(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156316
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報通信システム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/07 20100101AFI20241029BHJP
【FI】
G01S19/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070678
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】522077948
【氏名又は名称】株式会社Hemisphere Japan
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】安富 敏
(72)【発明者】
【氏名】馬場 富親
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB08
5J062CC07
5J062DD24
5J062EE04
(57)【要約】
【課題】 情報送信装置と、情報受信装置とを備えた情報通信システムにおいて、情報送信装置から情報受信装置へ送信される補正情報の通信状況を、ユーザに対し確実に伝達する。
【解決手段】 情報通信システム100は、情報送信装置10及び情報受信装置20を備えている。情報送信装置10は、補正情報生成部12により生成された補正情報が、第1通信部11により情報受信装置20に送信されるように構成されている。情報受信装置20は、第1通信部21により受信された補正情報に基づいて、位置決定部22により位置が補正されるように構成されている。情報送信装置10は、補正情報の通信(送信)状況を反映して表示する表示部13を、自身と一体的に備えている。また、情報受信装置20は、補正情報の通信(受信)状況を反映して表示する表示部23を、自身と一体的に備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置に固定され、測位衛星からの電波の受信に基づいて自身の位置を検出する装置であって、前記検出された位置及び実際の固定位置の相違を補償するための補正情報を生成し、前記生成された補正情報を送信可能に構成された情報送信装置と、
前記情報送信装置に対し移動可能、且つ、前記送信された前記補正情報を受信可能に構成され、測位衛星からの電波の受信に基づいて自身の位置を検出する装置であって、前記検出された位置を、前記受信された前記補正情報に基づいて補正する情報受信装置と、
を備えた情報通信システムにおいて、
前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置のうちの何れか一方又は両方は、
前記補正情報の通信状況を反映して表示する表示部を、自身と一体的に備えた
情報通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報通信システムにおいて、
前記情報送信装置が前記表示部を備えている場合、
前記情報送信装置の前記表示部は、
前記補正情報が送信されている状況における表示態様と、前記補正情報が送信されていない状況における表示態様とを、異ならせる
情報通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報通信システムにおいて、
前記情報送信装置の前記表示部は、
前記補正情報が送信されていない状況において、前記補正情報が送信されない要因に対応するように表示態様を異ならせる
情報通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の情報通信システムにおいて、
前記情報受信装置が前記表示部を備えている場合、
前記情報受信装置の前記表示部は、
前記補正情報が受信されている状況における表示態様と、前記補正情報が受信されていない状況における表示態様とを、異ならせる
情報通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報通信システムにおいて、
前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置のそれぞれから遠隔的に位置しており、前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置のそれぞれと情報通信可能に接続された端末であって、前記補正情報の通信状況を反映して表示するよう構成された端末
をさらに備えた
情報通信システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報通信システムにおいて、
前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置の両方が前記表示部をそれぞれ備え、
前記情報送信装置の前記表示部は、
前記情報送信装置と一体的に備えられ、前記情報受信装置における前記補正情報の受信状況を反映して表示し、
前記情報受信装置の前記表示部は、
前記情報受信装置と一体的に備えられ、前記情報送信装置における前記補正情報の送信状況を反映して表示する
情報通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報送信装置と、情報受信装置とを備えた情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生成した補正情報を送信可能に構成された情報送信装置と、補正情報を受信可能に構成されて補正情報に基づいて検出位置を補正する情報受信装置と、を備えた情報通信システムが知られている。この種のシステムの一例は、下記特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1では、情報送信装置に相当する基地局、及び、情報受信装置に相当する移動局が記載されている。それぞれの装置がGNSSアンテナを含み、位置推定値が取得されるようになっている。既知の位置に配置された基地局では、位置推定値と既知の位置とが比較され、比較に基づいて補正データが生成される。補正データを含む補正信号は、基地局から移動局に送信される。そして、移動局にて、補正データに基づいて、位置補正が実行されるようになっている。これにより、移動局の位置を精度良く決定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2022-504405号公報(段落0019、
図1等)
【発明の概要】
【0005】
ところで、この種のシステムにおいては、様々な要因によって、情報送信装置での補正情報の送信が達成されなかったり、情報受信装置での補正情報の受信が達成されない場合がある。上述した特許文献1のシステムでは、補正情報の通信状況をユーザに伝達する手段がなく、このような場合が生じると、ユーザが迅速に対処することは難しい。この点に、改善の余地があると言える。
【0006】
上記を鑑み、本発明の目的は、生成した補正情報を送信可能に構成された情報送信装置と、補正情報を受信可能に構成されて補正情報に基づいて検出位置を補正する情報受信装置と、を備えた情報通信システムにおいて、補正情報の通信状況を、ユーザに対し確実に伝達することができるものを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。本発明の情報通信システムは、所定の位置に固定され、測位衛星からの電波の受信に基づいて自身の位置を検出する装置であって、前記検出された位置及び実際の固定位置の相違を補償するための補正情報を生成し、前記生成された補正情報を送信可能に構成された情報送信装置と、前記情報送信装置に対し移動可能、且つ、前記送信された前記補正情報を受信可能に構成され、測位衛星からの電波の受信に基づいて自身の位置を検出する装置であって、前記検出された位置を、前記受信された前記補正情報に基づいて補正する情報受信装置と、を備えている。前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置のうちの何れか一方又は両方は、前記補正情報の通信状況を反映して表示する表示部を、自身と一体的に備えている。
【0008】
本発明の情報通信システムにおいて、前記情報送信装置が前記表示部を備えている場合、前記情報送信装置の前記表示部は、前記補正情報が送信されている状況における表示態様と、前記補正情報が送信されていない状況における表示態様とを、異ならせる。
【0009】
本発明の情報通信システムにおいて、前記情報送信装置の前記表示部は、前記補正情報が送信されていない状況において、前記補正情報が送信されない要因に対応するように表示態様を異ならせる。
【0010】
本発明の情報通信システムにおいて、前記情報受信装置が前記表示部を備えている場合、前記情報受信装置の前記表示部は、前記補正情報が受信されている状況における表示態様と、前記補正情報が受信されていない状況における表示態様とを、異ならせる。
【0011】
本発明の情報通信システムは、前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置のそれぞれから遠隔的に位置しており、前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置のそれぞれと情報通信可能に接続された端末であって、前記補正情報の通信状況を反映して表示するよう構成された端末をさらに備えている。
【0012】
本発明の情報通信システムにおいて、前記情報送信装置、及び、前記情報受信装置の両方が前記表示部をそれぞれ備え、前記情報送信装置の前記表示部は、前記情報送信装置と一体的に備えられ、前記情報受信装置における前記補正情報の受信状況を反映して表示し、前記情報受信装置の前記表示部は、前記情報受信装置と一体的に備えられ、前記情報送信装置における前記補正情報の送信状況を反映して表示する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示部を、情報送信装置及び/又は情報受信装置における視認し易い部位や、目立ち易い部位に配置させることができる。従って、補正情報の通信状況を、ユーザに対し確実に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報通信システムの全体概略図である。
【
図2】
図1に示す情報送信装置、情報受信装置、及び、端末の機能ブロック図である。
【
図3】
図1に示す情報送信装置が備える表示部、及び、情報受信装置が備える表示部におけるモードに対応した表示態様の例を示す図である。
【
図4】
図1に示す端末のモニタにおける通信状況確認画面の表示態様の例を示す図である。
【
図5】
図1に示す情報通信システムの実際の作動を示す一連のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
<情報通信システムの構成>
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報通信システム100は、情報送信装置10と、情報受信装置20と、端末30と、を備えている。情報送信装置10、及び、情報受信装置20は、情報通信可能なように接続されている。端末30は、情報送信装置10と、情報受信装置20と、情報通信可能なように接続されている。本実施形態においては、これらの接続は、無線通信による接続であるが、これに代えて、ケーブル等を介した有線通信による接続であってもよい。
【0017】
情報送信装置10は、地面に接地した三脚等のスタンドSの上端部に、載置されている。情報送信装置10は、スタンドSを介して、所定の位置に固定されている。情報受信装置20は、ユーザが把持可能なポールPの上端部に、接続されている。情報受信装置20は、ユーザがポールPを把持した状態で、ユーザと一体的に移動することで、情報送信装置10に対し離間して移動可能となっている。端末30は、情報送信装置10、及び、情報受信装置20のそれぞれに対して、遠隔的に位置していればよく、これらの位置関係は任意である。例えば、端末30がポールPから離間していてもよいし、端末30がポールPに設置・固定されていてもよい。
【0018】
情報送信装置10及び情報受信装置20は、測位衛星(図示を省略)からの電波の受信に基づいて、自身の各位置を検出する装置である。測位衛星による測位システムとしては、GNSS(GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、SBAS、みちびき等)を用いてもよく、自身の位置として、経度・緯度・高さ、所定の三次元座標等を含む測位情報が、検出されるようになっていてもよい。
【0019】
情報送信装置10及び情報受信装置20は、電波受信装置、慣性計測装置等も、それぞれ備えている。電波受信装置は、測位衛星からの電波を受信可能なアンテナ等を有している。慣性計測装置は、加速度センサ等を有しており、傾斜角度を検出可能となっている。情報送信装置10及び情報受信装置20は、このように構成されることで、上記位置情報、傾斜角度等に基づいて、情報送信装置10、あるいはスタンドSの位置、及び、情報受信装置20、あるいはポールPの位置が、それぞれ検出されるようになっている。
【0020】
情報送信装置10は、上述のように検出された情報送信装置10の位置、及び、実際の固定位置の相違を補償するための補正情報を生成するよう、構成されている。情報送信装置10は、生成された補正情報を、情報受信装置20へ送信可能に構成されている。情報受信装置20は、情報送信装置10から送信された補正情報を、受信可能に構成されている。情報受信装置20は、上述のように検出された情報受信装置20の位置を、受信された補正情報に基づいて補正するよう、構成されている。
【0021】
検出位置と、実際の位置との相違は、検出位置の測位誤差によって、生じる場合が多い。一般に、測位誤差は、電離層、大気条件などにより影響を受けやすい。このため、情報送信装置10と、情報受信装置20とが、同程度の緯度、経度、高さの場所にそれぞれ位置する場合には、両者の測位誤差も同程度となり得る。この場合、情報受信装置20においては、情報送信装置10で生成される補正情報を用いればよいことになる。情報送信装置10にて補正情報を生成し、情報送信装置10から情報受信装置20へ補正情報を送信するのは、係る知見に基づいている。
【0022】
情報送信装置10、及び、情報受信装置20は、ケーシング10a、及び、ケーシング20aそれぞれ備えている。ケーシング10a、及び、ケーシング20aは、例えば、それぞれ略円筒形状を呈しており、上部がドーム状に形成されている。ケーシング10a、及び、ケーシング20aの内部には、位置検出、情報通信、キャリブレーション、及び、演算処理のためのデバイス、モジュール等の一式が、収容されている。ケーシング10a、及び、ケーシング20aの形状は、上記に限定されることなく、位置検出や情報通信等の機能が達成され得るものであれば、何れであってもよい。
【0023】
ケーシング10a、及び、ケーシング20aには、側面部位にパネル10b、及び、パネル20bがそれぞれ設置されている。パネル10b、及び、パネル20bには、スイッチ、インジケータ等が配置されている。スイッチは、ユーザにより操作可能となっており、作動開始/停止を切替可能となっている。インジケータは、装置のステータスを視認可能なように表示するようになっている。
【0024】
情報送信装置10のパネル10bには、インジケータの1つとして、送信状況表示手段13dが、情報送信装置10と一体的に備えられている。情報受信装置20のパネル20bには、インジケータの1つとして、受信状況表示手段23bが、情報受信装置20と一体的に備えられている。本実施形態においては、送信状況表示手段13d及び受信状況表示手段23bは、LED(Light Emitting Diode)であり、後述するモードに応じて表示態様が変化するようになっている(
図3を参照)。
【0025】
なお、送信状況表示手段13d及び受信状況表示手段23bは、視認可能で表示態様が変化するものであればよく、LEDに代えて、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)にて文字、数値、ロゴを表示するように構成されてもよい。
【0026】
端末30は、スマートフォン、ラップトップPC、携帯移動端末、サーバ、固定設置端末等であり、モニタ31を備えている。端末30は、位置情報、補正情報等が、モニタ31を介して表示可能になっている。更に、端末30は、補正情報の通信状況を反映して、モニタ31に表示するよう構成されている(
図4を参照)。
【0027】
図2に示すように、情報送信装置10は、第1通信部11、補正情報生成部12、表示部13、及び、第2通信部14を、情報送信装置10と一体的に備えている。第1通信部11、補正情報生成部12、表示部13、及び、第2通信部14は、電気回路、CPU(Central Processing Unit)等を含むモジュール、デバイスであり、種々の制御をそれぞれ実行するようになっている。
【0028】
第1通信部11は、情報受信装置20(第1通信部21)と接続されており、無線による情報通信が可能となっている。第1通信部11は、補正情報生成部12にて生成された補正情報を含むデータ、信号を、情報受信装置20に送信可能となっている。第1通信部11は、例えば、簡易無線、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、LPWA(Low Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うものであってもよい。また、LTE(Long term evolution)、第4、第5世代通信システム等の、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うようにしてもよい。
【0029】
補正情報生成部12は、上述の衛星測位システムにて検出された情報送信装置10の位置、及び、実際の固定位置の相違を補償するための補正情報を生成する。実際の固定位置としては、例えば、予め所定の手法により情報送信装置10の位置を測定しておき、当該測定した位置を記憶させておいてもよい。補正情報としては、例えば、検出された位置と、実際の固定位置との差分ベクトルに相当する量などが、用いられてもよい。なお、情報送信装置10以外の外部装置にて、補正情報を生成し、当該補正情報に基づいて、情報送信装置10の検出位置を補正して、情報送信装置10の位置が決定されるようになっていてもよい。
【0030】
表示部13は、第1通信部11での補正情報の通信状況を反映して表示する。表示部13は、補正情報が送信されている状況における表示態様と、補正情報が送信されていない状況における表示態様とを、異ならせる。補正情報が送信されていない状況において、表示部13は、補正情報が送信されない要因に対応するように、表示態様を異ならせる。この機能を達成するために、表示部13は、送信状況取得手段13a、温度取得手段13b、電池残量取得手段13c、及び、送信状況表示手段13dを備えている。
【0031】
送信状況取得手段13aは、第1通信部11での補正情報の送信状況を取得する。送信状況取得手段13aは、例えば、第1通信部11の情報送信量、情報送信速度等を取得するようになっていてもよい。本実施形態においては、送信状況取得手段13aにより、補正情報が送信されている状況が取得された場合、送信状況が「良好」であると判定される。一方、送信状況取得手段13aにより、補正情報が送信されていない状況が取得された場合、送信状況が「不良」であると判定される。
【0032】
温度取得手段13bは、情報送信装置10内のモジュール、デバイス等(例えば、第1通信部11に相当する装置)の温度を取得する。温度取得手段13bは、例えば、CPUに組み込まれたDTS(Digital Thermal Sensor)、オンボードのアナログ又はデジタル温度センサ等であってもよい。処理負荷が高く発熱量が大きい状態や、環境温度が高く冷却度合いが小さい状態である場合、情報送信装置10内のモジュール、デバイス等が「高温」となる可能性が高い。「高温」であることが要因で、送信状況が「不良」となる事象が生じ得る。温度取得手段13bにより温度が取得されることで、送信状況が「不良」である要因として、「高温」であるか否かを判定することができる。なお、上述した「高温」であることが要因で、送信状況が「不良」となる事象としては、例えば、「高温」のときに補正情報の送信を規制する制御がなされる場合が、含まれてもよい。
【0033】
電池残量取得手段13cは、情報送信装置10の電源としての電池の残量を取得する。電池残量取得手段13cは、例えば、電池の電圧、電流に基づいて、SOC(State of Charge)を検出するアルゴリズムによって、SOCを取得するようになっていてもよい。電池残量が大きく低下した場合、電池電圧も低下する傾向にあり、位置の検出、補正情報の生成、補正情報の送信等の処理に必要な電圧が、得られない場合がある。「低電池残量」であることが要因で、送信状況が「不良」となる事象が生じ得る。電池残量取得手段13cにより電池残量が取得されることで、送信状況が「不良」である要因として、「低電池残量」であるか否かを判定することができる。なお、上述した「低電池残量」であることが要因で、送信状況が「不良」となる事象としては、例えば、「低電池残量」のときに補正情報の送信を規制する制御がなされる場合が、含まれてもよい。
【0034】
送信状況表示手段13dは、LEDの発光により、第1通信部11での補正情報の通信状況を反映して表示する。送信状況表示手段13dは、複数のモードに応じて、LEDの発光による表示態様が異なるようになっている。当該モードは、補正情報の送信状況、補正情報が送信されない要因のそれぞれに対応するように、設定される。
【0035】
図3に示すように、情報送信装置10の表示部13では、4つのモードSE1,SE2,SE3,SE4のうちから、1つのモードが設定されるようになっている。送信状況取得手段13aにより取得された補正情報の送信状況が、「良好」であると判定された場合、モードが「SE1」に設定される。本実施形態においては、4つのモードのうちモードSE1である場合には、送信状況表示手段13dにより、LEDが「青色」で「点灯」する表示態様が採られる。
【0036】
また、送信状況取得手段13aにより取得された送信状況が「不良」であると判定された場合であって、温度取得手段13bにより取得された温度が「高温」であると判定された場合には、モードが「SE2」に設定される。本実施形態においては、4つのモードのうちモードSE2である場合には、送信状況表示手段13dにより、LEDが「赤色」で「点滅」する表示態様が採られる。
【0037】
また、送信状況取得手段13aにより取得された送信状況が「不良」であると判定された場合であって、電池残量取得手段13cにより取得された電池残量が「低電池残量」である(電池残量が低下している)と判定された場合には、モードが「SE3」に設定される。本実施形態においては、4つのモードのうちモードSE3である場合には、送信状況表示手段13dにより、LEDが「黄色」で「点滅」する表示態様が採られる。
【0038】
また、送信状況取得手段13aにより取得された送信状況が「不良」であると判定された場合であって、上記取得された温度が「高温」でなく、且つ、上記取得された電池残量が「低電池残量」でないと判定された場合には、モードが「SE4」に設定される。本実施形態においては、4つのモードのうちモードSE4である場合には、送信状況が「不良」である要因が「その他」であるとして、送信状況表示手段13dにより、LEDが「青色」で「点滅」する表示態様が採られる。
【0039】
なお、送信状況表示手段13dによるLEDの発光色、点灯/点滅の態様は、上記に限定されず、送信状況が「良好」/「不良」であるのに応じて異なり、且つ、送信状況が「不良」である要因に応じて異なっていれば、何れであってもよい。
【0040】
図2に示すように、情報送信装置10の第2通信部14は、端末30と接続されており、無線による情報通信が可能となっている。第2通信部14は、補正情報生成部12にて生成された補正情報、情報送信装置10の位置情報、上述のように設定されたモードを含むデータ、信号を、端末30に送信可能となっている。第2通信部14は、第1通信部11と異なる通信規格の無線通信を行うものであってもよいし、同じ通信規格の無線通信を行うものであってもよい。
【0041】
情報受信装置20は、第1通信部21、位置決定部22、表示部23、及び、第2通信部24を、情報受信装置20と一体的に備えている。第1通信部21、位置決定部22、表示部23、及び、第2通信部24は、電気回路、CPU(Central Processing Unit)等を含むモジュール、デバイスであり、種々の制御をそれぞれ実行するようになっている。
【0042】
第1通信部21は、情報送信装置10(第1通信部11)と接続されており、無線による情報通信が可能となっている。第1通信部21は、情報送信装置10から送信された補正情報を含むデータ、信号を受信可能となっている。第1通信部21は、第1通信部11と同じ通信規格の無線通信を行うものであってもよい。
【0043】
位置決定部22は、上述の衛星測位システムにて検出された情報受信装置20の位置を、第1通信部21にて受信された補正情報に基づいて補正し、情報受信装置20の位置を決定する。
【0044】
表示部23は、第1通信部21での補正情報の通信状況を反映して表示する。表示部23は、補正情報が受信されている状況における表示態様と、補正情報が受信されていない状況における表示態様とを、異ならせる。この機能を達成するために、表示部23は、受信状況取得手段23a、及び、受信状況表示手段23bを備えている。
【0045】
受信状況取得手段23aは、第1通信部21での補正情報の受信状況を取得する。受信状況取得手段23aは、例えば、第1通信部21の情報受信量、情報受信速度等を取得するようになっていてもよい。本実施形態においては、受信状況取得手段23aにより、補正情報が受信されている状況が取得された場合、受信状況が「良好」であると判定される。一方、受信状況取得手段23aにより、補正情報が受信されていない状況が取得された場合、受信状況が「不良」であると判定される。
【0046】
受信状況表示手段23bは、LEDの発光により、第1通信部21での補正情報の通信状況を反映して表示する。受信状況表示手段23bは、複数のモードに応じて、LEDの発光による表示態様が異なるようになっている。当該モードは、補正情報の受信状況に対応するように、設定される。
【0047】
図3に示すように、情報受信装置20の表示部23では、2つのモードRE1,RE2のうちから、1つのモードが設定されるようになっている。受信状況取得手段23aにより取得された補正情報の受信状況が、「良好」であると判定された場合、モードが「RE1」に設定される。本実施形態においては、2つのモードのうちモードRE1である場合には、受信状況表示手段23bにより、LEDが「青色」で「点灯」する表示態様が採られる。
【0048】
また、受信状況取得手段23aにより取得された送信状況が「不良」であると判定された場合には、モードが「RE2」に設定される。本実施形態においては、2つのモードのうちモードRE2である場合には、受信状況表示手段23bにより、LEDが「青色」で「点滅」する表示態様が採られる。
【0049】
なお、受信状況表示手段23bによるLEDの発光色、点灯/点滅の態様は、上記に限定されず、受信状況が「良好」/「不良」であるのに応じて異なっていれば、何れであってもよい。
【0050】
図2に示すように、情報受信装置20の第2通信部24は、端末30と接続されており、無線による情報通信が可能となっている。第2通信部24は、位置決定部22にて決定された情報受信装置20の位置情報、上述のように設定されたモードを含むデータ、信号を、端末30に送信可能となっている。第2通信部24は、第1通信部21と異なる通信規格の無線通信を行うものであってもよいし、同じ通信規格の無線通信を行うものであってもよい。
【0051】
図4に示すように、端末30は、情報送信装置10における補正情報の送信状況、及び、情報受信装置20における補正情報の受信状況を反映して、モニタ31にそれぞれ表示するよう構成されている。送信状況及び受信状況の表示としては、端末30にてアプリケーションプログラムが起動され、通信状況を確認するための画面である通信状況確認画面32がモニタ31に表示された状態において、通信状況確認画面32の所定部位にて、モードに応じて表示態様が変化するようになっていてもよい。
【0052】
本実施形態においては、通信状況確認画面32には、送信状況表示部位32a、要因表示部位32b、及び、受信状況表示部位32cが、設けられている。情報送信装置10側の送信状況の表示としては、上述のように情報送信装置10から送信されたモードSE1~SE4のそれぞれに対応するように、送信状況表示部位32a、及び、要因表示部位32bの欄にて下記のとおり異なる文字が表示されるようになっている。
【0053】
・モード:SE1
送信状況表示部位32a:「良好」
要因表示部位32b :表示なし
・モード:SE2
送信状況表示部位32a:「不良」
要因表示部位32b :「高温」
・モード:SE3
送信状況表示部位32a:「不良」
要因表示部位32b :「低電池残量」
・モード:SE4
送信状況表示部位32a:「不良」
要因表示部位32b :「その他」
【0054】
また、情報受信装置20側の受信状況の表示としては、上述のように情報受信装置20から送信されたモードRE1,RE2のそれぞれに対応するように、受信状況表示部位32cの欄にて下記のとおり異なる文字が表示されるようになっている。
【0055】
・モード:RE1
受信状況表示部位32c:「良好」
・モード:RE2
受信状況表示部位32c:「不良」
【0056】
なお、端末30での、情報送信装置10側の送信状況の表示、及び、情報受信装置20側の受信状況の表示は、視認可能で表示態様が変化するものであればよく、モニタ31での文字表示に代えて、例えば、数値、ロゴの表示であってもよい。
【0057】
<実際の作動>
図5は、本実施形態の情報通信システム100の実際の作動を示す一連のフローチャートである。情報通信システム100の作動を開始する場合、先ず、ステップST1にて、情報送信装置10の補正情報生成部12により、情報送信装置10における検出位置及び実際の固定位置の相違を補償するための補正情報が、生成される。
【0058】
次に、ステップST2にて、情報送信装置10の第1通信部11により、ステップST1にて生成された補正情報が、情報受信装置20に送信される。次に、ステップST3にて、情報送信装置10の表示部13により、ステップST2における補正情報の送信状況が「良好」であるか否かが、判定される。
【0059】
表示部13の送信状況取得手段13aにより取得された送信状況が「良好」である場合、ステップST3にて「Yes」と判定されて、ステップST4に進み、情報送信装置10の表示部13により、モードが「SE1」に設定される。次に、ステップST5にて、情報送信装置10の第2通信部14により、ステップST4にて設定されたモードが、端末30に送信される。
【0060】
次に、ステップST6にて、情報送信装置10の表示部13により、ステップST4にて設定されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE1」に設定されている場合には、表示部13の送信状況表示手段13dにおけるLEDが、「青色」で「点灯」する(
図3を参照)。
【0061】
他方、ステップST7にて、端末30のモニタ31により、ステップST5にて送信されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE1」に設定されている場合には、通信状況確認画面32の送信状況表示部位32aの欄に、「良好」の文字が表示される(
図4を参照)。
【0062】
一方、表示部13の送信状況取得手段13aにより取得された送信状況が「不良」である場合、ステップST3にて「No」と判定されて、ステップST8に進む。ステップST8では、情報送信装置10の表示部13により、情報送信装置10のモジュール等の温度が「高温」であるか否かが、判定される。
【0063】
表示部13の温度取得手段13bにより取得された温度が「高温」である場合、ステップST8にて「Yes」と判定されて、ステップST9に進み、情報送信装置10の表示部13により、モードが「SE2」に設定される。次に、ステップST5にて、情報送信装置10の第2通信部14により、ステップST9にて設定されたモードが、端末30に送信される。
【0064】
次に、ステップST6にて、情報送信装置10の表示部13により、ステップST9にて設定されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE2」に設定されている場合には、表示部13の送信状況表示手段13dにおけるLEDが、「赤色」で「点滅」する(
図3を参照)。
【0065】
他方、ステップST7にて、端末30のモニタ31により、ステップST5にて送信されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE2」に設定されている場合には、通信状況確認画面32の送信状況表示部位32a、及び、要因表示部位32bの欄に、「不良」及び「高温」の文字が、それぞれ表示される(
図4を参照)。
【0066】
一方、表示部13の温度取得手段13bにより取得された温度が「高温」でない場合、ステップST8にて「No」と判定されて、ステップST10に進む。ステップST10では、情報送信装置10の表示部13により、情報送信装置10の電池残量が低下しているか否かが、判定される。
【0067】
表示部13の電池残量取得手段13cにより取得された電池残量が「低電池残量」である場合、ステップST10にて「Yes」と判定されて、ステップST11に進み、情報送信装置10の表示部13により、モードが「SE3」に設定される。次に、ステップST5にて、情報送信装置10の第2通信部14により、ステップST11にて設定されたモードが、端末30に送信される。
【0068】
次に、ステップST6にて、情報送信装置10の表示部13により、ステップST11にて設定されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE3」に設定されている場合には、表示部13の送信状況表示手段13dにおけるLEDが、「黄色」で「点滅」する(
図3を参照)。
【0069】
他方、ステップST7にて、端末30のモニタ31により、ステップST5にて送信されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE3」に設定されている場合には、通信状況確認画面32の送信状況表示部位32a、及び、要因表示部位32bの欄に、「不良」及び「低電池残量」の文字が、それぞれ表示される(
図4を参照)。
【0070】
一方、表示部13の電池残量取得手段13cにより取得された電池残量が「低電池残量」でない場合、ステップST10にて「No」と判定されて、ステップST12に進み、情報送信装置10の表示部13により、モードが「SE4」に設定される。次に、ステップST5にて、情報送信装置10の第2通信部14により、ステップST12にて設定されたモードが、端末30に送信される。
【0071】
次に、ステップST6にて、情報送信装置10の表示部13により、ステップST12にて設定されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE4」に設定されている場合には、表示部13の送信状況表示手段13dにおけるLEDが、「青色」で「点滅」する(
図3を参照)。
【0072】
他方、ステップST7にて、端末30のモニタ31により、ステップST5にて送信されたモードに応じた表示が実行される。モードが「SE4」に設定されている場合には、通信状況確認画面32の送信状況表示部位32a、及び、要因表示部位32bの欄に、「不良」及び「その他」の文字が、それぞれ表示される(
図4を参照)。
【0073】
上述のように、ステップST2にて補正情報が情報送信装置10から送信されると、情報受信装置20の第1通信部21により、ステップST2にて送信された補正情報が受信される。ステップST13にて、情報受信装置20の表示部23により、ステップST2における補正情報の受信状況が「良好」であるか否かが、判定される。
【0074】
表示部23の受信状況取得手段23aにより取得された受信状況が「良好」である場合、ステップST13にて「Yes」と判定されて、ステップST14に進み、情報受信装置20の表示部23により、モードが「RE1」に設定される。
【0075】
次に、ステップST15にて、情報受信装置20の位置決定部22により、上述の衛星測位システムにて検出された情報受信装置20の位置が、第1通信部21にて受信された補正情報に基づいて補正されて、情報受信装置20の位置が決定される。
【0076】
次に、ステップST16にて、情報受信装置20の第2通信部24により、ステップST14にて設定されたモードが、端末30に送信される。次に、ステップST17にて、情報受信装置20の表示部23により、ステップST14にて設定されたモードに応じた表示が実行される。モードが「RE1」に設定されている場合には、表示部23の受信状況表示手段23bにおけるLEDが、「青色」で「点灯」する(
図3を参照)。
【0077】
他方、ステップST7にて、端末30のモニタ31により、ステップST16にて送信されたモードに応じた表示が実行される。モードが「RE1」に設定されている場合には、通信状況確認画面32の受信状況表示部位32cの欄に、「良好」の文字が表示される(
図4を参照)。
【0078】
一方、表示部23の受信状況取得手段23aにより取得された送信状況が「不良」である場合、ステップST13にて「No」と判定されて、ステップST18に進み、情報受信装置20の表示部23により、モードが「RE2」に設定される。
【0079】
次に、ステップST16にて、情報受信装置20の第2通信部24により、ステップST18にて設定されたモードが、端末30に送信される。次に、ステップST17にて、情報受信装置20の表示部23により、ステップST18にて設定されたモードに応じた表示が実行される。モードが「RE2」に設定されている場合には、表示部23の受信状況表示手段23bにおけるLEDが、「青色」で「点滅」する(
図3を参照)。
【0080】
他方、ステップST7にて、端末30のモニタ31により、ステップST16にて送信されたモードに応じた表示が実行される。モードが「RE2」に設定されている場合には、通信状況確認画面32の受信状況表示部位32cの欄に、「不良」の文字が表示される(
図4を参照)。
【0081】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本発明の実施形態に係る情報通信システム100は、情報送信装置10と、情報受信装置20と、を備えている。情報送信装置10は、補正情報生成部12により生成された補正情報が、第1通信部11により情報受信装置20に送信されるように構成されている。情報受信装置20は、第1通信部21により受信された補正情報に基づいて、位置決定部22により位置が補正されるように構成されている。情報送信装置10は、補正情報の通信(送信)状況を反映して表示する表示部13を、自身と一体的に備えている。また、情報受信装置20は、補正情報の通信(受信)状況を反映して表示する表示部23を、自身と一体的に備えている。
【0082】
上記構成によれば、表示部13及び表示部23を、情報送信装置10及び情報受信装置20における視認し易い部位や、目立ち易い部位に配置させることができる。従って、補正情報の通信状況を、ユーザに対し確実に伝達することができる。例えば、補正情報の通信状況が不良である場合に、表示部13及び表示部23において、その状況が反映されて表示されるため、ユーザが迅速に対処することができる。更に、表示や情報通信のためのモジュールを、情報送信装置10及び情報受信装置20とそれぞれ一体的に備えることができるため、装置全体としてコンパクト化が可能となる。
【0083】
また、本実施形態の情報通信システム100では特に、情報送信装置10の表示部13は、補正情報が送信されている状況における表示態様と、補正情報が送信されていない状況における表示態様とを、異ならせるようになっている。
【0084】
例えば、送信状況が「良好」であると判定された場合、送信状況表示手段13dにおけるLEDを「点灯」させ、送信状況が「不良」であると判定された場合、送信状況表示手段13dにおけるLEDを「点滅」させることができる。従って、補正情報の送信状況が不良である場合に、より目立つ態様で、その送信状況が不良である旨を、ユーザに対し確実に認識させることができる。
【0085】
また、本実施形態の情報通信システム100では特に、情報送信装置10の表示部13は、補正情報が送信されていない状況において、補正情報が送信されない要因に対応するように表示態様を、異ならせるようになっている。
【0086】
例えば、送信状況が「不良」であり、且つ、情報送信装置10におけるモジュール、デバイス等が「高温」であると判定された場合、送信状況表示手段13dにおけるLEDを、「赤色」で発光させることができる。送信状況が「不良」であり、且つ、情報送信装置10における電池残量が「低電池残量」であると判定された場合、送信状況表示手段13dにおけるLEDを、「黄色」で発光させることができる。従って、補正情報が送信されない要因を、ユーザに対し確実に認識させることができる。このため、ユーザが、補正情報が送信されない要因に応じた対処を迅速に実行できる。
【0087】
また、本実施形態の情報通信システム100では特に、情報受信装置20の表示部23は、補正情報が受信されている状況における表示態様と、補正情報が受信されていない状況における表示態様とを、異ならせるようになっている。
【0088】
例えば、受信状況が「良好」であると判定された場合、受信状況表示手段23bにおけるLEDを「点灯」させ、受信状況が「不良」であると判定された場合、受信状況表示手段23bにおけるLEDを「点滅」させることができる。従って、補正情報の受信状況が不良である場合に、より目立つ態様で、その受信状況が不良である旨を、ユーザに対し確実に認識させることができる。
【0089】
また、本実施形態の情報通信システム100では特に、端末30が、さらに備えられている。端末30は、情報送信装置10、及び、情報受信装置20のそれぞれから遠隔的に位置しており、情報送信装置10、及び、情報受信装置20のそれぞれと情報通信可能に接続されている。端末30は、補正情報の通信状況を反映して表示するよう構成されている。
【0090】
上記構成によれば、情報送信装置10、及び、情報受信装置20のそれぞれから、補正情報の通信状況を、遠隔的に位置する端末30に送信できる。従って、情報送信装置10、及び、情報受信装置20から遠隔的に位置するユーザに対しても、端末30を介して、補正情報の通信状況を確実に伝達することができる。
【0091】
<変形例>
本実施形態の情報通信システム100においては、種々の変形例を採ることができる。本実施形態の情報通信システム100では、情報送信装置10及び情報受信装置20の両方が、表示部13及び表示部23を備えており、表示部13にて情報送信装置10の送信状況が表示され、表示部23にて情報受信装置20の受信状況が表示されるようになっている。これに代えて、例えば、表示部13は、情報送信装置10と一体的に備えられ、情報受信装置20における補正情報の受信状況を反映して表示し、表示部23は、情報受信装置20と一体的に備えられ、情報送信装置10における補正情報の送信状況を反映して表示するようにしてもよい。この場合、情報送信装置10にて設定されたモードSE1~SE4が、第1通信部11から情報受信装置20に送信され、受信したモードSE1~SE4に応じた態様で、表示部23での表示が達成されてもよい。更に、情報受信装置20にて設定されたモードRE1,RE2が、第1通信部21から情報送信装置10に送信され、受信したモードRE1,RE2に応じた態様で、表示部13での表示が達成されてもよい。また、情報送信装置10及び情報受信装置20の両方が、表示部13及び表示部23を備えているのに代えて、例えば、情報送信装置10及び情報受信装置20のうち、少なくとも一方のみが表示部を備えるようにしてもよい。これによれば、両方に表示部を備える構成に比して、コストを低減することができる。
【0092】
また、情報通信システム100が、端末30を1つ備えているのに代えて、例えば、端末30を複数備えていてもよいし、端末30を備えていなくてもよい。端末30が複数備えられる場合、遠隔的に位置する複数のユーザに対しても、複数の端末30を介して、補正情報の通信状況を確実に伝達することができる。
【0093】
今回開示された上記各実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが、意図される。例えば、上記本実施形態においては、情報送信装置10にて送信状況が「不良」である場合(ステップST3で「No」と判定された場合)、「高温」であるか否かが判定され(ステップST8)、「低電池残量」であるか否かが判定される(ステップST10)ようになっている。即ち、直列的に複数の条件が判定されるようになっている。この場合、条件判定の順序を変更することで、優先順位を付けることができる。なお、順序は任意であり、上記実施形態に代えて、例えば、先に「低電池残量」であるか否かが判定され、次に「高温」であるか否かが判定されてもよい。一方、直列的に条件判定されなくてもよく、例えば、モードSE1,SE2,SE3,SE4のうちから1つを1ステップで選択できるよう、並列的に条件判定されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…情報送信装置、12…補正情報生成部、13…表示部、13a…送信状況取得手段、13b…温度取得手段、13c…電池残量取得手段、13d…送信状況表示手段、20…情報受信装置、22…位置決定部、23…表示部、23a…受信状況取得手段、23b…受信状況表示手段、30…端末、32…通信状況確認画面、32a…送信状況表示部位、32b…要因表示部位、32c…受信状況表示部位、100…情報通信システム