(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156315
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241029BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241029BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070677
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】栂 修平
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF11
(57)【要約】
【課題】充電ケーブルが地面に接触することを防止できる充電システムを提供する。
【解決手段】充電システムA1において、電気自動車9の蓄電池91に充電するための電力を出力する充電装置1と、電気自動車9に接続される充電コネクタ3と、充電装置1と充電コネクタ3とを接続する充電ケーブル2と、天井8に取り付けられたレール4と、レール4に摺動可能に取り付けられた複数のケーブルハンガ5と、を備えた。充電ケーブル2は、複数個所がそれぞれ複数のケーブルハンガ5に取り付けられて、レール4から吊り下げられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気移動体の蓄電池に充電するための電力を出力する充電装置と、
前記電気移動体に接続される充電コネクタと、
前記充電装置と前記充電コネクタとを接続する充電ケーブルと、
天井に固定されたレールと、
前記レールに摺動可能に配置された複数のケーブルハンガと、
を備え、
前記充電ケーブルは、複数個所がそれぞれ前記複数のケーブルハンガに取り付けられて、前記レールから吊り下げられている、
充電システム。
【請求項2】
前記充電ケーブルは、
前記充電コネクタに接続され、かつ、第1金属からなる第1電力線を含む第1ケーブルと、
前記第1ケーブルに接続され、かつ、第2金属からなる第2電力線を含む第2ケーブルと、
を備え、
前記第2金属は、前記第1金属より比重が小さく、
前記第2ケーブルが、前記複数のケーブルハンガに取り付けられている、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記第1金属は、銅であり、
前記第2金属は、アルミニウムである、
請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記充電ケーブルは、
前記第2ケーブルと前記充電装置とに接続され、かつ、前記第1金属からなる第3電力線を含む第3ケーブルをさらに備えている、
請求項2に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などを充電する充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及に伴い、電気自動車の蓄電池に充電をするための充電装置の整備が進んでいる。一般的に、充電装置は、充電ケーブルの先端に配置された充電コネクタを電気自動車のプラグインコネクタに接続されて、充電ケーブルを介して電気自動車に電力を供給する。トラックまたはバスなどの大型の電気自動車に充電を行う場合、充電装置の配置位置と、電気自動車のプラグインコネクタの位置とが大きく離れてしまう場合がある。例えば、トラックは、荷物を積む際に、積み込み位置にバックで近づいて停車する。そして、荷物を積み込む間に充電を行うことが考えられる。充電装置は、駐車の邪魔にならないように、積み込み位置付近に配置される。一方、プラグインコネクタは、トラックの車体の前方(例えば車両の正面)に配置されている。したがって、充電装置とプラグインコネクタとが大きく離れてしまう。充電装置と充電コネクタとを接続する充電ケーブルは、様々な種類のトラックのいずれでも充電できるように、長さが決定される。充電ケーブルが長くなると、取り回しおよび片付けが大変になる。充電ケーブルの取り回しおよび片付けを補助するための工夫がなされた充電装置が開発されている。
【0003】
特許文献1には、充電ケーブルの途中に中間把持具が装着された充電スタンドが開示されている。充電コネクタを把持していない方の手で中間把持具を把持することで、充電ケーブルの取り回しがしやすくなる。また、充電ケーブルの収納時には、中間把持具を充電スタンドのフックに引っ掛けることで、充電ケーブルが地面に着いて汚れることを防止できる。また、特許文献2には、本体を支持するスタンド部の内部に充電ケーブルを収納する充電装置が開示されている。当該充電装置によると、充電ケーブルをスタンド部の内側に荷重バランス良く保持させておくことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-62891号公報
【特許文献2】特開2010-283946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の充電スタンドおよび特許文献2の充電装置においても、充電ケーブルが長くなると、充電時には充電ケーブルが地面に接触した状態になる。上述したトラックの例のように、充電装置とプラグインコネクタとが大きく離れていると、充電ケーブルが地面に接触して配置された状態になる。この場合、充電中の充電ケーブルが他の車に踏まれるおそれがあるし、作業者が充電ケーブルに足を引っかけるおそれがある。
【0006】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、充電ケーブルが地面に接触することを防止できる充電システムを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される充電システムは、電気移動体の蓄電池に充電するための電力を出力する充電装置と、前記電気移動体に接続される充電コネクタと、前記充電装置と前記充電コネクタとを接続する充電ケーブルと、天井に固定されたレールと、前記レールに摺動可能に配置された複数のケーブルハンガと、を備え、前記充電ケーブルは、複数個所がそれぞれ前記複数のケーブルハンガに取り付けられて、前記レールから吊り下げられている。
【0009】
なお、「電気移動体」は、蓄電池の電力で電動機を駆動して移動する移動体であって、いわゆる電気自動車だけでなく、ハイブリッド車なども含まれる。また、「電気移動体」は、いわゆる自動車だけでなく、二輪車、船舶、飛行機などの他の乗り物、または、無人搬送車、ドローンなどの無人移動体も含まれる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記充電ケーブルは、前記充電コネクタに接続され、かつ、第1金属からなる第1電力線を含む第1ケーブルと、前記第1ケーブルに接続され、かつ、第2金属からなる第2電力線を含む第2ケーブルと、を備え、前記第2金属は、前記第1金属より比重が小さく、前記第2ケーブルが、前記複数のケーブルハンガに取り付けられている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1金属は、銅であり、前記第2金属は、アルミニウムである。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記充電ケーブルは、前記第2ケーブルと前記充電装置とに接続され、かつ、前記第1金属からなる第3電力線を含む第3ケーブルをさらに備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、充電ケーブルは、天井に取り付けられたレールから吊り下げられている。したがって、本発明に係る充電システムは、充電中においても、充電を行っていない状態においても、充電ケーブルが地面に接触することを防止できる。また、充電ケーブルの取り回しも容易である。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る充電システムの全体構成を示す簡略図である。
【
図2】第2実施形態に係る充電システムの全体構成を示す拡大簡略図である。
【
図3】第2実施形態に係る充電ケーブルを示す分解図である。
【
図4】第3実施形態に係る充電システムの全体構成を示す拡大簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る充電システムA1の全体構成を示す簡略図である。
図1(a)は充電システムA1を使用していない状態を示しており、
図1(b)は充電システムA1を使用している状態を示している。
【0018】
充電システムA1は、施設の駐車場などに配置され、電気自動車9の充電を行うための設備である。電気自動車9は、動力源としての電動機および電動機に電力を供給する蓄電池91を備えた自動車であり、電動機のみを動力源とするいわゆる電気自動車だけでなく、内燃機関が併設されたハイブリッド車なども含まれる。
図1では、電気自動車9がトラックであり、充電システムA1が荷物の積み込み施設に配置されている例を示している。充電システムA1は、充電装置1、充電ケーブル2、充電コネクタ3、レール4、および複数のケーブルハンガ5を備えている。
【0019】
充電装置1は、いわゆる急速充電装置であり、商用電源の交流電力を直流電力に変換して出力する。充電装置1は、充電ケーブル2および充電コネクタ3を介して、電気自動車9に直流電力を出力する。電気自動車9は、入力される直流電力により、蓄電池91の充電を行う。なお、充電装置1は、いわゆる普通充電装置であってもよい。この場合、充電装置1は、商用電源の交流電力を、電気自動車9に出力する。電気自動車9は、入力される交流電力を直流電力に変換して、蓄電池91の充電を行う。
【0020】
レール4は、施設の天井8に固定されている。レール4は、充電装置1から離れる方向(
図1においては左右方向)に延びている。なお、レール4の形状は限定されない。複数のケーブルハンガ5はそれぞれ、レール4に摺動可能に配置されている。本実施形態では、5個のケーブルハンガ5がレール4に配置されている。なお、レール4に配置されるケーブルハンガ5の数は限定されない。各ケーブルハンガ5は、充電ケーブル2を挿通される挿通部を備えている。
【0021】
充電ケーブル2は、一端が充電装置1に接続されており、他端に充電コネクタ3が接続されている。充電ケーブル2は、電力線と電力線を覆う絶縁部材とを備えている。電力線は、充電装置1が出力する電力の導通経路である。電力線は、限定されないが、例えば銅のより線である。絶縁部材は、限定されないが、例えば合成樹脂材料またはゴムなどからなる。充電ケーブル2の長さは、限定されないが、例えば20~30m程度である。充電ケーブル2は、複数のケーブルハンガ5の各挿通部に挿通されて、取り付けられている。これにより、充電ケーブル2は、レール4から吊り下げられている。
【0022】
充電コネクタ3は、充電ケーブル2に接続されている。充電コネクタ3は、本体31およびコネクタ32を備えている。本体31は、利用者が把持する部分であって、例えばハンドルが形成されている。本体31は、内部に、充電ケーブル2の電力線に導通する電力線が配置されている。コネクタ32は、本体31の先端部に配置された例えば金属製の筒状部材であり、電気自動車9のプラグインコネクタ92に接続される部分である。コネクタ32の内側には、図示しないが、電力線に導通する電源端子などが配置されている。充電コネクタ3は、充電コネクタ3をプラグインコネクタ92にロックする機構、および、取り外すためのボタンなどを備えているが、記載を省略している。なお、充電コネクタ3の構成はこれに限定されない。充電コネクタ3は、利用者が本体31を把持して、コネクタ32を電気自動車9のプラグインコネクタ92に接続(
図1(b)参照)することで、電気自動車9に接続される。充電コネクタ3が接続された電気自動車9は、充電ケーブル2および充電コネクタ3を介して、充電装置1から供給される電力によって、蓄電池91を充電される。
【0023】
なお、充電ケーブル2が充電装置1と充電コネクタ3とを接続する通信線をさらに備えて、充電装置1と電気自動車9とが情報の送受信を行ってもよい。また、通信線は、充電ケーブル2とは別体であり、充電ケーブル2と一緒にケーブルハンガ5の各挿通部に挿通されてもよい。また、充電装置1と電気自動車9とは、無線通信により情報の送受信を行ってもよい。
【0024】
充電システムA1を使用していない状態では、
図1(a)に示すように、各ケーブルハンガ5が互いの間隔を狭めた状態で、充電装置1の近くに配置される。これにより、充電ケーブル2は、レール4に吊り下げられた状態で、充電装置1の近くにまとめられている。また、充電コネクタ3も充電装置1の近くに配置されている。
【0025】
充電システムA1を使用する場合、作業者は、充電コネクタ3を把持して、電気自動車9のプラグインコネクタ92の近くまで、充電コネクタ3および充電ケーブル2を引っ張っていく。そして、充電コネクタ3をプラグインコネクタ92に接続して、充電を開始する。
【0026】
充電システムA1を使用している状態では、
図1(b)に示すように、各ケーブルハンガ5が互いの間隔を広げた状態になり、充電ケーブル2はゆるく延びた状態になる。この場合でも、充電ケーブル2は、レール4に吊り下げられた状態のままである。
【0027】
次に、本実施形態に係る充電システムA1の作用および効果について説明する。
【0028】
本実施形態によると、充電ケーブル2は、天井8に取り付けられたレール4から吊り下げられている。したがって、充電システムA1は、充電中においても、充電を行っていない状態においても、充電ケーブル2が地面に接触することを防止できる。また、充電ケーブル2の取り回しも容易である。
【0029】
なお、本実施形態においては、充電システムA1が電気自動車9を充電する場合について説明したが、これに限られない。充電システムA1は、電気自動車9以外の移動体を充電してもよい。この移動体の他の例として、例えば二輪車(電動オートバイ、電動アシスト自転車)、船舶、飛行機などの他の乗り物、または、無人搬送車、ドローンなどの無人移動体などが考えられる。
【0030】
〔第2実施形態〕
図2は、第2実施形態に係る充電システムA2の全体構成を示す拡大簡略図である。
図3は、第2実施形態に係る充電ケーブル2を示す分解図である。なお、
図2および
図3においては、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付している。第2実施形態に係る充電システムA2は、充電ケーブル2の構成が、第1実施形態に係る充電システムA1とは異なる。
【0031】
第2実施形態に係る充電ケーブル2は、第1ケーブル21、第2ケーブル22、および第3ケーブル23を備えている。第1ケーブル21は、一端が充電コネクタ3に接続され、他端が第2ケーブル22に接続されている。第1ケーブル21は、第1金属からなる第1電力線21aと、第1電力線21aを覆う第1絶縁部材21bとを備えている。第1電力線21aは、充電装置1が出力する電力の導通経路である。第1金属は、本実施形態では銅である。なお、第1金属は銅に限定されず、銅合金などの他の金属であってもよい。第1絶縁部材21bは、限定されないが、例えば合成樹脂材料またはゴムなどからなる。第1ケーブル21の長さは、限定されないが、例えば1m程度である。第1ケーブル21の長さは、充電コネクタ3を把持した作業者が接触する可能性がある部分の長さに応じて適宜設定される。
【0032】
第3ケーブル23は、一端が充電装置1に接続され、他端が第2ケーブル22に接続されている。第3ケーブル23は、第1ケーブル21と同様、第1金属からなる第3電力線23aと、第3電力線23aを覆う第3絶縁部材23bとを備えている。第3電力線23aは、充電装置1が出力する電力の導通経路である。第3絶縁部材23bは、限定されないが、例えば合成樹脂材料またはゴムなどからなる。第3ケーブル23の長さは、限定されないが、例えば1m程度である。第3ケーブル23の長さは、充電装置1を操作する作業者が接触する可能性がある部分の長さに応じて適宜設定される。
【0033】
第2ケーブル22は、一端が第1ケーブル21に接続され、他端が第3ケーブル23に接続されている。第2ケーブル22は、第1金属とは異なる第2金属からなる第2電力線22aと、第2電力線22aを覆う第2絶縁部材22bとを備えている。第2電力線22aは、充電装置1が出力する電力の導通経路である。第2金属は、本実施形態ではアルミニウムである。なお、第2金属はアルミニウムに限定されず、アルミニウム合金などの他の金属であってもよい。ただし、第2金属は、第1金属より比重が小さい金属である。第2絶縁部材22bは、限定されないが、例えば合成樹脂材料またはゴムなどからなる。第2ケーブル22は、複数のケーブルハンガ5の各挿通部に挿通されて、取り付けられている。これにより、充電ケーブル2は、第2ケーブル22の部分で、レール4から吊り下げられている。
【0034】
第1ケーブル21と第2ケーブル22、および、第3ケーブル23と第2ケーブル22の接続方法は限定されない。本実施形態では、
図3に示すように、第1ケーブル21の他端に取り付けられたコネクタ21cと、第2ケーブル22の一端に取り付けられたコネクタ22cとが接続されることで、第1ケーブル21と第2ケーブル22とが接続されている。また、第3ケーブル23の他端に取り付けられたコネクタ23cと、第2ケーブル22の他端に取り付けられたコネクタ22dとが接続されることで、第3ケーブル23と第2ケーブル22とが接続されている。コネクタ21cは、内部の金具21dが第1電力線21aに圧着されている。なお、金具21dは、ねじ止めやはんだ付けなどの他の方法で第1電力線21aに固定されてもよい。コネクタ22c、コネクタ22d、およびコネクタ23cも同様である。
【0035】
本実施形態においても、充電ケーブル2は、天井8に取り付けられたレール4から吊り下げられている。したがって、充電システムA2は、充電中においても、充電を行っていない状態においても、充電ケーブル2が地面に接触することを防止できる。また、充電ケーブル2の取り回しも容易である。
【0036】
さらに、本実施形態によると、充電ケーブル2の大部分を占める第2ケーブル22の第2電力線22aは、銅より比重が小さいアルミニウムからなる。したがって、充電ケーブル2は、全体が銅からなる電力線を備えている充電ケーブルと比較して、重量が軽くなる。これにより、天井8にかかる重量を抑制できるので、天井8の負担を軽減できる。また、各ケーブルハンガ5にかかる重量も軽減されるので、ケーブルハンガ5がレール4から外れて充電ケーブル2が落下する可能性も抑制される。また、全体が銅からなる電力線を備えている充電ケーブルと比較して、充電ケーブル2の第2ケーブル22の部分の垂れ下がりが抑制される。充電装置1が急速充電装置の場合、流れる電流が大きく、充電ケーブル2の電力線を太くする必要があるので、上記効果がより顕著になる。また、アルミニウムからなる電力線は、銅からなる電力線と比較して柔軟性が高い。これにより、第2ケーブル22の曲げ伸ばしが容易になる。
【0037】
また、本実施形態によると、第1ケーブル21の第1電力線21aおよび第3ケーブル23の第3電力線23aは、アルミニウムより電気抵抗率が低い銅からなる。これにより、作業者が接触する可能性が高い第1ケーブル21および第3ケーブル23が、各電力線がアルミニウムである場合と比較して、高温になることを抑制できる。なお、第2ケーブル22は、第1ケーブル21および第3ケーブル23と比較して高温になりやすい。しかし、第2ケーブル22は、天井付近に配置されているので、作業者が接触する可能性は低い。
【0038】
なお、充電ケーブル2は、第1ケーブル21としての第1電力線21aと、第2ケーブル22としての第2電力線22aと、第3ケーブル23としての第3電力線23aとを接続してから、全体を絶縁部材で覆うことで形成されてもよい。この場合、第1電力線21aと第2電力線22aとは、圧着スリーブで圧着することで接続してもよい。第2電力線22aと第3電力線23aとの接続も同様である。
【0039】
〔第3実施形態〕
図4は、第3実施形態に係る充電システムA3の全体構成を示す拡大簡略図である。なお、
図4においては、上記第2実施形態と同一または類似の要素には、上記第2実施形態と同一の符号を付している。第3実施形態に係る充電システムA3は、充電ケーブル2が第3ケーブル23を備えていない点で、第2実施形態に係る充電システムA2とは異なる。
【0040】
第3実施形態に係る充電ケーブル2は、第1ケーブル21および第2ケーブル22を備えている。第1ケーブル21は、第2実施形態に係る第1ケーブル21と同様である。第3実施形態に係る第2ケーブル22は、一端が充電装置1に接続され、他端が第1ケーブル21に接続されている。第3実施形態に係る第2ケーブル22は、第2実施形態に係る第2ケーブル22と同様、第2金属からなる第2電力線22aと、第2電力線22aを覆う第2絶縁部材22bとを備えている。第2ケーブル22は、複数のケーブルハンガ5の各挿通部に挿通されて、取り付けられている。これにより、充電ケーブル2は、第2ケーブル22の部分で、レール4から吊り下げられている。
【0041】
本実施形態においても、充電ケーブル2は、天井8に取り付けられたレール4から吊り下げられている。したがって、充電システムA3は、充電中においても、充電を行っていない状態においても、充電ケーブル2が地面に接触することを防止できる。また、充電ケーブル2の取り回しも容易である。また、充電ケーブル2の大部分を占める第2ケーブル22の第2電力線22aがアルミニウムからなるので、充電ケーブル2は重量が軽くなる。これにより、天井8にかかる重量を抑制でき、また、ケーブルハンガ5がレール4から外れて、充電ケーブル2が落下する可能性も抑制される。また、充電ケーブル2の第2ケーブル22の部分の垂れ下がりが抑制される。また、第2ケーブル22の曲げ伸ばしが容易になる。また、本実施形態によると、第1ケーブル21の第1電力線21aは、アルミニウムより電気抵抗率が低い銅からなるので、作業者が接触する可能性が高い第1ケーブル21が高温になることを抑制できる。
【0042】
本発明に係る充電システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る充電システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0043】
A1~A3:充電システム、1:充電装置、2:充電ケーブル、21:第1ケーブル、22:第2ケーブル、23:第3ケーブル、3:充電コネクタ、4:レール、5:ケーブルハンガ、8:天井、9:電気自動車、91:蓄電池