き続き、UVインクの硬化度を判断できる。
【0095】
通常、画像形成装置100の活性線照射部40は、活性線を照射する能力を抑えて使用されるため、UVインクの硬化度が低下してきたと判断できる場合、光量調整部39は、光源41の光量を増加させることで、引き続き、継続使用することができる。
【0096】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る画像形成装置100は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、ユーザに通知する通知部70を、さらに備えて構成されている。
【0097】
通知部70は、UVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、ユーザに通知することができるため、ユーザは、活性線照射部40の光源41を適切な時期に交換することできる。
【0098】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る画像形成装置100は、第3実施形態に係る画像形成装置100と、第4実施形態に係る画像形成装置100とを組み合わせて構成されている。この場合、第5実施形態に係る画像形成装置100は、光量調整部39と、通知部70とを備えて構成されている。
【0099】
例えば、光量調整部39は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が、所定の閾値未満の場合、活性線照射部40がUVインクに紫外線を照射する光量を、第1の閾値の範囲内で増加させる。
【0100】
一方、通知部70は、光量調整部39がUVインクに紫外線を照射する光量が、第1の閾値よりも小さく、かつ第2の閾値以上の光量を照射する場合、ユーザに、活性線照射部40の交換時期を通知することができる。
【0101】
これにより、第5実施形態に係る画像形成装置100は、活性線照射部40の照射能力を限界まで使い切る前に、ユーザに交換すべき時期であることを通知することができる。
【0102】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る画像形成装置100は、硬化度判断部51が判断したインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、記録媒体6を搬送する搬送部20の搬送速度を引き下げる搬送制御部28を、さらに備えて構成されている。
【0103】
搬送制御部28は、UVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、記録媒体6を搬送する搬送部20の搬送速度を引き下げることができるので、UV光をUVインクに照射する時間を確保でき、UVインクの硬化度を高めることができる。
<第7実施形態>
第7実施形態に係る画像形成装置100は、硬化度判断部51が判断したUVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズを小さくする液滴サイズ調整部38を、さらに備えて構成されている。
【0104】
液滴サイズ調整部38は、UVインクの硬化度が所定の閾値未満の場合、画像形成で使用する最大のインク液滴サイズを小さくすることができるので、光源41が劣化しても、UVインクの硬化度を高めることができる。
【0105】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)~(d)のようなものがある。
【0106】
(a)第1実施形態に係る画像形成装置100は、マルチドロップ方式で説明したが、ヘッドユニット31は、上述したマルチドロップ方式に限定されるものではない。例えば、画像形成装置100は、バリアブルヘッド方式を採用し、記録ヘッド33に加えるドットパルスを変更し、吐出するインクの量を変更することで、インク液滴サイズを変化させてもよい。
【0107】
(b)画像形成部30のヘッドユニット31Y,31M,31C,31Kは、4色インク(複数の色インク)を吐出可能であり、検査画像作成指示部34は、黒インク以外のUVインクで検査画像の作成を指示してもよい。
【0108】
(c)読取部50は、イメージセンサで構成されていてもよい。
(d)インクを硬化させる活性線は、紫外線に限られず、任意波長の光線であってもよい。
【符号の説明】
【0109】
100 画像形成装置
6 記録媒体
10 媒体供給部
20 搬送部
30 画像形成部
40 活性線照射部
41 光源
50 読取部
60 媒体排出部
23 搬送ベルト
21,22 搬送ローラ
24 駆動ローラ
25 従動ローラ
26,27 搬送ローラ
28 搬送制御部
29 搬送モータ
31Y,31M,31C,31K ヘッドユニット(インク吐出部)
31 ヘッドユニット(インク吐出部)
33Y,33M,33C,33K 記録ヘッド
33 記録ヘッド
34 検査画像作成指示部
38 液滴サイズ調整部
39 光量調整部
51 硬化度判断部
70 通知部
80 通信部
101 CPU
102 記憶部
103 ROM
104 RAM
1021 硬化度検査プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B