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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156356
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20241029BHJP
   D06F 58/24 20060101ALI20241029BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20241029BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
D06F58/02 F
D06F58/24
F28D1/047 C
F28F1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070751
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(72)【発明者】
【氏名】季 恒
【テーマコード(参考)】
3B166
3L103
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA05
3B166AA24
3B166AB23
3B166AB30
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA45
3B166BA54
3B166BA55
3B166BA73
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CC02
3B166CD01
3B166CD15
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE02
3B166DE04
3B166EA02
3B166EA03
3B166EA14
3B166EA18
3B166EB03
3B166EB17
3B166EC02
3B166EC12
3B166EC22
3B166EC40
3B166ED01
3B166ED02
3B166ED05
3B166EE01
3B166GA02
3B166GA14
3B166GA22
3B166JM03
3L103AA35
3L103BB50
3L103CC17
3L103CC22
3L103DD04
3L103DD33
3L103DD42
(57)【要約】
【課題】熱交換器の段数を低減しても、乾燥機能の低下を抑制することができる衣類乾燥機を提供する。
【解決手段】衣類乾燥機1は、筐体2と、外槽3と、内槽4と、乾燥機構30とを備え、乾燥機構30は、通風路31と、通風路31において空気流を発生させる送風機32と、通風路31を流れる空気を冷却することによって除湿を行う冷却器40と、通風路31を流れる空気の加熱を行う加熱器50とを有する。冷却器40および加熱器50の各々は、冷媒を用いた熱交換器を有し、熱交換器は、延伸と折り返しとを繰り返すミアンダ形状に配置されており、冷媒が流れる冷媒管と、ミアンダ形状における隣り合う冷媒管の間に跨って配置された複数の伝熱フィンとを有し、冷却器40の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向と、加熱器50の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向とは、同一である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されており、排気口と給気口とを有する外槽と、
前記外槽の内部に回転可能に配置されており、衣類が収容される内槽と、
前記排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気の除湿および加熱を行い、除湿および加熱を行った空気を前記給気口に供給する乾燥機構と、
を備え、
前記乾燥機構は、
前記排気口に接続された上流端と、前記給気口に接続された下流端とを有する通風路と、
前記通風路に配置されており、前記通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、
前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気を冷却することによって除湿を行う冷却器と、
前記通風路において前記冷却器の下流側に配置されており、前記通風路を流れる空気の加熱を行う加熱器と、
を有し、
前記冷却器および前記加熱器の各々は、冷媒を用いた熱交換器を有し、
前記熱交換器の各々は、
前記空気流の方向に交差する前記通風路の断面において、延伸と折り返しとを繰り返すミアンダ形状に配置されており、前記冷媒が流れる冷媒管と、
前記空気流の方向に沿った面を有する平板形状であり、ミアンダ形状における隣り合う前記冷媒管の間に跨って配置された複数の伝熱フィンと、
を有し、
前記冷却器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向と、前記加熱器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向とは、同一である、
衣類乾燥機。
【請求項2】
前記冷却器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向、および、前記加熱器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向は、鉛直方向である、請求項1に記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
前記冷却器および前記加熱器の各々は、前記熱交換器の水平方向の一方側に配置された一対のヘッド部をさらに備え、
前記一対のヘッド部の一方の配置位置は、前記一対のヘッド部の他方の配置位置よりも低く、
前記熱交換器の前記冷媒管は、
前記一対のヘッド部の一方に接続された一方端と、
前記一対のヘッド部の他方に接続された他方端と、
前記一方端から、鉛直方向に延伸と折り返しとを繰り返して、水平方向に延在するミアンダ部分と、
前記ミアンダ部分から、前記ミアンダ部分の上方において、水平方向に前記他方端まで延在する直線部分と、
を有し、
前記加熱器の前記一対のヘッド部の他方の配置位置は、前記冷却器の前記一対のヘッド部の他方の配置位置よりも低く、
前記加熱器の前記熱交換器の前記冷媒管の前記直線部分の前記他方端側の端部は、前記一対のヘッド部の他方に向けて斜め下方に傾斜している、
請求項2に記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
前記冷媒管の各々は、
前記空気流の方向に沿った面を有する扁平形状であり、
内部に、前記冷媒が流れる複数の冷媒流路が配列されたマイクロチャネル構造である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
【請求項5】
前記通風路において、前記冷却器の配置領域と前記加熱器の配置領域との間には、排水領域が配置されており、
前記通風路の内底面であって、前記排水領域と前記冷却器の配置領域との間には、これらの領域を仕切る冷却器側仕切リブが配置されており、
前記通風路の内底面であって、前記排水領域と前記加熱器の配置領域との間には、これらの領域を仕切る加熱器側仕切リブが配置されており、
前記冷却器側仕切リブには、前記冷却器の配置領域から前記排水領域への排水のための冷却器側開口が形成されており、
前記加熱器側仕切リブには、前記加熱器の配置領域から前記排水領域への排水のための加熱器側開口が形成されており、
前記通風路の前記排水領域の内底面には、前記冷却器側開口から前記加熱器側開口への空気流を遮る遮断リブが配置されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、乾燥機能に加え、洗濯機能を有する洗濯乾燥機が開示されている。この洗濯乾燥機は、筐体と、筐体の内部に配置された外槽と、外槽の内部に回転可能に配置された内槽と、外槽の排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気の除湿および加熱を行い、除湿および加熱を行った空気を外槽の給気口に供給する乾燥機構とを備える。乾燥機構は、外槽の排気口に接続された上流端と、外槽の給気口に接続された下流端とを有する通風路と、通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、通風路を流れる空気を冷却することによって除湿を行う冷却器と、通風路を流れる空気の加熱を行う加熱器とを有する。
【0003】
冷却器は、冷媒を用いた3つの熱交換器を有し、加熱器は、冷媒を用いた4つの熱交換器を有する。熱交換器の各々は、空気流の方向に交差する通風路の断面においてミアンダ形状に配置されており、冷媒が流れる冷媒管と、空気流の方向に沿った面を有する平板形状であり、ミアンダ形状における隣り合う冷媒管の間に跨って配置された複数の伝熱フィンとを有する。冷却器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向は鉛直方向であり、加熱器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向は水平方向である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-182591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗濯乾燥機のサイズ(容量)は大小様々であるが(例えば12kg~6kg)、例えサイズが小さくなっても、乾燥機能(例えば乾燥時間)は同等であることが求められる。洗濯乾燥機のサイズが大きい場合、熱交換器のために比較的に大きい実装空間を得ることができ、熱交換器を多段にして乾燥機能を高めることが可能である。一方、洗濯乾燥機のサイズが小さい場合、熱交換器のための実装空間が制限され、熱交換器の段数を低減する必要があり、乾燥機能が低下してしまう。
【0006】
本開示は、熱交換器の段数を低減しても、乾燥機能の低下を抑制することができる衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示に係る衣類乾燥機は、筐体と、前記筐体の内部に配置されており、排気口と給気口とを有する外槽と、前記外槽の内部に回転可能に配置されており、衣類が収容される内槽と、前記排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気の除湿および加熱を行い、除湿および加熱を行った空気を前記給気口に供給する乾燥機構とを備える。前記乾燥機構は、前記排気口に接続された上流端と、前記給気口に接続された下流端とを有する通風路と、前記通風路に配置されており、前記通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気を冷却することによって除湿を行う冷却器と、前記通風路において前記冷却器の下流側に配置されており、前記通風路を流れる空気の加熱を行う加熱器とを有する。前記冷却器および前記加熱器の各々は、冷媒を用いた熱交換器を有し、前記熱交換器の各々は、前記空気流の方向に交差する前記通風路の断面において、延伸と折り返しとを繰り返すミアンダ形状に配置されており、前記冷媒が流れる冷媒管と、前記空気流の方向に沿った面を有する平板形状であり、ミアンダ形状における隣り合う前記冷媒管の間に跨って配置された複数の伝熱フィンとを有し、前記冷却器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向と、前記加熱器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向とは、同一である。
【0008】
本開示に係る衣類乾燥機によれば、冷却器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向と、加熱器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向とが同一であるので、特許文献1に開示のように、冷却器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向と、加熱器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向とが交差する形態と比較して、冷媒管による空気抵抗を低減することができる。そのため、空気流の速度を高めることができ、その結果、熱交換器の段数を低減しても、乾燥機能(例えば乾燥時間)の低下を抑制することができる。
【0009】
(2)(1)に記載の衣類乾燥機において、前記冷却器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向、および、前記加熱器の前記熱交換器の前記冷媒管のミアンダ形状の延伸方向は、鉛直方向であってもよい。
【0010】
ここで、ドラム式の円筒形状の外槽を備える筐体の角部における三角形状の実装空間への実装性(実装効率)、および、コンプレッサに対する冷媒配管の実装性(実装効率)等を考慮すると、熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向は鉛直方向の方が好ましい。しかし、下から上へ冷媒を流す箇所が多いと、冷媒の循環性が低下する可能性がある。特許文献1では、熱交換器の段数が3+4段と多いことから、加熱器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向を水平方向とした。この点に関し、上述したように、本開示に係る衣類乾燥機によれば、熱交換器の段数を低減できるので、全ての熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向を鉛直方向とすることが可能となる。
【0011】
(3)(2)に記載の衣類乾燥機において、前記冷却器および前記加熱器の各々は、前記熱交換器の水平方向の一方側に配置された一対のヘッド部をさらに備え、前記一対のヘッド部の一方の配置位置は、前記一対のヘッド部の他方の配置位置よりも低くてもよい。前記熱交換器の前記冷媒管は、前記一対のヘッド部の一方に接続された一方端と、前記一対のヘッド部の他方に接続された他方端と、前記一方端から、鉛直方向に延伸と折り返しとを繰り返して、水平方向に延在するミアンダ部分と、前記ミアンダ部分から、前記ミアンダ部分の上方において、水平方向に前記他方端まで延在する直線部分とを有していてもよい。前記加熱器の前記一対のヘッド部の他方の配置位置は、前記冷却器の前記一対のヘッド部の他方の配置位置よりも低く、前記加熱器の前記熱交換器の前記冷媒管の前記直線部分の前記他方端側の端部は、前記一対のヘッド部の他方に向けて斜め下方に傾斜していてもよい。
【0012】
ここで、衣類乾燥機の前側に配置される加熱器は、上部に配置される部材と干渉する可能性がある。例えば、加熱器は、筐体の上面板(天板)の縁の折り返しのうち、前側の縁の下側への折り返し部分と干渉する可能性がある。この点に関し、本開示に係る衣類乾燥機によれば、比較的に上部に出っ張る可能性があるヘッド部の配置位置を低くすることにより、上部に配置される部材(例えば、筐体の上面板(天板)の前側の縁の下側への折り返し部分)と加熱器との干渉を抑制することができる。また、冷媒管の端部がヘッド部に向けて斜め下方に傾斜することにより、ヘッド部の配置位置を低くしたことにより冷媒管の端部を直角に曲げる形態と比較して、冷媒の流れの低下を抑制することができる。
【0013】
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の衣類乾燥機において、冷媒管の各々は、前記空気流の方向に沿った面を有する扁平形状であり、内部に、前記冷媒が流れる複数の冷媒流路が配列されたマイクロチャネル構造であってもよい。
【0014】
これによれば、冷媒による熱交換効率を向上することができ、冷却器による除湿効率および加熱器による加熱効率を向上することができる。
【0015】
(5)(1)から(3)のいずれかに記載の衣類乾燥機において、前記通風路において、前記冷却器の配置領域と前記加熱器の配置領域との間には、排水領域が配置されており、前記通風路の内底面であって、前記排水領域と前記冷却器の配置領域との間には、これらの領域を仕切る冷却器側仕切リブが配置されており、前記通風路の内底面であって、前記排水領域と前記加熱器の配置領域との間には、これらの領域を仕切る加熱器側仕切リブが配置されており、前記冷却器側仕切リブには、前記冷却器の配置領域から前記排水領域への排水のための冷却器側開口が形成されており、前記加熱器側仕切リブには、前記加熱器の配置領域から前記排水領域への排水のための加熱器側開口が形成されており、前記通風路の前記排水領域の内底面には、前記冷却器側開口から前記加熱器側開口への空気流を遮る遮断リブが配置されていてもよい。
【0016】
ここで、上述したように、空気流の速度を高め、熱交換器の段数を低減すると、冷却器の配置領域と加熱器の配置領域との間の排水領域における空気流の速度が速くなる。すると、通風路の内底面側において、冷却器の除湿により生じ、冷却器の配置領域から冷却器側仕切リブの冷却器側開口を介して排水領域へ流れる排水が、速い空気流によって、加熱器側仕切リブの加熱器側開口を介して加熱器の配置領域に導かれる可能性がある。冷却器の除湿により生じた排水が加熱器に導かれると、乾燥効率(例えば乾燥時間)が低下してしまう。この点に関し、本開示に係る衣類乾燥機によれば、通風路の排水領域の内底面には、冷却器側開口から加熱器側開口への空気流を遮る遮断リブが配置されているので、通風路の内底面側において、冷却器の除湿により生じ、冷却器の配置領域から冷却器側仕切リブの冷却器側開口を介して排水領域へ流れる排水が、速い空気流によって、加熱器側仕切リブの加熱器側開口を介して加熱器の配置領域に導かれることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、衣類乾燥機において、熱交換器の段数を低減しても、乾燥機能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を断面的に示す模式図である。
図2図1に示す洗濯乾燥機における外槽の後半分および乾燥機構の一例を示す斜視図である。
図3図2に示す乾燥機構の通風路の一部の内部における冷却器および加熱器を示す上面図である。
図4図3に示す冷却器および加熱器を示す左側面図である。
図5図3に示す冷却器および加熱器を示す前面図である。
図6図3図5に示す冷却器を示す斜視図である。
図7図3図5に示す加熱器を示す斜視図である。
図8図6および図7に示す冷却器および加熱器における熱交換器の冷媒管の断面図である。
図9図3に示す通風路の一部の内底面の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0020】
また、以下では、本開示の実施形態として、洗濯機能および乾燥機能を備える洗濯乾燥機について例示するが、本開示はこれに限定されず、洗濯機能を備えず、乾燥機能のみを備える衣類乾燥機にも適用可能である。
【0021】
(洗濯乾燥機)
図1は、本開示の実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を断面的に示す模式図である。図1および後述の図面には、XYZ直交座標系が示されている。X方向は洗濯乾燥機の左右方向であり、Y方向は洗濯乾燥機の前後方向であり、Z方向は洗濯乾燥機の上下方向である。
【0022】
図1に示す洗濯乾燥機1は、いわゆるドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機1は、筐体2の内部に、外槽3と、内槽4と、給水路6と、排水路7と、モータ8と、コンプレッサ10と、PFC(Power Factor Correction)回路ユニット11と、制御装置12と、乾燥機構30とを備える。
【0023】
筐体2の前面には、内槽4に洗濯乾燥対象物である衣類を出し入れするための扉2Aが設けられている。扉2Aが閉じているとき、外槽3は、例えばゴム部材で構成されたパッキンを介して扉2Aによって密閉される。
【0024】
外槽3は、洗濯動作時には水を溜める洗濯槽として機能し、乾燥動作時には乾燥槽として機能する。外槽3の上部には、洗濯動作時、外槽3に水を給水するための給水路6が設けられており、給水路6には、給水制御のための給水弁6Aが設けられている。また、外槽3の下部には、洗濯動作時、外槽3の水を排水するための排水路7が設けられており、排水路7には、排水制御のための排水弁7Aが設けられている。
【0025】
外槽3の内部には、内槽4が設けられており、外槽3の後側中央には、モータ8が設けられている。内槽4は、洗濯動作時および乾燥動作時、モータ8によって回転軸8Aで回転される。外槽3の下部は、洗濯動作時および乾燥動作時に振動を防止する防振機構3Cによって支持されていてもよい。
【0026】
乾燥機構30は、乾燥動作時、外槽3から空気を取り込み、取り込んだ空気の除湿および加熱を行い、除湿および加熱を行った空気を外槽3に戻す。乾燥機能の詳細は後述する。
【0027】
コンプレッサ10は、乾燥機構30における、後述する熱交換器に圧縮された冷媒を供給する。
【0028】
PFC回路ユニット11は、交流電力の力率を改善する回路ユニットである。これにより、内槽4の回転数を高めても、洗濯乾燥機1の発熱を抑制することができる。例えば、従来の内槽4の回転数1400rpmから1600rpmまで高めても、洗濯乾燥機1の発熱を従来同等まで抑制することができた。このように、内槽4の回転数を高めることにより、脱水機能を向上することができ、脱水時間を短縮することができる。
【0029】
制御装置12は、洗濯乾燥機1の全体制御を行う。例えば、制御装置12は、洗濯動作および乾燥動作の制御を行う。また、制御装置12は、給水弁6A、排水弁7A、モータ8、コンプレッサ10、PFC回路ユニット11および乾燥機構30の制御を行う。
【0030】
制御装置12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサで構成される。制御装置12の各種機能は、例えば記憶部に格納された所定のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現される。制御装置12の各種機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のメモリで構成される。記憶部は、制御装置12の各種機能を実現する所定のソフトウェア(プログラム)を記憶する。
【0031】
(乾燥機構)
次に、図1図9を参照して、乾燥機構30について説明する。図2は、図1に示す洗濯乾燥機1における外槽3の後半分および乾燥機構30の一例を示す斜視図であり、図3は、図2に示す乾燥機構30の通風路31の一部の内部における冷却器40および加熱器50を示す上面図である。図4は、図3に示す冷却器40および加熱器50を示す左側面図であり、図5は、図3に示す冷却器40および加熱器50を示す前面図である。図6は、図3図5に示す冷却器40を示す斜視図であり、図7は、図3図5に示す加熱器50を示す斜視図であり、図8は、図6および図7に示す冷却器40および加熱器50における熱交換器41,51の冷媒管42,52の断面図である。図9は、図3に示す通風路31の一部の内底面の一例を示す斜視図である。
【0032】
乾燥機構30は、通風路(ダクト)31と、送風機32と、フィルタ33と、冷却器40と、加熱器50とを備える。
【0033】
乾燥機構30は、外槽3の排気口3Aから空気を取り込み、取り込んだ空気の除湿および加熱を行い、除湿および加熱を行った空気を外槽3の給気口3Bに供給する。排気口3Aは、例えば図1および図2に示すように、外槽3の後側内面(または横側内面)において、モータ8の回転軸8Aに対して右側に配置されている。給気口3Bは、例えば図1および図2に示すように、外槽3の上側または前側(例えば扉2Aの周囲)に配置されている。
【0034】
通風路31は、上流端と下流端とを有し、外槽3の後側から上側に延在する。通風路31の上流端は、外槽3の排気口3Aに接続されており、通風路31の下流端は、外槽3の給気口3Bに接続されている。通風路31には、上流側から順に、送風機32、フィルタ33、冷却器40および加熱器50が配置されている。
【0035】
送風機32は、通風路31において、上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる。これにより、外槽3における空気が通風路31に取り込まれる。
【0036】
フィルタ33は、通風路31を流れる空気に含まれる、糸くず等の異物を捕集する。フィルタ33は、付着した糸くず等の異物を水洗浄するお掃除機能を有していてもよい。
【0037】
冷却器40は、低温の冷媒を用いた熱交換器であり、通風路31を流れる空気を冷却することによって空気の除湿を行う。
【0038】
加熱器50は、高温の冷媒を用いた熱交換器であり、通風路31を流れる空気の加熱を行う。このようにして、加熱された空気は、外槽3に戻される。
【0039】
図3に示すように、冷却器40および加熱器50には、コンプレッサ10によって循環される冷媒が流れる。コンプレッサ10によって圧縮された高温の冷媒は、冷媒配管21を介して加熱器50の冷媒入口50Aに供給される。加熱器50の冷媒出口50Bから排出される冷媒は、膨張弁であるキャピラリーチューブ23を有する冷媒配管22を流れる。これにより、冷媒が減圧される。減圧された低温の冷媒は、冷媒配管22を介して冷却器40の冷媒入口40Aに供給される。冷却器40の冷媒出口40Bから出力される冷媒は、冷媒配管24を介してコンプレッサ10に戻る。このように、冷却器40、加熱器50、コンプレッサ10、キャピラリーチューブ(膨張弁)23および各冷媒配管21,22,24は、ヒートポンプを構成する。
【0040】
図4図5および図6に示すように、冷却器40は、空気流の方向に配置された2つの熱交換器41と、これらの熱交換器41を接続する一対のヘッド部45,46とを有する。熱交換器41の各々は、冷媒が流れる冷媒管42と、複数の伝熱フィン43とを有する。冷媒管42および伝熱フィン43は、アルミニウムなどの熱伝導性に優れる材料により構成される。
【0041】
冷媒管42は、空気流の方向に沿った面を有する扁平形状である。図8に示すように、冷媒管42は、内部に、冷媒が流れる複数の小さな冷媒流路42Cが配列されている。このように、複数の小さな冷媒流路を有する構造は、マイクロチャネル構造と称される。
【0042】
冷媒管42は、空気流の方向に交差する通風路31の断面において主にミアンダ形状に配置されている。図4図5および図6の例では、冷媒管42は、一方端から、鉛直方向に延伸と折り返しとを繰り返して、水平方向に延在するミアンダ部分42Aと、ミアンダ部分42Aから、ミアンダ部分42Aの上方において、水平方向に他方端まで延在する直線部分42Bとを有する。冷媒管42の一方端は一方のヘッド部45に接続されており、冷媒管42の他方端は他方のヘッド部46に接続されている。冷媒管42のミアンダ部分42Aは、左側から右側へと向かうに従って、ミアンダ形状の延伸方向の長さが長くなり、その下端の位置が、より下側となるように構成されている。
【0043】
複数の伝熱フィン43は、空気流の方向に沿った面を有する平板形状であり、ミアンダ部分42A、すなわちミアンダ形状における隣り合う冷媒管42の間に跨って配置されている。
【0044】
一対のヘッド部45,46は、熱交換器41の水平方向の左側(一方側)に配置されており、一方のヘッド部45の配置位置は、他方のヘッド部46の配置位置よりも低い。ヘッド部45,46の各々は、細長い円筒形状を有し、冷媒管42に接続されており、内部に冷媒が流れる。一方のヘッド部45の内部には、両端部の位置に、内部を塞ぐ壁部が設けられている。他方のヘッド部46の内部には、両端部の位置と、2つの熱交換器41の間の位置とに、内部を塞ぐ壁が設けられている。ヘッド部46の前側には、冷媒入口40Aが設けられており、ヘッド部46の後側には、冷媒出口40Bが設けられている。
【0045】
2つの熱交換器41、すなわち冷媒管42は、一対のヘッド部45,46により直列接続されている。これにより、冷媒入口40Aから流入した冷媒は、他方のヘッド部46を介して前側の熱交換器41の冷媒管42を流れ、一方のヘッド部45を介して後側の熱交換器41の冷媒管42を流れ、他方のヘッド部46を介して冷媒出口40Bから排出される。
【0046】
図4図5および図7に示すように、加熱器50は、空気流の方向に配置された3つの熱交換器51と、これらの熱交換器51を接続する一対のヘッド部55,56とを有する。熱交換器51の各々は、冷媒が流れる冷媒管52と、複数の伝熱フィン53とを有する。冷媒管52および伝熱フィン53は、アルミニウムなどの熱伝導性に優れる材料により構成される。
【0047】
冷媒管52は、空気流の方向に沿った面を有する扁平形状である。図8に示すように、冷媒管52は、内部に、冷媒が流れる複数の小さな冷媒流路52Cが配列されている。このように、複数の小さな冷媒流路を有する構造は、マイクロチャネル構造と称される。
【0048】
冷媒管52は、空気流の方向に交差する通風路31の断面において主にミアンダ形状に配置されている。図4図5および図7の例では、冷媒管52は、一方端から、鉛直方向に延伸と折り返しとを繰り返して、水平方向に延在するミアンダ部分52Aと、ミアンダ部分52Aから、ミアンダ部分52Aの上方において、水平方向に他方端まで延在する直線部分52Bとを有する。冷媒管52の一方端は一方のヘッド部55に接続されており、冷媒管52の他方端は他方のヘッド部56に接続されている。冷媒管52のミアンダ部分52Aは、左側から右側へと向かうに従って、ミアンダ形状の延伸方向の長さが長くなり、その下端の位置が、より下側となるように構成されている。
【0049】
複数の伝熱フィン53は、空気流の方向に沿った面を有する平板形状であり、ミアンダ部分52A、すなわちミアンダ形状における隣り合う冷媒管52の間に跨って配置されている。
【0050】
一対のヘッド部55,56は、熱交換器51の水平方向の左側(一方側)に配置されており、一方のヘッド部55の配置位置は、他方のヘッド部56の配置位置よりも低い。ヘッド部55,56の各々は、細長い円筒形状を有し、冷媒管52に接続されており、内部に冷媒が流れる。一方のヘッド部55の内部には、両端部の位置と、前側から2番目の熱交換器51と3番目の熱交換器51との間の位置とに、内部を塞ぐ壁部が設けられている。ヘッド部55の後側には、冷媒出口50Bが設けられている。他方のヘッド部56の内部には、両端部の位置と、前側から1番目の熱交換器51と2番目の熱交換器51との間の位置とに、内部を塞ぐ壁が設けられている。ヘッド部56の前側には、冷媒入口50Aが設けられている。
【0051】
3つの熱交換器51、すなわち冷媒管52は、一対のヘッド部55,56により直列接続されている。これにより、冷媒入口50Aから流入した冷媒は、他方のヘッド部56を介して前側から1番目の熱交換器51の冷媒管52を流れ、一方のヘッド部55を介して2番目の熱交換器51の冷媒管52を流れ、他方のヘッド部56を介して3番目の熱交換器51の冷媒管52を流れ、一方のヘッド部55を介して冷媒出口50Bから排出される。
【0052】
図4および図5に示すように、加熱器50の他方のヘッド部56の配置位置は、冷却器40の他方のヘッド部46の配置位置よりも低い。そして、加熱器50の熱交換器51の冷媒管52の直線部分52Bの他方端側の端部は、他方のヘッド部56に向けて斜め下方に傾斜している。
【0053】
図6および図7に示すように、冷却器40の熱交換器41の冷媒管42のミアンダ形状の延伸方向、および、加熱器50の熱交換器51の冷媒管52のミアンダ形状の延伸方向は、鉛直方向である。すなわち、冷却器40の熱交換器41の冷媒管42のミアンダ形状の延伸方向と、加熱器50の熱交換器51の冷媒管52のミアンダ形状の延伸方向とは、同一である。
【0054】
次に、図9を参照して、冷却器40、加熱器50、冷媒配管21,22,24およびフィルタ33の配置領域における通風路31の内底面について説明する。通風路31の一部は、主に5つの領域R40,R50,R60、R20,R33に区切られている。領域R33,R40,R60、R50は、後側から前側に向けて順に配置されており、領域R20は領域R40,R60、R50の左側に配置されている。領域R33はフィルタ33の配置領域であり、領域R40は冷却器40の配置領域であり、領域R50は加熱器50の配置領域である。また、領域R40と領域R50との間の領域R60は排水領域であり、領域20は冷媒配管21,22,24の配置領域である。
【0055】
通風路31の左側の底面31Aは傾斜しており、右側の底面31Bは略水平である。
【0056】
冷却器40の配置領域R40と冷媒配管21,22,24の配置領域R20との間における通風路31の内底面には、仕切リブ71が配置されている。冷却器40の配置領域R40における通風路31の内底面には、左右方向に延在し、冷却器40の2つの熱交換器41を仕切る3つの仕切リブ72が形成されている。仕切リブ72の間における通風路31の内底面には、熱交換器41の各々を支持する支持リブ73が形成されている。
【0057】
3つの仕切リブ72のうち最も排水領域60側の仕切リブ72、すなわち排水領域R60と冷却器40の配置領域R40とを仕切る冷却器側仕切リブ72において、最底面(排水溝)74に対応する箇所には、開口(冷却器側開口)75が形成されている。この開口75により、冷却器40の除湿または結露等により生じる排水を、冷却器40の配置領域R40の最底面(排水溝)74から排水領域R60へ導くことができる。
【0058】
なお、3つの仕切リブ72のうち最もフィルタ33の配置領域R33側の仕切リブ72、すなわち排水領域R60とフィルタ33の配置領域R33とを仕切る仕切リブ72において、最底面に対応する箇所にも、開口76が形成されていてもよい。この開口76によれば、フィルタ33の結露または水洗浄機能等により生じる排水を、フィルタ33の配置領域R33から冷却器40の配置領域R40の最底面(排水溝)74を介して排水領域R60へ導くことができる。
【0059】
加熱器50の配置領域R50と冷媒配管21,22,24の配置領域R20との間における通風路31の内底面には、仕切リブ81が配置されている。加熱器50の配置領域R50における通風路31の内底面には、左右方向に延在し、加熱器50の3つの熱交換器51を仕切る4つの仕切リブ82が形成されている。仕切リブ82の間における通風路31の内底面には、熱交換器51の各々を支持する支持リブ83が形成されている。
【0060】
4つの仕切リブ82のうち最も排水領域60側の仕切リブ82、すなわち排水領域R60と加熱器50の配置領域R50とを仕切る加熱器側仕切リブ82において、最底面(排水溝)84に対応する箇所には、開口(加熱器側加工)85が形成されている。この開口85により、加熱器50の結露等により生じる排水を、加熱器50の配置領域R50の最底面(排水溝)84から排水領域R60へ導くことができる。
【0061】
通風路31の排水領域R60の内底面の最底面には、排水口61が配置されている。排水口61は例えば排水路7に接続されている。また、排水領域R60の内底面の最底面には、開口75から開口85への空気流を遮る遮断リブ65が配置されている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、冷却器40の熱交換器41の冷媒管42のミアンダ形状の延伸方向と、加熱器50の熱交換器51の冷媒管52のミアンダ形状の延伸方向とが同一である。これにより、特許文献1に開示のように、冷却器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向と、加熱器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向とが交差する形態と比較して、冷媒管42,52による空気抵抗を低減することができる。そのため、空気流の速度を高めることができ、その結果、熱交換器41,51の段数を低減しても、乾燥機能(例えば乾燥時間)の低下を抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、冷却器40の熱交換器41の冷媒管42のミアンダ形状の延伸方向、および、加熱器50の熱交換器51の冷媒管52のミアンダ形状の延伸方向は、鉛直方向である。
【0064】
ここで、ドラム式の円筒形状の外槽3を備える筐体2の角部における三角形状の実装空間への実装性(実装効率)、および、コンプレッサ10に対する冷媒配管21,22,24の実装性(実装効率)等を考慮すると、熱交換器41,51の冷媒管42,52のミアンダ形状の延伸方向は鉛直方向の方が好ましい。しかし、下から上へ冷媒を流す箇所が多いと、冷媒の循環性が低下する可能性がある。特許文献1では、熱交換器の段数が3+4段と多いことから、加熱器の熱交換器の冷媒管のミアンダ形状の延伸方向を水平方向とした。この点に関し、上述したように、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、熱交換器41,51の段数を低減できるので、全ての熱交換器41,51の冷媒管42,52のミアンダ形状の延伸方向を鉛直方向とすることが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、加熱器50の他方のヘッド部56の配置位置は、冷却器40の他方のヘッド部46の配置位置よりも低く、加熱器50の熱交換器51の冷媒管52の直線部分52Bの他方端側の端部は、他方のヘッド部56に向けて斜め下方に傾斜している。
【0066】
ここで、衣類乾燥機の前側に配置される加熱器50は、上部に配置される部材と干渉する可能性がある。例えば、加熱器50は、筐体2の上面板(天板)の縁の折り返しのうち、前側の縁の下側への折り返し部分と干渉する可能性がある。この点に関し、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、比較的に上部に出っ張る可能性があるヘッド部56の配置位置を低くすることにより、上部に配置される部材(例えば、筐体2の上面板(天板)の前側の縁の下側への折り返し部分)と加熱器50との干渉を抑制することができる。また、冷媒管52の端部がヘッド部56に向けて斜め下方に傾斜することにより、ヘッド部の配置位置を低くしたことにより冷媒管の端部を直角に曲げる形態と比較して、冷媒の流れの低下を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、冷媒管42,52は、空気流の方向に沿った面を有する扁平形状であり、内部に、冷媒が流れる複数の冷媒流路42C,52Cが配列されたマイクロチャネル構造である。これによれば、冷媒による熱交換効率を向上することができ、冷却器40による除湿効率および加熱器50による加熱効率を向上することができる。
【0068】
ここで、上述したように、空気流の速度を高め、熱交換器41の段数を低減すると、冷却器40の配置領域R40と加熱器50の配置領域R50との間の排水領域R60における空気流の速度が速くなる。すると、通風路31の内底面側において、冷却器40の除湿により生じ、冷却器40の配置領域R40から冷却器側仕切リブ72の冷却器側開口75を介して排水領域R60へ流れる排水が、速い空気流によって、加熱器側仕切リブ82の加熱器側開口85を介して加熱器50の配置領域R50に導かれる可能性がある。冷却器40の除湿により生じた排水が加熱器50に導かれると、乾燥効率(例えば乾燥時間)が低下してしまう。
【0069】
この点に関し、本実施形態の衣類乾燥機1によれば、通風路31の排水領域R60の内底面には、冷却器側開口75から加熱器側開口85への空気流を遮る遮断リブ65が配置されている。これにより、通風路31の内底面側において、冷却器40の除湿により生じ、冷却器40の配置領域R40から冷却器側仕切リブ72の冷却器側開口75を介して排水領域R60へ流れる排水が、速い空気流によって、加熱器側仕切リブ82の加熱器側開口85を介して加熱器50の配置領域R50に導かれることを抑制することができる。
【0070】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、洗濯機能および乾燥機構を備える洗濯乾燥機について説明した。しかし、本開示の特徴は、これに限定されず、乾燥機能を備える衣類乾燥機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 洗濯乾燥機(衣類乾燥機)
2 筐体
2A 扉
3 外槽
3A 排気口
3B 給気口
3C 防振機構
4 内槽
6 給水路
6A 給水弁
7 排水路
7A 排水弁
8 モータ
8A 回転軸
10 コンプレッサ
11 PFC回路ユニット
12 制御装置
21,22,24 冷媒配管
23 キャピラリーチューブ(膨張弁)
30 乾燥機構
31 通風路(ダクト)
31A 底面(傾斜)
32B 底面(水平)
32 送風機
33 フィルタ
40 冷却器
40A 冷媒入口
40B 冷媒出口
41 熱交換器
42 冷媒管
42A ミアンダ部分
42B 直線部分
42C 冷媒流路
43 伝熱フィン
45,46 ヘッド部
50 加熱器
50A 冷媒入口
50B 冷媒出口
51 熱交換器
52 冷媒管
52A ミアンダ部分
52B 直線部分
52C 冷媒流路
53 伝熱フィン
55,56 ヘッド部
61 排水口
65 遮断リブ
71,72,81,82 仕切リブ
73,83 支持リブ
74,84 最底面(排水溝)
75,76,85 開口
R20 冷媒配管の配置領域
R33 フィルタの配置領域
R40 冷却器の配置領域
R50 加熱器の配置領域
R60 排水領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9