IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-発振器 図1
  • 特開-発振器 図2
  • 特開-発振器 図3
  • 特開-発振器 図4
  • 特開-発振器 図5
  • 特開-発振器 図6
  • 特開-発振器 図7
  • 特開-発振器 図8
  • 特開-発振器 図9
  • 特開-発振器 図10
  • 特開-発振器 図11
  • 特開-発振器 図12
  • 特開-発振器 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156338
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】発振器
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H03B5/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070712
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】和田 龍斗
(72)【発明者】
【氏名】大久保 正明
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA02
5J079BA43
5J079CA04
5J079HA03
5J079HA07
5J079HA25
5J079HA30
(57)【要約】
【課題】温度安定性が高く、周波数安定性に優れた発振器を提供すること。
【解決手段】発振器は、励振電極が設けられた振動素子と、前記振動素子を発振させて発振信号を生成する発振回路と、前記発振信号の温度補償のための温度信号を生成する温度センサーと、前記振動素子の温度を制御する温度制御素子と、前記振動素子、前記発振回路、前記温度センサー、及び前記温度制御素子を収容する容器と、を備え、平面視において、前記温度センサー及び前記温度制御素子が前記励振電極と重なっている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励振電極が設けられた振動素子と、
前記振動素子を発振させて発振信号を生成する発振回路と、
前記発振信号の温度補償のための温度信号を生成する温度センサーと、
前記振動素子の温度を制御する温度制御素子と、
前記振動素子、前記発振回路、前記温度センサー、及び前記温度制御素子を収容する容器と、を備え、
平面視において、前記温度センサー及び前記温度制御素子が前記励振電極と重なっている、
発振器。
【請求項2】
前記振動素子を前記容器に接合する接合部を備え、
前記温度制御素子は第1集積回路に形成され、前記温度センサー及び前記発振回路は第2集積回路に形成され、
平面視において、前記第1集積回路は、前記接合部と前記第2集積回路との間に配置されている、
請求項1に記載の発振器。
【請求項3】
平面視において、前記温度センサー及び前記第1集積回路の全体が前記励振電極に覆われている、
請求項2に記載の発振器。
【請求項4】
前記第1集積回路は、ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続されている、
請求項2に記載の発振器。
【請求項5】
前記第1集積回路は、前記容器にフリップチップ実装されている、
請求項2に記載の発振器。
【請求項6】
前記容器は、平面視で前記第1集積回路の中央部と重なる電極パターンを有する、
請求項5に記載の発振器。
【請求項7】
前記容器を収容する外側容器をさらに備える、
請求項1に記載の発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶発振器の温度変化に対する周波数安定度を高めるために、小型恒温槽の中に水晶デバイスを設置した恒温槽一体型水晶発振器が知られている。
例えば、特許文献1には、第1振動素子と温度制御素子とを容器に収容して基板の一方の主面に搭載するとともに、第2振動素子を基板の他方の主面に搭載し、その周囲を囲うように脚部を設けた構造の発振器が開示されている。
【0003】
当該発振器では、発熱回路を含む温度制御素子と、発振回路を含む回路素子とは、容器内において別体として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-031988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発振器では、発振周波数の安定度が低下してしまう虞があった。詳しくは、発熱回路を含む温度制御素子と、回路素子とが別体として構成されているため、発熱回路からの熱が輻射熱として逃げてしまい、回路素子に十分に伝わらず、周波数安定性が低下する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る一態様の発振器は、励振電極が設けられた振動素子と、前記振動素子を発振させて発振信号を生成する発振回路と、前記発振信号の温度補償のための温度信号を生成する温度センサーと、前記振動素子の温度を制御する温度制御素子と、前記振動素子、前記発振回路、前記温度センサー、及び前記温度制御素子を収容する容器と、を備え、平面視において、前記温度センサー及び前記温度制御素子が前記励振電極と重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る発振器の断面図。
図2】発振器の平面図。
図3】内側パッケージの平面図。
図4】内側パッケージの断面図。
図5】振動素子の実装前における内側パッケージの内部の平面図。
図6】振動素子の実装後における内側パッケージの内部の平面図。
図7】電圧制御型水晶発振器の断面図。
図8】電圧制御型水晶発振器を下面側から見た平面図。
図9】PLL回路の回路ブロック図。
図10】発振器を下面側から見た平面図。
図11】実施形態2に係る内側パッケージの断面図。
図12】振動素子の実装前における内側パッケージの内部の平面図。
図13】実施形態3に係る振動素子の実装後における内側パッケージの内部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
***発振器の構成***
図1は、発振器の断面図である。図2は、発振器の平面図である。
図2に示すように、本実施形態の発振器100は、平面的に略長方形をなした箱状の表面実装デバイスである。なお、図2では、発振器100の内部構成を示すために、外側リッド22(図1)を外した状態を図示している。また、各図面では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。本実施形態では、長方形状をなした発振器100の長辺の延在方向をXプラス方向、短辺の延在方向をYプラス方向とし、発振器100の厚さ方向をZプラス方向としている。また、Zプラス方向を上方、Zマイナス方向を下方ともいう。Xプラス方向とXマイナス方向とを合せてX軸方向ともいう。Y軸、Z軸についても同様である。
【0009】
図1および図2に示す発振器100は、恒温槽付水晶発振器(OCXO)であり、外側パッケージ2の内部に、内側パッケージ3と、制御IC4とを収納し、外側パッケージ2の裏面に、電圧制御型水晶発振器5を備えている。
内側パッケージ3は、容器であり、第1振動素子としての振動素子6、第2集積回路8、および、第1集積回路7を収納している。
電圧制御型水晶発振器5は、第2振動素子としての振動素子55を備えている。
【0010】
外側パッケージ2は、外側容器であり、外側ベース21と、外側リッド22とを有する。外側ベース21は、箱状をなし、上面21aに開口する上側凹部211と、下面21bに開口する下側凹部212とを有する。そのため、外側ベース21は、断面視において略H型となっている。この外側ベース21について、別の言い方をすると、外側ベース21は、基板27と、基板27の上面の縁部から上側に向けて立設する枠状の壁部28と、基板27の下面の縁部から下側に向けて立設する枠状の脚部29とを有する。
【0011】
外側リッド22は、板状をなし、上側凹部211の開口を塞ぐようにして、シールリング、低融点ガラス等の封止部材23を介して外側ベース21の上面21aに接合されている。これにより、上側凹部211が気密封止され、外側パッケージ2内に収容空間としての外側収容空間S2が形成される。外側収容空間S2は、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、外側パッケージ2の断熱性が高まり、外部温度の影響を受け難い発振器100となる。一方、下側凹部212の開口は、封止されておらず、外側パッケージ2の外部に臨んでいる。
外側収容空間S2には、内側パッケージ3および制御IC4が収容されている。
下側凹部212には、電圧制御型水晶発振器5が実装されている。
【0012】
なお、外側ベース21および外側リッド22の構成材料としては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、外側ベース21をアルミナ、チタニア等の各種セラミック材料で構成し、外側リッド22をコバール等の各種金属材料で構成することが好ましい。これにより、丈夫で機械的強度に優れた外側パッケージ2となる。また、両者の線膨張係数をほぼ等しくすることができ、外側パッケージ2に生じる熱応力の低減を図ることもできる。
このような構成により、振動素子6、振動素子55に応力が加わり難くなり、振動素子6、振動素子55の振動特性が安定する。
【0013】
外側収容空間S2において、上側凹部211は、上面21aに開口する第1上側凹部211aと、第1上側凹部211aの底面に開口し、第1上側凹部211aよりも開口が小さい第2上側凹部211bと、第2上側凹部211bの底面に開口し、第2上側凹部211bよりも開口が小さい第3上側凹部211cとを有する。
内側パッケージ3は、第3上側凹部211cの底面に載置される。制御IC4は、内側パッケージ3の上で、内側パッケージ3を跨いで第1上側凹部211aに配置される。
【0014】
図2に示すように、制御IC4は、長方形状をなしており、その長辺の延在方向はY軸方向であり、第3上側凹部211cを囲う額縁状の第1上側凹部211aの上に2つの短辺部分を載置して、内側パッケージ3を跨ぐ高架橋状に配置される。
第1上側凹部211aには、複数の端子241が設けられている。端子241と制御IC4の対応する端子35との間は、ボンディングワイヤーBW1により電気的に接続される。ボンディングワイヤーBW1は、Auワイヤーを用いることが好ましい。なお、アルミワイヤーを用いても良い。また、後述のボンディングワイヤーも同様である。
【0015】
図3は、内側パッケージの平面図であり、図2に対応している。図3は、制御IC4を実装する前における内側パッケージ3の実装態様を示している。
第2上側凹部211bには、複数の端子73が設けられている。内側パッケージ3の上面である実装面90には、複数の端子83が設けられている。
第2上側凹部211bの端子73と内側パッケージ3の対応する端子83との間は、ボンディングワイヤーBW2により電気的に接続される。
【0016】
図1に戻る。
図1に示すように、外側ベース21における下側凹部212の底面には、複数の内部端子243が設けられている。内部端子243は、導電性の接合部材B1を介して電圧制御型水晶発振器5と電気的に接続される。外側ベース21の脚部29の底面には、複数の実装用の外部端子244が設けられている。
これらの端子241、端子73、内部端子243、および、外部端子244は、外側ベース21内に形成された内部配線25を介して電気的に接続され、制御IC4、内側パッケージ3、および、電圧制御型水晶発振器5を電気的に接続している。このように、内部配線25を外側パッケージ2の外部に露出しないように形成することにより、放射ノイズ、電磁界等の外乱の影響を受け難くなる。よって、発振器100は、優れた位相ノイズ特性を発揮することができる。
【0017】
上記の発振器100は、外部端子244を介して外部装置200との電気的な接続が行われる。特に、本実施形態では、脚部29の側面に外部端子244と接続された側面端子245が配置されている。側面端子245は、キャスタレーションである。そのため、半田Hが側面端子245に濡れ広がってフィレットを形成し、外部装置200との機械的および電気的な接合がより強固なものとなる。ただし、これに限定されず、例えば、側面端子245を省略してもよい。
【0018】
***内側パッケージの構成***
図4は、内側パッケージの断面図であり、図1に対応している。
図4に示すように、内側パッケージ3は、内側ベース31と、内側リッド32とを有する。内側ベース31は、箱状をなし、下面31bに開口する凹部311を有する。また、内側リッド32は、板状をなし、凹部311の開口を塞ぐようにして、シールリング、低融点ガラス等の封止部材33を介して内側ベース31の下面31bに接合されている。これにより、凹部311が気密封止され、内側パッケージ3内に内側収容空間S3が形成される。そして、内側収容空間S3には、振動素子6、第1集積回路7および第2集積回路8が収容されている。
【0019】
内側パッケージ3は、外側ベース21の第3上側凹部211cの底面に、例えば、シリコーン樹脂からなる接合部材B3を介して固定される。なお、接合部材B3は、シリコーン樹脂に限定するものではなく、絶縁性で熱伝導率が低い接合部材であれば良く、例えば、エポキシ樹脂等の各種樹脂材料を用いても良い。
このような構成によれば、内側パッケージ3と外側パッケージ2とが接合部材B3によって断熱されるため、第1集積回路7の熱が外側パッケージ2を介して外部に逃げ難くなる。
【0020】
内側ベース31および内側リッド32の構成材料としては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、内側ベース31をアルミナ、チタニア等の各種セラミック材料で構成し、内側リッド32をコバール等の各種金属材料で構成することができる。これにより、丈夫で機械的強度に優れた内側パッケージ3となる。また、両者の線膨張係数をほぼ等しくすることができ、内側パッケージ3に生じる熱応力の低減を図ることもできる。そのため、振動素子6に応力が加わり難くなり、振動素子6の振動特性が安定する。
凹部311は、下面31bに開口する第1凹部311aと、第1凹部311aの底面に開口し、第1凹部311aよりも開口が小さい第2凹部311bと、第2凹部311bの底面に開口し、第2凹部311bよりも開口が小さい第3凹部311cとを有する。
そして、第1凹部311aの底面には、振動素子6が実装される。第3凹部311cの底面には、第1集積回路7および第2集積回路8がX軸方向に並んで配置されている。
【0021】
図5は、振動素子の実装前における内側パッケージの内部の平面図である。図6は、振動素子の実装後における内側パッケージの内部の平面図である。
図5に示すように、第3凹部311cには、第1集積回路7と、第2集積回路8とが並んで配置されている。
第1集積回路7は、温度制御素子としての発熱回路72を有する。発熱回路72は、ヒーター回路であり、振動素子6を加熱する発熱部として機能する。第1集積回路7は、能動面を下側(内側リッド32側)に向けて第3凹部311cの底面に配置されされている。
【0022】
第2集積回路8は、発振回路81と、温度センサー82とを備えた集積回路である。
発振回路81は、振動素子6を発振させ、基準周波数信号を出力する発振回路である。温度センサー82は、第2集積回路8を含む周辺部位の温度を計測する温度センサーである。第2集積回路8は、温度センサー82の検出温度に基づき発振信号の温度補償のための温度信号を生成し、制御IC4に送信する。詳しくは後述するが、制御IC4は、温度センサー82の温度信号に基づき、第1集積回路7の発熱回路72を制御し、振動素子6の温度が一定温度に保たれるように制御する。第2集積回路8は、能動面を下側(内側リッド32側)に向けて第3凹部311cの底面に配置されている。
【0023】
図5に示すように、第1集積回路7は矩形をなしており、発熱回路72は、矩形における第2集積回路8側の辺に沿って設けられている。
第2集積回路8は、矩形をなしており、発振回路81は、矩形における中央の第1集積回路7側に設けられている。温度センサー82は、矩形における第1集積回路7とは反対側の辺の近傍に設けられている。
第2凹部311bには、複数の端子342,343が設けられている。端子342と第1集積回路7との間は、ボンディングワイヤーBW4により電気的に接続される。換言すれば、第1集積回路7は、ボンディングワイヤーBW4を介して容器としての内側パッケージ3に電気的に接続されている。
端子343と第2集積回路8との間は、ボンディングワイヤーBW5により電気的に接続されている。
【0024】
図4図6に示すように、振動素子6は、その一端が第1凹部311aに固定され、片持ち支持されている。振動素子6は、好適例ではSCカット水晶振動素子を用いている。
図4に示すように、振動素子6は、SCカットで切り出された平面視で矩形の水晶基板61と、水晶基板61のZプラス側の面に配置された励振電極621と、水晶基板61のZマイナス側の面に配置された励振電極631とを有する。励振電極621と励振電極631とは、水晶基板61の表裏面に対向配置されている。
図6に示すように、好適例では、励振電極621,631は矩形であり、同じサイズに設けられている。励振電極621,631は、好適例では、Au電極である。なお、Au電極に限定するものではなく、金属電極であれば良く、例えば、Ag電極や、白金電極であっても良い。
図6に示すように、励振電極621からは水晶基板61の端部に延在するパッド電極622が設けられている。同様に、励振電極631からも水晶基板61の端部に延在するパッド電極632が設けられている。
【0025】
図6に示すように、第1凹部311aには、2つの端子341が設けられている。振動素子6のパッド電極622と、一方の端子341との間は、接合部材B2により電気的に接続される。振動素子6のパッド電極632と、他方の端子341との間は、ボンディングワイヤーBW3により電気的に接続される。
【0026】
図6に示すように、好適例では、第1集積回路7、および、第2集積回路8の全体が励振電極621,631に覆われている。図4に示すように、励振電極621,631が、第1集積回路7、第2集積回路8の蓋状に配置されるため、両集積回路からの放射熱を反射する。これにより、内側パッケージ3の外部への輻射熱の逃げを低減することができる。特に、水晶基板61を介して、Au電極からなる2層の励振電極621,631が設けられているため、1層の構成に比べて保温効果が高くなり、より外部への輻射熱の逃げを低減することができる。よって、内側パッケージ3の内部での保温性が向上するため、内側パッケージ3の内部の温度を均一化することができる。これにより、第1集積回路7と第2集積回路8との温度バラつきを抑えることができるため、良好な周波数特性を実現することができる。さらに、保温性向上により第1集積回路7の発熱回路72の発熱量を小さくできるため、消費電流を低減することができる。
【0027】
なお、この構成に限定するものではなく、温度制御素子としての発熱回路72と、温度センサー82とが、励振電極621,631に覆われる構成であっても良い。特に、発熱源である発熱回路72を励振電極621,631で覆うことにより、保温性を高めることができる。これらの構成であっても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
換言すれば、発振器100は、励振電極621,631が設けられた振動素子6と、振動素子6を発振させて発振信号を生成する発振回路81と、発振信号の温度補償のための温度信号を生成する温度センサー82と、振動素子6の温度を制御する温度制御素子としての発熱回路72と、これらを収容する容器としての内側パッケージ3と、を備え、平面視において、温度センサー82及び発熱回路72が励振電極621,631と重なっている。または、温度センサー82及び第1集積回路7の全体が励振電極621,631に覆われている。
【0028】
図6に示すように、平面視において、第1集積回路7の発熱回路72と接合部材B2との間の距離L1と、発熱回路72と第2集積回路8の温度センサー82との間の距離L2とは、略同じに設定されている。換言すれば、第1集積回路7は、接合部材B2と第2集積回路8との間に配置されている。
これによれば、発熱回路72から振動素子6への伝熱経路長と、発熱回路72から温度センサー82への伝熱経路長とを、近似させることができる。よって、温度センサー82で検知した温度が、振動素子6の温度と略同じとなるため、振動素子6の温度を正確に検出することができる。
【0029】
なお、上記では、2層の励振電極621,631により発熱回路72と、温度センサー82と覆うものとして説明したが、いずれか1層の構成であっても良く、この構成であっても、内側パッケージ3の内部での保温性を向上させることができる。
また、振動素子は、SCカット水晶振動素子に限定するものではなく、ATカット水晶振動素子、BTカット水晶振動素子、音叉型水晶振動素子、弾性表面波共振子、その他の圧電振動素子、MEMS共振素子等を用いても良い。
【0030】
***外側パッケージ裏面の実装態様***
図7は、電圧制御型水晶発振器の断面図である。図8は、電圧制御型水晶発振器を下面側から見た平面図である。
電圧制御型水晶発振器5は、後述するPLL回路42(図9)に含まれる発振器である。
【0031】
図7に示すように、電圧制御型水晶発振器5は、パッケージ51と、パッケージ51に収容された振動素子55および回路素子59と、を有する。
パッケージ51は、ベース52およびリッド53を有する。ベース52は、箱状をなし、下面52bに開口する凹部521を有する。また、リッド53は、板状をなし、凹部521の開口を塞ぐようにして、シールリング、低融点ガラス等の封止部材54を介してベース52の下面52bに接合されている。これにより、凹部521が気密封止され、パッケージ51内に収容空間S5が形成される。そして、収容空間S5に振動素子55および回路素子59が収容されている。
【0032】
なお、ベース52およびリッド53の構成材料としては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ベース52をアルミナ、チタニア等の各種セラミック材料で構成し、リッド53をコバール等の各種金属材料で構成することができる。これにより、丈夫で機械的強度に優れたパッケージ51となる。また、両者の線膨張係数をほぼ等しくすることができ、パッケージ51に生じる熱応力の低減を図ることもできる。そのため、振動素子55に応力が加わり難くなり、振動素子55の振動特性が安定する。
【0033】
収容空間S5について詳細に説明すると、凹部521は、下面52bに開口する第1凹部521aと、第1凹部521aの底面に開口し、第1凹部521aよりも開口が小さい第2凹部521bと、第2凹部521bの底面に開口し、第2凹部521bよりも開口が小さい第3凹部521cと、を有する。そして、第1凹部521aの底面に振動素子55が配置され、第3凹部521cの底面に回路素子59が配置されている。収容空間S5は、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、収容空間S5の粘性抵抗が減り、振動素子55の振動特性が向上する。
【0034】
また、ベース52には、第1凹部521aの底面に配置された複数の内部端子561と、第2凹部521bの底面に配置された複数の内部端子562と、ベース52の上面52aに配置された複数の外部端子564と、が配置されている。また、各内部端子561は、導電性の接合部材B4を介して振動素子55と電気的に接続され、各内部端子562は、ボンディングワイヤーBW6を介して回路素子59と電気的に接続されている。これら各端子561、562、564は、ベース52内に形成された図示しない内部配線を介して適宜電気的に接続されており、振動素子55、回路素子59および外部端子564を電気的に接続している。このようなパッケージ51においては、外部端子564を介してその内外が電気的に接続される。
【0035】
図8に示す、振動素子55は、ATカット水晶振動素子である。
振動素子55は、ATカットで切り出された長方形状の水晶基板551と、水晶基板551の上下面に対向配置された励振電極553a、554aと、水晶基板551の上面に配置されたパッド電極553b、554bと、励振電極553a、554aとパッド電極553b、554bとを接続する引出電極553c、554cと、を有する。
【0036】
以上、振動素子55について説明したが、その構成は、特に限定されない。例えば、水晶基板551の平面視形状は、長方形に限定されず、円形、長方形以外の矩形、その他の多角形であってもよい。また、水晶基板551の外縁部を研削するベベル加工や、水晶基板551の上面および下面を凸曲面とするコンベックス加工が施されていてもよい。また、振動素子55として、ATカット水晶振動素子ではなく、SCカット水晶振動素子、BTカット水晶振動素子、音叉型水晶振動素子、弾性表面波共振子、その他の圧電振動素子、MEMS共振素子等を用いてもよい。
【0037】
このような振動素子55は、その端部において、第1凹部521aの底面に一対の接合部材B4を介して固定されている。また、接合部材B4を介してパッド電極553b、554bと各内部端子561とが電気的に接続されている。ただし、振動素子55の固定方法や電気接続方法としては、特に限定されない。
【0038】
図7に戻る。
回路素子59は、振動素子55を発振する発振回路591を有する。このような回路素子59は、能動面を下側に向けて第3凹部521cの底面に配置され、ボンディングワイヤーBW6を介して複数の内部端子562と電気的に接続されている。
図7に示すように、電圧制御型水晶発振器5は、導電性の接合部材B1を介して下側凹部212の底面に固定されている。また、接合部材B1を介して外部端子564と内部端子243とが電気的に接続されている。
【0039】
図1に戻る。
図1に示すように、制御IC4は、第1集積回路7の駆動を制御する温度制御用回路41と、PLL回路42の一部と、出力バッファー回路43とを有する。
【0040】
温度制御用回路41は、温度センサー82の出力信号に基づき、発熱回路72の抵抗を流れる電流量を制御し、振動素子6を一定温度に保つための回路である。例えば、温度制御用回路41は、温度センサー82の出力信号から判定される現在の温度が設定された基準温度よりも低い場合には、発熱回路72の抵抗に所望の電流を流し、現在の温度が基準温度よりも高い場合には発熱回路72の抵抗に電流が流れないように制御する。また、例えば、温度制御用回路41は、現在の温度と基準温度との差に応じて、発熱回路72の抵抗を流れる電流量を増減させるように制御してもよい。
【0041】
図9は、PLL回路の回路ブロック図である。
PLL回路42は、発振回路81から出力される発振信号である基準周波数信号が入力される第1位相比較器421と、第1ローパスフィルター422と、第1ローパスフィルター422からの直流信号が入力される電圧制御型発振器423と、電圧制御型発振器423から出力される周波数信号が入力される第1分周器424と、を有する。そして、第1分周器424で分周された周波数信号は、第1位相比較器421に入力される。第1位相比較器421では、基準周波数信号と周波数信号との間の位相差を検出し、第1ローパスフィルター422に出力する。第1ローパスフィルター422では第1位相比較器421からの出力信号から高周波成分を除去し、電圧に変換して電圧制御型発振器423を制御する直流信号として出力される。
【0042】
なお、第1分周器424は、例えば、整数の分周比を切り替えて平均的に小数の分周比とすることにより、小数の分周比を設定可能である。これにより、第1位相比較器421、第1ローパスフィルター422、電圧制御型発振器423および第1分周器424で構成される前段のPLL回路部分は、小数分周PLL回路(フラクショナルPLL回路)として機能する。その結果、小数分周PLL回路では、任意の周波数の信号を出力することが可能になる。
【0043】
また、PLL回路42は、電圧制御型発振器423から出力される周波数信号が入力される第2位相比較器425と、第2ローパスフィルター426と、電圧制御型水晶発振器5と、電圧制御型水晶発振器5から出力される周波数信号が入力される第2分周器427と、を有する。そして、第2分周器427で分周された周波数信号は、第2位相比較器425に入力される。第2位相比較器425では、電圧制御型発振器423から出力される周波数信号と第2分周器427で分周された周波数信号との間の位相差を検出し、第2ローパスフィルター426に出力する。第2ローパスフィルター426では第2位相比較器425からの出力信号から高周波成分を除去し、電圧に変換して電圧制御型水晶発振器5を制御する直流信号(周波数制御信号)として出力される。
【0044】
なお、第2分周器427は、例えば、入力された信号を整数分周する整数分周器である。これにより、第2位相比較器425、第2ローパスフィルター426、電圧制御型水晶発振器5および第2分周器427で構成される後段のPLL回路部分は、整数分周PLL回路(インテジャーPLL回路)として機能する。整数分周PLL回路では、位相ノイズが比較的少なく、回路構成も比較的単純な回路とすることができる。
【0045】
そして、電圧制御型水晶発振器5からは、直流信号の電圧に応じた周波数信号が出力バッファー回路43に向けて出力される。つまり、電圧制御型水晶発振器5は、発振回路81から出力される基準周波数信号に基づいて発振周波数が制御される。
【0046】
PLL回路42を構成する各回路要素のうち、電圧制御型水晶発振器5については、制御IC4と別体で構成されているが、その他の要素についても、制御IC4と別体で構成されていてもよい。例えば、第1、第2ローパスフィルター422、426を制御IC4と別体で構成し、下側凹部212の底面に、電圧制御型水晶発振器5と並べて配置してもよい。
【0047】
図10は、発振器を下面側から見た平面図である。
図10に示すように、電圧制御型水晶発振器5は、下側凹部212の底面に配置されており、その周囲を脚部29で囲まれている。そのため、脚部29が防風壁の機能を発揮し、電圧制御型水晶発振器5に風が当たり難くなる。よって、風による電圧制御型水晶発振器5の温度変動が抑制され、出力バッファー回路43から出力される出力信号の位相ノイズ特性の悪化を効果的に抑制することができる。
【0048】
以上、述べた通り、本実施形態の発振器100によれば、以下の効果を得ることができる。
発振器100は、励振電極621,631が設けられた振動素子6と、振動素子6を発振させて発振信号を生成する発振回路81と、発振信号の温度補償のための温度信号を生成する温度センサー82と、振動素子6の温度を制御する温度制御素子としての発熱回路72と、これらを収容する容器としての内側パッケージ3と、を備え、平面視において、温度センサー82及び発熱回路72が励振電極621,631と重なっている。
【0049】
これによれば、温度センサー82及び発熱回路72が励振電極621,631に覆われる。励振電極621,631が、温度センサー82及び発熱回路72に蓋状に配置されるため、両者からの放射熱を反射する。これにより、内側パッケージ3の外部への輻射熱の逃げを低減することができる。特に、水晶基板61を介して、Au電極からなる2層の励振電極621,631が設けられているため、1層の構成に比べて保温効果が高くなり、より外部への輻射熱の逃げを低減することができる。よって、内側パッケージ3の内部での保温性が向上するため、内側パッケージ3の内部の温度を均一化することができる。これにより、第1集積回路7と第2集積回路8との温度バラつきを抑えることができるため、良好な周波数特性を実現することができる。さらに、保温性向上により第1集積回路7の発熱回路72の発熱量を小さくできるため、消費電流を低減することができる。
従って、温度安定性が高く、周波数安定性に優れた発振器100を提供することができる。
【0050】
また、振動素子6を内側パッケージ3に接合する接合部材B2を備え、発熱回路72は第1集積回路7に形成され、温度センサー82及び発振回路81は第2集積回路8に形成され、平面視において、第1集積回路7は、接合部材B2と第2集積回路8との間に配置されている。
【0051】
これによれば、発熱回路72から振動素子6への伝熱経路長と、発熱回路72から温度センサー82への伝熱経路長とを、近似させることができる。よって、温度センサー82で検知した温度が、振動素子6の温度と略同じとなるため、振動素子6の温度を正確に検出することができる。よって、振動素子6の温度を正確に制御できるため、周波数特性が安定する。
【0052】
また、平面視において、温度センサー82及び第1集積回路7の全体が励振電極621,631に覆われている。
第1集積回路7では、発熱回路72を中心に発熱するが、その熱は、発熱回路72の周りの部位にも伝達し、第1集積回路7の全体から放射される。よって、励振電極621,631で、第1集積回路7の全体を覆うことにより、より効果的に外部への輻射熱の逃げを低減することができる。
【0053】
また、第1集積回路7は、ボンディングワイヤーBW4を介して内側パッケージ3に電気的に接続されている。
これによれば、ボンディングワイヤーBW4による接続とすることにより、第1集積回路7の裏面全体を、内側パッケージ3の第3凹部311cの底面に接合するため、第1集積回路7の発熱が内側ベース31を介して、効率良く第2集積回路8や振動素子6に伝熱することができる。
【0054】
また、発振器100は、内側パッケージ3を収容する外側容器としての外側パッケージ2をさらに備える。
これによれば、内側パッケージ3を外側パッケージ2に収納することにより、より効果的に外部への輻射熱の逃げを低減することができる。
【0055】
実施形態2
***集積回路の異なる実装態様***
図11は、実施形態2に係る内側パッケージの断面図であり、図4に対応している。図12は、振動素子の実装前における内側パッケージの内部の平面図であり、図5に対応している。
上記実施形態では、第1集積回路7、第2集積回路8は、ボンディングワイヤーBW4,BW5により内側パッケージ3に実装されるものとして説明したが、これに限定するものではなく、フェイスダウン実装されることでも良い。以下、上記実施形態と同じ部位には、同じ付番を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
図11に示すように、本実施形態の内側パッケージ3bでは、第1集積回路7、第2集積回路8が、内側ベース31の第3凹部311cの底面にフリップチップ実装されている。詳しくは、第3凹部311cの底面には複数の実装ランド10が設けられており、第1集積回路7は、その能動面をZプラス方向に向けた状態で、バンプ11を介して実装ランド10と電気的に接続される。同様に、第3凹部311cの底面には複数の実装ランド12が設けられており、第2集積回路8は、その能動面をZプラス方向に向けた状態で、バンプ13を介して実装ランド12と電気的に接続される。換言すれば、第1集積回路7は、内側パッケージ3bにフリップチップ実装されている。なお、好適例では、バンプ11,13はAuバンプである。なお、これに限定するものではなく、電気的な接続が確保できるバンプであれば良く、例えば、ハンダバンプであっても良い。
内側パッケージ3bでは、ボンディングを行わないため、内側ベース31の凹部311における第2凹部311b(図4)が不要となり、凹部311は、第1凹部311aと第3凹部311cとの2段構成となる。これにより、内側パッケージ3bの高さが内側パッケージ3よりも低くなり、低背化することができる。
【0057】
図12は、振動素子6の実装前における内側パッケージ3bの内部の平面図である。
図12に示すように、実装ランド10は、第1集積回路7の対向辺に沿って3個ずつ離間して配置されている。3個の実装ランド10と、対向する3個の実装ランド10との間には、矩形状のベタパターン15が設けられている。ベタパターン15は電極パターンであり、その表面には絶縁層が設けられており、第1集積回路7の能動面とは接触していない。好適例では、ベタパターン15は、第1集積回路7のGNDと電気的に接続している。なお、フローティングでも良い。換言すれば、内側パッケージ3bは、平面視で第1集積回路7の中央部と重なる電極パターンであるベタパターン15を有する。
【0058】
同様に、実装ランド12は、第2集積回路8の対向辺に沿って4個ずつ離間して配置されている。4個の実装ランド12と、対向する4個の実装ランド12との間には、矩形状のベタパターン16が設けられている。ベタパターン16は電極パターンであり、その表面には絶縁層が設けられており、第2集積回路8の能動面とは接触していない。好適例では、ベタパターン16は、第2集積回路8のGNDと電気的に接続している。なお、フローティングでも良い。
前述したように、内側パッケージ3bではボンディングを行わないため、内側ベース31の凹部311における第2凹部311b(図4)が不要となる。これにより、図12に示すように、内側パッケージ3bのY軸方向における幅を、内側パッケージ3よりも小さくすることができる。
【0059】
以上、述べた通り、本実施形態の内側パッケージ3bを備えた発振器100によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
発振器100によれば、第1集積回路7は、内側パッケージ3bにフリップチップ実装されている。
【0060】
これによれば、内側ベース31の第3凹部311cに向い合って第1集積回路7の能動面が配置されるため、ボンディング実装時と比べて、能動面に配置された発熱回路72と内側ベース31との距離が近くなる。よって、発熱回路72からの発熱が、内側ベース31に伝熱され易くなるため、内側ベース31を介して、効率良く第2集積回路8や振動素子6に伝熱することができる。よって、第1集積回路7と第2集積回路8との温度バラつきを抑えることができるため、良好な周波数特性を実現することができる。
従って、温度安定性が高く、周波数安定性に優れた発振器100を提供することができる。
【0061】
また、内側パッケージ3bは、平面視で第1集積回路7の中央部と重なる電極パターンであるベタパターン15を有する。
これによれば、ベタパターン15が、第1集積回路7の中央部を覆うように配置されるため、第1集積回路7からの放射熱を反射する。これにより、内側パッケージ3bの外部への輻射熱の逃げを低減することができる。特に、発熱回路72を覆っているため、輻射熱の逃げの低減効果は大きい。
【0062】
実施形態3
***振動素子の異なる実装態様***
図13は、実施形態3に係る振動素子の実装後における内側パッケージの内部の平面図であり、図6に対応している。図13では、振動素子6bと、第1集積回路7及び第2集積回路8の重なり態様を抜粋して図示している。
上記実施形態では、水晶基板61、及び、励振電極621,631の形状は矩形であるものとして説明したが、これに限定するものではなく、多角形や、楕円形状であっても良い。以下、上記実施形態と同じ部位には、同じ付番を付し、重複する説明は省略する。
【0063】
図13に示すように、本実施形態の振動素子6bの水晶基板61bは、6角形をなしている。詳しくは、矩形におけるXマイナス方向の2つの頂点部分が面取りされて6角形となっている。これに伴い、励振電極621b,631bも、Xマイナス方向の2つの頂点部分が面取りされて6角形となっている。なお、水晶基板61bの外縁部を研削するベベル加工や、水晶基板61bの上面および下面を凸曲面とするコンベックス加工が施されていても良い。
そして、好適例では、図13に示すように、第1集積回路7、および、第2集積回路8の全体が励振電極621b,631bに覆われている。なお、励振電極621b,631bの形状は、多角形や、円形、楕円形状であっても良く、少なくとも発熱回路72、及び、温度センサー82と重なるように配置されていれば良い。これらの構成であっても、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
また、上記では、第1集積回路7、第2集積回路8は、2チップで構成されるものとして説明したが、この構成に限定するものではなく、1チップで構成されることでも良い。この場合も、励振電極621b,631bの少なくとも一方が、発熱回路72、及び、温度センサー82と重なるように配置されていれば良い。この構成であっても、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0065】
2…外側パッケージ、3…内側パッケージ、3b…内側パッケージ、4…制御IC、5…電圧制御型水晶発振器、6…振動素子、6b…振動素子、7…第1集積回路、8…第2集積回路、10…実装ランド、11…バンプ、12…実装ランド、13…バンプ、15…ベタパターン、16…ベタパターン、21…外側ベース、21a…上面、21b…下面、22…外側リッド、23…封止部材、25…内部配線、27…基板、28…壁部、29…脚部、31…内側ベース、31b…下面、32…内側リッド、33…封止部材、35…端子、41…温度制御用回路、42…PLL回路、43…出力バッファー回路、51…パッケージ、52…ベース、52a…上面、52b…下面、53…リッド、54…封止部材、55…振動素子、59…回路素子、61…水晶基板、61b…水晶基板、72…発熱回路、73…端子、81…発振回路、82…温度センサー、83…端子、90…実装面、100…発振器、200…外部装置、211…上側凹部、211a…第1上側凹部、211b…第2上側凹部、211c…第3上側凹部、212…下側凹部、241…端子、243…内部端子、244…外部端子、245…側面端子、311…凹部、311a…第1凹部、311b…第2凹部、311c…第3凹部、341…端子、342…端子、343…端子、421…第1位相比較器、422…第1ローパスフィルター、423…電圧制御型発振器、424…第1分周器、425…第2位相比較器、426…第2ローパスフィルター、427…第2分周器、521…凹部、521a…第1凹部、521b…第2凹部、521c…第3凹部、551…水晶基板、553a…励振電極、553b…パッド電極、553c…引出電極、561…内部端子、562…内部端子、564…外部端子、591…発振回路、621…励振電極、621b…励振電極、622…パッド電極、631…励振電極、631b…励振電極、632…パッド電極、B1~B4…接合部材、BW1~BW6…ボンディングワイヤー、L1…距離、L2…距離、S2…外側収容空間、S3…内側収容空間、S5…収容空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13