(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156359
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/18 20060101AFI20241029BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20241029BHJP
H05K 3/24 20060101ALI20241029BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241029BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H05K1/18 J
H05K3/34 501E
H05K3/24 A
H01L23/12 501B
H01L21/92 602D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070757
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西脇 千朗
【テーマコード(参考)】
5E319
5E336
5E343
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB05
5E319AC02
5E319AC18
5E319BB02
5E319CC33
5E319GG15
5E319GG20
5E336AA04
5E336AA09
5E336BB02
5E336BB16
5E336BC15
5E336BC28
5E336CC31
5E336EE03
5E336GG07
5E343AA02
5E343AA07
5E343AA17
5E343BB24
5E343BB34
5E343BB44
5E343DD33
5E343DD43
5E343EE17
5E343GG03
5E343GG08
5E343GG18
5E343GG20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い品質を有するプリント配線板を提供する。
【解決手段】プリント配線板10は、第1実装エリアA1と第2実装エリアA2を有する最上の樹脂絶縁層12、複数の第1パッド14aと複数の第2パッド14bを有する最上の導体層14、第1パッド14aに至る複数の第1開口16aと第2パッド14bに至る複数の第2開口16bとを有する上側のソルダーレジスト層16、第1パッド14aの上に形成されている第1電子部品搭載用の金属バンプ20及び第2パッド14bの上に形成されている第2電子部品搭載用の半田バンプ42を有する。金属バンプ20は、めっきで形成されていて、第1開口16a内に形成されている第1部分24と第1部分24から延びていて第1開口16a周りのソルダーレジスト層16上に形成されている第2部分28からなり、第1実装エリアA1と第2実装エリアA2との間の距離が0.5mm以上1.5mm以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1実装エリアと第2実装エリアを有する最上の樹脂絶縁層と、
前記第1実装エリア内の前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている複数の第1パッドと前記第2実装エリア内の前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている複数の第2パッドを有する最上の導体層と、
前記最上の樹脂絶縁層と前記最上の導体層上に形成されていて、前記第1パッドのそれぞれに至る複数の第1開口と前記第2パッドのそれぞれに至る複数の第2開口とを有する上側のソルダーレジスト層と、
前記第1パッドのそれぞれの上に形成されている第1電子部品搭載用の金属バンプと、
前記第2パッドのそれぞれの上に形成されている第2電子部品搭載用の半田バンプ、
とを有するプリント配線板であって、
前記金属バンプはめっきで形成されていて、前記金属バンプは前記第1開口内に形成されている第1部分と前記第1部分から延びていて前記第1開口周りの前記ソルダーレジスト層上に形成されている第2部分で形成され、前記第1実装エリアと前記第2実装エリアとの間の距離(距離X)が0.5mm以上1.5mm以下である。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、さらに、第3実装エリアを有し、前記第1実装エリアと前記第3実装エリアとの間の距離(距離Y)が0.5mm以上1.5mm以下であって、前記距離Xと前記Yは異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1の導体パッドと第2の導体パッド、第3の導体パッドを有するプリント配線板を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
特許文献1は、第1の導体パッドに半導体チップを搭載し、第3の導体パッド上にコンデンサを搭載している。一般的に、半導体チップを実装するためのバンプが形成される時、フラックスが用いられる。特許文献1の
図1によれば、第1の導体パッドと第2の導体パッドが近くに配置されている。そのため、半導体チップ実装用のバンプを形成するためのフラックスが第3の導体パッド上に到達すると予想される。リフローの間にそのフラックスが第3の導体パッドに強固に接着すると考えられる。その場合、第3の導体パッドからフラックスを除去することが困難であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、第1実装エリアと第2実装エリアを有する最上の樹脂絶縁層と、前記第1実装エリア内の前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている複数の第1パッドと前記第2実装エリア内の前記最上の樹脂絶縁層上に形成されている複数の第2パッドを有する最上の導体層と、前記最上の樹脂絶縁層と前記最上の導体層上に形成されていて、前記第1パッドのそれぞれに至る複数の第1開口と前記第2パッドのそれぞれに至る複数の第2開口とを有する上側のソルダーレジスト層と、前記第1パッドのそれぞれの上に形成されている第1電子部品搭載用の金属バンプと、前記第2パッドのそれぞれの上に形成されている第2電子部品搭載用の半田バンプ、とを有する。前記金属バンプはめっきで形成されていて、前記金属バンプは前記第1開口内に形成されている第1部分と前記第1部分から延びていて前記第1開口周りの前記ソルダーレジスト層上に形成されている第2部分で形成され、前記第1実装エリアと前記第2実装エリアとの間の距離(距離X)が0.5mm以上1.5mm以下である。
【0006】
本発明の実施形態では、第1パッド上に第1電子部品搭載用の金属バンプが形成されている。第1実装エリア内の金属バンプ上にフラックスが塗布されると、フラックスが第1実装エリアから広がる。第1実装エリアと第2実装エリアとの間の距離Xは0.5mm以上である。第1実装エリアと第2実装エリアが遠い。そのため、第1実装エリアから広がるフラックスは、第2実装エリアに到達し難い。リフローの間にフラックスが第2パッドに強固に接着し難い。実施形態のプリント配線板では、第2パッドと半田バンプ間の接続信頼性が高い。距離は1.5mm以下である。プリント配線板のサイズを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
【
図2A】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2B】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2C】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2D】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2E】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2F】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2G】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2H】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図2I】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図3】実施形態のプリント配線板の実装エリアを模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態のプリント配線板>
図1は、実施形態のプリント配線板10の断面図である。
図1に示されるように、プリント配線板10は、最上に配置される樹脂絶縁層(最上の樹脂絶縁層)12と、樹脂絶縁層12上に形成されている導体層(最上の導体層)14と、樹脂絶縁層12及び導体層14上に形成されているソルダーレジスト層(上側のソルダーレジスト層)16を有する。
【0009】
樹脂絶縁層12は、無機フィラーとエポキシ系樹脂とを含む樹脂組成物等で形成されている。無機フィラーの例はシリカやアルミナである。樹脂絶縁層12は第1面Fと第1面Fと反対側の第2面Bを有する。
図3に示されるように、樹脂絶縁層12の第1面Fは、第1実装エリアA1と第2実装エリアA2を有する。樹脂絶縁層12の第1面Fは第3実装エリアA3を有してもよい。第1実装エリアA1と第2実装エリアA2の間の距離Xは、0.5[mm]以上1.5[mm]以下である。第1実装エリアA1と第3実装エリアA3の間の距離Yは、0.5[mm]以上1.5[mm]以下である。距離Xと距離Yは異なることが好ましい。
【0010】
導体層14は、複数の第1パッド14aと複数の第2パッド14bを有する。全第1パッド14aは、第1実装エリアA1内の樹脂絶縁層12の第1面F上に形成されている。全第2パッド14bは、第2実装エリアA2内の樹脂絶縁層12の第1面F上に形成されている。第3実装エリアA3が存在する場合、導体層14は複数の第3パッド14cを有する。全第3パッド14cは、第3実装エリアA3内の樹脂絶縁層12の第1面F上に形成されている。
【0011】
ソルダーレジスト層16は、複数の第1パッド14aのそれぞれに至る複数の第1開口16aと、複数の第2パッド14bのそれぞれに至る第2開口16bを有している。第3パッド14cが存在する場合、ソルダーレジスト層16は複数の第3パッド14cのそれぞれに至る第3開口16cを有している。
【0012】
プリント配線板10はさらに、各第1パッド14a上に形成されている金属バンプ20と各第2パッド14b上に形成されている半田バンプ42を有している。第3パッド14cが存在する場合、プリント配線板10は各第3パッド14c上に形成されている半田バンプ43を有している。第1電子部品51が金属バンプ20を介してプリント配線板10上に搭載される。第2電子部品52が半田バンプ42を介してプリント配線板10上に搭載される。第3電子部品53が半田バンプ43を介してプリント配線板10上に搭載される。
【0013】
半田バンプ42と第2パッド14bの間に金属層18が形成されている。半田バンプ43が存在する場合、半田バンプ43と第3パッド14cの間に金属層18が形成されている。金属層18は導体層14と異なる金属で形成されている。金属層18の例は金である。
【0014】
金属バンプ20は、第1パッド14a上に金属層18を介さず直接形成されている。金属バンプ20と第1パッド14aは同種の金属で形成されている。金属バンプ20と第1パッド14aは銅で形成される。金属バンプ20は、めっきで形成される。金属バンプ20は、第1開口16a内に形成されている第1部分24と第1部分24上の第2部分28で形成されている。第1部分24と第2部分28は一体的に形成されている。第2部分28は第1開口16aの周りのソルダーレジスト層16上まで延びている。
図2Hに示されるように、プリント配線板10は第2部分28上にスズ層29を有しても良い。第2部分28とスズ層29間にニッケル層26が形成されても良い。リフロー処理により、スズ層29の形状は層状の形状から
図1に示されるような略半球状の形状に変化する。金属バンプ20上にスズバンプ30が形成される。
【0015】
<実施形態のプリント配線板の製造方法>
図2A~
図2Iは実施形態のプリント配線板10の製造方法を示す。
図2A~
図2Iは断面図である。
【0016】
図2Aは、第1面Fと第2面Bを有する樹脂絶縁層12と樹脂絶縁層12の第1面F上の導体層14と樹脂絶縁層12と導体層14上のソルダーレジスト層16を有する中間体を示す。導体層14はセミアディティブ法によって形成される。導体層14は第1パッド14aと第2パッド14bと第3パッド14cを含む。樹脂絶縁層12の第1面Fは第1実装エリアA1と第2実装エリアA2と第3実装エリアA3を有する。全第1パッド14aは第1実装エリアA1内に形成され、全第2パッド14bは第2実装エリアA2内に形成され、全第3パッド14cは第3実装エリアA3内に形成されている。
【0017】
図2Bに示されるように、ソルダーレジスト層16にレーザ等により複数の第2開口16bと複数の第3開口16cが形成される。各第2開口16bは、各第2パッド14bに至る。各第3開口16cは、各第3パッド14cに至る。
【0018】
図2Cに示されるように、第2パッド14bと第3パッド14c上に金からなる金属層18が形成される。
【0019】
図2Dに示されるように、ソルダーレジスト層16にレーザ等により複数の第1開口16aが形成される。各第1開口16aは各第1パッド14aに至る。
【0020】
図2Eに示されるように、シード層36が形成される。シード層36は、ソルダーレジスト層16の上面上と、第1開口16aと第2開口16bと第3開口16cの内壁面上と、第1開口16aから露出する第1パッド14a上と第2開口16bから露出する金属層18上と第3開口16cから露出する金属層18上に形成される。
【0021】
図2Fに示されるように、シード層36上にめっきレジスト38が形成される。めっきレジスト38は、金属バンプ20(
図1)を形成するための開口38aを有する。
【0022】
図2Gに示されるように、電解めっき処理により金属バンプ20が形成される。開口16aを充填している第1部分24と第1部分24上の第2部分28からなる金属バンプ20が形成される。第1部分24と第2部分28は連続している。金属バンプ20の頂部24a上にニッケル層26とスズ層29が形成される。
【0023】
図2Hに示されるように、めっきレジスト38が除去される。金属バンプ20から露出するシード層36が除去される。
【0024】
第1実装エリアA1の全面にフラックスが塗布される。第1実装エリアA1内の全金属バンプ20はフラックスで覆われる。第1実装エリアA1内のフラックスは第1実装エリアA1から外へ広がりやすい。実施形態では、第1実装エリアA1と第2実装エリアA2間の距離Xは0.5mm以上である。そのため、第1実装エリアA1と第2実装エリアA2が遠い。そのため、第1実装エリアA1から広がるフラックスは、第2実装エリアA2に到達し難い。
図2Iに示されるように、リフロー処理が行われる。スズ層29から略半球の形状を有するスズバンプ30が金属バンプ20上に形成される。この時、第2実装エリアA2内の第2パッド14b上にフラックスが到達していないので、第2パッド14bにフラックスが固着しない。フラックスが除去される。
【0025】
第2パッド14bと第3パッド14c上に半田バンプ42、43が形成される。この時、スズバンプ30を形成するためのフラックス(第1実装エリアA1内のフラックス)が第2パッド14bと第3パッド14cに固着していない。そのため、第2パッド14bと半田バンプ42間の接続信頼性が高い。第3パッド14cと半田バンプ43間の接続信頼性が高い。実施形態のプリント配線板10(
図1参照)が得られる。
図1ではシード層36の図示は省略されている。
【符号の説明】
【0026】
10 :プリント配線板
12 :樹脂絶縁層
14 :導体層
14a :第1パッド
14b :第2パッド
16 :ソルダーレジスト層
16a :第1開口
16b :第2開口
18 :金属層
20 :金属バンプ
24 :第1部分
24a :頂部
26 :ニッケル層
28 :第2部分
36 :シード層
38 :めっきレジスト
38a :開口
42 :半田バンプ
51 :第1電子部品
52 :第2電子部品
A1 :第1実装エリア
A2 :第2実装エリア
X :距離
Y :距離