IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アピックヤマダ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156325
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】樹脂封止装置及び樹脂封止方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20241029BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H01L21/56 R
B29C43/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070696
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】田上 秀作
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 誠
【テーマコード(参考)】
4F204
5F061
【Fターム(参考)】
4F204AC01
4F204AD19
4F204AH37
4F204AJ08
4F204AR14
4F204FA01
4F204FB01
4F204FB17
4F204FF23
4F204FF46
4F204FN11
4F204FQ15
5F061AA01
5F061CB11
5F061DA01
5F061DA06
5F061DA11
(57)【要約】
【課題】樹脂封止した成形品の品質の向上を図ることである。
【解決手段】第1金型、及び、第1金型に対向する第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、レジンガードは、樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、レジンガードを平面視したときに第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、第1ガイド部よりも前記ローダハンドの取付面から離れて位置する第2ガイド部と、第1ガイド部と第2ガイド部を連結するとともに板状部材と接触するストッパ部と、を有する、樹脂封止装置。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記ワークがセットされる第1金型、及び、前記第1金型に対向するとともに前記樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、
前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、
前記ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、
前記レジンガードの内側に前記樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、
前記レジンガードの内側に前記板状部材を供給する板状部材供給部と、
を備え、
前記ローダハンドは、前記レジンガードの内側に設けられる前記樹脂材料及び前記板状部材を押し出す押出部材を有し、
前記レジンガードは、
前記樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、
前記板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、前記レジンガードを平面視したときに前記第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、前記第1ガイド部よりも前記ローダハンドの前記取付面から離れて位置する第2ガイド部と、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部を連結するとともに前記板状部材と接触するストッパ部と、
を有する、
樹脂封止装置。
【請求項2】
前記レジンガードは、前記ローダハンドの取付面とは反対側に設けられた、前記板状部材を保持可能に構成された爪部をさらに備える、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項3】
前記ローダハンドを上下反転させる反転部をさらに備える、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項4】
前記押出部材は、前記樹脂材料を前記板状部材に対して押圧可能に構成されている、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項5】
前記レジンガードの内側に供給された前記樹脂材料を加熱する加熱部をさらに備える、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項6】
前記押出部材は、前記加熱部によって前記樹脂材料が加熱されているときに、前記樹脂材料を前記板状部材に対して押圧する、
請求項5に記載の樹脂封止装置。
【請求項7】
前記レジンガードの内側に供給された前記樹脂材料を加振する加振部をさらに備える、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項8】
前記ローダハンドは、前記レジンガード及び前記押出部材が取り外し可能に構成されたベース部材をさらに有する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項9】
前記ローダハンドは、前記レジンガードの少なくとも一部を収容可能に構成されたベース部材をさらに有する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項10】
前記レジンガードの前記ストッパ部は、前記レジンガードを平面視したときに前記第1空間を囲む枠状に設けられている、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項11】
前記押出部材は、前記レジンガードの前記第1ガイド部に対して摺動可能に構成されている、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項12】
前記板状部材は、放熱部材、電磁遮蔽部材、及び、シート樹脂のいずれかである、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項13】
前記樹脂材料は、シート樹脂を含み、
前記板状部材は、放熱部材及び電磁遮蔽部材のいずれかである、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項14】
前記板状部材を覆う短冊状のフィルムを供給するフィルム供給部をさらに備え、
前記ローダハンドは、前記樹脂材料、前記板状部材及び前記フィルムを、前記樹脂封止金型へ搬送する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項15】
前記板状部材供給部は、前記樹脂材料供給部が前記レジンガードの内側に前記樹脂材料を供給した後に、前記レジンガードの内側に前記板状部材を供給する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項16】
前記樹脂材料供給部は、前記板状部材供給部が前記レジンガードの内側に前記板状部材を供給した後、前記レジンガードの内側に前記樹脂材料を供給する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項17】
前記第1空間及び前記第2空間を内部に収容可能とするように、前記ローダハンド及び前記レジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をさらに備える、
請求項1から16のいずれか一項に記載の樹脂封止装置。
【請求項18】
前記樹脂材料供給部は、前記蓋部材が前記ローダハンド及び前記レジンガードの少なくとも一方に取り付けられた状態で、前記樹脂材料を供給する、
請求項17に記載の樹脂封止装置。
【請求項19】
前記ローダハンドは、前記蓋部材が前記ローダハンド及び前記レジンガードから取り外された状態で、前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型へ搬送する、
請求項17に記載の樹脂封止装置。
【請求項20】
前記ローダハンドは、前記蓋部材が前記ローダハンド及び前記レジンガードに取り付けられた状態で、前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型へ搬送する、
請求項17に記載の樹脂封止装置。
【請求項21】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記ワークがセットされる第1金型、及び、前記第1金型に対向するとともに前記樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、
前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、
前記ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、
前記レジンガードの内側に前記樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、
前記レジンガードの内側に前記板状部材を供給する板状部材供給部と、
を備え、
前記ローダハンドは、前記レジンガードの内側に設けられる前記樹脂材料及び前記板状部材を押し出す押出部材を有し、
前記樹脂封止装置は、前記樹脂材料及び前記板状部材を内部に収容可能とするように、前記ローダハンド及び前記レジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をさらに備える、
樹脂封止装置。
【請求項22】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法であって、
前記樹脂封止装置は、
前記ワークがセットされる第1金型、及び、前記第1金型に対向するとともに前記樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、
前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、
前記ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、
前記レジンガードの内側に前記樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、
前記レジンガードの内側に前記板状部材を供給する板状部材供給部と、
を備え、
前記ローダハンドは、前記レジンガードの内側に設けられる前記樹脂材料及び前記板状部材を押し出す押出部材を有し、
前記レジンガードは、
前記樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、
前記板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、前記レジンガードを平面視したときに前記第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、前記第1ガイド部よりも前記ローダハンドの前記取付面から離れて位置する第2ガイド部と、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部を連結するとともに前記板状部材と接触するストッパ部と、
を有し、
前記樹脂封止方法は、
前記樹脂材料供給部が前記樹脂材料を前記第1空間に供給することと、
前記板状部材供給部が、前記板状部材と前記ストッパ部が接触するように、前記板状部材を前記第2空間に供給することと、
前記ローダハンドが前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型に搬送することと、
を含む、樹脂封止方法。
【請求項23】
基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法であって、
前記樹脂封止装置は、
前記ワークがセットされる第1金型、及び、前記第1金型に対向するとともに前記樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、
前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、
前記ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、
前記レジンガードの内側に前記樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、
前記レジンガードの内側に前記板状部材を供給する板状部材供給部と、
を備え、
前記ローダハンドは、前記レジンガードの内側に設けられる前記樹脂材料及び前記板状部材を押し出す押出部材を有し、
前記樹脂封止装置は、前記樹脂材料及び前記板状部材を内部に収容可能とするように、前記ローダハンド及び前記レジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をさらに備える、
前記樹脂封止方法は、
前記樹脂材料供給部が前記樹脂材料を供給することと、
前記板状部材供給部が前記板状部材を供給することと、
前記樹脂材料及び前記板状部材を内部に収容するように、前記ローダハンド及び前記レジンガードの少なくとも一方に前記蓋部材を取り付けることと、
前記ローダハンドが前記樹脂材料及び前記板状部材を前記樹脂封止金型に搬送することと、
を含む、樹脂封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂封止装置及び樹脂封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材上に搭載された電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いて、放熱板及び電磁波を遮蔽するためのシールド板などの板状部材とともに電子部品を成形する樹脂封止方法が知られている。例えば、特許文献1には、離型フィルム上に板状部材及び樹脂を載置し、その状態で樹脂を成形型の型キャビティ内に搬送する樹脂封止装置及び樹脂封止方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6039198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成の場合、樹脂を板状部材上に供給した後に板状部材とトレーカバーとの間に供給した樹脂が入り込み、板状部材の樹脂供給面と反対側に樹脂が回り込んでしまうと下型搬送後の成形不良が発生することが考えられる。また、樹脂として顆粒状樹脂や粉状樹脂を使用した場合に、樹脂供給時における樹脂の偏り及びキャビティへの搬送途中における樹脂こぼれが発生し、成形時の樹脂量が不足することやばらつきが発生することが考えられる。これらによれば、成形品の品質を損なうおそれがある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、樹脂封止した成形品の品質の向上を図ることができる、樹脂封止装置及び樹脂封止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、レジンガードは、樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、レジンガードを平面視したときに第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、前記第1ガイド部よりも前記ローダハンドの取付面から離れて位置する第2ガイド部と、第1ガイド部と第2ガイド部を連結するとともに板状部材と接触するストッパ部と、を有する。
【0007】
この態様によれば、第1空間には樹脂材料を供給し、第2空間には板状部材を供給するときに、板状部材がストッパ部と接触することでレジンガードと板状部材の間への樹脂材料の侵入を抑制することができる。これによれば、板状部材の裏側への樹脂材料の回り込みを防止し、成形不良の発生を抑制することで成形品の品質向上を図ることができる。
【0008】
本発明の他の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び前記板状部材を押し出す押出部材を有し、樹脂材料及び板状部材を内部に収容可能とするように、ローダハンド及びレジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をさらに備える。
【0009】
この態様によれば、蓋部材及び板状部材により樹脂材料が内部に収容されることで、ローダハンド動作時における樹脂材料のこぼれを抑制できる。また、蓋部材を設けることでローダハンドを反転させることができ、樹脂材料を供給するときに発生する樹脂材料の偏り及び嵩張りを抑制し、成形品の品質向上を図ることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る樹脂封止方法は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法であって、樹脂封止装置装置は、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、レジンガードは、樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、レジンガードを平面視したときに第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、第1ガイド部よりもローダハンドの取付面から離れて位置する第2ガイド部と、第1ガイド部と第2ガイド部を連結するとともに板状部材と接触するストッパ部と、を有し、樹脂封止方法は、樹脂材料供給部が樹脂材料を第1空間に供給することと、板状部材供給部が板状部材とストッパ部が接触するように、板状部材を第2空間に供給することと、ローダハンドが樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送することと、を含む。
【0011】
この態様によれば、第1空間には樹脂材料を供給し、第2空間には板状部材を供給するときに、板状部材がストッパ部と接触することでレジンガードと板状部材の間への樹脂材料の侵入を抑制することができる。これによれば、板状部材の裏側への樹脂材料の回り込みを防止し、成形不良の発生を抑制することで成形品の品質向上を図ることができる。
【0012】
本発明の他の一態様に係る樹脂封止方法は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法であって、樹脂封止装置装置は、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、樹脂材料及び板状部材を内部に収容可能とするように取り付けられ、レジンガードが取付面と接触する側と対向する側に取り付け可能な蓋部材をさらに備え、樹脂封止方法は、樹脂材料供給部が樹脂材料を供給することと、板状部材供給部が板状部材を供給することと、樹脂材料及び板状部材を内部に収容可能とするように、ローダハンド及びレジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をセットすることと、ローダハンドが樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送することと、を含む。
【0013】
この態様によれば、蓋部材及び板状部材により樹脂材料が内部に収容されることで、ローダハンド動作時における樹脂材料のこぼれを抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、樹脂封止した成形品の品質の向上を図ることができる、樹脂封止装置及び樹脂封止方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置の平面図である。
図2図1の樹脂封止装置の部分拡大図である。
図3図1の樹脂封止金型の断面図である。
図4】第2ローダハンドの構成を概略的に示す断面図である。
図5】レジンガードの上面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図11A】本発明の一実施形態の第1変形例に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである。
図11B】本発明の一実施形態の第1変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図11C】本発明の一実施形態の第1変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図12A】本発明の一実施形態の第2変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図12B】本発明の一実施形態の第2変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図13A】本発明の一実施形態の第3変形例に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである
図13B】本発明の一実施形態の第3変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図13C】本発明の一実施形態の第3変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図14A】本発明の一実施形態の第4変形例に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである。
図14B】本発明の一実施形態の第4変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図14C】本発明の一実施形態の第4変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図15A】本発明の一実施形態の第5変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図15B】本発明の一実施形態の第5変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図15C】本発明の一実施形態の第5変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図16A】本発明の一実施形態の第6変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図16B】本発明の一実施形態の第6変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図16C】本発明の一実施形態の第6変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図17A】本発明の一実施形態の第7変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図17B】本発明の一実施形態の第7変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図17C】本発明の一実施形態の第7変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図18A】本発明の一実施形態の第8変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図18B】本発明の一実施形態の第8変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図18C】本発明の一実施形態の第8変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図18D】本発明の一実施形態の第8変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図19A】本発明の第2の実施形態に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである。
図19B】本発明の第2の実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図19C】本発明の第2の実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図19D】本発明の第2の実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図20A】本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである。
図20B】本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図20C】本発明の一実施形態の第9変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図20D】本発明の一実施形態の第9変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図21A】本発明の第2の実施形態の第10変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図21B】本発明の一実施形態の第10変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図21C】本発明の一実施形態の第10変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各実施形態の図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
【0017】
[第1実施形態]
<樹脂封止装置>
図1図4を参照しつつ、本発明の実施形態に係る樹脂封止装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る樹脂封止装置の平面図である。また、図2は樹脂封止装置の部分拡大図であり、図3は樹脂封止金型の断面図であり、図4は樹脂を樹脂封止金型に搬送するための第2ローダハンドの部分拡大図である。なお、各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的に前後、左右及び上下の方向を付している。
【0018】
樹脂封止装置1は、ワークWに樹脂を設けて成形品Mを製造する製造装置である。ワークWは、基材B及び電子部品Pを含む。ワークWに対して樹脂R(「樹脂材料」の一例に相当する)を成形させて、ワークWの電子部品Pを樹脂封止することにより、成形品Mを製造することができる。ここで、ワークWは、電子部品Pが載置されている面(以下、「ワークWの表面」とする。)と、当該表面とは反対の電子部品Pが載置されていない面(以下、「ワークWの裏面」とする。)を有する。また、以下の説明では、ワークWの表面と裏面の上下関係は、樹脂封止金型の構造により適宜反転することができる。以下、説明の便宜上、樹脂封止した後のワークWを成形品Mと呼ぶ場合がある。基材Bは、例えば、インタポーザ基板、リードフレーム、粘着シート付きキャリアプレート又は半導体基板である。電子部品Pは、例えば、ICチップ等の半導体素子であるがこれに限定されるものではなく、各種の能動素子や受動素子又はMEMSデバイス等であってもよい。樹脂Rは、例えば顆粒状の熱硬化性樹脂である。樹脂Rの態様は上記に限定されるものではなく、例えば、シート状、液状又は粉末状であってもよい。機能部材Hは、板状部材の一例であり、シート状樹脂で代用されてもよい。また、機能部材Hは、電子部品Pが発する熱を外部に放出し冷却する放熱部材、又は、電子部品Pに対して電磁波を遮蔽する電磁遮蔽部材でもよい。
【0019】
本実施形態に係る樹脂封止装置1は、圧縮成形方式(言い換えればコンプレッション成形方式)の樹脂封止装置である。図1に示すように、樹脂封止装置1は、ワーク供給ユニット10と、樹脂成形ユニット20,30と、樹脂供給ユニット40と、機能部材供給ユニット50と、第1ローダ60と、第2ローダ70と、成形品回収ユニット90と、を備えている。
【0020】
樹脂封止装置1の平面レイアウトは特に限定されるものではないが、図1に示す例では、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20、樹脂供給ユニット40、樹脂成形ユニット30及び成形品回収ユニット90は、図1の左から右に向かって後述するワーク搬送経路60Rに沿ってこの順番に並んで配置されている。また、樹脂搬送経路70Rを基準として、左側にワーク供給ユニット10及び樹脂成形ユニット20が配置され、右側に樹脂成形ユニット30及び成形品回収ユニット90が配置されている。
【0021】
ワーク供給ユニット10は、第1ローダ60の第1ローダハンド61にワークWを供給する。ワーク供給ユニット10は、ワーク収納部11と、ワーク受渡部13と、ワーク予熱部15と、ワーク供給コントロールパネル19とを備えている。
【0022】
ワーク収納部11は、複数のワークWを収納し、ワークWを順次送り出す。例えば、ワーク収納部11は、複数のワークマガジンと、ワークエレベーションとを備える。ワーク収納部11にセットされたワークマガジンには、複数のワークWが上下方向に重なるように収納されている。ワークマガジンは、複数のワークWが上下方向に間隔を空けて保持されたスリットマガジンであってもよく、複数のワークWが直接積層されたスタックマガジンであってもよい。ワークエレベーションは、ワークWをワーク受渡部13へと送り出すために、ワークマガジンの位置を調整する。
【0023】
ワーク受渡部13は、ワーク収納部11から受け取ったワークWをワーク予熱部15に引き渡す。例えば、ワーク受渡部13は、ワーク収納部11が送り出したワークWを受け取って整列させるワークインデックスと、ワークインデックスが整列させたワークWをワーク予熱部15に引き渡すワークピックアンドプレイスとを備える。
【0024】
ワーク予熱部15は、ワーク受渡部13から受け取ったワークWを予熱し、第1ローダ60の第1ローダハンド61に引き渡す。樹脂成形ユニット20,30に搬送される前にワークWを予熱することで、樹脂封止金型21,31の内部におけるワークWの急激な温度変化による変形を抑制することができる。例えば、ワーク予熱部15は、ワークWを端部から加熱するプレヒートレールを備える。あるいは、ワーク予熱部15は、ワークWの全面を加熱するホットプレートを備えてもよい。なお、ワークWの予熱は、ワーク予熱部15での予熱に限定されるものではない。例えば、樹脂成形ユニット20、30へ搬入された後に型締め前の樹脂封止金型21によって予熱されてもよい。この場合、ワークWの搬入後から型締め開始までの時間を制御してもよく、ワーク供給ユニット10にワーク予熱部15を設けない構成であってもよい。
【0025】
ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の動作を制御する。図1に示すように平面視したとき、ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の前面に配置されている。例えば、ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の制御パラメータを表示する表示部と、ワーク供給ユニット10の制御パラメータを入力する入力部とを備える。また、ワーク供給コントロールパネル19には、後述の成形品回収ユニット90、樹脂供給ユニット40、第1ローダ60及び第2ローダ70のそれぞれの制御パラメータを表示する表示部と、当該制御パラメータを入力する入力部とが集約されている。
【0026】
なお、ワーク供給ユニット10は、ワークWの体積を測定する体積測定部、ワークWの重量を測定する重量測定部、ワークWの厚みを測定する厚み測定部、及び、ワークWの外観を検査する外観検査部などをさらに備えてもよい。
【0027】
成形品回収ユニット90は、第1ローダ60の第1ローダハンド61から成形品Mを回収する。成形品回収ユニット90は、成形品受取部91と、成形品受渡部93と、成形品収納部95とを備える。図1に示す例では、成形品回収ユニット90は、左右方向において樹脂成形ユニット20,30に対してワーク供給ユニット10とは反対側に配置されている。変形例として、成形品回収ユニット90は、左右方向において樹脂成形ユニット20,30に対してワーク供給ユニット10と同じ側に配置されてもよい。
【0028】
成形品受取部91は、第1ローダ60の第1ローダハンド61から受け取った成形品Mを成形品受渡部93に引き渡す。例えば、成形品受取部91は、成形品Mを冷却する冷却パレットを備える。また、成形品受取部91は、冷却パレットを備えなくてもよい。この場合、成形品受渡部93への引き渡しまでの時間を調整し、第1ローダ60によって搬送されるときに成形品Mを冷却してもよい。
【0029】
成形品受渡部93は、成形品受取部91から受け取った成形品Mを成形品収納部95に引き渡す。例えば、成形品受渡部93は、成形品受取部91が送り出した成形品Mを受け取って整列させる成形品インデックスと、成形品インデックスが整列させた成形品Mを成形品収納部95に引き渡す成形品ピックアンドプレイスとを備える。
【0030】
成形品収納部95は、成形品Mを受け取って収納する。例えば、成形品収納部95は、複数の成形品マガジンと、成形品エレベーションとを備える。成形品収納部95にセットされた成形品マガジンには、複数の成形品Mが上下方向に重なるように収納されている。成形品マガジンは、複数の成形品Mが上下方向に間隔を空けて保持されたスリットマガジンであってもよく、複数の成形品Mが直接積層されたスタックマガジンであってもよい。成形品エレベーションは、成形品Mを成形品受渡部93から受け取るために、成形品マガジンの位置を調整する。
【0031】
なお、成形品回収ユニット90は、成形品Mの体積を測定する体積測定部、成形品Mの重量を測定する重量測定部、成形品Mの厚みを測定する厚み測定部、及び、成形品Mの外観を検査する外観検査部などをさらに備えてもよい。
【0032】
樹脂成形ユニット20は、ワークWに対して樹脂Rを成形する。樹脂成形ユニット20は、樹脂封止金型21と、フィルムハンドラ27と、樹脂成形コントロールパネル29とを備える。
【0033】
図3に示すように、樹脂封止金型21は、内部のキャビティ25に樹脂Rを加熱圧縮して樹脂成形する一対の開閉可能な上型22(「第2金型」の一例に相当する)と下型23(「第1金型」の一例に相当する)とを備える。上型22には、樹脂R及び機能部材Hが供給される。下型23には、ワークWが供給される。下型23は、上型22に対向するように設けられる。図3に示す例では、樹脂封止金型21は、いわゆる上キャビティ可動構造の圧縮成形金型である。具体的には、上型22のキャビティ25に対向する側の面は略平坦であり、下型23の上型22に対向する側の面にはキャビティ25が形成されている。
【0034】
上型22は、上プレート22aと、キャビティ駒22bと、クランパ22cと、付勢部材22dとを備えている。キャビティ駒22bは、上プレート22aの下面(下型23側の面)に固定して組み付けられている。クランパ22cは、キャビティ駒22bを囲うように枠状に構成されている。クランパ22cは、付勢部材22dを介して、上プレート22aに対して上下動可能に組み付けられている。キャビティ駒22bがキャビティ25の天面部を構成し、クランパ22cがキャビティ25の側面部を構成している。上型22には、クランパ22cを貫通する吸引孔22e,22fと、上プレート22a及びキャビティ駒22bを貫通する吸引孔22gと、が設けられている。吸引孔22eは、クランパ22cの下面に開口している。吸引孔22fは、クランパ22cのキャビティ駒22bに対向する内側面に開口している。吸引孔22gは、キャビティ駒22bの下面に開口している。吸引孔22gは、成形面に向かうにつれて径が大きくなるテーパ22Tを有している。吸引孔22e,22f,22gは、上型22にセットされたフィルムFを吸着するための排気孔である。また、吸引孔22gは、フィルムFの下面にセットされた機能部材Hを吸着するための排気孔でもある。具体的には、吸引孔22gは、フィルムFに設けられた貫通孔Tを通して機能部材Hを吸着する。
【0035】
下型23は、下プレート23aと、キャビティプレート23bとを備えている。キャビティプレート23bは、下プレート23aの上面(上型22側の面)に固定して組み付けられている。下型23には、下プレート23a及びキャビティプレート23bを貫通する吸引孔23cが設けられている。吸引孔23cは、キャビティプレート23bの上面に開口している。吸引孔23cは、下型23にセットされたワークWを吸着するための排気孔である。
【0036】
フィルムハンドラ27は、樹脂封止金型21の上型22にフィルムFを供給する。フィルムFは、上型22のキャビティ駒22bとクランパ22cとの間の隙間などに樹脂Rが侵入することを阻害するとともに、上型22からの成形品Mの剥離を容易にするための離型フィルムである。フィルムハンドラ27は、例えばロール状のフィルムを扱うものであり、未使用のフィルムFを供給する巻出部と、使用済みのフィルムFを回収する巻取部とを備える。図1に示すように、フィルムハンドラ27の巻出部及び巻取部は、樹脂封止金型21の左右方向に配置されている。なお、フィルムFの材料として、耐熱性、剥離容易性、柔軟性、伸展性に優れた高分子材料を用いることができ、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)及びPVDC(ポリ塩化ビニリジン)等があげられる。フィルムFの厚さは、材料の物性に応じて好適に選択され、一例として50μm程度である。なお、フィルムFの形状はロール状に限定されるものではなく、短冊状であってもよい。
【0037】
樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の動作を制御する。図1に示すように平面視したとき、樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の前面に配置されている。例えば、樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の制御パラメータを表示する表示部と、樹脂成形ユニット20の制御パラメータを入力する入力部とを備える。
【0038】
樹脂成形ユニット30は、樹脂封止金型31と、フィルムハンドラ37と、樹脂成形コントロールパネル39とを備える。なお、以下の説明においては、樹脂封止金型31、フィルムハンドラ37及び樹脂成形コントロールパネル39の詳細は省略するが、樹脂成形ユニット20について説明した各構成と同様の構成を適用することができる。
【0039】
なお、樹脂成形コントロールパネル29,39は、その機能の少なくとも一部がワーク供給コントロールパネル19に集約されてもよい。例えば、樹脂成形ユニット20,30の制御パラメータはワーク供給コントロールパネル19の表示部に表示されてもよく、樹脂成形ユニット20,30の制御パラメータはワーク供給コントロールパネル19の入力部に入力されてもよい。各ユニットのコントロールパネルの機能が全てワーク供給コントロールパネル19に集約される場合、樹脂成形コントロールパネル29,39は省略されてもよい。
【0040】
樹脂供給ユニット40は、第2ローダ70に樹脂Rを供給する。樹脂供給ユニット40は、樹脂供給部41を備えている。
【0041】
樹脂供給部41は、ワーク搬送経路60Rを基準として、後側に配置されている。樹脂供給部41は、第2ローダ70に樹脂Rを供給する。例えば、樹脂Rが顆粒樹脂の場合、樹脂供給部41は、ホッパと、フィーダとを備えている。なお、樹脂Rが液状の場合、樹脂供給部41は、樹脂を貯留するシリンジと、樹脂を押し出すピストンと、シリンジの先端を開閉するピンチバルブとを備えてもよい。
【0042】
樹脂供給ユニット40において、レジンガード77が配置される。レジンガード77は、樹脂Rを供給する第1空間78aを規定する枠体として用いられる。例えば、第2ローダ70に樹脂Rが供給される直前にレジンガード77は樹脂供給部41の下に設けられ、上記のように樹脂Rの供給領域を規定することができる。また、後述する機能部材受渡部53において、レジンガード77は機能部材Hを供給する第2空間78bを規定する枠体として用いられる。レジンガード77は、図4及び図5のように第2ローダハンド71(「ローダハンド」の一例に相当する)上に設けられ、押出部材75を外側から囲むように設けられる。また、レジンガード77は、第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cを有する。第1ガイド部77aは、第1空間78aを規定する。第2ガイド部77bは、レジンガード77を平面視したときに第1ガイド部77aよりも外側に位置し、かつ、第1ガイド部77aよりも第2ローダハンド71の取付面73から離れて位置する。また、第2ガイド部77bは、第2空間78bを規定する。ストッパ部77cは、第1ガイド部77aと第2ガイド部77bを連結するとともに機能部材Hと接触する。第1空間78aは押出部材75を底面とし、レジンガード77の第1ガイド部77aを側面として規定される。第2空間78bは、ストッパ部77cを底面の一部とし、レジンガード77の第2ガイド部77bを側面として規定される。図5のようにストッパ部77cは平面視において前後左右から第1空間78aを囲む枠状に構成されている。この構成により、第2空間78bに機能部材Hを載置したときに、ストッパ部77cと機能部材Hが枠状に接触することで、全ての平面方向に対して樹脂漏れを抑制することができる。平面視におけるストッパ部77cの形状は、前後左右から第1空間78aを囲む枠状に限定されず、例えば左右方向又は前後方向においてのみ第1空間78aと隣接するレール状であってもよい。平面視におけるストッパ部77cは、第1空間78aを中心として周方向において不連続に設けられてもよく、例えば第1空間78aの四隅にそれぞれ隣接し互いに離間する4つの部分を有してもよい。
【0043】
なお、樹脂供給ユニット40は、樹脂Rを振動によって分散させる加振部、及び、樹脂Rの分散の程度を検査する検査部等をさらに備える。例えば、ベース部材72を分離した後に加振する場合、振動機構が設けられた加振ステージの上に押出部材75及びレジンガード77を載置して加振してもよい。あるいは、ベース部材72を分離しない場合に第2ローダハンド71に振動機構が一時的に接続されてもよく、第2ローダハンド71に振動機構が内蔵されてもよい。また、樹脂Rが液状樹脂の場合、樹脂供給ユニット40は、樹脂Rを均すスキージ等をさらに備える。
【0044】
機能部材供給ユニット50は、第2ローダ70の第2ローダハンド71に機能部材Hを供給する。機能部材供給ユニット50は、機能部材収納部51と、機能部材受渡部53(「板状部材供給部」の一例に相当する)と、樹脂ヒータ80(「加熱部」の一例に相当する)と、を備えている。図1に示すように平面視したとき、機能部材供給ユニット50は、樹脂供給ユニット40の前側に連結している。言い換えると、機能部材供給ユニット50は、樹脂封止装置1の正面側に配置されている。ここで、樹脂封止装置1の正面側は、前後方向における、ワーク供給コントロールパネル19及び樹脂成形コントロールパネル29,39が配置された側である。機能部材供給ユニット50は、左右方向において、ワーク供給コントロールパネル19及び樹脂成形コントロールパネル29,39と並んで配置されている。機能部材供給ユニット50は、後述するワーク搬送経路60Rから視て、樹脂供給部41とは反対側に配置されている。本実施形態では、上記のように配置されたが、これに限定されるものではなく、例えば、機能部材供給ユニット50は、後述するワーク搬送経路60Rから視て、樹脂供給部41と同じ側に配置されてもよい。また、シート樹脂供給部を設ける場合に、これらの配置は適宜変更されてもよい。
【0045】
機能部材収納部51は、複数の機能部材Hを収納し、機能部材Hを順次送り出す。例えば、機能部材収納部51には、複数の機能部材マガジンと、機能部材エレベーションとが備えられている。機能部材収納部51にセットされた機能部材マガジンには、複数の機能部材Hが上下方向に重なるように収納されている。機能部材エレベーションは、機能部材Hを機能部材受渡部53へと送り出すために、機能部材マガジンの位置を調整する。機能部材マガジンは、例えば、複数の機能部材Hが互いに間隔を空けてスリットに保持される、いわゆるスリットマガジンであるが、複数の機能部材Hが直接積み重ねて保持される、いわゆるスタックマガジンであってもよい。
【0046】
機能部材受渡部53は、機能部材収納部51から受け取った機能部材Hを第2ローダ70の第2ローダハンド71に引き渡す。例えば、機能部材受渡部53には、機能部材収納部51が送り出した機能部材Hを受け取って整列させる機能部材インデックスと、機能部材インデックスが整列させた機能部材Hを第2ローダハンド71に引き渡す機能部材ピックアンドプレイスとが備えられている。
【0047】
樹脂ヒータ80は、樹脂供給部41によってレジンガード77の内側に供給された樹脂Rを加熱する。樹脂ヒータ80の熱源としては、例えば、電熱線ヒータ及び赤外線ヒータ等の公知の加熱機構が用いられる。樹脂ヒータ80の加熱により樹脂材料を融着させることで、樹脂材料が零れにくくなる。さらに、後述する押出部材75の押圧と同時に加熱することで、樹脂Rをより均一な厚みにすることができ、樹脂偏りによる成形不良を抑制できる。また、このとき、押出部材75が樹脂Rを機能部材Hに押圧することで、樹脂Rは機能部材Hに融着し、上型22へ樹脂R及び機能部材Hを供給するとき、樹脂Rの落下を抑制することができる。また、樹脂Rと機能部材Hの隙間を減らし、成形不良を抑制できる。
【0048】
なお、機能部材供給ユニット50は、機能部材Hの体積を測定する体積測定部、機能部材Hの外観を検査する外観検査部、機能部材Hを予熱する機能部材予熱部、等をさらに備えてもよい。
【0049】
第1ローダ60は、ワークWをワーク供給ユニット10から樹脂成形ユニット20,30に搬送する。第1ローダ60はワーク搬送経路60Rに沿って移動可能に構成されている。ワーク搬送経路60Rは、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20,30、樹脂供給ユニット40及び成形品回収ユニット90に亘って、左右方向に延在している。図1に示すように平面視したとき、ワーク搬送経路60Rは、例えば、樹脂封止金型21,31の後方であって樹脂供給部41の前方に設けられている。図1に示す構成例において、第1ローダ60は、成形品Mを樹脂成形ユニット20,30から成形品回収ユニット90に搬送する。但し、樹脂封止装置1は、ワークWを搬送する第1ローダ60とは別に、成形品Mを回収するアンローダをさらに備えてもよい。このようなアンローダは、ワーク搬送経路60Rに沿って移動可能に構成されてもよく、別のガイド部に沿って移動可能に構成されてもよい。
【0050】
第1ローダ60は、ワークW及び成形品Mの保持機構を有する第1ローダハンド61を備えている。
【0051】
第1ローダハンド61は、樹脂封止金型21に対して後方から進退可能に構成されている。言い換えれば、第1ローダハンド61は、樹脂封止金型21の後側にワークW又は成形品M(ワークの一例)の搬送経路を有する。次に、第1ローダハンド61は、ワークW又は成形品Mを保持する。第1ローダハンド61は、例えばワークW又は成形品Mの下面を支持するL字状の開閉爪を有しているが、これに限定されるものではない。第1ローダハンド61は、静電気力によってワークW又は成形品Mを保持してもよく、吸排気によってワークW又は成形品Mの裏面を吸着してもよい。
【0052】
一例として、第1ローダハンド61は、ワーク受渡部13でワークWを受け取った後、第1ベース62によって右方に搬送され、前後方向で樹脂封止金型21と対向する位置に移動する。次に、第1ローダハンド61は、ワークWを保持した状態のまま、第1ガイドロッド63の伸長によって、後方から樹脂封止金型21に進入する。すなわち、第1ローダハンド61は、樹脂封止金型21にワークWを搬入する。第1ローダハンド61は、ワークWを樹脂封止金型21に引き渡した後、第1ガイドロッド63の収縮によって、樹脂封止金型21の後方へと退出する。成形品Mが成形されて樹脂封止金型21が型開きされた後、第1ローダハンド61は、ワークWの搬入時と同様の動作によって樹脂封止金型21から成形品Mを搬出する。そして、第1ローダハンド61は、第1ベース62によって右方に搬送され、成形品受取部91において成形品Mを引き渡す。
【0053】
第2ローダ70は、樹脂R及び機能部材Hを搬送する。第2ローダ70は、樹脂搬送経路70Rに沿って移動可能に構成されている。樹脂搬送経路70Rは、例えば樹脂供給ユニット40に設けられ、前後方向に延在している。図1に示すように平面視したとき、樹脂搬送経路70Rは、例えば、ワーク搬送経路60Rと交差している。本実施形態では、第2ローダ70は、樹脂R及び機能部材Hを搬送するが、後述する変形例のようにフィルムF、シート樹脂R2及び蓋部材79等を搬送してもよい。
【0054】
第2ローダ70は、第2ローダハンド71と、第2ガイドロッドとを備えている。第2ローダハンド71は、樹脂R及び機能部材Hを樹脂封止金型21に搬送する。図4に示すように、第2ローダハンド71は、ベース部材72と、押出部材75と、伸縮部材76とを備える。ベース部材72は、上向きの取付面73を有する。レジンガード77は、ベース部材72の取付面73に取り付けられる。押出部材75はベース部材72の上方に設けられる。伸縮部材76は、伸縮可能に構成されている。平面視において押出部材75は伸縮部材76より面積が大きくなるよう構成されているが、略同程度の大きさであってもよい。伸縮部材76は、収縮した状態のときベース部材72の内部に収納され、伸長した状態のときベース部材72の上方に突出する。伸縮部材76の上方向における先端部に、押出部材75が取り付けられる。ベース部材72にレジンガード77が取り付けられているとき、伸縮部材76が収縮すると、押出部材75は前後左右の方向においてレジンガード77に囲まれる。伸縮部材76が伸長すると、押出部材75はレジンガード77の第1ガイド部77aの上方に移動する。ベース部材72は、レジンガード77から取り外し可能に構成され、伸縮部材76は、押出部材75から取り外し可能に構成されている。これによれば、樹脂ヒータ80による加熱時にベース部材72からレジンガード77を取り外し、伸縮部材76から押出部材75を取り外すことで、加熱対象の熱容量を小さくし、加熱時間を短縮することができる。また、加振部による加振時にベース部材72からレジンガード77を取り外し、伸縮部材76から押出部材75を取り外すことで、加振対象の重量を小さくし加振し易くすることができ、ベース部材72及び加振部への負担を軽減することができる。また後述する変形例のように、ベース部材72は、レジンガード77の少なくとも一部を収納可能に構成されてもよい。押出部材75は、上型22に樹脂R及び機能部材Hを押し出す。これによれば、機能部材Hを上型22に押圧することができ、上型22の真空吸着によって機能部材H及び樹脂Rを上型22に保持させることができる。機能部材Hが樹脂ヒータ80に当接されているとき、押出部材75は伸縮部材76の伸縮により、レジンガード77の内側に設けられた樹脂R及び機能部材Hを樹脂ヒータ80に押圧してもよい。これによれば、樹脂Rを機能部材Hに融着させることができる。本実施形態では、機能部材Hが樹脂ヒータ80と当接されているときに押出部材75により樹脂R及び機能部材Hが押圧される構成について説明したが、押圧のための機能部材Hの固定方法はこれに限定されるものではない。機能部材Hが押圧方向と反対から固定されていればよく、例えばレジンガードの取付面73の反対側に後述する蓋部材79や爪部74を設けることで、機能部材Hが固定されてもよい。樹脂Rが第1空間78aに供給された後、機能部材Hが第2空間78bに供給される。このとき、押出部材75の押圧により、樹脂Rが押出部材75と機能部材Hに挟み込まれることで、樹脂Rは押出部材75及び機能部材Hの第1空間78aに接する面に対し均一に供給され、樹脂Rの偏りを防止できる。また、押出部材75はレジンガード77の第1ガイド部77aに対して摺動可能に構成されている。押出部材75を第1ガイド部77aに対して摺動させることで、樹脂封止金型21への搬入前に第1ガイド部77aに付着した樹脂Rを押出部材75と第1ガイド部77aの接触面との摩擦により第1ガイド部77aから離間させることができる。また、上記摺動の動作は複数回行われてもよい。押出部材75の樹脂Rと対向する表面は、例えば平坦状に構成されているが、これに限定されず凹凸を設けてもよい。凹凸を設ける場合、例えば、電子部品Pに対応する位置において樹脂Rに凹部が形成されるように、押出部材75の表面に凸部が設けられてもよい。これによれば、電子部品Pと基材Bとを電気的に接続するワイヤが充分に軟化する前の樹脂Rと接触して変形することを抑制できる。また、電子部品Pによって形成されるワークWの凹凸に沿って樹脂Rの表面に凹凸を形成することで、キャビティ内における樹脂Rの充填性を高めることができる。したがって、信頼性の向上を図ることができる。
【0055】
一例として、第2ローダハンド71は、樹脂供給部41の前方の位置P1に移動する。次に、第2ローダハンド71は、樹脂供給部41に移動する。樹脂供給部41にて、第2ローダハンド71は、押出部材75上及びレジンガード77の内側に樹脂Rを受け取った後、機能部材受渡部53の後方の位置P2に移動する。P2への移動後、第2空間78bに機能部材Hが載置される。その後、樹脂ヒータ80により樹脂Rが加熱され、加熱後に第2ローダハンド71からレジンガード77は取り外される。あるいは、樹脂Rの加熱後に第2ローダハンド71からレジンガード77が取り外されなくてもよい。その後、再び第2ローダハンド71は、樹脂Rを保持した状態のまま、位置P1に戻る。次に、第2ローダハンド71は、樹脂封止金型21の右方の位置P3に移動する。次に、第2ローダハンド71は、樹脂Rを保持した状態のまま、右方から樹脂封止金型21に進入する。すなわち、第2ローダハンド71は、樹脂封止金型21に樹脂Rを搬入する。第2ローダハンド71は、樹脂Rを樹脂封止金型21に引き渡した後、第2ガイドロッドの収縮によって右方へと移動し、樹脂封止金型21から退出する。
【0056】
樹脂成形ユニット30の樹脂封止金型31に対して、第1ローダ60及び第2ローダ70は、樹脂成形ユニット20の樹脂封止金型21に対するのと同様に動作する。したがって、第1ローダ60及び第2ローダ70の樹脂封止金型31に対する動作の説明は省略する。但し、第2ローダ70の樹脂封止金型31に対する動作は、第2ローダ70の樹脂封止金型21に対する動作とは左右反転した動作となる。
【0057】
<樹脂封止方法>
次に、図6図10を参照しつつ、一実施形態に係る樹脂封止装置1を用いた樹脂封止方法について説明する。図6は、本実施形態に係る樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例を示すフローチャートである。図7は、押出部材上に樹脂を供給する工程を示す図である。図8は、樹脂上に機能部材を供給する工程と樹脂及び機能部材を加熱する工程を示す図である。図9は、押出部材により樹脂及び機能部材が上型に引き渡される工程を示す図である。図10は、型締めする工程を示す図である。なお、ここでは、樹脂成形ユニット20の樹脂封止金型21を例に挙げて説明し、同様に動作する樹脂成形ユニット30の樹脂封止金型31については、説明を省略する。
【0058】
まず、フィルムFを上型22の成形面にセットする(S10)。具体的には、フィルムFを、フィルムハンドラ27によって上型22に供給する。次に、上型22の吸引孔22e,22f,22gから吸引することによって、成形面にフィルムFを吸着させる。フィルムFは、キャビティ駒22bからクランパ22cに亘って連続的に覆い、キャビティ駒22bとクランパ22cとの間の隙間を塞ぐ。
【0059】
次に、下型23にワークWをセットする(S20)。具体的には、まず、ワークWを保持した状態の第1ローダハンド61を、樹脂封止金型21に進入させる。次に、上型22と下型23との間の空間において、下型23にワークWを引き渡す。次に、下型23の吸引孔23cから吸引することによって、下型23の上型22に対向する面にワークWを吸着させる。このとき、第1ローダハンド61を樹脂封止金型21に進入させた状態のまま、突起部を有する開孔機構を伸長させ、フィルムF越しにキャビティ駒22bに押し付ける。このとき、突起部は、上型22の吸引孔22gに向かって突き出される。突起部はフィルムFを貫通し、貫通孔Tを形成する。フィルムFに貫通孔Tを形成した後、開孔機構は収縮させ、突起部を上型22から離間させる。突起部が元の位置に戻ったら、第1ローダハンド61を樹脂封止金型21から退避させる。
【0060】
次に、ベース部材72を押出部材75から分離する(S30)。具体的には、第2ローダ70が樹脂供給ユニット40に搬入される前に、ベース部材72及び伸縮部材76を押出部材75から分離する。外周方向から囲むレジンガード77が押出部材75にセットされる。ベース部材72及び伸縮部材76の分離及びレジンガード77のセットは、前後が逆でもよく、樹脂供給ユニット40への搬入後に行ってもよい。レジンガード77のセット後、第2ローダ70が押出部材75及びレジンガード77を樹脂供給ユニット40に搬送する。
【0061】
次に、樹脂供給部41が樹脂Rを第1空間78aに供給する(S40)。まず、図7に示すように、樹脂供給部41が第1空間78aに樹脂Rを供給する。このとき、樹脂供給部41は押出部材75及びレジンガード77に対する相対的位置が固定された状態で樹脂Rを供給するため、樹脂Rは、押出部材75上の一点に供給される。このため、第1空間78a中の樹脂Rの高さは不均一となっている。また、樹脂Rの供給方法は上記に限定されず、例えば、樹脂供給部41が押出部材75上に樹脂Rをライン状に供給してもよい。
【0062】
次に、加振部により樹脂Rを加振する(S50)。まず、押出部材75及びレジンガード77が図示を省略した加振部にセットされる。次に、加振部は押出部材75及びレジンガード77を三次元的に加振させることで、第1空間78aに供給された樹脂Rを加振し、略均一な高さとなるように均す。例えば、押出部材75及びレジンガード77は、加振機構を有する加振テーブル上にセットされ、加振機構により加振テーブルが加振されてもよい。加振されることで、レジンガード77の内側に供給された樹脂Rは同程度の高さとなるように均される。
【0063】
次に、押出部材75及びレジンガード77をベース部材72と結合する(S60)。具体的には、第2ローダ70が機能部材供給ユニット50に搬入される前に、押出部材75及びレジンガード77は、ベース部材72と結合する。同時に、伸縮部材76は押出部材75と結合する。
【0064】
次に、機能部材受渡部53が機能部材Hを第2空間78bに供給する(S70)。具体的には、第2ローダ70によりベース部材72、押出部材75、伸縮部材76及びレジンガード77が機能部材受渡部53に搬送される。第2ローダ70の搬送は、一部又は全部を可動に構成されたテーブルによる搬送に代用されてもよい。その後、機能部材受渡部53にて、機能部材Hの端部がストッパ部77cに支持されるように第2空間78bに供給される。このとき、ストッパ部78cは機能部材Hと接触していなくてもよい。例えば、S70では機能部材Hの中央部が樹脂Rの盛り上がった部分に支持された状態で供給され、後述するS80において加熱及び押圧されることで機能部材Hとストッパ部78cが接触するように構成されてもよい。また、機能部材Hは第2ガイド部77bに接触するように供給されてもよい。
【0065】
次に、樹脂ヒータ80により樹脂Rを加熱する(S80)。具体的には、図8のように樹脂ヒータ80は機能部材Hに当接され、樹脂Rは機能部材Hを介して加熱される。樹脂ヒータ80からの加熱により樹脂Rの顆粒は互いに融着する。このとき、樹脂ヒータ80が機能部材Hを固定しながら、押出部材75が上方向に昇降することで、樹脂Rを機能部材Hに押圧してもよい。これによれば、樹脂Rと機能部材Hを融着させることで、樹脂Rと機能部材Hを密着させることができ、上型22への搬送時における機能部材Hからの樹脂Rの落下や成形時における樹脂Rと機能部材Hの隙間による成形不良を抑制できる。
【0066】
次に、上型22に樹脂R及び機能部材Hを搬送し、フィルムF上に樹脂R及び機能部材Hをセットする(S90)。具体的には、図9に示すように、樹脂R及び機能部材Hを保持した状態の第2ローダハンド71を、樹脂封止金型21に進入させる。次に、上型22と下型23との間の空間において、伸縮部材76を伸長させ、押出部材75によって樹脂R及び機能部材HをフィルムF越しにキャビティ駒22bに押し付ける。貫通孔Tを通して上型22の吸引孔22gから吸引することによって、フィルムFに機能部材Hを吸着する。押出部材75による押圧時に、樹脂Rが機能部材Hに融着していない場合、押出部材75で押圧しつつ上型22で加熱することによって、樹脂Rを機能部材Hに融着させる。樹脂R及び機能部材Hを上型22に引き渡したら、伸縮部材76を収縮させて、押出部材75を上型22から離間させる。押出部材75が元の位置に戻ったら、第2ローダハンド71を樹脂封止金型21から退出させる。
【0067】
次に、上型22及び下型23が樹脂Rを加圧及び加熱し、樹脂Rを成形する(S100)。図10に示すように、樹脂封止金型21を型締めし、樹脂Rを上型22と下型23とによって加圧しつつ加熱する。樹脂Rが硬化したら型開きし、成形品Mを第1ローダハンド61で搬出する。
【0068】
以上のように、本発明の一態様に係る樹脂封止方法によれば、押出部材75による樹脂Rの押圧の際、第2空間78bに機能部材Hがセットされる。
【0069】
これによれば、従来のレジンガードの内側面が平面上において同一面に設けられた構成に比べ、レジンガード77と機能部材Hとの間へ樹脂Rが侵入することを防止できる。具体的には、従来の構成では機能部材をレジンガード内に供給するときや上型にセットするときにおいて、機能部材とレジンガードの内側面に隙間を設け、機能部材がレジンガード内側面に対して摺動可能に構成されている。しかしながら、このような構成では、押出部材を押圧するとき又は上型に押し出すときに隙間への樹脂Rの侵入や機能部材の裏面への回り込みが発生する。本実施形態では、レジンガード77の内側面を第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cで構成し、機能部材Hとストッパ部77cを接触させることで、樹脂Rの漏出経路を遮断し樹脂Rの侵入や回り込みを抑制することができる。このとき、機能部材Hと第2ガイド部77bの間には隙間が設けられ、機能部材Hを摺動可能に構成されている。また、機能部材Hとストッパ部77cを接触させ、隙間をなくすことで、加振部により加振するとき、押出部材75により樹脂Rを加熱とともに押圧するとき及び上型22へ樹脂Rを供給するときの樹脂こぼれを抑制することができ、成形品の品質向上を図ることができる。
【0070】
また、本実施形態ではS60にてベース部材72及び伸縮部材76が結合した後にS80で加熱されているが、これに限定されるものではない。例えば、S30にてベース部材72及び伸縮部材76が分離された後、S80のように樹脂Rを加熱してから、S60のようにベース部材72及び伸縮部材76を結合してもよい。
【0071】
以下に、本発明の他の変形例及び実施形態に係る樹脂封止装置及び樹脂封止方法の構成について説明する。なお、下記の変形例及び実施形態では、上記の第1実施形態と共通の事柄については記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
【0072】
[第1変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第1変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第1変形例では、第1実施形態と異なり蓋部材79が構成として追加される。蓋部材79は、例えば平板状に設けられている。蓋部材79は、第1空間78a及び第2空間78bを内部に収容可能とするように、第2ローダハンド71及びレジンガード77の少なくとも一方に取り付け可能に構成されている。第2ローダハンド71及びレジンガード77の少なくとも一方に取り付けられた蓋部材79を平面視したとき、蓋部材79は、第1空間78a及び第2空間78bよりも大きい。また、蓋部材79は、機能部材Hの樹脂Rと対向する面とは反対側と接触する。これによれば、第2空間78bに機能部材Hがセットされるときに、蓋部材79が機能部材Hの端部をストッパ部77cに接触するよう固定する。
【0073】
さらに第1変形例の樹脂封止装置は、ベース部材72、押出部材75、伸縮部材76、レジンガード77が結合された第2ローダハンド71を上下に反転させる反転部をさらに備える。反転部により第2ローダハンド71が反転可能に構成されることで、第2ローダハンド71反転中に押出部材75により樹脂Rを押圧することができる。これによれば、樹脂R、機能部材H及び押出部材75を隙間なく固定することで、反転中における樹脂Rの押出部材75の片側への移動を抑制し、樹脂Rの偏りを抑制することができる。さらに、樹脂Rの供給後に機能部材Hを供給し、反転することで、樹脂Rの自重により樹脂R同士が隙間を埋めるように配置される。また、機能部材Hの供給後に樹脂Rを供給し上キャビティに供給する場合、本来であれば機能部材Hと樹脂Rの上下配置を入れ替えなければならないが、反転部を用いて反転することで、この上下配置を入れ替え、上キャビティ構造での供給が容易にできる。また、上記のように蓋部材79で機能部材Hを固定することで、樹脂R及び機能部材Hを脱落させることなく反転させることができる。また、反転部は第2ローダハンド71に内蔵されてもよく、外部に設けられてもよい。
【0074】
<樹脂封止方法>
次に、図11A図11B及び図11Cを参照しつつ、第1変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図11Aは、第1変形例に係る樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例を示すフローチャートである。図11B及び図11Cは、第1変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0075】
第1変形例では、機能部材H上に蓋部材79が設けられている点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0076】
まず、ベース部材72を押出部材75から分離し(S110)、樹脂供給部41により樹脂Rを第1空間78aに供給し(S120)、加振部により樹脂Rを加振し(S130)、押出部材75及びレジンガード77をベース部材72と結合し(S140)、機能部材受渡部53が機能部材Hを第2空間78bに供給する(S150)。
【0077】
次に、機能部材Hと接するように蓋部材79を結合する(S160)。具体的には、図11Bのように供給された機能部材Hの樹脂Rと対向する面とは反対側に蓋部材79が取り付けられる。このとき、蓋部材79の樹脂Rと対向する側の面が機能部材Hの樹脂Rと対向する面とは反対側と接触することで機能部材Hがレジンガード77のストッパ部77cと蓋部材79の樹脂Rと対向する側の面とによって挟持されて固定される。蓋部材79の取り付け後、伸縮部材76により押出部材75が樹脂R及び機能部材Hを蓋部材79が設けられた側に押圧する。蓋部材79は機能部材Hを固定すればよく、平面視において機能部材H全面を覆うように構成されてもよいし、機能部材Hより前後又は左右方向に長く構成され、機能部材Hを前後又は左右方向から固定してもよい。また、本実施形態では蓋部材79は、レジンガード77に取り付けられているが、これに限定されず、第2ローダハンド71に取り付けられてもよい。
【0078】
次に、反転部により第2ローダハンド71全体は上下に反転する(S170)。反転部により樹脂R、機能部材H、押出部材75、伸縮部材76、レジンガード77及び蓋部材79は上下方向に反転される。これによれば、樹脂R及び機能部材Hの上下配置を反転させることで、上キャビティ可動構造及び下キャビティ可動構造のどちらにも樹脂R及び機能部材Hを供給することができる。さらに、樹脂Rの供給後に機能部材Hを供給し、反転することで、樹脂Rの自重により樹脂R同士の隙間が埋められ、樹脂Rが密に配置される。第1変形例では、反転前に押出部材75により樹脂Rを押圧する態様を説明したが、これに限定されず、押圧は反転中又は反転後に行われてもよい。
【0079】
次に、樹脂ヒータ80により樹脂Rを加熱する(S180)。蓋部材79の機能部材Hと接触する側と反対側に、樹脂ヒータ80が当接される。これにより、樹脂Rに樹脂ヒータ80の熱が蓋部材79及び機能部材Hを介して伝導し、加熱される。また、樹脂ヒータ80が機能部材Hの上面に当接された第1実施形態と異なり、第1変形例では機能部材Hの下部に設けられた蓋部材の下面に樹脂ヒータ80が当接されている。なお、蓋部材79に貫通孔を設け機能部材Hを直接加熱してもよい。第1変形例では、図11Cのように加熱中に押出部材75が樹脂Rを押圧しているが、加熱中に押出部材75が樹脂Rを押圧していなくてもよい。この場合、伸縮部材76は伸長も収縮もせずに位置を保っていてもよく、加熱前に伸縮部材76が収縮してもよい。
【0080】
次に、再度反転部により第2ローダハンド71全体を反転する(S190)。反転後に、蓋部材79は機能部材Hから取り外される。このとき、蓋部材79が第2ローダハンド71及びレジンガード77に取り付けられた状態で、第2ローダハンド71は樹脂R及び機能部材Hを樹脂封止金型21へ搬送してもよい。この場合、搬送中の樹脂こぼれをさらに抑制することができる。
【0081】
次に、上型22に樹脂R及び機能部材Hをセットする(S200)。
【0082】
以上のように、第1変形例に係る樹脂封止方法によれば、蓋部材79を設け、蓋部材79及びストッパ部77cに機能部材Hが挟持されることで、機能部材Hが第2空間78bに固定され、押出部材75による樹脂Rの押圧が可能に構成されている。
【0083】
また、蓋部材79により機能部材Hが第2空間78bに固定されることで、第2ローダハンド71を反転させることができ、樹脂Rの偏りや隙間の発生を抑制できる。
【0084】
また、第1変形例に係る樹脂封止方法によれば、第2ローダハンド71は、蓋部材79が第2ローダハンド71及びレジンガード77の少なくとも一方に取り付けられた状態で、樹脂R及び機能部材Hを樹脂封止金型21へ搬送する。
【0085】
これによれば、樹脂封止金型21への搬送中の樹脂こぼれをさらに抑制することができる。
【0086】
[第2変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第2変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第2変形例では、第1実施形態と異なり蓋部材79が設けられ、さらに機能部材受渡部53に機能部材Hを覆うフィルムF1を供給するフィルム供給部が設けられ、第2ローダハンド71は、樹脂R、機能部材H及びフィルムF1を樹脂封止金型21に搬送する。フィルム供給部は、機能部材H及び蓋部材79の間にフィルムF1を供給する。フィルムF1には、有孔フィルムを使用する。フィルム供給部内にて供給前に貫通孔を形成する機構を設けてもよい。
【0087】
本変形例では、図12Aのように蓋部材79とフィルムF1の接触面は平面状に形成されているが、凹凸があってもよい。例えば、蓋部材のフィルムF1と対向する面は、外周部分は凸部で形成され、内周部分は凹部となるよう形成される。この構成によれば、蓋部材79によりレジンガード77の外周部分とフィルムF1を密着させ、フィルムF1の位置ずれや剥がれを防止することができる。また、蓋部材79の外周部分によりフィルムF1を押し下げ、フィルムF1のしわを抑制することができる。さらに、蓋部材79により樹脂R、機能部材H及びフィルムF1を押出部材75により押圧するときに押出部材75の伸長を制限することができ、フィルムF1の破れや撓みを防止することができる。
【0088】
<樹脂封止方法>
次に、図12A及び図12Bを参照しつつ、第2変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図12A及び図12Bは、第2変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0089】
第2変形例では、機能部材H上にフィルムF1及び蓋部材79が設けられている点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0090】
まず、樹脂R及び機能部材Hを押出部材75上に供給し、フィルム供給部が機能部材H上にフィルムF1を供給し、フィルムF1上に蓋部材79をセットする。上記のようにフィルムF1及び蓋部材79を配置することで、機能部材Hが第2空間78bに固定される。
【0091】
次に、押出部材75が樹脂R及び機能部材Hを押圧する。具体的には、図12Aのように押出部材75を伸縮部材76により押し上げ、樹脂R及び機能部材HをフィルムF1及び蓋部材79に押圧する。このとき、フィルムF1と機能部材Hを押圧し密着させておくことで、後述する上型22への搬入時における機能部材Hの落下を抑制できる。
【0092】
次に、反転部により第2ローダハンド71を上下方向に反転させる。このとき、押出部材75が伸長した状態又は収縮した状態で反転されてもよい。
【0093】
次に、樹脂ヒータ80により樹脂Rを加熱する。具体的には、図12Bのように樹脂ヒータ80は蓋部材79に当接され、樹脂Rは蓋部材79、フィルムF1及び機能部材Hを介して加熱される。その後、加熱により樹脂Rの顆粒は互いに融着する。なお、蓋部材79に貫通孔を設けフィルムF1を直接加熱してもよい。
【0094】
次に、反転部により再度第2ローダハンド71を上下方向に反転させ、第2ローダハンド71は蓋部材79を分離し、上型22に樹脂R、機能部材H及びフィルムF1を搬入する。このとき、フィルムF1は第1実施形態のフィルムFと同様の機能を有する。具体的には、上型22への樹脂Rの付着を防止する。さらにフィルムF1には貫通孔が設けられており、フィルムF1は上型22に貼り付けられるとき、キャビティ面の貫通孔TとフィルムF1の貫通孔を位置合わせする。機能部材Hは、貫通孔Tからの吸引によりフィルムF1の下型23と対向する側に保持される。さらに、機能部材Hの下型23と対向する側には樹脂Rが融着している。
【0095】
以上のように、本発明の第2変形例に係る樹脂封止方法によれば、蓋部材79及び機能部材Hの間にフィルムF1が設けられる。また、第2ローダハンド71は、フィルムF1、樹脂R及び機能部材Hを樹脂封止金型21に搬送する。
【0096】
これによれば、樹脂R、機能部材H及びフィルムF1を樹脂封止金型21に同時搬送することができる。
【0097】
また、第2変形例に係る樹脂封止方法によれば、第2ローダハンド71は、蓋部材79が第2ローダハンド71及びレジンガード77から取り外された状態で、樹脂R及び機能部材Hを樹脂封止金型21へ搬送する。
【0098】
これによれば、搬送中における第2ローダハンド71にかかる重量を抑制し、第2ローダハンドにかかる負担を軽減できる。
【0099】
[第3変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第3変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。上記第1実施形態では、樹脂Rが樹脂供給部41より供給され、機能部材Hが機能部材受渡部53より供給される態様を説明したが、第3変形例では、顆粒樹脂R1(「樹脂材料」の一例に相当する)が顆粒樹脂供給部より供給され、シート樹脂R2(「樹脂材料」の一例に相当する)がシート樹脂供給部より供給される点で、第1実施形態と異なっている。また、レジンガードの態様が第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態では第1ガイド部77aと第2ガイド部77bとストッパ部77cを有する一体のレジンガード77として設けられていたのに対し、第3変形例においては押出部材75とともに第2空間78bを規定する外部レジンガード77dと、第1空間78aを規定する内部レジンガード77eから構成されている。また、外部レジンガード77dと内部レジンガード77eは、お互いに分離可能に構成されている。
【0100】
<樹脂封止方法>
次に、図13A図13B及び図13Cを参照しつつ、第3変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図13Aは、第3変形例に係る樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例を示すフローチャートである。図13B及び図13Cは、第3変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0101】
第3変形例に係る樹脂封止方法では、フィルムF1を設ける点及び顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を設ける点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0102】
まず、シート樹脂供給部がシート樹脂R2を第2空間78bに供給する(S210)。本変形例では、上記の態様と異なり、第2ローダハンド71が反転された状態から、シート樹脂R2を第2空間78bに供給する。第2空間78bへの供給方法については、押出部材75上にシート樹脂R2を載置し、その後外部レジンガード77dが押出部材75及びシート樹脂R2を挟持するようにセットされる。次に、内部レジンガード77eを供給されたシート樹脂R2上にセットする(S220)。具体的には、シート樹脂R2上かつ平面視における外側に内部レジンガード77eをセットする。これによれば、内部レジンガード77e及びシート樹脂R2により第1空間78aが形成される。次に、ベース部材72を第2ローダハンド71から分離し(S230)、顆粒樹脂供給部が顆粒樹脂R1を第1空間78aに供給する(S240)。具体的には、S220で形成された第1空間78aに顆粒樹脂R1が供給される。その後、加振部により樹脂Rを加振し(S250)、樹脂ヒータ80により樹脂Rを加熱する(S260)。具体的には、図13Bのように樹脂ヒータ80はレジンガード77に当接され、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2は加熱される。その後、加熱により顆粒樹脂R1の顆粒は互いに融着する。次に、内部レジンガード77eを外部レジンガード77d及びシート樹脂R2から分離し(S270)、ベース部材72は第2ローダハンド71と結合し(S280)、フィルムF1をレジンガード77上にセットする(S290)。具体的には、図13Cのようにレジンガード77上にフィルムF1をセットし、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を内部に収容する。次に、上型22に顆粒樹脂R1、シート樹脂R2及びフィルムF1をセットする(S300)。
【0103】
以上のように、本発明の第3変形例に係る樹脂封止方法によれば、上型22に搬送する際に顆粒樹脂R1がシート樹脂R2及びフィルムF1により挟まれる。
【0104】
これによれば、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を用いた樹脂封止方法を提供できる。また、シート樹脂R2及びフィルムF1が顆粒樹脂R1を挟み込むことにより、搬送中の顆粒樹脂R1のこぼれを防止することができ、より成形品の品質を向上させることができる。また、レジンガードを外部レジンガード77dと内部レジンガード77eで分離可能に構成することで、加熱時に分離することで、熱容量が小さくなり、樹脂を昇温し易くできる。また、ベース部材72への熱によるダメージを抑制できる。さらに、加振時に分離することで、重量が小さくなり、加振し易くできる。また、加熱時と加振時両方で分離することで、ベース部材72への振動によるダメージを抑制できる。
【0105】
また、第3変形例に係る樹脂封止方法によれば、シート樹脂供給部が外部レジンガード77dの内側にシート樹脂R2を供給した後、顆粒樹脂供給部が内部レジンガード77eの内側に顆粒樹脂R1を供給する。
【0106】
これによれば、顆粒樹脂R1を供給してから融着させるまでに反転動作が不要となり、反転動作による樹脂偏りや樹脂こぼれを抑制することができる。
【0107】
[第4変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第4変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第4変形例では、レジンガード77に第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cが備えられた第1実施形態と異なり、レジンガードの内側面は同一面に設けられている。また、第1変形例と同様に蓋部材79が設けられ、第3変形例と同様に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2により樹脂封止される。
<樹脂封止方法>
次に、図14A図14B及び図14Cを参照しつつ、第4変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図14A図14B及び図14Cは、第4変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0108】
第4変形例では、蓋部材79を設ける点及び顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を設ける点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0109】
まず、蓋部材79をレジンガード77上にセットする。具体的には、図14Aのようにレジンガード77上に蓋部材79をセットする。次に、反転部により第2ローダハンド71を上下方向に反転させ、第2ローダハンド71をレジンガード77から分離し、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2をレジンガード77内部に供給する。具体的には、図14Bのように顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を反転後の蓋部材79上に供給する。次に、第2ローダハンド71をレジンガード77上に結合し、押出部材75が顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を蓋部材79に押圧し、反転部により再度第2ローダハンド71は上下方向に反転され、反転後に蓋部材79はレジンガード77から分離する。具体的には、図14Cのように反転後は押出部材75上に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2が載置される。蓋部材79の分離は、樹脂封止金型21への搬入直前に行われる。これによれば、搬入直前まで蓋部材79で蓋した状態で搬送することにより顆粒樹脂R1の樹脂こぼれを抑制できる。次に、第2ローダハンド71は、上型22に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を搬入する。
【0110】
以上のように、本発明の第4変形例に係る樹脂封止装置は、第2ローダハンド71は、レジンガード77の内側に設けられる顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を押し出す押出部材75を有し、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を内部に収容可能とするように、第2ローダハンド71及びレジンガード77の少なくとも一方に取り付けられる蓋部材79をさらに備える。
【0111】
これによれば、蓋部材79によりシート樹脂R2を固定することが可能なため、第2ローダハンド71を動かすときに、顆粒樹脂R1のこぼれをさらに抑制できる。
【0112】
[第5変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第5変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第5変形例では、第1実施形態と同様にレジンガードに第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cが設けられている。また、第1変形例と同様に蓋部材79が設けられ、第3変形例と同様に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2により樹脂封止される。
<樹脂封止方法>
次に、図15A図15B及び図15Cを参照しつつ、第5変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図15A図15B及び図15Cは、第5変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0113】
第5変形例では、蓋部材79を設ける点及び顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を設ける点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0114】
まず、シート樹脂R2を第2空間78bに供給し、供給したシート樹脂R2上に蓋部材79をセットする。具体的には、図15Aのようにレジンガード77に当接するようシート樹脂R2を第2空間78bに供給し、シート樹脂R2及びレジンガード77上に蓋部材79をセットする。これによれば、シート樹脂R2が第2空間78bに固定される。次に、反転部により第2ローダハンド71を上下方向に反転させ、顆粒樹脂供給部が顆粒樹脂R1を第1空間78aに供給する。具体的には、図15Bのようにシート樹脂R2上かつレジンガード77の内側に顆粒樹脂R1が供給される。次に、樹脂ヒータ80が顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を加熱する。具体的には、図15Bのように樹脂ヒータ80は蓋部材79の下面に当接され、蓋部材79上の顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を加熱する。加熱前後に第2ローダハンド71をレジンガード77の上面と接する側に結合し、押出部材75により顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を押圧してもよい。次に、反転部により再度第2ローダハンド71が上下方向に反転され、蓋部材79がレジンガード77から分離する。具体的には、図15Cのように、蓋部材79の分離後、押出部材75とシート樹脂R2により顆粒樹脂R1は挟まれる。次に、第2ローダハンド71は、上型22に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を搬入する。
【0115】
以上のように、本発明の第5変形例に係る樹脂封止装置は、蓋部材79上の第2空間78bにシート樹脂R2を供給し、シート樹脂R2上の第1空間78aに顆粒樹脂R1を供給する。
【0116】
これによれば、蓋部材79が一時的に樹脂材料の受け皿として機能することができる。また、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を用いた搬送において、第1実施形態と同様にシート樹脂R2とストッパ部77cを接触させ、隙間をなくすことで顆粒樹脂R1の回り込みを抑制できる。
【0117】
[第6変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第6変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第6変形例では、レジンガードに第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cが備えられた第1実施形態と異なり、レジンガードの内側面は同一面に設けられている。また、第1変形例と同様に蓋部材79が設けられ、第2変形例と同様にフィルムF1を供給するフィルム供給部を備え、第3変形例と同様に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2により樹脂封止される。
【0118】
<樹脂封止方法>
次に、図16A図16B及び図16Cを参照しつつ、第6変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図16A図16B及び図16Cは、第6変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0119】
第6変形例では、蓋部材79及びフィルムF1を設ける点及び顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を設ける点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0120】
まず、フィルム供給部がフィルムF1をレジンガード上にセットし、セットされたフィルムF1上に蓋部材79をセットする。具体的には、図16Aのようにレジンガード77に当接するようフィルムF1を供給し、フィルムF1上に蓋部材79をセットする。次に、反転部により第2ローダハンド71を上下方向に反転され、第2ローダハンド71をレジンガード77から分離する。その後、顆粒樹脂供給部がレジンガード77内部に顆粒樹脂R1を供給し、シート樹脂供給部が顆粒樹脂R1上にシート樹脂R2を供給する。具体的には、図16Bのように蓋部材79上にフィルムF1がセットされ、さらにフィルムF1の上に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2が供給される。次に、樹脂ヒータ80により顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2は加熱される。具体的には、図16Bのように蓋部材79に当接されるように樹脂ヒータ80がセットされ、蓋部材79及びフィルムF1を介して顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2が加熱される。次に、反転部により再度第2ローダハンド71を上下方向に反転させ、蓋部材79をレジンガード77から分離する。次に、第2ローダハンド71は、上型22に顆粒樹脂R1、シート樹脂R2及びフィルムF1を搬入する。具体的には、図16Cのように押出部材75上に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2がセットされ、レジンガード77上にフィルムF1がセットされた状態で搬送される。
【0121】
以上のように、本発明の第6変形例に係る樹脂封止装置は、蓋部材79上にフィルムF1を供給し、フィルムF1上に顆粒樹脂R1を供給し、シート樹脂R2上に顆粒樹脂R1を供給する。
【0122】
これによれば、蓋部材79と顆粒樹脂R1の間にフィルムF1を設けることで、蓋部材79に顆粒樹脂R1が付着することを防止することができ、蓋部材79のクリーニングコストを削減できる。
【0123】
[第7変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第7変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第7変形例では、レジンガード77に第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cが備えられた第1実施形態と異なり、レジンガードの内側面は同一面に設けられている。また、第1変形例と同様に蓋部材79が設けられ、第2変形例と同様にフィルムF1を供給するフィルム供給部を備え、第3変形例と同様に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2により樹脂封止される。
【0124】
<樹脂封止方法>
次に、図17A図17B及び図17Cを参照しつつ、第7変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図17A図17B及び図17Cは、第7変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0125】
第7変形例では、蓋部材79及びフィルムF1を設ける点及び顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を設ける点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0126】
まず、シート樹脂R2を第2空間78bに供給し、シート樹脂R2及びレジンガード上面にフィルムF1をセットし、フィルムF1上に蓋部材79をセットする。具体的には、図17Aのように押出部材75上かつレジンガード77に当接するようにシート樹脂R2がセットされる。さらに、セットされたシート樹脂R2上かつレジンガード77に当接するようにフィルムF1がセットされる。セットされたフィルムF1上には蓋部材79がセットされる。次に、反転部により第2ローダハンド71を上下方向に反転させ、第2ローダハンド71をレジンガード77から分離する。次に、顆粒樹脂供給部が第1空間78aに顆粒樹脂R1を供給する。具体的には、図17Bのようにシート樹脂R2上に顆粒樹脂R1が供給される。次に、樹脂ヒータ80により樹脂Rが加熱される。具体的には、図17Bのように蓋部材79のフィルムF1と接する側と反対側に当接されるように樹脂ヒータ80がセットされ、蓋部材79及びフィルムF1を介して顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2が加熱される。次に、反転部により再度第2ローダハンド71を上下反転させ、蓋部材79をフィルムF1から分離する。次に、第2ローダハンド71は、上型22に顆粒樹脂R1、シート樹脂R2及びフィルムF1を搬入する。具体的には、図17Cのように押出部材75上に顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2がセットされ、レジンガード77上にフィルムF1がセットされた状態で搬送される。
【0127】
以上のように、本発明の第7変形例に係る樹脂封止装置は、蓋部材79上にフィルムF1を供給し、フィルムF1上の第2空間78bにシート樹脂R2を供給し、シート樹脂R2上の第1空間78aに顆粒樹脂R1を供給する。
【0128】
これによれば、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を用いた搬送において、第1実施形態と同様にシート樹脂R2とストッパ部77cを接触させ、隙間をなくすことで顆粒樹脂R1の回り込みを抑制することができる。また、シート樹脂R2の顆粒樹脂R1と接触する面と反対面にはフィルムF1が設けられてることで、より顆粒樹脂R1の回り込みを抑制することができる。
【0129】
[第8変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第8変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第8変形例では、レジンガード77に第1ガイド部77a、第2ガイド部77b及びストッパ部77cが備えられた第1実施形態と異なり、レジンガードの内側面は同一面に設けられている。また、第2変形例と同様にフィルムF1を供給するフィルム供給部を備える。さらに、フィルム供給部の他に顆粒樹脂供給部、シート樹脂供給部及び機能部材受渡部を備えている。
【0130】
<樹脂封止方法>
次に、図18A図18B図18C及び図18Dを参照しつつ、第8変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図18A図18B図18C及び図18Dは、第8変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0131】
第8変形例では、樹脂材料として顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2が設けられている点及びこれら樹脂材料上に機能部材H及びフィルムF1が設けられる点が第1実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0132】
具体的には、変形例8では図18Aのように押出部材75上に顆粒樹脂R1、シート樹脂R2及び機能部材Hが載置された状態で樹脂封止金型21に搬送され、上型22のフィルムFに押圧される。このとき、図18Bのように顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2の配置は逆でもよい。また、図18Cのように樹脂封止金型21への搬送前に枚葉フィルムF2が設けられてもよく、そのときに図18Dのように顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2の配置は逆でもよい。また、機能部材Hとシート樹脂R2が接触する態様において、機能部材Hとシート樹脂R2が予め融着していてもよい。
【0133】
以上のように、本発明の第8変形例に係る樹脂封止装置は、上記の実施形態及び変形例と異なり、機能部材H、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を用いる。
【0134】
これによれば、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2の供給工程を入れ替えることができ、樹脂封止装置内の配置にあわせて適宜選択できる。また、樹脂封止金型21への搬送前に機能部材H上に枚葉フィルムF2を設けることで、工程を簡略化することができる。
【0135】
[第2実施形態]
<樹脂封止装置>
次に、第2実施形態に係る樹脂封止金型の構造について説明する。
【0136】
本実施形態では、第1実施形態と異なり、下型側にキャビティを設けている。樹脂封止金型は、内部のキャビティに樹脂Rを充填して成形する、一対の開閉可能な金型である。樹脂封止金型は、上型と下型とを備えている。上型の下型に対向する側の面は平坦であり、下型の上型に対向する側の面にはキャビティが形成されている。すなわち、本実施形態の樹脂封止金型は、いわゆる下キャビティ可動構造の圧縮成形金型である。キャビティは、下型に向かって開口する凹部であり、本発明に係る「キャビティ凹部」の一例に相当する。
【0137】
また、本実施形態では、第1実施形態のレジンガード77と異なり、レジンガードは外部レジンガード77dと内部レジンガード77eにより構成される。第1実施形態の第3変形例と同様に、内部レジンガード77eの側面部が第1ガイド部77aに相当し、外部レジンガード77dの第2空間78bと接触する部分が第2ガイド部77bに相当し、内部レジンガード77eの第2空間78bと接触する部分がストッパ部77cに相当する。
【0138】
また、本実施形態では、内部レジンガード77eがベース部材72に収納可能に構成されている。外部レジンガード77dは、第2ローダハンド71の取付面73とは反対側に設けられた機能部材Hを保持可能に構成された爪部74をさらに備える。爪部74で機能部材Hを保持することで、第1実施形態の蓋部材やフィルムを設けなくとも樹脂Rや機能部材Hを保持しながら搬送することができる。
【0139】
<樹脂封止方法>
次に、図19A図19B図19C及び図19Dを参照しつつ、本実施形態に係る樹脂封止方法について説明する。図19Aは、本実施形態に係る樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例を示すフローチャートである。図19B図19C及び図19Dは、本実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0140】
本実施形態では、上記のような上キャビティ可動構造の圧縮成形金型に樹脂Rを搬送する。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0141】
まず、下型23にフィルムFをセットし(S310)、ベース部材72を第2ローダハンド71から分離し(S320)、樹脂供給部41が樹脂Rを第1空間78aに供給する(S330)。具体的には、図19Bのように押出部材75上かつ内部レジンガード77eの内側に樹脂Rが供給される。次に、加振部により樹脂Rを加振する(S340)。このとき、加振部により外部レジンガード77dを振動させ、樹脂Rを規定領域内で拡散してもよい。次に、機能部材受渡部53が機能部材Hを第2空間78bに供給する(S350)。具体的には、機能部材Hが内部レジンガード77e上かつ外部レジンガード77dの内側に接触するように供給される。次に、蓋部材79を外部レジンガード77dと結合する(360)。具体的には、図19Cのように機能部材H及び外部レジンガード77dと当接するように蓋部材79がセットされる。次に、反転部により第2ローダハンド71を上下に反転させ(S370)、樹脂ヒータ80により樹脂Rを加熱し(S380)、内部レジンガード77eを収容する(S390)。具体的には、図19Dのように押出部材75の収縮とともに内部レジンガード77eは樹脂Rから分離され、第2ローダハンド71に収容される。次に、蓋部材79を外部レジンガード77dから分離す(S400)、下型23に機能部材Hと樹脂Rを供給する(S410)。具体的には、外部レジンガード77dに設けられた爪部74により機能部材Hが保持された状態で搬送する。本実施形態では、爪部74を用いて樹脂R及び機能部材Hを下型23に搬送したが、これに限定されるものではない。例えば、S400の後、第2ローダハンド71が分離し、吸着機構をもつ搬送具によりレジンガード77から樹脂R及び機能部材Hを取り出し、樹脂封止金型21に搬送してもよい。
【0142】
以上のように、本実施形態に係る樹脂封止方法によれば、下型側にキャビティを有する下キャビティ可動構造の圧縮成形が可能になる。また、内部レジンガード77eをベース部材72に収納可能に構成することで、樹脂加熱時におけるレジンガードへの付着を防止できる。
【0143】
[第9変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第9変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第9変形例では、第1実施形態と異なりフィルムF1を供給するフィルム供給部を有する。
<樹脂封止方法>
次に、図20A図20B図20C及び図20Dを参照しつつ、第9変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図20Aは、第9変形例に係る樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例を示すフローチャートである。図20B図20C及び図20Dは、第9変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0144】
第9変形例では、フィルムF1が設けられる点が第2実施形態と異なっている。一例として、下記のような樹脂封止方法を挙げる。
【0145】
まず、機能部材受渡部53が機能部材Hを第2空間78bに供給する(S510)。具体的には、図20Bのように外部レジンガード77dの内部に機能部材Hを供給する。次に、機能部材Hの下面に当接するようにフィルムF1をセットする(S520)。次に、蓋部材79とフィルムF1の下面を結合する(S530)。具体的には、フィルムF1の下面に当接するように蓋部材79がセットされる。次に、ベース部材72を外部レジンガード77d及び内部レジンガード77eから分離する(S540)。次に、樹脂供給部41が樹脂Rを第1空間78aに供給する(S550)。具体的には、図20Cのように内部レジンガード77eの内側に樹脂Rを供給する。次に、加振部により樹脂Rを加振し(S560)、ベース部材72を外部レジンガード77d及び内部レジンガード77eと結合し(S570)、樹脂ヒータ80により樹脂Rを加熱する(S580)。具体的には、図20Cのように蓋部材79の下面側に樹脂ヒータ80が当接され、樹脂Rが加熱される。次に、内部レジンガード77eをベース部材72に収容し(S590)、蓋部材79をフィルムF1から分離する(S600)。具体的には、図20Dのように蓋部材79が分離し、フィルムF1により機能部材H及び樹脂Rが保持される。次に、下型23にフィルムF1、機能部材H及び樹脂Rを供給する(S610)。
【0146】
[第10変形例]
<樹脂封止装置>
次に、第10変形例に係る樹脂封止装置の構成について説明する。第10変形例では、第2実施形態と異なりフィルムF1を供給するフィルム供給部を有する。
<樹脂封止方法>
次に、図21A図21B及び図21Cを参照しつつ、第10変形例に係る樹脂封止方法について説明する。図21A図21B及び図21Cは、第10変形例に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【0147】
第10変形例では、フィルムF1が設けられる点が第2実施形態と異なっている。また、押出部材75の樹脂押圧方向が第9変形例とは異なる。具体的には、第9変形例では押出部材75が上から下に押圧していたのに対し、第10変形例では押出部材75は下から上に押圧している。
【0148】
[第10変形例]
<樹脂封止方法>
次に、第10変形例に係る樹脂封止方法について説明する。第10変形例では、第3変形例と同様に、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を用いて樹脂封止する。また、第10変形例では、第2実施形態と同様に下型側にキャビティを設けている。すなわち、第10変形例では、上記の実施形態と変形例と異なり、顆粒樹脂R1及びシート樹脂R2を下型に供給する態様について説明する。
【0149】
第10変形例では、第3変形例と同様にS210からS290までの工程を行う。S290でフィルムをセットした後、反転部により第2ローダハンド71全体は上下に反転する。反転することで、第2ローダハンドは下からフィルムF、顆粒樹脂R1、シート樹脂R2の順に積層され、下型のキャビティへの供給が可能となる。
【0150】
第10変形例では、第3変形例からの派生として説明したが、これに限定されるものではなく、上記の第1実施形態、第2実施形態、及び、第1~9変形例で記載した技術内容と適宜組み合わせてもよい。例えば、第1変形例のように蓋部材79を設けてもよく、第4変形例のようにレジンガードの内側面が同一面に設けられてもよい。
【0151】
上記の各実施形態及び変形例において、顆粒樹脂R1、シート樹脂R2、機能部材H、及び、フィルムFの供給位置や搬送工程における配置について説明したが、これに限定されるものではなく、圧縮形成金型の形状や搬送方法により適宜変更されてもよい。例えば、機能部材Hの上に顆粒樹脂R1を供給し、更に顆粒樹脂R1の上にシート樹脂R2を供給してもよく、機能部材Hの上にシート樹脂R2を供給し、更に顆粒樹脂R1を供給してもよい。
【0152】
以上のように、本発明の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、レジンガードは、樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、レジンガードを平面視したときに第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、第1ガイド部よりも前記ローダハンドの取付面から離れて位置する第2ガイド部と、第1ガイド部と第2ガイド部を連結するとともに板状部材と接触するストッパ部と、を有する。
【0153】
これによれば、レジンガードと板状部材の間への樹脂材料の侵入を抑制することができる。したがって、樹脂封止した成形品の品質の向上を図ることができる。
【0154】
上記態様において、レジンガードは、ローダハンドの取付面とは反対側に設けられた、板状部材を保持可能に構成された爪部をさらに備える。
【0155】
これによれば、押出部材による押圧の際に板状部材の保持及び固定が可能となる。
【0156】
上記態様において、ローダハンドを上下反転させる反転部をさらに備える。
【0157】
これによれば、ローダハンド反転中に押出部材により樹脂材料を押圧することで樹脂材料の偏りを抑制することができる。
【0158】
上記態様において、押出部材は、樹脂材料を板状部材に対して押圧可能に構成されている。
【0159】
これによれば、押出部材の伸縮による樹脂材料の押圧の際にレジンガードと板状部材の間への樹脂材料の侵入を抑制することができる。
【0160】
上記態様において、レジンガードの内側に供給された樹脂材料を加熱する加熱部をさらに備える。
【0161】
これによれば、加熱部による加熱の際にレジンガードと板状部材の間への樹脂材料の侵入を抑制することができる。
【0162】
上記態様において、ローダハンドは、レジンガード及び押出部材が取り外し可能に構成されたローダハンドベース部材をさらに有する。
【0163】
これによれば、加熱時及び加振時にレジンガード及び押出部材を取り外すことで、部材への損傷を抑制することができる。また、工程に不要な部材を外すことで加熱及び加振の工程を効率化することができる。
【0164】
上記態様において、ローダハンドは、レジンガードの少なくとも一部を収容可能に構成されたローダハンドベース部材をさらに有する。
【0165】
これによれば、加熱時に収容することで、レジンガードへの樹脂の融着を防止することができる。
【0166】
上記態様において、レジンガードのストッパ部は、レジンガードを平面視したときに第1空間を囲む枠状に設けられている。
【0167】
上記態様において、押出部材は、レジンガードの第1ガイド部に対して摺動可能に構成されている。
【0168】
これによれば、レジンガードの第1ガイド部に付着した樹脂材料をこそぎおとし、融着を防止することができる。
【0169】
上記態様において、板状部材は、放熱部材、電磁遮蔽部材、及び、シート樹脂のいずれかである。
【0170】
上記態様において、樹脂材料は、シート樹脂を含み、板状部材は、放熱部材及び電磁遮蔽部材のいずれかである。
【0171】
上記態様において、板状部材を覆う短冊状のフィルムを供給するフィルム供給部をさらに備え、ローダハンドは、樹脂材料、板状部材及びフィルムを、樹脂封止金型へ搬送する。
【0172】
これによれば、ローダハンドの搬送で樹脂材料、板状部材及びフィルムの供給を行うことが可能となり、装置の小型化及び構成の集約化ができる。
【0173】
上記態様において、板状部材供給部は、樹脂材料供給部がレジンガードの内側に樹脂材料を供給した後に、レジンガードの内側に板状部材を供給する。
【0174】
上記態様において、樹脂材料供給部は、板状部材供給部がレジンガードの内側に板状部材を供給した後、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する。
【0175】
上記態様において、第1空間及び前記第2空間を内部に収容可能とするように、ローダハンド及びレジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をさらに備える。
【0176】
これによれば、蓋部材による板状部材の固定が可能となり、ローダハンドの動作時に、樹脂材料のこぼれをさらに抑制できる。
【0177】
上記態様において、樹脂材料供給部は、蓋部材がローダハンド及びレジンガードの少なくとも一方に取り付けられた状態で、樹脂材料を供給する。
【0178】
これによれば、供給時の樹脂こぼれを防止することができる。
【0179】
上記態様において、ローダハンドは、蓋部材がローダハンド及びレジンガードから取り外された状態で、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型へ搬送する。
【0180】
これによれば、搬送に不要な部材を取り外すことでローダハンドへの負担を軽減させることができる。
【0181】
上記態様によれば、ローダハンドは、蓋部材がローダハンド及びレジンガードに取り付けられた状態で、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型へ搬送する。
【0182】
これによれば、搬送中の樹脂こぼれを防止することができる。
【0183】
本発明の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び前記板状部材を押し出す押出部材を有し、樹脂材料及び板状部材を内部に収容可能とするように、ローダハンド及びレジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をさらに備える。
【0184】
これによれば、板状部材を固定することが可能なため、ローダハンドを動作時に、樹脂材料のこぼれを抑制できる
【0185】
本発明の一態様に係る樹脂封止方法は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法であって、樹脂封止装置装置は、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、レジンガードは、樹脂材料が設けられる第1空間を規定する第1ガイド部と、板状部材が設けられる第2空間を規定する第2ガイド部であって、レジンガードを平面視したときに第1ガイド部よりも外側に位置し、かつ、第1ガイド部よりもローダハンドの取付面から離れて位置する第2ガイド部と、第1ガイド部と第2ガイド部を連結するとともに板状部材と接触するストッパ部と、を有し、樹脂封止方法は、樹脂材料供給部が樹脂材料を第1空間に供給することと、板状部材供給部が板状部材とストッパ部が接触するように、板状部材を第2空間に供給することと、ローダハンドが樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送することと、を含む。
【0186】
これによれば、レジンガードと板状部材との間からの樹脂材料のこぼれを防止した信頼性の高い樹脂封止方法が提供される。
【0187】
本発明の一態様に係る樹脂封止方法は、基材及び電子部品を含むワークに対して樹脂材料を圧縮成形して電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法であって、樹脂封止装置装置は、ワークがセットされる第1金型、及び、第1金型に対向するとともに樹脂材料及び板状部材がセットされる第2金型を有する樹脂封止金型と、樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送するローダハンドと、ローダハンドの取付面に取り付けられるレジンガードと、レジンガードの内側に樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と、レジンガードの内側に板状部材を供給する板状部材供給部と、を備え、ローダハンドは、レジンガードの内側に設けられる樹脂材料及び板状部材を押し出す押出部材を有し、樹脂材料及び板状部材を内部に収容可能とするように取り付けられ、レジンガードが取付面と接触する側と対向する側に取り付け可能な蓋部材をさらに備え、樹脂封止方法は、樹脂材料供給部が樹脂材料を供給することと、板状部材供給部が板状部材を供給することと、樹脂材料及び板状部材を内部に収容可能とするように、ローダハンド及びレジンガードの少なくとも一方に取り付けられる蓋部材をセットすることと、ローダハンドが樹脂材料及び板状部材を樹脂封止金型に搬送することと、を含む。
【0188】
これによれば、樹脂材料のこぼれを防止した信頼性の高い樹脂封止方法が提供される。
【0189】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0190】
1…樹脂封止装置
10…ワーク供給ユニット
20,30…樹脂成形ユニット
21,31…樹脂封止金型
25,35…キャビティ
27,37…フィルムハンドラ
40…樹脂供給ユニット
60…第1ローダ
61…第1ローダハンド
70…第2ローダ
71…第2ローダハンド
75…押出部材
79…蓋部材
80…樹脂ヒータ
90…成形品回収ユニット
W…ワーク
P…電子部品
B…基材
R…樹脂
F…フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図19C
図19D
図20A
図20B
図20C
図20D
図21A
図21B
図21C